15/3/31 名古屋市教育委員会 情報公開請求者の氏名を現場に伝えたうえマスコミに漏らす

名古屋市教育委員会は、市内の中学校に対して情報公開請求をした市民団体「名古屋市民オンブズマン」(代表 新海 聡 弁護士)の名を第三者に漏らしたとして、当団体に謝罪し、15/3/31にその旨市政記者クラブに公表しました。

これは、名古屋市民オンブズマンが情報公開請求後、マスコミから当該中学校に取材があった際に、中学校関係者から「市民オンブズマンも調べている」とマスコミに伝え、当該マスコミから名古屋市民オンブズマンに問い合わせがあり発覚したものです。

名古屋市民オンブズマンは15/3/31に別紙コメントを発表しました。
・名古屋市民オンブズマンのコメントならびに名古屋市教育委員会のプレスリリース
http://nagoya.ombudsman.jp/data/150331.pdf
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名古屋市民オンブズマン のコメント

 開示請求者の氏名を現場に伝えることがあることを前提とした名古屋市教育委員会の説明は問題だ。善意に解釈すれば、本人開示請求(個人情報の当事者が情報公開請求をする場合)に当たるか否か判断をするために請求権者が誰であるかを伝える可能性がある、としたものかもしれないが、開示不開示の判断をするのは現場ではなく、実施機関の長であり、現場ではないこと、情報公開条例の解釈で、本人開示請求であろうとなかろうと個人情報については取扱を異にしない運用をしていることからみれば、情報の開示請求にあたって現場は誰が請求人かを知る必要は全くない。
 より重要な問題点は、情報公開制度の運用に当たって誰が情報の開示請求をしたかが現場に知られることによって、情報公開制度の利用を市民が控えることに結びつく点だ。自分の子が通っている学校の情報公開請求をした事実が、校長に伝えられる可能性があるとすれば、どれだけの親が情報公開制度を利用する気持ちになるだろうか。情報公開請求を誰が行ったか、という情報は、情報公開制度を維持する上で、実施機関内部で流通することがあってはならない情報であり、これを現場に伝える余地があることを認めていること自体、開示請求者の情報という個人情報の取扱について名古屋市個人情報保護条例11条に違反する取扱を教育委員会が恒常的に行ってきたことを意味する。
 それでも現場に開示請求者の氏名を伝える必要があるというのであれば、情報公開条例上の実施機関の長である教育長は、どのような場合にかかる運用がなされてきたか、という点ならびに過去何件開示請求権者の氏名を現場につたえたかを明らかにすべきであり、かかる説明ができないのであれば、請求者本人の同意なく、窓口職員以外に請求者の氏名が知れることがないよう、制度の運用を改めるべきだ。

以上