中部経済産業局が真っ黒にスミ塗りして公開≠オた「愛知万博の長期借入先のシンジケート団金融機関名」や「年度別運営経費の収支見通し」の全面公開を求めた訴訟の第1回公判が9月12日名地裁で開かれ、裁判長が「愛知県は暴力団では無いのだから、金融機関名を公表しても今後の融資に支障が来すとは考えられない」などと被告経産局に対して原告オンブズマンも驚く鋭い指摘を浴びせた。同時に、オンブズマン側はスミ塗りされた「金融機関の印形」や「責任者の筆跡」などについては公開を求める対象から外したので、次の第2回公判(10月12日)で早々と結審されるもよう。
上水道下水道談合訴訟に完全勝訴判決
愛知県の上水道と名古屋市の下水道談合訴訟は、9月7日名古屋地裁で判決があり、加藤裁判長は談合があったと明確に認めると共に自治体側が談合による損害の返還を求めないのは違法であることを確認した。
訴えの内容が「談合という違法行為に基づく損害賠償を請求しない」という事実の違法性を問う形であることから、監査請求期限の制限は受けないとして、従来から問題であった「1年の壁」をクリアーさせている。以下愛知県分の要約。
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判決要旨 原告:市民オンブズマンタイアップグループ3名
被告:富士電機(株)・(株)日立製作所
愛知県公営企業理者企業庁長
主文要約
1 被告富士電機(富士)・日立製作所(日立)は愛知県に対し4851万3千円と支払済みまで年5分の利息を支払え。
2 被告企業庁長が、被告富士・日立・横河電機(横河)に対
し愛知県が平成5年度に被告日立に請け負わせた計装設備更新工事の談合に関する不法行為に基づく金額の損害
賠償請求権の行使を怠る事実が違法であることを確認する。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。
4 訴訟費用は、4分の1被告の負担、4分の3は原告の負担。
5 この判決は第1項に限り仮に執行することができる。
主文の内容の説明
1 被告富士及び日立は、愛知県に対し、4851万3千円及ぴ
遅延損害金5%を支払え。
2 被告企業庁長が,被告富士,日立及び横河の談合企 業に対し,損害賠償請求しないことは違法であることを
確認する。
3 1項の金額を超える部分の請求は棄却。(以下略)
理 由
1 本件は,愛知県の住民である原告らが地方自治法に 基づいて提起した住民訴訟であり概要は次のとおり。
原告は,愛知県が発注した幸田浄水揚の計装設備更新工事について,被告3杜が談合したため契約代金が不
当につり上げられ、愛知県はこれによって20%高い金額を
支払うこととなり、2億1千万円余りの損害を被ったとして、被告に対しては 同額を愛知県に賠償するよう求め、
愛知県公営企業の被告企業庁長に対しては、同被告が談合企業に対して同額の損害賠償請求をしないことが違法であるとの確認を求めた。
2 被告は、訴えに先立って出された監査請求は本件から1年以上後にされているので、地方自治法の監査請求期
間経過後にされて不適法であり却下すべきであると主張するが、原告の監査請求は談合という不法行為に基づく損害賠償請求をしないことは違法であるという形でされており、契約の違法を直接の問題としていないので、監査
請求期間の制限を受けず適法なものである。
3 被告企業は談合の事実を争っているが、証拠によれば
被告企業が、入札談合を行い、これによっての落札価格をつり上げて愛知県に損害を与えたと十分に認められる。
原告は談合により落札価格の20%相当額の損害が生じたとするが,証拠によりその額を認定することは困難であ
るため、―切の事情を考慮して民事訴訟法248条により契
約金額の5%相当額(4851万3千円)が発生したと認める。
4 被告企業に対して直接愛知県へ損害賠償を求める住民訴訟と,被告企業庁長に対して損害賠償請求をしない
ことの違法確認を求める住民訴訟は、両立し得る。
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愛知県魚アラ公社その後
以前からウサン臭ささが抜けなかった魚アラ公社に、県から委託金が2千数百万円支出され、その使途の殆どが天下りした元県職員の給与らしいことが判明した。給与以外の支出は、公社のPRポスター制作費くらいのものだが、寡聞にして誰も見たことがないので、タイアップの事務所に張り出すという案が浮かんでいる。外郭団体問題の典型例として取り上げ、今後県関連主要公社について掘り下げた調査を進めることになった。
名古屋市民オンブズマンとタイアップグループは、8月10日愛知県知事、愛知万博協会会長あてに万博を中止するよう申し入れた。市民オンブズマンが万博に「反対」アピールをするのは今回が初めて。
これと同時に、愛知県内の大学経済学部・経営学部・商学部の教授助教授全員に対し、「万博に投入する税金を上回る経済効果が見込まれると考えられるかどうか」というアンケートを郵送した。11月初め頃集計結果をまとめて発表する予定。申入書はHPに。
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本来必要な僻地手当などがカットされて、存在意義の疑わしい「全職員に10%」の調整手当が温存されようとしている。そもそも愛知県の給与は、国や他自治体と比較して高いのか安いのか?
調整手当を基本給に組み込まないのは何故か?
一本化すると高すぎて納税者の理解が得られないのでヤミ給与として支給しているのではないか?そのあたりをズバリ県当局に聞きに行くことになった。なお、愛知県が全職員に支払っている調整手当・僻地手当・特地手当は下記のとおり
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調整手当 |
僻地手当 |
特地手当 |
10年度 |
35,405,120 |
387,450 |
83,871 |
11年度 |
34,676,030 |
371,543 |
85,984 |
12年度 |
34,671,072 |
365,695 |
88,020 |
単位:¥1,000
名古屋市長にタクシーチケット保存を申し入れ
名古屋市が請求書に添付されたタクシーチケットを破棄している問題は、捨ててしまえば「文書不存在」となって追求を免れるなど、情報公開の根元を揺るがせることや民間では考えられない「書証隠滅」であることの両面から到底放置出来ないので、10月2日市長宛破棄を止めるよう以下のように申し入れを行った。
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2001年10月2日
名古屋市長 松 原 武 久 殿
名古屋市民オンブズマン
名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ
代
表 佐 久 間 信 司
使用済みタクシーチケット破棄取りやめ申入書
われわれ名古屋市民オンブズマン及びタイアップグループは、本年6月名古屋市長および名古屋市交通局長に対して、同市市長室秘書課、同緑政土木局総務課、及び同市交通局が平成13年4月、5月、6月に使用したタクシーの使用料に関する行政文書の公開を請求し、支出命令書、請求書、請求明細書、タクシー乗車区間明細などの公開を受けました。
しかし、公開を求めた文書中、請求書に添付された使用済みタクシーチケットについては、各部署とも「使用済みタクシーチケットは廃棄しており、乗車者名・乗車時のわかる文書は作成していないため文書不存在。」とされています。
公開窓口の説明によれば、同チケットは担当者が請求書と照合後破棄しているとのことですが、このような処理がされていることは、請求内容の適不適が担当者のみの判断に任されていることになりますし、後日の監査も実質に及ぶことは不可能であります。
しかしながら、請求書に添付された使用済みタクシーチケットは名古屋市情報公開条例による「公文書」であり、特に本件のような支出を証明する書証文書が恣意的に破棄されるならば、情報公開そのものが形骸化されてしまいます。
他方、昨今外務省で大きな問題となっているハイヤー疑惑も、このようなチエック体制の不備に起因していることは明かであり、もって他山の石とすべきであります。
民間企業においては、同種支出の証拠書類は数年の保管が義務づけられています。
まして税金を原資とする公費の支出においては、いっそうの厳密さを求められるのが当然であって、いやしくも内規による処理をもってよしとすべき性質のものではあり得ません。
以上により、貴職におかれて自主的に事態の改善を図られるよう申し入れます。
なお、愛知県では本年4月より、同文書を公開されていることは勿論、それ以前の文書についても、情報提供の形を取って自主公開されていることを申し添えます。
本申し入れに対するご回答は10月末日までに、下記宛てお願いいたします。
ご回答を待って、再度公開請求をいたします。
下記略