住民監査請求 意見陳述書要旨
 
2005年6月30日
請求人 内田隆
 
昨日からの新聞記事にもありますように、自民党の共通経費に関する疑惑はますます深まっております。しかしながら、領収書が各会派に保管されており、市民には全く公開されない中では、立証することが大変難しいです。是非とも監査委員にしっかりとした監査を行ってもらいたいものです。今回は監査委員がどの程度出来るか、ということについて話させて頂きます。
まず、自民党の領収書を調査すべきです。また、自民党の政務調査費を管理している通帳を調べれば、金の流れが明確になるはずです。通帳は普通は紛失することはないので、万が一通帳がなくなっていれば疑惑はさらに深まります。
 
今回、住民監査請求にあたり、各地の住民監査請求の事例や、政務調査費の領収書公開状況・使途基準作成状況を調べました。特に仙台市・札幌市・鳥取県・長野県・岩手県について述べたいと思います。
仙台市で平成14年9月6日に住民監査請求が行われた際は、監査委員は、法第199条第8項の規定に基づき,政務調査費の調査権限のある議長に対して、どのような調査を行ったのかを文書で質問しております。名古屋市監査委員もせめて同じくらいはして頂きたいです。
また、札幌市で平成14年5月17日に住民監査請求が行われた際、監査委員が議会の政務調査費の取扱があまりにもずさんであることに衝撃を受け、2点要望しております。
(1)札幌市議会議長においては、条例第8条に規定する調査権を最大限に行使すること。
(2)札幌市長においては、早急に、政務調査費の支出状況の管理・公開体制について検討の上、必要な改善を実施すること。
その後、札幌市監査委員は政務調査費について随時監査を行いました。監査委員の意見として6つ挙げられております。
(1)   政務調査費の使途要綱を設けることが望ましい
(2)   事務所運営費として政務調査費を使用する場合、負担区分を明確にした契約書を取り交わして明確化すべき。
(3)   会派関係団体との共同調査についても、契約書で負担額等を明確化すべき
(4)   政務調査費専用の預金口座に親睦会的な収支が混在している事例が認められた。また、口座が複数のこともあった。専用口座には政務調査費以外は混在させるべきではない。複数口座も望ましくない。
(5)   支払証明書は望ましくない。
(6)支出計画をつくることが望ましい。
札幌市ではその後政務調査費の具体的使途を定めたマニュアルを作成し、また5万円以上の領収書を添付して議長に提出するよう条例改正しました。
 
政務調査費に関して領収書を公開しているのは都道府県では6県(岩手・宮城・長野・京都・鳥取・高知)と政令市では5市(札幌・埼玉・静岡・京都・福岡)になります。そのなかでも、鳥取県は領収書の写しを代表監査委員に提出することにしています。わざわざ議会に監査に出向かなくてもいいという点を指摘したいと思います。また、具体的な使途基準を定めているのが10道県(北海道・青森・岩手・福島・栃木・千葉・長野・奈良・和歌山・鳥取・熊本)と3市(札幌・神戸・福岡)になります。特に充実したマニュアルを持っている長野県と岩手県について資料を提出致します。岩手県は領収書が公開されていますが、監査委員が定期監査のなかで政務調査費の財務監査を実施しました。それくらいは監査委員のやる気があればできるということです。
 
資料
・新聞記事一式(2005.6.29−30)
・47都道府県・14政令市の政務調査費 領収書公開・使途基準作成状況
・札幌市 平成14年5月17日請求 住民監査請求監査結果
・平成14年度随時監査報告書(札幌市)
・岩手県議会 政務調査費の事務処理マニュアル 平成15年6月
・長野県