第75号 1999年10月18日                         
 
万博懇談会情報非公開処分取消し請求訴訟
 勝訴 しかし不十分な部分も
 万博誘致のための接待に使った懇談会費の出席者・店名など非公開にした処分の取り消しを求めて提訴していた訴訟の判決が、10月1日にありました。
 裁判長は「公務に関する支出であり、プライバシーは問題とならない」として、原則的には非公開処分を取り消すよう命じました。しかし、投票権を持つ外国の要人と行った懇談については「内密性が求められる」ので例外としました。
 情報公開に二重の基準を設けることになるこの判決は、その点では受け入れがたいので、15日にオンブズマン側から控訴しました。

 なお、県側も控訴したため、高裁で弁論が行われることになります。 
 
「タクシーチケットは公文書だ」訴訟・判決延期、弁論再開
 14日に判決が予定されていましたが、弁論再開となりました。
 
警察の懇談会文書に公開命令  大津地裁判決
 滋賀県市民オンブズマンが提訴した訴訟で、県側が「公共の安全や犯罪の予防などに支障がでる」と主張して全面非公開を決定していた、県警の懇談会費と旅費の支出命令決議書について「公開されても捜査との関連性は薄い」と公開を命じる判決が出ました。
 県警の懇談会費に関しては全国初、警察情報としては2例目の公開命令の判決です。
 議会は言うに及ばず、現在殆どの都道府県で対象外とされている警察情報についても、風穴が開きかけている感じがします。
 
名古屋市の情報公開制度改善案 中間報告
   11月9日に「市民の意見を聞く会」
 
 かねてから名古屋市は情報公開の改善を検討していますが、市から提言を求められている「市公文書公開審査会」は10月5日中間報告を発表しました。それによると市長交際費・懇談会費などの相手方氏名も公開することや、公文書だけでなく幅広い市政情報の公開原則を打ち出すことになっています。
 しかし、いわゆる三セクなどの外郭団体は対象にならず、不十分なところもあります。11月9日に「市民の声を聞く会」を計画しており、意見陳述に新海弁護士が指名されています。傍聴できるようですので、可能な方はお出かけください。
 なお市では、12月にまとまる最終提言を受けて、来年2月の定例議会に改正案を出す予定とのこと。全国政令都市中再会とされた名古屋市も、提言に沿って改正されたら、上位に来るでしょう。
 
県議視察費の公開を答申 県公文書公開審査会10月4日
 愛知県の公文書公開制度では議会は対象外ですが、愛知県議の海外視察の支出金調書の情報公開を求めたところ全面非公開の決定が出ました。
 それを不服として公文書公開審査会に異議申し立てをしていましたが、公開するようにとの答申がありました。この答申を受け、県は公開を検討することになります。議会情報を対象とする公開条例の改正を望みます。