名古屋市民オンブズマン   HP=www.ombnagoya.gr.jp  第119号 2002年9月4日
          
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 天白医師会休日急病診療所
 虚偽申告補助金だましは天白区だけか?

各紙の報道によれば、
名古屋市医師会天白支部の休日急病診療所では、H13年度休日急病診療所事業に対する市の補助金申請にさいし、H12年度の繰越し残高を5百万円も過小報告していた。同支部は「黒字が多いと補助金を受けにくなるので」と説明しているといい、市医師会は市に報告するとともに、同年度天白区の補助金765万円を全額返還することに決めたという。
 また、市医師会は、本件について調査委員会を設け、全容を解明するというが、虚偽決算ははたして天白区だけの問題であろうか。同事業に対する市の補助金は毎年一区当たり約7百数十万円が支出されている。
 市へ提出された決算書によれば、天白区の12年度繰越金は決して過小ではなく、他の区に比してむしろ多い方。
 虚偽申告による補助金の受領は、それだけでいろいろな犯罪要素を含んでいる。まして本件の場合、休日急病診療という社会的な意義を謳う事業であれば、市民の信頼を裏切らぬ内容が求められよう
 改めて決算書を眺めると、不審な点も多く目に付く。調査委員会が市民の信頼に応える結果を出すことを期待しよう。
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オンブズマン市の行政健全化に貢献 名古屋市アクセスログ&IDカード問題
 前号既報のように、名古屋市は個人情報の検索結果を残す「アクセスログ」を残しておらず、市は市会での質問に今後早急に対応を検討すると答えた。
 また、我々の調査の結果、市職員が個人情報を検索するためのIDカード使用状況も、まったく管理されていない端末があることが判ったためため、市側は市政記者クラブで、IDカードの使用管理が出来ていないのは「住民記録システム運用要項」違反なので、適正化を指示した、とレクチャーがあったという。
 しかし、 これまでの市側の対応は、申し入れをした名古屋市民オンブズマンと同タイアップグループを無視しているため、「名古屋市民オンブズマンによる申し入れのおかげで市政の健全化が進んだので、表彰状でも用意しているのか?」とおたずねしたところ、文書での申し入れには文書で答えたいので準備中、とのお詫びを含めた回答があり、8月末になって以下のような文書での回答があった。
 残念ながら表彰はされなかった。
                                  平成14年8月23日
名古屋市民オンブズマンタイアップグループ様
                                                     名古屋市総務局企画部情報化推進課
                                                           市民経済局振興部区政課長
      個人に関する申し入れについて(回答)
 個人情報の照会につきましては、住民記録システムに説いて改善作業をすすめており、早急にアクセスログを残すようにいたします。また、税務総合情報システム、国民健康保険システム、国民年金システム及び介護保険システムについても順次アクセスログを残す改善を行い、市民のみなさま方の不安を解消できるよう努力いたします。
 次に、住基ネットワークシステムにつきまして総務省が告示している「電気通信を通じた送信又は磁気ディスクの送付の方法並びに磁気ディスクへの記録及びその保存の方法に関する技術的基準」に基づいた操作経歴の記録や技術的保護措置を施すともに、本市独自にシステム運用に関する外部監査を予定するなど適切に対応していきます。


恒例・名古屋市市長室黒塗り車の検証
 6月現在、市長室管理の黒塗り車は14両あり、内4両は市長と三役の専用車、残る10両は市長室が適宜使用しているので、今回はその100両の運用について検証。
1.運行状況 
  10両合計 1日当り 1両当り 1両1日当り
出庫回数  213回 11 21   1.07
乗車人数  385人 19 39   1.93
運転時間 154時間 8 15   0.77
走行距 3761km 188 376  18.81
不出走日   55日 3 0   0.01
 10両の黒塗り車と9人の運転者で、1日に20人足らずを188km運ぶ。数字上は1両で足りる程度である。
 毎日3両近くがまったく運行していない。
 平均すれば、1日1回2名乗せ20km走るだけの日常は、運転者としても耐えられない勤務なのではないか。
タクシーに換算 10両の全走行距離3,761kmをタクシー料金に換算すると \1,071,000 になる。(316m/¥90)
ハイヤーでは 全走行距離3,761kmをハイヤー料金に換算すると 約\1,400,000 になる。(323m/\120) (ハイヤーの貸し切り運賃は30分当たり¥3,420、 24時間で¥164,160)
2 運行状況を1月と比較
   1月 6月 対1月増減  同%
出庫回数 193 213   20  10.4
乗車人数 344人 385   41  11.9
運転時間 170時間 154   -16  -9.4
走行距離 3905km 3761  -144  -3.7
台数  12台  10   -2  -16.7
運転者   9人  9   0   0.0
 遺憾ながら我々の削減申し入れは無視されている。 2両の減車は遊休車を処分したもの。
3 使用者の内容
    フリー車10両の使用者  
職員 115 55.8
 (局長級 22 10.7)
 (部長級 14  6.8)
 (課長以下 79 38.3)
議員・委員等 50 24.3
来客 41 19.9
  206 100
   職員による使用が過半数であり、さらに全体の40% が課長以下の使用。
  他の部署でもこのよう課長級以下が黒塗り車を使用しているのか?
 
4 提 言 利用者・走行距離・利用回数、どの面から見ても、現在の保有台数は過大。
   市長三役の専用車を認めたとしても、待機時間を利用するなど相当数の一般利用が可能であり、
   
それ以外の需要はハイヤーの常駐、タクシーの利用で充分対応できる。 (次項参照)

政令指定都市公用車運行調査
 名古屋市民オンブズマンタイアップグループでは、深刻な不況の中で、民間企業の黒塗り乗用車削減が厳しく行われているのに比べ、官公庁の黒塗り車が依然として多く、目立った存在になってきたことに着眼し、全国12の政令指定都市の黒塗り乗用車(来客・幹部用)の実体アンケートを行った。
 12都市中9都市から回答が寄せられたが、京都大阪神戸の関西3都市からは回答が得られなかった。
 都市によって、議会関係を加えるか否か等、数える基準が違うため、一概に台数比較を論ずるわけには行かないが、地元名古屋市の台数がぬきんでて多いのは、誠に遺憾なことである。
 なお、名古屋市には、以前から削減の申し入れを行っており、マスコミでも取り上げられているが、運転要員の処遇が問題などと逃げ口上ばかりで、いっこうに削減の気配がない。(前項参照)
 
政令指定都市公用車運行調査整理表(平成14年8月) 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ

都市名 総括管理部署 市の職員数 黒塗り台数 送迎 耐用年数 過去数年の減車実績 減車計画
札幌市 行政部総務課 16,562 53 市長三役 12年13万キロ 4台 局用車を廃止
仙台市 各局主管課 10,766 29 市長三役 9年9万キロ 3台 局間のプール制 運転者の退職を不補充
千葉市 管理課 8,000 24 市長三役 7〜15年 5台 更新は軽自動車 同前
川崎市 管理課 16,126 22 市長三役 12年 6台 タクシーの活用
横浜市 行政部総務課 33,000 47 市長三役 11年かつ10万キロ
名古屋市 な し 30、662 70 市長三役 9年かつ8万キロ 11台 11年以降減車 減車と車種変更
京都市   回答なし
大阪市
神戸市
広島市 秘書課 11,477 21 市長他* 10年以上 3台
北九州市 な し 10、460 21 市長三役 11年11万キロ 9台 運転者の退職期 未定
福岡市 自動車管理事務所 9,843 31 市長三役 9年又は11年 7台(今年度) 集中管理で 周知委管理で減車済み
 コメントなど追加記入された事項                                                
  札幌市 :H10年度局用車を廃止、12台中4台を減車して共 用車として管理。札幌市は16局10区役所。
 仙台市 :黒塗り車は各局主管課で管理している。三役車は秘書課、正副議長車は議会庶務課、局・区長車は各主管課で管理。
      H9年4月から1局2・3局1台のプール制を導入。
 川崎市 :減車対策に稼働率の向上とタクシー券の活用を計っている。
  横浜市 :47台の内訳−専用車(特別職)5台・局区用車26台 (局区の事業全般に使用)・1日1台走行距離60km
  名古屋市:使用状況等を勘案した減車と更新時に車種変更を検討。
  広島市 :本庁は秘書課で、本庁以外は各部局で管理。
     *送迎−市長・議長・副議長
 福 岡市 :今年度よりの集中管理に伴い7台を減車済み。
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投稿
身障者手帳の不公平 9/1 KSさん
 ご近所の3級身体障害者手帳を持った方は、とても3級の障害者とは思われません。
 ご本人は、股関節に障害があると言っていますが、歩行に杖も要らず、一人で生活活動ができ、もちろん車の運転もでき、見た限りでは普通の人とかわりありません。
 3級の障害の認定内容を調べましたが、とてもその方に当てはまるとは思われません。
 知人で2級の方は、一人では生活できない障害があります。
 このことを区役所の民生課に尋ねたら、一度発行した手帳は障害の程度が軽くなったり治っても返しに来る方はほとんどいないとお聞きしました。
 手帳を受け取ってからの定期的な再検査も無いようです。
 もし、本当に障害が軽くなったり、治ったりしても障害手帳を返さずに税金逃れをしていたとしたら、法律違反で税金の無駄遣いで、さらに返還要請をしない役所の怠慢ではないでしょうか?
 これは私だけが感じていることではなく、いろいろなところでいろいろな人が見て感じていることだと思います。
 その点、一度オンブズマンさんに調査を依頼したいと思い投稿しました。よろしくお願いいたします。
*むつかしい問題ですね、残念ながらわれわれの現状は、本件 には手がさけません。

納得ゆかない市議員の費用弁償 8/9 守山区 Yさん 朝日新聞朝刊の市議費用弁償の記事を見た。本会議などへの出席で15000円の手当とあるが、私が友人4人と8月6日、総務環境委員会を傍聴した折、ある議員はすぐに退席、資料もそこに置いたままだった。あれで15000円もらえるのかと、とても不満を感じた。

  日程:名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ    
  2002年9月以降


 
  曜 時間   行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し     場     所
 9 13:15 上水道談合差戻審 名古屋地裁民事
 9 14:00 万博情報公開控訴審弁論 名高裁民事第3部 1003号法廷






 
14・15 土・日   第6回オンブズマン全国大会 宇都宮市
17 10:30 県知事交際費情報公開差戻審 名古屋高裁民事第4部 1003号法廷
17 11:00 名市長交差費公開準備手続 名高裁民事第3部 1005号法廷
17 13:15 下水道談合訴訟弁論 (最高裁差戻審) 名地裁民事9部
25 11:00 万博中止情報公開訴訟弁論 名地裁民事9部
10  1 11:00 塩漬け土地公開準備手続 名高裁民事第3部
10  4 10:00 豊田市監査役住民訴訟弁論準備 名地裁民事9部


 
10 21 10:30 市議員費用弁償住民訴訟 名地裁民事9部1103号
10 21 11:00 市長交際費差戻控訴審 名高裁民事第3部
10 21 11:00 万博情報公開控訴審弁論・結審予定 名高裁民事第3部 1003号法廷
    *以上のほか毎週火曜日にリブレ法律事務所で例会を開いています
  ◇郵便振替口座:名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ 00870-9-105687 (会費振り込み用)
       
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