名古屋市民オンブズマン        第152号 2005年5月17日
タイアップ NEWS
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名古屋市民オンブズマンタイアップグループ機関誌1995年10月25日第1号発行
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領収書公開のため条例を改正せよ!
政調費問題もう待ったなし
 名古屋市会の自民党(前)議員団長が、病気中の同僚議員の政務調査費を勝手に金庫から持ち出したり、自派議員の積み立て政務調査費を架空の領収書で引き出したりして問題になった。
 もう許せない。なにが「公明正大にするのが当然、深くお詫びする(記者会見で当の団長の発言)」だ。
謝って済むことか。もう言い訳は聞きたくない。
 事件は当事者の謝罪で足りるような問題ではない。謝れば済むなら警察は要らない。
 新市議団長は「改革小委員会」を作ると言いながら、領収書公開について、なぜ明言を避けるのか。「団長として意見を言うと意見を縛るので発言を控える」?
 「システムに問題がある」というのが本気なら、自ら改革の方針を明示して委員会に付議するのが団長の権威権限ではなのか。
 問題解決の方法はただ一つ、われわれが再三再四申し入れているように、条例を改正して、政務調査費の領収書類を議長が保管し、情報公開の対象とする以外にない。
刑事問題化は本質を見失う
われわれが求めているのは「政務調査費領収書公開」だ
 今回の行動には刑法上の問題があるのではないか、といわれる。 たしかに、他人名義のカネを金庫から持ち出したというのはただごとではない。だが、告発は警察や検察の仕事だ。
 われわれの求めているのは、あくまで「政務調査費領収書公開」だ。告発等の行動で一議員の問題に矮小化しては、元も子もなくなってしまう。
 ここは、言い続けてきた「政務調査費公開」問題を一気に解決するいわば千載一遇の好機だ。
すでに政令指定5市(札幌・さいたま・静岡・京都・福岡)と
名古屋市以外の県下31市はすべて領収書公開だ
なぜ名古屋市議は領収書を公開出来ないのか?
 政調費は「会派の政務調査」にしか使うことが出来ない。選挙関連はもとより、政治活動とか政党党務には当然使えない。議員個人の政務調査もだめ。
 それで月々55万円をどのようにつかっているのか?公表出来ない使途につかっているのではないか?
 多すぎて使い切れないのか?

名古屋市会愛知県会に公開質問状提出
5月27日までに議長・議員の回答を求める
 名古屋市民オンブズマンは5月13日、名古屋市会と愛知県会の議長及び各会派宛、政務調査費の使途を情報公開の対象とするするため、政務調査費領収書等を議長保管とするように条例を改正する意志の有り無しを問う公開質問状を提出した。5月27日までに回答するよう求めた。
もう一度載せます「札幌政務調査費判決」
1.政務調査費は調査研究に必要な経費であっても、会派の行う調査研究でない場合には認められないー
2.政務調査費が、第2の議員歳費であってはならないー
2004年10月20日 札幌高裁判決

名古屋市内ある町内会での出来事
 某町内会で会費値上げが話題になり、町内会費から上納されている、学区費・社寺費・共同募金が問題にされた。会費の相当部分を占めるこれらがなければ値上げは不要というわけだ。
学区費決算書提示への回答は、
 各町内会からの収入約225万円が支出とされ、学区区政協力委員への16万円など24項目への支出金額約198万円が記載されてきたが、繰越金の処理を含む収支決算書といえるものは現れなかった。
社寺費についての回答は驚くべきもので、「文化財としての社寺の修繕費等に活用されているので、もし詳しく知りたいときは直接社寺にお尋ね下さい。」とあったが、聞きに行くべき社寺名などについては知らされなかった。
 そう言えば、熱田神宮と護国神社への献金が支出されている学区もどこかにあった。
共同募金への一括支出は、「募金封筒を廻してもお金は集まらず、役員が苦労するばかりというのが現実」と、募金が個人からの醵金が原点であることには関係なく、ただ割り当て消化、のみが関心事。
 こんな認識の学区協議会、これを「わずかなことで済むならまあいいか」ですませる市民。
 学区協議会の役員とはそうとうエライ人だそうで、なりたい人も多いらしい。なにしろ市会議員が挨拶に来るとか。
 これらを相手の市当局はさぞ大変だろうと、いささか同情したい心境にもなろうというものだ。

補助金問題の解決は統一例規の制定しかない
区政協力委員会補助金問題
市長が市職員の文書改竄を認めた
36区政協力委員会に補助金帳簿無し
 区政協力委員会への補助金に関し、平成14年度と15年度の年度決算書に、数字の改竄と繰越金などの不整合があった問題で、名古屋市民オンブズマンは市長宛に調査申入書(回答書の後に記載)を提出していたが、前回の第1回回答(4/18、HPに掲載)に続き、4月28日、下記のような回答があった。
 今回の回答は、申入れ全事項にについての調査の結果ということなので、最終回答であろう。

市長回答書(要旨) (平成17年4月27日 名古屋市民オンブズマン宛 名古屋市長 松原 武久)
2005年3月24日付で申し入れのありましたことにつ きましては、下記のとおり回答させていただきます。
 1.千種区職員の文書改竄の疑いについて
  学区から予算書・決算書が提出された後、区役所職員が改ざんしたことは事実であった。
   学区の地域活動事業実施には多くの費用がかかり、区政協力委員会運営補助金に残額が生ずるとは考えられないという思いが改竄の原因である。
 2.繰越金の不整合が22学区にあるなどでたらめな決算書に対す見解
   全学区の調査結果は別添のとおり
           (として添えられた表の要約)
○不適正事項の主な内容は



 
不適正事項の内容 件数
次年度繰越金と前年度繰越金の不致 21
市補助金から繰越金が発生している 13
その他の不適正事項合計 51
 
これらの問題にかかる市長見解(4月11日付)
  補助金制度の一部に不備がありましたので、今後明・公正で簡素な制度の確立運用に努めていきます。                
3.補助金等交付規則を期限を定めて制定すること 
 統一的な基準について検討していきたいと考えいる(財政局が担当)        

 回答全文および申入書は、http://www.ombnagoya.gr.jp/dekigoto/050428kaitou.doc
 申入書は、http://www.ombnagoya.gr.jp/dekigoto/050428mousiire.doc
やはりここでも例規の不備が問題だ
「改ざんしたことは事実であった」と市長が平気で言うのだが、まるで他人ごとのよう。
 公用文書を改竄して、それで済むのでしょうか?「補助金に残額が生ずるとは考えられないという思いが」あれば改竄も致し方ないと言うことか。
 本当は残金が出ないように「指導」してきたことの証左以外の何者でもない。
「関係帳簿が無く・・」 他の複数学区の調査で、委員会に帳簿がなく、解明不能等というが、そういうところへいままで数十年、補助金が垂れ流されてきたというわけだ。
 外部監査によれば、名古屋市の補助金は年間555億円という。 しかも市当局はこの補助金金額さえ把握していない。
 あらためて、外部監査で強く指摘された総括的な「補助金等交付規則」制定が是非とも必要であると指摘せざるを得ない。
 例規制定申入れに対する市長回答は「統一的な基準について検討していきたいと考えいる」と誠に通り一遍、木で鼻をくくったとはこのようなことを言うのだろうが、つまりは適当に回答してお茶を濁すつもりだろう。
 この外部監査の実施には、莫大な監査費用が支払われていることをお忘れ無く。
 監査意見書の放置は職務怠慢になりますよ。
 なお、名古屋市以外の殆どの政令市では、「補助金等の事務取扱に関する規程」「補助金等交付規則」「補助事業検査規程」などを制定しているし、広島市では補助金制度検討委員会が鋭意検討中の模様だ。

区役所・消防署に黒塗車は必要か
名古屋市消防局黒塗車の運行
名古屋市消防局には、本庁・消防学校と各消防署に黒塗り乗用車がある。今年3月の運行調査では総台数は21台で1ヶ月間に合計279回走行し、走行距離は5,348kmであった。
 3月の開庁日は23日だから、1台あたり1日0.6回の出庫で11.1km走ったことになる。いかにももったいないように思うのは、僻み根性だろうか。
 なお、消防署の記録簿は「消防機械器具使用記録簿」である。
 つまり黒塗車も消防機械器具というわけだ。
 ガソリン代は消防活動費から支出されている。
 記録されているのは走行距離だけで、他部署の運行記録のように使用者も行き先も使用時間も記載されていない。
 いずれにしても消防署の、しかも消防機械器具としての、黒塗り車はなんのための存在なのか?
  月間走行回数 月間走行距離
21両合計 279 5,348km
1台あたり 13.3 254.7km
1台1日当た 0.3 11.1km
 
区役所の黒塗車運行は
 名古屋市16区のうち、昭和・瑞穂・天白を除く13区に黒塗車がある。
この13両の平均運行状況「1日1・2回、1回で18km位走る」は、ごく一般のマイカーよりも少ないのではないか
  出庫回数 運転時間 走行距離
13台合計 242 266時間5分 4,444km
1台当たり 20.2 26時間39分 40.4km
開庁日の1台平均   1時間10分 17.6km
*運転時間は中・緑区を除き、走行距離は  千種区を除く。いずれも台あたり計算で  はこれを除いてある。
 
名古屋議会事務局の黒塗車
議長車 副議長車 75−22号車 89−81号車
出庫回数 運転時間 走行距離 出庫回数 運転時間 走行距離 出庫回数 運転時間 走行距離 出庫回数 運転時間 走行距離
52 51:05 893 33 45:20 1001 15 20:50 480 15 16:20 286
 議会事務局黒塗車4両の3月中の出庫回数は115回、合計走行距離 2,660km
 1両当たりでは、月間 29回 665km走行。 1日に 1.3回出庫し約30km 走るということになる。
正副議長は交通費二重取り?
正副議長用車は殆ど送迎が主用務。
正副議長はたしか登庁のたびに、1万円の費用弁償を受けているはずだが、これって二重取り?
議会・区役所・消防署、まったく無縁のようなこの三者に共通するものは、慣行とステータスシンボルという、正に官庁感覚そのものと言うこと
今時、このような条件で黒塗車を抱えている民間企業があるだろうか?走行状況を見れば論ずるまでもなく廃止対象だ。
 ここに原価意識の欠如がはっきり現れている。出世のシンボルに黒塗り車のお迎えというのも結構だが、原資は税金であることお忘れ無く。 
議員も区長も署長も地下鉄で登庁しなさい、少しは市民の感覚に触れることが出来るでしょう。

 日程 : 名古屋市民オンブスマン・タイアップグループ        2005年5月以降 
時間 行 事 ・ 裁 判 ・ 催 場  所
21 14:30 議会改革・政務調査費・費用弁償シンポジューム 「東別院会館」2F
30 10:00 愛知県議政務調査費住民訴訟判決 名古屋地裁民事9部
24 10:30 塩漬け土地情報公開訴訟 最高裁弁論
27   加藤徳太郎さんと行く愛知万博  
10   第12回オンブズ全国大会(別府)  
毎週火曜日午後6時半から例会・火曜会をリブレ法律事務所(大津橋南100m東側、リブビル6F)で開いています
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