名古屋市民オンブズマン 　　　HP=www.ombnagoya.gr.jp　　　　　第134号　2003年12月9日

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　この１１月、公文書公開条例中の「個人に関する情報」を巡る情報公開訴訟について最高裁が立て続けに判決をした。
　これらの判決には、我が名古屋市民オンブズマンが愛知県代表監査委員を被告として提訴した監査委員の出張者名や他の監査委員事務局からの来庁者名に関する非公開処分を争う２件の判決が含まれる。いずれの事例についても出張者名を「個人に関する情報にあたらない」とした高裁の判断を最高裁が支持したことにより、名古屋市民オンブズマンの勝訴が確定し、開示請求から実に７年ぶりに情報が開示されることになったが、他県の官官接待の出席者名の公開をめぐる判決は、残念ながら、これまでの高裁判断の到達点を後退させるものであった。以下、最近の判決に現れた最高裁の考え方をみてみたい。
１，「個人に関する情報」とは？
　そもそも情報公開条例には、個人に関する情報で、かつ、特定の個人が識別できるものについては非公開とする、という定め方をしたものが多い。情報公開法もほぼ同様の定め方をしている。もっとも、９６年以降、公務員の職務に関する情報は「個人に関する情報」にはあたらない、とする地裁、高裁判決が各地で相次いだことを受け、最近の多くの条例は、公務を行った場合の公務員の氏名は「個人に関する情報に該当しない」とする条項を改正によって置いているので、今回の最高裁判決に対する関心は公務員情報以外の情報のうち、どこまでが「個人に関する情報」にあたらないとして公開対象となるのか、という点となった。
２，懇談会情報
　最も注目されるのは懇談会の出席者情報である。懇談会といった場合、公務員同士のいわゆる官官接待だけでなく、公務員が民間企業の担当者や民間人を接待する場合も含む。こういった懇談会の出席者名が「個人に関する情報」に該当するか、という点についてもっとも広く公開を認めた高等裁判所の判決は、大阪市財政局の食糧費を用いた懇談会の出席者名の公開に関する１９９８年の大阪高裁判決であった。この高裁判決は「個人に関する情報」の意義について「プライバシーに関係しないことが明らかな情報については，非公開とすることは許されない」とし、「相手方出席者が個人としての資格を離れ，公務あるいは所属する団体の職務として上記会議等に出席する限りは，私的な領域の問題とはいえない」から、公務員、民間の別なく懇談会の出席者名は公開されるべきだ、と判断したのである。これに対し、最高裁はこの大阪市の懇談会の事件について１１月１１日、公務員の職務の遂行に関する情報は「個人に関する情報」に当たらない、という判断は維持したものの、公務員以外の法人等の従業員の職務の遂行に関する情報については、「権限に基づく契約の締結等、法人等の行為そのものと評価される行為に関する情報に当たる場合を除き」個人に関する情報に該当し、非公開が許される、という判断をした（第三小法廷）。同旨の判断は新潟県の食糧費による懇談会出席者の公開についての同月２１日の第二小法廷判決でも繰り返されている。
　この２つの最高裁判決は、公務員以外の個人の情報は原則すべて「個人に関する情報」に該当する、という考えをもとにするものである。そうしたうえで、各条例が、「個人に関する情報」から「事業を営む個人の当該事業に関する情報」を除外している点や、当該法人の競争上の地位を害するなど、公開によって不利益を生じさせる場合以外は法人情報を原則公開としている点に着目し、法人の本来の業務と言える場合だけを「個人に関する情報」から除外しているのである。
　しかし、最高裁のこれらの理屈を前提としても、「個人に関する情報」に該当しないとされる場合を「法人等の行為そのものと評価される行為」まで限定することの合理性には疑問がある。少なくとも、このような限定を加えることは、法人情報について条例が別の規定を設けている、ということの論理的な必然ではない、と思われる。
３，公務員の出勤簿
　千葉県の校長の出勤簿について１１月１１日第三小法廷で、富山県の公務員の出勤簿については１１月２１日第二小法廷でそれぞれ判決があった。いずれも出勤に関する情報は公務員の私事にかかわる情報ではないから、「個人に関する情報」には該当しない、とする点で共通する。そして前者では「給料表の種類」「級・号級」欄に記載されている情報が、後者では「停職」に関する情報が「個人に関する情報」に該当するとされた。当該公務員の給与ランクや懲戒処分としての停職に関する情報は公務員の私事にかかわる、というのである。この判断自体は常識に適合すると考えられるが、懲戒処分がすべて私事にかかわる情報である、とまでは一般化できないであろう。
４，まとめ
　以上駆け足で４件の最高裁判決を概観した。要するに最高裁の判断は「個人に関する情報」の内容について、公務員が公務に関して行った情報は含まれないが、私人の行為は原則として個人に関する情報に該当する、というもののようである。
　名古屋市民オンブズマンではまだ一件、万博の懇談会について愛知県知事を相手方とする訴訟が最高裁に係属している。最高裁からの弁論期日の指定はないが、動向を注目したい。
　なお、千葉県の校長の出勤簿についての第三小法廷の判決が、部分公開を許さない、という交際費訴訟の理屈の拡大に対する歯止めとなる判断をしている点も注目されるが、この点については別の機会に検討することとしたい。　　　　　　　　　　　　　　新海聡

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　愛　知　県　議　会　傍　聴　記
　12月４日（木）10:40から、愛知県議会本会議で民主党の水谷満信議員が、来年３月から値上げが決定してる名古屋高速道路の値上げに反対する質問をした。
　民主党県議団は値上げ反対の運動をすると表明している。以下その傍聴記である。
【水谷議員の反対要旨】
1来年3月から普通車は650円から750円大型車は1300円から1500円への値上げされる｡普通車750円は首都高速や阪神高速の700円を超え全国最高価格となる｡名古屋高速は距離が短いのでｷﾛあたりで比較すると､料金は首都高速の4倍､阪神高速の3倍となる。
2償還期間は40年以内となっているが､首都高や阪神高速並みに50年にするよう国に要望すべきである。
3.役員給与が他の外郭団体の2倍、料金徴収業務の随意契約による高額支出など､経営努力が足りない､このデフレ下で値上げどころか値下げすべきである。
【建設部長の答弁】
1名古屋高速は建設時期の違いから首都高速や阪神高速より建設費が高い。
今年値上げの予定を1年据え置いて努力してきた。
2.名古屋高速は経営規模が小さく、経済的な変動要因を考えると償還期間の延長は考えられない。
3.役員報酬の見直しや､料金徴収業務を入札契約にするなど､経営改善努力をしていきたい。
＜感想＞
1本会議の性質からして仕方がない部分もあるかもしれないが､質問内容が一般論で終わり具体的な内容に乏しく､当局を追求するような迫力は全然感じられない｡
　　答弁もおざなりで緊張感もなかった。
　民主党は勉強・調査不足なのか、知っていて言わないのか分からないが、値上げ反対のﾊﾟﾌｫｰﾏﾝｽだけと取られても仕方がない。
　今後の反対運動を期待し、見守っていきたい。
2.名古屋高速道路は国や地方の公共事業や公団･公社･事業団の問題点をすべて抱えている。
　談合による高い建設費。談合による利益の一部を議員や関係者に献金や賄賂で配布する仕組み。役人の優雅で老後補償を約束する天下り先としての公団･公社など。役人・議員・業者の三位一体構造はなかなかゆるぎそうもない。
　　学者・識者は、審議会･調査委員などとしてその補完勢力である。つけはすべて税金や利用料としての市民にまわされる。
3.市民が反対や改善に立ち上がり、万一改善を勝ちとっても、そのエネルギーに見合う利益は微々たるものである。年に数回しか名古屋高速を利用しない私自身せいぜい5〜600円の値上げである。　
　　権力にたいする万人のための戦いは内容が何であれこの種の性質をもっている。それがまた権力のねらいでもある。
4.全国に蔓延しているこの三位一体構造をくずしてゆくために、個別的・具体的問題をとりあげ地道に、息長く追及していかねばならない。これは私たち市民の義務でもある。
　　　タイアップグループＫＹ

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投稿　１２／２　匿名希望
三越、県を名古屋地裁に訴える　平成15年10月２日付、中日新聞の記事から。
　「百貨店の三越が愛知県幹部に平成15年３月17日に150万円分、４月22日に690万円分の計840万円分の金券をだまし取られたとして、７月25日付で懲戒免職された元幹部と県を相手取って賠償請求訴訟を名古屋地裁に起こした。県側は元幹部の個人の行為であり賠償責任はないとしている。
一方三越側は県の施設の中で発注、納品が行われており県も使用者責任を負うべきとしている。
県の調べでは、三越以外の業者分もあわせると約3380万円分の金券の代金が未払いのままで、元幹部のこのような詐欺行為は４年間行われていたという。
　この元幹部は豊田加茂教育事務所管理課長として平成15年３月まで４年間在職し、４月からは県立大学の会計課長であった。」
裁判で三越側の県への賠償請求が認められ、公金に被害をあたえるかもしれないのに、県当局者は捜査当局へ被害届をださないつもりなのでしょうか。そのような公金支出がはたして認められるのでしょうか。
　県の内部調査では元幹部がだまし取り始めたのは豊田加茂教育事務所管理課へ異動した直後からとされるが、それを信用していいのか？
　発覚後すぐに懲戒免職しなかったのはなぜか？
ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝがこの事件の県の調査結果を入手して告発し、事実解明をしてください。

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市民オンブズ知多半島が半田市役所職員告発に至る経緯
日車ＰＣＢ処理施設関連　告発に至るまでの経緯を日付順に追うと次のようになる。

日　付	発 信 者	表　題　他	内　　容
10月27日	ｵﾝﾌﾞｽﾞ知多	情報公開請求	PCB処理に関する県・市・日車とのやりとりに関する文書を請求
10月31日	半田市長	公開決定	文書の内容が削除・改竄・黒塗りされていた
11月6日	ｵﾝﾌﾞｽﾞ知多	情報公開請求	前回の文書の削除部分である18〜21頁の公開を請求
11月7日	ｵﾝﾌﾞｽﾞ知多	名地裁へ告発	公文書改竄偽造行使罪で告発
11月13日	半田市長	前回公開文書を非公開決定	理由：:公文書不存在のため｡　先に公開としたのは、担当者の私文書を謝って公開した。今後、公開の対象にはならない｡
11月18日	市民会議	公開質問状	公開条例の公開すべき文書の定義である、決済･供覧･職務上作成･取得した文書についての定義を問う
11月18日	ｵﾝﾌﾞｽﾞ知多	抗議文	半田市の情報公開の姿勢について
11月21日	半田市長	市民の質問に回答	＊１：下欄外に別記
11月25日	名古屋地検	告発受理	地検捜査にかかる
11月28日	半田市長	字句の定義回答	「決済」とは専決権者が意志決定を行うこと　「供覧」とは職場内で誰でも見られる状態にすること　「職務上作成し取得した」とは職員が公的立場で作成または取得したこと、個人的なﾒﾓであっても、個人以外のﾌｧｲﾙに綴られ他の職員も利用出来る段階で職務上作成した文書になる

他に、11月1日新聞各紙が半田市改竄文書開示と報道、例：読売見出し「10か所改竄文書開示・市、不手際を認める」
＊１　平成15年11月21日、市民の質問状に対する回答の内容（抜粋・要約）
　1．「職員のメモ」とは？　「職員のﾒﾓ」は、当該職員の「私文書」であり本市の「公文書ではなく、本来公開の対象とすべきでなかったものです。しかしながら、取り扱い扱いを誤ったとはいえ、写しを交付する際、削除等を行なったことは本市の文書管理、情報公開のあり方に対する市民の皆様方の信頼を著しく損なう行為であり、厳正に対処します。
　２．−略−
　３、個人情報公開の判断基準は？　個人情報の公開の可否については半田市条情報公開条例第6条第1項第1号の規定に（別添）に則り、判断をしております。公賄範囲の判断は、公文書を管理する所属長が行なっています。
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そもそもの発端は　以上のように、原本の一部が削除されたり、改竄された文書が公開されたことが発端である。その後、原文書は公文書ではないとか、ﾒﾓは公文書ではないとか、公開対象文書の定義が問題になったが、条例に定める、決済または供覧の定義が半田市から公表されたため、この疑義は無くなった。
　半田市は以前から、文書管理と情報公開に対する認識が不徹底で、非公開決定を関係者の了解を理由に覆えしたりしており、根本的な改革が不可欠である。

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半田市市民経済部は、11月５日付けで「議会各会派代表者会議資料」として以下のような書類を作成している。
　　11月１日付け新聞各紙で報道された件（情報公開文書改竄）に関する経緯
・今回問題となった文書は、担当職員が自分の職務上の参考資料を綴っていた個人的ファイル中に綴られていたものです。
　この文書は、PCB処理施設の設置問題関係の事象を、数年前より本人〈担当職員）が経時的（日記的）記録としてパソコンに打ち込み管理していた内容を紙に打ち出したものです。
　内容としては、「何月何日誰と誰がどのような内容の話をした」等の記述がされているものです。
・今回抗議されている方（情報公開請求されたMさん）は、この間題（PCB処理施設建設計画）に関し、何度も当該職員の元（職場）を訪れ各種の質問をされていました。回答する際、当該職員はこの個人ファイルを見ながら（参考にしながら）回答するのが常でありました。
・したがって、Mさんはそれら経過の中で、このファイルを当該職員が保有していることを承知してみえました。
　以下は、公開請求以後の経緯です．
平成15年10月27日（月）：
　Mさんから、総務部総務課に当該ファイルの文書に関し、情報公開請求の申請がなされる。（閲覧並びに写しの交付）
平成15年10月29日（水）：
　総務部鹿務課において、Mさんが請求に基づき閲覧
平成15年10月31日（金）：
　資料の写しの交付をする際、今回問題となっている記録文書中に公開するに不適切と思われる個人名、或いは当該職員の考えや推測なども記述されていたことからそれらを抹消してから交付すべきと判断し、パソコン上等で当該部分を削除し打ち出した内容を交付しました。
　交付を受けたMさんは、29日に閲覧した内容と異なっていることに抗議をされ、確認した結果、新聞等に報道されたように不適切な部分を黒く塗りつぶすことなく削除したものが交付されたことが判明したものです。

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　　春日井市敬老事業のバス借り上げ訴訟
1２月４日名古屋地裁で第１回弁論･次回は１月28日
春日井市11月27日に答弁書提出
　敬老事業用大型バス６５台の違法契約を問う住民訴訟は、１２月４日名地裁1101号法定で第１回口頭弁論が開かれた。
　春日井市側の答弁書は、訴状内容の認否を述べただけで、主張は後日準備書面で提出するとしている。
裁判長・被告に意見と経過説明を求める
　加藤裁判長は被告に対して、本件談合に対する意見と、随意契約に至った経過を準備書面で提出するように指示した。次回は１月２８日。
原告の主張
　春日井市の敬老事業で大型ﾊﾞｽ６５台を、入札によらず一律単価８万３千円で８業者均等に、過去４年にわたって借り上げているのは、明白に談合である。
　春日井市長は契約の改善を図ると共に、昨年度分につき過剰となる２７１万円余を市に返還せよ。
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政官業癒着そのもの名古屋市議・名古屋市・道路関係業者醜態
　市議会傍聴記にもあるように、三者共同でうまい汁を吸う構造。
　監査機構は麻痺しているし、市議会の答弁もまさにおざなり、一年我慢したことがどうして値上げ解除の理由になるのか。
　質問した民主党も公社の決算書を厳密にﾁｪｯｸして改善の実績を認めなければ値上げを否決するくらいの手間をかけても良いのではないか。
　道路行政はまさに泥まみれ。我々が指摘してきた高速料金収納事業も正にその一環である。
　これは何も名古屋市だけに限らない、愛知県関連についても全く同じ構図である。

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　特報！政務調査費廃止の自治体が続く
　情報によれば青森県三沢市は市議への政務調査費支給を廃止するという。
　先に高知県南国市は、年額24万円の政務調査費の廃止を9月議会で議員提案の上議決しており、第二給与とも言われる不透明な政務調査費問題の改革が地方の自治体議会から始まっている模様である。

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＊　望 年 会 案 内　＊
名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝとﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟの合同望年会を開催します。
今年は同じ日の午後２時からﾙﾌﾞﾚ事務所で県下ｵﾝﾌﾞｽﾞ情報公開合同会議､４時からｳｲﾙ愛知でｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ講座の開催後､
忘年会に移行する予定です。ﾒﾝﾊﾞｰ以外の方も大歓迎､多数でご参加下さい。
中華料理で飲み放題です
　日 時 ： １２月２０日土曜日 午後６時３０分から
　場 所 ： かっぱ園菜館 地下鉄高岳１番出口を北（東片端方向）へ２筋で左折､２本目の右側
　電 話 ： ９５１−３４５４　　　　　会 費　： ５５００円
　申込み： ＦＡＸで　９６１−１６１５　滝田法律事務所へ

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月	日	曜	時間	行　事　･　裁　判　･　催　し	場　　　　所
12	17	水	13:10	名古屋市長交際費控訴審判決	名高裁1003号法廷
12	20	土	14:00	県下自治体公開度調査打ち合わせ	リブレ法律事務所
12	20	土	16:00	オンブズマン講座	ウイル愛知
12	20	土	18:30	市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ合同望年会	かっぱ園
１	２２	木	13:00	愛知県議政務調査費返還住民訴訟	名地裁1101号法廷
１	２８	水		春日井バス借り上げ違法契約	名地裁1101号法廷