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名古屋市民オンブズマンタイアップグループ機関誌
1995年10月25日第1号発行
事務局 : 名古屋市中区丸の内 3-6-19
ライオンズシティ久屋503号滝田法律事務所
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年頭のごあいさつ
名古屋市民オンブズマン
代表 弁護士 佐久間信司
 
あけましておめでとうございます。
 皆様にとって昨年はどんな一年だったでしょうか,また今年はどのような年にしたいと考えておられるのでしょうか。
 名古屋市民オンブズマンにとって昨年は「年末の大寒波」のような一年だったと思います。裁判は実に1勝6敗と惨憺たる結果でした。貴重な1勝は名古屋市土地開発公社の塩漬け土地の情報公開請求で最高裁で勝ったもの。残念な6敗の内訳は,最高裁で2敗(名古屋市の部会廃止訴訟の弁護士報酬請求事件,名古屋市議費用弁償返還住民訴訟),名高裁で3敗(万博やめたらどうなる情報公開訴訟,デザイン博覧会住民訴訟,愛知万博誘致食糧費情報公開訴訟)名地裁で1敗(愛知県議政務調査費返還住民訴訟)です。負け判決を貰うたびに「努力したって報われないこともある。」「主観的な努力や意欲と客観的な評価は違う。」と思って,踏みとどまったものです。
 情報公開訴訟にしても住民訴訟にしてもここ数年来,市民運動に対する逆流というか保守的な判断の傾向が強まっていると思います。10年程前に市民オンブズマン全国連絡会議を立ちあげ,官官接待やカラ出張問題などを取り上げたときと比べると司法の判断もずいぶんと後退してしまいました。
 では私たちはどうしたらよいのでしょうか。これはこれから大いに議論して行くべきことですが,その一端をご紹介させて頂きます。
 一つは裁判中心のオンブズマン活動から普通の市民運動中心の活動に切り替えることです。名古屋市民オンブズマンでは以前から訴訟提起の件数は減らすよう意識してきました。今年受け取った判決が最高裁や名高裁の判決が多く地裁の判決が少ないのはその現れです。裁判を起こすと当初は大きく報道されますが,その後の訴訟の維持・追行に労力を要しますし,結果が出るまで時間が掛かりその間に運動が沈滞し裁判依存に陥る心配もあります。
 それより関係官庁への申入れ活動や社会的なアピール活動を重視する方が効率的です。そのためには日常的な事務や諸連絡を担うスタッフの養成・充実が大切ですし,オンブズマン活動に新たに参加しくれる人を得ることが重要です。
 次に問題によってはどうしても訴訟提起しかないという時もあります。その場合,弁護士は全般的に忙しいですし,いつまでも手弁当で働いて貰おうとしても限界があります。特に若手弁護士で経済基盤ができていない弁護士にはその点の配慮が不可欠だと思います。市民派弁護士の活動を保障するため,ある程度の報酬を支出できる財政基盤を作ることも必要だと思います。
 以上,いろいろと課題はありそうですが,肩肘を張らずできるだけ楽しみながらまた今年も一緒に活動して行きましょう。
 
 
 
 
 
大モンダイの愛知万博誘致の
懇談会情報公開訴訟判決
 
 愛知万博は2005年9月に終わりましたが、この万博の誘致のため、愛知県が1996年1月〜3月に食糧費で行った懇談の出席者の名前などの公開を求めた訴訟の判決が、2005年11月17日に名古屋高裁でありました。しかし、率直に言って、今頃誘致懇談会の参加者が公開されても、一体どれだけの意味があるか疑問です。そして、このように裁判が長引いた第一の責任は、下の表から明らかなように、最高裁にあります。最高裁は常々迅速な裁判を呼びかけているにもかかわらず、実に3年半も判決を出さずにいたのです。しかし、情報公開訴訟ではとりわけ裁判の迅速性が求められます。最高裁に裁判の遅れを理由として国家賠償請求を提起したら、最高裁はどういう言い訳をするのでしょうか。
一審判決(名古屋地裁)

 
1999.10.1

 
外国機関関係者(BIE)との懇談会を除く接待側(県職員)と接待先(出席者)の氏名の公開を命じる
二審判決(名古屋高裁)
 
2001.5.29
 
一審判決に加え、外国機関関係者(BIE)との懇談に出席した県職員の氏名の公開を命じる
最高裁判決
 
2004.11.26
 
出席者に民間人が含まれる可能性があるので、差し戻し
差戻判決(名古屋高裁)




 
2005.11.17




 
民間人のみが出席している場合は出席者氏名非公開
公務員のみが出席している場合は出席者氏名公開
民間人と公務員両方が出席している場合、出席者全員の氏名非公開
 
さて、今回の高裁判決ですが、内容にも驚くべき問題がありました。まず判決は、今回の懇談について、民間人は非公開、公務員は公開、としました。これは懇談の相手方が公務員については氏名を公開、民間人の場合は氏名非公開、という最高裁の判例を踏襲した結果、とも言えますが、この判断そのものに対しても、民間人がどのような立場で懇談に参加したのか、という観点も加味し、公開すべきか、非公開とすべきかを厳密に考えるべきだ、という批判が可能です。
 しかし、今回の判決の最大の問題はこれではありません。何と、懇談の相手方に公務員と民間人の両方が存在した場合には、全体を非公開として良い、というのです。このような非常識な判断は、とある最高裁判決に影響されたものです。その最高裁判決とは、2001年3月の交際費の情報公開に関するもので、「独立した一体の情報」をさらに細分化する権利は請求者にはないから、交際費の支出に関する支出日、金額、摘要欄などを全面非公開とすることも許される、と述べたものです。「独立した一体の情報」を非公開の単位とすることの法解釈上の妥当性のみならず、「独立した一体の情報」の範囲についての判断基準をこの判決が明示していないため、解釈者によっては「独立した一体の情報」の範囲が際限なく拡大され、場合によっては全面非公開を許してしまうことすら起こりうる、というとんでもない問題をはらんだ判決と言えます。そして、案の定、本件懇談について名古屋高裁の裁判官が、懇談会の出席者情報は全体として「独立した一体の情報」にあたる、だから公務員と民間人が含まれる場合には全体を非公開とすることも許されるのだ、と、この最高裁判決を我流(?)にアレンジした判決を出してしまったのです。
 しかしそもそも、「独立した一体の情報」についてさらに部分公開を求めることができない、とされたのは、その情報の一部だけを公開しても意味がないからです。一方、今回の懇談会情報については、民間人と公務員の両方が参加した場合に、全出席者の氏名が分からない限りは情報として意味がない、などとは到底言えません。本高裁判決の非常識な結論が、最高裁に気を遣いすぎた結果であるとすれば、このような裁判所を持つ私たちは不幸と言うほかありません。
 こういったことから、私たちは上告しました。上告審では「独立した一体の情報」の範囲を限定することを目標とします。皆さんのご支援をお願い致します。
(弁護士 新海 聡)
 
 
 
指定管理者について
愛知県内全市にアンケート
★指定管理者制度とは
 「官から民へ」のかけ声の下、地方自治法改正により「指定管理者」が導入されました。これまで自治体が50%以上出資している団体しか「公の施設」(プール、体育館など)の管理・運営が出来なかったものを、議会の議決を経れば民間会社やNPOでも可能にしたものです。
★問題点
 この指定管理者制度が本当に税金削減に効果的かどうか、市民のチェックが及ぶのか、市民オンブズマンの関心が高まっています。愛知県内の市民オンブズ団体で作る「愛知県市民オンブズ連絡会議」が、愛知県と県内全市に対してアンケートを実施しました。特に、指定管理者の保有する情報は情報公開条例の対象からはずれてしまうのではないか、赤字になった際に税金で補てんしてしまうのではないか、首長や議員が天下り先として団体を設立したり、外部に丸投げしてしまわないかについて尋ねました。2006年2月に結果をまとめて公表の予定です。
 
指定管理者制度についてのアンケート
自治体名 (                   )回答担当者(              )
1,情報公開について
 1,事業報告書以外にその根拠となった領収証、契約書等の証憑を公開する制度を準備していますか。
   ア、公開     イ、公開しない    ウ、検討中
 2.1?アと回答された場合
公開はどのような方法で行いますか。
ア、事業報告書に証憑を添付して担当部局に提出することを義務づけているので、証憑も含めて従来からの情報公開条例の「公文書」として取扱う。
イ、指定管理者を情報公開条例の実施機関とする。
ウ、情報公開条例に基づく公開請求があった場合に、証憑を実施機関に提出する指定管理者の義務を情報公開条例に定める。
エ、要綱による。
オ、その他の方法による(方法:                            )
3,1?ウと回答された場合
いつまでに結論をだされる予定か、目標をご教示下さい。
2,適正な管理について
1.単年度の収支が赤字となった場合の方策について
ア、交付金、補助金の投入もあり得る  イ、指定管理者の自己責任による
 2.1?アの場合
交付金・補助金の投入について条例・要綱を定めますか(定めていますか)
   ア、条例による  イ、要綱による  ウ、その他(          )
3.総務省自治行政局長通知(平成17年7月17日総行行第87号)では、「管理にかかる業務を一括して第三者に委託することはできないものであること」と記載されています。このことは貴自治体では何に定めていますか。
ア、条例  イ、規則  ウ、協定  エ、特に定めていない。
オ、その他(            )
4,首長や貴自治体の議員が代表者、役員に就任している法人と指定管理者との請負契約を禁止する規定を設けていますか。
ア、条例上設けている  イ、条例にはないが、規則で設けている 
ウ、条例にはないが、協定で定めている  エ、特に定めていない
オ、その他(                         )
5,指定管理者による適正な管理を実現するために、自治体内に適正な管理を監視する機関または監視する部署を設けている(設ける予定)がある場合には、これらが対象とする指定管理者ならびに調査対象、権限についてご教示下さい。
ご協力ありがとうございました。
真っ赤な赤字に染まった勝川駅前のシンボル
 
ホテルプラザ勝川
                                              
 
 春日井市の第三セクター勝川開発(資本金約11億)が03年度6,740万円の債務超過に陥っている。勝川開発は春日井市の第三セクター、市が50.6%の筆頭株主で社長は春日井市長である。
 債務超過の原因は、子会社ホテルプラザ勝川の経営不振である。同ホテルは資本金1億5千万で勝川開発が88%出資。99年9月オープン以来赤字続きで04年度決算では累積赤字17億458万である。
 
ホテル救済に赤字三セクが四苦八苦  春日井市はあらゆる手段を使って勝川開発とこのホテルの救済をはかっている。最初はホテルの約半分約4,000(ホテル営業床面積は8,700)を買い取った上で、その管理運営を勝川開発に依頼した。委託料は年額892万5千円である。勝川開発は無償でホテルに又貸ししている。つまり、公共施設となったホテルの運営に公金を支出しているのだ。なんのことはない、普通なら家賃を取るはずのホテルに、運営費付きて営業させていると言うことだ。
 
減資と増資で対応  次の仕掛けはホテルの赤字減らし。まず14億800万円の累積赤字と9億800万円の貸付金を減資で帳消しにする。その上で減資でやせ細った親会社の勝川開発を助けなくてはならない。そのためには増資だ。増資にあたって春日井市は3億円を負担、第三セクター設立に際して、勝川開発に出資している地元企業などに同額の3億円の出資を求める。計6億円である(目減りで株主は可哀想に)。
 地元の企業株主は市と仕事上の関係があるから増資要請が来たら断りにくい(中日05.10.25.)
 株主は「最初の出資は迷惑をかけないからという条件だったはずだ」(中部経済05.11.26.)とぼやくが、ものごといつもうまくいくとは限らない。
 増資の先行きは不透明だが、これらをクリアーすれば先行き安心というわけではない。開業以来赤字続きのホテルが黒字化する保証などどこにもないのだ。
 
2億円無利息融通  市が勝川開発に短期資金2億円(1年)貸し付けていることが16年度決算でわかった。春日井市の担当職員は言う。「市は金利を取らないから銀行で借りるより春日井開発の負担が軽い」
 これはまさに底なし沼だ。はまり込んでしまった市はいったいどうするつもりなのか?先送りで後のことは知らないでは、付けを廻される市民がたまらない。
 
ホテルプラザ勝川って本当に要るのか? 勝川駅前にホテルが要るのか?1km南へ、川一つ渡れば名古屋市。電車で繁華街大曽根までわずかに5分、金山まで13分、名古屋駅まで18分というところにあるこのホテルに泊まるのは誰か?
 さらに2キロそこそこの春日井駅前には数軒のホテルがあるのだ。
 公営の結婚式場は専業業者の進出でひとたまりもなかったことは、それほど昔のことではない。
 
黒字化の見通しもなく  前述のように開業以来の赤字への対症療法で累損を消しても、ふたたび赤字路線に踏み込まないという保証はどこにもない。
 すくなくとも、市民の税金をつぎ込む意味はありそうもないのだが。
(春日井・松元 保)

 
 
 日程 : 名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ               2006年1月以降 
曜日 時間 行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し 場    所
18 10:00 愛知県議政務調査費住民訴訟 名古屋高裁
  愛知県内全市 指定管理者アンケート発表  
2 16 10:00 自民党名古屋市議団政務調査費住民訴訟 名古屋地裁民事9部
24   第10回全国情報公開度ランキング発表予定  
           
 *毎週火曜日午後6時半から例会・火曜会をリブレ法律事務所(大津橋南100m東側、リブビル6F)で開いています
 *新年の火曜会は1月10日(火)よりはじめます。