第73号 1999年9月21日                          
 
塩漬け土地問題追求
 情報の全面公開を求める
 
 今年3月に、全国の市民オンブズマンと共同して、各地の土地開発公社が保有する土地について、情報公開を請求しました。その結果、名古屋市の土地開発公社は全国12の政令都市の中で、保有地の金額、そのための支払利息で、横浜に次いで第2位であるこ
とが判明しました。                              
 
塩漬け土地とは 公共事業を行う時に必要になる土地の先行取得は、法律で許されています。しかし、土地は取得したものの、何らかの理由で利用されず、そのまま放置されている場合もかなりあるようです。取得後5年以上経過した土地をオンブズマンでは「塩漬け土地」としたのです。塩漬け土地の保有についても、名古屋市は面積・総額とも政令都市では第2位でした。                           
 
費用は誰が負担? 土地を先行取得するため、自治体の予算は付かないので、自治体が直接購入することは出来ず、土地開発公社に取得を依頼します。
 購入の資金は自治体が保証して銀行等から借り入れます。
 名古屋市の場合、利息負担額は全体で430億円弱、塩漬け土地はそのうち353億円強です。
 この問題の解決が遅れれば遅れるほど、利子負担は増え、市の財政を圧迫します。
 保有している個々の土地について、解決策を採らねばならないと考えますが、先回の情報公開では個々の土地についての地番、取得価格、利息を含んだ累積価格などの情報を非公開にしました。そこで、9月3日に改めて情報公開請求を行いました。非公開の場合は訴訟を起こすことを念頭においています。                     
 
地域でのオンブズマン活動が広がってきました
 
 豊橋の情報公開をすすめる会・岡崎の情報公開を求める市民の会は、かねてから名古屋市民オンブズマン・タイアップグループと密接な連携を以て活動してきました。清洲市民オンブズマン柊会もすでに1年以上の活動をし、代表がタイアップグループに参加しています。今年の春からは、甚目寺市民オンブズマンも参加してきています。
 県下の地方自治体の情報公開度ランキング調査をきっかけに、網の目のようにオンブズマンの組織が出来ていけば良いと思いますが、そのきざしも現れかけています。
 多治見市・恵那市でも、オンブズマン活動を始めたいという人が、タイアップグループに連絡をとって来られました。お手伝いできることがあれば、出来るだけ応援していきたいものです。                                  
 
10月は裁判が面白い 10月には判決が2つあります。
 万博の懇談会費の情報非公開処分の取り消しを求める訴訟と、タクシーチケットの公開を求める訴訟です。注目しましょう。
 県税事務所カラ雇用事件は、いよいよ証人尋問です。裁判は全て公開が原則ですから、誰でも自由に傍聴できます。
 地裁は11階、高裁は10階に法廷があります。開始時間の少し前に傍聴席に入って下さい。
 デザイン博の10億円返還請求訴訟は、地裁で完全勝訴し、名古屋市側が控訴していますが、9月14日 控訴審が終結し、12月27日に高裁で判決言い渡しが予定されています。                                     
 
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