2003年度政務調査費市民監査報告 各論

 

県内28市議会各会派の政務調査費支出のうち、特に一人当たり県外調査旅費金額が多い順に50会派を並べて、それぞれレポートをしました。

記載されているのは、県内会派中1人当たり旅費高額順、会派名、一人当たり県外調査旅費金額、

県外調査旅費が全政務調査費支給額に占める割合、具体的な政務調査費の使途に関するアンケートへの回答の有無と、資料ならびにアンケートを読んで愛知県市民オンブズ連絡会議でまとめたレポートです。

 

1 岡崎市 公明党   一人あたり366,028円(50.84%)

アンケート回答の有無 拒否

【まじめに視察しているのに、オンブズマンへの回答がないのが残念!

  22回の視察を行い、こどもや女性の問題に関心を示していることがうかがえる施設の見学や図書館見学、街づくりなどテーマが明確で、報告書が整備され市民に示されていれば納得されるのに、残念。(渡邉)

 

2 岡崎市 自民党市議団 一人あたり363,803円(50.53%)

アンケート回答の有無 無

 (2005.10.25改選を期に解散。自民新風会と合流し、自民清風会結成―回答拒否)

町並みや博物館、美術館、記念館ばかり見学して視察っていえるの?

 23回の視察を行い、うち14回がこうした見学に当てられている。特にある議員など、7回の視察旅行のうち6回が博物館、美術館、記念館などの施設の見学に当てられている。昨年も同様の視察を多くしていた人物である。(渡邉)

 

3 岡崎市 自民新風会  一人あたり337,510円(46.88%)

アンケート回答の有無 無

2005.10.25改選を期に解散。自民党市議団と合流。自民清風会結成―回答拒否)

 【会派全員そろっての視察見学は疑問】

 会派全員(途中参加1名)で11月17日長野県臼田市(あいとぴあ臼田)、18日南佐久市(旧中込中学校、子ども未来館)、軽井沢市(歴史資料館)、19日東京都台東区(中央図書館)を視察したり、8名で4月15日に石巻市(ガス化溶融炉)の視察をした後、16日には国交省(地方道路行政)、総務省(中核市)を訪れ、17日に渋谷区(ひがし健康プラザ)の見学をしていたり、7名で1月13日に龍ヶ崎市(市民活動センター)、14日に取手市(アートプロジェクト)、15日に北上市(在宅ふれあいデーサービス)の視察をするなど、多人数での視察が相変わらず行われている。(渡邉)

 

4 豊川市 市民クラブ   一人あたり287,198円(104.03%)

アンケート回答の有無 有

【視察は先取りのため?それはちょっと変】

平成14年度では会派を組んでいた「公明党市議団」3議員の5人全員で視察を行っている。報告書からはこれら視察の意義を読み取ることができる。豊川市と関連付けた、例えば山口県長門市の視察では、豊川市出身の山口保治(かわいい魚屋さんなど)をどのように生かすか、という視点で金子みすず記念館を視察されている。

ただ全員でそこまで行く必要があったのか、という疑問はある。

たとえば、コミュニティバスの運行について恵庭市を視察している。しかし、コミュニティバスは田原市でも運行されている。高浜市では、いきいきバスとして高齢者向けに100円で運行されている。愛知県下で既に21市17町でコミュニティ・公共施設巡回バスが走っている。地域性を考えたとき、こういった近隣の自治体のほうが参考になるのではないか、これらについて調査されていたのか。

またEM菌による浄化作用調査として柳川市を視察している点に関しても、この三河地域でもたくさんの市民団体がEM菌使用を拡げるために活動している。これらの団体に調査していたのかという点である。

視察は先取りすることで、何かの機会に役立てることができる。全員且つ合同で視察することで得ることが多々あると回答してきているが。(奥宮)

 

5 豊田市 思政クラブ   一人あたり280,219円(73.74%)

アンケート回答の有無 有

”ザ・トヨタ ウエイ”を忘れた最大会派

「視察の実施」に当り、同一目的・同一視察を相変わらず多人数で実施している。

視察実施の単位は役員会、○○部会、期別、個人となっているが、これらは同一会派内の分類であり、多人数視察調査を正当化する理由にはならない。役員会、○○部会、期別の各内部で視察計画を纏め2〜3人で視察を実施し、各単位内で報告すればよい事である。民間ではこの様な方法を取っていることは大多数の議員の方々は承知しておられる事であり視察調査の効率化を図るべきである。

また、視察先・視察目的に関しいかなる理由で決定したか、どの様な目的で視察調査を実施したのか明確に記載されている報告書は非常に少なかった。加えて、視察調査結果が議会等での議員審議・質問等に反映されている視察項目も非常に少ない。こうした傾向は多人数数視察調査ほど顕著に現れている。特に○○部会と称する部会の視察報告書は雑な報告で問題である。

○○部会は当派に於いて対議会活動に重要な役割(例えば年度重点テーマ作成等、)を演じている。しかしこれら部会の視察調査報告書から何等視察成果が読み取れない。当然の結果として議会活動へ反映されていないことである。期別単位の視察調査でも同様な傾向にある。即ち多人数視察調査になるほどその成果は読み取れない。期別単位の視察調査においては所属議員の「協調と親睦の深耕を図る為に実施している」と述べている議員もいる。会派内の部会、期別等の単位での視察調査を廃止し、会派内を横断した個人単位の視察調査をすべきと考える。

特に下記の視察項目は個人の実費で行くべきではないか。

  *横浜市歴史博物館  *日本スリーデーマーチ  *夢もやい館と現代美術館  

  *菜の花プロジェクト *正助はるさと村     *森美術館視察  

全体に報告書より判断すると非常に効率の悪い視察調査となっている。豊田市の議員としてPDCAサイクルが回っていない視察調査報告書は如何なものか?。(杉浦)

 

 

6 豊川市 公明党市議団  一人あたり253,269円(91.80%)

アンケート回答の有無 有

灯台下暗し、という諺がありますが

平成14年度では会派を組んでいた「市民クラブ」2議員の5人全員で視察を行っている。報告書からはこれら視察の意義を読み取ることができる。読み応えのある報告書になっていると思う。

また、豊川市と関連付けた、例えば山口県長門市の視察では、豊川市出身の山口保治(かわいい魚屋さんなど)をどのように生かすか、という視点で金子みすず記念館を視察されている。

ただ全員でそこまで行く必要があったのか、という疑問はもたれる。市民クラブに同じ。報告書は市民クラブと共同作成。(奥宮)

 

7 豊川市 自民党豊川市議団 一人あたり241,507円(87.50%)

アンケート回答の有無 有

【議員は視察で育つ・・・?】

北海道視察の目的のひとつに農業振興計画、クリーン農業推進状況があげられている。北海道の地理的条件と豊川のそれとは関連性が薄いと考えられる。どのように豊川地域に北海道の農業政策を生かすのか、この点の説明が必要だ。これらの視察はアンケートによれば@議会質問で生かされたという。また、Aほぼ会派全員で視察した理由は、選挙後で新人が多いため調査内容に共通認識と指導を考えたから、また相手側の自治体の世話になるから多くては(※世話になる自治体が多くては申し訳ないという意味か/奥宮)と回答している。

@については本来調査とは現在抱える問題について調査に行くものだと考える。この問題について解決を図るために調査する、というものだと考えるのが適切ではないか。視察に対する見解をうかがいたいものだ。Aについては、14年度は沖縄県名護市、具志川市、那覇市に11月20日〜22日に平成15年1月27日〜29日には香川県高松市、愛媛県松山へすべて会派全議員の10人で出かけていることと矛盾する。新人の有無に関わらず、団体旅行しているのではないですか?(奥宮)

 

8 津島市 新生クラブ   一人あたり228,966円(83.26%)

アンケート回答の有無 有

【会派の最大のテーマは北方領土返還?】

鹿児島県出水市の視察では「現実には直ちに採用するべきことはなかったように思われた」「初めて得る情報はなかった」というのがこの会派のアンケート結果である。だったら何のために視察先を選んだのか。

北海道釧路市の視察のアンケートでは「土地・そこに住む人の考え方・歴史・風俗等がちがうので参考にはならなかった」とある。土地・歴史・風俗等が異なることは視察に行くまでわからなかったのだろうか。まして,考え方が人それぞれであることは言うまでもないだろうに。

また,北海道根室市の視察テーマである「北方領土返還」については,津島市政との関係に疑問がある。アンケートでは「津島市が昭和55年12月に「北方領土返還運動都市宣言」を議会で議決している。」と結んでいるが,どうもこじつけに見えてならない。

釧路市視察,根室市視察の時間はそれぞれ1時間半,2時間である。2泊3日の旅で,交通費だけでも5人分合計57万8900円の支出だったが,支出に見合う中身の濃い視察がおこなわれたと考えてよいのだろうか。

全体を見ると,夏は北海道・冬は九州に観光に行っただけではないか。(佐竹・新海)

  

 

9 岡崎市 ゆうあい21  一人あたり223,864円(31.09%)

アンケート回答の有無 回答拒否

  【海水淡水化施設やダム浄化場視察は内陸部でダムのない岡崎市になんで必要?】

  年間7回県外視察をおこなったが、7月23日から25日に青森県五所川原市、北海道函館市、江差町のまちづくりについて8名の議員のうち5名が視察に出かけたが、報告書が市民に示されていない中では町並み観光でしかないと見られても仕方ないのではないか。また、10月15日広島市の「水の都ひろしま構想」、16日福岡地区水道事業団の「海水淡水化施設」(内陸部の岡崎市に必要か)、17日長崎県勝本町の「ダム浄化場」(岡崎市には大きなダムがない)見学など目的のわからない視察があった。(渡邉)

 

10 豊田市 加茂みきお    一人あたり223,780円(58.89%)

アンケート回答の有無 無

【アンケートに答えて下さい】

視察調査テーマと第6次豊田総合計画とのマッチング度合いが高く、議会活動に反映されている。しかし、貴活動に関し、アンケートに回答されなかったことは残念だ。(杉浦)

 

11 豊橋市 清志会   一人あたり222,268円(29.98%)

アンケート回答の有無 有

札幌高裁ならば、2件の海外視察で清志会敗訴もありうる!

  前年度と同様、調査旅費については、政務調査費収支報告書に添付されているのは支出証明書だけである。この支出証明書から分かる情報は、支出証明日、支出証明額、使途(但し交通費、宿泊費等の抽象的記載だけ)、調査年月日、調査先(但し市町村名だけ)、調査目的(但し大半は観光文化施設、産業振興、農業問題等の抽象的記述)、調査議員名である。2003年度に調査目的を支出証明書の「支出内容」欄に記載するようにしたことは、前年度からは一歩前進である。しかし、支出証明書から分かる情報は極めて簡潔でかつ抽象的なものに過ぎない。

県内の他の議会の多くが視察の目的や日程を明記した視察計画書、旅費計算書などとともに視察報告書を収支報告書に添付し公表しているのに比べ、豊橋市議会はこれらのいずれをも添付・公表していないため、視察の実態は闇の中である。そもそも視察報告書を作成すらしていない疑いがある。従って、調査旅費の使途についての情報公開度はランキング対象県内市議会の中で最悪である。早急に関連の条例・規則を改正して、視察計画書、旅費計算書、視察報告書を収支報告書に添付し公表する仕組みを確立すべきである。

  次に、支出証明書の記載から分かる調査先や調査目的について若干のコメントをしておこう。

@2003年度には、7月14日から17日のシンガポール共和国調査と10月6日から9日の大韓民国調査との2件の海外調査が行われた。シンガポール共和国の調査目的の中には「サーズ対策」との記載があるが、豊橋市政の課題との関連性は理解不能であり、「会派の行う政務調査活動」とは考えられない。また調査韓国の調査目的の中には、「韓国(ソウル市:国会議事堂、戦争記念館、ワールドカップスタジアム等視察)」との記載があるが、納税者の視点からは単なる名所観光ではないかとの疑いを抱かざるを得ない。この2件の海外調査への旅費支出は「会派の行う政務調査活動」のための支出であるのかについて、清志会に立証責任がある。もしこれを清志会が立証できなければ、かつ、もし札幌高裁に係属したならば、「政務調査分担金を会派のために使用したとの立証のない本件では、被控訴人所属の各議員に支出した政務調査分担金は、本件条例に違反する支出である」平成15年(行コ)第20号損害賠償請求控訴事件、2004年10月20日札幌高裁判決)と判示して、清志会敗訴の判決を下すであろう。

A2003年10月8日から10日の小樽市・札幌市調査は15人が参加しており、会派全員参加型に近い(会派全員が参加していないのは、20人を超える大会派であるため全員が参加できる日程を調整するのが困難だからであろうか)。果たして15人も参加する必要があるか、疑問である。

B2004年1月30日の「防衛庁視察」(6名)は、いかなる目的で、「防衛庁」の何を「視察」したのであろうか。納税者・市民の視点からは、この「視察」が豊橋市政といかなる関連性があるのかが疑問である。

  最後に、今回も清志会からはアンケート調査に対する書面回答が無かった。回答期限経過後に電話で問い合わせたら、「じょうほうひろばを見てほしい」旨の電話連絡があったが、「じょうほうひろば」で情報提供されているのが上述のような「支出証明書」に他ならないのだから、この電話連絡では何の回答にもならない。税金から支出される補助金の使途に関するアンケート調査である以上、納税者にきちんと説明すべきである。視察報告書を公表していない点とあわせて、二重の意味で説明責任を果たしておらず、「無責任」と言わざるを得ない。(青嶋)

 

12 豊川市 新風会   一人あたり215,827円(78.20%)

アンケート回答の有無 有

【なぜ北海道?・・・今回も分かりません】

合併問題を抱える豊川市では志木市への視察は納得いくものだ。しかし夏は北海道、秋は沖縄という選択、会派全員での視察は観光・親睦旅行に見なされるだろう。

例えば住民参画による札幌市「むくどり公園」についても豊橋市では「神明公園」などが市民団体主導で進められている。「高齢者生きがい対策事業」視察に小樽市まで会派揃ってなぜ行くのか、という疑問はもたれる。高齢者対策は全国的な問題だ。しかしそれは地域性のある問題でもある。北海道と豊川との地域性に共通点が多いとは考えられない。糸満市の視察目的とされる平和行政についても、あらためて沖縄県へ出向かなくても、と思う。豊川市は平和宣言をした数少ない自治体だ。ところが1月30日には豊川にある自衛隊から自衛隊員がイラクに派遣され盛大に壮行会が開かれている。ここを問題にすべきではなかったか。

新風会は14年度の正政会が母体となって15年度に新たに結成された会派だ。ところが昨年正政会は5月22日〜24日北海道夕張、富良野へ会派議員全6人で出かけている。10月28日〜30日北海道函館、千歳へ同じく6人と自由民主党豊川市議団(当時)2人が加わって出かけている。14年度の報告書には『いずれの自治体も今日まで僻地という条件のなかでよく取り組んできた。・・・・それに比べて豊川市は恵まれた土地だなとつくづく思う』と述べるにとどめている。千歳の視察については農業を取り巻く政策が課題だ、としながらも一戸3町歩も所有する農家では、気候もまったく異なるので参考にならなかった、と述べている。

今回江別都市を先端技術集積都市(リサーチ・トライアングル・ノース計画)の目的として視察している。この計画に対する所感は「思いきった条件緩和をして進出企業を増やさなければ、公費のムダ遣いが続くことになる」とあるが、それが豊川とどのように関係するのか。TMO事業に沖縄市を視察しているが、沖縄という歴史・文化・地理的特徴が持つ商店街活性化を豊川市にどう生かすことができるのか。

報告書は豊富な資料や視察時の写真を用いる、など視察報告に力を入れていることはうかがえるが、以上からは先に訪問地ありき、の印象が大だ。

少人数にしなかった理由は自民党、民主党、無所属ならびに幅広い年代から構成されている会派であるため、共通認識を持つことが必要だから、と回答しているが。(奥宮)

 

13  豊田市 公明党   一人あたり211,140円(55.56%)

アンケート回答の有無 有

【ほぼ合格】

昨年同様視察結果が議会活動並びに議会関連機関とコミュニケーションが良く取れていると判断できる。(杉浦)

 

14        豊田市 新政クラブ 一人あたり206,500円(54.34%)

アンケート回答の有無 有

【やって下さい、行政改革】

視察結果が議会活動によく反映されていることは評価出来る。行政改革テーマに取組んでいる事は評価でき,今後も継続テーマとして取組んで欲しい。

「第8回政策研究会in岡山」、「中核市サミットin高知」は研究研修費で計上すべきである。(杉浦)

 

15        東海市 社会民主党 一人あたり202,500円(73.50%)

アンケート回答の有無 無

優秀な報告書は旅行目的のカモフラージュ?

8月26日〜28日にかけて、北海道千歳市、根室市、釧路市に、平成16年2月4日〜6日にかけて、鳥取県倉吉市、鳥取市、京都府福知山市に視察している。

北海道への視察については、視察報告書の内容は評価できないでもないが、なぜ北海道の病院を選択したのか視察理由が明記されておらず、疑問が残る。旅行目的をカモフラージュするための報告書ではないか、との疑いがある。近隣地域への視察でこのレベルの報告書を書いてもらえれば評価できるのだが。

鳥取、京都への視察については、目的が土地開発による町の活性化という点にしぼられており評価できる。ただ、福知山市への視察については、視察報告書も内容が薄く、視察理由が読み取れない。報告書にしても、事実の羅列にすぎない。

全体として、そこを視察する理由が読み取れない。ただ、報告書の内容から勉強をしてきているのがわかり、そこは評価できる。(河野)

 

16      津島市 市民クラブ 一人あたり199,033円(72.38%)

アンケート回答の有無 有

【恒例となった?観光旅行】

鹿児島県指宿市と鹿児島県串木野市の国際交流の視察では,1日目が指宿市の視察で13時30分から15時30分まで,2日目が串木野市の視察で同じく13時30分から15時30分までという日程になっている。その後は何をしていたのだろうか。昨年もこの会派に対しては観光旅行がメインだったのではないかと疑いを指摘したが、今年も同じことを書かなければいけないのか、残念。(佐竹)

 

17      津島市 公明党つしま 一人あたり194,210円(70.62%)

アンケート回答の有無 有

【成果の見えない視察】

熊本県出水市・長崎県島原市の視察は、新生クラブ・改革クラブとの合同視察だったようである。他の会派のところでも書いたが、アンケートに対する回答に配付資料か何かをそのまま写した疑いがある。もしそうだとしたら、資料を取り寄せればよいのであって、わざわざ視察旅行に行く必要はない。そのようなことが疑われないように、しっかりとした報告をなすべきである。それができないのならこの会派が視察に行く価値はない。

新潟県十日町市・宮城県白石市の2市の視察は、視察目的に見合った視察場所を選択していると評価できるのだが、やはりここでも配付資料の写しであろうか。改革クラブとアンケート結果の内容が一字一句同じである(佐竹)

 

18      半田市 清風クラブ 一人あたり191,020円(92.62%)

アンケート回答の有無 無

視察報告書を途中でやめないで欲しい
支給額の90%以上を6月18日〜20日の山形県・秋田県地方、10月15日〜18日の福岡県地方、1月21日〜22日の富山県地方の視察に宛てている。このうち、福岡県地方、富山県地方の視察テーマにはPCB処理事業についてのものがある。しかし、清風クラブについては公開された1月21日の視察報告書の二枚目の末尾「視察者全員の所見欄」が「なぜ半田市ではこんな・・・」で切れたままになっており、意味が通らない文章になっている。このような報告書では文章として意味をなさないのであるから、本来は「・・・」の箇所に具体的な記載があるはずだ。きちんとした形で報告をしてこそ、の視察であることを肝に銘じられたい。(新海)

 

19 碧南市 公明党   一人あたり185,710円(93.79%)

アンケート回答の有無 有

【今年も良い視察が行われている】

もともと2名という少人数会派ではあるが、視察は必ず1名で実行され、大多数の議員視察が観光旅行と指摘されても仕方ない中で、この会派のひとりの議員は「都市環境」、「観光」、「教育」、「福祉」、「文化事業」等々行政のあり方を目的として視察を行い、もうひとりの議員は一貫して「福祉」、「老人問題」に視点をおいた視察を行い、研修報告書も一視察(一目的)ごとにまとめ、所感を記している点は評価できる。両氏とも目的を持って県内の各市町村への視察を行い、議員活動に反映されている様が察せられるのは好ましい。(夏山)

 

20 西尾市 市民クラブ 一人あたり183,620円(102.01%)

アンケート回答の有無 有

【政務調査といえない視察も】

5月20日の視察は国交省への要望と地元国会議員杉浦氏との面談である。これが政務調査と言えるのだろうか。また、7月15日から17日に北海道稚内市(まちづくり委員会)や名寄市(総合病院の経営健全化と評価機構への受審)についての調査はなぜ行かなければならないのかわからない。11月13日から14日には北淡町の震災状況の聞き取り、三ノ宮の防災未来センター見学をしているが、目的や問題点の把握など報告書にまとめられ、ここはまじめに視察されていると思われる。残念なことに、最小の経費で最大の行政効果を得られるよう理事者に求める立場にある議員集団としての会派が、会派全員の意思統一のためといって、いつでも全員が参加というのでは、政務調査費の有効利用をしているとは言えないので、人数を少人数に分けることでもっと多くの政策立案や行政行為についての検討ができるだろうに残念である。(渡邉)

 

21 豊橋市 まちフォーラム 一人あたり174,813円(22.70%)

アンケート回答の有無 有

【そもそも視察報告書を作成しているのか?】

11位の清志会と同様に、調査旅費については、政務調査費収支報告書に添付されているのは支出証明書だけである。この支出証明書から分かる情報は、支出証明日、支出証明額、使途(但し交通費、宿泊費等の抽象的記載だけ)、調査年月日、調査先(但し市町村名だけ)、調査目的(但し抽象的記述に止まる)、調査議員名である。しかし、支出証明書から分かる情報は依然として極めて簡潔でかつ抽象的なものに過ぎない。その意味で前年度からの改善点は見られない。

清志会へのコメントでも述べたが、県内の他の議会の多くが視察の目的や日程を明記した視察計画書、旅費計算書などとともに視察報告書を収支報告書に添付し公表しているのに比べ、豊橋市議会はこれらのいずれをも添付・公表していないため、視察の実態は闇の中である。清志会と同様に、そもそも視察報告書を作成すらしていない疑いがあり、調査旅費の使途についての情報公開度はランキング対象県内市議会の中で最悪である。早急に関連の条例・規則を改正して、視察計画書、旅費計算書、視察報告書を収支報告書に添付し公表する仕組みを確立すべきである。

  支出証明書の記載から見る限り、まちフォーラムの個々の視察は、2003年11月13日〜15日の福島市・千葉市の視察(5人参加)を除き、一人または二人で行っており、視察目的の点でも現下の豊橋市政の諸課題(競輪事業、駅前再開発、防災、廃棄物処理、余熱利用施設、外国人労働者との共生等)との関連性が、少ない情報の中からも一応窺えるものもある。それだけに、個々の視察の成果を視察報告書の公表という形で市民に還元すべきである。

最後に、ランキング11位の清志会と同様に、今回もまちフォーラムからはアンケート調査に対する書面回答が無かった。この点でも、清志会への指摘がそのまま当てはまる。すなわち、税金から支出される補助金の使途に関するアンケート調査である以上、納税者にきちんと説明すべきである。視察報告書を公表していない点とあわせて、二重の意味で説明責任を果たしておらず、「無責任」と言わざるを得ない。(青嶋

 

22 半田市 市民クラブ  一人あたり174,583円(84.65%)

アンケート回答の有無 無

【視察という名の広島観光】
支給額の約85%で8月18日〜20日に北海道江別市、青森市、秋田県大館市の視察に、1月22日〜23日に岡山県笠岡市、広島県広島市に視察に出かけている。
  北海道、東北の視察は夏に行われている。視察目的はいずれも廃棄物の処理に関連する事項で、北海道江別市が「畜産バイオマス発電」青森市が「PFIによる産業廃棄物の処理」、大館市が「リサイクル堆肥」についてである。記録を見る限り、比較的詳細な視察報告書があるが、会派の活動とこれらの視察との関連や、これらの視察結果をどのように市政に生かそうとお考えなのか、が全く見えてこない。
  1月の岡山県地方の視察は問題である。当初は二日目の1月23日に兵庫県高砂市での議会運営についての質疑をする筈であったのが、何らかの理由で広島平和記念資料館と宮島へ行く内容のものに変更されたようである。変更の理由は高砂市側の受け入れ体制が整わなかったことかもしれないが、そうだとしても問題は広島市での視察内容である。おおよそ広島市で一日観光をする場合には、まず9割以上の人が広島平和記念資料館と宮島へ行くはずである。いくら視察という用語を使おうと、観光は観光である。岡山から日帰りで帰るか、広島は自費で行くべきであった、と思うが、いかがか。(新海)

 

23        西尾市 市政クラブ 一人あたり172,431円(95.8%)

アンケート回答の有無 有

北海道に行かなければごみ有料化や病院の経営評価はみられないのか?

7月15日から17日にかけて新潟県柏崎市(環境基本計画)、東京都日野市(ごみ減量施策)、10月29日から31日に北海道伊達市(ごみ有料化)と江別市(病院機能評価)、2月19日から20日には富山市(エコタウン事業)、高岡市(少子化対策)に会派全員で視察見学をしている。会派全員が参加という点に多いに問題がある。人数を少人数に分けることでもっと多くの政策立案や行政行為についての検討ができる筈だからである。

  また、平地部にあって木くずが多くでるとは思えない西尾市にとって、木系くずリサイクル会社を訪れた富山市の視察は説明が必要ではないだろうか。(渡邉)

 

24        津島市 改革クラブ 一人あたり170,595円(62.03%)

アンケート回答の有無 有

【ちゃんと自分で考えよう】

熊本県出水市・長崎県島原市の視察は,新生クラブ・公明党つしまとの合同視察だったようであるが,この会派と公明党つしまはアンケートに対する回答の一部が一字一句同じである。配付資料か何かを写したのであろうか。もしそうだとしたら,わざわざ出向いて視察をする意義が問われるところである。

  新潟県十日町市・宮城県白石市の2市の視察は,視察目的に見合った視察場所を選択していると評価できるが,ここでも配付資料の写しか。ちゃんと自分で考えないから「セクハラ行為(つきまとい)」などという写し間違いをすることになるのではないか(正しくは,・セクハラ行為(性的嫌がらせ)・ストーカー行為(つきまとい)である)。(佐竹)

 

25      春日井市 自民クラブ 一人あたり168,858円(51.17%)

アンケート回答の有無 回答拒否

視察の成果が生かされているのか疑問

2名が市民連合1名とともに、平成15年4月15日から4月16日に香川県高松市と善通寺市保育所の「民営化による子育て支援の実態と実情」について調査を行なっている。この時は選挙準備で忙しいはずである。にかかわらず調査を実行されたことは春日丼市にとって急を要する施策であったのか。ところが、市議だよりや議会事務局の聞き取り結果からみて、その後の活動として具体的提言があったのか、さだかではない。

また、レポートは自民クラブと市民連合とも氏名欄が違うだけで、他は同じワープロ書きで同一である。手抜き報告に思えてならない。

(松元)

 

26 春日井市 公明党  一人あたり164,184円(49.75%)

アンケート回答の有無 有

総体として良い

春日井市市議会議員政務調査費報告書は、総体として良く調査を行い、勉強し、かつ理解し意見、感想を述べているといってよい。(松元)

 

27 知立市 社民党   一人あたり162,985円(90.55%)

アンケート回答の有無 有

 【知立名物「集団観光旅行」?】

50位までに市議団4会派がランクイン、夏季は北(北海道、青森)へ、冬季は南(九州、四国)へと、まるで最適の観光時期を考えているかのごとくである。

  そのうえ、「共産党知立市議団」以外の会派はすべて他会派と相乗りしている。観光旅行と指摘されても弁解の余地がない視察形態である。会派としての独自のアイデンティティーも見られず、また、視察報告書も視察先の用意した資料、パンフレットのコピーだけというのも市民の理解は得られない。このような視察報告書なら、資料を送ってもらえば事足りることになる。大半の視察が観光旅行のついでに正当性を持たせるために視察をいれたようにみえる。近頃これほど観光旅行が疑われる視察もめずらしい。新しい「知立名物」か?(夏山)

 

28        碧南市 新政クラブ 一人あたり160,739円(81.18%)

アンケート回答の有無 有

【北海道に視察に行く必要性は感じられない】

7月13日〜16日に3泊4日にて、例のごとく涼しい北海道に会派議員の大半(1名欠席)が参加し、観光旅行の色彩の濃い視察旅行となっている。

  江別市ではレンガ産業での取り組みを視察はレポートされていたが、伊達市、小樽市での視察については研修報告書の記載もなく、碧南市として特別この視察を実行しなくてはならない必然性は見いだせないものである。

また、これだけの視察なら2〜3名で行けば十分である。1,837,340円も使って14名も一緒に行く必要性が全くないと言わざるを得ない。もし、地場産業の活性化を考えて視察するならば、全国の同じような問題を抱えた地域を数組に分かれて視察し、多くの見聞、意見を持ち帰りディスカッションし、市政に生かしてもらいたいものである。

  また、1月26日〜27日に1泊2日で神戸市、北淡町に震災対策を考慮して視察を行い、行政への提案として生かしているのは大変好ましいが、この視察も会派議員全員(15名)が参加するという残念な一面も併せ持っている。税金を使う視察である。多数会派であれば同じ目的を持って数組に分かれて各地の視察を行い、報告しあって検証し、議員活動に生かしてほしい。(夏山)

 

29        西尾市 新世紀にしお 一人あたり159,197円(88.4%)

アンケート回答の有無 有

  【良く学習されているが、支出先を特定した方が良い

いろいろなセミナーに参加して学習に励まれている。アンケートの回答からも議会活動に生かされていると認める。ただし、セミナーへの参加が個人の資質向上のためか、会派としての政務調査か不明である。札幌高裁の判決は、「政務調査分担金を会派のために使用したとの立証のない本件では、被控訴人所属の各議員に支出した政務調査分担金は、本件条例に違反する支出である」平成15年(行コ)第20号損害賠償請求控訴事件、2004年10月20日札幌高裁判決)と判示している点に注意していただきたい。政務調査費がどのセミナー参加に使われたか、特定されると良い。(渡邉)

 

30 東海市 緑水クラブ  一人あたり158,870円(73.50%)

アンケート回答の有無 無

  【東北地方への視察は旅行ですか?

7月16日〜18日にかけて、山形県寒河江市、米沢市、新潟県長岡市に、1月19日〜21日にかけて山口県柳井市、広島県呉市、島根県出雲市に視察している。

   山形、新潟への視察については、現地にての視察に要した時間がそれぞれ2時間しかなく、移動に大半の時間を割いている。また、報告書をよんでも、視察理由が明記されておらず、また8人という大人数で視察に向かったのは遺憾である。

長岡では、米百俵の精神を勉強したとのことだが、必要性が全く分からない。個人の興味としか思えない。また、人材教育の取り組みについても、東海市との比較、東海市自身の現状が一切触れられていないため、これでは視察した意味が全くないではないか。観光だと疑われても仕方がないだろう。

   山口、広島、島根への視察については、報告書を読むと、東海市への反映についての言及もあり、まだ勉強してきたのがわかる。ただ、2日目については、視察内容は午前中に全て終了しており、もっと充実したものにできるはずだ。また、これについても8人という大人数で行く必要性が見当たらない。

  全体として、観光目的なのでは?と疑われても仕方ない。(河野)

 

31 知立市 公明党    一人あたり156,968円(87.20%)

アンケート回答の有無 有

  【これも知立名物「集団観光旅行」?】

  公明党も社民党と同じく他会派と相乗りし、視察旅行を実施している。会派としての独自のアイデンティティーも見られず、また、視察報告書も視察先の用意した資料、パンフレットのコピーだけというのも市民の理解は得られない。こんな懇親旅行はすぐにやめるべきである。(夏山)

 

32  刈谷市 新政会    一人あたり156,040円(104.03%)

アンケート回答の有無 有

【視察がどのように議会活動に生かされたかはっきりしない】

3名の会派であるが、常に3名プラス他会派議員で視察を実行している。アンケートにも答えていただいているが、視察がどのように議員活動に生かされたかが今ひとつはっきりしない。

たとえば、7月14〜16日に2泊3日の予定で関東方面(千葉市、埼玉県川口市、神奈川県相模原市)に出かけているが、報告書にはその視察で何を感じ、何を刈谷市に生かせるかといった視点が皆無といって良い。また、11月の視察では大牟田市の「石炭科学館」を見学しているが、刈谷市として視察する必要があるのか。観光ではないかとの疑問を呈せざるを得ない。また大多数の議員視察にいえることであるが、今回の視察が本当にそこに行って視察しなくてはならないのか?である。

  視察報告書については参加議員が一部ずつ作成している点は評価できるものといえる。反面パンフレット、資料等丸写しで済むような記述もある。大切なことは自分の所属する自治体行政の問題点を洗い出し、視察をし、いかに感じ、議員活動に生かせるかにかかっている。(夏山)

 

33 津島市 一期一会   一人あたり154,300円(56.11%)

アンケート回答の有無 無

【何しに行ったのかさっぱりわからない】

平成16年2月6日から8日まで北海道の釧路と根室へ視察旅行をしているが、視察報告はおろか、タイムスケジュールすら提出されていない。これでは何をしに行ったのか全く分からない。少なくとも他の会派の収支報告書にはタイムスケジュールが添付されている。政務調査費が公費であることを意識していれば、視察内容くらいは報告すべきではないか。(佐竹)

 

34 東海市 朋友会    一人あたり153,175円(70.90%)

アンケート回答の有無 無

  【視察とは言える内容だが何故そこへ視察を?

    平成15年7月9日〜11日に、北九州市、佐賀市、熊本市へ、平成15年11月17日〜19日にかけて栃木県宇都宮市、千葉県安孫子市、東京都練馬区に視察している。

  2回の視察があったわけだが、どちらも十分な報告書が作られており、東海市への反映などについても言及なされている。また、十分な視察ができなかったものについては、その通りの報告がなされており、好感ももてた。あとは、視察先を選んだ理由が明記されていないため、そこを書いてもらえばなおよかった。(河野)

 

35 知立市 民主党    一人あたり150,950円(83.86%)

アンケート回答の有無 有

  【またこれも「集団観光旅行」?】

民主党も社民党・公明党と同じく他会派と相乗りし、すべての視察旅行を実施している。会派としての独自のアイデンティティーをもたないのか、はたまた精神的に子供のままなのか、なぜ会派、議員として独自のビジョンを持てないのか。投票した市民にも申し開きもできないのではないか。

視察報告書も他会派と同じく視察先の用意した資料、パンフレットのコピーだけである。こんな懇親旅行はすぐにやめるべきである。(夏山)

  

36 犬山市 市民クラブ  一人あたり150,040円(100.03%)

アンケート回答の有無 無

【視察をする必要性が認められない】

調査旅費として3回の視察が行われている。1回は10月15日から17日まで東京都、茨城県、千葉県へ2泊3日で、1回は2月3日から5日まで福岡県、大分県へ2泊3日で、1回は京都市へ日帰りで視察が行われている。3回共会派4人全員が参加している。

政務調査費の100%が調査旅費に支出されている。

税金を使っての行政視察であるから、当然視察の必要性がなければいけないし、どうしてその自治体が視察地として適切であるから明らかにしなければいけない。

必要性については1)犬山市が導入を検討している政策である、2)会派が導入を検討している政策である、のどちらかが必要と思われるが、3回の視察がこれにあてはまるか疑問である。必要であったとしても、遠くの自治体、特に福岡県まで行く必要があったかどうかも疑問だ。近隣の自治体で適当なところがあるはずだ。加えて、視察に行く前に先進自治体から資料を取り寄せて十分勉強会が行われたかどうか、勉強会を行っても尚、視察に行かなければ分からないことがあったのか、市民に明確にしなければいけない。

会派全員が何時もそろっていく必要もない。視察の適正な人数は2〜3人であろうと思われる。そしてもっと多くの視察をする方が良い。こういった点からみて、市民クラブの視察は、会派の親睦旅行であると思わざるを得ない。(近藤)

 

37 知多市 市民クラブ  一人あたり148,584円(90.05%)

アンケート回答の有無 有

【多人数で行く合理性なし】

 8月6日から8日まで7人でさいたま市(3市合併)、桐生市(インキュベーション・オフィスWIND、防災住宅)、下館市(市民協労の町)に出かけている。しかしその報告書は1通しかなく、その内容は訪問先で説明を受けたことや質疑をまとめたもので、7人で出かける必然性がない。一人で出かけていっても同等の成果が上がると考えられる。6人分の調査費が無駄に使われているというほかない。また、2月2日から2月4日まで6人で、水俣市(環境)、鹿児島市(防災)、宮崎市(中核市・児童クラブ)に出かけている。報告書は1通であるが、最後に視察を終えての感想を各議員が書いている。感想を読んでみたが、ないよりはましという程度で、これも6人そろって出かける必要性があるとは思えない。

 後日たずねたアンケートに、少人数での視察をしなかった理由として、次のような内容の回答をしている。

・ いろいろな視点・角度からの視察となり、実りが多い。

・ 全会員の統一行動による視察によって、意思疎通も図られ、視察先において予定時間を超えるほど活発な意見交換や質問を行っていることから、少人数での視察は考えていない。

 回答にあるような効果が多少はあるかもしれないとしても、公費を7倍使うだけの理由としてはとうてい認められない。一人会派の議員には一人で視察し、一人で報告書を書き、議会活動に活かしている人もいる。そんな議員と同じ能力があるなら、7人の議員が7カ所の視察をした場合の方が7人で1カ所を視察した場合より、政務調査費が有効に使われたと言える。

 このように考えると、市民クラブの回答に説得力はない。

 市民クラブが、視察先として遠方を選んだ理由もよく分からない。105万人のさいたま市が誕生した合併協議が知多市の合併の参考になるのであろうか。また、鹿児島市の防災情報システム、宮崎市の放課後児童クラブなど視察しているが、防災システムや放課後児童クラブを導入しているところはもっと近くにいくらでもあるし、視察に出掛けなくてもできる情報収集方法がある。そういう研究を尽くした上で視察先がここしかないと言うのであれば説得力があるが、旅行先が先に決まって視察目的が後付けされたとしか理解できない。(岩脇)

 

38 知多市 明和会    一人あたり148,438円(89.96%)

アンケート回答の有無 有

【これも多人数で行く合理性なし】

8月4日から6日まで7人で狛江市(児童館)、塩尻市(地域防災)、駒ヶ根市(シルクミュージアム)を視察している。

   1月27日から29日まで7名で那覇市(ぶんかテンブス)、沖縄市(福祉文化プラザ)、石川市(ビオスの丘)、糸満市(平和記念資料館)を視察している。内2人が公務のため帰路を予定変更し、福岡空港経由で名古屋空港に帰っている。

  2月23日には7人で可児市を視察している。

  仲良く?いつも7人で出かけているが、報告書は一人で書ける1通のみである。6人分の視察費用が無駄に使われている。

  市民クラブと同じ計算方法を当てはめると、8月の狛江市など視察で371,520円、1月の沖縄視察で503,320円、2月の可児市視察で18,000円が無駄に使われた。会派の合計返還額は892,840円である。

  後日たずねたアンケートに、少人数での視察をしなかった理由として、次のような内容の回答をしている。

・ 行政視察には準備が必要で、その負担を少なくすることが肝要だ。

回答にあるような準備に手間がかかることは事実であろう。しかし、市民クラブへのコメントに書いたとおり、一人会派の議員と比較すれば無駄遣いと言わざるを得ない。

  明和会が、視察先として遠方を選んだ理由もよく分からない。那覇市で中心市街地活性化への取り組みを視察したとアンケートに書いていた。しかし、中心市街地が勢いを失う現象は日本全国いたるところで見られる。なぜ沖縄でなければならないのか。なぜ中心市街地だけを活性化したがるのか理解に苦しむ。

  なお、アンケートの回答に追記として、高額な政務調査費を支給されている愛知県議、名古屋市議の調査が必要との点には賛成である。(岩脇)

 

39  岩倉市 公明党    一人あたり146,010円(97.34%)

アンケート回答の有無 有

【国会議員会館訪問は政務調査?】

調査旅費に関する支出が政務調査費支出の95%を占め、1年間に(兵庫県北淡町、徳島県鴨島町)(諏訪市、塩山市、羽村市)(千葉県市川市)に3件の政務調査旅行をおこなっている。復命書及びアンケートの回答で、諏訪市や北淡町等の視察内容は概要が報告され、一般質問にも用いられているとのことであるが、15年7月2日から3日にかけての市川市の視察については何の報告書もない。

この千葉県市川市へは「放置自転車の再利用にについて」という視察内容で、政友会、公明党、市民クラブ11名の総勢で、合同行政視察をおこなっている。1日目の午後1時間半程度、市川市役所を訪れての視察を行い、当日東京都内に宿泊し、翌日国会議員会館を訪ねて、帰路についている。

放置自転車の問題が岩倉市の現在の懸案事項である場合ならいざ知らず、放置自転車の再利用の件で、わざわざ合同視察で市川まで行く意味は掴み難い。そこに行かなければ判らないとか会派の活動のテーマである等の視察の必要性が感じられない。特に東京や千葉の視察は日帰りで済むものを、わざわざ東京駅からタクシーに乗ってグランドアーク半蔵門に泊り、翌日はタクシーで国会議員会館訪問をし、タクシーで東京駅から岩倉市に帰るという行動である。これでは放置自転車再利用の視察が主目的ではなく、主目的は国会議員会館訪問に有ったのではないかとも思われる。調査旅費の使途としては疑念を招く部分を含む。(前田)

 

40        尾張旭市 平成クラブ 一人あたり145,816円(106.05%)

アンケート回答の有無 有

【多人数での遠方への視察は評価できない】

積極的に視察を行っている。近隣の日進市に視察し、詳細な報告書を作成している点は、大いに評価すべき。しかしその一方で、平成16年1月26日から28日まで指宿市・八代市に7名で行った視察やその年の2月22日〜2月24日まで8名行った香川、徳島の視察などは、本当にそこに視察に行く必要があったのか、疑問の残る視察である。多人数で視察をしている点も評価できない。(新海)

 

41 江南市 江政クラブ  一人あたり145,682円(97.12%)

アンケート回答の有無 有

【なぜ、大勢で出かけるの】

11名の議員で構成する会派、江政クラブは、政務調査費の96%を調査旅費に使っている。1年間に(東京足立区)、(山形市、福島市、白石市)、(高山市、富山市)に3回の政務調査旅行を、常に11名の全員で打ちそろって行っている。

視察報告書によれば、行政視察した各市の財政規模など江南市との概要の比較をおこない、構造改革構想や電子市役所推進計画など先進地調査を行っていること、日帰りで済むものは日帰りで行い(東京足立区調査)、宿泊を要するものでも視察日程を十分に使いこなして2箇所の調査をするなど(高山市、富山市)、評価できる部分があるが、なぜ11名もの総勢で遠足のように行政調査に行くのかとの疑問は生じる。

アンケート回答で、視察項目、目的を、会派の総会で選定していること、総勢で出かけることは、共通の課題として問題意識の高揚や知識の習得を図るのに合理的であるとの理由を付している。しかし、江南市が置かれている問題点や改善点の検証を行うためなら、視察目的である「構造改革特区」、「空き缶等散乱防止」、「電子市役所推進計画」、「借上型公営住宅制度」、「生ゴミ資源化事業」、「横丁整備」、「放置自転車処理要綱」などの視察項目を、同一の内容でいくつかの自治体に2〜3名程度でおこない比較検討することこそ合理的なのではないか、それでこそ、多数の議員を擁する会派の特徴がだせるのではないかと考えられる。(前田)

 

42 犬山市 新生会    一人あたり143,625円(95.75%)

アンケート回答の有無 有

【税金を使ってまで行く必要性があるのか疑問】

収入に対する県外調査旅費率は95,75%であるが、支出総額に占める県外調査旅費率は100%である。

政務調査費は旅費に使うものであると考えているように思えるが、政務調査に関して、調査研究、資料購入、資料作成等、広い分野に亘って使われることが望まれる。

又、10月と2月の視察は公明クラブ(2人)との合同視察(総勢6人)であり、視察の適正人数は2〜3人程度であり、多人数で行くのは観光旅行又は親睦旅行であるとの疑いが強い。6人の視察を2人ずつで行えば3倍の視察が可能であり、はるかに多くの視察研修の実が挙がる筈だからである。

次に、なぜそこに行くのか、視察目的、調査事項が、今の犬山市の政治課題、行政課題とどの程度関わりがあるのか、が不明である。現在は、インターネットによってかなりの事まで調査可能である。事前の調査では分からない為どうしてもその地まで行く必要性があることを視察報告書ではっきりさせてほしい。(近藤)

 

43 犬山市 公明クラブ  一人あたり142,330円(94.89%)

アンケート回答の有無 有

【これまた税金を使ってまで行く必要性があるのか疑問】

収入に対する県外調査費率は94,33%であるが、支出に占める調査旅費総額は100%であり、政務調査費の支出は全て旅費である。

政務調査費の使途についての意見は、新生会に対するものと全く同じである。(近藤)

 

44 春日井市 市民連合  一人あたり141,800円(42.97%)

アンケート回答の有無 無

春日井市事業計画と比較してコメントを述べている、その点は良く勉強している

報告書をみるかぎり、春日井市事業計画と比較してコメントを述べている。その点は良く勉強しているといえる。

ただ、調査参加人数は4人から5人である点はいただけない。調査は極力少人数で行い、その結果を会脈にもちより勉強会を開く方が賢明であると考える。(松元)

 

45 知立市 市政会    一人あたり141,423円(84.13%)

アンケート回答の有無 有

  【知立名物、「集団観光旅行」?の中心会派】

  50位までに市議団4会派がランクイン、この会派が中心となり、定番のごとく夏季は北(北海道、青森)へ、冬季は南(九州、四国)へ、『全国都市問題会議』出席とはいえ、秋は飛騨(高山市)への視察旅行を実行している。会派を超えて多人数でのまさに観光旅行である。視察旅行の中身についても、まったく市政規模の違う札幌市の「防災センター」を視察したり、観光旅行と指摘されても致し方ないものである。また、留辺蘂町の一般廃棄物最終処分場『PFI事業』の調査にしても何も北海道まで行かなくても、いくらでも近くで調査できる問題である。下関市まで行っての『電子入札システム』についての調査にしても然り。すべての会派にいえることだが、相変わらず多人数の視察旅行になっている上に、すべて他会派と相乗りし、知立議員観光旅行団と指摘されても仕方ないではないか。さらに、視察報告書も視察先の用意した資料、パンフレットのコピーだけというのでは市民の理解は得られない。資料を送ってもらえば事足りる。そのうえ、視察が市政に反映されている気配がない。大半の視察が観光旅行のついでに、正当性を持たせるために「視察」を入れたというべきだろう。(夏山)

 

46        春日井市 平成クラブ 一人あたり141,160円(42.78%)

アンケート回答の有無 回答拒否

市議会議員特別セミナーの報告書が無いのはあなただけ

自民クラブ、公明党、平成クラブは第10回市議会議員特別セミナーに研究研修を実施している。そこで党派の違う人達が同じ研修を行なった。平成クラブだけ、報告書がみつからない。報告書を出して欲しい。(松元)

 

47 豊明市 新生会    一人あたり137,500円(100%)

アンケート回答の有無 無

【会派での親睦旅行であると思わざるを得ない】

政務調査費の100%が視察研修に使われている。市政会に対しても同じ指摘をしたが、政務調査費の使途は視察研修旅行しかないのだろうか?

視察研修は2回行われており、1回は青森県、岩手県、秋田県への2泊3日の視察、1回は静岡県へ1泊2日の視察である。

視察項目について事前に先進自治体から資料を取り寄せて十分勉強したうえでの視察であったかどうか、青森県まで行かなければ近くの自治体で視察するところがなかったのか、視察の目的が豊明市の政策に入っているのか、新生会の政策に入っているのか分からない。ただ単に知識を広める為だけに行くのであれば個人のお金で行くべきである。税金を使う事はいけない。

又、2回共会派全員で行っている、市政会でも指摘したが少人数でもっと多くの政策について視察すべきである。全体として、会派での親睦旅行であると思わざるを得ない。(近藤)

 

48  豊明市 市政会    一人あたり137,500円(100%)

アンケート回答の有無 存在せず?

【大切な税金を使って行くことを重く受け止めてほしい】

政務調査費の100%が調査旅費に支出されている。ここも政務調査とは視察旅行しかないとお考えのようである。

市政会の視察研修は2回あり、1回は北海道への2泊3日の視察と1回は静岡県焼津市への1泊2日の視察であるが、視察項目を見ると果たして北海道や静岡まで行く必要性があるか疑われる。愛知県内の自治体でもこれらの政策を取り入れている所もあると思われる。特に北海道まで行かなくても近くの自治体で視察できるところはいくらでもあるはずだ。

又視察に行かなくても先進自治体から資料を取り寄せたり、インターネットで調べる事も出来る。どうしてそこの自治体へ行く必要性があったのか、市民に知らせるべきである。又2回の視察共会派11人全員が参加しているが、視察の適正な人数は2〜3名と思う。11人の会派が2〜3名で視察を行なえば4〜5箇所の視察も可能となり、より多くの効果が期待出来る。11人の会派全員でぞろぞろ行くのは親睦旅行である。大切な税金を使って行く事を重く受け止めてほしい。(近藤)

 

49 東海市 市友会    一人あたり137,163円(63.50%)

アンケート回答の有無 無

【夏の東北旅行。報告書の内容が空疎だ】

平成15年7月9日〜11日にかけて、岩手県北上市、大船渡市、釜石市に、平成16年1月21日〜23日にかけて、奈良県橿原市、和歌山県海南市、田辺市へ視察している。

いずれの視察についても、報告書が、ただただ驚きの連続である、とか、親近感がもてるなど感想文の域を出ない。内容的にも、下調べで十分得られる情報ばかりの羅列だ。ネットでもこれ以上の情報を容易に用意できる。わざわざ視察にまでいく理由が理解できない。生涯学習センターの視察についても、交通機関が遅れたため苦慮されたとあるが、本当に視察したのか?というレベルの報告書だ。また、1日に視察場所は一ヶ所であるし、さらにタイムスケージュールの記述も一切ない。9人という大人数でいく理由も全く見当たらない。視察ではなく観光というほかない。(河野)

 

50 半田市 民主クラブ  一人あたり135,347円(65.62%)

アンケート回答の有無 無

【地震に対する危機感のない奥尻島の視察は、残念!】
支給額の66%をつかって10月22日〜24日に岩手県水沢市、北海道奥尻町に視察に出かけている。岩手県水沢市では子育て支援事業を、奥尻町では地震防災対策を視察している。
水沢市については、水沢市ならではの特徴を意識した視察がなされている。問題はその後、奥尻町まで足を伸ばしている点である。
奥尻町が平成5年の北海道南西沖地震後地震防災について積極的に対策に取り組んでいることは誰もが知る事実である。しかし奥尻町は半田市と産業構造も地形も異なる。したがって、奥尻町の取り組みを半田市の防災対策に役立てようとするのであれば、奥尻町の取り組みのうち、半田市で活かせるものを事前に抽出し、調査することが求められよう。ところが、残念ながら、民主クラブの視察にはこのような予習が全く欠如している。報告書には「半田市での対策は山積している」「住居地域の形状から個々に応じた防災対策の必要を考える視察であった。」との他人事のような感想が記されているが、「住居地域の形状から個々に応じた防災対策の必要を考える」ことなどは視察に行かなくてもわかるはずだ。山積している課題を抽出して視察する態度こそ重要なのに、いつ来るかもしれない東海大地震に対する議員さんの危機意識のなさを感じてしまうばかりだ。残念!!(新海)