名古屋市民オンブズマン 　　　HP=www.ombnagoya.gr.jp　　　　　第131号　2003年9月9日

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第10回全国市民オンブズマン大会
in 仙台　８月３０・３１日
　第10回の市民オンブズマン全国大会は、第1回大会が行われた仙台の地で８月30･31の2日間、全国から過去最多の参加者730人が集って開始された。
　30日13時、増田隆男実行委員長の挨拶によって開会。　続いて永井敬三代表幹事より基調報告が行われた。

基調報告

　　　　１．この1年の主な活動　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　(4) 野球大会判決
　　　　　　　　(1) 政務調査費と監査制度について　　　　　　　　　　　　　　　 (5) 最高裁交際費問題
　　　　　　　　(2) 談合問題について
　　　　　　　　(3) 情報公開について　　　　　　　

　　　　２．司法制度改革への取り組み
　　　　　　　　(1) 弁護士費用敗訴者負担制度の導入に反対するアピール　　　(2) 国レベルでの住民訴訟制度の創設

３．これからの10年に向けて
　次に、新海 聡 事務局長により “市民オンブズマンこの10年” と題して10年間の活動の報告がなされ、それによって各自治体情報公開度、公費支出のあり方、公共　　事業の入札制度と談合の実態等が明るみに出て、情報公開度の向上、公費支出の是正、入札制度の改善等、我々の活動と努力の結果が如実に現れている事は間　違いない。
　　　しかしまだまだ問題点はたくさんある、特に議会が一番問題である、議会の情報公開度の低さと政務調査費の公開にこれからは取り組んで行きたい。
　　　これからの我々の課題として
　　　　�@　政策形成過程の情報公開
　　　　�A 無駄の公費支出の抑制（談合の根絶、無駄な公共事業に対して差止めの住民訴訟の提起）
　　　　�B 行政監視ツールの充実（議会を起こせ、議員への公費支出の透明化と無駄な支出の監視監査制度、包括外部監査、個別外部監査の利用、
　　　　　　国費の無駄使い、国民訴訟制度の創設）の3点を指摘　　して報告が終わった。
　　　続いて、本日の記念講演が評論家佐高 信 氏によって『いま、日本を読む−政官財複合国家を撃つ視点』と題して行われた。
　　　その後次の5つの分科会に分かれ約2時間に亘って活発に議論が交わされた。
　　　　　（１） 議会改革　　　　　　　　　　　　　　　　　（４） 公共事業
　　　　　（２） 談合・入札制度改革　　　　　　　　　　 （５） 情報公開
　　　　　（３） 包括外部監査　　

懇親会

　　　　分科会終了後、アンサンブルオーケストラSENDAIの演奏によって懇親会が始められた。
　　　　全国の都道府県から持ち寄った各地の銘酒・幻の酒百数十本、東北地方の美味・珍味の数々に囲まれて、参加者全員大満足の中、
　　　　1年振りに会うオンブズ同士が歓談・懇親が繰り広げられ、全国大会の一番楽しいひと時が過ごされた、
　　　　今年は料理・酒ともにたらふくあり皆大喜びで懇親会場を後にした、今年の全国大会は最高であった。

翌、31日

　　　9時より昨日の分科会報告、続いて各地の活動報告が行はれた。
　　　　　　(1) 徳島談合調査チーム　　　　　 　 (5) 市民グループ『見張り番』
　　　　　　(2) 仙台市民オンブズマン　　　　　　(6) 広島・市民オンブズマン会議
　　　　　　(3) よこはま市民オンブズマン 　　　 (7) 市民オンブズ香川
　　　　　　(4) 名古屋市民オンブズマン
　　　以上７つの地域から報告があり、各地で粘り強い活動で大きな成果を挙げている状況が報告され、参加した全国各地のオンブズに大きな刺激を与えた。
　　　　　　（１）　徳島県外弁護士の奮闘の状況
　　　　　　（２）　仙台市民オンブズマンからは、地下鉄建設差し止め訴訟について
　　　　　　（３） よこはま市民オンブズマンからは、環境事業局栄工場（ごみ焼却場）改修の支出差し止め訴訟の提起について
　　　　　　（４） 名古屋市民オンブズマンからは、名古屋高速道路公社の料金収受業務の独占委託契約について
　　　　　　（５） 市民グループ『見張り番』からは、大阪市教委の裏金駆け込み消費、大阪市中央市場の警備うそ報告の問題、大阪市教委公用車運転手超勤手
　　　　　　　　　当て不正取得について、大阪府土木部、商工労働部の不正経理等を『見張り番』が暴いた事が報告された。
　　　　　　（６） 広島・市民オンブズマン会議からは、知事宴会費返還請求訴訟の全面勝訴判決、東京事務所タクシー代金訴訟の勝訴、その後の東京事務所
　　　　　　　　　のタクシー使用料300万円（年間）が50万円（年間）に減ったとの報告がされた。
　　　　　　（７） 市民オンブズ香川から、高松高裁が漁業補償は違法として高松市長に5億5000万円支払え、との大勝利判決を勝ち取ったとの報地域報告の
　　　　　　　　　後、６本の大会決議がなされた。
大会決議
　　　　　　（１） 全国都道府県議会議長会主催議員海外視察研修の廃止を求める決議
　　　　　　（２） 全国市議会議長会主催議員海外視察研修の廃止を求める決議
　　　　　　（３） 入札制度を改革して談合を追放しよう
　　　　　　（４） 会計検査院に検査を求める決議
　　　　　　（５） 仙台市地下鉄東西線計画の見直しを求める決議
　　　　　　（６） 弁護士費用敗訴者負担制度の導入に反対する決議
　　　以上6本の大会決議が採択された後、今大会の“大会宣言”が採択された。最後に、来年の全国大会は8月29日・30日、函館で開催する事が決定したとの
　　　報告があり、ホストの道南市民オンブズマンの代表からの受諾挨拶で今大会の幕は下りた。

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全国「談合疑惑度」グラフ　
　全国大会を機に、全国オンブズ連絡会議では全都道府県と、政令市、県庁所在市の入札記録を入手、落札価格の予定価格に対する比をもとめて、談合疑惑度ｸﾞﾗﾌなるものを作った。
　すでに、落札比が95%を越える入札は限りなく談合が行われた疑いが強いことは定説となっているが、各自治体の入札率を90%まで、90〜95%、95%以上、の3ｸﾞﾙｰﾌﾟに分けグラフ化した都道府県分が右の図、政令市、県庁所在地分は次頁以降である。　順位は疑惑度の高い順。

まず都道府県談合疑惑度

全国が宮城県並みになったら、
全国での落札札率が宮城県の86.8%になったと仮定して試算すると
なんと公共事業費１兆６２８０億円が節約出来る計算になる。　

政令指定都市・県庁所在地の場合は？

　都道府県と同様に、政令市と県庁所在市について、最低落札率に合わせてみると、
政令市で５千３００億円、県庁所在都市では２３０億円が節減できることになる。
　これはあくまで地方自治体だけの、しかもごく限られた範囲の積算からの試算。
　国の公共工事にも同様な談合疑惑が潜んでいることは公然の秘密といわれているが、
いまや必要悪ではすまされない、国家の経営を揺さぶる事態といわねばならない。

愛知県議４月分政務調査費を監査請求

　先号で既報のように、県議選のあった４月、県議には例月どおり一人あたり５０万円の政務調査費が所属会派に支給された。
　各会派から提出された４月分政務調査費の使途報告によると、
　　　「自民」は１ヶ月で2600万円の調査研究？　「民主」は広報に220万円、ちなみに政務調査費は、選挙はもちろん「政党活動」に使ってはならない。
　　　「共産」は選挙の結果会派が消滅したのに？などなど納得いかないことばかり。
　オンブズマンではこの状況は放置できないと判断。９月５日、愛知県監査委員に監査を請求をした。
請求の趣旨　県議会各会派は当月間、選挙で調査研究などする時間的な余裕はあり得ないにもかかわらず、政務調査費のほぼ全額を使い切っていることは、支出内容が支出基準に違反している疑いが濃厚である。
　監査委員は、具体的に支出内容を精査し、厳正な監査を行うことを求める。
目標は領収書の開示 名古屋市を除く県下全市は、議員の政務調査費報告に領収書の添付を義務付け、公開している。
　月間50万円(名古屋市は55万)という桁違いの高額補助金を受け取っている県議と名市議だけが領収書を開示しないのはどうしても納得できない。あらゆる補助金は、書証付きの報告が求められている。
　監査請求の究極の目的は政務調査費領収書の開示である。
　まして選挙月ひと月分の行方は､この疑問を際だたせる。たとえｾﾞｽﾁｬｰにしろ､返却､辞退などの意思表示くらい､どこかの会派からあっても罰はあたらないだろうに。

　　　　　　　　愛知県議会会派別４月分政務調査費　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2003年７月16日公開　　　　　　　　　

日程：名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ　　　　　　　　　　　 2003年９月以降