名古屋市教育委員会


名古屋市8区小学校部活委託 見積書開示 LCNは7区で上限ぴったり

2024年4月以降、名古屋市内8区の小学校の部活運営企業が実績のない業者に新しく変わり、2024年4月-5月で苦情が95件あった件で、名古屋市民オンブズマンは2社の見積書を情報公開請求を行い、開示されました。
・見積書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/240618-2.pdf

・苦情(2024年4月1日-5月31日)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/240618-1.pdf
 
見積書によれば、これまで受託を行ってきたLCNが、新業者の技研より、名東区を除く7区で545万〜3579万円高く見積もりを出しています。
(西区、中村区、南区、天白区は24/4/1-27/3/31まで。熱田区、港区、守山区、名東区は24/4/1-28/3/31まで)

名古屋市教育委員会が公募する際に示した「名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動運営事業実施業務委託事業者公募に関する企画提案募集要項」
2ページに「6 委託金額の上限」が記載されており、LCNは名東区を除く7区で、上限額ぴったりで見積書を提出していました。
(名東区は上限が3億1237万8182円と事前に公表されていましたが、LCNはなぜか31億2378万1819円で見積書を提出していました)

詳細は「名古屋市 電子調達システム」で、「入札情報」「令和5年度」「教育委員会」「業務委託」「名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動運営事業実施業務委託事業者公募に関するプロポーザル」で検索して下さい。
https://www.chotatsu.city.nagoya.jp/

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24/7/8-24/7/17まで現在応募している別の8区(千種区、東区、北区、中区、昭和区、瑞穂区、中川区、緑区)の部活に関する公募型プロポーザルについては、なぜか選定評価基準に金額はありませんでした。
・名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動運営事業実施業務委託 事業者公募に関するプロポーザルの実施について
 https://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000175424.html
 
1)そもそも小学校の部活を民間委託することの妥当性
2)民間委託することが妥当だとしても、「委託金額の上限」の妥当性
3)採点での価格点を80点も付けることの妥当性
4)委託先の「安かろう、悪かろう」の防止策
があらためて問われると思います。


24/6/3(月) 名古屋市8区小学校部活 価格で選んだ新委託先に関する苦情 2ヶ月で少なくとも80件

名古屋市内8区の小学校の部活運営企業が2024年4月から実績のない業者に新しく変わったのですが、2024/4/1-5/20までで新委託先に関する苦情が80件あったことが、名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。


・決定書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/240531-1.pdf
・情報提供
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/240531-2.pdf
・名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動運営事業者
 公募プロポーザル審査結果(西・中村・南・天白)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/bu22.pdf
・名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動運営事業者
 公募プロポーザル審査結果(熱田・港・守山・名東)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/bu23.pdf
・令和6年度小学校における新たな運動文化活動苦情・
 トラブル一覧(西区始め8区)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/bu24.pdf

開示された「審査結果」によれば、委員5名が各評価項目に基づき採点しています。
これまで受託してきたLCNフェローズコンソーシアムは、名東区以外はいずれも技研・地域共育推進支援共同体より採点がよかったにも関わらず、価格点がLCNが0点、技研が80点となり、合計点では技研がLCNを上回り、
しかもLCNは最低基準を満たさないとしてLCNを選定しませんでした。
(名東区はそもそもLCNの見積金額が委託金額の上限を超えたため無効とのこと)

開示された苦情は「指導者が来ない」「名簿がない」「スケジュールを出すのが遅い」「運営補助員が何の研修も説明も受けていない」「児童間トラブル(喧嘩)があり、問い合わせたいが全く連絡が取れない」「指導者からの暴言」などさんざんです。

今回、「委託金額の上限」「各業者の見積金額」を情報公開し忘れたのでなんとも言えませんが、
1)そもそも小学校の部活を民間委託することの妥当性
2)民間委託することが妥当だとしても、「委託金額の上限」の妥当性
3)採点での価格点を80点も付けることの妥当性
4)委託先の「安かろう、悪かろう」の防止策
が問われると思います。
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愛知県では「公契約条例」があり、公契約の適正化を図ると共に、県民に提供させるサービスの品質確保のため、予定価格の決定等の事務を適切に行う、社会的な価値の実現を図る、公契約の下で働く労働者等の労働環境の整備を図る、としております。
https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kaikeikanri/joureigaiyou.html

名古屋市は、市議会で公契約条例について長年議論はされていますが、ずっと検討中です。

・令和5年10月11日 名古屋市議会本会議
 吉田茂・財政福祉委員長
1、公契約条例の制定については、事業者の視点はもちろん、労働者にとって安心・安全に働くことができる環境をつくるという視点が重要であることから、賃金下限設定の有無も含め、今まで以上に詳細な調査を基に条例制定に向けて検討を進めること

本件は東海テレビが24/5/31に報道しています。

・2024/05/31 12:13配信 東海テレビ
 「研修受けてない指導者いる」等…小学校部活動の民間委託で保護者等から苦情相次ぐ 市が委託先に90件の指導
 https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20240531_34545
・24/5/31(金) 21:01配信 東海テレビ
 業者の杜撰さ明らかに…名古屋市立小学校の部活動民間委託「来るはずの指導者が来ない」保護者等から苦情殺到
 https://news.yahoo.co.jp/articles/51749424bd57f9cddabd70e20d97cbed9bcf57df
・2024/05/31 21:09配信 東海テレビ
 “指導員が指導せずPCで別の仕事”のケースも…名古屋市立小学校の部活動民間委託 業者はなぜ選ばれたのか
 https://www.tokai-tv.com/tokainews/article_20240531_34555

24/6/3河村たかし名古屋市長定例記者会見で、市長は「実績のないところにやらせること自体は必ずしも悪いとはいわない。
役所にも言うが、市長個人でも調べる。
教育委員会の不手際や不正常な状況をちゃんと言いますか?」と述べました。
・24/6/3 河村たかし名古屋市長定例記者会見(部活動部分)
 名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/240603.pdf
 
2009年4月から市長に就任してはや15年を過ぎました。
民間委託に伴う混乱は、教育委員会だけではありません。
参考:なごやボランティア・NPOセンター運営審議会 議事録(平成20年11月12日)
 (名古屋市に情報公開請求して入手)
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/npo/npo081112.pdf 

河村市長による「教育委員会バッシング」に留まらず、なぜ民間委託によるサービス低下が繰り返し行われるのか、15年に及ぶ河村市政はなぜ放置し続けてきたのか、河村市長の「市民税減税政策」の影響の有無が問われると思います。

結局被害者は、小学生であり市民です。
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そんな中、別の8区(千種区、東区、北区、中区、昭和区、瑞穂区、中川区、緑区)の部活に関しても24/6/4-7/17まで公募型プロポーザルがなされることが発表されました。
・名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動運営事業実施業務委託 事業者公募に関するプロポーザルの実施について
 https://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000175424.html

今回の技研のトラブルをどこまで反映しているのかがわかりません。
再発防止策をとってから、あらためて公募型プロポーザルを行うか、別の方法を模索してもよいのではないでしょうか。

【訂正】24/6/11 11:00追記
別の8区の公募型プロポーザルの選定評価基準に金額はありませんでした。お詫びして訂正します。
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・名古屋市立小学校における新たな運動・文化活動
 https://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000129667.html
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24/5/31 内田良 名古屋大学大学院教育発達科学研究科・教授 ヤフコメ
https://news.yahoo.co.jp/articles/51749424bd57f9cddabd70e20d97cbed9bcf57df/comments

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20/9/1 名古屋市教育委員会 小中学校夏休み開始日・終了日議論がわかるもの 不存在

名古屋市民オンブズマンは、名古屋市教育委員会に対し、「市立小中学校夏休み開始日・終了日を決めるにあたって、議論がわかるもの」を20/8/18に情報公開請求しましたが20/9/1に不存在決定がでました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/200901.pdf
公開しない理由「請求にかかる文書は、作成または取得しておらず、文書不存在のため非公開とします。」

その上で、以下の文書を付けて、情報提供をもらいました。
請求にかかる文書は、行政文書としては存在しませんが、議論の結果として令和2年5月18日に名古屋市立学校長宛に『教育活動再開時の対応と授業時数確保のための措置について』を発出しておりますので、情報提供いたします。
また、教育委員会規則の改正に関する専決処分についても、教育委員会会議で報告し、承認しておりますので、併せて情報提供いたします。こちらの会議録については、現在作成中であり、作成次第、市公式Webサイトに公開されます。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/200901.pdf
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20/8/18に情報公開請求した際、市教育委員会の担当者は「夏期休業終了時期を決めた経緯は一口には言えない」と言っていました。

名古屋市立小中学校は、20/7/21(火)から8/16(日)まで夏期休業で、8/17(月)から1学期が再開しました。

しかしながら、愛知県は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、20/8/6から8/24まで県独自の緊急事態宣言を発出しており、「不要不急の行動自粛や帰省の際の注意」を要請中でした。
連日38度近い気温の中、小中学校にはクーラーはあるものの、窓を開けて扇風機を回して授業をしていました。
名古屋市内でも中学生が新型コロナウイルスに感染した事例があり、小中学校で感染が拡大する可能性は十分ありました。

なお、名古屋市は、企業のオンライン授業ソフトを市教育委員会が購入して、希望者は無料でオンライン授業を受けることができるといいます。

そもそも、名古屋市教育委員会が夏期休業終了時期を決めたのは、緊急事態宣言発出前であり、発出を受けてどのような議論がなされたのかも全く不明のままです。
児童生徒が夏休み中に旅行に行ったか、帰省したかなどのアンケートも取られず、現在の小中学生とその家族の感染状況も保護者に伝えられないまま授業が再開されました。

「命に関わること」がどのように決められたのかが全くわからないのが、今の名古屋市教育委員会の現状です。


18/4/5(木) 名古屋市立中学校での前川喜平氏講演 文部科学省と名古屋市教育委員会とのメール開示

名古屋市立八王子中学校の総合的な学習の時間で、前文部科学事務次官の前川喜平氏が講演した件で、文部科学省が授業内容に関して質問してきた件で、名古屋市民オンブズマンはメールのやり取りを情報公開請求して18/4/3に開示されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/180403.pdf
上記資料については、名古屋市政記者クラブ加盟社には情報提供済のようですが、「報道発表資料」一覧には掲載されておりません。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/345-10-12-0-0-0-0-0-0-0.html
文科省の質問と名古屋市教委の回答(全文)は、18/3/17中日新聞に掲載されていました。 
  
電話の応対記録は「作成または取得していない」ため非公開となりました。
録音データについては18/4/13まで延長になりました。

メールのやり取りについて以下まとめました。
・2018/3/1 18:05
 文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐
  →名古屋市教育委員会学校教育部指導室指導主事
 3/5 18時までに15項目について回答するよう求める
・2018/3/5 17:05 
 名古屋市教育委員会学校教育部指導室指導主事
  →文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐
 15項目回答する
・2018/3/6 8:35
 文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐
  →名古屋市教育委員会学校教育部指導室指導主事 
 3/7 12:00までに追加で11項目について回答するよう求める
・2018/3/7 11:58 
 名古屋市教育委員会学校教育部指導室
  →文部科学省初等中等教育局教育課程課長補佐
 11項目回答する

なお、18/3/30に名古屋市教育委員会教育長が文部科学省初等中等教育局長に対して、「どのような意図でお問い合わせをされたのか」「文部科学省として今回の授業について、どのようなお考えをおもちか」文書で質問しています。
http://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000104736.html

本件について、18/4/4報道によれば、18/3/16に名古屋市教育委員会が文部科学省教育課程課にメールのやり取りを公表する方針を伝えたところ、文部科学省側から前川氏の氏名や中学校の名前を黒塗りにするよう要求されたとのこと。
これらは、18/3/16中日新聞朝刊にすでに掲載されていました。

教育基本法第16条では「教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない。」とあります。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/an/06042712/003.htm

文部科学省からのメールを読み、現在の教育行政の現状について考えるきっかけになれば幸いです。