2010年1月13日、名古屋市市職員を名乗って投書があった。
名古屋市が所有する「砂漠の泉」なる財産を公開させ評価を求めよ、と
言うものである。
「砂漠の泉」なるものは美術工芸品で平成4年度に74,160,000円で購入、
現在国際会議場の地下第1駐車場南側倉庫に保管されているという。
言い分では「どこの美術商が鑑定しても無価値でしょう」とか。
そこで市に現状を尋ねた。担当は観光推進室である。出てきた結果は、
市にある本件関係の書類は「備品出納簿1枚」だけ。そこには彫刻「砂漠の泉」
単価74,160,000.とあるのみである。
http://nagoya.ombudsman.jp/data/izumi.pdf
「いつ、誰が、いくらで、誰から購入したか、その経緯がわかる文書」は
取得しておらず文書不存在で何もわからないという。その後も観光推進室長に
くどく尋ねたが、結果は何もわからなかった。そのものが上記倉庫に数個に
梱包されてあることがわかっただけだ。
誰も見た者もいない。今後どうするのかわからない、知らない。本当の
価値もわからない。 入手後展示したこともないらしい。
あるいはデザイン博赤字の尻ぬぐいか?と勘ぐっても見るが、20年前の話では
文書は破棄されて手がかりもない。
バブル期の教訓というにはあまりに高額な税金の無駄使いと言って終わって
しまうのか。
情報をお持ちの方はoffice@ombudsman.jpまでお寄せください。
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名古屋市市民経済局文化観光部観光推進室長に質問した内容と10/3/29づけの回答
1 彫刻「砂漠の泉」とはどんなものか
→第2回名古屋国際ビエンナーレ・アーテック‘91のグランプリ作品。
作者はアメリカ人のウェン・イン・ツァイ(蔡文穎 Tsai Wen-Ying)氏。 0
2 所有権者はだれか
→名古屋市
3 現在の責任者はだれか
→物品管理者は観光推進室長
4 管理者は誰か
→(財)名古屋観光コンベンションビューロー
5 74,160千円という評価はどのようにしてついたのか
→約20年ほど経過しているため、書類が残っておらず、定かではない。
6 誰が支払ったのか
→備品台帳に委託備品と記載されている。 そこから、当時、名古屋市がビューローに対して名古屋国際会議場の管理委託をしていたが、その委託料で購入し、名古屋市に報告があったと推測される。
7 これからどうするのか、どうなるのか
→約20年前の作品ですので、保管状態を確認し、今後の展示について検討してまいりたい。
8 これら有価物品の原簿はないのか
→ない。備品出納簿がそれである。
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【参考】・第2回名古屋国際ビエンナーレ・アーテック'91 図録より 「砂漠の泉」写真など
http://nagoya.ombudsman.jp/data/artec91.pdf

・Wen-Ying Tsai Desert Spring(1991)
http://www.groupc.net/2002/notes/tsai.txt |