名古屋市民オンブズマンタイアップニュース166号 2007/1/16発行
新代表から 新年のご挨拶
名古屋市民オンブズマン
代表 税理士 倉橋克実
 
新年明けましておめでとうございます。
 昨年の10月に佐久間弁護士の名古屋市民オンブズマンの代表の退任に伴い新たに代表に就任した税理士の倉橋克実です。名古屋市民オンブズマンの平成2年の創立メンバーではありますが、ここ10年の活動は停滞気味でした。代表に就任した以上その名に恥じない活動を遂行する所存ですので、タイアップグループのメンバーの方々の積極的なご協力をお願いいたします。
 名古屋市民オンブズマンにとって昨年は一昨年に続き、裁判については、余り芳しい結果を得られませんでした。ただ、私の代表就任後の11月28日に提訴した名古屋市議団政務調査費個人支給分返還訴訟は多くの点で興味深く、裁判での真相究明が待たれるものといえましょう。
  名古屋オンブズマンはこの15、6年の活動で、情報公開制度の確立、官々接待やカラ出張などの官の税金の無駄づかいの是正、談合問題の追求是正、政務調査費に代表される議員歳費の是正、塩漬け土地の究明など、自治体の透明度の向上と財政の健全化に大きな成果上げてきた。
 オンブズマンの活動を不正、不法といった視点ではなく、別の視点から観ると、「財政」に集約される。官々接待やカラ出張、談合、裏金といった問題の追求は「無駄づかい」を減少させることとなる。これは財政の効率化の追求である。
 ただ、この効率化の追求の過程の中で、見過ごしてきたことはないだろうか。例えば、オンブズマンの正義と善意に満ち溢れた運動が、不正を担った高級官僚や議員や会社役員を駆逐するのであればいいが、高速道路の料金所のおじさんや役所の運転手やパートのおばさんを失業させることになっているとすれば、それは一考の余地があるのではないか。
今、効率化の過程の中で放置されてきたことが大きな問題となっているから。
 効率化を追求し、財政の健全化を15、6年間続けてきたのであるが、これはバランスシートにあてはめると、貸方・資金調達の側をもつぱら検証してきたといえる。その反対側の借方・資金運用の側、すなわち財政の使途については、あまり検証することはなかった。我々の活動をこの領域にも敷衍させられないものだろうか。
 昨年あたりから現在の日本は格差社会であるといわれるようになった。これは社会の中に多くの機能不全が出現した事に他ならない。その社会の欠陥を是正できるのが行政なのである。そこで、その行政を批判監視しているオンブズマンはバランスシートの貸方・資金調達の是正ばかりでなく、借方・資金運用の是正にも我々の力を割くべきではなかろうか。それ程までに社会の毀損は広く深くなっていると思われるから。
 
 
 
自民党名古屋市議団政務調査費共通経費分返還訴訟
 
 
判決は3/8(木)10:05名古屋地裁で
 
 自民党名古屋市議団へ2003・2004年度に支給された政務調査費のうち、「共通経費」部分合計2870万円が調査研究以外に不正に流用されたとして名古屋市民オンブズマンが返還を求めていた住民訴訟が06/12/13に結審しました。
判決は07/3/8(木)午前10時05分に名古屋地裁民事9部で言い渡されます。裁判所がどのような判決を出すのか楽しみです。
 
なお、これとは別の訴訟で、自民党名古屋市議団に2004年度に支給された政務調査費のうち「個人経費」部分合計1億3500万円の返還を求める住民訴訟の第1回弁論が、07/1/18(木)午後2時から名古屋地裁民事9部で
行われます。
政務調査費問題 名古屋市議・愛知県議個人あて質問に
 
 
「訴訟中だから」と会派から回答拒否
 
 名古屋市民オンブズマンは、11月2日政務調査費の領収書公開についての質問状を名古屋市議・愛知県議の各個人に対して送った。
市議団は
 民主党、公明党、自民党の各市議団からは会派として「訴訟が継続中だから、回答を差し控えさせていただく」旨の回答が来た。県議団は
 同様に自民、民主、公明の各県議員団、県議会県政長東クラブ、県議会県政高輝会からは、「関連する訴訟が進行中だから、回答を差し控えさせていただく」と会派から回答があった。
 
 
個人からの回答は
 
一部議員は公
 
開の意思あり
 
 市議では新風自民所属9名、共産党所属9名、一人会派所属4名(のりたけ、冨田、荒川、西村)、県議では一人会派所属1名(今井)から議員個人として以下の回答があった。
領収書公開の内容
 
全面公開  共産党所属9名と一人会派3名(のりたけ、冨田、今井)が領収書全部、一人会派(荒川)からは条件付きで公開。
 
5万円以上公開  
 新風自民所属9名と一人会派(西村)は、5万円以上の領収書について公開すると回答した。
 
報告書の公開
 報告書の作成公開については、共産党所属9名と一人会派3名(のりたけ、冨田、今井)は賛成、新風自民所属9名は5万円以上の支出に相当するものを公開する、一人会派(西村)は報告書作成は賛成だが公開には反対と回答した。
 
会派で回答の市議県議、再度の要請にも全く回答無し
 
会派で回答拒否をしてきた議員には、@前回の質問にあらためて議員本人から回答されたい A なお会派としての回答しかいただけない場合は「なぜ住民訴訟がこのアンケートと関連するのか」「このアンケートに答えた場合、住民訴訟にどのような影響があると懸念されるのか」について回答を求める文書を再度郵送したが、平成19年1月16日現在誰からも回答は来ていない。
 
年間10.9億もの税金使途がチェックできない!!          
 
この政務調査費問題を統一地方選の争点にしよう
 
東京では辞職騒動にも発展 政務調査費の領収書を公開している東京都目黒区議会では、地元オンブズマンが領収書を分析して住民監査請求をしたところ、公明党区議6名が不適切な支出を認め、約772万円を返還した上全員が辞職した。これらは領収書を公開しているため発覚したものである。
県議と市議で
10.9億の政務調査費がノーチェック! 
 
公開していない名古屋市議には一人当たり月55万円(年660万円)、愛知県議には一人あたり月50万円(年600万円)の政務調査費が支給され、その総額は名古屋市議年額4億8840万円、愛知県議年額6億円である。
 この政務調査費は領収書が非公開で市民には何に使われたのかまったくわからない状況である。
 今年の統一地方選挙では、この政務調査費問題を最大の争点にしようではないか。
 
 
 日程 : 名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ               2007年1月以降 
曜日 時間 行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し 場    所

 
18
 

 
14:00
 
自民党名古屋市議団政務調査費(個人分)返還を求める住民訴訟 第1回弁論 名古屋地裁民事9部 1102法廷
 
3
 
8
 

 
10:05
 
自民党名古屋市議団政務調査費(共通経費分)住民訴訟 判決 名古屋地裁民事9部 1102法廷
 
20 13:30 愛知万博誘致食糧費情報公開訴訟 弁論  最高裁
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