タイアップニュース167号 2007/4/6発行 PDFはこちら

自民党名古屋市議団政務調査費訴訟
 
 
2460万返還命令 全面勝訴
 
オンブズ側全面勝訴
 
 自民党名古屋市議団へ2003・2004年度に支給された政務調査費のうち、「共通経費」部分合計2870万円が調査研究以外に不正に流用されたとして名古屋市民オンブズマンが返還を求めていた住民訴訟で、名古屋地裁は
市民オンブズマンの主張を全面的に認め、すでに返還された410万円を除く2460万円の返還命令を出しました。
 
共通経費を選挙に配分元団長証言が効果
 
 05年5月に自民党名古屋市議団の元団長が、政務調査費の「共通経費分」のうち410万円を保管していると発言。「預かり金」(余剰金)として、慣例として統一地方選挙の前に各議員に配分してきた、とも発言しました(元団長は離団)。その発言を受けて、市民オンブズマンが政務調査費の収支報告がでたらめだとし、返還を求め05/9/2に提訴しました。
 元団長は裁判の中で「預かり金」(余剰金)を作り出すシステム(各議員に個人経費分50万円以上の領収書を市議団に提出させ、50万円を超える部分を「共通経費」としてプールする)を具体的に証言しました。自民党名古屋市議団側は、具体的には反論しませんでした。
 
使途に疑惑があれば
 
会派に立証責任
 
 今回の名古屋地裁判決の中で、政務調査費の各規定が「透明性を確保する趣旨目的」によるとし、実際の支出内容と大幅に相違していたり、その支出内容が使途基準に適合しているかどうかを確認することができないような場合には、適正な支出と認める事はできないとしました。原告側が疑義が存する事を主張、立証した場合には、会派ないし市側において、疑義を解消するに足る主張と反証を行う必要があり、それがなされない場合には、政務調査費の適正な支出がなされなかったものと推認されるというべきであるとしました。
 
余剰金システムは
 
無駄遣いの元凶と断罪
 
 さらに、「余剰金」は政務調査費とは関係のない内部資金となり、余剰金とされた部分を含めた金額が収支報告書に支出として計上されることは、結局、名古屋市へ返還できるはずの残余金を減少させることにも繋がっているため、政務調査費の趣旨及び使途基準に反するとしました。しかも、「余剰金」の構造は、必ずしも必要不可欠とはいえない使途の政務調査費を支出させる危険性をも内包するとしました。
 
統一地方選挙時の
 
支出に注目
 
また、選挙が行われた平成15年4月分(1ヶ月分)の報告書にも注目し、1ヶ月分の共通経費が15,182円というのは、平成15年5月−平成16年3月(11ヶ月分)12,583,796円、平成16年度分(7,724,539円)と比べていかにも少額に過ぎ、「支出がどのようになされたのか理解が困難」で、「収支報告書の記載内容がどれほど実態と符合するものであるのかについて相当の疑問を抱かせる」とまで判決で述べています。
 
 これら疑義を解消するほどには市議団側で説明ないし反証がなされたとは認められないとし、共通経費分2870万円中、すでに共通経費分として返還された410万円を除く2460万円を不当利得とし、返還を命じました。
 
統一地方選直前に
 
追い風の判決
 
 名古屋市議会はいまだに領収書を市民に公開していません。この判決を受けて、各候補者が政務調査費の透明化を意識した訴えを展開するきっかけになればと思います。さらに、同じように「余剰金」(預かり金)システムをとっている議員会派が他自治体でもあると思います。また、「政務調査費の使途に疑義がある場合は議員側に主張立証責任」という判決は、2004年10月20日札幌高裁(2006/9/21最高裁で確定)、2007/2/9札幌高裁判決で既に流れは出来ています。
 今回の判決が、他の自治体議会の透明化をいっそう図ることにつながれば幸いです。
(内田隆)
政務調査費の使途について
 
名古屋市議・愛知県議の質問状回答結果
 
 名古屋市民オンブズマンは、政務調査費を来るべき統一地方選挙の争点にすべく、今回で3回目となるアンケートを、名古屋市議・愛知県議全員に2月14日発送し、回答を2月末期限で回収しました。(別紙
 今回は、各議員に答えてもらいやすいように他の議会で問題となった政務調査費の使途について、どう思うかを聞きました。
 しかし、多くの議員から個々の回答は得られず、会派名で「回答拒否」してきました。
 回答を読めば、政務調査費に対する態度が分かります。
 統一地方選挙の参考にして下さい。
 
                                              
愛知県議・名古屋市議選
各候補者の マニフェスト・公約 を検証
 
 名古屋市民オンブズマンは愛知県議選、名古屋市議選の立候補者(それぞれ157名、98名)に対し、今回の選挙で作成したマニフェスト・公約の送付依頼を4月3日づけで行いました。
 各立候補者が選挙民に提示された「政治行動目標の約束」を、任期4年間の活動内容と比較検証するためのデータ収集です。
 公職選挙法では、地方議会議員立候補者は選挙中にマニフェストを配布することができないため選挙後に送付して頂く予定です。
 
衆議院 赤坂新議員宿舎
 
 
アンケートに衆議院議員9割回答せず
 
国会議員のあきれた
 
議員特権の象徴
 
 東京・赤坂の超1等地に衆議院議員宿舎として3LDKのマンションが建設されましたが、家賃が月92,000円と極めて格安です。
 この4月から入居が始まることを受け、当事者である衆議院議員がどのように考えているのかを全国市民オンブズマン連絡会議が07/3/9に衆議院議員480名全員にアンケートを議員控室に配布し調査し、3/29付で発表しました。
国会議員は国民への
 
説明責任を果たさず
 
 しかし、締め切りの3/23までに回答があったのは全体の6%、30名でした(自民12名、民主16名、共産1名、無所属1名)。
 回答を頂いた方からは、誠実に意見を頂戴いたしましたが、残り450名についてはどのようにお考えなのかがさっぱり分かりません。 現在、無料の議員会館に事務所を構えながら、水光熱費として年間507万円がかかったと閣僚が報告していた問題(ナントカ還元水)がありますが、他の議員もこれでは強く批判はできません。
 
回答全文は
 
ホームページで公開
 
全議員の回答は以下のページで読めます。今後、入って来るアンケート結果についても、リアルタイムで公表してゆきます。
http://www.ombudsman.jp/akasaka-a.html

名古屋高速道路公社に
「談合」「協定」「随意契約」
見直しを申し入れ
 
全国の三セク・公社中、最大の借金を抱える名古屋高速道路公社の「談合」「(財)名古屋高速道路協会との協定」「随意契約」の全面的見直しを求める意見書を、名古屋高速道路公社理事長、愛知県知事、名古屋市長に07/2/22づけで郵送しました。回答の締め切りは07/3/31。
第11回全国情報公開度ランキング
 
名古屋市 再就職先公開せず最下位
 
愛知県も30位に低迷
 
 全国市民オンブズマン連絡会議は、2007/3/16に第11回全国(都道府県・政令市)情報公開度ランキングを発表しました。
 今回のランキングの特徴は以下の3点です。
 1.webでの公開を重視(交際  費・議会議事録)
 2.「談合の温床」再就職情報  のチェック
 3.「条件付き政務調査費の領  収書公開」分析 
 
 1.は、webでいつでも誰でもチェックできる体制ができているかどうか、市民の利便性を重視しました。
 2.は、昨年3人の知事が官製談合で逮捕されました。それらに深く関わっているとされる職員OBの再就職情報がどこまで開示されるかで、談合を防ぐ制度ができているかチェックしました。
 3.は、政務調査費の領収書を「条件付き」開示の自治体が実際どの程度開示されているのか調査しました。
 
 
名古屋市8年ぶりに
 
最下位
 
 今回、名古屋市は1.webでの公開(交際費・議会議事録)をしていない。2.「談合の温床」再就職情報は、「外郭団体に何人」「民間に何人」再就職した、としか把握していない。3.「政務調査費の領収書」全面非公開 のため、100点満点中23点と、15政令市の中でダントツで最下位でした。なお、名古屋市の最下位は8年ぶり3回目です。
 
 
 
愛知県も低迷30位
 
愛知県は昨年の43位から若干順位を上げたものの、知事交際費のwebでの明細が分からない、政務調査費の領収書が全面非公開 のため、30位となっております。
 
 
 
 
 
 
 
政務調査費領収書5万円以上など条件を付けると
 
平均22%のみ公開
 
 今回のランキングを採点するに際し、政務調査費の領収書を「条件付き」で開示している3府県(京都・和歌山・高知)・4政令市(札幌、さいたま、京都、福岡)の、総支給額のうちの領収書添付割合を算出しました。その結果、平均22%程度しか領収書が開示されていないことが判明しました。
 領収書の条件付き公開では、使途の8割近くが公開されず、形だけの公開に過ぎないことが改めて分かりました。
 
統一地方選挙で
 
 情報公開を争点に
 
 まもなく統一地方選挙が行われます。選挙を契機として自治体の情報公開度の底上げが図られる事を期待致します。
 
瀬戸市郵便談合住民訴訟 提訴
                                               
 瀬戸市郵便入札談合事件で、検察庁が談合と指摘した12件の入札のうち3件しか談合罪が適用されず、残り9件について瀬戸市が業者に損害賠償請求していないのは怠る事実だとして、瀬戸市の市民グループが07年3月27日に名古屋地裁に提訴しました。
 
名古屋談合も同じ構図
 
 瀬戸市の郵便入札を主導していた談合業者は、名古屋市下水道・地下鉄工事をはじめ、東海地方の工事の談合を配分していたと報道されています。今後名古屋談合の全貌が明らかになった際も、瀬戸市と同様のことが起こりうるという視点から、名古屋市民オンブズマンの弁護士有志が瀬戸市の住民訴訟の代理人に就任しました。
 
 日程 : 名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ               2007年4月以降 
曜日 時間 行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し 場    所
4 17 10:30 万博食糧費情報公開訴訟 判決 最高裁
5
 
14
 

 
15:45
 
自民党名古屋市議団政務調査費(個人経費分)住民訴訟 第3回弁論 名古屋地裁1102号法廷
 
毎週火曜日午後6時半から例会・火曜会を弁護士法人リブレ(大津橋南100m東側 liv.ビル6F)で開いています