名古屋市民オンブズマン HP=www.ombnagoya.gr.jp 第124号 2003年2月11日
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市議政務調査費のオンブズ監査予告編
監査結果を3月29日あいちNPO交流プラザで公開
名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝと県下連携団体では、愛知県内の主要自治体で議員政務調査費がどのように使用されているか、平成13年度政務調査費の収支報告書の公開を求めて、市民による監査を行い、目下集計中。
このように各自治体を並べて見ると、同じ調査研究費でも、その使い方に大きな差があることがわかる。
例えば調査旅行についても、豊田市が海外を禁止しているのに対し、小牧市ではｵｰｽﾄﾗﾘｱと中国へ視察旅行に出掛けている。また、岡崎市では、複数台数のﾃﾞｼﾞｶﾒを購入するなどの(すでに市に監査請求済み)個人的使途に使われていると思われるものが散見される。
全体に調査旅行の旅費計算は市職員の例に従っていて、日当と食事代を請求する事が常態となっている。
しかし、政務調査費による旅行は公務ではなく、日当や食事代が含まれて良いはずはない。
さらなる問題としては、調査旅行の視察先とその内容が、当該自治体の現状に関係がないと思われる場合が多いこと、および、本来視察旅行は2名か、多くとも3名で行けば充分で、会派総出で出掛ける必要は無いとの問題提起がされた。
愛知県と名古屋市はどうなのだ？
ところで、これらの自治体は少なくとも政務調査費の報告に領収書等の添付を義務づけているため、このような市民による監査が可能となった。
これに比べて、それぞれ年間600万円・660万円と上記自治体とは桁違いの政務調査費を支給している愛知県と名古屋市が、報告に領収書の添付を義務づけていないのはいかにも納得出来ない処置である。
ｵﾝﾌﾞｽﾞでは、この市民監査の集計結果を3月29日「あいちNPO交流プラザ」で公開するが、同時に県と名市に対して領収書の添付を義務づけるよう申し入れる。
＊「あいちｎｐｏ交流ｾﾝﾀｰ」は地下鉄名城線「市役所」駅下車、2番出口から東方向に徒歩３分にある。
名古屋市議調査研究費訴訟棄却の判決
原告団・それなりの意義はあったと総括
1月31日、名古屋地裁は、市議の調査研究費の使途が非公開で違法、市議会の4会派は調査研究費を返還せよとの住民訴訟に棄却の判決を下した。提訴していたのは「市議調査研究費の公開を求める市民の会」。
原告は、敗訴ではあったが、判決で「調査研究費が公費から出ていることを考えれば、領収書を公開するなど使途を明らかにする制度を設けることは透明性の観点から十分検討に値する」などの言及があり、それなりの効果はあったと評価している。判決も、「現状では、都道府県や政令市などの高額な調査研究費を出している自治体の殆どで、領収書の添付が義務づけられていないため棄却」と言外に現行制度への不満ともとれる内容である。
控訴については、新証拠の発掘も見込まれないことから見送りの空気が強く、他方各地の自治体では領収書公開などの意向も聞かれることから、今後も市民の監視を市議に意識させ、多方面で調査研究費再検討の運動を展開していくことになった。
市民ｵﾝﾌﾞｽﾞ知多半島ニュース
半田市建設工事談合告発の不起訴理由は「起訴猶予」
名古屋地裁は1月20日、市民ｵﾝﾌﾞｽﾞ知多半島から半田市の団地建設工事に談合に関して提出されていた前半田市長などに対する告発を、不起訴処分にしたと通知してきた。不起訴理由は起訴猶予とある。
起訴猶予により、談合の事実は確認されたことになる。
同オンブズの感触では、地検は多忙で細かな談合に対応してはおれない様子という。
公正取引委員会に対しても、１２月１７日同件について申告書を提出しているが、公取は常に独自活動を表明しており、独禁法違反に対する申告には、必ず回答するという定めはあるものの、回答期限はない。
＊名古屋市議費用弁償事件控訴＊
・控訴理由の要点・
名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ＆ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟは、昨年末､異例の条例の遡及改訂で合法とされた名古屋市議の費用弁償問題につき、１月２２日名古屋高裁のへ控訴した。 以下は、主張する控訴理由の要点。
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第１ 条例遡及改正で違法性は治癒されない
１ 違法状態を是正する条例の遡及改訂は、行政法基本原理「法治主義」に反する。
２ 事後遡及改訂が無制約に認められれば、多数党は過去の違法行為を適法に出来ることになり、そのような行為の不当性は明らか。
さらに本件は、自ら受領した費用弁償の違法性を合法化するという議員のお手盛りであり、二重の意味で不当。
３ 条例の瑕疵の治癒は無制約許容ではなく、法治主義との調和の観点から、実質的な検討が必要。
４ 本件の暇疵の程度は明らかに自治法に違反し、極めて重大で軽微なものとは言えない。
なお、給与条例主義に違反する公務員への給与の支給を条例の遡及改正により適法になるとした判例があるが、それらは、実質的な検討のうえで、本件と異なる結論を導き出したものである。
第２ 本件費用弁償の実質的違法性
１．費用弁償日額1万5千円の算出根拠は不当
費用弁償に占める主要な内約である交通費は、ﾀｸｼｰの往復料金を目安とているというが、最も遠い市議で往復1万1千円未満、平均では5千円未満、市議全員の往復ﾀｸｼｰ代金合計は約19万円であり、とうてい現行費用弁償日額117万円の主要部分ではあり得ない。
２．本来、市議の登庁にﾀｸｼｰを想定することは不当。
市民の代表である市議こそ、市営の交通機関で登庁すべきである。大半の市議は地下鉄市バスの無料特別乗車券を支給されている。
３．正副議長については特に問題である
公用車による送迎を受けている正副議長に、なぜ交通費が主体という費用弁償が支払われるのか。
条例では、費用弁償は｢議長、副議長及び議員が公務のため旅行したときは、その旅行について、費用弁償として旅費を支給する（第５条）｣と規定されており、そもそも、旅費以外に支給されることが違法。
大阪の市民ｸﾞﾙｰﾌﾟ｢見張り番｣の感動
大阪のｵﾝﾌﾞｽﾞ「見張り番」は大阪府監査委員から、従来の姿勢からは考えられない監査結果を得た。
以下は見張り番ﾎｰﾑﾍﾟｼﾞの見出しと内容の要約。大阪の監査委員が監査不要論に終止符を打つか。
大阪府監査委員ついに｢違法支出の返還、行為者の処分など｣を勧告！
１４年間､いろいろな違法不当支出について監査請求による問題の追及を続けてきたが､今回監査委員､議会､該当職員らが誠意をもってあたり､請求人の予測以上の成果を見せてくれたことに感動すら覚えている。
これまでの監査結果は､市民に立ち向かって職員をかばい､事件を最小限に留める｢身内監査｣で､はがゆい思いをしてきたが、今回の事件は、まず情報提供者らの「違法行為をなくそうとする誠実な訴え」にはじまり、鳳土木事務所の職員の文書公開の態度、土木部経理担当の誠実な姿勢、監査委員の事件を徹底調査しようとする熱意などが、肌で感じられた。
誠実な対応は｢平成9年10年の全庁にわたる裏金ﾌﾟｰﾙ発覚への反省」をほとんどの職員が身につけていたことにも原因がある。
担当課の意見陳述も｢違法支出｣を認め､全力で調査することを監査委員に約束し､反省の態度が伝わった。
私たちが今回の大阪府土木部職員や監査委員の態度に感動したということは、これまで市民が自治体のために行う「住民監査請求」に対して、行政側は市民と相対する場に立っていたという証明である。
今回の違法支出発覚は不幸な出来事であるが、みなでその不正を追及し、防止することに一致して当ったさわやかさと、府政への信頼が強まったことは確信できる。
最初は、ﾏｽｺﾐの反応も低く、とりあげたところはごく一部で、「監査請求した」という事実は小さく報じられた。
ところが、府議会が決算不認定になりかかった。府議会ではその重大さに気づいていたのだろう。
監査結果が出て、ﾏｽｺﾐも反応してきた。昨今の報道ぶりに批判が集まるのも無理からぬところで、ﾏｽｺﾐへの市民の信頼も低下の一途していることを真剣に受け止めてほしいものである。
＊ 見張り番HP ＝ http://hb4.seikyou.ne.jp/home/ amatsu/Mihariban.htm
監査委員が変心？大阪府に続き東京都下でも
監査委員が市職員に公金返還勧告
2月2日付け毎日新聞によれば、東京都清瀬市の監査委員は「職員が公用車を私用に使った」と認定し、職員が使ったｶﾞｿﾘﾝ代（7ｷﾛ分）と、車の維持費計905円を市に返還するよう勧告したという。
大阪府監査委員の監査結果（別掲）と言い、これまで監査委員から棄却・却下以外に聞いたことがないわれわれにしてみれば、まるで別世界の事のようである。
2003年1月17日、最高裁第二小法廷は、徳島県議会野球大会旅費・日当・宿泊料等返還請求事件で、訴えを認めた原判決を支持（一部破棄）し上告を棄却した。
全国都道府県議軟式野球大会に参加した徳島県議に対する旅費の不当利得返還請求が認められ、旅行命令で随行した県職員に対する同請求が棄却されたことを不服として、自治体側が上告していた事件。
内容：件名 徳島県議会野球大会旅費，日当，宿泊料等返還請求事件 原審 高松高等裁判所 平成11年１ 上告人Aの上告を棄却する。
２ 原判決中上告人B，同C及び同Dに関する部分を破棄し，第1審判決中同部分を取り消す。
３ 被上告人の上告人Bに対する訴えを却下し，被上告人の上告人C及び同Dに対する請求を棄却する。
４ 上告人Aの上告費用は同上告人の負担とし，その余の上告人らと被上告人との間で生じた訴訟の総費用は被上告人の負担とする。
＊詳細は最高裁HPにあり
http://courtdomino2.courts.go.jp/judge.nsf/View1?OpenView
何処かの首相を倣い「公約など破っても大したこと無い」等と言わないで！
自民党名古屋市議団が現行1万5千円の費用弁償を5千円カットすると表明するや、各市議団は競って「独自案」を発表した。
民主党・来年度費用弁償の返上（再来年からは又取る！忘れないで！）、公明党・歳費15％カット、最後になった共産党は歳費10％カットに費用弁償廃止（といっても交通費は取る）、と謳い上げ、地方選へのよい子合戦を繰り広げた。
敗訴確実で、本来取るべきでなかった費用弁償を、卑怯な条例遡及改正でムリムリ逆転したために、命がけの選挙を前に風当たりは強まるばかり、ここにいたってニッチもサッチも行かなくなった悪あがき。
足掻けばあがくほど、費用弁償の控訴審で不利になることは、先刻ご承知でしょうが、選挙か訴訟か。
それはやはり選挙が怖い！！
市民の皆さん・市議には４年の任期中に、１人に報酬政務調査費などで約1億円の税金を払うのです。
心して選び心して投票しましょう。
すでに旧聞と化した感のある全国焼却炉談合問題を、あらためて提起したい。
2月25日第18回目の審判が開かれ、参考人審尋が行われる。公正取引委員会の今後の予定から、おそらくこの２５日の審判で終結と思われる。
ここで、これまでの経緯を振り返ってみると、平成11年8月、公取委が全国の焼却炉設備受注について談合と認定し排除勧告を行ったが、このうちﾀｸﾏ・三菱重工・日立造船・日本鋼管の4社が勧告を応諾せず、現在公取委で審判中、2月25日の審判で終結見込み。
これをうけて、名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ＆ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟが平成13年6月に提訴した。
訴訟の内容は、名古屋市が猪子石焼却設備については(株)タクマと、五条川焼却設備では三菱重工業(株)と結んだ契約について、談合による違法の疑いが濃厚なので、代金の支払いを差し止めるよう求めたもの。
名古屋地裁は、平成13年6月、談合の原事件が公取委で審判中であり、審判でたとえ違法が認定され、損害額の支払いを求められても、両社の現況から充分に支払い能力があると認められるため、事後損害が回復される可能性が高い、として訴えを却下した。
以上の経緯から、名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ＆ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟでは、公取委の結論が出次第、あらためて損害賠償を提起することになる。勿論、審判の結果は、談合が認定されると思われる。
焼却炉談合・全国では1兆円にも及ぶ莫大な金額
この事件で違反行為対象工事とされている焼却炉工事は、平成6～10年度の間に全国で下表の60件に昇る。設備業者は9社であり、その内4社が公取委の排除措置を不服として、審判に持ち込んでいる。
名古屋市の場合、契約金額は猪子石焼却設備182億7千万円、五条川焼却設備205億8千万円の高額である。仮に損害金額を20％と仮定ると、前者では約36億円、後者は41億円、判決でも必ずしも少額とは言い難いと言っている。
これら焼却炉はいずれも1基百数十億円と高額、全国での契約高合計はおそらく1兆円前後と見られる。
参考までに公取委の平成11年審査官書面の別紙付表を以下に掲載し、建設価格比較のため
ARGONNE NATIONAL LABORATORY による、
「各国焼却炉建設費比較一覧表」を3頁に掲載する。
＊公取委ﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞ ｈｔｔｐ：//ｗｗｗ．ｊｆｔｃ．ｇｏ．ｊｐ
談合行為対象物件（発注者）一覧
| 地方公共団体(施設名) | 地方公共団体(施設名) | 地方公共団体(施設名) | |||
| 平 成 ６ 年 度 |
東京都(隅田清掃工場) | 平 成 ７ 年 度 |
佐渡広域市町村圏組合 | 度 | 湖北広域環境整備事業組合 |
| 東京都(新江東清掃工場) | 加須市､騎西町衛生施設組合 | 京都市(東北部清掃工場) | |||
| 多摩ﾆｭｰﾀｳﾝ環境組合 | 山口県中部環境施設組合 | 龍ｹ崎地方塵芥処理組合 | |||
| 多摩川衛生組合 | 長岡地区衛生処理組合 | 平 成 ９ 年 度 |
札幌市(第5清掃工場) | ||
| 八王子市(戸吹清掃工場) | 茅野市 | 名古屋市(猪子石工場) | |||
| 阿見町 | 湯河原町真鶴町衛生組合 | 福知山市 | |||
| 尾三衛生組合 | 安中･勝井衛生施設組合 | 日立市 | |||
| 一宮市 | 松本市 | 佐世保市 | |||
| 盛岡市 | 松任石川広域事務組合 | 南河内清掃施設組合(第3工場)い | |||
| 秩父広域市町村圏組合 | 糸満市･豊見城村清掃施設組合 | わき市(南部清掃ｾﾝﾀｰ) | |||
| 下妻地方広域事務組合 | 横浜市(金沢工場) | 新城広域事務組合 | |||
| 八幡浜市 | 神戸市(第10次ｸﾘ-ﾝｾﾝﾀｰ) | 東京都(中央地区清掃工場) | |||
| 上尾市 | 東余市外三町清掃組合 | 平 成 10 年 度 |
西村山広域行政事務組合 | ||
| 八幡浜市 | 平 成 8 年 |
三原市 | 八千代市 | ||
| 上尾市 | 小野市･社町･東条町環境施設事務組合 | 米子市 | |||
| 横浜市(旭工場) | 苫小牧市 | 津島市ほか十一町村衛生組合 | |||
| 中巨摩地区広域事務組合 | 宇城八か町村清掃施設組合 | 名古屋市（五条川工場） | |||
| 双三清掃施設組合 | 置賜広域行政事務組合 | 高知市 | |||
| 東京都(港地区清掃工場) | 尼崎市 | 賀茂川広域行政組合 | |||
| 豊栄郷清掃施設組合 | 福岡市(臨海工場) | ||||
| 亀岡市 | 熱海市 |
▼ 参考資料 各国焼却炉建設費比較一覧表抜粋 （国内の建設単価は極端に高い） 1995.6.22.
| 国 名 | 建 設 地 | 炉形式 | ﾒｰｶｰ名 | 能力(ton/日) | 建設費(億円) | ton当ﾘ建設費(万円) |
| 台 湾 | 新竹県新豊郷 | ｽﾄｰｶｰ | 日立造船 | 180 | 150 | 833 |
| 台 湾 | 台北県樹林 | ｽﾄｰｶｰ | ＭＨＩ | 1350 | 136.3 | 1939 |
| ｲﾝﾄﾞﾈｼｱ | 東ｼﾞｬﾜ | ｽﾄｰｶｰ | Cadoux | 200 | 26.9 | 1345 |
| 韓 国 | 議政府 | 久保田 | 50 | 5.2 | 1040 | |
| 韓 国 | 木 洞 | 日立造船 | 150 | 14 | 933 | |
| 韓 国 | 大 丘 | 日立造船 | 200 | 37.4 | 1870 | |
| 韓 国 | 城 南 | 三井造船 | 100 | 18.1 | 1810 | |
| 韓 国 | 坪 村 | STEINN | 200 | 22.9 | 1145 | |
| 韓 国 | 富 川 | 日立造船 | 200 | 41.1 | 2055 | |
| 米 国 米国の一般炉 | ｽﾄｰｶｰ | 1275-1500 | ||||
| 日 本 | 江 東 | ﾀｸﾏ式 | タクマ | 1800 | 853.7 | 4753 |
| 日 本 | 江戸川 | ﾌｪﾙﾝﾄ式 | ＮＫＫ | 600 | 339.1 | 5652 |
| 日 本 | 千 歳 | 川崎式ｻﾝ型 | 川崎重工 | 600 | 246.5 | 4108 |
| 日 本 | 港 | ﾏﾙﾁﾝ式 | ＭＨＩ | 900 | 448.1 | 4979 |
| 日 本 | 埼玉県東部 | ｽﾄｰｶｰ | 日立造船 | 800 | 405 | 5063 |
| 日 本 | 平成2年度平均 | 386.1 | 144.5 | 3743 | ||
| 日 本 | 平成3年度平均 | 330.7 | 158.2 | 4784 | ||
| 日 本 | 平成4年度平均 | 252.3 | 137 | 5430 | ||
| 日 本 | 平成5年度平均 | 251.9 | 151.1 | 5997 | ||
| 日 本 | 平成6年度平均 | 366 | 197.8 | 5405 |
OPPORTUNITIES BY Oscar O.Ohlsson, ARGONNE NATIONL LABORATORY(1989)
