名古屋市民オンブズマン 　　　HP=www.ombnagoya.gr.jp　　　　　第141号　2004年6月８日

名古屋市中区丸ﾉ内3ｰ6-19 ﾗｲｵﾝｽﾞｼﾃｨ久屋503　　滝田法律事務所内　　　　Tel.052-961-1600Fax.052-961-1615

　

名古屋高速公社料金収受委託業務を入札
　とはいうがこの条件を満たす入札者とは？

　われわれが､随意契約で身内企業に丸投げ､と批判してきた名古屋高速公社の料金収受業務が､競争入札で委託先を決めることになった。　ところでその入札参加条件だが､このような条件を満たすものとは､結局従来の業者以外にはないのではないかとの心配が募る。
　肝心の条件は公社のHP(http://www.nagoya-expressway.or.jp/topics/ryoukinsixyuzyu/main.htm)に掲載されているが､要約すると以下の通り。

名古屋高速料金収受業務における競争入札の概要

競争入札の参加資格申請

①名古屋高速道路又は他の公団・公社等の有料道路において料金収受業務の実績があること。

②駐車場で､単位時間制により料金を徴する駐車場経営を経験があること。

　 (10人以上の常勤職員･取扱台数１日1,000台以上･１駐車場あたりの平均取扱金額１日100万円以上)

競争入札参加要件

１.名古屋高速道路公社における平成16年度競争参加資格を有し「料金収受業務」に認定された者。

２.名古屋高速道路又は同等の有料道路の料金収受業務の管理・監督を行う役職の経験を有する者を現場代理人として配置できること。役職の経験とは､料金収受業務の管理・監督を行う役職を､過去５年間において２年以上行った経験をいう。

３.取扱日交通量が3,000台以上の料金所における料金収受業務の経験を過去５年間に有する者を配置予定料金収受員全体の1/3以上確保し､契約期間中継続して配置できること。

　このような条件で新規参入が期待できるのか､入札の成り行きをとくと拝見したいﾓﾉである。

　なお､入札予定は９月上旬とのことである。

全都道府県警察へ偽名領収書開示請求

　名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝは４月7日､愛知県警に対して捜査費の領収書のうち捜査費又は捜査報償費を受領したもの以外の氏名または住所が記載されたものと平成16年4月7日現在で実施機関において認識しているものの公開を請求した。

県警は５月27日｢下線部分の記載があるため､行政文書を特定できない｣として､この部分の補正を求め､さらに､補正の参考となる情報として､－例えば｢領収書｣とすると特定することが出来ます。なお､捜査費､捜査報酬費の領収書は､国費捜査費証拠書､県捜査証拠書に綴られています－との但し書きが添えられていた。

　このように内容を補正すれば､公開されると思いがちだが､その場合は､恐らく領収書に記載された個人情報とか､捜査上の秘密とかで､非公開になるのだろう。

　ただし､われわれが知りたいのは､偽名で支出された捜査費についてである。偽名の領収書で捜査費が支出されていることは､警察庁から｢今後偽名領収書は使用しないこと｣との通達が出ていることからも明らか。

　また､われわれに偽名であるかどうかの特定が出来るわけはなく､偽名領収書の特定は使ったご本人しかわからないに決まっている。

　ご本人が特定できないということは､つまり支出がたらめであったということなのか。

　そこで､名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝでは､補正に応じず、請求拒否の処分が出次第､次の手を打つことにしたが､さらに全国の組織を動員して6月7日､全都道府県警に対して､同様な偽名領収書の公開を請求することになった。

　全国の警察が足並みそろえて同じ回答をするのか､既に偽名支出を認めたところはどのような対応をするのか。

　すでに情報公開法の基本精神に関わるような､極端な公開日の延長を目論んでいる警察当局の姿勢が注目でされる。

自治体警察が必要？

　敗戦後1959年まで､自治体警察､例えば名古屋市警というものがあった。あるいは復活が有効かも。

当分飢えはなくなった北朝鮮のしたたかな戦略

戦後の飢えを思い出させる食料25万㌧の重み　

　北朝鮮への食料援助２５万㌧とはどれほどの量なのか､想像もつかず漠然と聞いている人が多いと思う。

　1945年敗戦の年､我が国はそれまでの食糧不足に加えて極度の不作に見舞われ､餓死者無しでの越年は不可能といわれ物情騒然としていた。

　年の暮れも迫った頃､米軍が70万㌧の食料放出を発表､ﾏｽｺﾐは米軍を救世主の如く報道したのである。

　当時一億国民といわれていたが､現在の北朝鮮の人口は恐らく２千数百万人。つまり国の規模から言えば､今回の25万㌧は､飢餓状態の日本を救った７０万㌧をはるかに越える量なのだ。

皮相な見方をすれば 拉致者5人帰国で25万㌧の食料。１人あたり5万㌧の計算である。

　昔､人間１人あたり年間1石といわれていた。１石は150㎏だから､1000kg／150kg＝6.7､つまり1㌧で約6.7人が1年食える勘定。従って25万㌧で167万人の1年分を確保したことになる。

　北の人口を2,200万人とすれば､1人あたり150kg､国中で年間330万㌧あればよい。

　330万㌧を5万㌧で割れば､66。つまり66人の拉致者開放で北は一年食えるという計算。拉致を疑われる数百人を､これに結びつけては考えたくないのだが。

総理の厚生年金加入詐欺？問題

　根元は社会保険庁にある　

　前号で書いた(*注)が､非常勤者は厚生年金に加入できず､偽って加入すれば虚偽申告になるし､年金を受取れば詐欺。国中ｻｷﾞ犯でｲｯﾊﾟｲということになる。

　｢30年も前のことを言われても｣とにっこり笑った小泉首相は､その勤務先で｢君の仕事は議員になること｣といわれたと､勤務していなかったと自ら認めている。このままで将来年金を受ければｻｷﾞというわけだ。

　これを根拠に政府を攻め立てるのもいいが､このようなことは現に世間でたくさんおこなわれている。

　根元は､加入者を増やしたい社保庁と､厚生年金に加入と同時に､国保より給付の良い政府管掌健康保険に入りたい人の合作詐欺。

　この問題を契機として､年金・健保の抜本改革を進めることが大切である。

*年金受給に関する不思議・非常勤者は加入できない。役職名にかかわらず､常勤者の70%以上出勤していないと厚生年金に加入できない。同族会社などで健康保険証を得るために家族を従業員扱いにしているが､ほとんど仕事はせず､という場合もこれに該当する。

どうする自衛隊・どうなる専守防衛

　　自衛隊イラク派遣の是非はともかく。このところ頻発する人質･誘拐･殺戮が､自衛隊の宿営地の目の前で行われたら､自衛隊はどうしたのだろう？

　さらに。自衛隊の車が宿営地の前で攻撃され､連れて行かれたら､目の前で連れて行かれかかったら､どうするのだろう。

　現地の日本人にとって､自衛隊は何処の軍隊よりも信頼し頼りにする存在のはずだし､自衛隊の長は､当然出撃奪還を計るだろうが､その後罪に問われてはたまらない。

　戦闘地域なら､対抗手段を取って出撃出来るのかも知れないが､政府見解では戦闘地域ではないというし､自衛隊には警察権はないはず。襲われた本人なら正当防衛できるが､仲間が襲われても､武器使用は出来ないのだろうが。

　政府の言う自衛隊の自己完結能力では､こんな時どうすることになっているのか？

　そんなことを思うと､行っている自衛隊員が本当に気の毒に思えるし､政府にはそのあたりをよく説明してもらいたいものだ。その説明で皆（国民）を納得させられなければ､自衛隊は引き上げるべきだろう。

派遣してしまった今､これは法律､或いは政治の議論ではない､今にも起こりそうな大問題のﾊｽﾞだが。

　前大戦敗戦後すぐに､強盗に入られた家の息子が（たしか大学生）親父の日本刀で強盗に刃向かい､逃げ出した強盗を追っかけて斬りつけ､過剰防衛で問題になったことがあった。いまの､国民の派遣自衛隊に対する感情は､この息子への同情に似ているかも？

＊赤い羽根共同募金への疑問＊

疑問その１．強制的募金は本来の趣旨に反するではないか

　　全国で年間238億余円を集めている共同募金。かっては「与えよ取れよと」の合い言葉のもと､すべて善意による街頭募金で始まった赤い羽根も､今では町内会への割り当てによる実質強制募金が実態である。

　その証拠に戸別募金が募金総額に占める割合は73%(法人募金は11%)。街頭募金の割合は2%に満たない。中高校生等による街頭募金は､いまや赤い羽根のPR活動にすぎない。（金額はいずれも2003年）

　筆者の町内では､町内会費から毎年4～5万円が「赤い羽根」に支出されていて､住民は知らぬ間に１戸当たり200円くらいを醵金させられている。これは既に戸別募金でさえない。このような半強制徴収は､本来共同募金の趣旨に反するものである。

　中央共同募金会でもこの問題について､平成8年2月､募金のあり方委員会が､戸別募金に「封筒募金」を導入するよう答申しているが､その時点で「速やかに封筒募金に着手すること」と提言しているにもかかわらず､6年も経っても末端では一向にその気配はない。

　「封筒募金」が実現すれば､少なくとも各戸が知らぬ間に町会費から支出されていたということは無くなるが､各戸に配った封筒を組長が集めるというのでは､強制募金と五十歩百歩である。

　中央募金会のﾎｰﾑﾍﾟｰｼﾞによれば､－共同募金ではﾎﾞﾗﾝﾃｨｱが家庭を訪問して寄付をお願いさせていただく「戸別募金」を実施している。近年は強制感を和らげるため､任意の額を封筒に入れていただく「封筒募金」の導入が進められている。－といっているが､そうすると町内会の役員は「共同募金のﾎﾞﾗﾝﾃｨｱ」らしい。

　半強制･半官公庁制の現状は募金ではなく税金並みの徴収である。少しは個人の意見を尊重して善意の醵金を自覚するような募金であるべきだ。

疑問その２．なぜ募金額と配分額の差が29億円もあるのか

　このような問題を提起すると､奉仕している人たちの善意を踏みにじるとか､聖域を侵すとか､批判が出そうだ。また､すでに数百億事業と化している現状は､建前だけの善意頼りでは維持していけない､というのが本音であろう。しかし､そう言いながら聖域の陰に隠れて､巨額の浄財を扱っているのはどのような人たちなのか､決算状況等も知りたいと､中央募金会に､会の組織、役員名簿、役員経歴、歴年決算書などは何処で見ることが出来るか問い合わせとところ､同会の情報公開規程によって請求せよといってきた。これらのことがなぜHP上に開示できないのか､理解に苦しむところだ。

　なお､慈善団体として大先輩の日本赤十字社は､組織･事業･決算報告などをHP上で公開している。

　平成14年度全国の募金額と配分金額およびその比率は表の通りで､差し引き29億円､全体の12%にも昇る巨費がどこかで消費されていることになる。

　前記｢募金のあり方委員会｣の提言によれば－寄付はﾎﾞﾗﾝﾃｨｱ､募集もﾎﾞﾗﾝﾃｨｱであることを知ってもらうこと－が必要としているが､｢すべてがﾎﾞﾗﾝﾃｨｱ｣で行われている活動に､どうして募金の12%､29億円にものぼる巨費が必要なのだろうか。善意で行われている共同募金。本来その殆ど全額が配分されて然るべきで､10%以上もの経費がかかっているというのは納得しがたい。

　｢すべてがﾎﾞﾗﾝﾃｨｱ｣であるという募金会は､自らの善意を証明するためにも､詳細な決算内容を公表すべきである。　(ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟ柴田孝介)

項　目	金　額	比　率
募金合計	23,779,447,549	100%
配分合計	20,891,137,707	87.9%
差し引き	2,888,309,842	12.1%

定点観測１　
名古屋市長室の黒塗り車運行状況

1日１回2分弱の走行､これは議論の段階を過ぎた異常な状態だ

　市長室では12両の黒塗車を管理している。
市長と3役専用車を除く8両の運行は右表の通り。８両と8人の運転者で1日に11人足らずを101km

運ぶ。これは1両でも余る数字である。

毎日3両近くがまったく運行しない。

	8両月間合計	8両で1日に	1両月間	1両1日に
出庫回数	131回	6.55回走行	16回走行	0.82回走行
乗車人数	222人	11人乗車	28人乗車	1.39人乗車
運転時間	4時間55分	15分間運転	37分間運転	1分51秒運転
走行距離	2015km	101km	252km	12.59km
不出走日	57日		7.13日(36%)

＊専用車以外の８台の運行状況､運転者８名､１月の出勤日数２０日

　1台あたりでは､1日1回以下の出庫で､2名足らずを乗せ13km走るだけの日常。運転者としても耐えられない勤務なのではないか。

　市長以下当局者は､この状況をどう考えているのだろうか。市の財政を云々するならば､区役所や消防署への黒塗車配置とともに､もう少しは市民感情にも気兼ねしてもいいのではないか？

ナゼ区役所と消防署に黒塗車があるの？

　行政効率向上のため､部局を整理統合した。ﾊｽﾞの　　　名古屋市黒塗り公用車の保有状況　　平成16年4月調査

名古屋市。非効率の象徴のように言われる黒塗車は果たしてどれだけ減ったのか。残念ながら､効果はイマイチ。局長の送迎は無くなったようだが､目の届かない区役所と消防署には相変わらず合計33両が配置されている。
　区役所は殆ど地下鉄便利の良いところにあり､本庁へ出かけるのに黒塗りは非能率そのもの。
　消防署の黒塗車は消防機器扱いなので､運行記録も取っていない。となれば､署長はじめ署員が自由に利用していると思われても仕方あるまい。
　火災現場に黒塗りででかければ市民の罵声を浴びること必定である。一度やってみたら？

所　　属	H16台数	H15台数	備　考（平成16年分）
市長室	１３	１２	平成13年は15台
総務局	０	４	市長室に移管
緑政土木局	１	１
区役所	１３	１５	昭和､瑞穂､天白はなし
市会事務局	４	４
消防局	２０	２０
上下水道局	１	２
交通局	１	１
合　計	５３	５９

　（注）平成16年度中に減車するものは､減車後の台数を掲載

定点観測2　
愛知県財政課のﾀｸｼｰ使用

愛知県財政課12月のﾀｸｼｰ使用状況

　ここ数年の減少傾向がここに来て反転上昇の傾向。それにしても1課で月間150万円もどうして？？
　財政課職員は激務だから｡　これくらいはあたりまえ､なにしろｴﾘｰﾄだもの。
　これが常態と思う県職員の感覚と､納税者の感覚とのずれはいつ解消されるのか。

年　度	件数	総金額	1件金額
H6年12月	992	9,410,880	9,487
H8年12月	684	5,403,950	7,901
H9年12月	595	4,181,030	7,027
H13年12月	352	2,192,030	6,227
H14年12月	196	1,123,470	5,732
H15年12月	215	1,480,430	6,886

日程：名古屋市民ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ･ﾀｲｱｯﾌﾟｸﾞﾙｰﾌﾟ　　　　　　　　　　　　　　2004年6月以降

月	日	曜	時間	行　事　･　裁　判　･　催　し	場　　　　所
６	９	水	10:00	愛知県議政務調査費	名地裁1101号法廷
６	15	火	11:15	ﾃﾞｻﾞｲﾝ博上告審弁論	最高裁第３小法廷
６	19	土	14:00	県内ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ政務調査費会議	岡崎
６	23	水	13:10	半田市公文書公開訴訟	名地裁
６	24	木	14:00	愛知万博文書公開訴訟	名高裁
８	28･29	土日		全国ｵﾝﾌﾞｽﾞﾏﾝ会議	函館

　　　＊毎週火曜日に例会としての火曜会をリブレ法律事務所(大津橋近く)で開いています　

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