名古屋市民オンブズマン 　　　　HP=www.ombnagoya.gr.jp　　　　　　第114号　2002年4月2日
　　　　　　　　　　
名古屋市中区丸ﾉ内3ｰ6-11 ﾗｲｵﾝｽﾞｼﾃｨ久屋503　滝田法律事務所内Tel.052-961-1600Fax.052-961-1615
　

第６回全国主要自治体情報公開ランキング
　全国市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ連絡会議の恒例行事、全国都道府県･政令都市情報公開度ﾗﾝｷﾝｸﾞは3月20日発表された。
　全19頁の本文は情報公開市民ｾﾝﾀｰのﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ｢www.jkcc.gr.jp/6rank/06_01.html」で公開されている。
　行政の横並びグセを利用して公開度の上昇を促してきたランキングも､ここに来て得点上手の自治体が現れてきた感がある。
　数が少ない政令市では談合状態で横並びが完成。初期に比べれば公開が進展したことは明かであるが､ﾗﾝｷﾝｸﾞの方法に､もうひと工夫が必要になった感がある。
　　＊
　ベ
　ス
　ト
　10
　＆
　ワ
　|
　ス
　ト
　10		 順位 県名 昨年順位 順位 県名 昨年順位
１ 宮城県 　 １ 37 鹿児島 　 34
２ 愛媛県 　 ３ 37 福岡県 　 42
３ 大阪府 　 10 37 長崎県 　 20
４ 岩手県 　 ３ 40 新潟県 　 34
４ 長野県 　 ３ 41 広島県 　 46
６ 北海道 　 ２ 42 富山県 　 43
６ 秋田県 　 ８ 43 佐賀県 　 43
６ 沖縄県 　 11 43 奈良県 　 38
６ 愛知県 　 17 45 宮崎県 　 43
６ 埼玉県 　 20 失格 東京都 　失格

　また､ランキングに強い関心を持ち､上位を目指すグループと中位を望むグループ､われ関せずの後進国に分類されつつある。以下地元でのｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝのｺﾒﾝﾄ要約。
　第6回全国情報公開度ﾗﾝｷﾝｸﾞの愛知･名古屋市の成績
１．愛知県について ： 昨年の17位から6位に躍進､愛知県が情報公開の充実に配慮した結果で評価はできる。
　　ただ､愛知県が情報公開について先進的な取り組みをしているとはいうわけではない。
　　それは県が政策形成過程の情報の公開に後ろ向きだからである。
　　昨年県は議会提出前の概算要求書を公開せずに順位を落とした。
　　今回庁議についての情報に関する得点は僅か　に10点で､政策形成過程情報の公開は改善されていない。
　　庁議は単に連絡の場で議事録も作成されず､会議で配布された資料以外公開すべきものがないのである。
　　今回の採点では､庁議にかわる意思形成の場があれば､そこでの資料を採点の対象とすることにしていたが．愛知県ではこのような意思形成の場すら分からない。
　　愛知県では決定した政策のみが県民に明らかにされ、その決定過程での県民の関与は極めて制限されている。
　　県の得点は警察情報の公開度が高かったためと見るほかなく､せっかくの高順位も市民の実感とほど遠い。
２．名古屋市について：政令指定市自体、際だった公開事務を執行していないため、順位にはそれほどの意味はない。
　　そして庁議についても十分な情報を公開しているとは言いがたい。
　　政令市はいずれもドングリの背比べ開示度について横並びが定着したことが問題である。
３．海外視察の情報について：愛知県、名古屋市とも、海外視察についての情報の内容は十分ではない。
　　私たちは、海外視察についてはその必要性について疑問を呈してきた。
　　にもかかわらず、愛知県、名古屋市の両議会とも、海外視察の詳細な仝画書を作っていない。
　　詳細な企画書がないこと自体、海外視察が恒例化した観光旅行となっていることを示すものである。
　　海外視察の必要性を主張するのであれば、せめて視察の項目において25点くらいはとってほしいものである。
愛知県議のラスベガス視察旅行
　愛知県議12名と職員1名は、2001年7月30日から8月6日までｻﾝﾌﾗﾝｼｽｺ･ﾗｽﾍﾞｶﾞｽに視察に出かけた。
　旅費だけで870万円以上、通訳等含めると950万円以上かかった。
　目的は「県政の進展に資するため、ｱﾒﾘｶ合衆国のIT事情調査等に議員及び随行職員を派遣する。」という2行しか書かれていない。 　　　　どうしてﾗｽﾍﾞｶﾞｽに行く必然性があったのか？
　ここに県議旅行についての公開度全国一という愛媛県(愛知ではない念のため)の議員旅行「基本方針」がある。
　以下の5点はまことに興味深い！！
　１　任期中に全議員が海外視察を行う。
　２　視察先は、各年の視察団によって決定する。
　３　日数は14日間程度とする。
　４　視察団は県単独とする。
　５　視察人数は各年13人程度とし、人選は当選回数の多い議員からとする。
　「議会活動上の実際的具体的な必要性があって、そのテーマをずっと追及してきた議員が､国内調査では限界があるということで、目的を果たす場として最もふさわしい場（国）に出かけて行く」のではないことがはっきりわかって、情報公開の視点からは非常に評価できる公開である。
　愛知県議・名古屋市議も、海外視察を行う「真の目的」を明らかにするべきではないだろうか。
名古屋市長に黒塗り車削減で公開質問状
　名古屋市では今秋をめどに職員のﾏｲｶｰ通勤を原則禁止する方針とか。そこで隗より始める提案として、
　１．市長室の運用車両は4両で充分､削減を。12両の減車により､少なくとも年間1億円以上の経費節減が可能である。
　２．三役は公用車による送迎を止め、市の交通機関で通勤なさいませんか。
　３．これら隗より始める改善を､職員のﾏｲｶｰ禁止に先立って実施しませんか。
　という案を申し出、3月末までの回答を求めた。
　ちなみに、愛知県は乗用車の集中管理により、本庁周辺の乗用車を51両から31両（13年末）に減車、知事以外送迎を廃止している。
　多額の返金は受け取り、それを取り返してくれた市民の弁護士費用は払わない
　どうにも判らずやの名古屋市・弁護士費用を支払え！
　3月13日､名古屋地裁は､かつて私たちが勝訴した名古屋市政調査会の住民訴訟につき､名古屋市が弁護士報酬相当額として350万円を支払うよう判決を言い渡した。
　この住民訴訟は､1996年2月､名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝのﾒﾝﾊﾞｰだった國井さんが原告となり､違法な｢部会｣の費用弁償を返還･賠償するよう求めて提起したものであった。
　1998年10月30日､地裁は､被告の西尾市長らに4665万円と利息を賠償するよう命ずる原告勝訴判決を言い渡した。
　市長ら被告は控訴したが､翌年2月､被告や費用を受け取った議員らが5379万余円を返還。
　同年7月､名古屋高裁は損害が回復されたことを理由に原判決を取り消した。
　地方自治法242条の2第7項は､住民訴訟につき｢訴訟を提起した者が勝訴(一部勝訴を含む)した場合､弁護士に報酬を支払うべきときは､地方公共団体に､その報酬額の範囲内での相当額の支払を請求することができる｣と規定している。
　私たちは､当然これに該当するとして､訴訟終了後名古屋市に対し報酬として約900万円を請求した。
　ところが名古屋市は､勝訴判決は高裁で取り消されているから｢勝訴した場合｣に該当しないという形式論により支払を拒否した。
　そのため､昨年末に弁護士報酬請求訴訟を提起した。
　被告が一審敗訴した住民訴訟において､被告が控訴後に判決に従った弁済をし､高裁で逆転判決を取るというやり方は｢愛知･名古屋方式｣と呼ばれ非難されている。
　今回の判決では｢本件住民訴訟は勝訴の確定判決以上に違法是正に貢献したものと評価｣。
　また､強制執行を認める仮執行宣言もつけているので､市に支払を求め､市は3月20日､利息も加えた353万2602円を振り込んで来た。
　しかし､同月26日名古屋市は控訴。原告も対抗上､翌27日､増額を求めて控訴した。
　同様の｢愛知･名古屋方式｣で敗訴した訴訟が他に5件以上もあるため､名古屋市は判決を受け入れる訳にはいかなかったのだろう。正義がいずれにあるかは明白である。
必ず返り討ちにしてくれよう。　　　　弁護士竹内浩史
　投　稿
｢愛知県のヤミ残業｣を読んで
　私は愛知県職員です。3/2投稿の｢愛知県のヤミ残業｣を読んで驚きました。私の実態とはかなり違います。
　｢金額としては月に2万から5万円､時間に換算して10時間から20時間程度です｣とありましたが､わたしのこの1年の時間外手当は月平均12千円､時間で0～12時間程度です。
　さらに､残業手当の予算が足りないのでサービス残業がか
　ほかにも午後5時過ぎまで出張したあと庁舎で残業しても､管外に出ていることになっているので付けられないとか、いろいろな制限もあり､過重労働をこっそりやらなければならない…というやりきれない現状があります。
　残業していないのに残業代をもらっている部署もあるようですが、それは限られた部署だけです。
　わたしのいるような体を使って住民サービスを行う部署には､そんなお金はありません。緊縮財政でまっさきに人件費が削られ､リストラはなくても大きな負担を強いられています。
　関連する部署で､つい先日過労死と思われる突然死で亡くなられた方があります。
　県職員のほぼ全員がしてもいない残業手当をもらっているなんて。まったく正反対の職員も多いことを知ってください。

宗男コ－ルの提唱
　　せっかく政界浄化の起爆剤となりかけた鈴木宗男氏に議員辞職勧告の声が上がっている。
　辞職などしないで政官財の癒着ぶりを徹底的にさらけ出し、小泉首相では到底成し得ない大改革の魁となるよう「むねおコール」の大合唱を提唱する。
　それによって宗男氏は日本の歴史に残ることは確実である。－ＫＳ－　辻本コールも同時に？

投稿欄を新設　行政の勝手監査役を自任するオンブズマンにふさわしい投稿をお待ちしています｡
　原稿は500字前後､信憑性を保つため氏名、連絡先電話番号を明らかにしてください。
　紙上匿名ご希望の場合はその旨明記してください。
　　　投稿宛先：中区丸の内3-6-41リブビル6F
　　　リブレ法律事務所内 名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ･ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟ
　　　FAX:953-8050　E-MAIL：ombnagoya@ombnagoya.gr.jp
　日程：名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ 　　　　　　　　　　　2002年４月以降
月 日 曜 時間 　　行　事　･　裁　判　･　催　し 　　　　場　　　　　所
４ 11 木 13:15 下水道談合訴訟・弁論 名高裁１部
４ 15 月 13:10 経産局万博情報公開控訴審・弁論 高裁民事３部
４ 15 月 14:00 名古屋市議費用弁償監査請求意見陳述 名古屋市監査事務局
４ 18 木 15:30 上水道談合訴訟・弁論 名高裁４部
５　 24　 金 13:30　 塩漬け土地情報公開訴訟・弁論準備 名高裁民事３部
６ １ 土 13:00 全国拡大幹事会 愛知県産業貿易会館
９　 14・15 土･日 　 第６回オンブズマン全国大会　 宇都宮市

　　　＊以上の他、毎週火曜日に例会としての火曜会をリブレ法律事務所で開いています
　　 ◇ 郵便振替口座：名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ･ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟ 00870-9-105687 （会費振り込み用）
タイアップニュースホームページ　www.ombnagoya.gr.jp

会費納入をお忘れ無く・本会は会費だけで運営されています