名古屋城 本丸御殿+木造天守閣問題特集

2016年度

17/3/30 文化庁文化財調査官「名古屋城天守閣木造化 必要なら20回でも審議」

名古屋市は17/3/30に第23回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議を開催しました。
(配付資料、議事録はでき次第入手しアップします)
・会議の開催のお知らせ
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170330.pdf

 
名古屋市は、現在2022年12月までに名古屋城天守閣木造化を進める方針で、2017年3月に市議会で基本設計予算等10億円が可決されましたが、それには文化庁の復元検討委員会の審議を3回と想定しています。
・17/2/21 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
 2022年12月完成の工程案(詳細)あり
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170221.pdf

17/3/31読売新聞によれば、オブザーバーとして出席した文化庁文化財調査官は、「前例のない巨大な天守閣のため、3回で済むか、全く保証の限りではない」との見解を示したとのこと。
会議後、「何回で結論を出すというルールはない。必要なら10回でも20回でも審議する」と語ったとのこと。
しかも、文化庁文化財調査官は「予算が付けば計画が進む、という話ではない。石垣や堀を毀損する計画は認められない」と強調したとのこと。

文化庁が許可しなければ、天守閣木造化どころか、現天守閣の解体すらできません。
また、建築許可の関係上、国土交通省の許可も必要です。
木造5階建ての巨大建築物に対し、各種法令を遵守した形で国土交通省が簡単に許可を出すとは到底思えません。

現時点では名古屋市は優先交渉権者の竹中工務店とは契約しておらず、木造天守閣を推進する市長が誕生した場合、名古屋市長選挙後の5月上旬に契約する予定とのこと。

5月上旬に仮に契約したとして、文化庁・国土交通省の許可が下りず、木造天守閣ができなければ基本設計等予算10億円が無駄になるだけでなく、竹中工務店がすでに購入したという数百億円にも及ぶ木材の費用をどうするのかという問題が発生します。
(市と竹中工務店との話し合いの内容の詳細は黒塗りのため不明です)

このようなずさんなスケジュールならびに計画を立てた市も市ですが、予算を認めた議会も議会です。
このような市や議会のあり方に対して、17/4/23投開票の名古屋市長選挙で市民の民意を反映させる必要があります。

・2017年03月31日 読売新聞
 名古屋城の木造天守 また関門 ◆文化庁の審議次第、長期化も◆
 http://www.yomiuri.co.jp/chubu/news/20170331-OYTNT50000.html


名古屋城天守閣木造化 市議会委員会が補正予算を可決

17/3/22名古屋市議会経済水道委員会において、名古屋城天守閣木造化の基本設計等に関する補正予算10億円を可決しました。
・委員会配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170322.pdf
・委員会メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170322-3.pdf
・17/3/22 名古屋市議会経済水道委員会付帯決議
 名古屋城天守閣木造化・空見地区新展示場調査費について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170322-4.pdf

 
修正動議を可決すべき:自民(丹羽市議以外)・民進・公明・減税日本
可決すべきでない:丹羽市議(自民)・共産

今後、優先交渉権者の竹中工務店と基本設計の契約することになりますが、4月23日に名古屋市長選挙があることから、市長選挙後の5月上旬に契約を行うことを竹中工務店が了承したとのこと。

ずっと委員会を傍聴してきましたが、なぜ今日になって補正予算を可決することになったのか全くわかりません。
委員会最中、長時間休憩を行っており、傍聴者のいないところ、マスコミのいないところで議員が何らかの話し合いがなされたものと思われます。

問題は全く解決していません。
年間366万人が50年続くという入場者予測の問題、入場料だけでまかなうという財源フレームの問題、「仮に採算が合わなくても木造化すべき」なのかという問題だけでなく、竹中工務店と市長との話し合いの内容が非公開で市民に説明していない、そもそも木造5階建ては建築基準法違反ではないか、文化庁の許可が下りるのか、「仮設の耐震対策」で本当に国宝になるのかなど、木造天守閣が無事に完成するかどうかすら非常に不透明です。

奇しくも藤沢ただまさ市議(自民)が、「50年後、今ここにいる私たちは誰もいないが、名古屋市は存続し続ける。50年後に向かって名古屋市観光文化交流局の足を縛りをかけた」と述べました。
50年と言わずここ数年以内にも、今回の議決について正しかったのかが問われる場面が来ると思います。
まずは4月23日の名古屋市長選挙が市民の意見を反映する場所ではないでしょうか。


河村市長「名古屋城木造化は仮に収支がよくなくとも必ず推進すべき」表明

17/3/21に行われた名古屋市議会経済水道委員会において、河村市長は名古屋城天守閣木造化について「仮に収支がよくなくとも必ず推進すべきものであると考えている」と文書で表明しました。
・配布資料(当初)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170321.pdf
・天守閣整備に関する市長の考え
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170321-2.pdf
・17/3/21 名古屋市議会経済水道委員会メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170321-4.pdf
 
名古屋城天守閣木造化について、藤沢ただまさ市議(自民)が17/3/17に「客が予想より少なく、赤字になってもやるべきだと市長は考えているのか」「予算案を4月の市長選後にして、新市長の判断にすべきでは」の2点について市長の考えを文書で要求するも、市は文書を提出せず、当初は説明もしませんでした。
藤沢市議から追及されても、「担当から口頭で説明させていただく」と回答。藤沢市議は大激怒し、暫時休憩の後に「市長の考え」が文書で出てきました。
藤沢市議は「市民は、市長が言った『税金を1円も使わない』と思っている。きちんと上記の趣旨を市民に説明すべき」としました。

また、「市長の考え」文書の下にある、「これ以上、ご議決が遅くなる場合には竹中工務店の優先交渉権者としての地位を損なう恐れが生じます」について、市議の質問が集中しました。
市担当主幹は「立場がなくなるわけではない。今の段階では竹中工務店に確認している。ただ、いつまでもご理解を得続けられるか確証がない」という意味だ、としました。

さらに、「木造復元を早期に行うことが耐震対策と認識しています」は、過去局長答弁の「木造化されようとされまいと耐震対策が必要」と矛盾しているのではないかと指摘がありました。

藤沢市議、中川市議からは「4月に市長選挙がある。次の市長がだれになるかわからない以上、現段階で予算を通して次の市長の足を縛るようなことはすべきなのか」という意見が出されましたが、市は「選挙とは関わりなくご議決いただきたい」と繰り返すのみ。
河村市長に対し、民主主義の観点からどう思うか文書で出してもらうよう要求がありました。

現段階で予算を通し、仮に4月に新市長が誕生して契約を破棄した場合、損害賠償などどうなるか、と質問がありましたが、「そのときの契約高で検討する」と答えるのみ。
名古屋市民オンブズマンは、平成28年12月5日に行われた、竹中工務店名古屋支店と名古屋市当局との打ち合わせ記録を情報公開請求したところ、「仮に平成29年4月で契約解除した場合の損害賠償の想定額」が話し合われていたことは判明しましたが、中身はすべて黒塗りでした。
これを公開せずに議会で議論していては全く話になりません。早急に公開を求めます。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161222.pdf


名古屋城天守閣木造化 第5回意見聴取会で2022年12月延期について法律家に意見を聞かず

17/3/17に開かれた名古屋市議会経済水道委員会で、17/2/9に行われた第5回「名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会」には法律の専門家が欠席しており、名古屋市は2022年12月延期の是非について意見聴取会では聞いていなかったことが判明しました。
・17/3/17 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170317.pdf 
・17/3/17 名古屋市議会経済水道委員会メモ(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170317-1.pdf
 
また、土木しか経験がない技術提案・交渉方式を建築分野で初めて名古屋市に紹介したのは、当時の中部地方整備局長の八鍬隆局長であったことも判明しました。

さらに、藤沢ただまさ(自民・南区)市議の「仮に名古屋城木造天守閣に入場者が予想より少なくて赤字でもやるべきなのか」という質問に対し、観光文化交流局長は「文化を後世に残すため、採算ベースに乗らなくても、赤字でもやるべきだと思う」としました。
  
複数の議員から、「4月に市長選挙があるため、今議会で議決をし、新市長が木造天守閣をやめると表明した場合、現在より格段に損害賠償請求のリスクが高まる。今議会では予算を取り下げ、選挙の結果を踏まえて新市長に判断を委ねては」という提案に対しては、「過去、たとえ市長がかわったとしても名古屋市としては木造天守閣事業を行うと答弁した。現在も継続して事業をする考え方を持っている」としました。

名古屋城天守閣木造化に関する補正予算について、2016年6月から10ヶ月近く市議会で議論されていますが、問題は全く解決していません。しかも、空見地区新展示場建設問題を議論する時間が長く、経済水道委員会は名古屋城に関する議論が十分にできていません。

今後、3/21(火)10時からと、3/22(水)10時からの経済水道委員会の議論を経て市議会としての意思決定を行うことになります。
これまで議会として指摘してきたことはいずれも未実施です。
 ・需要予測に関して第三者に調査依頼→未実施(やり方の当否のみ聞くも、完成5年後以降は漸減傾向が現実的と指摘される)
 ・資金計画に関して第三者に調査依頼→未実施
 ・プロポーザル事業の公平性の観点から評価委員の意見を再聴取→聴取会で聞かず
議会の指摘を全く無視してきた名古屋城天守閣木造化事業を議会が認めるとしたら、議会の存在意義を自ら否定することになります。


17/3/15 名古屋城天守閣木造化 日本総研「追加投資(魅力向上)による底上げ」が前提

17/3/15に名古屋市議会経済水道委員会が開催され、日本総合研究所が作成した「名古屋城天守閣木造復元事業に伴う名古屋市入場者数予測結果の評価業務報告書」が提出されました。

17/3/15 名古屋市議会経済水道委員会資料 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170315.pdf 
日本総研作成 名古屋城入場者予測評価報告書 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170315-2.pdf

17/3/15 名古屋市議会経済水道委員会メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170315-3.pdf

2022年に名古屋城木造天守閣ができたと仮定した場合、5年後の2026年以降、名古屋市は366万人で安定するとしています。
日本総研は、2026年には名古屋市試算より低い345万人〜359万人とし、しかも「漸減トレンドを設定しておくことが現実的」としています。

市議は誰も指摘しませんでしたが、日本総研は「追加投資(魅力向上)による底上げ」を前提としており、名古屋城木造天守閣が完成した後、どの程度の追加投資を考えているのかはこれまでの試算では全く出てきていません。
・16/12/5  名古屋市議会経済水道委員会資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161205.pdf

建築基準法違反の疑いが極めて強く、たんなる木造では人が入ることができず、各種補強策を「仮設」と強弁する名古屋城天守閣木造化ですが、将来的な需要予測調査も第三者に委託することもなく、しかも「追加投資による底上げ」費用も試算に入れていないという、極めてずさんな計画です。
さらに悪いことに、10億円の基本設計予算を議会が認めたら、事実上ストップできません。

名古屋市議会はいつまでも引き延ばさず、態度を鮮明にする必要があります。

17/3/6 「名古屋城木造天守閣 300万人しか来なければ50年後100億円不足」市が認める

17/3/6 名古屋市議会経済水道委員会で、市が進めようとしている「2022年12月末までに名古屋城天守閣木造化」補正予算10億円について議論され、補正予算については意思決定をせず、3月議会中に継続して審議することになりました。

・17/3/6 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170306.pdf 
・17/3/6 名古屋市民オンブズマン作成メモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170306-1.pdf 
 
田辺雄一(公明・千種区)市議は、ボストン美術館への入場者数が予測の半分だったことを指摘し、名古屋城でも予測を下回った場合どうなるか質問しました。
市は「年間330万人を割ったとき、50年では返済不可能。年間300万人だと50年後約100億円の返済が滞る。ただし、仮定の話なので財政局とは話をしていない」としました。

丹羽ひろし(自民・名東区)市議は、想定入場者数について、平成27年3月に名古屋市が作成した「名古屋城整備検討調査報告書」では、「国内総人口の減少を受け、入場者数の減少が考えられ、また本丸御殿による集客力も平準化していると考えられるため、外国人観光客の増加が見込まれるとしても大幅な入場者数の増加は予測しにくい」となっていることを指摘しました。
・平成27年3月 名古屋市 名古屋城整備検討調査報告書
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/H27-3houkoku.pdf
 想定:年間292万人(現状の1.8倍)
年間366万人来ることにした理由は、市は「当時、姫路城改修実績が出ていなかったため」とするのみ。

田辺雄一(公明・千種区)市議は「現在のコンクリート製天守閣を再建する際、市民がナゴヤ球場に2万人集まって寄付を募集する野球大会を行い、総額6億円、寄付目標1億円のところ2億円余りあつまった。名古屋市に現在そのような機運はあるか」と尋ねたところ、市は「議決後に機運を醸成する」というのみ。

ここまでずさんな計画について、いつまで議論を続けるのでしょうか。予算審議の時間は限られていますし、市職員の人的資源も相当つぎ込んでいます。市議会は早急に決断すべきです。


17/3/3 名古屋城天守閣木造化 市「年間366万人来ない場合、追加投資も検討」と示唆

17/3/2 名古屋市議会経済水道委員会で、市が進めようとしている「2022年12月末までに名古屋城天守閣木造化」補正予算10億円について議論されました。

・17/3/2 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170303.pdf
・15/11/29 名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会(第1回)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/151129-1.pdf
・17/3/2 名古屋市民オンブズマン作成メモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170303-1.pdf

名古屋市は、2022年に名古屋城天守閣が木造化された倍、2026年度以降46年間にわたって366万人の入場者が継続すると試算しています。積算根拠 162万人×3.1×0.9×0.9×0.9=366万人

上記試算方法が妥当かどうかを日本総研に確認してもらったところ、「名古屋市の入場者数予測についての考え方は概ね妥当。ただし2026年以降数十年にわたる長期予測はほぼ不可能。入場者数は漸減傾向が現実的。一方、レゴランド開業やリニア開業など入場者数を上げる可能性もある」との中間報告がなされました。

市議からは「年間366万来なかったらどうするのか。税金投入しないというのが間違っているのではないか」という指摘が相次ぎましたが、市は「年間366万来るよう努力する」を繰り返すのみ。
木下優(公明・中川区)市議は、「東海地震は30年以内に8割発生すると言われている。どうしてマイナス要素が入っていないのか。」と指摘しました。
市は、「日本総研の指摘は重く受け止める」と言うのみ。

また、市は「しかるべき時にしかるべき投資を検討」と発言し、入場者数が伸び悩んだ際、追加税金投入を示唆しました。

丹羽ひろし(自民・名東区)市議は、16/12/5に行われた市長定例記者会見、で「木造天守閣作成を延期すると、特に木材についてどんどんお金がかかってくる。市民税で支払われる」と述べたことについて、市は「市と竹中工務店はまだ契約していないので、仮に竹中工務店が木材を現在確保していたとしても関係ない」と述べました。
・16/12/5 市長記者会見 テキスト版
http://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000088335.html
動画
https://youtu.be/b-q2hx1RwX4

次回委員会は3/6(月)10時半から行われます。
17/3/2 名古屋城天守閣木造化 長期入場者数見込み「漸減傾向が無難」日本総研中間報告

17/3/2 名古屋市議会経済水道委員会で、市が進めようとしている「2022年12月末までに名古屋城天守閣木造化」補正予算10億円について議論されました。

・17/3/2 名古屋市議会経済水道委員会メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170302-1.pdf

名古屋市は、建物だけで505億円かかる名古屋城天守閣木造化について、「入場者数は他城閣を参考にした」「税金を投入しない」「入場料だけで借金を返済する」「補助金・寄付を考慮しない」「人口減少を考慮しない」「レゴランド開業、2020年東京オリンピック、2026年アジア競技大会、2027年リニア開業を考慮しない」「外国人観光客を考慮しない」「入場料 市民は450円、市外は1000円」で入場者数を試算し、最大年間452万人、その後46年間366万人が継続する、という試算を16/12/5に発表しました。
 ・16/12/5  名古屋市議会経済水道委員会資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161205.pdf

名古屋市は、今回、上記試算方法が妥当かどうかを各コンサルタントに90万円かけて検証してもらおうとしたところことごとく拒否をされ、唯一受けてくれた日本総研に確認してもらったところ、「名古屋市予測手法は概ね妥当。ただし2026年以降数十年にわたる長期予測はほぼ不可能。入場者数は漸減傾向が無難。レゴランド開業やリニア開業など入場者数を上げる可能性もある」とのこと(資料は本日なし。3/3提出)。

市議からは、「そもそも2016年6月議会で、需要予測を第三者に行ってもらうと付帯決議をした。2-3000万円かかると言われたが、どうして補正予算を組んで行わないのか」「日本総研は、入場者数は漸減傾向が無難と言っている。名古屋市の見解とは真逆ではないか」という指摘がでました。

また、15/11/29の有識者意見聴取会で、「オリンピックが前提と、リニア開通に合わせるの、2つを出させることもある。」という発言が出ていたと市から発言がありました。
・2015/11/29 名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会(第1回)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/151129-1.pdf
 
さらに、入場者が366万人来ずに償還が滞った場合どうなるかという質問に対し、「一般会計から借り入れが残っていることになり、その後特別会計が黒字になったら一般会計に返す」と説明しました。

きちんとした第三者が行う入場者数予測も行わず、財源フレームの検証も行わず、赤字になった場合の対処方法もはっきりしていません。
それだけでなく、そもそもの木造5階建ての建築基準法違反問題、文化庁の「復元検討委員会」と「文化審議会」認可問題、市長室での市長と竹中工務店の会談黒塗り問題など問題が山積みです。

今後、名古屋市は上記日本総研の中間報告を出した上で、市議会として議論する予定です。

参考
・17/3/2 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170302.pdf
・17/2/21 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
 2022年12月完成の工程案(詳細)あり
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170221.pdf
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17/2/28 名古屋城天守閣木造化黒塗り 市議会各会派に配布

名古屋城天守閣木造化に関する「竹中工務店と市長の面談内容」「契約解除時損害賠償額」が非公開となった件で、名古屋市民オンブズマンは17/2/28に名古屋市議会各会派に黒塗りの資料を配付しました。
黒塗りのままで、市議会で議論することは到底許されません。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161220.pdf
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161222.pdf
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170131.pdf
なお、上記資料は市政記者クラブにも配布しました。

17/2/21 名古屋城天守閣木造化「竹中と市長の面談内容」「契約解除時損害賠償額」市は開示を拒否

名古屋城天守閣木造化について、河村たかし名古屋市長と竹中工務店が市長室で話した内容を情報公開請求したところ、16/11/28面談メモの内容が非公開でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161220.pdf
 理由:「面談の内容のうち、技術上のノウハウに関する情報を含む部分については、公にすることにより法人の通常有する競争上の利益が損なわれると認められるため」(名古屋市情報公開条例第7条第1項第2号)
 「面談の内容は、未確定段階の情報が確定されたものと誤解され、市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるため」(名古屋市情報公開条例第7条第1項第4号)

また、竹中工務店と名古屋市職員が16/12/5に打ち合わせた記録を開示請求したところ、「仮に平成29年4月で契約解除した場合の損害賠償の想定額」は非公開でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161222.pdf
 理由:「法人が事業活動を行う上での内部管理に関する情報であって、公にすることにより法人の事業運営に支障をきたすと認められるものを含むため」(名古屋市情報公開条例第7条第1項第2号)

名古屋市民オンブズマンは上記文書の公開を17/1/18に名古屋市に求めましたが、名古屋市は17/1/31付けで全面拒否の書面を名古屋市民オンブズマンの事務所に持ってきました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170131.pdf

名古屋城総合事務所職員は「16/11/28の市長と竹中工務店との打ち合わせでは配布資料はありません。上記打ち合わせを踏まえ、11/30経済水道委員会の記載になりました」とのこと。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161130.pdf

名古屋市民オンブズマンは「丁寧に説明する対象は名古屋市民であって、2022年に延ばした理由をタウンミーティングを開いて説明すべきだ」と述べました。
名古屋市職員は「2月定例議会で補正予算が可決されたのち、市民に説明させていただくつもりだ。議会は市民の代表なので、議会で説明したい」とのこと。

なお、16/12/5の打ち合わせ記録にある「2022年7月から天守閣竣工が遅延した場合の損害賠償の想定額 遅延該当工事(木造復元部分)163億1808万1千円というのは木造復元部分の金額であり、2022年7月に遅れた場合この額を対象として損害金が想定される。163億全額損害金、というわけではなく、そのうちのいくらかが今後結ぶ契約書に従って損害賠償請求の対象とする」と名古屋城総合事務所職員は説明していました。

2017年2月議会で、名古屋城天守閣木造化に関する補正予算が審議されます、市長と竹中との話し合いの内容ならびに4月に契約解除した場合の損害賠償総定額を公開することは必要不可欠です。
これら文書が黒塗りのまま議論されることは到底許せません。
上記損害想定額についてもきちんと議論すべきです。 引き続き公開するよう求めていきたいです。






17/1/27 「名古屋城の宣伝は1秒もすべきでない」愛知県有識者が発言と報道

17/1/24朝日新聞によれば、1/23に開催されたあいちビジョン2020フォローアップ懇談会の席上で、有識者の竹下広宣名古屋大学大学院 生命農学研究科准教授は、「『名古屋城の宣伝は1秒もすべきではない。他に行ってもらうためにはどうすべきかだ』とし、多様な魅力づくりの必要性を強調した。」とありました。

所管の愛知県政策企画局企画課に確認したところ、議事録は2週間ほどで完成し、ホームページに掲載する予定とのこと。配布資料はすぐにアップする予定とのことでした。
http://www.pref.aichi.jp/kikaku/

どのような文脈で語られたのか、新聞記事だけではわかりかねますが、河村たかし名古屋市長が推し進めようとしている名古屋城天守閣木造化の方針に必ずしも賛成しない有識者が愛知県にはいる模様です。
また、名古屋市は、名古屋城天守閣木造化をした際、愛知県に補助金の依頼を検討中とのことですが、愛知県側がすんなり補助金を出すとは到底思えません。

同じ愛知県政策企画局企画課が所管している名古屋市・愛知県調整会議では、愛知県知事・議長とも、名古屋城天守閣木造化について一言もコメントしていないのも気になります。

愛知県・名古屋市の観光をどうするのか、そのうえで名古屋城をどう位置づけるのか。愛知県と名古屋市がきちんと話し合うべきではないでしょうか。

17/1/20 名古屋城大天守閣無償貸出のスター・ウォーズ展 耐震・入城制限検討文書なし

名古屋市などが主催して名古屋城大天守閣で2017年2月16日(木)〜4月9日(日)に行うスター・ウォーズ展において、名古屋市民オンブズマンが名古屋市に対し「耐震・入城制限について検討した中身がわかるもの」を情報公開請求したところ、17/1/17に不存在決定が出ました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170117.pdf

名古屋市は現天守閣は「耐震性能が不足している」と日本語・英語・中国語でホームページに掲載するとともに、看板も掲げてあります。
■耐震診断の評価(Is値0.14、Ct・Sd値0.07)
 ・震度6強程度の大規模の地震に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高い。
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/281128/index.html

スター・ウォーズ展を開くと、大勢の来場者が見込まれます。既に各地で約67万人以上が来場しています。
1 東京展 2015年4月29日〜6月28日 六本木ヒルズ 約30万人
2 北海道展 2015年7月11日〜8月30日 札幌芸術の森美術館 約6万5千人
3 愛媛展 2015年9月19日〜11月15日 愛媛県美術館 28,843人
4 神奈川展 2015年11月25日〜2016年1月5日 そごう美術館 約7万1000人
5 静岡展 2016年1月23日〜3月27日 静岡市美術館 43,953人
6 富山展 2016年4月16日〜6月26日 富山県立近代美術館 35,063人
7 大阪展 2016年7月16日(土)〜8月30日(火) あべのハルカス美術館 98676人
8 栃木展 2016年9月18日(日)〜11月27日(日) 宇都宮美術館 34805人
9 岡山展 2016年12月16日(金)〜2017年2月5日(日) 岡山シティミュージアム
10 名古屋展 2017年2月16日(木)〜4月9日(日) 名古屋城大天守閣

名古屋市が言うように、本当に「耐震性能が不足している」のであれば、スター・ウォーズ展を開催するのは論外です。
名古屋城総合事務所の動きを見ると、現在の名古屋城天守閣は「耐震性能が不足していない」としか思えません。

また、仮に名古屋城天守閣が木造化された場合、スター・ウォーズ展のような企画は天守閣の中では難しいのではないでしょうか。

さらに、本スター・ウォーズ展は会場使用に係る契約書も不存在であることがわかりました。名古屋城総合事務所管理課に確認したところ、「名古屋市が共催なので無償」とのこと。
今後、どのような経緯で名古屋城を使うことになったのか、情報公開請求する予定です。

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【スター・ウォーズ展 未来へつづく、創造のビジョン。】
http://event-nagoyajo.com/starwars/

17/1/11 名古屋市平成29年度予算財政局査定 名古屋城関係はほとんど計上されず

2017年1月10日に名古屋市は「平成29年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」を行いました。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000089408.html

臨時・政策経費の名古屋城関係の予算を拾いました。
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財政局案(単位:100万円)
・名古屋城を核とした魅力向上推進事業   13→0 局配分財源で検討
・特別史跡名古屋城跡石垣の整備      160→0 局配分財源で検討
・名古屋城本丸御殿長期維持管理計画の策定  8→0 未計上
・名古屋城文化財建造物の修理に向けた調査 15→0 未計上
・名古屋城二之丸地区整備基本構想の策定  12→0 未計上
・金シャチ横丁構想の推進         12→0 局配分財源で検討
・名古屋城魅力向上推進事業        124→0 未計上

・名古屋城本丸御殿観覧環境の整備    105→74 精査のうえ計上
・名古屋城二之丸庭園の保存整備      43→40 精査のうえ計上
・名古屋城重要文化財等展示収蔵施設の整備 99→99 精査のうえ計上

@ 所管局の要求(見積り)通り
A 事業内容、積算内容を精査のうえ計上
B 局配分財源で対応を検討
C 現段階では未計上

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財政局としては、名古屋城関係の予算はほとんど付けないという方針のようです。
(なお、名古屋城天守閣木造化については、平成28年6月補正予算のため、今回の財政局案には載りません)

臨時・政策経費の1011億700万円の各課からの予算要求のうち、918億1200万円が財政局案として付けられました。
災害関係、医療関係、子ども関係の予算要求も軒並み通っていません。
今回、70億円の一般財源額を確保したうちの48.4億円を財政局案として計上し、今後残りの21.6億円を市長査定で付ける予定です。

なお、平成29年度の5%減税額に伴う減収見込み額は114億円にのぼります。
差し引き収支見通しは71億円の赤字ですが、行財政改革を継続して推し進めて対応するとのこと。

今後の収支見通し(平成28年9月作成)に名古屋城天守閣木造化について計上されているか、名古屋市財政局財政部財政課予算第一係に確認したところ、「そもそも名古屋城天守閣木造化は特別会計で建設される予定なので、上記収支見通しには含まれない。ただし、特別会計に繰り出す金があり、それは収支見通しに含まれている。平成28年9月作成の収支見通しには、名古屋城に関する特別会計への繰り出し金は見込んでいない」という話でした。(特別会計の今後の収支見通しはないとのこと)

今後、市長査定を経て予算案が2月議会に提出されます。

名古屋市は、全国的に見ても予算編成過程の透明度は極めて高いです。
市民がもっと関心を持って分析することを望みます。


16/12/28 名古屋市 県体育館の移転見据え名古屋城二之丸地区整備構想予算要求も、県は改修工事基本設計委託済

名古屋市は16/11/18に公開した「平成29年度予算要求内容」の中で、名古屋城二之丸地区整備基本構想の策定として1200万円の予算要求をしています。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000088/88225/29yosanyoukyuunaiyounokoukai.pdf
 二之丸地区全体の価値・魅力を高めるため、二之丸地区の整備に向けた基本構想を策定
 1200万円(一般財源は900万円)
 
しかしながら、二之丸地区南側には現在愛知県体育館があり、愛知県は2016年度当初予算に、愛知県体育館整備基本設計費(新規)として30,099千円つけ、すでに基本設計を契約しています。
http://www.pref.aichi.jp/uploaded/attachment/205066.pdf
2016-08-12 建設通信新聞
浦野設計と随契/県体育館改築基本設計/愛知県
http://www.kensetsunews.com/?p=71063

愛知県体育館の改修と、移転を前提とした二之丸地区整備構想は全く相容れません。
しかも、2026年に愛知県と名古屋市が共催するアジア競技大会でも、「バレーボール会場 愛知県体育館」と明記されています。
http://www.pref.aichi.jp/soshiki/sposhin/280920-20thasiangames-3.html

この問題については、16/5/30 臨時愛知県知事・名古屋市長記者会見の席上で、両名が言い争う場面がありました。(9:05-11:10) 
https://www.youtube.com/watch?v=uZV-N6_1tXI&feature=youtu.be

愛知県と名古屋市の調整が全くできていません。
あまりにもお粗末です。

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16/12/19 建通新聞
名古屋城二之丸地区 整備構想検討へ 名古屋市が予算要求
県体育館の移転見据え
http://www.kentsu.co.jp/webnews/view.asp?cd=161214300081&pub=1


16/12/23 名古屋城天守閣 「耐震性能不足」なのにスター・ウォーズ展開催?

16/12/19に名古屋市、中日新聞社、東海テレビ放送、東海ラジオ放送が主催で「スター・ウォーズ展 未来へつづく、創造のビジョン。」を名古屋城 大天守閣2階 企画展示室で開催すると記者発表がありました。開催期間は2017年2月16日(木)〜2017年4月9日(日)。
http://event-nagoyajo.com/starwars/

どのような記者発表があったのか、名古屋市政記者クラブ配付資料を確認しましたが、市政記者クラブには配布していないとのこと。
確認したら、「名古屋市は主催ではなく、中日新聞らが主催なので、そちらから記者の方に資料を提供した」とのこと(しかし上記ホームページを確認したら「主催 名古屋市」とあります)。

そもそも、名古屋市は現天守閣は「耐震性能が不足している」と日本語・英語・中国語でホームページに掲載するとともに、看板も掲げてあります。
■耐震診断の評価(Is値0.14、Ct・Sd値0.07)
 ・震度6強程度の大規模の地震に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高い。
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/281128/index.html
にもかかわらず、16/12/12に「当面は入城制限しない」と発表しています。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000089021.html

そんな「危険」?な名古屋城天守閣でどうしてスター・ウォーズ展を開催することになったのか。
名古屋市民オンブズマンは、16/12/22に「スターウォーズ展について耐震・入城制限について検討した中身がわかるもの」「会場使用契約書と経緯」「記者会見内容がわかるもの」を情報公開請求しました。

河村たかし名古屋市長は、16/12/19記者会見で、17/1/1初日の出見物イベントではヘルメット着用を求めることも検討すると発言しています。
・平成28年12月19日 名古屋市長河村たかし 定例記者会見 3:20-


スター・ウォーズ展来場者にもヘルメット着用を求めるのでしょうか。

考えられることは何パターンかあります。
(1)耐震性が低いので、ヘルメット着用・入城制限してスターウォーズ展を開催する。
(2)耐震性が低いが、来城者が見込まれるスターウォーズ展のために入城制限を行わない。
(3)そもそも耐震性はそれほど低くはない。何人入城しても大丈夫。

耐震性について、「Is値0.14」は第3次診断であり、第2次診断のIs値0.28と総合的に判断すべきものだと有識者が発言しています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161024.pdf

木造天守閣復元のため、都合のよいときだけ耐震性を持ち出すのはやりかたとして極めて狡猾です。
まずは人命優先ではないでしょうか。
名古屋市全体の地震に対する備えに人的資源を振り分けず、名古屋市職員・議会も名古屋城木造化に振り回されているのが現状です。

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なお、2016年3月に竹中工務店が作成した当初の木造天守閣復元スケジュールによれば、2016年12月にはエレベーターを解体し、2017年6月中旬から現天守閣を解体する予定でした。
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/280330/dwl/takenaka.pdf
このスター・ウォーズ展がいつ頃から計画されていたのか、大変気になります。


16/12/13 名古屋市「現名古屋城天守閣 当面入城禁止せず」と発表

名古屋市は、16/12/12に「名古屋城天守閣の地震に対する安全対策について」を発表しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161212.pdf

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名古屋城天守閣の地震に対する安全対策について

みだしのことについて、これまでの検討の結果を踏まえ、下記のとおり方針を決定しましたので、お知らせいたします。



・木造復元により安全性を確保する
・木造復元工事の進捗に伴い入場制限を実施する
・木造復元が実施されるまでの間、安全対策についてさらに検討する

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これだけではなんのことかさっぱり分かりません。

現在、名古屋城天守閣の前には「名古屋城天守閣の耐震性について」という看板が掲げられており、「■耐震診断の評価(Is値0.14、Ct・Sd値0.07) ・震度6強程度の大規模の地震に対して倒壊し、または崩壊する危険性が高い。」とあります。
名古屋城ホームページには、日本語、英語、中国語で上記記載があります。
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/281128/index.html

にもかかわらず、木造復元が実施されるまで入城制限をしない、というのは意味がさっぱり分かりません。
しかも、どうして現天守閣の耐震対策をしないのか、については全く述べていません。

現名古屋城天守閣は、地震に対して実際はそれほど危険ではない、ということではないでしょうか。
違う、というのであれば、もっと説明すべきですし、早急に耐震対策を行うか、入城禁止をすべきです。
現状では世界中に名古屋城について誤ったメッセージを発してしまっています。

16/12/9 竹中工務店と河村たかし名古屋市長はいつ市長室で話したのか

名古屋城天守閣木造化について、竹中工務店が「2022年までに延長した場合、当初見込みの505億円から上昇する可能性がある」としたことに対し、河村たかし名古屋市長は「自らが市長室で同社の責任者と接触したことを明らかにした」と16/12/7読売新聞は報じています。

経緯
・16/11/30 「2020年7月から2022年7月までに名古屋城天守閣木造化期限を延ばす方針を名古屋市が優先交渉権者の竹中工務店に伝えたところ、竹中工務店から「工数の見直しに伴い、仮設工事や解体工事の着手時期が遅れるため、東京オリンピックによる建設需要の高まりの影響を受け、建設費が上昇することも考えられる」と指摘を受けたと議会で報告。
・16/12/5 「本日、竹中工務店から505億円以内に収めると話があった」と議会で報告
 同日 河村市長「竹中工務店は『木材について、ちょっと頼んでいろいろ待ってもらっている』と聞いている。木造天守閣作成を延期すると、特に木材についてどんどんお金がかかってくる。市民税で支払われる」

中日新聞が毎日発表している「市長の一日」によれば、16/11/24-12/5で「竹中工務店と接触した」という記録はありません。
市長室秘書課に16/12/8に確認したところ、「先方との兼ね合いにより、『来客応対』という形で、氏名を出さないことがある」とのこと。
11/24 2時35分 来客応対 2時45分 来客応対 2時55分 来客応対 4時5分 来客応対 6時35分 来客応対
11/25 午後0時10分 来客応対
11/28 9時15分 来客応対
11/30 9時45分 来客応対

16/12/7読売新聞によれば、「議会からの指摘を受け、価格の話をどういうふうにできるかお話をした」とあるので、11/30以降だとすると、「来客応対」すらなく、非常に不思議です。
市長室秘書課は「市長室で面会すれば公務です」と言い切っており、「市長の一日」が誤っているのか、他の方法があるのかわかりません。

なお、市長室秘書課は、「一般的に言って、来客応対について、記録を取るという規則はなく、記録もないが、メモ程度はあるが整理されていない。」としましたが、名古屋市情報公開条例によれば、組織的に用いていればメモも行政文書に当たります。
第2条
(2)行政文書 実施機関の職員(市が設立した地方独立行政法人の役員を含む。以下同じ。)が職務上作成し、又は取得した文書、図画(写真及びフィルムを含む。以下同じ。)及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が管理しているものをいう。
http://www.city.nagoya.jp/shiminkeizai/page/0000001423.html

また、名古屋市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例に基づき、市長を含めた職員は、職員以外の者が職員に対して行う市政に関する要望、意見、苦情その他これらに類する行為(要望等)を記録しなければいけません。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/52-6-5-0-0-0-0-0-0-0.html

名古屋市民オンブズマンは、16/12/9に、「2015/12/2-16/11/17の間、河村たかし名古屋市長が市長室で竹中工務店の関係者と面談した際の
・メモ
・議事内容が分かるもの
・配付資料
・面談に至る経緯が分かるもの」
を情報公開請求しました。
また、以下も情報公開請求しました。
・2016/12/5に名古屋城の件で竹中工務店関係者からあった連絡の内容が分かるもの
・2016/11/18-12/7分の、名古屋市が市政記者クラブに提供した「市長の一日」案
・2016/11/18-12/7分の、名古屋市が中日新聞に提供した「市長の一日」確定版

建設費だけで少なくとも505億円、利子・運営管理費・修繕費を含めると今後50年間で1000億円を超える事業となります。
これが完全に密室で話し合われ、市民にも議会にも公開されないとすれば、極めて大問題です。
河村たかし名古屋市長は一刻も早く「市長室での接触」の具体的な内容を説明すべきです。



16/12/7 河村たかし名古屋市長は竹中工務店と市長室で何を話したのか?

16/12/7読売新聞によれば、名古屋城天守閣木造化の事業費(最大504億円)を巡り、優先交渉権者の竹中工務店の主張が議会中に変遷したのは河村たかし名古屋市長自らが竹中工務店の責任者と市長室で接触したためと述べたとのこと。

名古屋市民オンブズマンは、16/12/7に「2016/11/18-12/9の間、河村たかし名古屋市長が市長室で竹中工務店の関係者と面談した際の
・録音
・メモ
・議事内容が分かるもの
・配付資料 ・面談に至る経緯が分かるもの」
を情報公開請求しました。

現時点では名古屋市と竹中工務店は契約しておらず、議会で予算を承認しなくても、名古屋市は1円も損害賠償請求を受けないと市当局は認めています。
しかしながら、16/12/5市長会見では「木材を待ってもらっている。お金がどんどんかかってくる。市民税で支払われる」と述べ、プロポーザル実施説明書以外のなんらかの取り決めがあるのではないかという疑念が市議会から巻き起こっています。

15/12/10朝日新聞によれば、15/12/9業者向け説明会において河村市長自ら「全責任は市長が負う。市役所が固いことを言ったら、すぐ(私に)言って。解釈は広くする」とし、市当局と業者ルート以外の関係を示唆しています。

建設費だけで少なくとも505億円、利子・運営管理費・修繕費を含めると今後50年間で1000億円を超える事業となります。
これが完全に密室で話し合われ、市民にも議会にも公開されないとすれば、極めて大問題です。
河村たかし名古屋市長は一刻も早く「市長室での接触」の具体的な内容を説明すべきです。


16/12/6 名古屋城天守閣木造化 市長と市当局の認識のずれで3たび継続審査

16/12/6名古屋市議会経済水道委員会において名古屋城天守閣木造化の補正予算の審議が行われ、自民、公明、民主が「契約の考え方、損害賠償の考え方などで市長と当局との違いが明らかになった。完成時期は評価委員の意見を再調査し、入場者数は第三者チェックを早急に行うことを求める」とし、3たび継続審査になりました。
・資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161206.pdf
・追加資料(16/12/5市長会見文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161206-2.pdf
・名古屋市民オンブズマン作成メモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161206-1.pdf

河村市長は、16/12/5に行われた定例記者会見で、「木造天守閣作成を延期すると、特に木材についてどんどんお金がかかってくる。市民税で支払われる」と述べ、記者が「今はまだ契約していないため、税金で払う必要はないはずだ」と指摘したところ、「誰が言ったのか。資料を見せてくれ」と声を荒げました。



平成28年12月5日 名古屋市長河村たかし 定例記者会見  13分46秒から

丹羽ひろし市議(自民・名東区)が12/5議事録を要求して確認したところ、名古屋城所長は以前からの答弁の通り、「プロポーザル条件の中で、『完成期限が遅れる場合、議決が得られない場合、中止することが出来る』とある。現段階は契約していないので、金銭的賠償は、私どもとしてはないのではないか。」と答弁しました。


田辺雄一市議(公明・千種区)が、「仮に優先交渉権者の竹中工務店が木材の手配をしてしまっていても、名古屋市に賠償する責務はないと言い切ってもらえますか」という質問に対し、市は「設計契約したわけはないので、私どもとしては責めを負う立場にない」と明確に答弁しました。
田辺雄一市議は「『私ども』に『市長』が入っていない。我々はだまされているのではないか。様々な賠償責任が発生しているのに、『大丈夫です』。実は賠償責任があって、と思ってしまう。」と述べ、明らかになっていない 市長と業者との何らかの関係を示唆しました。
 
市としては、「市長には技術提案交渉方式について何回も説明した。市長が誤った説明をしたのであれば、我々市職員が悪い」と述べるのみ。

今後、12/7本会議で継続審査の議決をした後、閉会中審査となります。


16/12/5 河村市長「功名心だけで名古屋城天守閣木造化をやっているだろう」と記者に言われ大激怒

16/12/5午前中に行われた河村たかし名古屋市長定例記者会見で、記者クラブ記者が市長に2022年までの名古屋城天守閣木造化について多数の疑問をぶつけました。
市長は「2020年がよいと今でも考えている」「木造天守閣の上棟式に行きたい」と述べました。
それを受け、日経新聞記者は「功名心だけで名古屋城天守閣木造化をやっているだろう」といい、市長は大激怒しました。
ただ、「優先交渉権者」の考え方について、市長の言い分と市当局の言い分が違っており、市長は市の資料をきちんと読んでいないのではないかと思います。

2016/12/5 名古屋市長定例記者会見(名古屋市広報課)
http://www.ustream.tv/recorded/93046096
 14:30- 名古屋城天守閣木造化について
 18:50- 「優先交渉権者」について、市長は「契約だ」と強弁
 28:10- 市長「2020年がよいと今でも考えている」
 28:50- 上棟式に行きたい
 33:00- 記者「なぜ熊本地震後6月議会に提案したのか 市長「行けると思っていた」
 36:00- 日経記者「市長として功名心だけでやっているだろう」 
     市長激怒「日経として訂正を求める」

また、16/12/5に名古屋市議会経済水道委員会が開かれ、2022年7月に名古屋城木造天守閣が完成した場合の入場者数見込みが示されました。
以前16/6/24の試算では完成後50年間、2069年度まで、毎年360万人が来ることになっていましたが、今回の試算では完成後50年間、2071年度まで、毎年366万人が来ることに変更になっていました。

・16/12/5 資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161205.pdf
・メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161205-1.pdf
・16/6/24資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160624.pdf
 
6万人増えた根拠は、「2016年度の予想が205万人に増えたため」としていますが、入場者を維持していくことは大変困難であることは市も認め、二の丸庭園、櫓、イベントが必要としています。
また、2071年度の名古屋市の人口予想も考慮に入れていないことも認めました。

また、前回までの委員会で、竹中工務店が505億円を超える可能性を示唆していましたが、市は突然「本日、竹中工務店から505億円以内に収めると話があった」と発表しました。

さらに、2016/12/31-2017/1/1新春カウントダウンについて、「チラシは1万枚すった」ことを認めるも、「天守閣に上れるかどうかは今月中に判断する」とのこと。
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/02_events/28/281231/index.html
16/12/6(火)午前10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会で議論の後、意志決定が行われる予定です。
ネット中継あり http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/


16/12/2 名古屋市「名古屋城天守閣木造化 現事業計画では銀行に行って505億円お金を借りることは難しい」認める

16/12/2に名古屋市議会経済水道委員会が開かれ、名古屋市は2022年までに完成を目指す名古屋城天守閣木造化について、「入場者数見込みの第三者チェックを『議会議決後に行う』というのは理解できない。こんなずさんな収支見込みで、仮に銀行から全額借金をして工事が可能か」と丹羽ひろし市議(自民)から問われ、竹中工務店が示した当初総事業費505億円から上昇する可能性があるとして、「現段階では総事業費がでていないので、銀行から505億円お金を借りることは難しい」と認めました。
また、詳細な工程案がでました。
・資料 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161202.pdf
・要旨(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161202-1.pdf
(なお、上記配付資料は、毎回名古屋市役所西庁舎1階にある名古屋市市民情報センターに行ってコピーを入手しています) 
 
また、2020年から2022年に完成期限を延長することの法的是非について、以前は弁護士3人に聞いていたにもかかわらず、今回、前回「幅がある」と言った1人にしか市が聞いていなかったことも明らかになりました。
仮に12月議会で本件補正予算を可決した場合、2017年4月に予定されている名古屋市長選挙の結果によって市から契約を解除した場合、違約金がどれほど発生するか聞かれても市は答えられませんでした。

減税日本ナゴヤ所属の鎌倉安男市議(守山区)までも、「どうして市はそんなに自信がないのか」という始末。

藤沢ただまさ市議(自民・南区)が「河村たかし名古屋市長は、今議会で議会が補正予算を可決しない場合、専決処分するということを仄聞しているが」と質問しましたが、市は「市としては専決処分は検討していない」としながらも、「市長の政治的判断だ」としました。

次から次へと木造天守閣を作る前提条件が変わってくるので議論がどうしても引っ張られてしまうのですが、耐震改修についてもっと議論が深められないのかが大変疑問です。
また、どうして建築基準法違反の問題について、権限がある名古屋市の住宅都市局営繕部、建築審査会、消防長を委員会に呼んで事前に確認しないのか理解に苦しみます。

また、16/6/23に名古屋市は入場者数、収支見込みについて第三者機関による検証をする」と答弁しているにもかかわらず未だに予算提案していないだけでなく、平成29年度当初予算要望の中にも「名古屋城天守閣木造化 来場者について第三者機関に検討」予算がなぜ入っていないのかのか疑問です。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000088225.html
◯平成28年6月23日(木曜日)経済水道委員会
◆中川委員 今、局長の答弁も、そのような答弁をいただきましたので、これはぜひ第三者の機関において、たとえ日数がかかったとしても、きちんとした入場者数、収支見込みを出すべきだというふうに私は思いますが、局長はどのような見解をお持ちでしょうか
◎渡邊観光文化交流局長 確かに御指摘のとおりでございますので、日数及び予算のこともございますけれども、精緻な第三者による、そういった検証をしていきたいというふうに思います。

次回名古屋市議会経済水道委員会は16/12/5(月)10時30分から行います。
ネット中継あり http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/
12/6(火)午前10時30分からの経済水道委員会で何らかの意志決定(可決・否決・継続審議)が行われ、12/7(水)午後1時からの本会議で議会としてのなんらかの方針が決まる予定です。

名古屋城の運命が16/12/6(火)に決まることを知っていますか?

名古屋市は現名古屋城天守閣を壊して2022年7月までに505億円以上をかけて木造化する方針を決め、現在開会中の名古屋市議会にそのための費用として補正予算10億円余を提出しています。
しかしながら、名古屋市民の間で議論が盛り上がっているわけではありません。

そもそも、当初は現天守閣の耐震性に問題があるとして耐震補強する方針でした。
しかしながら河村たかし名古屋市長は耐震補強をせず、2020年7月までに天守閣を木造化する方針を決めました。
河村市長は「税金を1円も使わない」とし、すべて借金でまかない、入場料収入だけで返せると豪語しますが、現在の約2倍、毎年360万人もの来城者が今後50年間ずっと続くという試算をしており、その根拠については第三者のチェックを受けていません。
名古屋市は建築費用505億円のほかに、利子が100億円、運営管理費が276億円、修繕費が30億円と、今後50年間に約911億円かかる試算をしています。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160422.pdf

また、そもそも木造6階建ては建築基準法違反です。人が入れない建物を作るのならともかく、城の中に人を入れるように耐震性を高めるには各種耐震補強が必要であり、文化財指定は無理です。

名古屋市は、2020年7月までにできるゼネコンを『技術提案・交渉方式』で公募し、2社のうち竹中工務店を選びました。
当初は一部外材を用いて505億円を超えないとしました。しかしながら名古屋市が当初予測していた外材使用の250億円〜国産材使用の400億円から遙かに高いものでした。
また、特別史跡名古屋城跡内での工事は文化庁の許可が必要で、文化庁との協議がすんなりいく確証は全くなく、2020年完成は極めて厳しい状況でした。

名古屋市が2016年5月に名古屋市民2万人に対して行ったアンケートでは、2020年までに木造が21.5%、2020年にとらわれず木造が40.6%、耐震改修26.3%となりました。 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160601.pdf
しかしながら、河村市長は2020年完成に固執し続けました。

上記多々ある疑問点に対して名古屋市議会は白熱した議論を行いました。
2016年2月議会では、名古屋市市民経済局長が16/3/15に「2020年7月に間に合わないということが途中で明らかになった場合は、それは振り出しに戻してといいますか、アンフェアな形にならないような形での再出発というのが当然必要だろうというふうに思っております。」とはっきりと述べています。

2016年6月議会では、基本設計契約の締結前の場合、「天守閣の完成時期については、『技術提案・交渉方式』を実施した前提条件の一つであり、その遅れが確実になった場合に、それを変更し随意契約することは、法令に反する可能性がある」と述べています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160624.pdf

結局市議会は継続審議にしました。

2016年9月議会でも、当初は2020年完成に固執していました。
16/9/21市資料では、弁護士の見解を示しましたが、市から竹中案を中止することはできない、とする弁護士が1人、リスクが高いとする弁護士が1人、中止しても賠償責任は負わないとする弁護士は1人でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160927-1.pdf



河村市長は16/10/6に突如名古屋城天守閣木造化の完成時期を2020年7月から2022年7月に変更しました。
入場者数について第三者機関による審議を行うこと、熊本地震を踏まえた石垣の耐震性について調査するため、2年間延長すると行政として判断したとのこと。
「値段を安くできないか交渉してみる」とまで言っていました。
結局9月議会でも議会は継続審議にしたところ、市長は議会の議決なしに予算を執行する「専決処分」を検討すると発表しました。
名古屋市民オンブズマンは、「専決処分の条件に当たらない」と市長に直接申し入れを行い、現時点までは専決処分を行っていません。

2016年11月30日の市の資料では、竹中工務店から「工数の見直しに伴い、仮設工事や解体工事の着手時期が遅れるため、 東京オリンピックによる建設需要の高まりの影響を受け、建設費が上昇することも考えられる」 と指摘を受けたとしました。
しかし具体的にいくら値上がりするかは明言しませんでした。

また、市は「今回の完成期限の見直しは、法令に抵触するものではなく、公募後に生じた熊本地震及び議会における審議を踏まえて見直したもので、合理的な理由があり、かつ変更事由以外の工程については当初の提案を踏襲しているため、本市の裁量権の範囲内の行為と認識している」とし、以前と180度認識を変更させました。


しかも、入場者予測・収支見込みについて、名古屋市は「今議会で補正予算を認めて頂いてから、第三者機関に依頼して正しいか判断していただく予定。2-3000万円ほどかかる見込み」 とのこと。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161130.pdf

2016年4月に発生した熊本地震後に作成した6月議会の資料を簡単にひっくり返してしまっています。
なぜこのような認識になったのか、全く理解ができません。
しかも、タウンミーティングを2015年12月-2016年1月に全16区で、報告会を2016年5月に5会場で行っていますが、2022年と変更してからは市民に対して1回も直接の説明会を行っていません。
費用が505億円以上かかる、ということも直接説明していません。

それに対し、一級建築士らが「名古屋城を『戦後復興市民のシンボルに』」の賛同者を募集しています。
http://bit.ly/2gQqZyK 木造6階建ては違法建築、木造天守閣は「文化財」にならない、コンクリート40年寿命説はウソ、など専門家の立場から述べ、現在の鉄筋天守閣を29億円かけて耐震補強し、文化財として登録しようと呼びかけています。

今後、12月2日(金)午前10時30分〜、12月5日(月)午前10時30分〜、名古屋市議会経済水道委員会で議論された後、12月6日(火)午前10時30分〜 同委員会でなんらかの採決がなされる予定です。ネット中継あり。 http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/

このままでは、市議会は不十分な資料と不十分な議論のまま、16/12/6(火)の名古屋市議会経済水道委員会を迎えることになってしまいます。
名古屋城の将来を決めるのに拙速はだめです。今後数百年の名古屋城のあるべき姿を市民がもっと議論すべきではないでしょうか。
また、市議に対して、具体的にどう思っているのか直接意見を言ってはどうでしょうか。
http://www.ombnagoya.gr.jp/nagoyashigi.html
-------- 参考 一級建築士らが作る「名古屋城を『戦後復興市民のシンボルに』」より引用 http://bit.ly/2gQqZyK


16/11/30 名古屋城天守閣木造化 2022年7月だと竹中工務店「建設費が上昇することも考えられる」と認める

16/11/30に名古屋市議会経済水道委員会が開かれ、2020年7月から2022年7月までに 名古屋城天守閣木造化期限を延ばす方針を名古屋市が優先交渉権者の竹中工務店に 伝えたところ、竹中工務店から「工数の見直しに伴い、仮設工事や解体工事の着手時期が遅れるため、 東京オリンピックによる建設需要の高まりの影響を受け、建設費が上昇することも考えられる」 と指摘を受けたと名古屋市は発表しました。
具体的な建設費の上昇額は、市況に左右されるため分からないとのこと。
2022年7月までの新工程案(概要)は提出されました。
また、名古屋市は、「完成期限の見直しは法令に抵触するものではなく、熊本地震及び議会における審議を踏まえて見直した」と強弁しました。
・配布資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161130.pdf
・議事メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161130-1.pdf

  河村たかし名古屋市長は、9月定例会で「2022年までに延ばし、事業費の減額についても検討する」と 明言していましたが、逆に事業費が増額になる可能性が高まりました。
費用がいくら上昇するのか分からなければ、収支見込みも立てようがありません。

しかも、入場者予測・収支見込みについて、名古屋市は「今議会で補正予算を認めて 頂いてから、第三者機関に依頼して正しいか判断していただく予定。2-3000万円ほどかかる見込み」 とのこと。
今回の補正予算約10億円を議会が認めた場合、総額505億円超を事実上認めることになります。
予測検証については、順序がまったく正反対です。

今後、12/2(金)午前10時半、12/5(月)午前10時半から、名古屋市議会経済水道委員会で
審議がなされます。ネット中継あり
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/
 

16/11/7名古屋市 竹中工務店と名古屋城天守閣木造化工程案まとまらず

16/11/7に名古屋市議会経済水道委員会が開催されました。
しかしながら、名古屋市は「9月定例会で議会からご指摘がございました、竹中工務店と名古屋城天守閣木造化の工程案について調整するとのことでしたが、本日までに協議がまとまらず、資料が提出できない」としました。

配付資料なし。
議論メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161107.pdf

名古屋市は相変わらずヌエ的な答弁を繰り返しました。
都合の時だけプロポーザルを持ち出し、都合の悪いところはプロポーザルの条件を無視します。
・当初2020年7月までだったが、2022年7月までに見直しした。しかしながら中身が変わるものではない。
・2022年までに期間が延びても、積算を再度やり直させるのはプロポーザルの条件になっていないため、竹中工務店に要請するのは難しい
 
田辺雄一(公明・千種区)議員も指摘しているように、2022年問題だけでなく、事業計画505億の内訳、入場料収入で償還できるのかなどの問題については、名古屋市は「設計を進める中で同時並行的に示したい」とし、補正予算を通してから説明する、という態度を崩していません。

いったい、誰のための何のための名古屋城天守閣木造化なのでしょうか。

16/10/25 「名古屋城天守閣木造化 専決処分は違法」名古屋市長へ直接申し入れ

名古屋市民オンブズマンは、現状のまま名古屋城天守閣木造化について専決処分を市長がした場合違法だとして河村たかし名古屋市長へ直接申し入れ書を手渡しました。

・申し入れ書  
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161025.pdf

河村市長は「専決処分は望んでするものではない。議会が議決しないと。天守閣の耐震状況が非常に危ない。入城制限もやりたいものではない。市の収入が減る。」と述べました。
名古屋市民オンブズマンの代表である新海聡弁護士は「名古屋城天守閣木造化に絶対反対というスタンスではない。しかしこれは贅沢品を買うという話だ。大衆車に乗っている家庭があり、調子が悪いため、お父さんがスポーツカーに買い換えたい、と言い出してちょっとまて、と家族が言うことに似ている。2020年、2022年というタイミングが出ているが、人件費が非常に高くなる」と述べました。

市長は「木工事だから関係ない」と述べました。
新海代表は「職人の手仕事のことをどう考えるのか。2020年、2022年とおしりを区切った議論は違和感を感じる。延ばした場合、いくらかかるのか市民に資料が公開されていない」と述べました。
市長は「ちゃんと資料がある」と述べました。

新海代表は「お父さんが内緒でスポーツカーを買ったら離婚原因となる。財源をどう償還していくのか、わかりにくい。議会とやり取りする中でわかればよい。何百年の計だ。ドイツでみんなの反対を押し切って城を作って国家財政を破綻させたルートヴィッヒ2世とならないようにしてほしい」と述べました。

また、新海代表は「議会が議論している最中なのに、専決処分するのはおかしい。今、市長が専決しないと決めれば、ここにいるマスコミみんな喜ぶ」としました。
市長は「何にもしないと市民に損害が及ぶ。ほったらかしにすれば税が余計にかかる。人命上とんでもなく危ない。コンクリートで直すのなら、僕の回りにはそんな人はおりませんが、早くしなければならない。木造化についてはコンペをやっていて、竹中が優先交渉権者になった。延びると経費が余計かかって、市民の負担になる。」と述べました。

新海代表は「延びて経費が余計にかかるというデータを公表してもらいたい。また、観光客が減る、耐震性の議論と、木造化の議論は全く関係ない。危険性は緊急性の問題。例えば何年かこの時代は耐震性の問題で名古屋には天守閣がない時代があり、その後議論して天守閣を作った、ということが100年もしたら言える」としました。

河村市長は「材木の業者は『早くしないと木がなくなる。今がいいチャンスなるべく少ないコストで未来に残せる』と言っている。わしは商売人だから、例えば街の錦三のママさんが、売り上げが半分になって大変だ。名古屋の経済を盛り上げないといけない。公務員を盛り上げててもしょうがない。経済が厳しいからなんとかしてほしいと言っている。名古屋城天守の木造化は世界からものすごい人が来る。図面があるから」と述べました。
新海代表は「経済の問題はいろんな考えがあり、オリンピック後の不況対策をどうするか、という点もある。大阪は万博を、と言っている。あれが賛成か反対かはともかく。オリンピックまでは東京集中。その後どうするか。材木を売りたい人はそう言っているかもしれないが」
河村市長は「現実にはほかのお城もある。江戸城もやりたいが宮内庁がいるから止まっているだけ。駿河、小田原、甲府。決まったわけではないが。名古屋城が木造になった価値は何億兆倍になるか。コンクリート 遺失利益を出していいけれども」

新海代表は「愛着はその通りだが、返済の負担。スポーツカーを買ったお父さんは満足かもしれないが」
河村市長「何を言っているの。」
新海代表「子ども達がスポーツカーの借金返済に追われることになる。その試算は公表しているのか」
河村市長「公表している。名古屋城は最大で505億。豊洲は6000億かかった」
新海代表「豊洲のことを言えば何とでもなる、というわけではない。」
河村市長「姫路は1,000円。 300万人は来る。名古屋城で1000円にすれば年間30億円」

新海代表「2020年見積もりで議論しているが、完成の時期をずらして試算をシミュレートされてはどうか」
河村市長「私が勝手に完成時期をずらすとか、専決について、言っているわけではない。しょうがないですよ、議会で過半数ないから。妥協に妥協を重ねて一歩下がって二歩下がって。否決するという時点もあるから。可決するよう努力すべきでしょう。このままだと市民に負担がかかる。実際に金がかかっていく。」

新海代表「どの程度議会に要求するのか、まだまだおしりがあるから。おしりを設定しなくて、コンセンサスが得られるように。
河村市長「一定の期限を持っていないと。コンクリートの修繕になってしまうよ。その場合名古屋の経済がどれほど失望されるか。世界の大恥。図面があるから。昭和7年 図面を書いてくれた人が泣くと思うよ。こんなチャンスをどうしてくれた。中小企業、零細企業ががっかりする」
新海代表「そこの部分は市長の持論だから市民に受け入れられるのか分からない。私たちが言いたいところは専決は法的に無理だろう。
河村市長「権限がありますよ。」
新海代表「権限はあるが、権限を行使した場合、要件に当たらない。現時点では専決をされることは違法」
河村市長「違法ではない。放置するほうが損害が大きい。専決するかどうか別」
新海代表「十分な議論が足りない。」
河村市長「議会が議決しないから、議会に言ってほしい。議決してほしい。市民の負担が増えるんだと言っている。こんな危ない建物。」

新海代表「危ない建物と新しい建物を作るのは別。法定で尋問することがないように慎重にやってほしい」
河村市長「慎重に丁寧にやっているが、議会が議決しないとどうするか。そのまま放置すると市民に損害を与える」
新海代表「様々なケースを考えて。それでお考え頂きたい。
河村市長「納税者の利益を最大にしたい。私に私利私欲はありません。」

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新海代表のインタビュー

「河村さんに対して一番今回言いたいことは専決処分を断念してほしい、十分な議論をしてほしい。それについては明確な回答がなかった。もう少し決断ができていないかな。アドバルーンを上げている印象。
 いずれにしても専決処分については断固すべきでないと強く申し入れた。
 印象的なのは、議会のせいにしている。ものすごく。議会にすり替えているのは残念。もう少し議論をきちんとし、正面から答えてほしかった。
 もし専決処分を議会が熟議期間中、働きかけをして妥協とある種の対決、議会制民主主義の基本だと思っていたが、過半数ない、と言ったのはびっくり。
 多数決とはなんなのか。数の多数決しか頭にないのか驚き。共通の認識が民主主義について持てるのか疑問。法的には権限の濫用になると申し上げた。

 気になったのは今の天守閣の危険性が、当然木造化とセットに考えている。理解しにくい。理屈になっていない。そのほか一般商工業者が喜ぶ、景気がよくなる、遅れれば費用がかかる、というのはだだをこねているとしか思えない。スポーツカーの例を出したが、まさにその通り。15分も話をした割には身のある話ができなかったのは残念。
 危険であるのならデータを出して専門家の判断で。製造物責任、工作物責任が問われると強調するなら、データを出して入城の差し止めをすべき。
 何年か天守閣がない時代があってもいい。そのチョイスが彼の中にない。常にセットで考えるのは、木造天守閣の作りたいがためと思えてしょうがない。論理的な説明がなされていない印象をうけた。
 木造天守閣は、我々とみて贅沢品を税金で作ると見ざるを得ない。生活必需品とは訳が違う。できた当初はみんなうれしい、そこを強調するが、どう償還するか、それによってしわ寄せがどうなるのか。名古屋市財政がどうなっていくか。慎重な議論をすべき。
 
 この情勢の中で類のないものを作るわけだから、見積もりの何倍にもなることも経験している。不安に対する回答も準備しているのか。
 安いと言われたが、高くなるリスクについての言及がなかった。発想があるか危うい。お会いして木造天守閣の新築が市長の頭の中で一人歩きしている。
 おしりを区切った議論をして果たして名古屋市が持ちこたえられるのか。十分な議論が必要だと申し上げた。市長が行動をとられるか注目していきたい。

   にもかかわらず、熟議をしないままの専決処分になったら、住民監査請求、住民訴訟を行う。その時点で議会の承認を得ればよいと市長が思っているかもしれないが、だったら最初から承認を得るべき。市長の議論の乱暴さがどこまで議会を説得できるか。」



16/10/24 名古屋市 名古屋城天守閣入場制限は「総合的に検討」繰り返す

16/10/24に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋城天守閣の地震に対する安全対策の検討について議論されました。
・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161024.pdf
・議事要旨(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161024-1.pdf
 
市長が記者会見で何度も強調した「Is値0.14」は第3次診断であり、第2次診断のIs値0.28と総合的に判断すべきものだと有識者が発言していたことがわかりました。
また、鉄骨ブレース等の補強により、Is値を大きくすることも考えられるが、名古屋市当局は鉄骨ブレース等の補強について全く知識がなく、今後も様々な有識者に意見を聞いて早急に取り組みたいとしています。
ソフト面の対策をとろうにも、現在名古屋城の各階に何人来城者がいるのかというデータすら持っていないことも分かりました。

Is値0.14は、近年発覚したわけではなく、1996年度調査ですでに分かっています。
さらに、2010年度にも再度調査して数値が出ているにもかかわらず抜本的対策をとらず現在に至っていますが、突然今年6月になって市長が「危ない」と言い出しました。

結局、市長が素人考えで発言したことが分かります。
市長の「名古屋城は危ない、地震が来たらつぶれる」は日本だけでなく、名古屋城に多く来城している中国をはじめ全世界に発信されています。
今後市長がどう対応していくのか注目したいです。


16/10/18 「名古屋城天守閣木造化 専決処分は違法」名古屋市長へ申し入れへ

名古屋市民オンブズマンは16/10/18に会議を開き、河村たかし名古屋市長が現状のまま名古屋城天守閣木造化へ専決処分するのは違法だとして、専決処分をしないよう求める申し入れを行うことを決めました。
10/25(火)を予定しています。
また、市長が専決処分した場合、直ちに住民監査請求を行うことも決めました。

今回の件では専決処分が認められる地方自治法179条のいずれにも当てはまりません。
仮にこれを許すと、歯止めがきかなくなり市長の独裁を許してしまうことになります。

専決処分が自己目的化してしまっています。
市長は市民を巻き込んだ、議会との対話を望みます。

【参考】
 ・2013年3月22日 千葉県白井市 補助金返還住民訴訟 
  約2362万市長に賠償命令 東京地裁
  
http://www.city.shiroi.chiba.jp/kurashi/norimono/n05/1422236862402.html
 ・2013年8月29日 千葉県白井市 補助金返還住民訴訟 
  約2362万市長に賠償命令 東京高裁
  http://www.city.shiroi.chiba.jp/kurashi/norimono/n05/1422237023722.html
 ・2015年1月15日 最高裁上告棄却 東京高裁判決確定
  http://www.city.shiroi.chiba.jp/kurashi/norimono/n05/1423204152544.html


16/10/11 名古屋城天守閣木造化補正予算 継続審議に 委員会が判断


16/10/11に開催された名古屋市議会経済水道委員会において、名古屋城天守閣木造化補正予算が継続審査となりました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161011.pdf
・追加配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161011-1.pdf
・要旨(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161011-2.pdf

名古屋市は、2020年7月末までとした名古屋城天守閣木造化の期限を2022年7月までにしてよいとする法的根拠をまともに答えることができませんでした。
また、2年延期しても費用が同じ505億円とする根拠、ならびにさらに延ばせば100億円単位で安くできる可能性についても説明しませんでした。

にもかかわらず、市議会経済水道委員会では継続審議としました。大変理解に苦しみます。

さらに理解不能なのは、16/10/11中日新聞によれば、河村たかし名古屋市長は専決処分する方針を検討しているとのこと。

今回の件では専決処分は地方自治法179条のどれにも当てはまりません。弁護士と相談して対応を早急に考えます。

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横浜法学第23巻第2号(2014年12月)
板垣勝彦 論説 専決処分の許容性について
 -特に「議会において議決すべき事件を議決しないとき」要件に着目して
http://kamome.lib.ynu.ac.jp/dspace/bitstream/10131/8894/1/23-2-2.pdf


16/10/7 名古屋城天守閣木造化 市議会委員会は結論出さず10/11(火)に再度審議


16/10/7に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、河村たかし名古屋市長が2020年から2022年に名古屋城天守閣木造化完成時期の目標変更を明言した件について議論し、議員からの要求があった各種資料について、確認するため時間がほしいと市当局が訴え、10/11(火)午前10時から続きを議論することになりました。
名古屋城関係の議論が始まった13:12から暫時休憩を繰り返し、終わったのは22:03でした。

・概要(名古屋市民オンブズマン作成)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161007-1.pdf
 
要求があった資料は以下です。
・「2022年まで」と変更して市が竹中工務店と随意契約を結んでも法的に問題がないとした理屈ならびに判例
・6月定例会資料「基本設計契約の締結前に完成時期の遅れが確実になった場合、時期を変更し随意契約することは、法令に反する可能性がある」と、今回の延期の考え方の違い
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160624.pdf
・前局長が必須条件とした「2020年に間に合わないと明らかになった場合、白紙に戻す」と、今回必須項目を変えても白紙に戻さない理由
・2022年までとした場合のスケジュール

10/11(火)午前10時からの名古屋市議会経済水道委員会はネット中継があります。
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/

名古屋市民2万人アンケートでは、2020年までの完成を求めた市民は回答者のうちの21.5%にしか過ぎず、河村市長は6月議会で「市民の意見に耳を傾ける」としました。
しかしながら、突然2022年までという話が出て、どうして変わったのか、市民には全く説明がありません。市民には意見も聞かれていません。
また、これまで問題となっていた、事業全体の収支の問題、観光その他債を40年かけて償還することの是非、赤字になった場合の税金の投入の是非、入場料市外1000円の是非などについては、「本件補正予算が成立した後に第三者機関で議論する」と名古屋市は言っています。

市議会委員会ではあまり疑問視されていませんが、そもそも「木造6階建ての展望台を新たに作る」は建築基準法違反です。「仮設」として、エレベーター、2本の避難階段、排煙機、防火壁による避難経路確保などハイブリッド技術をつけくわえて、「仮設」を常態のままとし、不特定多数の観光客を入れる計画なので、国宝名古屋城にはなりません。

このような問題を抱えたまま、2022年で強行突破しようとする名古屋市の姿勢に対して、10/8(土)-10(月・祝)に、名古屋市議ならびに市長に対し、直接質問したり市民の意見を伝えてはどうでしょうか。

・河村たかし ホームページ
 http://takashi-kawamura.com/
・名古屋市議 連絡先一覧
 http://www.ombnagoya.gr.jp/nagoyashigi.html
・参考 名古屋市議会経済水道委員会委員名
 http://www.city.nagoya.jp/shikai/category/333-6-0-0-0-0-0-0-0-0.html


16/10/6 河村たかし名古屋市長 「名古屋城天守閣木造化を2022年までに」と突然方針転換表明


16/10/6に開催された名古屋市議会経済水道委員会において、河村たかし名古屋市長は、名古屋城天守閣木造化を2020年7月までに完成を目指してきたが、2022年7月までに変更すると突然方針転換を表明しました。

理由としては、入場者数について第三者機関による審議を行うこと、熊本地震を踏まえた石垣の耐震性について調査するため、2年間延長すると行政として判断したとのこと。

午前10時から始まった委員会は、長い休憩時間を挟んで午後7時に市長を呼んで意見を聞き、午後8時20分頃終了しました。

市議からは、「2020年7月が必須条件とプロポーザル公告したのに、勝手に行政が変更して、応募をあきらめた業者からの訴訟リスクはないのか」「前局長は、『2020年を変更した場合は公募を白紙に戻してやり直す』と言っていたが、あまりにも言葉が軽すぎないか」「期限を延ばしたのにどうして突貫工事をする必要があるのか」「6月議会で2026.27年と言っていたのに、『2022年』では『譲歩』ではなく後退ではないか」「優先交渉権者に選ばれた竹中工務店に、『2022年でできますか』と聞いていないのでは話にならないのではないか」「市長個人への責任追及を警戒しているだけではないか」といった意見が出ました。

16/10/7(金)午前11時から、経済水道委員会にて意思決定を行った後、続きの議論を行うとのこと。 ネット中継あり。
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/

・配付資料 観光文化交流局関係
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161006.pdf
・配付資料 市民経済局関係
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161006-1.pdf
・議論要旨(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/161006-2.pdf


16/9/27 名古屋城天守閣木造化 16/9/27に市議会委員会は結論出さず


16/9/27に名古屋市議会経済水道委員会が開催されましたが、補正予算を認めるとも認めないとも議決せず、10/6(木)に審議することを決めました。
・配付資料
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160927-1.pdf
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160927-2.pdf
           ・議事要旨(名古屋市民オンブズマン作成)  http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160927-3.pdf
   
河村市長は、「優先交渉権者は契約と同じ解釈」と発言していますが、市当局は「同じという解釈ではない」としています。
市は、竹中工務店に対し、16/7/8に「2020年7月までに工事ができるようなら工程表を出してほしい」と書面で依頼しましたが、竹中工務店は16/7/14に「貴市との事業は遵守させていただきます。工程表は設計業務締結後に提出する」と回答してきました。
市は今週中に提出してもらうようお願いしているとのこと。

いつまでこのような議論を続けるつもりなのか、10/6に方向性が出るのか、もしくはまた継続審議なのか。
名古屋城木造化に対してこのような混乱が続き、市民の木造化に対する議論の熱意が極めて低調になっています。

本来は、2020年7月までの計画をいったん白紙に戻した上で、2026.27年までの目標にした場合の実現性、工程表、工事内容、ならびにアジア競技大会・リニアと同時並行的に工事が可能なのか、費用の高騰を招くおそれがないのか、名古屋市の財政は耐えられるのか、入場者数の見込みは、現在の天守閣の耐震性ならびに入場制限の可否など、議論することが山ほどあります。

残念ながら、名古屋市と竹中工務店とのやり取りの書面を情報公開請求しましたが、10/28まで延長になっています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160926.pdf

市民不在、市民へ十分な情報を与えないまま今後の方針を決めることを危惧します。


16/9/8 名古屋城天守閣木造化 名古屋市はいまだに「竹中とのプロポーザルを法的整理中」


名古屋城天守閣木造化について、16/9/8に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋市は「2016年6月議会終了後、竹中工務店を優先交渉権者としての位置づけの法的な課題の整理を行っており、今日の時点ではお話しできない」ということを繰り返しました。

田辺議員(公明)は「市長発言で、今の案を撤回されると思い込んでいたが違った。
 1)撤回するというオプション 2)2020竹中で行く 3)2020ではなく竹中で行く 4)その他 などいろんなオプションがあると思うが、何があるのか」と聞いても、 「法的整理中で答えられない」と言うのみ。

名古屋市はいつになったら結論を出すのか大変疑問です。
プロポーザルに基づく仮契約以外に、公にされていない何らかの「密約」があるために結論が出ないとしたら大問題です。

また、プロポーザル実施広告によれば、「議会の議決が条件 工期の遅れが確実になった場合には、契約の締結をしないことがある」とあります。
議会が予算を否決する、ということもオプションとしてはあり得るのではないでしょうか。
それをしないのであれば、名古屋市の対応の不自然さをもっと追及すべきではないかと思います。

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・名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施公告
 
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/271202/index.html
(7) 予算の成立等
 ア 設計業務
 本公告に示した設計業務の契約は、本設計業務に係る予算の成立を条件とする。
 イ 工事施工業務
 本公告に示した工事施工業務の契約は、本工事施工業務に係る予算の成立及び議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例(昭和39年名古屋市条例第43号)第 2条の規定に基づく、名古屋市議会における議会の議決を条件とする。当該議決を経るまでは仮契約とし 、議決があったときは、その日をもって当該工事の請負契約が成立した旨について仮契約を締結した者(特別共同企業体の場合はその代表構成員)に対し通知する。
(8) 手続の中止等
ア 設計業務、工事施工業務それぞれの契約締結をする段階において、工期の遅れが確実になった場合には、契約の締結をしないことがある。

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2015/12/10 朝日新聞
木造復元「全責任を負う」 名古屋城 河村市長、業者説明会で
 2020年東京五輪までの完成を目指す河村たかし市長自身が登壇し、「五輪までには絶対完成させてほしい。全責任は市長が負う」と呼びかけた。
 河村市長は説明会の冒頭、「五輪までに造り、最低400年、家事や戦争が起きないようにというシンボルとして大事にしたい」とあいさつ。事業の滞りを心配し、「市役所が固いことを言ったらすぐ(私に)言って。解釈は広くする。五輪のタイミングはどえらい重要」と強調した。
 また、市長の任期は五輪前の17年4月下旬までで、自身の任期との関係は明らかにしなかったが、市役所の担当者が3年で異動することを引き合いに、「全責任は市長が負う。ぼくらみたいなちゃんと責任をとれる人間がやっていかな、いかん」と述べた。
 
2016/6/24 市民オンブズマン事務局日誌
「名古屋市特別秘書が名古屋城木造化の件で応募前にゼネコンを2回訪問」市が認める
http://ombuds.exblog.jp/23246388/
 また、田辺市議は、「名古屋市関係者は『仮に2020年7月に間に合わなくても、大丈夫だ』とゼネコンに担保したことはあるのか』と質問したところ、「私どもではありえない」としましたが、田辺市議は「あなた方ではない人でそういうことをした場合、違法か合法か」と聞き、市は「プロポーザルの条件について、専門家の見解がまだ出ていない。専門家の見解があればまだしも、なければ問題だ」としました。


16/6/28 名古屋市議会委員会 2020年名古屋城天守閣木造化を「継続審査」に


16/6/28名古屋市議会経済水道委員会は平成28年度6月補正予算案に関する意思決定を行い、木下市議から「名古屋城天守閣木造化について、市長から2026.27年を目標に決断するのにもう少し時間がかかるという話が会った。入場者数・収支の見込みについては、当局から第三者委員に調査を依頼すると発言があり、また国際展示場も慎重に議論の必要があるため、閉会中も議論をするよう求める」動議がなされ、全会一致で可決されました。 閉会中に議論されることになります。

・配布資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160628.pdf

名古屋城天守閣木造化については、そもそも2020年に間に合わせようという市長の提案は論外でした。ようやく議論のスタートラインに立ったと思います。「本物の城とは何か」「エレベーターの有無」だけでなく、木造5階建ての巨大建築物が建築基準法に適合するのか、文化庁・建築審査会の審査はどうなるのか、入場者数・収支見込みは客観性を保てるのか、現在のコンクリート天守閣を戦後復興のシンボルとして高く評価してはどうか、耐震・長寿命化のよりよい方策はないのかなど、さまざまな論点があります。
名古屋市民の中にはまだまだ議論が熟成していません。資料を公開し、きちんと議論をすべきだと考えます。


16/6/27 河村市長「2026.27年までに名古屋城木造化も大きな起爆剤 決断するのにもう少し時間がほしい」


16/6/27名古屋市議会経済水道委員会で、中川市議が「2万人アンケートの結果、6割が木造復元やったらどうかという結果がでたものの、『2020年7月までに完成』には理解を示さなかった市民が7割を超えた。それに謙虚に耳を傾けるなら、木造は了だが急ぎすぎないということではないか。また、収支見込み、入場者、耐震、財源フレームや、全体計画、二の丸、体育館など様々な課題がある。できれば2020年にとらわれるのではなく、アジア大会が予定されている2026年、リニア開業予定の27年をゴールに定めて市民・日本・世界に誇れるものを作っていくためにリスタートの準備をしてはどうか」という質問に対し、河村たかし名古屋市長は、「天守閣耐震性能や名古屋の経済発展のため1日も早く木造化したいのは山々だが、市民の意見に耳を傾ける必要がある。議会より提案があった、木造天守閣完成時期を2026アジア大会・2027アジア大会にすると大きな起爆剤になると考えられる。今後議会と手を携えていきたい。ただ、現時点ではプロポーザルの法的位置づけについて若干意見があるため、決断するのにもう少し時間をほしい」と述べました。

16/6/27配布資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160627.pdf
名古屋市民オンブズマン作成メモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160627-1.pdf

また、斉藤市議は「16/6/26中日新聞には、優先交渉権者を選定した有識者である三浦正幸・広島大大学院教授が『木造復元は大賛成だが、無理をして急いでおかしな城にするよりも、慎重を期し、誰にでも誇れる城として復元したほうがいい』と述べている」とし、現在の竹中案がコンクリートケーソンを利用していることを批判しました。

丹羽市議は「特別秘書が、提案書を出すことは難しいとした企業に締め切り前に『ぜひ提案書を出してほしい』と訪問することは非常に不適切な行動。関係委員会で審議されるべき」としました。
田辺市議は「特別秘書の行動について処分は考えていないのか」と聞いたところ、「市長に報告し、契約管理監に相談し、市長室に報告した。特別秘書と企業の報告が合致しているので処分は考えていない」と述べました。

6月28日(火曜日) 午前10時30分から 経済水道委員会の総括質疑に引き続き意思決定を行います。
ネット中継あり
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/

16/6/24 「名古屋市特別秘書が名古屋城木造化の件で応募前にゼネコンを2回訪問」市が認める


16/6/24名古屋市議会経済水道委員会において、丹羽市議が「市の関係者でゼネコンが正式に応募する前にゼネコンで会った人がいると聞くが、誰が何を話したのか」という質問に対し、名古屋市は「1社に対し、名古屋市の特別秘書が2回訪問した。昨日確認したところ、2/16ともう1日は不明。内容は、提案書が出せるかどうか」と認めました。
丹羽市議は、「かつてトワイライトの選定で同様のことがあり100条委員会が開かれたが、最終的にうやむやになったということがある。今回の特別秘書の行為は適切か不適切か」という問いに対し、総務課長は「公募への参加を促したのは、ただちに不適切とは言えないが、あらぬ疑いを生じさせる」としました。

・配布資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160624.pdf
・名古屋市民オンブズマン 作成メモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160624-1.pdf
 
また、田辺市議は、「名古屋市関係者は『仮に2020年7月に間に合わなくても、大丈夫だ』とゼネコンに担保したことはあるのか』と質問したところ、「私どもではありえない」としましたが、田辺市議は「あなた方ではない人でそういうことをした場合、違法か合法か」と聞き、市は「プロポーザルの条件について、専門家の見解がまだ出ていない。専門家の見解があればまだしも、なければ問題だ」としました。

また、中川市議は「ゴールとして2020年ではなく、2027年と言う考え方はあるのか」という質問に対し、局長は「市長も、次のビックチャンスは2027年リニア開業と言っているので私としてはありだが、局としては現在予算を提案しているためよしとしない」としました。

次回は6/27(月)10:30- 経済水道委員会の質疑が行われます。ネット中継あり
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/

16/6/23 名古屋市 「名古屋城来場者 年間360万人は人口減少を考慮せず」


16/6/23名古屋市議会経済水道委員会において、6/22に複数市議から350億円で名古屋城天守閣木造化ができるが8年かかるとした清水建設を参考人招致したい旨あった件は、正副委員長の協議で見合わせると発表しました。

その中で、市は事前に清水建設に対し、「参考人で来る予定があるか」と問い合わせていたことが発覚しました。
田辺市議は「委員会としての表明がある前にそんなことを聞くと、行政の圧力と感じ、業者は委縮する。大変遺憾だし、議員の自由な発言がなくなる」としました。

・配布資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160623.pdf
・竹中工務店見積書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160623-1.pdf
・メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160623-2.pdf

また、議会に補正予算を否決されたらどうするかという質問に対し、「ご理解を得られなかったとして、市長と相談の上方針を決める」とのこと。継続審議になった場合は、「竹中に、期間が3か月延びて、2020年7月の前提で工事ができるかどうか、また法的に問題がないか弁護士と確認しながら進める」とのこと。
藤沢議員からは、タイム的ではなく、議会から疑問が出たということも竹中に伝える必要がないのではないかと言う意見が出ました。

なお、中川議員は、2062年には名古屋市の人口が184万人程度と約8割になる見込みがあるにもかかわらず、どうして50年間360万人来場者があると見込んだのかと聞いたところ、「他城閣を参考にしたので人口は参考にしていない」と答弁がありました。
市は、「予測は第三者委員の検証を受けていないが、2−3か月かかる」とし、中川議員は見込みの相当のかい離がある場合どうなるかという質問に対して、「税金を投入しないと言うフレームは変えない中で、その時考える」とのこと。

次回経済水道委員会は6/24(金)午前10時半から開催します。
ネット中継あり
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/


16/6/22 名古屋市「現時点では2020年までに名古屋城天守閣木造化を目指すのは今まで通り」と発言


16/6/22名古屋市議会経済水道委員会において、6/21の名古屋城天守閣木造化に関する河村たかし名古屋市長の発言「完成時期は耳を傾けて考える」についてどのような意味か藤沢市議から問われ、市は「確かに市長はそう発言したが、今後どうしていくのか慎重に考えていくという趣旨。現段階では市としては2020年7月までの完成を目指して臨んでいき、補正予算を取り下げてはいない」と答弁しました。中川市議は「それでは何も変わらないではないか」と追及しました。
・配布資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160622.pdf
・メモ(名古屋市民オンブズマン作成)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160622-1.pdf

塚本市議から「竹中案には『困難』とも書いてある。仮に2020年に間に合わなかった場合、基本設計等の10億円はどうなるのか」と質問に、「継続するか協議し、進めていくのなら活かすことができる。中止する場合、活用は難しい」と述べました。

田辺市議からは「まに合わないと明らかになった場合、全局長から「いったんリセットする」と答弁があったが、確認したい」旨発言がありました。

江上市議からは、本丸御殿の基本設計は10カ月かかったが、どうして名古屋城天守閣は4か月でできるのか、と聞かれ、「天守閣は大規模で構造的要因もある」と、より時間のかかると思われる答弁がありました。
また、本丸御殿の基本設計は6400万円余りで、どうして名古屋城天守閣は4億8000万円もかかるのか、急いでやるからではないかと指摘しました。

田辺市議からは、基本設計は安藤ハザマは3億1000万でやれるとしているのに、どうして1億7000万円も違うのか、市長が「理にかなった数字」と言ってしまったため、市は価格交渉する気がないのではないかと追及し、市は「優秀交渉権者は竹中。安藤ハザマとは交渉していない」と答弁しました。

また、田辺市議は「清水建設から辞退届とともに補完資料が16/2/26に提出されたが、だれが持っていたのか」と質問し、市は「一つの参考資料として受け取った。清水建設からは非公開と言われた。特に活用していない。局長にも報告していない。市長には報告した。資料は2部あり、所長と安井設計が持っていた。隠しておいたわけではない。」と答弁しました。
田辺市議は、「市議に存在すら知らせないというのはあまりにも失礼ではないか。」と述べ、清水建設を参考人招致してほしいという動議を出しました。

さらに、田辺市議は、名古屋城木造化のプロポーザルに手を挙げた3社に対し、名古屋市職員が直接訪問したケースがあったのかなかったのかを確認しました。

次回総括質疑は16/6/23(木)10:30からです。ネット中継あり
http://www.gikai-tv.jp/dvl-nagoya/

16/6/21 名古屋城天守閣木造化 清水建設は「先に石垣補修で350億円」試算も市は詳細を市民に知らせず


16/6/21の名古屋市議会本会議で、河村たかし名古屋市長は、これまでこだわってきた2020年7月までの名古屋城天守閣木造化について、「完成時期についてはいろいろと意見があり、耳を傾けて考える」と発言しました。

現在、6月議会に約10億円の名古屋城天守閣木造化の基本設計等費用の補正予算が上程されています。
今後の委員会での審議に注目したいです。


16/6/17 名古屋城天守閣木造化 清水建設は「先に石垣補修で350億円」試算も市は詳細を市民に知らせず

16/6/17に行われた名古屋市議会本会議において、田辺雄一議員(公明)は、清水建設が石垣を先に補修すれば約350億円で済むも、2024年ごろの完成になり河村市長が要求する2020年7月の完成に間に合わないために辞退したとする16/6/17読売新聞記事を引用し、505億円の竹中工務店案には問題があると指摘しました。

河村市長は「清水建設から市に資料は提出されたが、正式に出されなかった案だからさらっと見た」と答弁するにとどまりました。

今後、6/21(火)にも本会議で、6月22日(水)午後1時10分からと6月23日(木)午前10時30分から、6月28日(火)午前10時30分から経済水道委員会で名古屋城天守閣木造化について議論されます。
http://www.city.nagoya.jp/shikai/page/0000083581.html

ぜひ注目しましょう。
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・2016年06月17日 読売新聞
 名古屋城木造復元 石垣先行で150億円圧縮案
 http://www.yomiuri.co.jp/local/aichi/news/20160616-OYTNT50270.html


16/6/13 河村市長 名古屋城木造化「命がけで不退転の決意で議会に臨む」も否決の際の辞職を明言せず

16/6/13に行われた、河村たかし名古屋市長定例記者会見について、記者から「6/14から6月議会で名古屋城木造化予算が審議されるが、もし予算が否決されたらどうするか」と聞かれ、「命がけで不退転の決意で議会に臨む」と何度も繰り返すも、記者から「一般的には、政治家が『不退転の決意』というのは辞職するということではないか」と聞かれると「皆さんの解釈に任せる」と述べ、辞職を明言しませんでした。
http://www.ustream.tv/recorded/88249340
また、河村市長は、「現名古屋城天守閣の耐震性能が大変悪く、市長の責任問題となる」と述べるも、記者から「今回の議会で予算案が成立しない場合は入場制限をするのか」問われると「今でも責任を問われる。木造化する竹中案だと今年の11.12月ごろにはエレベーターを壊し始め、どっちにしても入場制限をしないといけない。
先日の幹部会で防災局長、観光局長、住宅都市局長に『大至急対応を検討してほしい』と指示した」と述べるのみ。

河村市長は「片岡教授は『2020年から変更すべき理由があるの?お金がない、材木がない、すごい技術が発見された どれもないではないか』と言った」と話し、2020年までの木造天守閣に執念を見せました。

また、国際展示場について、名古屋市独自で空見に作る方針は変わらないとしました。

以下名古屋市民オンブズマン作成まとめ
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河村:名古屋の未来 決定的な意味を持つ議会
 東京と大阪・京都 ナンバーワンは京都
 名古屋は 問題意識が高まらない
 メルボルンCEOにデスティネーションがないのではないか
 必死になって考えないといけない
 京都に行くのにリニアで名古屋乗換
 東京都名古屋区ではいけません
 68年間毎晩考えてきた 郷土愛
 本物の木造にしてほしい
 心臓がプラスチックにしてほしい
 実際あったもの

 命がけで不退転の決意で議会に臨む
 自身で本当に危ない IS値0.14 壁が少ない
 大変危険な状況 国会図書会の資料
 5大都市 公共建築物の中でIS値最低
 京都市 IS値0.1→対策中
 市営住宅 0.3以下は50棟
 人が出ていかずにできるのはやった
 人が出ていってやるのは大至急指示 予算は心配しないでよい
 名古屋市民の安全とお客さんの命を守る
 何もしないのはあり得ない

 入場制限するとびっくりされる
 コンクリートは立派な建物
 防災会議 大変危険だと聞いている 早急に対策を
 竹中案をすすめて
 2020年にやってほしい 予算を1億近く使っている
 プロポーザルを求めた 
 ある学者 2020年から変更すべき理由があるの?
 片岡先生が言っていた
 お金がない、材木がない、すごい技術が発見された ない
 最善の方法
 延ばすのなら耐震の問題は責任をとってほしい
 地震だからいつ起きるかわからない
 命がけで不退転の決意で議会に臨む

問:今回の議会で予算案が成立しない場合は入場制限をするのか
河村:市長の責任が問われる 今でも
 竹中案 11月か12月には入場制限はある
 状況は同じ
 議会が認めないのであれば耐震性 状況は同じ
 市長としてだめ市長となると思う
 耐震補強 努力義務
 国賠法2条 瑕疵 自治体が責任を問う
 国賠法の適用があるのではないか
 やらないといけない
問:具体的に検討するのか
 市民の皆さんが納得しないといけない
 今でもやらないといけない

問:入場制限 1日に何人なのか、全くだめなのか
河村:いつ起きるかわからない
 7階は0.14 4階 0.4
 例えば4階まではいるとか、学者「人数制限はあり得ない」
 普通の感覚からすれば全部ストップ
 シミュレーションはできる 3か月くらい
 
 本丸御殿3期工事が真下
 ダメージがあるのかないのか
 何人かを入れると言うのはちょっとおかしい。
 ソフト面 
 地震は即来る

 市民の皆様に伝わらない 今すぐにも対応しなければいけない
 「議会の議決にかかわらず」封鎖するでよいか
 びっくりするでしょ?
問:会議をせずに禁止するのか?別の会は立ち上げるのか?
河村:今ある
 そういう方で検討してもらっている
 配った? 学者から
 今後どう進めるのか
 今すぐに禁止しないといけない
 どう進めるのか
 幹部会で防災局長、観光局長、住宅都市局長 大至急対応を検討してほしい
 不思議な心理状況
 なぜこんな0.14 驚くべき数字
 なぜ言わなかったのか
 お金のこと ためらっていたらいかん
 市営住宅 住んだままはやった
 中公設 0.10 

問:議会の議決の結果にかかわらず指示したということでよいか
河村:国からも観光庁長官には電話した
 こういうのはいいのか? 
 それをどうしようと言う法律はない
 問題点は共有している
 名古屋の方で考えて

問:辞職するのも選択肢か?
河村:ディープなこと 何とも申し上げできないが
 命がけで不退転の決意で議会に臨む

問:「不退転の決意」政治生命をかける
河村:軽々しく言う言葉ではない
 御含みを
 その通りです。

問:愛知県 大規模展示場 予算がついて計画が進んでいる
 展示場委員会 単独への設置は?
河村:変わらない
 名古屋城は精神的支柱
 産業の力を高めていく 産業界が主役
 名古屋で商売やって最も良い環境 名古屋市にとって必要
 エンジンが変わっていくと変わっていく
 県セントレア 応援していくことはしていこう 県は思っていないようだが
 主体は産業界 国際競争がある
 3つあると日本最大 金城、空見、セントレア
 2重投資ではない
 金城 成約が250億
 ユーザーオリエンテッド
 新幹線から近いのは有利
 県のレポート 名古屋市内がよいが適地が見つからない

問:命がけで不退転の決意で議会に臨むとは、辞職すると言うことか
河村:「政治生命」あなたの解釈 皆さんの解釈
問:ほとんどそう解釈すると思うが
 私はそのような決意
 いい加減なことではできない

問:議会で否決された時のシミュレーションは?
河村:なかなか答えずらいものがある
 可決すべく不退転で
 「具体的には考えていない」

問:大村知事と東京に行ったが、知事は名古屋城についてどう思っているか?
河村:応援してちょうよとは言っている。
 応援すると思うけどね
 

16/6/7 2020年までの名古屋城天守閣木造化に向け6月補正予算で10億円計上提案 石垣補修に別途5000万

名古屋市は16/6/7に平成28年度6月補正予算を発表し、2020年7月までに名古屋城天守閣を木造で復元するために新たに特別会計を設置し、基本設計を行うために10億1100万円の予算を計上を提案しました。
それとは別に、名古屋城跡における石垣の現状把握や危険度評価等の詳細な調査を行い、石垣カルテを作成するための調査費5000万円も計上しました。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-13-4-0-0-0-0-0.html

名古屋市が2万人アンケートを行った結果、回答があった7,224人中、「2020年までに木造」は21.5%と最も低かったにもかかわらず、河村たかし名古屋市長は予算を提案してきました。
上記10億1100万円について財政局案では「未計上」だったにもかかわらず、市長査定でねじ込んできた形となります。

2020年7月までに名古屋城天守閣を木造化することについて、民意を反映していないというだけでなく、
・現鉄筋コンクリート製天守を耐震化し、長寿命化すれば40年以上は十分もつ
・想定する年間360万人来場者数の根拠はない
・木造6階建ての天守は建築基準法違反として認めない可能性あり
・木造と鉄筋コンクリート耐震改修のライフサイクルコストの比較がない
など多数の問題点があります。

6/14(火)から名古屋市議会が始まります。
「市議会があってよかった」と市民が思えるような議論を望みます。
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20160605  高橋和生(一級建築士)
市民2万人アンケートは無効だ。名古屋市は市民をだまして「天守木造化」への賛意を求めたのだ。
http://bit.ly/1UvKnZX

20160605  高橋和生(一級建築士)
「木造天守は、今の鉄筋コンクリート造天守より耐震性が高い。」って、どうよ。
http://bit.ly/1UvJPn0


16/6/1 名古屋城2万人アンケート 「2020年までに木造」21.5%も「6割が木造賛成」と市が強弁

16/6/1名古屋市議会経済水道委員会で名古屋城天守閣2万人アンケート報告がありました。
資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160601.pdf

議論に入る前、中川議員(自民)が議事進行発言をしました。
「今日の中日新聞に、『6月補正予算で石垣補修予算を付ける見込み』とある。この委員会では事前審査に当たらないようにしたいが、議会にも提案されていないことをマスコミに事前に流すとはどういうことか。当局と議会との信頼関係が失われた。委員長はどう考えているか」
大村委員長(減税)は「私も今朝知った。上記については正副委員長で預からせていただく」としましたが、中川議員は「上記報道では議会に諮る前に方針転換したようにも読める。本日の所管事務調査の意味があるのか?」と述べ、大村委員は「本日はアンケートのみ議論したい。正副委員長で預からせてほしい」と繰り返しました。
中川議員は休憩を要求し、暫時休憩することになりました。
休憩の前、江上議員(共産)は「6月補正の内容を報道機関に漏らすのは議会軽視であるので、委員会として抗議をすることを求めたい。一方、今日の議論も重要だ」としました。
藤沢議員(自民)は「広報なごやの特別版が議員の机の上に配布されているが、議会の議論などが書いてなく一方的。議会に事前チェックもされていない。普通に読めば木造天守閣をやると読める。これはゲラ刷りか?」と質問したところ、舘主幹は「現在各戸配布している。4/28委員会で概要版を基に作ると説明した。本冊子には議会の議論は書いたが、概要版には議会の議論は書いてなかった」と述べ、藤沢議員は「すぐに配布を止められるように」と述べました。
・公報なごや2016年6月特別版 名古屋城天守閣の整備
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/koho2016-6.pdf

10時40分に休憩した委員会はその後12時20分から再開しました。
議論の概要(名古屋市民オンブズマン作成)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160601-1.pdf

名古屋城天守閣2万人アンケート結果について
回答者 2万人中7,224人
・2020年までに木造21.5%
・2020年にとらわれず木造40.6%
・耐震改修26.3% 
・その他6.2%
・無回答5.4%

市当局としては「木造復元を行うと答えた市民は60%を超えた」とするも、「2020年まで竹中案に反対する市民が6割超であることに対する認識を持ち合わせていない」とし、「アンケートを踏まえて市長と相談し、6月補正予算で市の考え方を示したい」としました。
市議からは、「素直に読めば、市長の2020年までの竹中案は否定されたとみるべき」「耐震とコンクリート劣化対策は別物なのに市がきちんと説明していないのはおかしい」「市はこれまで収支計画・入場者数など甘い見積もりを出し続けてきた。外部のきちんとした意見を取り入れるべき」といった意見が出ました。


16/5/30 名古屋城木造化2万人アンケート 市長「近いところできちっと報告」と公表せず

名古屋市が16/5/20必着で集めていた名古屋城天守閣2万人アンケートについて、河村市長は16/5/30の定例会見で「中間結果については、近いところできちっと報告する。最終段階なのでもうちょっと時間を」と述べ、結果を発表しませんでした。

16/5/27に名東区役所で行われた「市民討論会 名古屋城天守閣の木造復元を考える」で、名古屋市職員は「2万人アンケートについては、土日に取りまとめ、結果を受けて市長と相談して方針を決める。市民の意見は重い」と述べました。

市議が行った独自アンケート、報道機関が行った独自アンケートでも、2020年までに木造天守閣復元をすべきとする名古屋市民は大変少ないです。
市は、「今後の対応を決めないまま結果を表に出すわけにはいかない」ために公表を渋っているという情報もあります。

6/1(水)午前10時半から、名古屋市議会経済水道委員会で「名古屋城天守閣の整備・2万人アンケートの結果等について」が議論されます(ネット中継あり)。
市議会がどのような判断をするのか、大変注目したいです。
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16/5/30 河村たかし名古屋市長定例記者会見
http://www.ustream.tv/recorded/87552937

名古屋市議会 委員会の開会日程(予定)
http://www.city.nagoya.jp/shikai/category/324-3-0-0-0-0-0-0-0-0.html

2016年05月29日 瑞穂図書館を考えるblog
名古屋城天守閣木造復元に関する市民アンケートの結果公表せず!?
http://blog.livedoor.jp/igrs1949/archives/1057975475.html

16/5/27 名古屋城天守閣木造化 名東区で初の賛成・反対派が討論

16/5/27に名古屋市名東区役所講堂で「市民討論会 名古屋城天守閣の木造復元を考える」が開催され、はじめて推進派・慎重派が同じ壇上で話しました。参加者は40人ほどでした。
主催者が事前に名東区選出市議へ意見を集めており、小林祥子市議(公明)、さいとう愛子市議(共産)、丹羽ひろし市議(自民)、日比健太郎市議(民進)からは意見が届きましたが、浅井康正市議(減税)からは意見の提出はありませんでした。
・資料と名東区選出市議の意見
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/160527-1.pdf
 
まずナゴヤ魅力向上担当部と名古屋城総合事務所から、木造化推進の立場を話した後、木造化慎重の立場として、元名古屋市職員(名古屋城勤務)の山口吉夫さんが話されました。
山口さんは、竹中工務店の提案はアメリカヒバを使うことになっており、「寸分たがわぬ」とはなっておらずレプリカにすぎないこと、400年前からある東南隅櫓の内部は大変暗いこと、鉄筋コンクリートで復元された現天守閣の屋根裏に寄付者の氏名が書いてあり、戦後復興の記念碑として今後も残していくべきであること、市が説明した「耐震改修してもおおむね40年」というのはまやかしであり、長寿命化をすればはるかに延命が可能であること、熊本地震で被災した熊本城の復興に全力を注ぐのが第一で、名古屋城が邪魔をしてはいけないこと、時間をかけて専門家の意見を聞いて、市民が納得してからでないと木造化はしてはいけないと述べました。

また、会場には2名の市議が参加し、さいとう愛子市議(共産)は「耐震改修したのち、急がずに検討すべき。工期が短すぎ、事業費が505億かかると言うが、来場者数の裏付けが希薄。名古屋城春の陣に言ってきたが大変多くの人が来場した。本当に試算通りに来たらすし詰め状態になる」と述べました。
丹羽ひろし市議(自民)は、「私は共産党さんと意見が同じ。市の試算は外材を使った場合270億だったのに、竹中案は505億円となり、今後追加料金を払う必要もあるかもしれない。2020年までに木造天守閣を作ろうとすると、現天守閣と本丸御殿が並んだ姿が見れない。市が金儲けをするというが、本当に儲かるのなら民間でするはず。儲からないから市がやる。高速道路、あおなみ線、地下鉄、今頃すべて黒字のはずだった。役所の計画は絵にかいたモチだ。私は木造天守閣に反対しているのではないが、今回の河村提案には反対する」と述べました。

司会・進行は木田勇輔・椙山女学院大学講師が務めました。
会場からは、「外国人を本丸御殿に連れていったら、『もうけっこう』と言われた。時代を感じない。城は外から見て面白い」「河村市長が『爆撃で破壊されたドレスデンは復興して世界遺産になった』と言っているが、2004年に世界遺産(文化遺産)に登録されたのち、2009年6月25日に世界遺産から削除されている」「ゴールデンウィークに犬山城に行ってきたが、40分待ちと言われて帰ってきた。 名古屋城に360万人も本当に来るのか?ボストン美術館に毎年33万人来ると言われていたが10数万しか来ず、閉鎖することになった。税金を使わないと言えるのか」「どうして完成をオリンピックに合わせないといけないのか。アピールはオリンピックだけではない」「行ってよかった日本の城ランキングの1位は鉄筋造りの熊本城であり、名古屋城が鉄筋だから20位以下と言うわけではない。熊本城は50億円かけ来場者が2.8倍になった。」「50年後に太い木はたぶんないため、賛成するが、オリンピックまでに間に合わせようとするのは暴論」「きちんとしたものを作ると国宝になる。熊本城の本丸御殿に行ったが小さかった」「学校で『名古屋城は鉄筋造りの偽物』と習った。今ある建物が、戦災復興のために造られたことは知らなかった。外国向けではなく、まず国民が魅力を知って誇りをもつようにならないといけないのではないか。」「行政からの名古屋城に関する説明はあるが、議会からの説明が全くないのはどういうことか。」「私たちは名古屋オリンピックをつぶした経験がある。市政は市民のもの。市長のメンツのためにやっているわけではない。河村君は大学の後輩だが、なにもわかっていない」「市民のコンセンサスが得られているのか。住民投票で決めてはどうか。」「名古屋城の保守管理の金がついていない。木造化には賛成だが、今やることに反対する」

名古屋市職員は「2万人アンケートについては、土日に取りまとめ、結果を受けて市長と相談して方針を決める。市民の意見は重い」と述べました。

丹羽市議は「自民党としては、2万人アンケートをみようと言うことになっている。賛成もおり、反対もおり、今の時期はどうかという意見もある。今後委員会で審査して方向性を出す。私は委員ではない。私は支持者にアンケートを取ったが、10%しか2020年までの木造化に賛成がなかった。おそらく2万人アンケートも賛成は少ないだろう』と述べました。

最後に、会場から「2万人アンケートの項目をこの場で手を挙げてもらっては」と言う声が上がりました。
 1)2020年までに木造 1
 2)2020年にこだわらず木造 6
 3)耐震補強 25
 4)そのほか 7

  司会の木田勇輔先生は、「市にはぜひ今日出た意見を上にあげてほしい」と述べました。
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木田勇輔 博士論文
現代都市政治におけるレジームの流動化 : 名古屋市政の政治社会学的研究
http://ir.nul.nagoya-u.ac.jp/jspui/handle/2237/21147


16/5/15 シンポ「これでいいのか?名古屋城天守閣木造化と市民参加」に60人

名古屋市民オンブズマンは16/5/15にシンポ「これでいいのか?名古屋城天守閣木造化と市民参加」を開催し、60名の参加で大盛況でした。
・配布資料
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160515-1.pdf

まず、名古屋市民オンブズマン代表の滝田誠一弁護士は「名古屋市民オンブズマンのスタンスとしては、木造化賛成でも、反対でもなく、『進め方がこれでよいのか』という視点でのシンポを行いたい」と述べました。

名古屋市民オンブズマンの内田隆氏は、これまでの名古屋城天守閣木造化の経緯を説明し、「市民の意見を聞くはずの市が行ったタウンミーティングに16回中14回参加したところ、市長の説明がころころ変わること、市民が意見を言っても一方的に返事をされて意見を行く態度がないこと、入場者数の根拠が薄いことが分かった。
現在行われている竹中案報告会に5回中3回出席したが、タウンミーティングと基本的には問題点は変わらず、参加したい人だけが参加するものになっている。2万人アンケートに報告会チラシを入れても各会場10名程度しか参加していない。情報公開もあまりされず、無作為抽出のアンケートと言っても説明書きが誘導的で、しかも根拠が薄いものだ。単なる箱モノづくりにすぎないが、市長の独断で決めていること、『民意を聞いた』という外皮をまとっていることが特徴的」と述べました。

続いて、名古屋大学法学研究科の田村哲樹教授は「熟議民主主義の必要性」と題して講演されました。
民主主義とは、みんなのことをみんなで決めること。実はいろんな形式がある。「熟議民主主義」とは、多数決でもなく、単なる参加でもなく、話し合い中心の民主主義。「数の力」ではなく、理性/理由(reason)中心の民主主義。
熟議民主主義では、熟慮+議論、ならびに自分の考えを見直すことが重要となる。具体的には、ミニ・パブリックスと呼ばれる、無作為抽出で集められた「普通の市民」が特定のテーマについて議論することが世界中で行われ始めている。
熟議を通じて生まれる「練られた意見」が大事となる。
熟議が必要となる理由として以下3点がある。
@20世紀後半から、意見や価値の多元化が進み、「わかりあえない」。
A政党と社会の結びつきが弱体化してきた。政党リーダーが個々の有権者と直接つながる形で支持を獲得することも。「生の世論」から「練られた世論」を作り、政治の失われた社会的基盤を作りだすことが重要。
B現在は、行政が政治を行っているが、具体的なチェックポイントがない。ミニ・パブリックスなど
熟議民主主義を制度的に取り入れてはどうか。ただし、行政がその立場を変える可能性が確保されていないと、アリバイ作りの機会と言われてしまう。
続いてシンポジウムに移り、名古屋文理大学基礎教育センターの井上治子教授(社会学)は「木造化2万人アンケートが実施されているが、論争中の一方のみが提示した資料に基づいて回答させるものなので、熟議民主主義に資するものでないことは明らか。
ただ、名古屋城天守閣木造化の問題に熟議の考え方を当てはめようとした時、以下の疑問も浮かんでくる。
@名古屋で『わかりあえない』という個人化がどの程度進んでいるか。
A名古屋で政党リーダーと個人が本当に直接結びついているか。
B市民参加制度は運用こそが重要だが、この問題で実際にミニ・パブリックスを行うとしたら、誰が主催し、どういう司会が適切か」と問題提起されました。
まず@に関し、「自分たちのお城がきれいになるというそこはなとない嬉しさ、郷土愛などは軽視されるべきではないのか?」という井上教授の提起について、田村教授は「郷土愛は様々なグラデーションがある。多様な人を抽出して意見を出してもらえば分かるのでは。また、人と人との間だけでなく、個人の中でも意見のグラデーションがあり、多様な考え方が出れば意見を見直すことがある」と述べました。
名古屋市民オンブズマンの新海聡弁護士は、「離婚など家事調停の現場では、敵意むき出しの2人で合意できそうでなくても解決方法はある。ただし調停など『制度』がなければ合意はできない。重要なことほどお互い納得して合意しないといけない」と述べました。

会場からは「そもそも来場予測などはテクニカルな話で、民主主義の支配にそぐわないと思う。また、熟議民主主義は、意見を固執する人には負けてしまうのではないか。」という意見が出ました。
田村教授は「無作為抽出で集まった市民は、きちんと熟議できるとの指摘が多い。それが制度の力とも言える。もしも自己の意見への固執が多く見られた場合は、『熟議的な場にならなかった』ことを批判的に検討すればよい」と述べました。

次にAに関し、井上教授は「名古屋城天守閣木造化推進派の市民運動もある。権力者や企業が実態を隠し草の根運動を装って行うことを『人工芝運動』と呼び、名古屋市においても市長派の運動を『人工芝運動』と批判する意見があるが、その見方には違和感がある。たとえ市長にけん引されていても、市民が意見を言ったほうがましではないか。
市長がリーダーシップをとる市民運動としての集団が、名古屋市には実際にあるのではないか。
熟議民主主義を考えるなら、市長対市民の図式に捉われ過ぎず、市民同士の理解を深めるために、オンブズマンはサイレントマジョリティの心情把握にさらに努力できる余地があるのではないか。

新海弁護士は「市民オンブズマンは、もともとデモも署名もいやだが、何かモノを言いたいというところから始まった。情報公開という事実を基に役所に意見を言ったら、役人は驚いて記者会見まで開いて対応した。『意見が届いた』という実感があった。
しかし、2001年に小泉純一郎が『税金の無駄遣い』と言いだしてから、『税金の無駄遣い』と言うのが嫌いになった。事実のレベルに戻り、事実がおかしいと言い続けたい」と述べました。
田村教授は「中京大学の松谷満准教授は、石原知事・橋下市長・河村市長の支持基盤を調査したが、河村市長だけ参加主義的支持が多かった。他ポピュリスト的首長とは異なり、市民参加と結びついているのでは」と述べました。

Bに関し、井上教授は「制度があっても不十分なケースが多いことを実感している。運用が良くなければ、実質的に市民は意見が言えなくなる。田村教授の話を聞くとミニ・パブリックスを名古屋城問題についても実施したくなるので、具体的方法についてご意見を伺いたい。5年前の市議会リコールの際は、中日新聞が主催してパネルディスカッションを行い、参加する前と後で意見が変わったかを参加者に聞き、変化があったことを確かめた。」と述べました。
田村教授は「ミニ・パブリックスは、第三者が実行委員会などの形式で行うのが望ましい。そこでは少人数グループでの議論と、全体での議論が行われる。『司会』の役割が重要なので、司会能力を持つ人の育成は重要な課題だと思う。パネルディスカッションを市民が聴く方式は、それを聞いて考えを見直すことができるので、次善の策としてはあり得る。」と述べました。

会場からは「大学の先生の話は優柔不断だ。行政マンだったが苦慮の末決断した。新海弁護士は憎たらしいことを言うが、責任を持って発言しているのは立派。期間が決まっているときにどうすのか、もっと真剣に分かりやすく教えてほしい」という意見が出ました。
田村教授は「原子力発電依拠率についてミニ・パブリックスが行われた。時間がない中、議論が不十分で決定すると、納得できずにかえってうまくいかないことが多い。深刻な問題こそ時間をかけてすべき。本来、国会より地方のほうが議会と行政がチェックできる仕組みになっている。お互い熟議するように制度的に調整の仕組みを設けるべき」と述べました。

会場から「河村市長の手法は大問題。自分の主張を推し進めるためいかにも市民の意見を聞くような形を取っている。独善的なやり方だ」「若い世代にとっては、憲法改正問題こそ熟議民主主義が必要ではないか」という意見が出ました。
田村教授は「今の政府は、熟議民主主義で憲法改正問題を議論するつもりはない。市民側からの憲法改正に関する熟議民主主義の動きはない」と述べました。
新海弁護士は「ある作家は若いころ外国人の問題を友人に話したら『なんか人権のにおいがする』と言われてショックを受けた。人権が嫌い、民主主義が嫌いと、食わず嫌いの若者が増えているのではないか。個人と政治家が結びつくのは、世界でも例がある。人権感覚、民主主義という前に『勝手に決められたくない』という価値は分かるのではないか。」と述べました。
最後に、新海弁護士は「『民主主義は多数決だ』とプロの政治家が言っているのにショックを受けた。民主主義自体に不信感や無力感を感じてしまうのではないか。最近『熟議民主主義』という言葉を知り、ぜひ田村先生にお話を聞きたいと思い企画した。みなさん『民主主義の理想形』の話を聞いて元気にならないか。理想論ではあるが、理想は必要だ」と述べました。

16/5/13 河村市長「瑞穂グラウンド改修は400億かかるが、名古屋城木造化とどっちが価値がある?」

16/5/13に名古屋市緑小文化劇場で開催された「名古屋城天守閣の整備 市民向け報告会」において、河村たかし名古屋市長は「今日東京で大村知事と2026年アジア競技大会招致の記者会見をしてきた。主会場予定の瑞穂陸上競技場は改修に400億円かかるが、名古屋城木造化とどっちが値打ちあると思う?瑞穂グラウンドは400年もつか?瑞穂グランドを見るためにわざわざ世界中から客が来るか?」と述べ、建設費に474-505億円が見込まれる名古屋城天守閣木造化に理解を求めました。

2026年アジア大会の運営費は500億円程度必要とみられており、それ以外に瑞穂陸上競技場の国際仕様改修に400億円程度かかる見込みです。
費用負担の議論は今後行うとのこと。一過性のイベントに900億円かけるのが適切なのか、今後市民の議論が必要だと考えますが、自らアジア大会を招致しておきながら400億円の改修費は価値がないように話す河村市長の考えは全く理解できません。

なお、2026年アジア大会の招致を検討していた福岡県は、財源の確保が困難として見送る方針を決めました。
愛知県・名古屋市は財源確保をどう考えているのでしょうか。

140人程度参加した報告会では、会場から「本日市長から話を直接聞いたが、あまりにも甘い計画であると分かった。工期、金、名古屋のシンボルどれもだ。夢を見させていただくのはよいが、400年後の人ではなく今安心して暮らしていけるかが政治の役目。優先順位を考えてほしい。
政治家は往々にして自分の任期中に『これを作った』と足跡を残しがち。公共事業で本当に利用しているのはあるのか?維持費もかかる。有松の再開発では、にぎやかになると言われていたが、閑古鳥が鳴いており、風情のない町になってしまった。熊本の被害、福島の被害を見ると、名古屋でそのようなことがないようにしてもらいたい」という声が上がりました。

別の参加者から復元した木造天守閣の震度7に対する耐震数値を聞かれ、竹中工務店の担当者は、「名古屋市から示された耐震性の要求水準は現行法以上というものだ。中小地震では構造体に影響がなく、大地震の際は構造体が損傷するも倒壊しないというもの。Is値でいえば0.6以上。1750年代の宝暦の大改修後、名古屋城は南海トラフ地震に2回遭っている。1854安政大地震、1944東南海地震。1891濃尾地震もあった。それらを踏まえ、付随して補強する」と述べました。

また、竹中工務店の担当者は「伝統建築を行う業者と打ち合わせをしたが、高齢化が進んでいる。世代交代のいいチャンス。地元の業者と連携を重視し、メンテナンス技術を名古屋に残せるのではないか」と述べました。
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なお、名古屋城天守閣の整備 2万人アンケートで送られたものを入手しました。
・2万人アンケート調査票
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/anke201605.pdf
・2万人アンケート説明資料「概要版」
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/gaiyo201605.pdf
・市民向け報告会開催チラシ
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/chirasi201605.pdf
・2万人アンケート説明資料
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160511-1.pdf
・名古屋城天守閣パンフレット
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160511-2.pdf
・名古屋城天守閣PR映像(DVD)
 https://www.youtube.com/watch?v=SagesQcdMWI&feature=youtu.be 

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名古屋市は16/5/9に「名古屋城と熊本城の大天守の概要及び耐震診断結果の比較」を記者発表していました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000082631.html
根拠資料がほしいと言ったら、概要版の抜粋を作って送ってきました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/taishin.pdf
概要版は数ページとのこと。入手可能か問い合わせます。
計算式は10センチファイル3冊とのこと。

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・当日動画(16/5/16 17:00以降視聴可)
 https://www.youtube.com/user/maruhachitube


16/5/12 名古屋市「名古屋城天守閣木造化の収支計画と入場者数は公認会計士と相談済み」?

16/5/12に名古屋市港小文化劇場で開催された「名古屋城天守閣の整備 市民向け報告会」において、名古屋市民オンブズマンのメンバーの「収支計画と入場者数見込みについては市議会での提案通り、検討委員会を立ち上げて専門家やコンサルに見てもらったものか。検討委員会を立ち上げていなければ議会軽視ではないか」という質問に対し、「収支計画については公認会計士と相談済み」とのみ答えました。
入場者数については答えなかったため再度聞くと「入場者数についても公認会計士と相談済み」とのこと。入場者数をきちんと検討できる公認会計士なのかどうか、大変疑問です。
検討委員会は立ち上げておらず、専門家による来場者数のチェックを受けていないことを事実上認めました。
名古屋市は、入場者数見込みについてリニア開業など外的要因を考慮せず、本丸御殿公開や金シャチ横丁など内的要因のみ考慮に入れていると説明しています。
名古屋市が名古屋城天守閣木造化の返済が終了すると試算している2069年には日本の総人口が7698.4万人と予測されています。その後もどんどん日本の人口が減ると予測される中、毎年360万人の来場者数を維持できるという根拠は全くありません。
・国立社会保障・人口問題研究所
 平成24年3月30日公表資料 出生中位(死亡中位)推計
 
http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/newest04/sh2401smm.html#chapt11-1

天守閣木造復元は2069年までに建設費・利子・運営管理費等を含めると915億円もかかる大事業です。
・当日配布資料 26-27ページ
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160511-1.pdf
1割入場者数が減少するだけで34億円の赤字、5割入場者数減(180万人 現状と同じ)だと425億円の赤字となる計算となります。
あおなみ線はコンサルが需要予測を試算しましたが予測の22%しか客が乗っておらず、莫大な税金を投入しています。
http://www.ombudsman.jp/taikai/2014hazure.pdf
名古屋城があおなみ線の二の舞にならないという保証は全くありません。
名古屋城木造天守閣維持のため、税金投入が400年続く可能性もあります。
(その前に取り壊されるかもしれません)

また、「外国から多くの観光客が来るというが、英語で名古屋城ボランティアをしている人に聞くと、史実に忠実に復元した本丸御殿に対する外国人の反応が薄く、150億円かけて作っていると言うと一様に驚く。実際に外国人を含めてアンケートを取ったのか」ということについても、「本丸御殿建設時にアンケートを取り、来場者が2倍になるとなったため、今回の天守閣木造化でも2倍になると想定している」と答えるのみで、アンケートを実際には取っていないことを事実上認めました。
(本丸御殿のアンケートでは2倍で220万人来ると予測しましたが、現状は170万人程度にとどまっています)

なお、入場者数は80名程度と空席が目立ちました。
2万人アンケートの対象者が10名程度と、5/11より多いのが印象的でした。
5/11報告会と異なり、パワーポイント資料は全員に配布されました。

藤沢ただまさ市議会議長は、「耐震数字が悪いのであれば、明日からでも入場禁止にしないといけない」と述べました。また、会場の空席を見て「役所が『これが名古屋市のシンボルです』と作るのではなく、やるのであれば『みんなでやろうよ』という形を取りたい。6月議会で決めたい」と述べました。

また、会場からは「小中学校は耐震補強で老朽化した校舎で学んでいるのに、どうして名古屋城は木造で立て直すのか」という声に対し、河村市長は「名古屋城は400年前の図面が残っている。世界で唯一復元できるので全く意味が違う」と述べました。

最後に、司会者から熊本地震で避難者が過酷な生活を強いられており、さらに熊本城も多くの被害にあっているため、出口で熊本城支援の募金箱を置くとアナウンスがありました。
「熊本の人を支援する募金箱はないのか」と担当者に聞くと、「城つながりで熊本城支援のみ置いてある」とのこと。
熊本の方に、被災者支援と熊本城支援、どちらを優先すべきだと考えているか聞いてみたいです。

・当日動画(16/5/13 17:00以降視聴可)
 https://www.youtube.com/user/maruhachitube

今後も、名古屋市は同様の説明会を2回開きます。ぜひご参加ください。
5/13(金)18時半-20時半 緑文化小劇場
5/15(日)14時-16時   鯱城ホール
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000082421.html
また、会場入り口では共産党市議が5/14(土)の緊急企画「名古屋城天守閣 あわてるな!木造化」のチラシを配っていました。
http://www.n-jcp.jp/2016/04/14979.html
なお、名古屋城木造化の進め方を問うシンポジウムを5/15(日)午後1時半からウィルあいちで名古屋市民オンブズマンが開催します。入場無料。
ぜひご参加ください。
 http://ombuds.exblog.jp/23096757/

16/5/11 名古屋市 木造天守閣完成後の具体的魅力向上戦略は現段階ではないと認める

16/5/11に開催された「名古屋城天守閣の整備 市民向け報告会」において、名古屋城木造天守閣完成後の具体的なプロモーション計画があるのかという会場からの質問に対し、名古屋市観光文化交流局ナゴヤ魅力向上担当部ナゴヤ魅力向上室の舘主幹は「名古屋城は行ってよかったランキングでは20位以下のランク外だが、来場者数では現在年間174万人で全国4位とのびしろがある。名古屋城の魅力を広く知っていただければ、具体的戦略はないが年間360万人は難しい数字ではない。」と述べました。

・当日配布資料
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160511.pdf
・当日配布 名古屋城天守パンフ 
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160511-2.pdf
・2万人アンケート 説明資料(報告会終了後、希望者だけに配布)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160511-1.pdf

・当日動画(16/5/12 17:00以降視聴可)
 https://www.youtube.com/user/maruhachitube

以前開催されたタウンミーティングと異なり、今回の報告会では会場からの質問に対して市長が答えず、市役所職員や竹中工務店が回答していたのが大変良かったです。
また、藤沢ただまさ市議会議長が初めのあいさつで議会の議論を紹介し、終わりのコメントをしていたのも、市の一方的な説明にとどまらずに良かったです。
竹中工務店が作成した名古屋城木造復元後のCGは大変できがよいものでした。
当日の様子が翌日にネット動画に上がるのもよいです。

しかしながら、市が説明したパワーポイントは参加者に事前配布されず、質問しようにも細かい数字は忘れてしまいます。
2万人アンケートを行っている用紙も配布されていません。
竹中工務店の技術提案書も配布されず、竹中工務店が説明してもどこのことだかわかりません。
・株式会社 竹中工務店 名古屋支店 技術提案書(ダウンロード:PDF)
 http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/280330/dwl/takenaka.pdf
会場からの質問時間は30分しかとられず、質問は6名しかできませんでした。
にもかかわらず、20時30分終了のところ10分も時間を残して終了しました。
会場には260人近くの人が訪れるも、河村市長の応援団のような人が大量に陣取り、開場前に河村市長が応援団のような人にあいさつをするという風景まで見られました。

そんな中、会場からは熊本地震を受け、まず名古屋城の石垣を修復してはどうかという声、熊本地震や福島原発の被害を回復する前に名古屋だけ豪勢なことをやってはいけない、2万人アンケートではなく住民投票にかけてはどうか、という声が出ました。

賛成の人、反対の人、それぞれ言いっぱなしで、これで建設的な議論になるのか大変疑問に思います。
賛成・反対それぞれがお互いの意見を戦わすことが重要ではないでしょうか。

今後も、名古屋市は同様の説明会を3回開きます。ぜひご参加ください。
5/12(木)18時半-20時半 港文化小劇場
5/13(金)18時半-20時半 緑文化小劇場
5/15(日)14時-16時   鯱城ホール
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000082421.html

なお、名古屋城木造化の進め方を問うシンポジウムを5/15(日)午後1時半からウィルあいちで名古屋市民オンブズマンが開催します。入場無料。
ぜひご参加ください。
・5/15(日)シンポ これでいいのか?名古屋城天守閣木造化と市民参加
 http://ombuds.exblog.jp/23096757/
 講演:「熟議民主主義」の必要性
  田村哲樹さん(名古屋大学法学研究科教授)
 検証:これまでの名古屋城天守閣木造化の進め方
  内田隆(名古屋市民オンブズマン)
 パネルディスカッション:
  田村哲樹さん
井上治子さん(名古屋文理大学基礎教育センター教授 社会学) 
新海聡(名古屋市民オンブズマン)ら
 コーディネーター:滝田誠一(名古屋市民オンブズマン)

以下名古屋市民オンブズマン作成 当日のまとめ
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16/5/11 「名古屋城天守閣の整備 市民向け報告会」西文化小劇場 約260人参加

開会前河村市長があらわれると会場から拍手。拍手したほうにあいさつ。「やけくそで生きている」と発言。

18:31
司会:名古屋市観光文化交流局ナゴヤ魅力向上担当部ナゴヤ魅力向上室長 田頭
 「参加者で2万人アンケートが送られてきた人、手を挙げてください」数人。

18:33
河村市長:西区は名古屋城の城下町でおひざ元。
 熊本地震を受け、熊本市長と熊本城の現場担当者にお見舞いの電話をした。
 建物の耐震を示すIS値を聞いたら、熊本城は0.37 名古屋城は0.14と半分以下。
 名古屋市内の小中学校は0.6以上。名古屋城はびっくりするほど低い数字。
 ちょっとした地震でも市長が責任を取らないといけない事態だ。
 天守閣の耐震力を増すには、1)耐震改修
              2)最新鋭の木造化 がある。
 耐震改修すると、29億円かかるが、40年しか持たないと言われている。
 客は増えない。逆に失望して減るのではないかと思う。
 石垣・ケーソン補修費用は含まれず。それらは安くして20億、40億程度2-3年はかかる。
 耐震改修の際は客の入りはストップする。
 税金の無駄遣いはいかん。今も実は赤字だ。木造化して名古屋市のためになって、福祉に使いたい。
 木造化の意義だが、昭和20年5月14日午前9時ごろ空襲があり、3時間で燃えた。
 天守閣は7つ戦争で壊れたが、燃えている写真が残っているのは名古屋城だけ。
 昭和7年に名工大が図面を作っていた。
 今は姫路城がくそ見たいに威張っているが、国宝1号は名古屋城。
 今寸分たがわず復元できるのは名古屋城だけ。
 第2次世界大戦で破壊されて復興したのはドレスデンとワルシャワ。
 これに名古屋城を加えて世界3大復興としたい。
 名古屋城は333年後に焼けた。
 タイムカプセルを作り、334年後に開けたい。平和のシンボルにしたい。
 名古屋のシンボルに、名古屋を好きになる。
 竹中工務店は450-500億円と提案したが、税金は使わない。
 レゴランドやナゴヤドーム、大名古屋ビルも同じくらいかかるが、どの程度持つのか?
 名古屋城は最低でも400年もたせる。入場料で返す。
 
18:43
 藤沢ただまさ市議会議長:普段ならドラゴンズの中継を見ている時間に来ていただきありがとう。
 市議会では、名古屋城を今後どうするか決まっていない。
 委員会で何十回も議論した。
 耐震補強がよいのか、2020年までに間に合わすのがよいのか、2027年リニア完成までに作るのがよいのか。
 今回2万人アンケートを行い、また説明会を5会場で行ってそこでの議論を参考にして市議会で議論したい。
 名古屋市の試算では、現在の入場料500円をしない450円、市外1000円としており、
 入場者数を現在の170-180万人からピーク時には450万人、その後35年間360万人来るとしている。
 しかし1割減ると入場料だけでは賄いきれなくなり、税金投入しないといけなくなる。
 本日の意見を参考にしたい。

18:48 DVD視聴
18:56 
名古屋市観光文化交流局ナゴヤ魅力向上担当部ナゴヤ魅力向上室の舘主幹がパワーポイント説明
    http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160511-1.pdf 

19:22 
竹中工務店 末永氏が説明。

19:36 会場設営
19:39 司会:会場からの質問と回答を求める。1人3分以内。3人質問したら回答をする。
    過去にまだ発言していただいていない人優先。

中川区おおや:エレベーターはあってもよいが、どこにつけるのか。
       現在のシャチホコは再利用するのか。
       工事は24時間するのか。
中村区すぎい:名古屋城天守閣はあわてて作らなくてもよい。
       河村市長は「江戸城が先に作られると木がなくなる」と以前から言っているが、
       皇居の中に江戸城など作れるわけがない。
       熊本地震で石垣が問題となった。名古屋城の北の石垣は崩れており、平成16年から修復されていない。
       内堀には石垣が置いてある。
       天守閣ができてから石垣を直すようだが、まず石垣を直してからしてほしい。
       今は保存だけでOK。
       エレベーターは現実的ではない。木にこだわるのであれば昔の面影はない。
中村区いとう:世界的に森林資源が枯渇している中、大量に木材を使うのはやっていいのか。
       熊本地震や福島原発の被害を回復する前に名古屋だけ豪勢なことをやってはいけない。
       市長は2020年までにやれないことはないというが、「やってはいかんことだがね」。
       市民の大半を占めている。周りには反対の声ばかりある。
       嘘か本当か、2万人アンケートではなく住民投票にかけてはどうか。
       議員報酬について住民投票をするというのはぜひやってほしいが、天守閣もしてほしい。
       反対の声「たかし」 市民の意見を受け、取りやめて方針転換してほしい。

竹中・尾関:エレベーターは技術提案書の右側に記載した。規模は4人乗り。
      ただ、我々も付けるかどうか悩んでいるところ。梁を切らないところで小型のものを付けるか、
      有識者や市と相談して検討したい。
      健常者の人は階段を利用してほしい。
名古屋城総合事務所渡邉:シャチホコについては、竹中からの提案は新しいものを、というものだったが、
      作るか、再利用するかを今後検討したい。
竹中・谷村:シャチホコについては新規作成の提案をしたが、再利用案も提出したので今後相談する。
      工事時間については、時間の有効活用をするため、壁の乾燥など時間がかかるところは
      夜間作業もする。
名古屋城総合事務所渡邉:石垣については、地下にケーソン基礎があり、石垣に荷重がかからないようになっている。
      北側の石垣がはらんでいるのは、石垣調査を実施しながら対策をどうするか検討する。
名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所長西野:昭和34年に再建したが、老朽化と耐震性が低いことから、
      放置することができない。
      文化財として保存活用するために、木造にして復元し、シンボルとしたいのでよろしく。

西区幅下たかぎ:西区には台所町など旧名があったが、幅下・新道などになってしまった。
      竹中工務店からは素晴らしい提案がなされたのでぜひ行ってほしい(開場から拍手)
      石垣については並行してやると理解している。
西区ライター:建て替えないとしょうがないという認識を持っている。
      今後木は手に入らなくなる。
      現在木はあるのか?過去の城造りでも木はなく、他の城をつぶして使っていた。
      予算計画は税金を使わないということだが、入場料の計画の具体性がない。
      プロモーション計画はあるのか。
      また、石垣の上の木は本来ない。
      木造建築で文化レベルを高める。
西区まつしろ:名古屋市役所は文化財登録された。大阪城も昭和9年にたてられたが登録文化財となった。
      名古屋城もあと何十年かすれば文化財となるのではないか。
      あと、本丸御殿は手も触れられない。柱も触れない。何のための復元か?
      360万人が本当に来たなら、全員を監視するのか?
       
竹中・谷村:「天守閣と石垣修復は一緒にやりなさい」と理解している。
     国産材があるのかという問いだが、問屋を調査したところ、1m近いヒノキが流通していることが判明した。
     ただ、木が集まらない可能性や、取り合いになり高騰した場合は、外材を使う提案をしている。
     当社は受注したわけではないが、木材業者からずいぶん提案をいただいている。
名古屋市観光文化交流局ナゴヤ魅力向上担当部ナゴヤ魅力向上室 舘主幹:プロモーションについて。
     360万人を計画している。現在170万人の約2倍。平成24年に整備計画を立て、全体の魅力を高めようとしている。
     名古屋めしを城内で食べれるようにした。
     名古屋市はこれまで売り出し方が下手だった。外からどう客を呼ぶか、新年度から観光文化交流局
     ナゴヤ魅力向上担当部を作って検討している。
     名古屋城は行ってよかったランキングでは20位以下のランク外だが、来場者数では
     現在年間174万人で全国4位とのびしろがある。名古屋城の魅力を広く知っていただければ、
     具体的戦略はないが年間360万人は難しい数字ではない。
名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所長西野:登録文化財についてですが、
     コンクリートの寿命は100年もたないとされている。
     中性化の技術は、何年もつかはっきりしない。効果があるか見えない。
     また、本丸御殿が触れないという点について、文化財なので劣化させないように気を使っている。
     
20:12
司会:時間がきましたので質疑はこれで終わり。
藤沢ただまさ名古屋市議会議長:名古屋城は史跡なので文化庁と協議しないといけない。
 状況は変化しているので議論していきたい。
 なお、6月議会で名古屋城木造化関係の予算や議案が提案される予定。
 いったん賛成してしまうと止められない。天守閣を壊してからストップすることはできない。
 賛成するなら6月議会で決め、反対するならはっきり意思表明したい。
 残された時間はあまりない。2万人アンケートと今回の質疑を踏まえ、しっかり勉強したい。
 せっかく作るならいいものにしたい。議会として見極めたい。

20:15
河村市長:竹中CGは素晴らしい。
 あんな建物見たことがない。
 400年後の人がどれくらい喜ぶか。世界中から来るのは確実だ。
 市役所が重要文化財となったが、名古屋城はIS値が0.14と低い。
 中部大の片岡教授は「こんな低い数字見たことがない。7階が窓が多く、屋根が重いため」と言っている。 市長の責任が発生するので市役所とは全然違う。
 税金の無駄遣いをなくしたい。
 耐震は29億円+石垣40億円で69億円。客は減るでしょう。市の宝を作りたい。
 ポーランドは復元して民族の誇りとなった。
 名古屋に愛情を。

20:18
 司会:熊本地震では悲惨な目にあわれている方が大勢います。
 熊本城復興のため、出入り口に熊本城募金箱を置いておくのでぜひご協力を。
 なお、スライドの概要は入口においておくので必要な方には配布したい。
20:19終了。
 

5/10名古屋城木造化 竹中提案説明会に130人

名古屋市は16/5/10に「名古屋城天守閣の整備 市民向け報告会」を名東文化小劇場で開催し、参加者は130人にとどまりました。

・動画(16/5/11 17:00以降視聴可)
 
https://www.youtube.com/user/maruhachitube

356席中130人しか参加者がいなかったのは、強引に名古屋城木造化を推し進めようとする河村市長の姿勢に疑問を抱く市民が多いからではないでしょうか。
また、4/14以降発生し続けている熊本地震の惨状を見て、今名古屋城を木造化する意義があるのか疑問に思う市民も多いからだと思います。

建設費・維持費などを含めると2069年までで914.98億円もかかるとされる名古屋城木造化について、市民の盛り上がりの欠けるまま進めていくことに大変疑問を持ちます。
 ・2016/4/22 名古屋市議会経済水道委員会資料
  http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160422.pdf
     単位:億円
  収入 使用料979.28 75%を天守閣に充当
            2020年度(8か月) 17.91(331万人分)
            2021年度      24.13(446万人分)
            2022年度      21.70(401万人分)
            2023-2069年度    19.48(360万人分)
  支出 公債償還金 605.67(元金505.00 利子100.67)
     運営管理費 276.45(2016-2019 1.14 2020-2069 5.44)
     集客促進費  2.00
     修繕費    30.86
     基金積立   64.30  
      
今後も、名古屋市は同様の説明会を4回開きます。ぜひご参加ください。
5/11(水)18時半-20時半 西文化小劇場
5/12(木)18時半-20時半 港文化小劇場
5/13(金)18時半-20時半 緑文化小劇場
5/15(日)14時-16時   鯱城ホール
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000082421.html

なお、名古屋城木造化の進め方を問うシンポジウムを5/15(日)午後1時半からウィルあいちで名古屋市民オンブズマンが開催します。入場無料。
ぜひご参加ください。
・5/15(日)シンポ これでいいのか?名古屋城天守閣木造化と市民参加
 http://ombuds.exblog.jp/23096757/
 講演:「熟議民主主義」の必要性
  田村哲樹さん(名古屋大学法学研究科教授)
 検証:これまでの名古屋城天守閣木造化の進め方
  内田隆(名古屋市民オンブズマン)
 パネルディスカッション:
  田村哲樹さん
井上治子さん(名古屋文理大学基礎教育センター教授 社会学) 
新海聡(名古屋市民オンブズマン)ら
 コーディネーター:滝田誠一(名古屋市民オンブズマン)


名古屋城木造化 竹中提案説明会 5/10.11.12.13.15に参加を

名古屋市は、16/5/2に「名古屋城天守閣の整備 市民向け報告会」を行うと発表しました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000082421.html

名古屋市は、「議会に説明してから報告会を行う」と言っていましたが、16/4/28名古屋市議会経済水道委員会ではアンケートの文案を提示しただけで、議員からさまざまな指摘を受けるも、確定したアンケートを示さずに報告会を開催するとのこと。
議員は報告会を開催することを明示的に了承した、とは言っていないはずです。
このように「市民に市役所の方針をご説明させていただく」という報告会をいくら開催しても、市民の名古屋城木造化に対する盛り上がりは決して増加しないのではないでしょうか。
今必要なのは、名古屋市の街づくりに名古屋城をどう位置付けるのか、名古屋城の今後はどうあるべきなのかを市民が徹底的に議論することだと思います。

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名古屋城天守閣の整備 市民向け報告会
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000082421.html

現在、名古屋市では名古屋城天守閣の整備の進め方を検討しています。現在の名古屋城天守閣は、再建から半世紀以上が経過し、コンクリートの劣化や設備の老朽化、耐震性の確保など様々な課題が顕在化しており、いずれかの時期には建て替えの必要があると考えています。

この度、2020年7月までに天守閣を木造復元する提案を募集し、優秀提案(事業費は約474から505億円、2020年7月天守閣竣工)を選定いたしましたので、「名古屋城天守閣の整備の概要」について市民の皆様へ下記の日程でご説明させていただきます。内容はすべて同じですので、ご都合の良い日に是非ご参加ください。

日時及び場所について

5月10日(火曜日) 午後6時30分から午後8時30分
名東文化小劇場(名東区上社一丁目802番地上社ターミナルビル3階)

5月11日(水曜日)午後6時30分から午後8時30分
西文化小劇場(名古屋市西区 花の木2丁目18-23)

5月12日(木曜日)午後6時30分から午後8時30分
港文化小劇場(港区港楽二丁目10番24号)

5月13日(金曜日)午後6時30分から午後8時30分
緑文化小劇場(緑区乗鞍二丁目223番地の1)

5月15日(日曜日)午後2時00分から午後4時00分
鯱城ホール(中区栄一丁目23番13号伏見ライフプラザ5階)

入場料等
いずれも無料。開場は各回開始30分前。手話通訳・要約筆記あり
プログラム

市長あいさつ
市会代表あいさつ
名古屋城天守閣映像(DVD)の上映
名古屋城天守閣の整備の概要説明
質疑

報告会の様子の動画

報告会の様子は翌開庁日の午後5時から動画でご覧いただけます
まるはっちゅーぶ(外部リンク)別ウィンドウ-名古屋市の施策や施設などを紹介する動画をYouTubeを活用して配信します
https://www.youtube.com/user/maruhachitube


16/4/29(金)名古屋城木造化タウンミーティング 議事録がようやく開示

15/12/6-16/1/17に名古屋市全16区で開催された、名古屋城天守閣整備 タウンミーティング記録がようやく16/4/28に開示されました。今後名古屋市が行う2万人アンケートの参考にしてください。
・2015年12月開催分
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/meeting201512.pdf
・2016年1月開催分
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/meeting201601.pdf

16/1/13に12月分を内容が分かるものを開示請求しましたが、1/25に「不存在決定」が出ました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160125.pdf
16/1/26に1月分を内容が分かるものを開示請求しましたが、2/4に「不存在決定」が出ました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160204.pdf
16/2/9に職員が作成したメモを開示請求しましたが、2/22に「不存在決定」が出ました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160222.pdf
16/3/15に「タウンミーティングにおける意見交換概要」が市議会委員会に提出されました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/meetinggaiyo.pdf
16/3/24に再度議事録を請求しましたが、「概要が閲覧に供しているため却下決定」がでました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160324.pdf
16/3/29に再々度記録を請求したところ、4/28になってようやく決定が出ました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/meeting.pdf

市民が発言した意見をきちんと早急に市民に還元しないことには、何のためのタウンミーティングかわかりません。
早急な対応を強く要請します。

以下タウンミーティング日程表です。
15/12/6   熱田区
15/12/12  港区
15/12/13  千種区
15/12/14 北区
15/12/16 名東区
15/12/17 昭和区
15/12/18 西区
15/12/19 中村区
15/12/22 東区
15/12/23 中区
16/1/10  瑞穂区
16/1/12 南区
16/1/13   中川区
16/1/14 緑区
16/1/16  守山区
16/1/17 天白区


16/4/28(木)名古屋城木造化参考人質疑 2020年に間に合わない場合の業者と市の認識ずれ判明。 名古屋城西の断層で騒然

16/4/28に名古屋市議会経済水道委員会では参考人質疑を行いました。
・配布資料
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160428.pdf
・議事概要(オンブズマン作成)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160428-1.pdf
 
参考人
 竹中工務店名古屋支店 総括代理人 谷村和彦
 竹中工務店名古屋支店 管理技術者 相川俊英
 竹中工務店名古屋支店 主任技術者 尾関昭之介
 中部大学名誉教授 片岡靖夫 5年前に天守閣を調査した
 川地建築設計室 主宰 中部大学 非常勤講師 川地正数
 名古屋工業大学大学院 教授 麓和善 建築専門

その中で、田辺市議が「仮に文化庁との協議が遅れるなどして、2020年7月に間に合わない場合、名古屋市は契約をいったん白紙に戻すとしているが、竹中工務店の認識はどうか」と聞いたところ、竹中工務店は「その場合名古屋市と協議すると認識している」と、ずれが鮮明となりました。

また、麓教授は「鉄筋コンクリート製の文化財が増えている。文化財となった場合は半永久的に残そうとする。コンクリートの寿命が『40年で絶対に持たない』というものではない。」としました。

竹中工務店は、「自発的に基本設計をフルパワーで進めている」と述べるなど、やる気を見せています。

午後からの質疑では、「2020年にこだわらず木造復元をする場合の費用を以前に321-403億と市が試算したから、それを明記すべきではないか」と委員が指摘しても、「市は現時点での責任のある数字ではない」と述べつつ、経済波及効果では上記試算を基にするという、ちぐはぐな対応をしました。

斉藤議員は、名古屋大と広島大のチームが発表した活断層地図を示し、「名古屋城の真西に活断層が走っているが、名古屋城整備室は認識しているか」と尋ねるも、「把握していない」と回答しました。
・名古屋市街地を縦断する活断層の変動地形学的検討
 ○杉戸信彦(名古屋大学大学院環境学研究科)・後藤秀昭(広島大学大学院文学研究科)
 http://danso.env.nagoya-u.ac.jp/jsafr/taikai/2012/pdf/2012fallmeeting_jsaf.pdf

入場者数は、姫路城が3.1倍に増えたから、名古屋城も3.1倍に増えるだろうということを根拠にしています。

基本設計の後、実施設計が終わるまで、全体費用が明確にならないにもかかわらず、市議が予算を承認しないといけないというのはおかしいのではないか、という意見が出ました。

委員会をずっと聞いていても、結局アンケートを実施するのかどうか、報告会を行うのかはわかりませんでした。
課題がこれほど多く、しかもこれほど急ぐ事業を私は知りません。
市民に十分な説明もないまま、名古屋市は名古屋城天守閣木造化にまい進しています。

5/15(日)午後1時から、名古屋市民オンブズマン主催で「シンポ これでいいのか?名古屋城天守閣木造化と市民参加 」を行います。
http://ombuds.exblog.jp/23096757/

ぜひご参加ください。

↑名古屋大・広島大チームの名古屋市内活断層地図

16/5/15(日)シンポ「これでいいのか?名古屋城天守閣木造化と市民参加」に参加を

現在、現在、河村たかし名古屋市長が推進する名古屋城天守閣木造化ですが、市民に十分な説明のないまま進められようとしています。市民2万人アンケートを参考にして今後の進めるとのことですが、これまでの市民参加の在り方に問題はなかったのでしょうか? また、「2万人アンケート」が果たして「最も民主的」な進め方なのでしょうか。
「熟議民主主義」の専門家である、田村哲樹名古屋大学大学院教授を招き、木造天守閣の賛成・反対を超えて、今後の市政のあり方を考えます。

日時:5月15日(日)午後1時30分〜午後4時30分
会場:ウィルあいち セミナールーム1・2
   地下鉄「市役所」駅2番出口より東へ徒歩約10分
講演:「熟議民主主義」の必要性
 田村哲樹さん(名古屋大学法学研究科教授)
検証:これまでの名古屋城天守閣木造化の進め方
内田隆(名古屋市民オンブズマン)
パネルディスカッション:
田村哲樹さん、新海聡(名古屋市民オンブズマン)ら
コーディネーター:滝田誠一(名古屋市民オンブズマン)
入場無料 
主催 名古屋市民オンブズマン TEL 052-953-8052 FAX 052-953-8050
 office@ombudsman.jp
http://www.ombnagoya.gr.jp/
チラシ 
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/160515.pdf

【田村哲樹さんプロフィール】
1970年生まれ。専門は政治学、政治理論。
著書に『熟議の理由 民主主義の政治理論』(勁草書房・2008年)、「市民協働になぜ熟議なのか?」(『生涯学習政策研究 生涯学習をとらえなおす』悠文堂・2013年)、「熟議と参加 リベラルデモクラシーを超えるのか」(川崎修編『岩波講座 政治哲学6 政治哲学と現在』岩波書店・2014年)など多数。


16/4/22 名古屋城天守閣木造化 市は446万人来場と予測 市民以外は1000円で試算 市議会で紛糾

16/4/22に名古屋市議会経済水道委員会が開かれ、名古屋城天守閣の整備検討について議論されました。
・配布資料とアンケート案
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160422.pdf

市は2020年に384万人、2021年に446万人来場と予測し、入場料について市民は450円、市民以外は1000円と仮定して、入場料収入のうち75%を天守閣に充当すると試算しました。
(現状 市内からの入場者が11%と少ないためと説明 県内7% 国内64% 国外18%)

質疑では、「2020年に384万人、2021年に446万人、その後毎年360万人本当に来るのか?」「市長が505億円という竹中工務店提案を『理にかなった数字だ』と話してしまったため、これ以下には交渉不可能」「現天守閣を取り壊してから『値段が上がる』と言われると、払わざるを得ない。」「議会のチェックはいつできるのか?」「木材が高騰する可能性があると竹中工務店が言っている。最低505億円ではないのか?」「市は400億円で国産材節なしと試算していたのに、竹中は505億円で外材と言っている。当初の外材270億円から235億円も上がっているのは説明責任がある。3年半で工事をするから値上がりするのではないか」「熊本地震で人件費・材料費が高騰するのではないか?」「入場料値上げは議会承認しなければどうなる?」「市民50円値下げは姑息だ」「市長も議員も2020年にはいないかもしれない。局長をはじめ市職員は実現できると思っているのか?」「名古屋城に本当に予測入場者数が来た場合の安全対策は?」など疑問が噴出しました。

局長は「国の許可、工期工程などは不安がある。ただ、入場者数は他都市の城などの状況などで知る範囲で想定したので自信がある」と述べました。(姫路城は3.1倍に)
 2020年 160万人×3.1倍    384万人(2020/8以降)
 2021年 160万人×3.1倍×0.9=446万人
 2022年 401万人
 2023年 360万人
 2024-69年 360万人

アンケート項目について、2016年3月の委員会で合意した「2020年7月にとらわれず木造復元を行う」の項目が、「上記1・2以外の整備案 2020年7月にとらわれず木造復元を行うなど具体的に」に後退し、委員会軽視だと紛糾しました。

本日の議論をもとにアンケートや説明資料を一部変更するとのこと。
市議会は、4/28(木)午前10時30分から委員会を開き、竹中工務店の担当者などを呼んで参考人質疑をすることを決めました。

本日の資料では、市民説明会の予定は以下とのこと。

5/10(火)18時半-20時半 名東文化小劇場
5/11(水)18時半-20時半 西文化小劇場
5/12(木)18時半-20時半 港文化小劇場
5/13(金)18時半-20時半 緑文化小劇場
5/15(日)14時-16時   鯱城ホール


名古屋城天守閣木造化より区役所・図書館等の耐震等地震への備えを・備蓄を!

16/4/14以降に発生し続けている熊本大地震に被災された皆様にお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方々に心よりお悔やみ申し上げます。

名古屋市長が推し進めようとしている名古屋城天守閣木造化ですが、熊本大地震によって無残に破壊された熊本城を見てもそのようなことが言えるでしょうか。

熊本城大天守・小天守は1960年に鉄筋コンクリートで復元されました。
平成27年度に耐震化方針が決定され、平成30年度から耐震改修工事着手の予定でした。。
https://www.city.kumamoto.jp/common/UploadFileDsp.aspx?c_id=5&id=5566&sub_id=1&flid=36263
熊本城大天守・小天守がどの程度の損傷なのかは調べないとわからないとのこと。

今回の地震で400年前に作った東十八間櫓と北十八間櫓などが崩壊し、五間櫓や宇土櫓などは辛うじて残っています。
https://www.facebook.com/KumamotoCastle/

名古屋城天守閣木造化で竹中工務店が提案しているのは「震度6強程度の地震では倒壊しない」というものです。
http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/280330/dwl/takenaka.pdf
技術的な解説は以下をお読みください。
・一級建築士による、「熊本城の地震被害と名古屋城整備」16/4/17高橋和生
 http://bit.ly/1VzCw35
 
今回の熊本大地震で分かったのは、市役所や小学校などの耐震化がなされていないと大変なことになるということです。
また、備蓄食料もほとんどなく、配給も滞り、避難している人が大変苦労をされています。

名古屋市では1964年に完成し老朽化が著しい中村区役所改築に向けた基本構想策定調査が2016年度にようやく予算が付きました。その他、千種図書館は老朽化が著しいですが全く進んでいません。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-13-1-5-0-0-0-0.html

名古屋市の避難所にもそう備蓄食料が置いておらず、「帰宅難民」「都市難民」化するのではないかと懸念されています。
不要不急の名古屋城天守閣木造化より、早急な地震対策が必要です。

16/4/22(金)午後1時から開かれる名古屋市議会経済水道委員会での議論を期待します。
http://www.city.nagoya.jp/shikai/category/324-3-0-0-0-0-0-0-0-0.html
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名古屋市耐震状況
・保育所 全保育所対策終了(平成26年度末)
・小中高 耐震は100%(追加耐震改修中)


「名古屋城天守閣を木造に」市民団体作成 収支計画がでたらめ

「名古屋城天守閣を木造で復元し、旧町名の復活を目指す会」なる団体ができたようです。
http://www.nagoyajou.net/

河村市長の主張をそのまま載せており、応援団そのもので、いろいろ言いたいことは山ほどありますが、特に収支計画について以下試算しています。
1)入場料500円→1000円へ
2)木造費用500億円以上→調整すれば400億円で可能
3)利子率1% 30年返済で458億円必要
4)有料入場者数は入場者の75%と仮定
5)当初予測 5年間350万人、6年後以降250万人で23年で投資回収可能

そもそも現在、人件費3.2億、管理費3.9億、本丸御殿1.4億。合計年間8-9億かかっています。収入は6.3億円です。(16/3/10 名古屋市議会経済水道委員会 名古屋城総合事務所所長答弁)
http://ombuds.exblog.jp/22966379/
上記は入場料収入を全額木造天守閣につぎ込む試算であり、人件費・管理費・維持費を全く考えていません。

1)について、河村市長はタウンミーティングで「入場料500円は変わらない」と繰り返しました。
しかし16/1/10瑞穂区タウンミーティングで「ただ、姫路城は1000円に値上げしても特に文句が出ないし客が増えた」、とし、将来の入場料値上げを示唆した経緯があります。
http://ombuds.exblog.jp/22764824/

2)について、どこをどう調整すれば500億円が400億円になるのか全くわかりません。
・株式会社 竹中工務店 名古屋支店 技術提案書(ダウンロード:PDF) 
 http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/280330/dwl/takenaka.pdf
これは市民の誤解を招くやり方です。

3)について、前提が500億円ではなく400億円なのでそもそも誤っています。
 利子率については、名古屋市は以下資料を出しています。 
 平成27年11月 堺市発行実績  年1.527%
  http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000078/78784/280118hosokusiryou.pdf
 平成28年3月 広島県発行実績 年0.711%
  http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160316.pdf
 500億円で年1%であれば、30年返済で650億円必要です。

  4)について、現在の164万人のうち有料入場者が134万人、81.9%です。

5)ですが、人件費・管理費・維持費を全く考慮に入れていない時点で駄目です。
それら金額の想定はまったくされておりません。(16/4/7名古屋市議会経済水道委員会で市が財源フレームを示せなかったのはここがネックだったものと推測します)
仮に、人件費・管理費・維持費合計で年間9億円かかると仮定します。
有料入場者数が75%とすると、年間9億円賄うのに120万人必要です。
そこに名古屋城木造化の費用650億円がかかってくるため、毎年合計で453万人が必要となります。
・16/4/12 名古屋市民オンブズマンによる
 名古屋城天守閣木造化 返済計画シミュレーション
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160412.pdf

名古屋城の入場料試算の議論で決定的に欠けているのは、木造にしたらどのくらい入場者が見込めるかという試算を誰一人していないことです。
上記453万人というのは、「費用を回収するのにこの程度必要」というだけであって、本当に来るかどうかは全くわかりません。
(河村市長は「ある大学教授は500万人来る」と言ったようですが、誰か名前を明かしません)

150億円もかけて現在作っている名古屋城本丸御殿ですが、完成したら220万人の来場者があると予測しているにもかかわらず、現在164万人しか来ておりません。
逆にいえば、毎年453万人来なければ、足りない分は税金をつぎ込むことになります。
(人件費・管理費・維持費が上記予測以上にかかれば、400年間!も税金をつぎ込むことになります。後世の人が「お荷物」といって400年もたたないうちに取り壊すことも考えられます)

現時点で十分議論が必要なはずですが、河村市長がなぜか2020年7月完成にこだわるため、きちんとした議論ができません。
落ち着いて資金面の試算、技術面の検討をきちんとすべきです。


名古屋城天守閣木造化 議会に財源フレーム案示さず アンケートは5月以降に

16/4/7に開催された名古屋市議会経済水道委員会において、名古屋市は2月定例会において約束していた「名古屋城天守閣木造化の財源フレーム(案)を市議会に示す」を破り、スケジュールを約1カ月後倒しにしました。

・平成28年4月7日 名古屋市観光文化交流局 経済水道委員会説明資料
 名古屋城天守閣の整備検討について
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160407.pdf

観光文化局長は「4月4日週で財源フレーム等を市議会に示す予定だったが、優秀提案に選ばれた竹中工務店は、補正予算議案提出を6月議会としていたこと、また竹中工務店との協議確認事項が多かったため」と説明しました。
・株式会社 竹中工務店 名古屋支店 技術提案書
(確実な工期達成のためのマイルストーン P25)
 http://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/17_topics/280330/dwl/takenaka.pdf
しかも、当初2000人規模で5回開催する予定だった市民向け報告会を、300人規模で方面別で開催する予定としました。

市議会委員からは「当初5月臨時会に補正予算を提出するということは議会に示していなかった」「変更後の記載をみると、アンケートにかかわらず6月定例会に補正予算を提出するように見える」「竹中工務店が6月議会と書いたからではなく、本日までに財源フレーム作成が間に合わなかっただけではないか」という意見が噴出しました。
 
2月議会でも、4/7までに財源フレームを示せるのか極めて疑問視する声が多数出ていましたが、的中した形になりました。
次回の市議会所管事務調査までに500億円の財源フレームを示すとのこと。
このように当初から迷走する名古屋城天守閣木造化が2020年7月までにできるとは到底思えません。

そもそも木造6階建ては建築基準法違反です。
名古屋市は直ちに建築審査会を開き、建築基準法3条にのっとり、文化財相当の<原型の再現がやむをえない>の建築審査会の同意を取る必要があります。
(竹中工務店の施設計画概要(29ページ)では、建築審査会や消防局とは2016年6月までに「方針合意」とありますが、どのように方針合意をとるのか不明です)
竹中工務店の計画では2017年6月に建築審査会の同意を取る予定ですが、それまでに竹中工務店は木材を買い、天守も壊す計画です。
また、文化庁からの内諾も取得する必要もあります。
・名古屋市 建築審査会について
 http://www.city.nagoya.jp/jigyou/category/39-6-3-7-0-0-0-0-0-0.html
 
さらに、名古屋市が言っていた「40年でコンクリート耐用年数が来てしまうので木造天守閣にしよう」ですが、竹中工務店の提案だと、400年間、地下のコンクリートも含めてもたせるとのこと。前提からして異なってくるのではないでしょうか。

このような見切り発車、しかも名古屋城関係の市担当者が4月の人事異動でほとんど変わってしまった現在、最悪のシナリオ(現名古屋城天守閣を取り壊した段階で木造6階が違法建築とされ、竹中工務店からは莫大な賠償金を請求される。天守閣も石垣も永久に失われる)をどうしても避けないといけません。
議会もきちんと竹中工務店の提案書を読んで、きちんと反論すべきです。

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今後のスケジュール(案)
4/21(木)-4/28(木) 市議会所管事務調査
5/2(月)-5/22(日) 2万人アンケート、市民向け報告会開催
5/23(月)-5/29(日)2万人アンケート取りまとめ
6/1(水)-6/10(金)公報なごや特集号
6月定例会 天守閣整備にかかる補正予算議案提出(設計費・仮設工事費)


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