名古屋市民オンブズマン   HP=www.ombnagoya.gr.jp  第116号 2002年6月11日
          
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最高裁「上下水道談合」弁論弁護士 竹内浩史
1.最高裁の口頭弁論とは 最高裁では、敗訴者の上告を容れて逆転判決をする場合は、必ず口頭弁論を開かなければならないと規定されている。
 1995年の全国市民オンブズマン連絡会議で提唱された談合事件の住民訴訟については、当初全国の地裁・高裁で、1年の監査請求期限の徒過を理由とした門前払い判決が相次ぎ、数多くの上告事件が最高裁に累積した。
 今般、各地の高裁で当方が敗訴していた事件につき、最高裁が一斉に口頭弁論開催を決めた。逆転勝訴確実。その中には、1999年に名古屋高裁で敗訴した愛知県上水道談合住民訴訟(1審で分離却下された部分)も含まれている。
2.下水道談合事件の口頭弁論 まず皮切りに、6月3日の午前,第2小法廷で静岡県島田市の下水道談合につき開催され、名古屋からは私が出廷した。当方は提唱者である横浜の大川弁護士が弁論をした。
 相手方は、下水道談合の9社と日本下水道事業団。そのう
 
ち日立・東芝・明電舎・日新電機がそれぞれ弁論に立ち、最後に事業団のK弁護士が弁論した。例によって訳の分からない論理を展開した上「本訴は日本の裁判の水準が問われている」と結びました。「あなたの水準こそ問われている」と叫びたくなった。この件の判決期日は「追って指定」とのこと。
3.上水道談合事件の口頭弁論 翌4日の午後には、第3小法廷で、順に、富山県・三重県・愛知県の上水道談合につき、連続して開催された。名古屋からは、私以外に平井・森田・新海弁護士と原告の北村さんが出廷し、さらに数名(司法修習生も含む)が傍聴した。
 まず、富山事件で大川・青島弁護士が弁論、三重事件で松葉弁護士が弁論。次いで愛知事件の弁論。平井弁護士がアドリブで「法律関係の早期安定を門前払いの理由とするのは、一般常識からかけ離れている。損害はきちんと賠償させるべき」と弁論。私が続いて「本来は分離されず、昨年9月の名古屋地裁判決で同時に勝訴していたはずだ。同判決に沿って判例を統一すべき」と論じた。相手方は誰も実質的な弁論をせず。判決期日は、7月2日の午前10時30分。お楽しみに。

  名古屋市議の費用弁償返還提訴
  名古屋市議は月額101万円の議員報酬に加えて月額55万円の政務調査費の支給を受けているが、それに加えて登庁のたびに費用弁償と称して一律1万5千円を受けている。
 その内容は登庁旅費をはじめとした諸費用とされている。
 名古屋市民オンブズマンでは、この費用弁償は支給額を条例で定めるとした地方自治法に反するとともに、市交通局から支給されている特別乗車券、あるいは専用車による送迎と重複する二重三重払いであるとして、市議会が公文書公開の対象となった昨年6月から11月までに支払われた費用弁償を集計、その総額4,566万円の返還を求めて3月18日監査請求を提出し、鑑査却下を経て6月7日、名古屋地裁に訴訟を起した。
 立法者によるお手盛り支給は最も自戒すべき所、議員たる
もの今一度議員みずからの権威について考えてもらいたい。

 豊田市には包括外部監査で提訴
    
包括外部鑑査の形骸化を防ごう
  豊田市の包括外部監査は鑑査の対象が、全国で最も問題が少ないと思われる同市の「市税徴収状況」であること監査報告書が全部で8頁と極端に簡易なものであることなど、質量ともに鑑査に値せず、さらに従来の監査制度を見直すため導入された外部監査制度を、従来の鑑査と同じように形骸化する危険性を持つと判断、不法不当であるとして鑑査請求を行った、同市監査委員の却下を経て、豊田市長及び監査人に対して鑑査委託費用1,155万円の返還を求めて6月7日名古屋地裁へ提訴した。
 
投稿欄 行政の勝手監査役を自任するオンブズマンにふさわしい投稿を募集します。原稿は500字前後、信憑性を保つため氏名、連絡先電話番号を明らかにしてください。 紙上匿名ご希望の場合はその旨明記してください。
投稿宛先:中区丸の内3-6-41リブビル6F
リブレ法律事務所内 名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ
FAX:953-8050
E-MAIL:ombnagoya@ombnagoya.gr.jp
 
 投稿 愛知県の残業について 真さん
たしかに、所属によっては、残業していないのに超過勤務手当てがつくところはあると思う。
 でも、人員削減で、大多数の職場はサービス残業が一般化している。
 投稿は内部告発といっているが、内部の人とは思えない。
 本庁なんか、土日の夜でも明かりがついている。みんなサービス残業だ。
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 投稿 脱官僚政治を目指して タイアッフG MT.
 瀋陽総領事館事件で、外務省への非難と不信が日本国中で起こっている。
 副領事が帽子など拾わず、泣き叫ぶ女性や幼児と武装警官の間に入っていたら、警官の行動は変わっていただろう。
 警官が査証待合室まで侵入し、2名の北鮮人を拘束連行した事実は理解出来ぬ事態である。
 もしビデオが無かったらどうなっていたか背筋が寒い。
 更に、領事館の監視ビデオが機能せず、録画無しと聞くに及んで怒髪天を突いた。警備上最も基礎的な設備ではないか。
 私的流用が露見したり、高級ワインを購入したりしている機密費や渡し切り費の合計は年間1千億円近くであったという。
 彼らには国益も国民も無い。公務とは私腹肥やしの金儲けと虚栄心を満たす手段であり、私欲を満たすため、血税を使うことに全く罪悪感を持たぬのだろう。
 この状態は全省庁にも当て嵌ることは衆知の事実だ。城山三郎氏は「規制は減らさず、天下り先を作るだけを生き甲斐としている国賊的な役人が罷り通っている」と怒る。そしてこの傾向は霞ヶ関を真似る地方公務員にも波及している。
 斯くして「行政改革無く、構造改革無く、日本の再生発展無し」という事になる。
 いまや、その行政改革の本筋を担っているのが市民による行政監視運動の「市民オンブズマン」である。行政の悪を糺して成果を上げて来た。そのテーマ発掘を担っているのが市民の目である。この輪が拡がれば行政改革は進む。
 つまり「官僚政治から民主政治へ」ということだ。
 ここで特に有効なのは役所からの内部告発である。「行政の悪を見逃す役人は不作為の罪に!」という動きも出ている昨今、社会のために行政改革を進めるという信念を持って内部から情報提供して欲しいものだ。
 同時に、われわれも精度の高い情報を集める努力をしなければならない。「劇場民主主義からの脱皮」だ。
 他人に「よろしく頼みます」で世の中良くなるはずがない。
 政界で注目すべきは「役人の第二の人生は代議士で」という状態が存在することである。これが政官業の癒着を確たるものにし、行政改革を妨げる勢力となっている。これを阻止するのは国民の選挙行動しかない。
 政治はその国民のレベルを表すということを肝に銘じ、脱官僚政治へ行動することが必要だと思う。いずれにせよ「出来ることから行動する事」を自制を込めて皆さんと誓いたい。

投稿 「県職員」の匿名投稿
    私は愛知県職員、今年で12年目の34歳、男性。
 愛知県の「カラ残業」は本当である。私級では月、1〜2万を何もせずに貰っている。
 残業手当は基本給に比例するので、30年以上働いている人は1000万円超の金額をせしめている計算になる。
 ちなみに私の職場は恐ろしく暇。身元がばれるのが恐いので仕事の内容は申し訳けないが言えない。
 我々の職場に来た人は皆はじめは時間を持て余すが、人間は楽することに慣れるのは早い、すぐ普通の仕事も苦痛に感じでしまうようだ。
 他の人の投稿で「カラ残業といわれるのは心外である」という方がいたが、同じ県職員で無駄に時間を過ごしているにも拘わらず高給を取っている人が少なくないということを恥ずかしく、問題であると感じて欲しい。
 ひとりひとりが本当に自分の仕事が合理的であり、必要であるかということを真剣に考えて欲しい。その気持ちがあれば愛知万博ももっと違う方向に向かったかもしれない。
 どの職場にも責任も取らないくせに管理職と名乗り、1日何もしない上司の1人はいるだろう。彼らは定年後の嘱託に備えワープロ・表計算の練習を始めるのが関の山だ。
 黒塗りの運転手が駐車場で半日も話し込んでいる光景は日常的である。何故ハイヤーにしないのだろう?因みにクラウンの後部シートは電動。笑ってしまう。
 愛知県はとても保守的。県職員は高給に満足し、自身の痛みを感じる内部告発をためらっていると思う。
 この4月から県職員は8時間働いていなかったということで勤務時間が変更になったが、勤務時間を変えるより7時間分の基本給に変えて欲しかった。
それでどれほど無駄な支出が押さえられたことだろう。
 とにかくこんな人達と一緒に働くことは人間不信になりかねない。是非、オンブズマンの力で全残業手当の廃止を達成してほしい。
  

 日程:名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ         2002年6月以降
時間   行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し 場     所
21 11:00 万博訴訟第1回公判  
 2 延期 上下水道談合訴訟判決 延期 名古屋高裁
10 10:00 塩付け土地公開準備手続 名高裁民事3部
11 14:30 名市交際費公開準備手続 名高裁民事3部
17 13:30 県交際費公開進行協議 名高裁民事4部
18 15:20 名古屋市市政調査費弁護士報酬訴訟弁論 名古屋高裁民事4部
18 15:30 上水道談合訴訟弁論 名高裁民事4部
27 16:30 オンブズマン&タイアップグルーフ総会・懇親会゚ 富士屋本店
14・15 土・日   第6回オンブズマン全国大会 宇都宮市
17 13:15 下水道談合訴訟弁論 名古屋高裁民事1部

 *以上の他、毎週火曜日に例会としての火曜会をリブレ法律事務所で開いています。
  ◇ 郵便振替口座:名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ 00870-9-105687 (会費振り込み用)
     タイアップニュースホームページ WWW.ombnagoya.gr.jp
オンブズマン&タイアップG 合同総会懇親会 7月27日(土)
多数の参加を!! 
日 時:2002年7月27日(土)
開始時間  総  会:午後4時30分
       懇親会:同5時30分頃から
場 所:「富士屋本店」TEL:052−262−4001
     広小路本町交差点南一本目信号を東(左)へまがり約50m右側
     または、丸善と丸栄の間を南へ、一本目を西(右)へ、約100m左側
会 費:6千円 当日集金
申し込:7月15日までに FAXで 052−961−1615
*会員の皆さん、総会へは出来るだけ大勢ご出席下さい
*総会懇親会とも、出席制限はありません、どなたでも歓迎です

 当日、オンブズマンタイアップグループでは[活動報告][会計報告][現況報告][タイアップGの会則変更案]などを上程審議の後、懇親会に入ります。
 今回のタイアップGの議題「会則変更」は、会費を年間6000円(月額500円)へ変更(現行年額5000円で月割りが出来ないため)、および同Gの「会費の半額をオンブズマン支援に当てる」を「会費の半額を要請に応じてオンブズマンの支援に当てる」とし、その残額を、事務所を利用させてもらっている法律事務所に謝礼として遅れるようにしようとするモノです。