名古屋市民オンブズマン                        第104号 2001年8月7

  第8回全国市民オンブズマン京都大会 
 
 第8回全国市民却オンブズマン京都大会
 オンブズマンの全国大会は今年で第8回を迎え、8月4・5の両日、京都の立命館大学衣笠キャンパスで開催された。詳細は「タイアップニュース105号」に特集します。
──────────────────────
止めて良かった大阪オリンピック
 愛知万博もゼヒ止めよう!!

 IOCから交通手段と財政面での問題を指摘されていた大阪オリンピックは第1回投票で早々に失格。これはそのまま愛知万博への警鐘である。コンセプトだ、テーマだと実りのない議論をする前に、輸送面では 半年間で1500万人をどうやって運ぶのか? 平均して1日8.2万人、これから作る予定の東部丘陵線は1日3万人しか運べない。残りの5万人は満員バスで500台、集中する日には5倍の来場者としてバス2500台分を捌くあては無い。BIEの懸念は解決されていない。
県財政は 愛知県財政課で県財政の見通しを聞いた。県の「財政中期試算」(平成12年8月作成)では、県税収入が毎年2%伸び、県債を毎年約3千億円発行、人件費の伸び毎年1.2%と仮定して、現在は県債発行によってようやく収支償っている収入と支出の差、つまり赤字は、今後毎年増え続け平成16年度には1700億円の赤字になるという。これが当の財政課の試算である。
 17年以降については「未策定だが、赤字が減る可能性は考えられない」そうである。しかもこの試算には、万博・空港への出費は含まれていない。この台所事情で万博を開く資格があるだろうか?
 いまは誰かが「万博を止めよう」と言わなければならない瀬戸際に来ている。
 われわれは政治的中立を信条としてきた。しかしここに至って、万博賛成反対という立場ではなく、税金のムダをなくす、将来の県民負担を少なくする立場から、是非万博を止めようと主張する。
──────────────────────
──────────────────────────── 
万博文書の一部非公開は不当と提訴 名古屋市民オンブズマンは1日、愛知万博協会を監督する経済産業省中部経済局(名古屋市)を相手に、文書の一部不開示処分の取り消しを求める訴訟を名古屋地裁に起こした。
 オンブズマンが今年4月、中部経済産業局に万博協会の長期借入金に関する文書の公開を請求したところ、同局は「万博協会の正当な利益を害する」として借入先金融機関名や、万博運営費の収支予測を記入した部分を不開示とし、文書を黒塗りして公開した。
 万博協会の借入先や収支予測は、万博の実施計画について見直しなどを提案する上で重要な情報であり公開は当然。公表して害される協会の利益とはいったい何なのだろうか。
──────────────────────────── 
 名古屋市 タクシーチケットを破棄
  
外務省事件と同根の疑い濃厚 
 名古屋市市長室の1月分タクシーチケットの破棄を受け、改めて公開請求した市長室秘書課・緑政土木局総務課・交通局が今年4月に使用したタクシーの請求書・支出金調書などの文書公開を求めたところ、請求書に添付された使用済みタクシーチケット(以下チケット)については「破棄したため文書不存在」と回答があった。
 市側の見解では、「各部署の担当者が請求書の内容と使用済みチケットを照合してタクシー乗車区間明細を作成後、廃棄している。チケットは公開すべき行政文書に相当するが、文書管理規定にある廃棄期限では1年未満で廃棄する文書であって、照合後の廃棄は正当。」ということのようである。
 問題は三点ある。
 第一点は、担当者が作成している「タクシー乗車区間明細」には、チケット番号と乗車区間しか記されておらず、誰が何時使ったのか判らないし、乗車区間も「中区・中区」といったおおざっぱなモノである。チケットには具体的な町名等が書かれていたはずで、このような杜撰な請求で支払いが行われていることが驚きである。
 第二点は、チケットが破棄されていては、監査のしようが無い事である。これではチケットでクーポン券を購入して現金化してもバレようがなく、職員にウラ金を作れと言っているに等しい。まさに外務省と同根。このような場合、常に「職員をそのような目で見ることはあり得ない」との言い訳があるが、性善説で済むなら監査委員は要らない。「書類が適法に揃っていればOK、監査は不正をチェックするものではない」というのは本当か。ぜひ監査委員の見解を聞きたい。
 第三点は最も重要で、「破棄しました」が流行することである。支払い請求の書証まで保存期間1年未満の書類として破棄されるならば、怪しい書類はすべて破棄すればよく、情報公開制度は破綻する。
 今回のタクシーチケット破棄などは、民間なら少なくとも3年は保管義務とされるチケットが、照合済みとして1ケ月で破棄されているという信じられない事件で、これが許されるなら官官接待は愚かなこと、ウラ金作りなど思うままである。当然何らかの決着が付けられねばならない。
 そして、さらに問題なのは、「破棄で不存在」が安易に通用すれば、情報公開そのものが破棄されてしまう、まさにに情報公開に対する造反である。
──────────────────────────── 
 
黒塗り公用車のムダを無くせ 第2弾
 
7月5日愛知県議会議長に申し入れ
 前号では名古屋市長に対する黒塗り車の削減申し入れを伝えたが、今度は県議会事務局にある14台の運行をチエック、殆ど必要性が認められないので、全車両の廃止を申し入れた。また、同時に議会が率先してムダの排除に努めると共に、知事部局に対しても削減を提言するよう進言した。
 また、知事部局には50台ほどの黒塗り車があり、改めて全車両の運行記録を精査することにした。


ホームページにご意見や情報を!
 オンブズマン・タイアップグループではホームページを開設しています。
 月1回発行のタイアップニュースよりもHPのほうが詳細迅速に情報を載せています。是非ご覧下さい。
 また、ご意見や情報、ご感想をメールでお寄せ下さい。
  
ホームページアドレス− http://www.ombnagoya.gr.jp
  e-メールアドレス− ombnagoya@ombnagoya.gr.jp

日程名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ01年8月以降
時 間 内     容 場   所
18:30 火曜会・ニュース104号発行(21日発送) リブレ法律事務所
14 火曜会休み
10 14:00 万博中止アピール発表 県記者クラブ
21 18:30 火曜会・ニュース105号発行・発送 リブレ法律事務所
28 13:20 名古屋市塩漬土地情報公開訴訟 公判 名古屋高裁1003号法廷
28 18:30 火曜会 リブレ法律事務所
18:30 火曜会・ニュース106号発行・発送 リブレ法律事務所
10:00 上下水道談合訴訟 判決 名古屋地裁1101号法廷

  ◇郵便振替口座:名古屋市民オンブズマン・タイアップグループ 00870-9-105687 (会費振り込み用)
  ◇ホームページアドレス:http://www.ombnagoya.gr.jp 全国のオンブズとリンク
──────────────────────────── 
*タイアップニュース自身のニュース* タイアップニュース創刊以来6年間にわたり書き続けていた、自称勝手事務局のS氏が転勤のため絶筆の止むなきに至りました。氏の個性ある文面と手書き文字が見られないのは残念ですが、それ以上に氏に匹敵する後継者がいません。
 今後は、逃げ腰事務局・K,M,Sその他の合作で続けていくことになりました。
 引継不十分などで、送り先その他に問題がありましたら、お手数ですがお知らせ願います。
 なお、記事はほとんどホームページに掲載し、ニュースより先行します、出来るだけHPをご覧ください。

◇ 郵便振替口座 :名古屋市民オンブズマンタイアップグループ 00870-105687   会費納入用)
 103号に戻る