第79号 2000年1月11日
デザイン博10億円返還請求訴訟
高裁でも赤字隠しを認定返還命令
しかし、2億1千万円に減額、利息分は前市長に
名古屋高裁は12月27日、90年8月に名古屋市民オンブズマンが提訴し、一審判決で全面的に原告側の主張が認められて、10億3600万円の支払いを命じた、デザイン博の不正支出に関する損害賠償請求訴訟の控訴審判決を言い渡しました。
笹本裁判長は、事後に市議会で承認を受けているから双方代理については無効ではないとしながらも、「赤字隠しのために違法な契約を結んだ」とする一審判決を支持しました。
しかし、デザイン博協会に残されている黒字分の2億1千万円について返還命令を出し、8億円余については、損害の立証がないとして減額しました。
この判決が確定すれば、西尾前市長とデ博協会が2億円余を返済することになります。
この間の利息(約1億円)については、西尾氏に支払いの責任を負わせた点で、前市長の責任追及の面でも評価できます。
恐らく、上告するものと思われます。
県税カラ雇用事件結審 1月31日判決
架空の臨時職員を雇ったように見せかけて、ウラ金を作っていた事件の訴訟が、12月10日結審しました。
この日被告側は、裁判の対象になっている1995年度分の680万円を、利息を付けて県に返還したことを明らかにし、県の侵害が消滅したと主張しました。
裁判では、違法性はないと主張しながら、結審直前に返還するなど、原告や裁判所を愚弄するのもはなはだしいものです。
しかも、永年の習慣であったとしながら、対象になった分だけの返還で済ませようというのは、いかにも姑息です。
判決以前に、実質勝訴したと言えます。
罰金を互助会が補償 名古屋市交通局職員互助会
同互助会収入の約60%は市交通局からの補助
タイアップグループの調査で、名古屋市交通局の互助会が、職務上の交通事故などの罰金を支給すると決めていることが判明しました。
罰金・刑罰は、本人が罪の償いとして行うことで、当然個人の責任に課せられるものです。それを互助会が肩代わりするというのは、本質を無視した違法な制度と言えます。
市交通局互助会の財政規模は、年間で約10億円、そのうち約6割は市交通局からの補助です。つまり、個人の罰金の半分以上を公金で支払うという制度です。
改正して欲しいと思います。
納税組合の奨励金廃止の動き
かながわ市民オンブズマンの成果
納税貯蓄組合法に基づいて自治体が条例または規則を定めて設立しているものです。
法では、事務経費以外の補助金を支出することを認めていませんが、奨励金・報奨金・手数料などの名目で補助していることが多かったものです。
かながわ市民オンブズマンが奨励金の廃止を求めた訴訟で「組合法以外の独自の基準を作って補助金を出すのは違法」との判決が出ました。
愛知県内の7市で、昨年度の支出総額は約3億4千万円余になります。
豊橋市が昨年度から、小牧市が今年度から奨励金制度を廃止、津島・岡崎市が検討中だとのことです。