名古屋市民オンブズマン 　　　HP=www.ombnagoya.gr.jp　　　　　第140号　2004年5月11日

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　正気か日本の警察！
４月の請求に公開決定日が来年３月末と言う（警察庁）
これは情報公開法の骨抜き謀議だ

　警察の捜査費不正支出を受け､全国市民オンブズマン連絡会議は３月末から４月にかけ､全国の警察に対して､一斉に情報公開請求を行った。
　ところが､各県警は示し合わせたように､次々と開示決定の引き延ばしとも見られる行動に出た。
　例えは愛知県警は､偽名を記載した領収書の開示を求めた請求に対し「文書を特定するに充分でない」として､補正を求めてきた。
　文書の特定は行政側が行うもので､偽名領収書が使用されていることは､警察庁から今後の使用を禁止した通達が発せられていることからも明らかである。
　存在が明かな文書を特定するのは警察側の仕事であろう。われわれに判るはずはないのだ。
　本物か偽物か自分たちでも区別がつかぬということなのか。
　補正にかかる日時は公開決定期限に算入しない事を借りた､引き延ばしともとれる。
　果たして､各府･県警は､公開決定引き延ばしを連発。大阪府警の８月決定に始まって､鳥取県警11月末､島根県警１２月末､そして､ついに真打ち登場､警察庁の決定は来年３月末！まるでおそ出し競争ではないか。
　｢オンブズ・しまね｣は､延長期間が現実的でないとして､４月２７日公安委員会に審査請求書を提出した。
情報公開で､公開決定は15日以内､延長､は60日までと言うのは常識だ
　従って､情報公開法には延長の特例があるとはいえ､本来の延長期限が60日と定められていることから考えても､本件のような数ヶ月は愚か1年間にもなろうとする特例延長は､法の基本精神を故意に損なおうとするあからさまな法律無視ある。
外交や捜査という分野に､公開と相容れない部分があることは十分理解しているが
　「言えることと言えないことがある」というのが､最近辞任した福田官房長官の弁､まさにその通りだが､どんな国家機密も､将来必ず公開されることが担保されるているかどうかが重大事なのである。

情報公開法（平成11年5月14日法律第42号）

情報公開法（平成11年5月14日法律第42号）
（開示決定等の期限）
第10条開示決定等は､開示請求があった日から30日以内にしなければならない。ただし､補正を求めた場合にあっては､補正に要した日数は､当該期間に算入しない。
１前項の規定にかかわらず､行政機関の長は､事務処理上の困難その他正当な理由があるときは､同項に規定する期間を30日以内に限り延長することができる。
（開示決定等の期限の特例）
第11条開示請求に係る行政文書が著しく大量であるため､開示請求があった日から60日以内にそのすべてについて開示決定等により事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある場合には､開示請求に係る行政文書のうちの相当の部分につき当該期間内に開示決定等をし､残りの行政文書については相当の期間内に開示決定等をすれば足りる。

名古屋高速は値下げできる！！

昨年の汚職･収賄･談合事件を受け､名古屋市が道路清掃業務の本年度契約を一般競争入札に変更したところ､落札価格が大幅に下落､車道清掃は予定価格の52.6%に､歩道清掃は49.8%に下落した。こうなるとそもそも｢予定価格とは何か｣が問題になるが､それはさておき､この結果を問題の名古屋高速道路公社の契約に当て嵌めるとどうなるのだろうか。
　同公社は3月末の100円値上げによって､34億円の増収を見込んでいる。ということは34億円どこかで浮けば値上げは要らないということだ。
　同公社の料金徴収などの経常費用には､2002年決算で年間172億円が計上されているが､従来随意契約によっていたこれらの契約に一般入札を導入し､前記のように50%台で契約したとすれば､実に年間86億円節減でき､例え落札率が75%であったとしても節減額は47億円となって､値上げの必要などさらさら無くなる。これまでの通行料金で充分運営が出来るはずである。
　更に値下げも当然可能
　下表のように、工事費にこの本来の契約方法を取り入れれば、数百億円の節減が出来る。
この試算は決して絵空事ではない。今回の名古屋市の例だけではなく､同様な入札価格の下落は､長野､青森など他県で現実に起きている。
　われわれが既に指摘したように､象徴的には高すぎる幹部報酬の減額､建設費への一般入札導入などによって､通行料金そのものでも、延長距離割りでも、全国で群抜きに高い名古屋の高速道路は､確実に値下げできるのである。

名古屋高速道路公社経費節減試算

支　出　内　容		H14決算ﾍﾞｰｽ	入札で50%offに	75%になっても	75%の場合予価との差
経常経費	料金徴収業務	２５億円	１２．５億円	３．７５億円	75%の場合予価との差
	土木維持清掃雪氷対策費	７６億円	３６億円	５７億円
	名古屋高速道路協会委託	２８億円	１４億円	２１億円
	保　守　費	４３億円	２１．５億円	３２．２５億円
	合　　計	１７２億円	８６億円	１２５億円	４７億円
建設費	建設工事	３８３億円	１９１．５億円	２８７．２５億円
総　合　計		５５５億円	２７７．５億円	４１６.２５億円	１３８．７５億円

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「裏金が使えなくなって､困難な捜査後の慰労すら否定するのはどうか」と愛知県警

　警察が捜査費などを使って裏金を作っていたことは､北海道以下各地で警察自身が認めたため､公知の事実となり､警察庁から「今後は偽名の領収書は使わないように」などという通達がでた。
　考えてみればこんな事が正規の通達で出されるなど､それだけで警察の面目は丸つぶれのﾊｽﾞだが､そんな中､愛知県警は「困難な捜査後の慰労すら否定するのはどうか？」とｺﾒﾝﾄした。
　この発言をどう思うか？民間や行政で､多忙な仕事が一段落した後､社費または公費で宴会をするのか？それくらいのことは許されるというのがいわゆる常識なのだろうか？と､ｵﾝﾌﾞｽﾞに関係のない人たちに意見を求めたところ､多くの回答が寄せられた。
（繊維大手）捜査の慰労はﾀﾞﾒ。これは警察の本来の任務である。それも定期的になどなにを考えているか！！
（公務員）困難・危険な職務の警察官・消防官は給与も高く､年金支給年齢が低く優遇措置をしている。
　「それくらいのことは許されるというのがいわゆる常識なのか？」には､役所の経験では､少なくとも常識であったとは思えない。
（大手商社）警察にも会議費の予算を設けるべき､警察とて人間である。処理できる項目を明記し､公開すべし。例えば大事件解決後の署員の慰労会に使っても良いと思う。｢警察とあろうものが｣と一般の人が思うような事をやらせない仕組みが必要。
（大手ﾒｰｶｰ）重大な仕事のあとでも社費による慰労会などは無い。全員が大切で困難な仕事をしているし､会社全体でみると仕事の性質も違うので困難度､達成度に甲乙はつけられない。いちいち宴会などやっていると宴会だらけになってしまう。労に報いるのは昇給､賞与である。
（大手企業）会社の中で個人､或いはｸﾞﾙｰﾌﾟに対する私的な会合に会社の金がでることはまったくない。
慰労､激励の名目で公費を使うなんてもってのほか。
（公務員）好意的に解釈すれば一種の○○手当のようなものかと思う。このようなﾓﾉは役所には一ﾊﾟｲあるのでは？情報公開のもと是は是､非は非とする制度が必要。
（大手企業）警察の常識とは一体何か全く呆れるばかりだ。困難な捜査の慰労が絶対的に必要なものであれば､それなりの規定を定めきちっと予算化し情報公開すればいい。
　どんな職業でも困難は当たりまえで給与にはそれを含んでいる｡警察は通常は困難な仕事をしていないと言うことか。
（大手ﾒｰｶｰ）社内のﾋﾞｯｸﾞ共同ﾌﾟﾛｼﾞｪｸﾄで新製品開発が完了し､生産化に移行したとき､ご苦労慰安会をするが､全部自費で行った。

政局にまで発展した議員の年金保険料未払い問題　　　　
　その割には話題にならない
　年金制度の不備と、とんでも運用程度

　天網恢々疎にして漏らさずと言うが､人間が作った国民保険は人網乱麻の如く乱れて､密にして孔だらけ｡お陰で与野党を問わず､保険料未納入議員が謝罪を重ね､官房長官の辞任騒ぎにまで発展､今や政局と化してしまった。
　だが今回に限っては､議員達よりも不備な制度に問題がある。その制度を作った議員に責任があるのは確かだが､その間に行政側の責任追及はなおざりに放置され､霞ヶ関はほっとしているのではないか。
　議員も謝ってばかりいないで､制度そのもののﾁｪｯｸと運用の改善に努めるのが政治家の仕事ではないかと思うのだが。

年金に関する規則はややこしくて､当人は愚か担当者さえどうやらよくわからないみたいだ
　年金受給に関する不思議　素人受給者が出会った経験　

　退職後､年金を受けようとした編集子が出会った様々な経験や知識をご紹介しよう。
その１　退職後も所得があると年金は減額される　と言う話をよく聞くが､そんなことはない。60才過ぎてからは､いくら収入があっても年金は満額受給できる。厚生年金から脱退すれば良い。
　　かえって非常勤の場合は本当は加入資格がなくなる（出勤70%以下の場合）。
　　保険庁が､退職後加入資格がなくなった非常勤者から保険料を取り､払うべき年金を払わないでいるのは違法だと思う。
その２　非常勤者は加入できない？　　その通り､名称にかかわらず､常勤者の70%以上出勤していないと厚生年金に加入できない。
　同族会社などで健康保険証を得るために家族を従業員扱いにしているが､ほとんど仕事はせず､という場合もこれに該当するはず。
　　｢その１｣の場合を含めて､どちらが得かよく考えて行動しなければ大損することがある。
その３　年金額は正確か　それが結構いい加減。編集子の場合､転職によって三社に勤めたが､保険庁のﾃﾞｰﾀには､まん中の一社の履歴が脱落､非常に少ない額が提示された｡交渉のあげく有利に展開したが､鵜呑みは禁物である。
　　保険庁のﾃﾞｰﾀは綿密に出来ているようで実は孔だらけのようだ。
その４　戦中の動員も経歴に　もうあまり該当者はいなくなったが､前の戦争中､徴用や学徒動員で働かされた年数は厚生年金期間に加入される。国が無理矢理働かせた罪滅ぼしだそうである。　少し年数が足りない等という人が救われることがある。

投稿　業者選定は慎重公正に戸籍ﾃﾞｰﾀｰｺﾝﾋﾟｭｰﾀ化の陰で

　３月11日付け中日新聞によれば､三重県志摩郡の５町村では､市町村合併を控えて戸籍ﾃﾞｰﾀのｺﾝﾋﾟｭｰﾀ化を実施しているが､この作業にあたり役場内の戸籍簿を学生ｱﾙﾊﾞｲﾄなどが解体あるいはｼｰﾙの貼付などをしていたとして､戸籍という機密性の高いﾃﾞｰﾀが､簡単に素人の目に触れてしまうことを問題にしていた。
　現在､愛知県内でも江南市､小牧市､新川町､豊山町などいくつかの自治体が戸籍のｺﾝﾋﾟｭｰﾀ化を検討中。
　これらの自治体では､三重県と同じような事が起きないよう､委託業者の選定を慎重に行っているという。
　しかし､中には業者の選定があいまいで､「本当に戸籍ﾃﾞｰﾀの処理を大切に扱う業者なのか」また「一番安く良い仕事をする業者なのか」といった基本的な内容の調査をせずに決めている自治体もあるようだ。
　戸籍ﾃﾞｰﾀの中には「離婚」や「養子縁組」など他人には見せられない情報も多く存在しており､こうしたﾃﾞｰﾀの作成をいいかげんな業者に任せてしまうようなことは決してあってはならないことである。
　今年度戸籍のｺﾝﾋﾟｭｰﾀ化を実施する自治体では､業者選定のﾎﾟｲﾝﾄや選定のための資料､他業者の見積などを公表し､現在問題となっている個人情報の保護の姿勢を明確にするべきである。
　また､住民側では､業者選定に関する情報の公開を求めるなど､監視の目をゆるめてはならない。

鎖国日本・被拘束3+2人の遭難と海国日本の現実

　ｲﾗｸで開放された3+2人は､解放後日本当局の取り調べを受けた。二度とこのような面倒をかけないために。監禁の被害者して､と､（多分）出入国管理法違反の被疑者として（法に触れていることを期待されて）。
　つまり､開放され即時拘束された。なぜか？答えは一つ､日本は鎖国なので国破り関所破りは許されないのだ。
　何十回止められようと､警告されようと､行きたいところへ行くという基本的人権は日本人にはない。入国管理局や警察・海上保安庁のせいではない､多数の国民が「何十回も止められたのに行ったﾔﾂが悪い」と思っている。
　お役所（お上）に迷惑をかけてけしからんと殆どの国民が思っているから､3+2人はﾏｽｺﾐに代表される世論に袋だたきにあって､ｱﾀﾏがおかしくなってしまった。
　彼らは日本というｼﾏ社会にあきれ､ｲﾔ気がさしているだろう。彼らは解放後再度遭難したのだ。
　日本は鎖国だから､外国のﾖｯﾄは日本の港へ入れない（そういえば日本のﾖｯﾄも大きな港には入れない）。信じられないだろうが､東京､横浜､名古屋､神戸､何処でも入れてくれない。
　外国から日本へ来たﾖｯﾄは入港前に保安庁に止められて港へ入れない。入港を拒否され､小さな漁港等へ誘導されて､ﾊﾟｽﾎﾟｰﾄ検査､検疫､船舶検査､積載物検査等を受けることになる。海賊防止用の銃などが見つかったら大変だ。
　歓迎されると思っていた乗員はどこかの野蛮国に漂着したかと身の危険を感じ､歓迎しようとした日本側の愛好者達は接触さえ出来ずにやきもきするばかりだ。
　日本のﾖｯﾄがｻﾝﾌﾗﾝｼｽｺへ着けば､港の来賓として市の迎賓館とも言えるﾖｯﾄﾊｰﾊﾞｰで大歓迎されるのに。皆さん､日本の港にﾖｯﾄが走っているのを見たことがありますか？
　下の写真は､国務長官が「日本人は彼らのことを誇りに思うべきだ」と言った米国ﾆｭｰﾖｰｸ港でのﾌﾟﾚｼﾞｬｰﾎﾞｰﾄの群れ(1986年)と､総理が「国の言うことを聞かない人はもう少し自覚してほしい」と言った日本の名古屋港(2004年４月)。
　身の危険を冒してまで､何かのために尽くそうと出かける若者を非国民扱いする国に未来は見えてこない。

開国　ﾆｭｰﾖｸ自由の女神誕生100才を祝って､世界中から集　　　　　　　鎖国 最近の名古屋港内　外航船など大型船の荷揚げは外港で行う
　　　　　　まった帆船に群がる無数のﾌﾟﾚｼﾞｬｰﾎﾞｰﾄ群(ｱｻﾋｸﾞﾗﾌより　　　　　　　ため、ｶﾞｰﾃﾞﾝ埠頭前の海面にはまったく船影が無い　2004年４月名古屋港

日程：名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ･ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟ　　　　　　　　2004年5月以降　　　　　　

月	日	曜日	時間	行事・裁判・催し	場所
５	10	月	16:00	万博訴訟	ﾗｳﾝﾄﾞ法廷･傍聴可
５	27	水	14:30	半田公文書訴訟	名地裁
６	２	水	16:00	万博会場ｺﾞﾝﾄﾞﾗ建設差し止め訴訟	名地裁1101号法廷
６	９	水	10:00	愛知県議政務調査費	名地裁1101号法廷
６	15	火	11:15	ﾃﾞｻﾞｲﾝ博上告審弁論	最高裁第３小法廷

＊以上の他､毎週火曜日に例会としての火曜会をリブレ法律事務所(大津橋近く)で開いています　　

　　　　　◇ 郵便振替口座：名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ･ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟ 00870-9-105687
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