第4回名古屋城木造天守基礎構造検討調整会議 議事メモ内容非公開
23/1/10に開催された、名古屋城木造天守基礎構造検討に係る調整会議(第4回)の議事録等を名古屋市民オンブズマンが情報公開請求したところ、議事メモの中身は全て非公開でした。
石垣と木造天守をつなぐ「基礎構造」を検討する調整会議は、天守閣部会と石垣部会から選抜された構成員が合同で行っていますが、21/12/25に第3回が開かれて以降まったく不明でした。
名古屋市民オンブズマンは、定期的に調整会議の議事録等を情報公開請求していたところ、23/2/9に請求した際、「23/3/26まで延長」となりました。
23/3/22に開催された名古屋城天守閣部会で、三浦正幸・広島大学名誉教授は「23/1/10に開催した『調整会議』では以前竹中工務店が提案した『はね出し架構』が掲載されていた」と述べましたが、特に議論の内容については述べませんでした。
今年度のすべての部会・全体整備検討会議が終了した23/3/24づけで決定が出ましたが、「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ」があるとして、議論の中身ならびに発言者氏名は全て非公開となりました。
一方、配付資料はほとんど公開されました。三浦名誉教授が述べた『はね出し架構』も掲載されていました。
しかしながら、他の例A,例B,例Cについての「近世遺構レベルと基礎構造の関係イメージ」は非公開となりました。
------
23/8/22市長定例記者会見で、松雄副市長は、文化庁との協議を2023年3月末までに絶対にまとめ上げると宣言しています。
・令和4年8月22日 市長定例記者会見
名古屋城天守閣の木造復元について
(記者)ありがとうございます。今のところ、文化庁との協議というのは順調に進んでるという理解でよろしいんでしょうかね。ちょっと長引いてますけど。
(市長)
はい。僕はいろいろ、ちょこちょこ聞きますんで、専門委員の方にも。順調に進んでおるというふうな認識で。ええだろ、これ。ええ。この人が言ってはいけませんけど。副市長。
(松雄副市長)今年度中に絶対にまとめ上げますから。それは文化庁もよく分かってますので。そういうことです。
(市長)今年度だな。
(松雄副市長)今年度。
(市長) 3月までと。
(松雄副市長)はい。
https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000155676.html
名古屋商工会議所の山本会頭は、22/8/18に名古屋城の天守閣の木造復元について、文化庁との協議の現状とか、改めてきちんと説明することが必要だと求めました。
残念ながら、松雄副市長が宣言した2023年3月末までに文化庁に提出するためにまとめるとした、木造天守基本整備計画(案)はまとまりませんでした。
「3大課題」である、@『石垣保存方針』、A『バリアフリーの方針』B『基礎構造の方針』がまとまらなかったためです。
@『石垣保存方針』は、23/3/17石垣部会終了時間直前に議案を提出し、議論の時間が取れませんでした。中身も問題があると石垣部会委員は述べました。
A『バリアフリーの方針』は、あらためて市民の意見を聴くとのこと。当初は大天守内部の昇降技術の件だけでしたが、23/3/22天守閣部会に、地上-小天守-橋台-大天守地階を結ぶ「鉄骨スロープ」案が示され、天守閣部会委員は「景観上はりっぱとは言えない」と述べています。
河村たかし市長は、23/3/22以前に市当局から説明を受け了承するも、天守閣部会後のマスコミの取材に対し、「初めて聞いた。全然聞いてないけど。鉄骨で作るのはいかん。鉄骨は根本的にいかん」と述べました。
B『基礎構造の方針』は、23/3/22天守閣部会では「示した3例はあくまでも例」と述べるのみ。
「現天守解体後、調査をしてあらためて基礎構造を検討したい」というのが名古屋市の方針です。
しかしながら、調整会議の議論は市民に全く公開されていません。
その他、耐震性、耐火性、二方向避難の問題、さらには天守閣部会委員から指摘された最上階への入場制限の検討、また収支計画も見直すことになります。
名古屋市は、23/3/14名古屋市議会経済水道委員会で、「木造復元は順調にいって2032年度」と初言及しました。
しかしながら、河村市長は23/3/20定例記者会見で「わしも副市長も知らなかった」とし、さらに早期の木造復元を目指すとしています。
しかしながら、木造天守基本整備計画(案)が2023年3月末にまとまらなかったため、想定より遅れることは確実です。
各種法令を守り、安全対策をすれば、「江戸時代そのものの木造復元」は不可能です。
「ハイブリッド型木造復元」で一体誰が得をするのか。全ての名古屋市民は、名古屋城木造復元事業の現状を知る必要があります。
それにはまず、基礎構造検討調整会議の全議事録を公開すべきです。
-------
23/3/24(金) 名古屋城木造復元 河村市長は鉄骨スロープ案を事前に確認・了承していた! 整備基本計画(案)の3大課題は先送り
23/3/24に開催された特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第55回)で、名古屋市は、23/3/22河村たかし市長がマスコミに対して語った「鉄骨スロープははじめて聞いた。鉄骨はいかん」発言について、「事前に名古屋市が説明して、市長の了承も得ていた」と述べました。
また、検討会議は木造天守基本整備計画(案)を一応了承しましたが、3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)は今後検討するとしました。
・23/3/24 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第55回) 配付資料
・23/3/24 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第55回) 配付資料のうち、特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)
・23/3/24 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第55回)
名古屋市民オンブズマンによるメモ
検討会議の議事に入る前、赤羽一郎・元愛知淑徳大学非常勤講師は「事前に自宅に本日の資料として送られてきたが、本日配付された資料と同じか」と確認。
名古屋市は「基礎構造の検討例について文言を追加した。その他も若干変更した」としました。
赤羽氏は「23/3/17石垣部会で、天守台石垣の保存方針(案)が議題としてあげられたが、時間が足りず廃案になった。4月以降あらためて提案するでよいか」と質問し、名古屋市は「令和4年度の調査実績を書き加えたものを3/17に提案したが、取り下げた。今回のは1年前の概要版からの引用」としました。
赤羽氏は「2章はどうか」とし、名古屋市は「昨年12月に全体整備検討会議に提出したもの。3/17石垣部会では議論出来なかった」としました。
赤羽氏は「テレビを見たら、天守閣部会の様子が流れたあと、河村市長は『バリアフリーの鉄骨スロープ案は聞いていない』と語っていた。市のトップと違うことが資料に載っているのはあり得るのか」と質問しました。
上田剛・名古屋城総合事務所所長は「鉄骨スロープ案については、市長にしっかりと図面を示して説明し、ご了解を頂いていた。
天守閣部会後の報道については、市長の公務が激務のため、マスコミから質問された際、失念したのではないか。その後市長に確認したが、『ああ、聞いていたな』と述べていた。」と答えました。
赤羽氏は「上記経緯はテレビでは聞こえてこなかったが」と聞き、上田所長は「市長がその後コメントする機会がなかった。
近々その旨市長から話があると理解している」と述べました。
赤羽氏は「木造天守を推進する市長が『これは違う』と発言するのは違和感を感じた。今後、文化庁に整備基本計画(案)を提出するのは、差し替え戦術をとるのか」と質問しました。
上田所長は「今後、差し替えを前提とした計画作成ではなく、しっかりしたものを作りたい」と述べました。
その後ようやく整備基本計画(案)の議事に入りました。
小濱芳朗・名古屋市立大学名誉教授は「私は構造が専門だ。
建築基準法では、最大層間変形角が木造では1/120以下にしろとなっている。どうして1/60なのか。土壁、筋交いなど最大耐力が元に戻らない。」と述べました。
竹中工務店(と思われる)は「文化庁が出した『重要文化財(建造物)耐震診断指針』では1/60となっており、整備基本計画ではこの値を設定したい。
復元原案時点では予備解析を行い、詳細な解析は、基礎構造が決まってから行う。設定した1/60だけで満足せず、さらに被害を減らすよう努力したい」と述べました。
小濱名誉教授は「本丸御殿は平屋で損傷が出にくい。天守の外壁はしっくり塗りで、開口部も小さく、1/60変形角だと漆喰壁に亀裂が出る。補修も難しい。1/120以下に収めてほしい」と述べました。
小濱名誉教授は「基礎構造の検討は重要だ。功罪を入れることが必要だと思う。1つの提案として、地下1階部分は鋼材を真ん中にいれ、周りを木造にするハイブリッドな部材を使ってはどうか。1時間耐火も可能」と述べました。
名古屋城総合事務所は「今回の例はあくまでも『例』。現天守閣解体後、遺構の残存状況を把握して考える。」としました。
小濱名誉教授は「昇降技術について、1階-2階は使えないか」と質問し、名古屋城総合事務所は「公募の最低水準を書いた。今後市民意見をうかがってどうするかきめる
技術開発の面もあり決める。他の階の設置可能性も否定できないが、現時点ではコメントできない」としました。
オブザーバーの渋谷啓一・文化庁文化財第二主任文化財調査官は「いくつか保留事項はあるものの、8章『復元計画と活用』を作って下さりありがとう。構造計画も今後の調査を踏まえる。最大層間変形角の指摘も踏まえながら、一つのとりまとめができたのではないか。今後ブラッシュアップして最終的な完成に進めていただければ」と述べました。
松雄副市長は「補正予算が成立後、ここまでくるのに7年6ヶ月かかった。それは私たちの理解が足りなかったから。残された課題について、丁寧な議論を重ね、充実したものにしたい。できる限り名古屋市民の総意にしたい。国に出す以上、考えられる最大最高のものを提出したい。」と述べ、局長ともども退席しました。
その後、表二の門附属土塀の雁木の調査、西之丸展示収蔵施設周辺の整備が議事になり、本丸搦手馬出周辺石垣の修復、不明門北土橋石垣根石発掘調査成果、天守台穴蔵石垣背面調査の調査成果が報告されて、今年度の有識者会議はすべて終了しました。
---------
毎回思うことですが、どうして全体整備検討会議で、各部会での議論の様子が報告されないのか全く理解できません。
参加している有識者は、全体の状況を把握していません。市職員や傍聴者は、各部会の議論を聞いており、非常にもどかしく感じます。
今回、赤羽氏が石垣部会や天守閣部会の議論を報告し、ようやく問題点が共有化されました。
ただ、天守閣部会の「鉄骨スロープ案は景観を損なう」「安全面を考えると、1時間2500人上限の計画は見直し、予約制を検討すべきだ」について、今後も全体整備検討会議で真剣に議論するべきではないかと思います。
河村市長の「バリアフリーの鉄骨スロープ案は聞いていない」発言ですが、公の電波に乗っていますし、インターネットでも閲覧できます。それを「単に忘れていた」では済まされません。
仮に「報告されたのを忘れていた」としても、「鉄骨はいかん」発言は別問題です。
事前に鉄骨スロープ案を報告され、了承されていたという事実があるにも関わらず、マスコミの前で「鉄骨はいかん」と発言するのは、市民・マスコミ・市職員・竹中工務店・文化庁を愚弄するものであり、断じて許せません。
「名古屋城木造復元に関し、河村市長は鉄骨スロープ案を事前に確認・了承していたにも関わらず、テレビの前で『鉄骨スロープははじめて聞いた。鉄骨はいかん』と発言した」という事実を、特に23/4/9名古屋市議選前に広めたいと思います。
テレビの前で「鉄骨はいかん」と発言したのは永久に消えない事実です。
・2023年3月22日(水) 18:31 CBC
天守閣の周りに「鉄骨製スロープ」設置 名古屋市が「バリアフリー化」に向け提案
「初めて聞いた。全然聞いてないけど。鉄骨で作るのはいかん。鉄骨は根本的にいかん」
・2023/03/23 06:17配信 東海テレビ
河村市長は「初めて聞いた」と反発…名古屋市が木造復元を目指す名古屋城天守閣 “建物外部にスロープ”の案
江戸時代の名古屋城の復元にこだわる河村市長も、「初めて聞いた。鉄骨で造るのはいかん。違う建物になってしまう」と反発しています。
なお、最大層間変形角1/120について、有識者が指摘し、文化庁調査官も反応したので、今後真剣に検討する必要があると思います。
------
名古屋市役所内で「2032年問題」と呼ばれている、名古屋城木造復元が最短で2032年度と市が議会で報告した件について、河村市長は「市長も副市長も聞いていない。もっと早期を目指すべき」と23/3/20定例記者会見で述べています。
しかし、本日の全体整備検討会議の議論を聞いていると、とても2032年度に完成するとは思えません。
3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)も解決する見通しが立たず、これまで木材購入等約70億円かけた税金はどうなるのでしょうか。
19/6/24大村愛知県知事は「文化審議会に当面かかる予定はないと聞いた。当初から木造化は難しい、無理と聞いている。石垣の調査、計画ができていない。名古屋市も本当のことを言ったらどうか。文化庁から許可が下りていない段階で調達した木材94億円と設計費等々で100億円以上が全損になるおそれがある。
市議会には例えば百条委員会をやるなどして事実解明をしっかりやっていただきたい。取材されたマスコミの皆さんは知ってたんじゃないですか。
河村市長の『できなかったら切腹』発言は典型的なパワハラだ。関係者が希望すれば、愛知県が障害者団体も含めて調整することはやぶさかではない」としています。
大村知事の4年前の指摘に真剣に耳を傾ける必要があると思います。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
・2019/4/1 河村たかし市長定例記者会見
「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」
23/3/22(水) 名古屋城天守閣部会 「鉄骨スロープ」「基礎構造検討例」記載の木造天守整備基本計画案を了承も、市長は「鉄骨はいかん」
23/3/22(水)に開催された特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議天守閣部会(第28回)で、「地上-小天守-大天守地階の鉄骨スロープ」「基礎構造検討例」などが記載された木造天守整備基本計画(案)を了承しました。
・23/3/22(水)特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第28回)配付資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
今回、前回提案された「構造計画」「防災・避難計画」「設備計画」「完成後の木造天守の公開」を一部追加・修正し、さらに新たに「バリアフリー」「完成後の維持保全・修繕計画」「復元計画(図面編)」が提案されました。
「地上から小天守を通り、橋台から大天守地階に入る鉄骨スロープ」の図がはじめて示されました。
また、バリアフリー新技術については、「大天守地下1階から1階まで導入する。柱や梁を取り除かずに設置が可能。それ以上は今後検討し、市民意見を伺ったうえで決める。1階は目立つことはないようにする」としました。
さらに、基礎構造検討例が3例示されました。
三浦正幸・広島大学名誉教授は「今回示された基礎構造検討例は『例』であって『案』ではないのか」と質問し、名古屋城総合事務所の荒井主幹は「今回は『例』である。現天守解体後、穴蔵石垣の調査結果を踏まえて、穴蔵石垣の今後や、基礎構造をどうするかを考えたい。今回上げた『例』のなかから選ぶものではない。」と述べました。
三浦名誉教授は「23/1/10に、天守閣部会と石垣部会メンバーで構成する『木造天守基礎構造検討に係る調整会議』には、以前竹中工務店が提案した『はね出し架構』が掲載されていた。今回どうして削除したのか」と質問しました。
荒井主幹は「調整会議では、比較できるように挙げた。名古屋市は『はね出し架構をいったん見直す』と議会で説明した。現天守解体後に基礎構造を検討したい。これを含めてあらためて調査結果を踏まえてゼロスタートで検討したい」と述べました。
三浦名誉教授は「3つしか例があがっていなく、誤解を招く気がする。『調査をしていない限定前提での例』と提案したい」としました。
また、「地上-小天守-大天守地階の鉄骨スロープ」について、川地正数・川地建築設計室主宰は「スロープの絵ははじめて出てきた。これは『例』か『案』か。
愛知県や名古屋市の「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」ではスロープが必要とあるが、人的な対応で十分ではないかと勝手に思っている」と述べました。
荒川主幹は「スロープで計画したい」と述べました。
座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「小天守に行くには、スロープの下をくぐるようになっており、景観上はりっぱとは言えない景観にこだわっている名古屋市としては、どうか。現天守にはエレベーターがついているが、景観上は不評で、同じようなことになりやしないか。
スロープ予定のところは屋内より勾配が緩やかで、昇降機を使うとか工夫がいるのではないか。そもそもスロープは鉄骨か?木材か?鉄骨は冷たい。文化財は木造が多い」と述べました。
荒川主幹は「スロープは高さがあるので鉄骨の予定。小天守の階段から北側に飛び出す」としました。
瀬口座長は「今回提案された木造天守整備基本計画(案)はほぼ修正はない。全体を通して基本計画としてまとめた。
23/3/24に開催される全体整備検討会議に報告してよいか」と述べ、了承されました。
資料の説明と質疑を含め、48分間で終了しました。
----------------
22/8/12締め切りだった「名古屋城木造天守の昇降技術に関する公募」の「公募に関する質問への回答」に、以下記載があります。
公募による募集範囲外
橙線:地上から小天守を経由し、大天守地階までの観覧経路(木造天守復元設計・施工者によりバリアフリー対応)
具体的な絵は提案されてきませんでしたが、ルートは上記の通りでした。
現大天守閣の外観について、「東面に外部エレベーターが付いていて不評」という声があるようですが、そんな人が、それよりはるかに目立つ「鉄骨製小天守東面・北面のスロープ」を納得するのでしょうか。
また、基礎構造『例』については2020/9/25 全体整備検討会議で『柱まるけ』の基礎構造の絵が提案されていましたが、それの詳しくしたイメージ図を付けたものと、例C『石垣内RC柱設置』を追加したものです。
今回、名古屋市は『例』ではあるものの、新たな基礎構造を提案してきました。
いずれも鉄骨柱もしくはRC柱を導入するものであり、とても『史実に忠実な復元』とは言えません。
とはいえ、完全な『史実に忠実な復元』では、地震にとても耐えることができないことは明らかです。
石垣部会の千田嘉博・奈良大学教授も23/3/16に以下述べています。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1636277807201542145
城郭国宝1号であったとおりに名古屋城天守を21世紀に立体復元したら、現在の法規に適合せず、誰も内部に入って見学することができません。耐震強度もありません。江戸時代のままに天守を復元することは、そもそも理論的に成り立たないのです。お気持ちは察しますが残念ながら不可能です。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1636285262316834816
もちろん主要躯体を木造で立体復元することは可能です。そこに基礎構造の改変や要所の補強による耐震性確保、防煙区画や二方向避難路など、現行法規に対応したさまざまな改変を、史跡における復元建物としての要件を満たしながら行う必要があります。内部に人が入って見学するためには避けられません。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1636287226723319808
健常者が史跡を訪ねて歴史を体感するための改変は当然のこととして認める一方で、さまざまな特性をもつ人が史跡を訪ねて歴史を体感するための改変は許さないと考えてよいか。私たちの社会はどうあるべきか、史跡の整備はよりよい未来をつくっていく方法のひとつでありたいと願っています。
なお、名古屋市民オンブズマンは、23/2/9に「第4回調整会議の会議録、資料」を情報公開請求しましたが、「23/3/26まで延長」となりました。
今回の天守閣部会では、きちんと議論がなされなかったように思えます。
市民に資料を公開し、「法律を守る。人命が最優先。バリアフリーのありかたについて議論を尽くす」ことが必要ではないでしょうか。
23/3/22 18:31CBCによれば、河村市長は名古屋市が提案した鉄骨スロープについて、「初めて聞いた。全然聞いてないけど。鉄骨で作るのはいかん。鉄骨は根本的にいかん」と述べたとのこと。
市長と市の齟齬がまたも明らかになりました。
市長が「聞いていない」とする鉄骨スロープ案を、23/3/24全体整備検討会議に示すのでしょうか。
A天守閣整備事業にあわせた保全の方針 がない天守台石垣の保存方針(案)、石垣部会の議論を踏まえていない「2章 石垣等遺構の保存」を提案するのでしょうか。
今後、石垣部会の議論を経て、バリアフリーの市民意見募集を経て仮に木造天守整備基本計画(案)を文化庁に提出しても、「復元」についてもなんらかの「指摘事項」が出る可能性は極めて高いです。
木造復元は「最短で10年」ではなく、さらに時間がかかること、「史実に忠実な復元」は不可能なことを、特に23/4/9投開票の名古屋市議選前に、市民にきちんと説明する必要があります。
市長は「俺は聞いていない」で済む話しではありません。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
・2019/4/1 河村たかし市長定例記者会見
「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」
----------
今後の予定
・23/3/24(金)午後2時 全体整備検討会議(名古屋国際センター)
23/3/20(月) 河村市長「『木造復元名古屋城完成が最短であと10年』はわしも副市長も知らなかった」
河村たかし市長は23/3/20定例記者会見で、「某新聞に『木造復元名古屋城完成が最短であと10年かかる』とあったが、わしも副市長も知らなかった」と述べました。
23/3/14名古屋市議会経済水道委員会での天守閣整備担当主幹の発言を市長・副市長が知らなかったというのは市の方針が執行部で一致していないということになり、議会軽視・市民軽視で極めて問題発言です。
しかも、市長は有識者・文化庁に「市民が早く作って欲しいからそれを理解してほしい」と繰り返すだけです。
・23/3/20 河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城関係部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
・23/3/14 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
記者から、「2023年3月末までに、木造天守整備基本計画をまとめると市は公言してきた。その中で特に石垣保全、基礎構造、バリアフリーの3つが大きな課題だったが、石垣部会から『この状況では石垣保存方針は了承できない。さらに議論が必要』と意見がでたことに対しての市長の受け止めは」と質問がありました。
河村市長は「申し訳ないの一言。死ぬ前に木造復元天守にのぼりたいという人が大勢いる。
市民の思いを石垣部会や文化庁は理解してほしい」と繰り返すのみ。
名古屋城の担当者は「石垣保存方針は今後しっかり議論したい。23/3/24全体整備検討会議に諮る資料は、以前に作った石垣保存方針を一旦提出する。」と述べました。
----------
バリアフリーについて、市と市長の意見が食い違っています。
完成期限についても市と市長の意見が食い違っています。
石垣保存方針は2023年3月末までに間に合いませんでした。
22/3/31 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第48回)に提示された天守台石垣の保存方針(案)は、2段階に分けて考えるとし、
@天守閣整備に関係なく現状、保存考える
A天守閣整備事業にあわせた保全の方針
の@の案を提案しただけです。
Aについては、この1年間全く議論しませんでした。
あとどれくらい議論すれば、Aがまとまるのかは全く分かりません。
23/3/22(水)天守閣部会で、新たな基礎構造が提案されるのでしょうか。
23/3/24(金)全体整備検討会議で、いったいなにを議論するのでしょうか。
この状況であれば、「完成まであと10年」とはとうていいかず、さらに時間がかかるのではないでしょうか。
このことを、河村市長は「正直言って、正直にいわなあかん物事は」という態度で市民や議会に説明するとはとても思えません。
----------
今後の予定
23/3/22(水)午後2時 天守閣部会(KKRホテル)
23/3/24(金)午後2時 全体整備検討会議(名古屋国際センター)
-------
23/3/17(金) 名古屋市 石垣部会に名古屋城天守台石垣の保存方針(案)を示すも審議時間が取れずいったん廃案 4月以降に議論へ
名古屋市は、23/3/17(金)に開催した特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第55回)で、2022年度中にまとめるとしていた名古屋城天守台石垣の保存方針(案)を示すも、石垣部会から「審議時間が取れなかった、内容も十分ではない」と意見がでたため、いったん廃案にし、2023年4月以降にあらためて議論することにしました。
名古屋市は、23/3/24(金)に開催する全体整備検討会議に、「特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画 第2章 石垣等遺構の保存」部分は2022年12月に全体整備検討会議で議論したものをそのまま出す方針とのことです。
・23/3/17(金)特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第55回)配付資料
(資料3-1、3-2、3-3はいったん廃案)
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
名古屋市は、市議会にも市民説明会でも、「2023年3月までに、木造天守整備基本計画をまとめる。『石垣保存方針』『基礎構造の方針』『バリアフリーの方針』もまとめる」と公言してきました。
・22/7/13特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議天守閣部会第24回部会 配布資料
・令和4(2022)年度開催 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会
ようやく23/3/17になって、天守台石垣の保存方針(案)を石垣部会に示すも、当初3番目に位置づけられていた議題の順番が、急遽最後(5番目)に回されました。
議題5(4番目に議論)の天守台穴蔵石垣背面調査の調査成果が報告され、はじめて粒径分布の測定結果が示され、50mm未満の粒径が多数を占める地点もあれば、150mm以上の粒径が多数を占める地点、その中間の地点もあることが判明しました。
宮武正登・佐賀大学教授は「背面の7割方がほぼ土のところがあり、背面の体をなしていない。今回調査していないが、小天守も同様ではないか。
しかも、調査箇所によって差があまりにもある。
構造物の危険度を把握することは無理ではないか。南海トラフなど大きな地震がある可能性があり、手をこまねいてみている時間はないのでは」と指摘しました。
千田嘉博・奈良大学教授は「今回の調査成果は、工事図面とどこも違っていたことが判明し衝撃的だ。本丸は人が通り、本格的な調査をして対策が必要だ。
鉄筋天守そのものの耐震性に問題があっただけでなく、穴蔵石垣背面調査で、栗石であるべきものが土であったことが判明した。より詳細な調査と対策が必要だ」としました。
名古屋城総合事務所は「背面がここまでひどいことが数字で判明した。名古屋市としては、穴蔵石垣をどうしていくか、現天守がある状態での調査は限界がある。
現天守を解体後、しっかり調査・把握した上で本来の姿に戻したい。
解体したらどう影響があるのか、どう調査するかは、あらためて石垣部会に諮りたい」と述べました。
赤羽一郎・元愛知淑徳大学非常勤講師は「表層を調査しただけに留まり、天守台そのものまで言えるのか。また、このデータをもって、木造天守云々は全くなりたたない。現天守はケーソンの上に載っており、まったくこのデータと関係がない」としました。
宮武教授は「木造天守の議論はしていない。木造であろうと、鉄筋であろうと、全て取っ払い天守台石垣だけになろうと、今の内面石垣は極めて不安定で、極めて危ない。穴蔵石垣は持たない」と述べました。
千田教授は「今回の調査で、今後どう活用しようとも、穴蔵石垣に人を入れるのは事実上できないことが見えてきた。広い範囲を調査しないと活用は難しい」としました。
宮武教授は「熊本城穴蔵石垣の方が、名古屋城穴蔵石垣より遙かにマシだが、地震後どうなったか見ている。人がいたら絶対助からない。数百キロの石が飛んでくる。木造であろうと鉄筋であろうと関係がない。どうするか、物理的に重機いれるか。手順すら見えていない」と述べました。
千田教授は「内面穴蔵石垣の状況は懸念されるが、『外面石垣も不安定』とは違う」と念を押されました。
この時点で15時54分と、終了予定時刻の16時ギリギリになり、駆け足で資料3−1、3−2、3−3を名古屋市が説明した時点で16時02分と、終了予定時刻を過ぎました。
・資料3−1「天守台周辺石垣の保存方針について」
・資料3−2「天守台石垣の保存方針(案)」
・資料3−3「特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画 第2章 石垣等遺構の保存」
座長の北垣聰一郎・石川県金沢城調査研究所名誉所長は「資料3については内容に入れていない」とし、どう扱うかとしましたが、名古屋城調査研究センターの村木誠副所長は「石垣部会に提出した資料として、23/3/24の全体整備検討会議に出したい」と述べました。
宮武教授は「議論することが多いし、資料が整理できていない。組み立てから議論すべき。まだまだ時間がかかる」と述べました。
赤羽氏は「熊本のことが反映されていない。熊本を教訓にすべき」と述べました。
千田教授は「事実関係の位置づけが、石垣部会の認識とかなり違う。一度文化庁に出せば『名古屋市の見解』となる。
過去、『部会では承知していないが、名古屋市としては文化庁に出す』とした恐ろしい歴史がある。それは良い方向には行かないと思う」と述べ、北垣座長も同意しました。
宮武教授は「これが一人歩きするのが怖い。これが文書として残ると、当該石垣の補修は見直すことにならず、後々の影響がある」と述べました。
鈴木整備室長は「3分だけ事務局で相談する時間が欲しい」として暫時休憩に入り、11分後に「石垣保存方針は全く十分な段階ではなく、石垣部会でご議論いただきまとめないといけないと認識している。
一方、1年前に文化庁にお許し頂いた途中経過のものはある。
・特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議第48回会議(令和4(2022)年3月31日)
4月以降に早急に皆様に諮って議論し、まとめたい。
23/3/24全体整備検討会議には、1年前の資料をそのまま出したい。
また、木造天守整備基本計画の2章石垣部分については、昨年12月に全体会議に示したものをそのまま示したい。」
・特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 第53回会議(令和4(2022)年12月9日)
としました。
上田剛・名古屋城総合事務所長は「今回配付した資料のうち、3−1、3−2、3−3は一旦廃案にしてやり直す。
天守台石垣の保存方針(案)は昨年度のバージョン1の段階。本日バージョン2にいきたかったができなかった」と明言しました。
---------
調べたところ、第50回石垣・埋蔵文化財部会部会(令和4(2022)年7月15日)で特別史跡名古屋城跡石垣の保存方針について議論されていましたが、「天守台石垣の保存方針(案)」は議論されませんでした。
木造天守整備基本計画の第2章については、第24回天守閣部会(令和4(2022)年7月13日)で議論されました。
石垣部会では、この1年、まったく「天守台周辺石垣の保存方針について」「天守台石垣の保存方針(案)」「木造天守整備基本計画 第2章 石垣等遺構の保存」が議題になっていませんでした。理由は不明です。
名古屋市民オンブズマンは、これまでの石垣部会傍聴後、「今回も天守台石垣の保存方針は議論しなかった」と繰り返してきました。
-----
2023年3月までに名古屋市がまとめるとしていたものの現状は以下です。
・木造天守整備基本計画→2章 石垣等遺構の保存 は石垣部会で議論せず
・石垣保存方針→石垣部会で議論せず廃案
・バリアフリー→2022年12月に新技術公募結果公表 日弁連から「憲法等違反」
・基礎構造→23/3/24 全体整備検討会議で示す?
「2023年3月末までにとりまとめありき」で強引に進めてきた名古屋城木造復元事業。
有識者会議の十分な議論はなされませんでした。
それだけではなく、現在の穴蔵石垣背面状況は極めて悪く、「人を入れることは事実上できない」のも事実です。
今後どうするのか、じっくり落ち着いて議論する必要があるのではないでしょうか。
なお、今後の有識者会議の予定は以下です。
23/3/22(水)天守閣部会では、バリアフリー、完成後の維持保全・修繕計画、復元計画が議論される予定です。
23/3/22(水)午後2時 天守閣部会(KKRホテル)
23/3/24(金)午後2時 全体整備検討会議(名古屋国際センター)
-------
23/3/14(火)名古屋市 名古屋城木造復元は「順調にいって2032年度」と初言及
23/3/14 名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋市は名古屋城木造復元について「順調にいって2032年度」と初言及しました。
23/3/14 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
渡辺義郎市議(自民)は「2023年3月末までに基本計画書をまとめるということだが、順調にいっていつ木造復元出来る予定か」と質問しました。
名古屋市の荒川・天守閣整備担当主幹は「2023年度には文化庁の復元検討委員会で議論いただこうと考えている。
概ね2年とか2年半かかると感じている。
その後現状変更許可で、その後木造天守の完成には6年半ぐらいかかると思う。
なので、2023年度からスタートしたとして約9年かかる。ある程度順調にいくと2032年度。」と述べました。
一方、折戸観光文化交流局長は「現天守の解体と木造復元を一体とした現状変更許可については、時期は申し訳ありませんが明確には申し上げられない状況にある」と述べるも、「道筋がはっきりと見えてきたと認識している」としました。
------------
20/6/12特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第22回)では、復元検討委員会は2年半(8回)としています。
しかし、名古屋城の担当者は「復元検討委員会の回数について、文化庁から言われたわけではない」と述べています。
17/3/30第23回検討会議では、平澤毅・文化庁文化財部記念物課文化財調査官は「必要なら10回でも20回でも審議する」と述べています。
また、文化庁文化審議会文化財分科会で、また「指摘事項」がでれば、さらに名古屋市は回答をする必要があります。
前回は「解体申請」に対して指摘事項が出たので、「復元」についてもなんらかの「指摘事項」が出る可能性は極めて高いです。
・2021年5月 名古屋市 「現天守閣解体申請に対する文化庁からの指摘事項への回答」
・21/6/18 文化庁文化審議会文化財分科会の所見(要旨)
なお、22/7/13特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議天守閣部会第24回部会での『整備スケジュール』では、着工から6年半で完成としています。
バリアフリーの新技術については、日弁連から「最上階までの大型エレベーターを付けなければ憲法等違反で人権侵害」と要望が出ています。
・日弁連人権擁護委員会ニュース「人権を守る」95号 2023年3月1日発行
バリアフリー新法に準拠したエレベーターを最上階まで! 〜名古屋城天守閣再建に関して名古屋市に要望〜
一方、穴蔵石垣の地下の根石付近には、江戸時代の遺構が残っており、現天守閣を解体後に調査したうえでそれを壊さないような基礎構造を検討するとしています。
また、穴蔵石垣背面は現天守閣工事の際の土砂や廃材などで埋められており、現天守閣を解体して調査してから安全対策を検討する」としています。
これらにどの程度の年月がかかるかはわかりません。
仮に文化庁が現状変更許可を出し、工事も終了したとしても、23/2/17に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第27回)で座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授が述べたように、「名古屋市は現在木造復元天守に1時間2500人を上限と計画しているが、多いかもしれない。安全に見てもらえるためには、来た人をすべて入れるのはやめた方がいい」というのを採用すると、来場者だけで建設費・維持費等をまかなうのは事実上不可能となります。
竹中工務店が2016年3月に優秀交渉権者に選ばれてから早くも7年が経ちました。
今後「早くても9年かかる」と名古屋市は認めました。
「全責任は私が取る」「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」と発言した河村たかし名古屋市長。
いつ着工するかわからない木造名古屋城復元事業に、すでに経費として2016年度〜2021年度に73億688万8764円支出しており、さらに毎年1億円ずつ木材保管費用をかけています。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
・2019/4/1 河村たかし市長定例記者会見
「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」
これまで名古屋市の甘すぎる予測はことごとく外れてきました。
いつまで名古屋市民は、名古屋市の「いつか名古屋城を木造復元出来る」につきあわされるのでしょうか。
23/3/10(金) 名古屋城木造復元 名古屋市「穴蔵石垣背面は現天守閣工事の際の土砂や廃材などで埋められている」
23/3/10に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋市は「穴蔵石垣背面は現天守閣工事の際の土砂や廃材などで埋められており、現天守閣を解体して調査してから安全対策を検討する」と述べました。
・23/3/10 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
観光文化交流局
・23/3/10 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城関係分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
現在、名古屋城木造復元については、基本設計を終えたと主張し、実施設計を行っていますが、穴蔵石垣と木造部分の接点である基礎構造については、遺構を壊す「はね出し架構」に代わる新たな基礎構造を提案できていません。
江上博之市議(共産・中川区)は「穴蔵石垣の調査のために、もうこれ以上中に入ることができないのでは」と質問しました。名古屋城調査研究センター村木副所長は「根石付近では旧遺構が残っていることを確認している。具体的にどこまでが壊れているか把握できていない。」としました。
江上市議は、「実施設計は壊れている石垣の部分が明確じゃないと本来の実施設計はできないのではないか」と質問しました。
天守閣整備担当の荒井主幹は、「穴蔵石垣根石付近の調査ができないと、設計図面等がかけないことは当然あると思う。ただそれ以外の部分は必要なので、実施設計が必要。また、基礎構造の設計は、現天守解体後の調査を踏まえて行う必要がある。」と述べました。
浅井正仁市議(自民・中川区)は、石垣保全対策の内容を質問し、荒井主幹は「2023年度に設計、2024年度-2025年度に工事を実施し、現天守解体木造復元を一体とした現状変更許可に向けた復元検討委員会で議論がされている期間に工事を行いたい」と述べました。
浅井市議は穴蔵石垣の安全対策について質問し、村木副所長は「栗石などがしっかり組み込まれておらず、現天守閣工事の際の土砂や廃材などで埋められている。戦後に積み直された天守台の穴蔵石垣は、本来の構造や安定性を持っていないので、このままでは地震の際の安全性が担保できない可能性がある。現天守解体後の調査を踏まえて、安全対策を検討する必要がある。」と述べました。
浅井市議は、「コンクリートを解体しなければ中の状態は分からない。本当にもし穴蔵を積み上げるとなると、またわかんない年月かかる。しかしこれが文化財行政だと思っているので、しっかりと取り組んでいただきたい」としました。
-------
とんでもない施工不良が発覚した、名古屋城現天守閣。
22/11/18石垣部会でも問題になっていました。
第52回部会(令和4(2022)年11月18日)
配布資料
議事録
天守閣部会委員から、「入場者の安全性を確保するために、最上階への入場制限を検討してはどうか」と言われています。
また、日弁連からは「最上階までの大型エレベーターがつかなければ憲法等違反で人権侵害」と言われています。
本当にこのまま木造復元に突き進むために現天守閣を解体するのがいいのか、現天守を残す方針にして、いかに穴蔵石垣を修復するかを考えるのがいいのか、今一度冷静に考えるべきではないでしょうか。
23/3/8(水) 名古屋市議 「木造名古屋城が赤字で年間10億円以上税金投入でも、二之丸庭園・東南隅櫓・多聞櫓を復元するのか」
23/3/8名古屋市議会経済水道委員会で、江上博之市議(共産)から「木造名古屋城が赤字で年間10億円以上税金投入でも、二之丸庭園・東南隅櫓・多聞櫓を復元するのか」と質問があり、上田剛名古屋城総合事務所長は「木造復元に引き続いて、可能な限りこうした名古屋城全体の整備についても取り組みを進めていきたい」と述べるに留まりました。
・23/3/8 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城関係)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
江上市議は「二の丸庭園だけじゃなくて、第2期の金シャチ横丁の問題、博物館とか、芝居小屋風の多目的施設の建設費だって大きな支障があると思う」と述べ、木造復元を中止すべきと述べました。
---------
1873年に廃城令が公布された後、各地の多くの城郭建造物は競売に掛けられ、民間に払い下げられ、特に天守閣や櫓などの巨大な建造物は移築や維持に莫大な費用がかかるため、安価で売却されたといいます。
名古屋城は永久保存方針を決定しましたが、保存修理の費用や人員の負担が重くなったことから、1893年に陸軍省から宮内省に移管しました。その直前の1891年に発生した濃尾地震のため、本丸多聞櫓や西之丸の榎多門は大破し、石垣も崩壊。修復は陸軍省が費用を負担したものの、本丸多聞櫓は撤去され、それ以降復元されていません。
今後仮に名古屋城木造天守ができた場合で、大赤字になった場合は、保存修理の費用などがかさんで名古屋城の他建物の復元に悪影響が出るどころか、木造天守自体の存続さえ疑問視する風潮も出かねないと危惧します。
江上市議が主張する「年間10億円の赤字」の根拠は不明ですが、仮に年間10億円の赤字が50年間続けば500億円。200年続けば2000億円の赤字となります。
それだけ赤字ということは観光客数も少なく、将来の名古屋市民が木造名古屋城の存続を疑問視してもおかしくは無いのではないかと思います。
三菱UFJリサーチアンドコンサルティング(株)名古屋が2018年6月に発表した収支計画では、2017年度〜2071年度の55年間の収支予測は基本で▲15億円。低位で▲65億円。高位でも45億円の黒字です。
これはコロナ禍前の試算なので、国内旅行者・外国人入場者の減少、インフレによる資材費・人件費の高騰、木材保存経費の増大、工期延長による事業費増大については一切触れられていません。
23/2/17に開かれた特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第27回)で、座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「安全確保するなら、1時間2500人でも多いかもしれない」と述べ、年間360万人の前提を覆すような発言をしました。
しかしながら、名古屋市は「竣工時期が定まってから収支計画を策定する」と述べるのみ。
市にとって都合の悪いことは全て先延ばしにしてきた名古屋城木造復元事業。
今回の議会でどの程度議員が追及できるのでしょうか。
23/3/7(火) 名古屋城木造天守バリアフリー 松雄副市長「1階への昇降は確保したい。今一度市民意見を聴取する機会を設ける」
名古屋城木造天守バリアフリーに関し、23/3/7名古屋市議会本会議で松雄副市長は「公募の最低要求水準である大天守1階への昇降は確保したいと考える。その上でより上層階へのバリアフリー対応が可能か検討する。今一度、市民意見を聴取する機会を設けて市民のご意見を伺い、最終的には市長の判断を仰ぎたい」と述べました。
・23/3/7(火)名古屋市議会本会議(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
松雄副市長は「石垣の保存、基礎構造の検討に関し、天守台内部石垣の積み直し、現代工法の付加も視野に入れた石垣の修復整備を検討する必要がある。
基本計画には基礎構造の検討例をいくつか記載するにとどめ、現天守閣解体後に詳細な調査を実施した後に検討する。」と述べました。
またバリアフリーについては「国において具体的な方針までは示されておらず、本市で判断するものとなっている。
地上から小天守を経て、大天守地階まではスロープを設置の上、公募の最低要求水準である大天守1階への昇降は確保したい。
その上でより上層階へのバリアフリー対応が可能か検討する。
大変難しい問題なので、木造復元のバリアフリー化に関して、今一度、市民意見を聴取する機会を設けたい。」と述べました。
---------
河村たかし市長は、23/3/6市議会本会議で、バリアフリーについて「1階までか2階以上か」明言しませんでした。
松雄副市長は23/3/7に「公募の最低要求水準である大天守1階への昇降は確保したい」と述べましたが、斎藤まこと市議が23/3/6に質問した
「日弁連からもエレベーターを設置するよう要望がある」には回答しませんでした。
また、「『今一度』市民意見を聴取する機会を設けたい。」と松雄副市長は述べましたが、これまで市民意見を聴取する機会はあったのでしょうか。
これまで、名古屋城木造天守バリアフリーについては、河村市長と名古屋市当局との間で意見の齟齬がありました。今回の市議会でも、意見の齟齬が解消されたとは到底言えません。
23/3/6(月) 名古屋城木造天守バリアフリー 河村市長は「1階までか2階以上か」明言せず
23/3/6名古屋市議会本会議で、斎藤まこと市議から「名古屋城木造復元天守にエレベーターは1階までか2階以上か、もしくはエレベーターは難しいのかどうか」と聞かれた河村たかし市長は明言しませんでした。
・23/3/6(月)名古屋市議会本会議(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
斎藤まこと市議は政令市初の車いす議員。
今回最初で最後の市議会本会議での名古屋城木造天守のエレベーターに関する質問でした。
斎藤市議は「日弁連からもエレベーターを設置するよう要望がある」としました。
・2022年10月24日 日弁連
名古屋城天守閣にエレベーターの設置を求める人権救済申立事件(要望)
名古屋市長宛て要望
河村市長は「日弁連からヒアリングも何もなかった。11人乗り相当のエレベーターだと柱や梁を取り除く必要があり、木造では無理で鉄骨で補強しないといけず、合理的配慮とはいえない。
日弁連はめちゃくちゃな話。名古屋城は図面が残ってて200年後には国宝にしよう」と述べるのみ。
斎藤市議が「エレベーターは1階までか2階以上か」と再度聞くも、「鉄骨はいかん」と述べるのみ。
斎藤市議は「木造化しても国宝にはならないと思う。スプリンクラーや照明、扇風機もある。エレベーターを設置し、バリアフリーをぜひやってほしい」と述べました。
---------
事実をまず確認しますが、日弁連は20/1/10に名古屋市長あてに文書で照会をかけ、20/3/31に名古屋市長河村たかし名で日弁連あてに文書で回答をしています。
それを「日弁連からヒアリングも何もなかった」というのは事実をねじ曲げるどころか、自分の名前で提出した文書に全く責任を持っておらず、行政のトップとして失格と言わざるをえません。
しかも、日弁連の要望では、「柱や梁を取り除け」と明言しているわけではなく、「あえてエレベーターを設置しないのは憲法13条及び14条1項、障害者の権利に関する条約5条1項及び2項、障害者基本法や障害を利用とする差別の解消の推進に関する法律等に違反する」と述べています。
また、日弁連は「歴史的建造物の復元であるとしても、エレベーターを設置することができないということにはならないから、『史実に忠実に従った天守閣の再建』というだけでエレベーターの設置を拒絶することに合理性は認め難いというべき」と述べています。
名古屋市は今後どうするつもりなのでしょうか。
23/3/3(金) 名古屋市 名古屋城木造復元後の収支計画は「新たな完成期限を定めてから作成し公開」
名古屋市は、23/3/3名古屋市議会本会議で、名古屋城木造復元後の収支計画は「新たな完成期限を定めてから作成し公開」と述べました。
・23/3/3 名古屋市議会本会議(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
江上博之市議(共産)は、「建設費は500億円以上、維持管理費含めて50年間で1000億円の費用が必要」とし、入城料収入だけでまかなうなら、毎年25億円以上必要、年間360万人が50年間続くと以前試算されたとしました。
一方、コロナ禍で入場客が激減し、このままだと毎年度10億円以上の税金投入もあり得ると質問しました。
折戸観光文化交流局長は「木造天守だけではなく、二之丸庭園等もプロモーションし、税金ではなく入城料収入によって財源をまかなっていく方針。新たな収支計画については、来年度以降、文化庁において復元検討委員会が開始され、新たな完成期限を定めることができる段階となったら、その完成期限に基づく収支計画を作成し、市民の皆様にお示しする」としました。
河村たかし名古屋市長は「図面が完璧に残っている。200年くらいで国宝にした方がいいと思う。もう一回国宝にする任務があると思わないか」と述べました。
江上市議は「だからといって木造天守復元の道ではない」と述べました。
--------
市の答弁自体は特段以前と変わっていません。江上市議の質問も以前と変わっていません。
江上市議は、どうして23/2/17に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第27回)で、座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授が発言した、「名古屋市は現在木造復元天守に1時間2500人を上限と計画しているが、多いかもしれない。安全に見てもらえるためには、来た人をすべて入れるのはやめた方がいい」と述べ、予約制を提案したことについて触れないのか分かりません。
文化庁は、復元が可能かどうか、史実に忠実に復元されているかを審査するだけで、赤字になるかどうかを審査するわけではありません。
現時点でも、名古屋市は国や愛知県に対して木造復元についての補助を求めているわけではありません。
観光文化交流局長が発言した、「文化庁において復元検討委員会が開始され、新たな完成期限を定めることができる段階」がいつになるのかわかりませんが、それまでずるずると税金を使い続けるのが果たしていいのか。
重要な問題をすべて先延ばししてきた名古屋市のツケは最終的には市民が支払います。
23/2/17(金) 名古屋城木造復元 天守閣部会座長「安全確保するなら、1時間2500人でも多いかもしれない」
23/2/17に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第27回)が開催され、座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「名古屋市は現在木造復元天守に1時間2500人を上限と計画しているが、多いかもしれない。安全に見てもらえるためには、来た人をすべて入れるのはやめた方がいい」と述べ、予約制を提案しました。
名古屋市が入城料収入だけで木造復元を行うため、収支見込みで前提としていた、年間360万人(土日2万人、平日6千人と想定)が崩れる可能性があります。
バリアフリーや基礎構造については次回以降に提案するとのこと。
・23/2/17 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第27回)配布資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
今回も、写真・録音・録画は禁止されました。
文化庁は今回はオブザーバーとして参加しませんでした。
名古屋市は、2023年3月末までに「木造天守整備基本計画」をまとめるとしています。
名古屋市は、前回分科会までに江戸時代の様子を「復元原案」として検討してきました。
今回、ようやく「復元案」が提案されましたが、バリアフリーや基礎構造の具体的方法については次回以降に提案するとのこと。
ただ、基礎構造の検討の基本的な考え方を示しました。
・文化庁が定める基準を順守
・天守台本来の遺構には新たに手を加えないことを原則
・人命安全確保を第一
3階から4階には史実にはない階段を1こ付加し、5階から4階への救助袋を設置するとのこと。
復元計画の中の、防災・避難計画の項目で、「適切な在館者数の管理」があり、大天守の最大同時在館人数を2500人を上限としました。
また、4階から5階には階段が1つしかないため、「係員による厳格な入場制限を行い避難可能人数を超えないようにする」としました。
川地正数・川地建築設計室主宰は「名古屋市は1時間2500人を上限とし、5つの対策をすることで非常時に安全に避難できるとしたが、根拠を確認したい。
かつて名古屋市はオープン時に366万人来館するとし、休日2万人を8時間開館時間で均等にならしたが、市の予測では竣工事400万人を超えるとした。
休日2万人は相当超えると思う。
竹中工務店も加わって行った調査結果では、1日のうち均等に来るわけではなく、3時-4時に集中している。
高齢化も進み、障がい者・車いす以上に高齢者の階段の上り下りが大変。
1時間2500人に抑えても、階段周辺の混乱は予測される。人的管理ではなくデジタル技術で対応しないと大変なことになる」としました。
荒川主幹は「高齢者のシミュレーションをしている。1時間2500人は難しいオペレーションだが、避難が可能と考える」と述べました。
瀬口座長は「1970年大阪万博の時代とは変わり、近年の観光地では予約制をとっている。来た人を全部入れるのではなく、予約した人だけを入れるようにしてはどうか。
1時間2500人でも多いかもしれない。
安全に見てもらえるためには、来た人をすべて入れるのはやめた方がいい」と述べました。
----------
現存している木造3階建ての名古屋城西南隅櫓は、消防法の規程に基づき、最上階に同時に滞在できるのは9名のみです。
19/1/22木造復元市民向け説明会で、竹中工務店は「最上階にはおおむね100人程度で先生方と話をしている」としました。
今回の資料には、各階毎の具体的な人数はありませんでした。
木造復元天守来館者はすべて最上階にのぼる、と仮定した場合、最上階のキャパで来館者数が決まります。
過去資料では、具体的な各階ごとの数字が出ていました。
今回どうして名古屋市は具体的な数字を出さないのか、理解に苦しみます。
「1時間2500人は難しいオペレーションだが、避難が可能と考える」というのであれば、それなりの根拠が必要ではないでしょうか。
-----
なお、名古屋城総合事務所に確認したところ、川地委員が述べた、時間ごとの来城者数調査結果は把握していないとのこと。
本丸御殿の入場者数もカウントしていないが、だいたい有料入場者数の3-6割程度とのこと。
本丸御殿の個人入場制限は下駄箱(300)の数がいっぱいだと入れない(団体客は別)とのことでした(湯殿書院は別)。
------
参考までに、世界遺産であるイタリアのピサの斜塔の入場料は18ユーロ。
1グループ40人ごとに予約をとり、係員の案内で約30分の見学となります(1時間80人)。
ピサの斜塔の観光に来る人の多くは、斜塔内に入れません。
木造復元名古屋城も、ピサの斜塔と同様、多くの人は外から眺めるしかないのでしょうか。
>23/2/10(金) 名古屋城石垣部会 石垣保存方針、穴蔵石垣や鵜の首石垣など議論せず
名古屋市は23/2/10(金)に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会(第54回)を開催しましたが、木造天守復元に関係する穴蔵石垣や鵜の首石垣などは議論しませんでした。
オブザーバーの文化庁は今回も参加しませんでした。
・23/2/10 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第54回) 配付資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
今回も、録画・撮影は禁止されました。
議題は本丸搦手馬出周辺石垣の修復(敷金)と、表二の門附属土塀の雁木の調査についてでした。
石垣修復の際に下に敷く敷金について、名古屋市は突然「今年度中に1石2石元の場所に入れたいので、敷金をまとめて発注したい」と言い出しました。
しかしながら、敷金がどこにどう置かれていたかかのデータは名古屋市は取っていないとのこと。
石垣部会構成員は、「敷金の本当の目的と機能の検証は進んでいない。まずはデータを確認する必要がある」としました。
また、表二の門附属土塀の雁木について、千田嘉博・奈良大学教授は「そもそも表二の門を修理する前提があり、過去に撤去されたであろう雁木を調査し、復元可能か検討している。また、土塁も確認している。名古屋城が過去どうだったかを確認しているという調査のセオリーをわきまえて欲しい」と述べました。
------
名古屋城の各種有識者会議を傍聴していて毎回思うのですが、この会議はどんな項目を議論しているのか、今回の位置づけはなにか、いつまでに何をしないといけないのかが全く分かりません。
また、全体会議と部会の関係、位置づけも分かりませんし、それぞれがどんな議論をしたのかの報告もありません。
名古屋城総合事務所は、2023年3月末までに、@石垣保存方針、A基礎構造の方針、B解体と復元を一体とした全体計画を策定しようとしています。
石垣部会は今後何を決めないといけないのか。あと1月半しかありませんが、まったく不明です。
たまたま、石垣部会が終了した23/2/10(金)12時に、令和5年度当初予算がネット公開されました。
石垣保存対策に5870万円予算案が計上されていますが、それに関して何も議論がありませんでした。
いったいどうなるのでしょうか。
-------