名古屋市民オンブズマン        155号 2005年8月16日

タイアップ NEWS

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名古屋市民オンブズマンタイアップグループ機関誌1995年10月25日第1号発行

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名古屋市自民市議団政務調査費監査請求棄却

 名古屋市監査委員は10日、自民党市議団に対する名古屋市民オンブズマンの住民監査請求を、平成15年度分については返却された、同16年度分は調査出来なかった。として却下し、付随する

意 見 として同会派の会計処理には自律的なチエック機能が欠如していると指摘。市会には、他自治体にならい、政調費マニュアルの作成と、領収書の公開を要望した。


平成15年度分の410万円は返されたのでお咎め無し!

 自民市議団は、一昨年の収支報告書が間違っていたので訂正し、差額を返還するというが、監査委員は、訂正後の収支報告書をチェックしたのか。 チェックもしないで間違っていないとなぜ言えるのか?

監査対象の言い分を認めるだけの、腰の引けた監査委員に存在意義はあるのか。

平成16年度分の150万円 は調べられないのでわかりません。

と手も足も出ない監査委員の存在価値は?

平成16年分に至っては、明らかにおかしいと自ら認めながら「領収書が提示されないからわからない。調査権限がない」から、請求人の主張が認められないと言うのだが。

監査対象が不当利得ではないことを立証出来ないのに、なぜ請求人の主張を退けることが出来るのか。

会派責任者に帳票類の保管を義務づけているのは、このような場合のためではないのだろうか。

 監査委員は、せめて議長に領収書との照合を求めるくらいのことはすべきではないのか。


名古屋市監査委員の監査結果(要約)

「結 論」

 以上述べたとおり、平成15年度の410万円は、措置する必要はない。また、平成16年度の150万円は、不当利得の事実を確認できなかったので、請求人の主張を認ない。

「意 見」

本制度は、議員の調査研究のために設けられたもので、政治活動の独立を確保するため、議会の自主的、自律的な点検に委ねられている。しかしながら、自民党名古屋市議団の会計処理は、会派の自律的なチェック機能に対する市民の信頼を大きく揺るがすものである。

同市議団は実態解明に努め、その結果を明らかにして、市民の信頼回復を図り、再発防止に努められるよう要望する。

また、政務調査費は、情報公開を促進し、使途の透明性を確保することが重要であり、市会議会運営委員会理事会においても、領収書の公開について継続検討課題としている。

市会におかれては、他の自治体で実施されている、収支報告書での使途の記載拡充・詳細化、使途基準に関するマニュアルの作成、領収書の公開など、市民の納得を得られる透明性向上の検討を進められるよう要望する。  


領収証を調査できない監査委員などいらない

新海 聡

政調費に対する住民監査請求は棄却された。正直なところ、結果だけをみれば、予想されたことと言える。しかし、それ以上に今回の監査委員の仕事は住民監査制度の深刻な機能不全を示すものだ。

 今回の監査請求についての監査委員の仕事は「使途基準に定める使途以外に使用されたかどうかについて判断する」ことだ。その判断のために、監査委員は自民党会派等から支出についての説明を受けている。その説明で納得できれば領収証を見る必要性はない。ところが、今回の監査で監査委員は「領収証等の関係書類の調査ができなかったことから」「使途基準に定める使途以外に使用されたかどうかについて判断するにいたらなかった。」としているのだ。

 このことはどうみても監査委員自身、自民党会派等の説明だけで支出の正当性が判断できず、領収証等を見ることが必要だ、という判断をしていることになる。そうであるなら、支出を正当と判断する資料が提供されない以上、支出自体を正当と判断できない筈だ。ところが、監査委員は「判断するにいたらない」などと言う理由で請求を棄却しているのだ。

 まともなセンスの持ち主であれば、正当性を基礎づける資料が提出されなければ、正当でない、という判断をするはずである。

 これでは、監査委員の調査に協力しない者こそ得をする結果となる。この監査は、監査委員の権威も監査制度の趣旨をも自己否定するものではないか。

 ここまで調査対象から軽んぜられて、監査委員の職にありつづける意味はあるのか。

 棄却という結果以上に今回の問題は深刻であり、監査請求の歴史に汚点を残したことを監査委員は理解すべきである。


名古屋市会三会派の政務調査費

これではなにに使ってもOKということ??

名古屋市会の自民・民主・公明各会派は「政務調査費の公開すると政治活動の自由を制限するおそれがあるので」領収書の公開は認められないと回答してきた。

 われわれは、政務調査費は条例で「市政に関する調査研究の経費以外に充ててはならない」とされているので、政治活動に使うことは出来ないと理解している。

 このため3会派に対して再質問状を送付、回答を得た。

 ところで出てきた回答内容は、意味不明、あるいはまったく回答になっていない、内容だでけでなく文章までもがあまりに酷似しているなど、興味津々だ。

 是非ご高覧に供したいと会派ごとに掲載する。要するに「政治活動」の法的な定義にかかる問題なので、その点は慎重に検討を進めたいと思っている。

                                               

回答を求めたオンブズの質問状


政調費に関する再質問状
 政調費の領収書を公開すると「政治活動の自由を制限するおそれ」があると回答されたが、
1.市政調費条例で「政調費は、市政に関する調査研究 に必要な経費以外に充ててはならない」とされ、政治活 動には使えません。
2.本年4月1日現在、岩手・宮城・長野・京都・鳥取・高知 の6県、札幌・さいたま・静岡・京都・福岡の5政令市、
 愛知県内31市中、30市で領収書を公開しています。
  貴会派は「政調費の領収書公開で政治活動の自由 が制限されるおそれがある。」と言われますが、上記の 自治体が公開により「政治活動の自由が制限された」 事例があれば、ご記載下さい。


 

自民党市議団回答・難解で意味不明

 調査研究がなぜ政治活動なのか。百歩譲っても、領収書の公開で、なぜ政治活動の自由が制限されるのか。この文章を読んで、どなたか意味わかりますか。しかも公明市議団と殆ど同じ内容とはどういうことなのか。


自民党市議団回答
  政務調査費に関する住民監査請求が起こされ、また 愛知県警も本格捜査を始めたということですので、回答 は差し控えさせていただきます。
  政治活動の自由を制限するというのは、会派は、普通 地方公共団体の立法府ともいうべき議会で重要な役割 を担うことから、まさに政治的存在で、市政に関する調 査研究活動も、まさに政治活動の一環であって、その活 動の自由を制限するということであります。なお、会派の 活動というものは、いわゆる政党活動とは一線を画する ものであり、政務調査費は、会派が行う市政に関する調 査研究活動という政治活動のためのものであり、それ以 外の選挙活動や政党本来の活動に使うことは出来な いものであります。
  いずれにいたしましても、制度のよりよい方策の検討 が求められており、今後、議会運営委員会理事会の中 で、検討課題として慎重に議論してまいりたいと考えて います。

 

 

公明市議団=自民市議団ということか

 自民公明両者の回答はほとんど同じだ。誰かに相談してつくった文書だろうか??


公明党市議団回答
  政務調査費に関する住民監査請求が起こされてい ますので、回答は差し控えさせていただきます。
  政治活動の自由を制限するというのは、会派は、普通 地方公共団体の立法府ともいうべき議会で重要な役割 を担うことから、まさに政治的存在で、市政に関する調 査研究活動も、まさに政治活動の一環であって、その活 動の自由を制限するということであります。
  いずれにいたしましても、制度のよりよい方策の検討 が求められており、今後、議会運営委員会理事会の中 で、検討裸題として慎重に議論してまいりたいと考えて います。

 


民主市議団回答・これは回答ではない

 質問になにも答えていない。とにかくうるさいから何か返事しておけ、ということだろう。


民主党市議団回答
  政務調査費については最近様々な動き・議論がある ところから、市民の理解・信頼を得る為に、よりよい方策 を求める努力が一層必要であります。
  しかしながら、今後議会運営委員会理事会の中での 継続検討牒題として、慎重に議論されるべき問題と考 えております。

 

 

回答になっていない回答

  政務調査活動が即ち政治活動であると仮に認めても、その領収書公開でなぜ活動の自由が制限されるのか?政務調査費は機密費ではない。

  さらに、既に公開している多くの自治体で、なにか障害が発生しているのかという質問にはまったく答えていない。

  多分、これらについては、公開しているという事実を含めてまったくご存じないのだろう。                               


名古屋市民オンブズマン&タイアップG総会

名古屋市民オンブズマンと同タイアップグループの本年度総会は、7月15日名古屋市内で開催、一年間の経過報告と決算報告が行われた。

 タイアップグループは会員の確保を図るため、入会規程を緩和して、以下のように会則の一部変更すること。

 決算は前号ニュースに掲載した「案」に、その後の変動による一部変更の上承認された。

タイアップG会費増収を模索

 タイアップグループはここ数年、会費収入が思わしくなく、年々減収が続いている。

 今年度も収入に対する支出比率は47%と極端なマイナス状態であり、初期の豊富な資金カンパによる繰越金のお陰で運営している状態。このままでは数年内の破綻は避けられない。

 納入が滞っている会員へ会費納入を依頼するとともに、主な支出である情報公開費と、ニュースの発行費用の削減を図ることになった。

タイアップ会則変更

 入会に「オンブズマンの紹介」を要したものを、「オンブズマンまたはタイアップグループメンバーの紹介」として入会条件を緩和した。

タイアップ決算一部変更して承認

 決算案段階後の会費入金等を訂正して、下表のように承認された。

     

政務調査費の使い方が、とんとわかっていない

某自治体議員に捧げる長野県議会の政務調査費マニュアル抜粋

  このところなにかと話題豊富な政務調査費。ニセ領収書が出回ったり、あるはずのない金員が市議の周辺に数百万円も浮遊しておさまりどころがなかったり。

 原資が税金である政務調査費が、怪しげな使い方をされていることはなさけないかぎりだが、ご参考までに長野県議会の政調費使途マニュアルに示されている「政務調査費の充当が不適当な経費」をお見せしよう。

 これだけ具体的に書かれていれば、よもやわかりにくいなどとは言われまい。

 今後も多分に予想される使途に関するもめ事を避けるために、是非参考にして頂きたい。

*長野県議会政務調査費の充当が不適当な経費*

  1)政党活動経費

   ・党大会出席の経費や党大会賛助金等

   ・政党活動、県連活動

   ・政党広報紙、ビラ等の印刷発送費

   ・政党事務所設置・維持費(人件費を含む)

2)選挙活動経費

   ・選挙運動費

   ・衆・参議院選挙で各種団体への支援依頼活動、選挙ビラ作成費

3)後援会活動経費

   ・後援会活動費

   ・後援会広報紙、ビラの印刷発送費

   ・後援会事務所設置維持費(人件費を含む)

   ・後援会主催「県政報告会」等の開催費

4)私的経費

   ・香典、祝金、寸志等冠婚葬祭祝賀会の出席費用

   ・病気見舞い、餞別、中元・歳暮、電報、年賀状の購入印刷等の儀礼費

   ・檀家総代会、報恩講、宮参り等の宗教活動費

   ・観光、レクリエーション、私的な旅行等の費用

・親睦会等飲食を目的とした会合、レクリエーション大会等の開催や参加費

・議員が役職を兼ねる他団体の理事会、役員会及び総会等への出席費

5)その他適当でない経費  

・挨拶、会食やテープカットだけの出席費(JA、土地改良区、森林組合の総会及び出初め式

等の挨拶だけの出席・町内会、老人クラブ、婦人会の新年会等の会食だけの出席・起工式、竣工式等への出席)

   ・事務所や自動車の購入及び維持・修理費

   ・社会通念上妥当性を超えた経費や公職選挙法等の法令の制限に抵触する費用

・調査研究活動に直接必要としない備品の購入費

・上記の他、「使途基準の運用・挨拶、会食やテープカットだけの出席費(JA、土地改良区、森林組合の総会及び出初め式等の挨拶だけの出席・町内会、老人クラブ、婦人会の新年会等の会食だけの出席・起工式、竣工式等への出席)

  ・事務所や自動車の購入及び維持・修理費

  ・社会通念上妥当性を超えた経費や公職選挙法等の法令の制限に抵触する費用

・調査研究活動に直接必要としない備品の購入費

・挨拶、会食やテープカットだけの出席費(JA、土地改良区、森林組合の総会

及び出初め式等の挨拶だけの出席・町内会、老人クラブ、

婦人会の新年会等の会食だけの出席・起工式、竣工式等への出席)

  ・事務所や自動車の購入及び維持・修理費

  ・社会通念上妥当性を超えた経費や公職選挙法等の法令の制限に抵触する費用

  ・調査研究活動に直接必要としない備品の購入費

                                               

上記の他、「使途基準の運用指 針」として、

1 実費弁償の原則

2 披分にあたっての指針

3 項目別充当指針

1)交通費・宿泊費等

2)会 費

3)会議費(食糧費)

4)広報青

5)事務費(事務所経費)

6)事務費(備品等)

7)人件費

等について詳細に規程してい る。

 

「指 針」として、

1 実費弁償の原則

2 披分にあたっての指針

3 項目別充当指針

1)交通費・宿泊費等

2)会 費

3)会議費(食糧費)

4)広報青

5)事務費(事務所経費)

6)事務費(備品等)

7)人件費

等について詳細に規程してい る。

 

*このマニュアルは、全国オンブズマ ン連絡会議のホームページ

http://www.ombudsman.jp/d    ata/naganoseimu.pdf

に全文掲載されている。


今 回 は 政務調査費特集号 の 感 で す

そこで、ご参考までに政務調査費絡みのアドレスを2・3紹介します。

*政務調査費の透明度調査を実施した理由(2002.9 全国オンブズ) http://www.jkcc.gr.jp/data/seimu.pdf

*地方議員の「政務調査費」の実態  http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama-col521-2.html

*「政務調査費」に係る監査請求(仙台市)   http://www.city.sendai.jp/kansa/kansa/H1403.html

 

日程 : 名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ               2005年8月以降

曜日

時間

行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し

場    所

9

10/11

13〜

全国オンブズ大会

別府市ビーコンプラザ

10

26

 

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