第55号 1998年09月01日                           

第5回市民オンブズマン連絡会議 全国大会 盛況

一段と広がったオンブズマン活動

都道府県段階から 市・町の段階へ

 8月22・23日の2日間,大阪府高石市で第5回の全国大会が開かれ,400名近い参加がありました。各地からの報告もそれぞれに面白く興味深いものがあり,時間が足りないという感じでした。
 昨年までは,各県に一つの市民オンブズマンが普通で,県庁所在地以外の地方都市のオンブズマンは,数えるほどでしたが,13の組織を持つ大阪を筆頭に,7組織の福岡が続き,オンブズマン活動が,それぞれの生活圏に密着した形で,着実に広がっていることが,実感させられました。

『議員さん何してはりまんねん』

 今回のメインテーマは,議会情報でした。大会に先立ち,議員・会派への支出関係のものとして,「海外視察」「野球大会」「調査研究費」に関する情報の開示を求め,委員会の公開度として,「委員会記録の作成」「記録の公開とその場所」「委員会傍聴の可否」を調査しました。
 この調査結果を,担当の島根の渡辺弁護士と協力して,名古屋のタイアップグループがまとめ,大会で「全国議会情報閉鎖度ランキング」として,発表しました。
 議会情報を情報公開条例の実施機関としておるのは,三重・奈良・福岡・神奈川・宮城の5県です。当然のこととして,公開度の上位を占めました。我が愛知は,閉鎖度の順位で28位,得点は100点満点でわずか32点でした。最高は三重の85点で,平均の34点を下回ったものです。県別の最低は,広島・愛媛の7点でした。
 このランキングの詳細は,インターネット・ホームページに載ります。

おそまつ!名古屋市はわずか5点!

名古屋市議会議長に早速申し入れ

 同時に行った政令都市などの議会情報の開示度調査の結果,名古屋市の得点は,県レベルでの最低点をさらに下回る「5」点でした。恥ずかしいかぎりです。そこで,大会の終わった翌日,市役所を訪ね,市会議長あてに申し入れを行いました。
 申し入れたのは,「公文書公開条例の実施機関に議会を含めること」「委員会の傍聴を一般市民にも認めること」「他市に例を見ない市政調査会の部会制度を廃止すること」の3点です。2週間以内に回答するよう求めました。なお,部会に関してはこの28日に,判決があります。

旅行命令簿等非公開処分取消請求訴訟控訴審勝訴

 愛知県監査委員会事務局の旅行命令簿・請求書・復命書の情報公開を求めたところ,出席者の氏名などを非公開とされました。その処分の取り消しを求めて提訴したところ,昨年3月,地裁で不十分ながら勝訴判決を得ました。これに対し県側が控訴し,オンブズマン側も付帯控訴したものの,判決が7月29日,名古屋高裁で言い渡され,原判決維持(事実上の勝訴)となりました。これに対し,双方とも上告しました。

全国議員野球大会へ向けての取り組み

議員のリクリエーションに2億円の公費!?

 市民オンブズマンの全国大会に向けての議会情報公開請求の一つに,全国都道府県議員軟式野球大会を取り上げたのは,議員のリクリエーションに,県職員を随行させ,総額で推定2億円に達すると思われる多額の公費を支出するのは,おかしいのではないかと考えたからです。
全国議員野球大会とは全国都道府県議長会が主催し,秋の国民体育大会の開催地で,国体の直前に行ってきたものです。今年は第50回だとのこと,昨年は大阪で開催され,愛知県の場合,殆ど全員に近い議員が参加し,随行職員も20名ほどでした。参加名簿で見ると,総監督・監督・助監督3名,コーチ4名など,夏の高校野球と比較しても倍以上の人数が,公費で参加していました。
 昨年の場合,私費参加は,埼玉・千葉・長野・滋賀・京都の5県で鹿児島は応援の議員は私費参加でした。
画期的な監査結果昨年度分について,三重オンブズマンが請求した監査の結果は,画期的なものでした。「野球大会産科は,議員の公務とは認められない,但し,随行職員は公務である」という判断は,恐らく全国でも初めての住民の意識・感覚に近いものでした。
オンブズマン大会での提起オンブズマンの全国大会で,この議員野球大会について,公費支出を取りやめるよう,各都道府県に申し入れることと,8月28日から神奈川で行われる野球大会に,写真撮影隊を派遣することの2点が提起されました。
 名古屋市民オンブズマン・タイアップグループでは,25日に,議長会の会長でもある愛知県議会議長に申し入れを行いました。
大会からわずか5日で大変化全国オンブズマンのまとめでは,野球大会前日の段階で,福島・栃木(多分大雨災害のため)・和歌山(毒カレー事件)・香川(県知事選)の4県が不参加,宮城・[埼玉]・東京・静岡・大阪・兵庫・島根・徳島・福岡・熊本・鹿児島の11都府県が,議員分職員分ともに私費負担,[千葉]・[長野]・富山・[滋賀]・三重・山口・高知・愛媛の8県が,議員分のみ私費負担となりました。(なお,[ ]は,従来通りのところです)
 京都は,検討中のまま結論がわかりませんでした。公費負担の態度をくずさなかったのは,北海道・青森・岩手・秋田・群馬・新潟・石川・福井・山梨・岐阜・愛知・奈良・佐賀・長崎・沖縄・大分(選手分は公費,応援は私費の16道県で,神奈川は開催県として公費を支出します。また,山形・茨木・鳥取・岡山・広島・宮崎の6県は回答拒否でした。
野球大会は中止28日,横浜に集まった議員さんたちは,桜井よし子さんの講演を聞き,ティーパーティーを開催したとのことですが,野球大会は,雨でグランド状況が悪いとの理由で中止となりました。しかし,オンブズマンが注目し,撮影隊を派遣するということが,中止を決定する上で,大きなプレッシャーになったことは,想像に難くありません。今後野球大会をどうするのか,監視が必要ですし,県レベルでも,自治体対抗の野球大会が行われています。これも監視する必要があるでしょう。
市民オンブズマン全国大会宣言全国大会の最後に採択された「大会宣言」の写しを同封します。今後の活動の中心になるものですので,目を通しておいてください。
 
 
   全国市民オンブズマン連絡会議の第5回全国大会は,大阪府高石市で開催されます。メインテーマは議会情報の公開度調査で「議員はん,何してはりまんねん」というキャッチコピーです。

県・市議会事務局へ出向き聞き取り調査

 7月22日,オンブズマンとタイアップグループのメンバーは,愛知県庁と名古屋市役所へ出かけ,議会情報,特に委員会の審議内容について,担当者と面談し,調査を行いました。愛知県の場合,半年毎に,委員会の概要がまとめられ,公表されているとのことでした。
 委員会の傍聴は,委員長の許可が必要とのことです。早速,24日に行われた国際博覧会対策調査特別委員会の傍聴を申し込みましたが,許可されませんでした。

公開度調査のまとめは名古屋で

 議会の情報公開度のランキングは,8月22日〜23日の全国大会の時に公表されますが,そのまとめの作業は,名古屋のタイアップグループが担当します。そのために,8月の定例の作業日はなしにして,特別のスケジュールとなりますので,ご注意ください。

9月例会は16日(水)18:30

 10月以降は第3火曜日。9月1日(火)から共同作業再開
 それに伴い,Newsも8月はお休みさせて頂きます。次号は9月1日に発行します。

財政面でもオンブズマンを支えるタイアップ・グループ

 右の会計報告(名古屋市民オンブズマン会計報告(2年分)省略 名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ1998年度総会参照)は,この6月末までの2ヶ年のオンブズマンの裁判費用です。タイアップグループの年会費の半額は,オンブズマンの活動のために拠出すると規約で定められています。この報告には,1998年度分の拠出金357,500円は,まだ計上されていません。
 行政訴訟の費用は,印紙代・コピー代などで,弁護士費用は,当然のことながら,全く含まれていません。
 この報告でもわかるように,年会費を納入してくださるだけでも,オンブズマンの活動の大きな支えになっていることが,おわかりいただけると思います。なお,一般市民・県民からいただいたカンパは,指定のない限り,情報公開の費用にだけ支出する「オンブズマンを支援する会」の会計に組み入れています。
 今後も物心両面でオンブズマン活動を支えるために,もうひとまわり,環を広げることが必要です。お近くの方に,機会を見てお話しください。カンパのための振込用紙,入会申込書,規約など,必要でしたら,ご連絡を・・・・・・