名古屋市地下鉄の見事な落札ぶり
 これまで非公開だった名古屋市地下鉄車両の予定価格が裁判を経てようやく公開となった。そこで見えてきたものは99.6%以上というあまりにも高い落札率だった。
 地下鉄車両メーカーは寡占状態で、長年談合の疑いがあったが、予定価格が非公開だったため、落札率を調査できなかった。今回、地下鉄がある全国9都市に対し、地下鉄車両の予定価格と設計書の情報公開請求を行い、非公開となった
 名古屋市交通局地下鉄車両の落札価格・予定価格と落札率      自治体には訴訟を起し、2004年8月30日原告全面勝訴の1審判決を勝ち取り、その まま確定した。
 他自治体は訴訟中に予定価格を開示し、訴訟 を続けているのは名古屋市と東京都だけにな っていた。
 落札価格と予定価格の比率である落札率は、 一番低くて99.643%、最も高いのは99.998%と いう「あまりにも高い」落札率だった。談合の疑 いが濃厚。今後全国の地下鉄車両の落札率を 分析し、談合疑惑を追及していく。
   製 造 分 野  落札価格 予定価格 落札率%
1 車体・ぎ装  626、040  626、076 99.994
2 台車・基礎制動装置  182、160  182、268 99.941
3 制御装置  234、500  234、550 99.979
4 主電動機・駆動装置  116、800  117、018 99.814
5 補助電源装置   60、240   60、271 99.949
6 信号装置   35、600   35、640 99.888
7 冷房装置   39、300   39、441 99.643
8 ATC装置   18、392   18、394 99.989
9 制動装置   64、560   64、561 99.998
             (単位:千円) (いずれも税抜き)  
予定価格とは?: 全国的なデータに基づく標準的な見積価格。業者の利益分は含まない。この予定価格は、国土交通省の外郭団体である財団法人建設調査会と建設物価調査会が国交省、官公庁、道路公団等から独占的に請け負って単価を決めてる。そして、地方公共団体もその基準を使用する。
落札率とは?: 
 落札価格/予定価格×100
問題点はここ!: 予定価格に対して、より安く入札した業者が工事を請け負うのが入札制度。
 多くの業者が競争入札すれば、落札率が99.994%になるのは極めて不自然ではないか?
 落札率が限りなく100%に近いことから、競争原理が働いていない、公正な入札が行われず、談合が行なわれていることが予測できる。
                            
これが「競争入札」か!
名古屋高速・料金徴収業務
 2004年9月15日、名古屋高速道路公社の料金徴収業務で初の「競争入札」が行われた。しかし、実態はこれまでの随意契約と同じ1社だけが入札。落札率も高止まり。料金値下げへの道は遠い。
 今回の入札参加条件は、@有料道路での料金収受業務の実績があること。A駐車場経営で、10人以上の常勤職員・取扱台数1日1,000台以上・1駐車場あたりの平均取扱金額1日100万円以上ということ。
 入札参加は既存の3+1社しかなく、その新規1社も直前に辞退。結果は従来の随意契約と、業者も入札方法も同じ結果となった。
 公社の言い分は、03年度27億5000万円で契約していたのを、予定価格の見直しや入札にしたことで04年度は24億2000万円に12%減額できた、という。
 しかし、青森県道路公社では、入札参加資格を大幅に緩め40社近くが応札、落札率が55%から60%程度に低下したのだ。
 今回、新規参入がまったくなかったことで明らかなように、参入障壁を高くしたことは、既存の業者を保護する公社主導の談合とも言える。
 プロ野球の世界では90億円にものぼる加盟料・参加料という参入障壁撤廃で、新規参入企業が名乗りを上げている。競争のない社会は停滞し、いびつになる。
 名古屋高速の経営を健全化し、市民の負担を増やさないために、市民オンブズマンは入札参加条件の緩和を求める。
 日程:名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ              2004年10月以降  




 
時間 行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し 場    所
10 15:00 万博食糧費最高裁弁論 最高裁
10 15 10:00 県議政務調査費弁論打合せ 地裁409号法廷
11 18 14:00 デザイン博訴訟差戻審進行協議 名高裁民事3部
12 13:30 県内オンブズ打合せ  
   *毎週火曜日に例会としての火曜会をリブレ法律事務所(大津橋近く)で開いています 
     ◇ HP = www.ombnagoya.gr.jp
     ◇ e-mail adress = ombngy@hotmail.com
名古屋市民オンブズマンタイアップグループ機関誌
1995年10月25日第1号発行
事務局 : 名古屋市中区丸の内 3-6-19
ライオンズシティ久屋503号滝田法律事務所
tel:052-961-1600 fax:052-961-1615
ホットラインFAX : 052-953ー8050
 
捜査費で激励慰労会
全国で恒例化・税金で身内だけの飲食が許されるのか
 全国警察の捜査費の資料が集まった。驚いたのは「捜査費」が激励慰労費等の名目で全国的に公然と支出されていることだ。当局によれば激励慰労に対する公費の支出は規程で認められているという。
 エッ!まさか、そんなことありか?というのが率直な市民の感覚。
 信じられない方も多いと思うので、証拠をご覧に入れる。左下の写真は愛知県警の平成11年捜査費現金出納簿(国費)の写しである。 11月4日の行に「本部長激励慰労費捜査第1課渡 198000」と記されている。同様の支出は、表のように平成10・11年の捜査費現金簿に本部長激励慰労費として記載されている。
 三重県警でも十数人乃至数十人が料亭で慰労激励会をしている。下右写真はそのための支出伺いである。これらの精算書や料亭の領収書も公開されている。こんな資料は特例ではないのだ。
この支出は規程で合法とされているのだろう。しかし、どんな規則や規程があろうとも、税金で身内の宴会が出来るというのはどうしても納得出来ない。明らかに規則規程が間違っているのだ。
 警察が独自の規程を作り、身内での飲食を合法化しているとすれば言語道断である。
 警官の辛い仕事のあとの慰労や激励はどうしても必要だと言う当局者は公費の支出を当然と考えているようだが、辛い仕事はなにも警官の専売ではない。
 まして困難で危険な職務についているとして警察官・消防官は給与も一般職より高く、かつ年金支給年齢が低く優遇されていると聞く。
 世の中には同じような、あるいはもっと辛い仕事はいくらでもあるのだ。
 そう言えば、消防職員に出動後の慰労激励会があるのだろうか、確かめてみたいところだ。
愛知県警で本部長激励慰労費名目で支出された捜査費      三重県警の激励慰労費支出伺書












 
国 費 分
支出日付 支出先 金 額
H10/11/4 捜査第1課  198、000
  11/26 捜査第1課  198、000
H11/6/21 捜査第1課  198、000
   7/30 国際捜査課  168、000
  10/28 捜査第3課  135、000
  12/15
 
生活経済課
 
  69、000
H12/8/1 捜査第4課  198、000
県 費 分
H11/7/16 捜査第1課 198、000
  12/15 生活経済課 159、000
  愛知県警本部長 捜査激励費が記載された支出簿
   
 
 
 
 
 
 
 
 
福井県カラ出張調査の内部文書非開示を取り消す
最高裁判決文要約
メモ書きなどの内部文書も公開対象
 
(144号で特報)最高裁第二小法廷は9月10日、福井県のカラ出張内部調査文書非開示決定を認めた二審判決を破棄、非公開処分取り消しを命じた。
判決では「県が公表している調査報告書の基礎である調査課程のとりまとめ文書は、報告書と同一視して開示の対象とすべし」としている。
決裁が予定されている文書を作成する基礎となった文書は、決裁手続終了
後は、公開の対象として定める「決裁等の手続が終了した文書」に当たる
 
理    由
 上告受理申立て理由について
1. 本件は、福井県の住民である上告人が、平成11年4月9日、福井県公文書公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき、実施機関である被上告人に対し、「福井県の各課等の同6年4月から9年12月までの旅費調査委員会の調査に当たり、県各課等で作成された帳簿、ノート類と関連する預金通帳及び同調査の取りまとめ文書」の公開を請求したところ、本件文書は存在しないため公開出来ない旨の通知を受け、その取消しを求めたもの。
2. 原審の確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。
(1) 本件条例2条1項は、「『公文書』とは、実施機関の職員が職務上作成または取得をした文書、図画および写真であって、決裁または供覧の手続終了後、県において管理されているものをいう。」と規定。
 (以下、福井県文書規程における「起案文書」「原議書」「完結文書」の規定を列記、さらに「収受した文書であって起案による処理を要しないものは、供覧処理票を添付して関係者に回付し、その閲覧に供しなければならない。」と説明。)
(2) 福井県は、平成9年12月8日、総務部長及び各部次長を構成員とする旅費調査委員会を設置し、県各課等において、同6年4月から同9年12月までの旅費支出に関する調査を行った。上記調査は、県各課等の所属長及び課長補佐が調査実施者となり、書面調査、聞き取り調査等の方法により実施された。本件文書のうち別紙文書目録記載の文書(以下「取りまとめ文書」という。)は、上記調査の結果、適正な執行と確認することができないものを事務処理上不適切な支出とし、年度別にその支出額、公務遂行上の経費に充てられた額等を整理し、集計したもので、県各課等が所属する各部次長に報告された。
(3) 旅費調査委員会は、取りまとめ文書を基礎として「旅費調査結果と改善方策に関する報告書」(以下「本件報告書」という。)を作成した。本件報告書は、決裁の手続を経て、平成10年3月10日付けで作成され、公表された。
(4) 取りまとめ文書は、県各課等により管理されているが、福井県文書規程所定の決裁等の手続を経ていない。
3. 上告人の請求を棄却すべきものとした原審判決の要旨は、次のとおりである。
(1) 本件条例2条1項は、決裁又は供覧の手続を予定していない文書を公開の対象から排除する趣旨の規定である。
(2) 取りまとめ文書は、県各課等において旅費支出に関する調査をした際、県各課の長等が上司にその結果を報告するにために作成した内部資料であるから、県としての意思を決定するための基礎となる案文ではなく、決裁の手続が予定されている文書ではない。また、取りまとめ文書は、県の職員が作成したものであるから、供覧の手続は予定されているない。したがって、取りまとめ文書は「決裁または供覧の手続終了後」の要件に該当せず、本件条例2条1項にいう「公文書」に該当しない。
(3) 本件文書のうち、帳簿、ノート類及び預金通帳については、それらが存在すると認めるに足りる証拠はない。
4. しかし、原審の上記判断のうち、取りまとめ文書が「公文書」に該当しないとした部分は、これを是認することができない。その理由は、次のとおりである。
 前記事実関係によれば、取りまとめ文書は、県各課等が旅費執行の適否につき調査した結果を整理したものであり、本件報告書は、取りまとめ文書を基礎として作成されたものであり、決裁の対象とされ、その手続終了後に公表されたというのである。取りまとめ文書は、旅費調査委員会が作成した本件報告書の基礎となったものであるから、それ自体について決裁等の手続が予定されているかどうかはともかくとして、本件報告書について決裁の手続が予定されていたことからすると、決裁の対象となるものと同視すべきであり、同手続が終了した以上、本件条例により公開の対象となる文書に当たると解するのが相当である。したがって、本非公開処分のうち取りまとめ文書に関する部分は、違法である。
5. 以上で、本件非公開処分のうち取りまとめ文書に関する部分を適法とした原審の判断には、明らかな法令の違反がある。原判決中上記判断に係る部分は破棄を免れない。第1審判決を取り消し、同請求を認容すべきである。
 よって、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。
注:判決文は最高裁HP http://courtdomino2.courts.go.jp/home.nsfに、掲載されている。
 
赤い羽根募金は原点にもどれ
 
◎全国で総額200億円(愛知県11億円)を超す赤い羽根 募金はすでにボランティア活動の範疇ではない。
◎愛知県共同募金会の運営費は9000万円、支部への 交付金5700万円、中央募金会へ上納金380万円など 合計費用15300万円は募金額の14%に相当する(平成 15年度県募金会収支決算書から)。
  これほどの経費を使ってボランティアと言えのるだろう か。そもそも善意の募金を給料に使うことに問題はな いのか。
◎福祉事業という聖域に隠れた、膨大な資金を動かす 巨大な官庁周辺産業に思えるのだが。
◎拡大した事業維持のために募金額 を割り当て、町内会は市民の知らぬ間に町内会費  から割当額を徴収 する。従って市民 には醵金した意識 はない。
◎原点のハズの街頭 募金は全体の2%に 過ぎず、すでにPR 活動と化している にすぎない(右表)。
  
赤い羽根募金は「与えよ取れよ」で始まった50年前の原点に戻ろう。募金会の信条は「寄付する人も募る人もボランティア」ではないか
ラスベガスへ行った名古屋市議のアメリカ視察旅行
視察という名の観光旅行を止めよ
 
 恒例地方議員夏休みの海外視察旅行。名古屋市議は4年の任期中1回にだけ海外視察旅行に出かけることになっている(らしい)。
 今回は「名古屋市会北米視察団」と銘打って、8月17日名古屋空港発成田経由でワシントンへ。ニューヨーク・ロサンゼルスを経て27日の帰着までの11日間の旅程である。
 本来の目的である(ハズ)の視察先は、この間に7カ所計画されている(右表)。が、19日を除きいずれも1日1カ所。1カ所あたり長くて2時間くらいの視察。後の半日はどうしていたのか?
 そして、21・22日の土日に一部議員は話題となったラスベガスへの視察となった。航空運賃宿泊費を含めてすべて私費というがその真偽もじつは不透明。だが、費用はともかく、休日にどこへ行こうとそれを咎める程ヤボではないつもり。
 われわれの主張は「地方議員の政務調査費勝手監査」で取り上げているように、国内海外を問わず、大勢での視察旅行は止めろということだ。
 海外視察は市会で組む団体視察以外は認められないと言うがこれは本末転倒、会派混合の団体で、まともな視察をこなせるとは思えないのだ。
 個々の市議が必要と考える命題を取り上げ、現場でしか得られない必須事項を調査することこそ本来の視察であろう。
 内容が公開出来ないで問題になっている月額55万円の政務調査費は、このような用途にこそふさわしいのではないだろうか。
 ちなみに、今回の視察費用は1人あたり120万円である。
特報 春日井市敬老会バス借り上げ料 例年の15%ダウン!
 春日井市の名古屋市民オンブズマンメンバーが談合だと訴訟に訴えていた春日井市の敬老会バス借上料金の競争見積は、10社から見積書が提出され、予定価格84,000円の15%引きにあたる71,400円で決定した。10社中2社は予定価格ズバリだった。結局15%引きピッタリの最低価格を出した1社に他の7社合わせ、2社は失格となった。
 とりあえず値下げ効果は見られたわけだが、さらなる監視が必要。
 
 今年も「赤い羽根」が始まる。年末を控え一見結構な行事だが、最近の活動状況は基本理念である「寄付する人も募る人もボランティア」から外れてきているのではないかと思われる。
 現在名古屋市内では多くの町内が割り当てられた額を町内会費から支払っている。回覧板で最近廻ってきた募金お願いには「学区例会において当自治会については39100円の割り当てがありましたので、昨年度同様、ちょうにて対応いたします。ご了解下さい。」とあった。これでは市民が自らの意志で醵金したという実感を持ちようがない。
 中央募金会では、数年前から募金に強制感が伴うことを危惧し、戸別に募金用封筒を配って自由意志による醵金を薦めているが、なかなか浸透していない。
 このことは中央募金会が任意募金を標榜するしながら実は募金目標額を定め、全国に割り当てているため、各地の募金会は割当額を達成するためには、任意などときれい事ではすまされず、ほぼ強制的な割り当てで、目標達成を目指すことになる。
 一方、最近の募金額は全国で約230億円にも達し、その資金による福祉事業は中途半端なものではなくなってきた。この事業を続けるために必要な資金は、原点である街頭募金による寄金などでは取りようがない。街頭募金額は全体の2%の過ぎ無いからである。こうして総額の73%にも達する戸別募金に頼らざるをえなくなっている。(表参照)割り当てを達成するためには封筒募金などなかなか取り入れられないのが実相であろう。
 当然中央会以下全国の組織も巨大化し、そのためいに消費されている費用も無視出来ないものになっているにちがいない。ちなみに、愛知県募金会の資料によれば同会の2003年度募金額は約11億円であり、その %にあたる 6千100万円が
 赤い羽根募金もこのあたりで街頭募金などの純粋な善意募金の原点に戻留べき時期に来ているのではないか。
 
愛知県共同募金会平成15年度決算書抜粋 単位千円
  収  入 金  額 比率
共同募金 1,080,481  51.4
特殊寄付金  972,263  46.3
繰越金   41,095   2.0
配分金返還    8,140   0.4
受取利息     34   0.0
  合   計 2,102,013 100
     
  支  出 金  額 比率
共同募金配分金  929,390  44.2
特殊寄付金配分金  956,308  45.5
他会計繰入支出  173,300   8.2
繰越金   43,015   2.0
  合  計 2,102,013 100
  支  出 金  額 比率
共同募金配分金  929,390  44.2
特殊寄付金配分金  956,308  45.5
他会計繰入支出  173,300   8.2
繰越金   43,015   2.0
  合  計 2,102,013 100