タイアップニュース168号 2007/6/15発行 PDFはこちら

引退愛知県議4人が外郭団体に天下り
 
 
知事のイニシアチブはゼロ
 
引退議員外郭団体に
 
慣例的天下り
 
 愛知県議は、議員を引退後慣例的に外郭団体の監事として「天下り」、高額な給与(週3回勤務で月額30万5000円)を受けています。
 愛知県以外の46都道府県議会に議員OBの天下り斡旋を行っているかを電話で問い合わせましたが、斡旋をしていると回答した議会は1つもありませんでした。
 
名古屋市長は
 
 天下り中止を指示
 
 愛知県と同様の慣例があった名古屋市長は、市議会各会派が外郭団体に「議員天下り」を要請しないよう申し入れたことを受け、外郭団体に対し議員の天下りを受け入れないよう5月7日づけで指示しました。
 
愛知県知事は
 
天下りあっせん続行を表明
 
 いっぽう愛知県知事は5月9日の記者会見で、議員OBの外郭団体役員就任斡旋をやめるつもりはないと発言ましたので、名古屋市民オンブズマンは「議会と執行部の癒着だ」と、5月22日愛知県知事に質問状を提出しました。
 
引退議員の天下りは
 
 
議会と執行部の癒着
 
質問状の内容は以下の通り
 1.議員OBの監事が団体に   対し、廃止を含む提言するこ  とは非常に困難
 2.議員OBの天下りは議会の   チェック機能低下を招く
 3,議員OBの天下り斡旋をし  ている自治体は他にない
 4.「議員OB天下り」は知事マ   ニフェストに反する
 
批判の中
 
議員OB4人が天下り
 
愛知県の担当課、人事課はアンケートの回答期限である5月29日までに回答せず、1週間先延ばししてほしいと連絡があり、なんとその1週間の間の6月1日付で、4人の引退県議が外郭団体に監事として天下ったのです。
天下りの状況は以下の通り
 ・(財)あいち産業振興機構へ
   川口英明氏
 ・(財)愛知公園協会へ
   佐宗靖広氏
 ・愛知県住宅供給公社へ
   高橋則行氏
 ・(財)あいち水と緑の公社へ
   河村滉氏
 
知事の
 
イニシアチブはゼロ
 
 その後、6月4日付で人事課から回答が来ました。「一部の外郭団体から議員OBの推薦依頼があり、議会に適任者の推薦を依頼した」と記載、まるで単なる仲介をしただけとの意識のようです。最後には、「なお、議会と執行部がチェック アンド バランスの観点から日々緊張感をもって県政運営にあたることは、当然のことと考えます。」とまで書かれています。しかし、ここには知事のリーダーシップは全く見えません。
 「チェック アンド バランス」の観点を重視すれば、議員OB天下りを受け入れるのはどう考えてもおかしいのではないでしょうか。
 今後、天下りをした議員OBが本当に仕事をしているのか、継続して調査していきたいと思います。      (内田隆)

9/15−16 全国市民オンブズ大会(山形)
 
佐高信を招いて記念講演
 
 今年の全国大会は、07/9/15(土)〜16(日)、山形で政務調査費をテーマに行います。記念講演は評論家の佐高信氏です。
 今年の全国調査は、全都道府県議・全政令市議・全中核市議への政務調査費意識アンケートです。参加希望の方は、事務局までFAX(052-953-8050)を。
                                              
愛知県議・名古屋市議 当選者アンケート
  個人への質問に会派で回答
 
当選者にアンケート
 
 名古屋市民オンブズマンは愛知県議選、名古屋市議選の当選者に対し、政務調査費の現時点での考え方を聞こうと、4月13日アンケートを送りました。今回の統一地方選挙では政務調査費が争点となり多くの候補者が「政務調査費の透明化」を掲げて当選しましたが、具体的にはどのような透明化をお考えなのか、新任期を前に問い合わせました。
ほとんど会派名回答
 残念ながら、ほとんどの議員が会派名による一括回答。当選者個人に対して意見を尋ねたにもかかわらず会派でしか回答してこなかったことは納得できません。選挙民は個人に対して投票したのであり、会派に対して投票したのではないのです。選挙中様々な「透明化」の公約を掲げて当選した人もいたが、今回の会派回答のみの結果は不可解です。
全国統一アンケート
  全国大会で発表
 
 個人で意見を言わないのか、言えなかったのか。「会派」の存在自体が議会改革を阻害しているように見えます。
 9月に山形で行う全国オンブズ大会では、全都道府県議・全政令市議・全中核市議への政務調査費意識アンケートを行います。名古屋市議・愛知県議からどの程度回答がくるのか、全国の議会と比較してどの程度遅れているのかを発表する予定です。
 
万博誘致食糧費情報公開訴訟
 
部分公開をめぐる興味深い判決
 
公務員の氏名
 
全て公開を命じる
 
  名古屋市民オンブズマンが提訴した愛知万博の誘致時の食糧費の情報公開訴訟で、最高裁第三小法廷はオンブズマンの請求を認め、出席者に公務員と民間人が含まれる場合でも、公務員の氏名を全て公開するよう命じた。 http://www.ombudsman.       jp/data/070417.pdf
一審判決 接待元の県職員すべてと外国機関関係者を除く接待先出席者の氏名の公開を命じる
二審判決 上記と同じ
最高裁判決 出席者に民間人が含まれる可能性が  あるので、差し戻し
差戻二審判決
 ・民間人のみが出席している   場合は出席者氏名非公開
 ・公務員のみが出席している   場合は出席者氏名公開
 ★民間人と公務員両方が出   席している場合、出席者   全員の氏名非公開
差戻最高裁判決
 ★民間人と公務員両方が出   席している場合、公務員の   氏名公開、民間人氏名氏   名非公開
補足意見に注目
 
 今回争点となった部分公開をめぐる判断で、藤田宙靖裁判官が注目すべき補足意見を出した。部分公開について定めた情報公開法6条2項は単なる確認規定である、としており部分公開の規定がない場合には部分公開が許されない、とか個人情報以外には部分公開の規定は適用されない、とかの解釈は事のの本質を見誤ったものである、と述べていること、平成13年3月27日の最高裁判決も法令の解釈を誤ったものとして本来変更されてしかるべきもの、と述べている点である。
 少なくとも「一体的な情報」の範囲を最小限の有意な情報に限定すべき、と述べている点や「おそれ」を要件とする非公開事由については部分公開の論点が出てこないことを論証するものとして今後の訴訟でも使えると思はれる。
*6月13日朝日朝刊記事  [入札の常時監視 名古屋市が開始]   
 
 外部専門家と分析下水道や地下鉄工事で談合事件が相次いだことを受け、名古屋市は12日庁内に設けた「公正入札確保監視チーム」による市発注工事の本格的な監視体制に入った。外部の専門家による「公正入札アドバイザー」に助言を求め、談合など不正行為の早期発見や防止に努める。
 監視チームは財政、縁政土木、住宅都市、上下水道、交通各局の課長級5人で構成。1カ月ごとに入札参加者数や落札率を分析し、不自然な動きがないかを見極める。アドバイザーは、土木工学が専門の浅岡顕名古屋大教授、元名古屋地裁判事の桜林正己弁護士、公取委OBの横田直和名城大教授の3人。
 この日は、監視チームとアドバイザーが初会合を開き、4月分の入札263件について分析。「談合が疑われるケースはない」との緒論に達した。監視チームの勝間実・財政局主幹は会合後、「これまでは談合情報が寄せられた場合にだけ調査に動いたが、今後はデータを蓄積して日頃から談合が行われていないか『常時監視』していきたい」と話した。
愛知県議政務調査費訴訟 敗訴確定
 
 統一地方選挙中の2003年4月分(1ヶ月間)の愛知県議会の政務調査費が全額使われているのは不自然だとして、名古屋市民オンブズマンが約4576万円の返還を請求していた住民訴訟で、最高裁第三小法廷は07/4/24付で市民オンブズマン側の上告を棄却し、敗訴が確定しました。
http://nagoya.ombudsman.jp/data/070424.pdf
 
 提訴した4年前から考えると、各地で政務調査費の不正流用が明らかになり、選挙の争点になるまで政務調査費問題が盛り上がるとは誰が想像できたでしょうか。 この訴訟を通じて、政務調査費の関心を高めることができたと考えております。また、愛知県議会は未だに領収書を市民に公開していません。一刻も早く政務調査費が透明化することを求めます。
デザイン博訴訟差戻し上告審敗訴確定
 
17年間の係争にピリオド
 
 1989年に名古屋市で開かれた「世界デザイン博覧会」の赤字隠しのため、名古屋市がデザイン博覧会協会から余った物品や施設を購入したのは違法だとして、名古屋市民オンブズマンが西尾武喜前市長らに約10億3000万円の返還を求めた住民訴訟の差し戻し上告審で、最高裁第二小法廷は4月27日市民オンブズマン側の上告を棄却し敗訴が確定しました。
*1989/7/15〜11/26
デザイン博開催
*1990/8/24 名古屋市民オンブズマン名古屋市長に対し約10億3600万円の損害賠償を求め提訴
*1996/12/25 名古屋地裁判決、約10億3600万円全額賠償を命じる
*1999/12/27 名古屋高裁判決、名古屋市黒字分約2億1000万の賠償を命じる
*2004/7/13 最高裁判決 
    2審破棄差し戻し
*2005/10/26高裁差戻判決
    オンブズ側敗訴
*2007/4/27 最高裁差し戻し棄却
    オンブズ側敗訴確定
 
名古屋高速 入札監視委員会は茶番だ!
 
 5月24日第8回名古屋高速道路公社入札監視委員会があり、名古屋市民オンブズマン・タイアップグループのメンバー2人が傍聴しました。
2007年1月23日の新聞各紙で「名古屋高速でも談合」との報道があってから初めて開かれる入札監視委員会でした。
名古屋市民オンブズマンとしても、2月22日公社と愛知県・名古屋市に対して質問状を出し、3月末に各団体から抽象的な回答が来たこともあり、この入札監視委員会の動向を注目していました。
 結論から言えば、「この入札監視委員会は茶番」でした。
 公社の契約課長が資料の説明をえんえんとするのみ。しかも、今回の対象が平成18年10月〜平成19年3月に入札が行われたものだけで、談合疑惑があった平成18年3月と8月入札分の資料はなし。それに対して、委員が「私は素人ですが」と前置きの上、本当に素人質問を行うのみ。抽出工事も4件と、どのように選ばれたのかさっぱり分からず、しかも抽出工事の議論の際は傍聴不可。
 一瞬だけ会場に緊張が走ったのは、委員長が「1月に名古屋高速でも談合、と新聞記事に載っていましたが」と発言したとき。
 公社職員が「報道されましたが、現時点では捜査機関から何の連絡もなく、捜査の推移を見守りたいと考えております。公社としては、各入札は適切に行われていると考えています」と発言して終了。
 最後の委員長の「講評」では、抽出案件に対して意見はなく、要望としては、談合対策が叫ばれている現在、更なる制度改善、総合入札など検討課題は山ほどあるようだが、頑張ってもらいたい旨話されました。
 いいたいことは山ほどありましたが、傍聴人には発言が許可されておらず、泣く泣く帰りました。
 一緒に傍聴していた先日会社を定年退職してオンブズマンのメンバーになった人は「いい大人が大勢集まって何を生ぬるいことやっているのか。会社だったら厳しい指摘が次々と飛んでくる。委員も視点さえ定まっていれば、質問も的確にできるだろうに。」と感想を述べました。
 次回第9回の入札監視委員会は11月28日(水)午後2時から。
(内田 隆)
自民党名古屋市議会政務調査費住民訴訟
 
共通経費帳簿の一部が判明
 
不適正支出の疑い 3分の2が飲食費
 
自民市議団共通経費帳簿書証として法廷に提出
 
 6月5日高裁で自民党名古屋市議団に支払われた「共通経費」返還を求める住民訴訟第1回弁論が開かれた。
 補助参加人の自民党名古屋市議団側から提出された書証に、これまで隠されていた「共通経費」の帳簿と思われる書類が添付されており、ようやく「共通経費」の実態の一部が判明した。
 
西村氏名誉毀損裁判
  で提出されたもの
 提出された書証は、西村健二元市議団長が自民党名古屋市議団を名誉毀損で訴えている裁判(07/5/23地裁判決西村氏敗訴→控訴中)の、西村氏側から提出された07/5/1付の準備書面。その最後に、西村氏が平成15年度の4〜6月分の「共通経費」帳簿の一部と主張する帳簿が添付されていたのだ。
 
飲食費が3分の2
 
 自民党側が今回の書証を提出してきた目的は現時点では不明だが、帳簿を検討すると飲食費が3分の2を占めており「政務調査費として不適正な支出」ではないかと疑問である。
 平成15年4月分の「共通経費」収入120万円のうち、支出が635,821円内訳は、本・新聞代が29,983円、「自由市民」取材活動費・印刷代が174,000円、コピー・ゴム印代が28,050円。飲食費としては、議員総会4回で194,375円、本会議昼食代3回で129,675円、懇親会2回で79,738円となっていた。
 自民党名古屋市議団側がどのように主張してくるのか、今後の裁判が注目される。
 
7/7 オンブズマン&タイアップ合同総会と懇親会
 
 
日 時 : 7月7日(土) 総会 午後5時00分 懇親会 午後6時00分〜
場 所 : かっぱ園菜館 (名古屋市東区泉1−9−28)  TEL 052-951−3454
      地下鉄高岳1番出口を北(東片端方向)へ2筋で左折、2本目の右側
会 費 : 5000円(飲み物代込み)
申込み : FAX(052−953−8050)か電話(052−953-8052)で弁護士法人リブレまで。
懇親会はどなたでも参加できます。お気軽にお申し込み下さい。
 
 
 日程 : 名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ               2007年6月以降 
曜日 時間 行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し 場    所
7 7 17:00 タイアップ+オンブズマン 総会 かっぱ園
7



9
9

17

15-16




土日
13:15

14:00

 
自民党名古屋市議団政務調査費(個人経費分)住民訴訟 第4回弁論
自民党名古屋市議団政務調査費(共通経費分)住民訴訟 第2回弁論
第14回全国市民オンブズマン大会

 名古屋地裁1102号法廷
名古屋高裁

 山形市・ビッグウイング
 
毎週火曜日午後6時半から例会を弁護士法人リブレ(大津橋南100m東側 liv.ビル6F)で開いています