名古屋市民オンブズマン

タイアップグループNEWS

第 6 号 1996年 3月 7日


違法な費用弁償の全額返還を求めます

(投稿)タイアップグループ         国井芳夫

 住専への国民の批判が日増しに高くなり、国民の税金の使途に関心が高まっている。
 こんな中、名古屋市議会では、全議員が市長の諮問機関(市政調査会)の委員になって、何の法的根拠もないまま、多額の費用弁償を受け取っていたことが明かとなった。年間1億円に近い莫大な金額になる。市民オンブズマンと住民が監査請求を行い、その後2月9日返還を求める住民訴訟を提訴した。
 しかし、これほど問題になっても、自民党などの与党はもちろん、野党の日本共産党まで1円も返却したという話は聞かない。それどころか、今でもその―部を堂々と受け取っている。ここは法令や市民の利益より、議会の慣習やなれ合い、党派の利益が優先する世界のようである。 部会を廃止すれば、返金はしなくてもいいとさえ思っているようである。
 本来、議員の報酬や費用弁償は、「条例を定め」てからでないと支給できないことが、地方自治法に定められている。与野党がなれ合いを続け、市民の血税を、法律に反してまで、支給・受領し、問題になっても返済しない当局・政党,議員たちの心理が私たちには全くわからない。これでは、住専の公費支出を批判する資格がない。
 明るみにでた金額は、議員1人あたり1期で5百万円にのぼった。市役所に顔を出すだけで、1日に1万5千円も受け取っていたのだ。さすがに、これは今年度からやめることにしたが、会議開催の日の分は、当局の言うがままに、今年度も受け取っている。
 障害者・高齢者の年金や、生活保護費など、国や自治体から支給されるものは、法や条例に―つ違うと支給されないばかりか、返還を求められる。開かれていない部会の日当は、いったいどんな理屈をつければ、返還しなくてすむのだろうか。どの党派の議員も、―片の弁明さえせず、いや、できず、沈黙を続けながら、公費だけは受けとっている。税金泥棒と言われても当然であろう。
 名古屋市の議員には、月額96万円の報酬と5ケ月分以上のボーナス、そしてそれに議員活動のため、毎月1人あたり50万円の調査研究費が支払われ、さらに、本会議や委員会への出席に対しては、費用弁償(日当)が出される。これだけでも十分過ぎると思えるほど支払われているのだ。
 低金利のなか、ささやかに毎日を暮らしている市民の疑問にこたえ、違法に受け取っていた費用弁償を、過去にさかのぼって、最低でも2〜3期分は、各議員がまず返済して欲しい。  そして、議会はそれを市民福祉に活用すぺきである。