名古屋市民オンブズマン タイアップニュース170号 2008/6/10発行
   
              
なんと名古屋市監査委員が 返還勧告!
 
 
 
 自民党市議団H14年度政務調査費692万円 
 
 
西村裁判で出された
 
内部資料を分析
  
 名古屋市会では、政務調査費として議員1人当り月額55万円が各会派に支給されています。市民はH19年度支給分まで、領収書はおろか帳簿すら見ることができず、目的外使用の疑惑がありました。
 自民党市議団ではそのうち1人当たり月額5万円、合計1440万円を「共通経費分」として市議団が管理していました。ところが、この共通分に関して起こった西村元市議対自民党市議団の名誉毀損裁判の中で、平成9−14年度の共通経費分帳簿が提出されました。このような「帳簿」が公になるのは初めてのことです。
 
政務調査費で議員同
 
士飲食・使途不明金も
 
 名古屋市民オンブズマンがその帳簿を分析したところ、平成14年度分の共通経費の中に以下の不審な点がありました。
 ・議会本会議中の会派内部の  会議で昼食代約251万円
 ・会派内の懇親会約5万円
 ・懇談会約60万円
 ・市議団機関紙「自由市民」約  420万円
 ・予算要望印刷代約17万
 ・名刺代約4万円
 ・共通経費の余りは約610万円  だが、市には約165万円し  か返還しておらず、差引約4  45万円は使途不明
1200万返還を求692万返還勧告
 
 08年1月名古屋市民オンブズマンが上記の合計12,038,898円の返還を求める住民監査請求を行ったところ、名古屋市監査委員は3月28日6,923,885円の返還勧告を出しました。
 名古屋市の政務調査費をめぐる初の返還勧告です。内訳は以下の通り。
 ・使途不明金4,447,780円
 ・食糧費等 2,434,105円
 ・執行部名刺代 42,000円
 
 飲食代金のうち、多くを占める本会議昼食代および常任委員会昼食代などほとんどは返還を認めましたが、議員総会昼食代542,300円と広報費(自由市民)は返還を認めませんでした。
 
あの監査委員が返還
 
勧告
 
 あの監査委員が返還勧告を出すことがある、ということは驚きです。とはいえ結構なことで、今後も是非そうあってほしいものです。
 返還が認められなかった5,115,013円については、4月17日住民訴訟を起こしました。
 
議長の調査権限 放棄
 
 ところでこの返還勧告を受け、他会派でも同様の流用がないか、名古屋市民オンブズマンは4月15日市会議長に調査を求める申し入れを行いました。
 政務調査費条例で議長は「必要に応じ調査を行うことができる」となっており、議長だけが各会派の領収書・帳簿をチェックする権限があるのです。
 しかし4月22日に出された回答はたった2行、特段の対応はしないというものでした。(愛知県議会議長にも4月22日に同様の質問を行い、同28日対応しない旨の回答がきました。)
 
議長の責任を問う住
 
民監査請求も「却下」
 
 
 平成14年度の自民党名古屋市議団の目的外使用について、現議長は調査権限を行使していなかったばかりか、他会派についても調査権限を行使しようとしていません。
 この「木で鼻をくくったような」回答に怒った名古屋市民オンブズマンは、平成13年度の目的外使用と思われる支出につき、歴代議長が調査権限を行使してこなかったため、既に5年の時効にかけてしまい市に損害を与えたという理由で、08年5月8日議長に返還を求める新たな住民監査請求を行いました。
 しかし名古屋市監査委員は、不当利得返還請求権が時効消滅してから1年以上経過しているとして、5月20日づけで却下しました。(6月16日提訴の予定)
 
今後も追及を続ける
 
 
 H20年度支給分から、名古屋市会では1万円、愛知県議会では3万円以上(人件費を除く)の領収書を議長に提出することになりました。公開されるのは来年6月です。今後も政務調査費の使途について追及を続けていきましょう。   (内田隆)
 
 
政務調査費の帳簿を公開しない 
 
 
議・市 に申し入れ
 

 
 議員の調査・研究の補助金である政務調査費は愛知県議が1人当り月50万円、名古屋市議は1人当り月55万円支給されている。公金であるにもかかわらず領収書報告書等が公開されておらず市民は「第2の給与」「議会対策費」と指摘してきた。
 
 
批判に答えると云って 市会各会派では政務調査費
 
条例の改正を提案していたが、提案には「会計帳簿」の添付は明記されていないことが、名古屋市民オンブズマンの調べでわかった。
 
そこで会計帳簿の写し も添付資料に加えると内容を
 
変更するよう市会各会派に申入書を提出した(2月21日)。また、愛知県議会各会派には3月10日申し入れ書を持って行った。
 
領収書のチェックは帳簿を見てからだ
 
 各会派では領収書の公開金額を「1万円以上」か「1円以上」かでもめてたが、透明性を確保する際、まず公開が必要なのは「会計帳簿」だ。会計帳簿を見た上で、疑問点を領収書で調べるのが世の中の常識である。
 幸いにも会計帳簿は作ることになっているので、それを議長に提出するだけですむ。議会事務局が領収書をコピーする人件費もかからなくて済む。
 名古屋市民オンブズマンでは前日2月20日、市会各会派に「21日の午後1時半ごろ伺いますので対応をお願いします」とFAXしていたにもかかわらず、各会派、議員の対応はなく、受付窓口に申入書を手渡した。共産党と1人会派の冨田市議のみ実際に対応して頂いた。
時代の流れに逆らう
 
 
愛知県議 名古屋市議
 
 
  結局H20年度支給分から、
名古屋市会では1万円、愛知県議会では3万円以上(人件費を除く)の領収書を議長に提出することになった。しかし帳簿についてはあいかわらず提出されない。
 
全国地方議会の現状は 全国市民オンブズマン連絡会
 
議は、08年3月12〜14日(4/1に追加調査)に電話で各地方議会に緊急アンケートを行った。
 その結果08年4月現在で、領収書を全面添付しているのは25府県、12市、領収書一部添付は12道県、5市であった。
 会計帳簿を添付するのは大阪府・鳥取県・大分県、千葉市・静岡市である。
 領収書全面添付が時代の流れにもかかわらず条件付き添付でお茶を濁し、しかも会計帳簿に全く触れない愛知県議・名古屋市議は、有権者のほうを見ず、時代の空気に取り残されていると言わざるを得ない。   (内田 隆)
 
 
第12回情報公開度ランキング
 
愛知県13位、名古屋市8位にいずれも上昇  
     岡崎市中核市で1位! 豊田市・豊橋市は8位
 
 全国市民オンブズマン連絡会議は、08年3月21日第12回全国都道府県・政令市・中核市情報公開度ランキングを発表した。
http://www.jkcc.gr.jp/rank/12/12_01.html
低レベルの中核市今回
 
のランキングの特徴は、中核市を対象としたことが挙げられる。35中核市中、岡崎市の1位、豊橋市と豊田市の8位は率直に言って意外だった。これらの自治体が中核市のなかで上位グループを形成しているのは、中核市全体のレベルの低さが原因だと考える。平均点にして政令市と12点もの開きがあった。そして、この「低レベルの」争いの中での岡崎市や豊橋市、豊田市の「勝因」をあえて挙げるとすれば、それはおそらく、地元の市民オンブズの存在ではないだろうか。指摘されて改善する、という行政の消極的な姿勢は愛知県や名古屋市でも見られたが、市民オンブズが情報公開に対する行政の姿勢を常に監視している、という点では岡崎や豊橋でも同様である。岡崎市や豊橋市、豊田市が全国的にみて優れた情報公開制度を持っているわけではない。
 
「指摘されて改善」から真の情報公開推進自治体へ 今年は愛知県が総合13位(昨年30位)、名古屋市が8位(昨年15位)といずれも順位が上昇した。
 これは、両自治体とも、昨年も対象項目に挙げた職員の再就職情報を全て把握・公開するようになったためと分析している。
 いずれにせよ、オンブズに指摘されて改善する消極的な姿勢からの脱皮が望まれる。
 

無かったはずの 名古屋市裏
曖昧な幕引きを許すな
 
 
自己申告の裏金調査
 
 07年11月12日名古屋市で発覚した裏金問題に対し、@平成12年度以前に遡った調査をすること A外郭団体を対象とした調査をすること を申し入れをしました。 しかし名古屋市が07年12月末に発表した裏金についての調査結果を見る限り、残念ながら申し入れを加味して調査した形跡はありませんでした。また、その調査に際して私たちが市長の積極的な関与を求めたにもかかわらず、調査は裏金作りをした職員の自己申告による方法を中心としたものでしかありませんでした。
 このような方法を採った場合には、本来評価されるべき、正直に申告した者が裏金の返還を求められるという極めて不公正な結果も起こります。また、裏金作りの実態がますます隠蔽される、という結果となります。
外郭団体を調査せよ
 
 さらに、名古屋市民オンブズマンに、関係者と思われる方から、外郭団体や各種委員会を使って作った裏金が相当の金額に上るはずだ、との情報が複数よせられました。
 そこで以下、再度の質問を行いました。@平成12年度以前に遡った調査を実施する意思はありますか。A裏金の調査のために、外郭団体、各種委員会の会計文書を調査する意思はありますか。
 
市、しめ切り日に回答せず
 しかし、市はわれわれの指定締め切り日08年1月25日までには回答せず、しかもこちらからの連絡ではじめて「本日の回答は無理」と認める始末。
 08年1月24日に提出された外部調査委員会の緊急提言も、「意識改革」のレベルにとどまり、構造的な問題にまで踏み込んでおらず、「想像しうる中で最悪の報告」(名古屋市民オンブズマン・新海聡弁護士の弁)です。外部調査委員自体、市と関係が深い人で構成されており、これでは「客観的かつ公正・公平な第三者からの立場からの検証、再発防止策等の提言」(設置目的)など期待するのははじめから無理です。
ようやくの回答は肩すかし
 
 08年1月29日づけて来た回答は以下の通りです。
 
質問@に対して
 ・平成7年度の裏金疑惑には触  れず、ただ平成10年度以降  分についてだけ聞き取る
質問Aに対して
 ・名古屋市の裏金が外郭団体  で保管していないかを聞き取  りする
 ・外郭団体独自で裏金を作っ  ているかどうかはそれぞれの  団体の判断で調査すべき
 
<全ての膿を出し切る>
と言い切った市長の建前さえ満たされておらず真摯さの欠如と無気力さには一抹の怖さを感じます。
 
再々度の質問提出
 
 市長のこのような不誠実な対応とは逆に、市職員や外郭団体職員や市との取引業者や市から補助金を受けている団体関係者から、名古屋市民オンブズマンに対して裏金の実態がぞくぞくと報告されています。それらを踏まえ、再々度の質問をしました。
@外郭団体に対して、外郭団体 自身が裏金を作成していなか ったかどうかの調査を指示する つもりはありますか。
A備品台帳と、実際の備品の照 合は実態把握に不可欠と考え るが全庁的に実施するつもりは ありませんか。
B補助金交付団体に対し、補助 金をプールしていないか、不明 瞭な処理は、また裏金を作って いないか調査するつもりはあり ますか。
C監査委員に命じて、外郭団体 や補助金交付団体の監査を要 求するつもりはありますか。
 
曖昧な幕引きを許すな
 
 名古屋市は、約1ヶ月遅れの08年3月21日、回答をしてきました。
@外郭団体については今後調査 する
A備品管理を徹底する。監査委 員もチェックを強化する
B補助金も重点的にチェック   監査委員もチェック強化する
C外郭団体や補助金交付金団体 については前述したとおりの対 応をする
 回答に先立ち、名古屋市は3月21日、181,453,888 円の裏金返還(現在保管額56,527,468円を含む)を表明、413名の処分も発表しました。
 さらに名古屋市は08年5月2日外郭団体自身の裏金調査を指示し実地調査を踏まえて8月中に公表するとのことです。
 このように名古屋市は形式だけは外郭団体の裏金調査に取り組みましたが、どこまで実効性があるか疑問です。すでに外郭団体で裏金対策会議(?)が開かれたという情報も得ています。
 今回の名古屋市の対応を見ると調査に消極的であり徹底的に膿を出し切るという姿勢が見えません。責任の所在も曖昧のまま幕引きしようとしているように思えます。
 地に墜ちた信頼を回復させる為にも、今後も追及していく必要があります。
後出しは厳罰 市長がひ
 
とこと、「後出しは厳罰」と云えばずいぶん違うと思うのですが。
(内田 隆)
 H15-16自民党名市議団政調費住民訴訟   
 
 
2審は166万返還命令に減額
 
高裁166万のみ返還命令
 
 自民党名古屋市議団へ平成15−16年度に支給された政務調査費のうち「共通経費」部分合計2870万円が調査研究以外に不正に流用されたとして名古屋市民オンブズマンが返還を求めていた住民訴訟で、名古屋高裁は08年4月24日の判決で、平成16年度の「余剰金」165万9781円の返還命令を出しました。
 今回の争点は、自民党市議団が領収書の一部を「余剰金」としてプールしていたことの是非と、議長への支出報告が領収書と対応していない点でした。
 
1審名古屋地裁判決では
 1審名古屋地裁判決では、収支報告に疑惑がある以上、主張立証責任は市議団側にあるとして、既に返還した平成15年度の余剰金410万円を除く2460万円全額の返還命令を出しました。
 
2審名古屋高裁判決では
 
 2審名古屋高裁の審理中、自民党名古屋市議団側は、共通経費の簡単な内訳を提示しました。しかし領収書はまったく公開しませんでしたし、その共通経費の内訳に相当する領収書が本当に存在するのか(市への報告が正しいのかどうか)の疑問は残ったままでした。
 名古屋高裁判決では、収支報告を裁判所に提示してきた以上、明らかにおかしい平成16年度の「余剰金」以外の違法・不当の主張立証責任は原告側にあるとし、原告の請求を棄却しました。
 
議長への報告は適当で良いのか? 原告の名古屋市民オンブズマンとしては、「余剰金」の返還命令は当然であるが、領収書を公開する制度になっていない現在、単に政務調査費に使ったと報告すればよい、報告の内容が正しいことを問わないという今回の判決はとうてい認めることができず、08年5月7日上告して最高裁の判断を仰ぐことにしました。  
(内田 隆)
 
7/5オンブズマン&タイアップ 総会懇親会に参加を
 
 
日 時 : 7月5日(土)  オンブズマン+タイアップ合同総会+懇親会 午後5時00分〜
 
場 所 : ひょっとこさん(名古屋市北区田幡2−13−36) TEL 052-991-0792
 
      地下鉄黒川駅 地下鉄1番出口、UFJ銀行の裏徒歩1分
 
    会 費 : アルコール飲む人5000円 飲まない人4000円
 
申込み : FAX(052−953−8050)か電話(052−953-8052)で弁護士法人リブレまで
 
懇親会はどなたでも参加できます。お気軽にお申し込み下さい
 
 
 日程 : 名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ                2008年6月以降 



曜日

時間

行 事 ・ 裁 判 ・ 催 し

場    所
6


 
16


 



 
14:00

17:00
 
自民党名古屋市議団政務調査費
 H13年共通経費分 (第4次) 提訴
タイアップ+オンブズマン 合同総会
 
名古屋地裁

ひょっとこさん(黒川)

 


21

23


13:00

11:00
サマーセミナー「はじめての市民オンブズマン」
自民党名古屋市議団政務調査費(H16個人経費分、H14共通経費分)住民訴訟
愛知淑徳高校・中学校

名古屋地裁

 
30−
31

13:00
9:00
第15回全国市民オンブズマン千葉大会
 
ホテルグリーンタワー千葉  (千葉市)
 
毎週火曜日午後6時半から例会を弁護士法人リブレ(大津橋南100m東側 liv.ビル6F)で開いています
 
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