名古屋市民オンブズマンタイアップグループ機関誌・1995年10月25日第1号発行

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明るい警察を実現する全国ネットワーク発足

 8月28・29日の全国オンブズマン函館大会では「情報提供や内部告発をした警察官をフォローする全国規模のネットワークをつくり、支援をする」と決議したが、これを承け、10月23日「明るい警察を実現する全国ネットワー」が設立された。

目的3項目

@ 内部告発をした警察官をバック アップする

A 警察内部からの情報や意見の 「受け皿」になる

B 上記を通じ、警察に外部の風を 入れるよう働きかける

 設立発起人は、北海道警OBの原田宏二氏、斎藤邦雄氏、弁護士の清水勉(東京)、辻公雄(大阪)。

情報提供は

TEL03-3353-3399(東京・清水弁護士)か、TEL052-953-8052(名古屋・新海弁護士)まで。

 北海道での警察OBの内部告発により、捜査費のほぼ全額が裏金であったことを北海道警が認め、カラ出張へ追及の手が伸びている。北海道警だけが裏金を作っていたと信じている人はいない。しかし、市民オンブズマンやマスコミなど外部の追及には限度がある。第2、第3の「原田さん」を期待したいが、警察OBの圧力は一般人の想像を超えるものがあるという。少しでもお手伝いが出来れば幸いである。


赤い羽根の募金方法に異議あり

町内会費からの一括上納は違法だ!!

 街頭での募金風景は風物詩として定着した共同募金。

だが、街頭募金による募金額は全体のわずか2%、殆どを町内会の寄付に頼っているのが現実なのだ。

 名古市内では各町内に募金額を割当て、ほとんどの町内では、住民の意思には無関係に町内会費から一括支出してる。

 これは明らかに「寄付者の自発的な協力を基礎とする」という共同募金の趣旨に反し、共同募金に法的根拠を与えている社会福祉法に違反している。

初心を忘れ巨大化した共同募金、バブルの幻想を離れて原点に戻れ

オンブズマン 共同募金会に改善を申し入れ

名古屋市民オンブズマンは10月21日、愛知県共同募金会に対し、

1.住民の知らぬ間に取り立てられる町内会費からの一括納入の禁止(税金よりひどい)

2.任意であるべき募金に強制感を与える募金割り当ての廃止(封筒募金以外受け取るな)

3.浄財である募金原資の給与等への使用禁止(市民が知れば醵金拒否も)

 を求めた申入書を提出し、30日以内に具体的な回答の提示−をもとめた。

募金の原点に戻る改革が必須だ

 下表のように、バブルを境に減少傾向が顕著な共同募金。このままでは共同募金に頼って展開されている社会福祉協議会の事業も当然立ち往生だ。全国でなんと年間260億円にも達していた巨大福祉事業も今後は衰退をたどるのみ。この行き詰まりは、募金者の善意に頼っているはずの「共同募金」を計画募金と位置づけたところに根元がある。

 いまや共同募金会の上部団体と化している社会福祉協議会とともに、根本的な改革無しに打開は不可能である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


倍で買ったり 半値で売ったり

土地開発公社と名古屋市の馴れ合い関係 

 名古屋市と市土地開発公社が絡んだ奇妙な土地売買が2件報道された。いずれも名古屋市が大損する取引。

 公社は従来の「存在意義なし」から「極めてやっかいな荷物」に大変身。

 和歌山県土地開発公社や、北海道・千葉県住宅供給公社のように特定調停を求める日も近いか?

 市民オンブズマンとして今後詳しく調査していきたい。

・倍値で公社から土地購入 納屋橋親水広場

 公社が納屋橋近くの堀川沿い土地を再開発事業のためバブル期の91年に購入してはや13年。

 01年に再開発事業地区からはずれるなど何にも使われず「塩漬け」状態が続いていたが、市は隣の土地を新たに購入して親水広場にすることを決めた。大変結構な企画のようだが?

 公社が両方の土地を購入した価格は13億1300万円、その後の利子が7億9660万円で合計21億6900万円が簿価となり、名古屋市はこの価格で買い取ったのだ。

 この価格は、市内最高値の名古屋駅前地価の2倍、購入地近隣の基準地価の10倍で、あまりにもずさんな取引といわざるを得ないではないか。こんなコトが許されるなら、規則がおかしいのだ。

・その一方、サイ エンスパークで は半値で叩売り

 塩漬け土地のメッカ「なごやサイエンスパーク」は企業誘致に失敗している典型例だ。

 ごくまれに企業が土地を購入する例もあって、市が購入価格の半値で企業に売却したことが判明した。

 名古屋市が利息込み簿価5億6780万円で公社から買い取り、医療法人に2億7470万円で売り渡したのだ。なんと簿価の52%引き。

 差額は市が負担。つまり市民が払った税金が消えた!!


 どこから出ている

名古屋市民オンブズマンの活動資金

 最近、新任弁護士数人が、名古屋市民オンブズマンに参加することになり、歓迎の席上で当の新弁護士から「運動資金はどこから出ているのか」と質問があった。盲点をつかれたと言わざるを得ない。

 もちろん資金はすべて自前、手弁当なのだが、そういえば発足当初にも市民からそのような疑問を聞いたことがあった。

 当事者は資金自前は当然のこととして、一般にもそのように理解されているものと、いわば一人合点していたわけだ。

 気に掛けてもいないことが、時として誤解を生む好例といえるかもしれない。

 そういえば、かって全盛を極めた全学連に、実は右の方から資金が供給されていると言われたりもした。われわれの所には、残念ながら気前のいいスポンサーもパトロンもいないが、そのことが束縛のない運動を可能にしている最大の理由と言える。

具体的には 名古屋市民オンブズマンの活動は「名古屋市民オンブズマン」と「名古屋市民オンブズマンタイアップグループ」の二つの組織で行っている。

 「名古屋市民オンブズマン」は弁護士などで組織されて、十数年の実績がある。

 1995年に官官接待などが全国的な話題となったとき、市民有志が運動に参加したいと集まって出来たのが、「名古屋市民オンブズマンタイアップグループ」、今年で結成10年目。

 両者それぞれの持ち味を生かし、連動して活動している。

 いずれも会費制をとり、タイアップグループは年会費6千円で運営している。現在百数十名の会員がいて、このタイアップニュースを月報として送っているが、自由な参加と会員の安全も考慮し、会員名は非公開。

 発足当初は情報公開の費用が非常に高額で相当の負担だったが、費用引き下げ運動の成果で現状は何とか息をついているというところ。


 

既報 春日井市敬老会バス借り上げ料

例年の15%ダウン!

 春日井市の市民オンブズマンメンバーが談合だと訴訟に訴えていた春日井市の敬老会バス借上料の今年度競争見積は、10社から見積書が提出され、予定単価84,000円の15%引きにあたる71,400円で決定した。

 単価で12,600円の引き下げは、例年通り65台借り上げたとすれば、819,000円の節減だ。

 なお、見積もった10社中2社は予定価格ズバリだった。

 結局15%引きピッタリの最低見積を出した1社の価格に他の7社が合わせ、残る2社は失格となった。

 とりあえず値下げ効果は見られたものの、さらなる監視が必要だ。


本件訴訟の和解条項 本件に対する名地裁での和解条項は以下のとおり。

1. 被告は、原告の本件訴えの趣旨を尊重し、敬老会送迎バスを(運転手添乗員付きで)借り入れる契約を締結するのに際し、今後とも、競争原理を尊重し、適正に行うことに努める。

2. 被告は、上記契約を見積合わせの方法で行う場合には、指名業者同志によって入札(見積金額)の協議がなされないように、指名業者の数の拡大に努め、事前の説明につき適切な方法を選択する(例えば、説明会を廃止する)等の改善を行うこととする。

3.原告は本件訴えを取り下げる。

4.被告は取り下げに同意する。

5.訴訟費用は各自の負担とする。

原告が訴訟費用を負担させられるのはなぜ?

 和解では、訴訟費用各自負担が慣例というが、本件のように原告の主張が全面的に採用された場合には、被告が訴訟費用の全額を負担するのが当然と思うのだが??

原告の感想  結果としては、バス借り上げ料金が引き下げられたので良しとする。

 内なる改革はなかなか難しく、外部からの改革はやりやすいということなのか?

 春日井市の職員には改革の意志はないのか。「やれば出来る」の第一歩としてほしいものだ。

 市民からは「途中で断念したのではないかと思っていたが、最後まで頑張っていたんだな」との感想が聞かれた。また、ある市議会派では、この問題を「これは議員の仕事だ」と反省したそうだ。

 単発の事件として終わらせないで波及効果を広め、私たち市民がたえず監視していくことが必要だ。

 最後に、行政には「競争原理」を導入することが、常に最善なのか、も考えてほしい。

 今後も弱肉強食とならぬよう、弱者への配慮を忘れずに行動しようと思っている。


 

PCB処理を考える市民会議(半田市)

PCB施設設置許可無効を求めて提訴

 大手車両メーカー、日本車輌製造が半田市に計画しているPCB処理施設(1.8ヘクタール)の建設を愛知県が許可したことに対し、29日半田市の「PCB処理を考える市民会議」(松村薫代表)は建設許可の無効確認を求め名古屋地裁に提訴した。

 訴えでは、日本車輌が申請し、8月に県の許可が下りた申請図面等の内容に誤りがある。都市計画法で施設の周囲に設置するよう義務づけられている巾5mの緩衝緑地帯が3mしかなく基準に満たない。

 建築基準法による提出図面では、施設の位置関係が異なるなどの問題があると指摘し、このような違反図面による設置許可は違法であるとしている。

*同施設の建設については、認可を巡って半田市が当初消極的な態度だったところ、いわゆる政官業による様々な経緯が問題を惹起して、訴訟問題となり、あるいは名古屋地検も関心を示すなど混乱している。


  続いて半田PCB訴訟第二弾11月12日

施設の設置許可取消で提訴

 10月29日に「PCB処理施設の建設許可無効確認」を求め名古屋地裁に提訴した半田市民有志(松村薫代表)は、反対訴訟の第二弾として同処理施設の許可取り消しを求め、12日名古屋地裁に訴状を提出する。 訴状では

1.設置許可申請書に虚偽がある。

2.計画には、洗浄施設の申請を行 わないという瑕疵がある

3.申請手続きは形式的で、洗浄施 設の説明などが無視され、意図 して手続きを怠っている

4.申請者は不正不誠実の行 為をすることが明らか−等としている。


 竜頭蛇尾か名古屋市の「口利き公開要綱」

 名古屋市は昨年の名古屋市道路清掃談合汚職を契機に市議や市民からの「口利き」「苦情」等を記録公開する要綱案をまとめた。

 当初は条例化を目指し、弁護士などによる委員会の提言では、公職者からの働きかけすべてを記録公表するというものだったが、記録公開への市議からの反発は相当に強かった模様で、条例のはずが要綱止まり。「すべての口利き公表」が、「内容が職務基準に反しているときに」と大幅に後退し、見事な竜頭蛇尾の結果となった。もっとも、当初案通りに条例化されれば、市議市民だけでなく、市職員も規制されいい加減な対応はチェックされるるわけ、その意味では胸をなで降ろしている向きもあろうというものだ。

*四文字熟語「竜頭蛇尾」=はじめは非常 に盛んであるが、終わりが衰えるたとえ


 名古屋市会議員政治倫理綱領制定

 道路清掃汚職や歯科医政治連選挙違反などで逮捕者相次ぐ名古屋市会は、15日政治倫理綱領を可決成立させた。禁止事項は盛りだくさんだが、同市会では昨年12月には「綱紀の粛正に関する決議」を、今年の9月には「政治倫理の確立に関する決議」、を可決していることをよもやお忘れでないでしょうね。

 


名古屋市民オンブズマンとタイアップグループの合同望年会を開催します。
 日 時 : 12月25日土曜日 午後6時00分から
 場 所 : かっぱ園菜館 東区泉 1−9−28
地下鉄高岳1番出口を北(東片端方向)へ2筋で左折、2本目の右側です
申し込み:FAXか電話で 961−1615 滝田法律事務所へ
 

 日程:名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ       2004年11月以降  

時間

行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し

場    所

11

12

10:00

愛知県政務調査費返還訴訟弁論準備

名地裁民事9部505号法廷

11

18

14:00

デザイン博訴訟差戻審進行協議

名高裁民事3部

11

26

10:30

万博やめたらどうなる訴訟進行協議

名古屋高裁民事1部

12
 


 


 

13:30
 

県内オンブズ、県内市議政務調査費監査打合せ

リブレ法律事務所(名古屋)
 

   *毎週火曜日に例会としての火曜会をリブレ法律事務所(大津橋近く)で開いています 

     ◇ HP = www.ombnagoya.gr.jp

     ◇ e-mail adress = ombngy@hotmail.com