名古屋城 本丸御殿+木造天守閣問題特集

河村市長は木造天守閣復元をぶち上げましたが迷走中です。建物だけで505億円かかるとのこと。100億円の利子、その他運営管理費等を含めると2069年までに915億円かかる見込みです。2020年の東京オリンピックに間に合わせると市長一人意気込んでいましたが、突如2022年に延ばしましたが断念し、新たな竣工時期は発表出来ません。市民は冷ややかです。「民主主義発祥の地ナゴヤ」の看板を下ろしたのでしょうか。
※17/3/23に名古屋市議会は名古屋城天守閣木造化の基本設計等に関する補正予算10億円を可決しました。17/5/9に「基本協定」「基本設計契約書」を締結しましたが、2019年8月、河村市長は2022年12月までの木造天守閣復元を断念しました。いまだに竣工時期の目処はたっていません。しかし2018年度末で市債を35億1400万円借りています。
名古屋市は新型コロナ対策に追われ、「不要不急」の木造天守閣復元を行う余裕はないはずです。
※名古屋市は現天守閣の解体申請を文化庁に提出していましたが、21/7/27に取り下げしています。現時点では、解体ならびに復元に関する書類は文化庁に提出していません。

2023年度8月以降
  • 23/9/9(土)名古屋城木造復元 石垣部会委員「『バリアフリーVS木造天守』では膠着状態が続く」
  • 23/9/4(月)河村市長が自民団長に「減税日本団長は『名古屋城最上階までエレベーターを検討する』と言っていない」と公開質問状
  • 23/8/30(水)「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」差別発言検証委員会 検証の方法・内容非公開
  • 23/8/28(月)名古屋城バリアフリー市民討論会差別発言検証 河村市長「(差別発言被害者は)集会だけの出来事に絞って欲しいと言っている」
  • 23/9/9(土)名古屋城バリアフリーシンポ 名古屋市は急遽登壇キャンセル
  • 23/8/23(水)名古屋市障害者施策推進協議会会長が名古屋城バリアフリー市民討論会に対し意見書提出
  • 23/8/22(火)名古屋市障害者差別解消支援会議委員「名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会に障害当事者は1人のみ」
  • 23/8/21(月)全国の障害がある議員が河村市長に名古屋城バリアフリー申入れ(非公開)
  • 23/8/20(日)名市大理事長「千田特任教授は松雄副市長がご尽力しお招きした」
  • 名古屋城バリアフリー市民討論会質問用紙 市は「筆跡で個人が特定可能」と内容非公開
  • 23/8/1(火)名古屋市人権施策有識者「名古屋市でも人権条例を作った方がよい」
    ・2023年4月-7月はこちら
    ・2022年度はこちら
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    ・2015年度はこちら
    ・2014年度以前はこちら

    23/9/9(土)名古屋城木造復元 石垣部会委員「『バリアフリーVS木造天守』では膠着状態が続く」

    23/9/9(土)に、名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会は「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業 〜名古屋城バリアフリーの行方〜」を開催して、会場とネット合わせて55名の参加がありました。
    講師である、名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会委員の赤羽一郎氏は「2023年6月3日市民討論会の検証委員会が開かれているが、会議の結論がどうであろうと、河村市長の意見は変わらないだろう。『バリアフリーvs木造』という構図だと膠着状況は続く、どう打開するかいつも考えている。木造天守は非常に『非情』な建物。なぜ今復元しないといけないのか納得いかない」と述べました。

    ・当日配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909-0.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909-1.pdf

    共同代表の斎藤縣三氏は「今回、6月3日の差別発言があり、状況がめまぐるしく変化し、開催時期が延びた。
    これまで名古屋城総合事務所の担当主幹は毎年参加してくれ、お互いの意見を出し合って学び合った。
    初代、2代とシンポに来たが、この4月に3代目に変わり、今回 最初は出ると言っていたが『出席をしない』と言った。河村市長も面談拒否だ」と述べました。

    赤羽氏は以下述べました。
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    名古屋城跡全体整備検討会議とは、名古屋城全体の将来計画をたてるところ。
    2012年段階では、現天守閣は耐震診断に基づいて耐震改修すると提案した。
    しかし、2013年に河村たかし市長が木造復元調査費計上するといいだし、多くの委員が同調した。
    2017年に木造予算を可決し、竹中工務店と契約を結んだが、2022年には『2028年に再度延長』となった。
    しかし、いまだ着工のめどすら立っていない。
    この実行委員会が主催した4年前2019年6月に話した課題が全くクリアされていないためだ。
     @石垣の保存管理計画が不十分 
     Aバリアフリー 不十分
     B現天守の歴史的意義の検証が不十分
    4年前とほとんど変わっていない。
    バリアフリーは進んでいないどころか討論会で暴言が出て、市当局の対応もお粗末だった。
    名古屋城を作った徳川家康は「堂々たる外観があれば、中は空き家同然でもいいのではないか」と考えていた。
    史実に忠実な名古屋城は質素なもので、復元してどういう意味があるのか。
    また、西南、東南、西北隅櫓は現存しており、西北隅櫓は天守に相当するほどの大きさがある。
    木造天守を復元しなくても、隅櫓、門で楽しめるのではないか。
    天守には、現存天守、木造復元天守、外観復元天守、復興天守、模擬天守があるが、名古屋城を木造天守をしても
    ビジョンが浮かんでこない。中身は市が具体的に提示していない。
    バリアフリーは天守だけではなく城郭全体、アクセスを含めて対象と考えるべき。

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    続いて、櫻井義也弁護士による、日弁連人権救済申立の説明がありました。

    2019年1月 申し立てし、2022年10月に日弁連から要望書がでた。3年半以上かかっている。
    問題の所在は2つ
     ・エレベーターを設置しないという方針の人権侵害
     ・公募と方針の関係
    「あえてエレベーターを設置しないのは、差別されない権利・利益を侵害している」とした。
    日弁連は「公共施設であることには変わりはない。歴史的建造物を再建する意義は、市民に認識され、個人の知的好奇心、知を共有して文化財を残すべき思いを市民が一つにできる。
    天守閣から城下の景色を望むのは、単に入れるだけではなく、一番上から見ることに醍醐味がある」とした。
    また、「現存の名古屋城は利益を享受できている」のに公共施設の建て替え事業で奪うことになるのは不当な差別的取り扱いだ」とした。
    また、バリアフリー新法では一定以上の大きさのエレベーターが必要で、市は適用除外認定を想定しているが、差別解消法等の差別禁止違反の問題がなくなるわけではない。適用除外となっても、バリアフリー新法の要請を免れるものではない。文字通り史実に忠実な建築はそもそも不可能だとしている。あえて障害のある人の昇降を著しく困難にするエレベーターのない天守閣の再現が必要とは到底考えられない。『原型の再現がやむを得ない』とはいえない」と述べた。

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    その後、斎藤氏による、わっぱの会からの要望書の説明をしました。
    なお、23/8/21に「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」が市議会議長と団長と意見交換をした際、自民党団長が減税日本団長に『5階まで検討するのは賛成か?』と質問し、減税日本団長が賛成と発言した件で、河村市長は自民党に『そんな発言はしていない、謝罪せよ』と抗議文を出しました。
    https://twitter.com/kawamura758/status/1698646953951961300
    どちらが正しいのか、斎藤氏が議員ネットに確認したところ、『減税日本団長は、間違いなく“5階まで小型昇降機を検討する”と発言した』とのこと。

    続いて名古屋市民オンブズマンの内田隆氏が、市民討論会後に市議会の追及で判明したことを述べました。
    「名古屋城総合事務所は2022年11月にMHIを最優秀候補に選ぶも、市長は認めなかった。
    市長は『3階まで』『1,2階までが合理的配慮と言える』など、日によって発言が変化した。
    名古屋城総合事務所は『1階までは確保。より上層階を目指す』で変わっていない。
    間に入った松尾副市長は『当初は設置せず後から設置、もしくは1階まで設置』と述べ、市長と副市長と総合事務所の意見が食い違う異例の事態が発生していた。
    市はとりあえず市民の意見を聞くことにし、5000人アンケートと6月3日の市民討論会を開いた。
    しかし、その後のスケジュールが全て決まっており、6月20日には市長が文化庁に 基本計画書を持参することになっていた。
    『市民の意見を聞く』という形をとるためのアリバイづくりだった。
    現在、差別発言検証委員会が第三者を含めて行われている。
    そもそも人権問題について市民の意見を聞くこと自体誤っている。
    当日の発言だけでなく、どうして討論会を開いたのか、日弁連の勧告なども踏まえて検証してもらいたい。」

    赤羽氏は「2023年6月3日市民討論会の検証委員会が開かれているが、会議の結論がどうであろうと、河村市長の意見は変わらないだろう。
    『バリアフリーvs木造』という構図だと膠着状況は続く、どう打開するかいつも考えている。
    私は現天守をたたき壊して木造天守にする計画自体に反対していることを申し上げたい。
    木造天守は非常に『非情』な建物。なぜ今復元しないと行けないのか納得いかない。
    この実行委員会は、本当に木造天守を希望しているのか、逆に聞きたい」と述べました。

    斎藤氏は「会ができた当初は、議会も認め、予算もつき、突き進んでいくというので、『当然バリアフリーを実現すべき』だとしてきた。
    あれから5年たち、木造復元の見通しがない。河村市長の姿勢が続けばたたないと思う。
    当初の耐震改修やるという方針ではこんなことにはならなかった
    2018年に現天守を閉め、観光収入が大きく減少し、損害を与え続けている。
    木造復元を諦めて、耐震改修にしてはどうかと個人としては思っている」と述べました。

    車いす利用者である小川直人・共同代表は「木造天守について、いい悪いは思っていない。障害者が排除されると、市民の思いを一つに出来ない。エレベーターつけるのは絶対必要」と述べました。

    会場からは「現行天守は文化財として価値がある」「赤羽氏は千田嘉博氏と一緒に河村市長に申し入れをしてほしい」「修繕費を考えると、木造天守が『負の遺産になる』可能性がある」という意見が出ました。

    櫻井弁護士は「23/8/21障害者ネットワーク申入書の中に、『木造復元で車いすが入れない場合、世界中が落胆する』とある。
    今は差別思想が蔓延しているが、世界や、未来から見てどう思われるか。
    『恥の建造物を建てることに』なるのではないか。
    『名古屋の人は恥ずかしい建物作っちゃったんだ』といわれないようにしたい」と述べました。
    司会者からは「精神的な負の遺産」という言葉も出ました。

    他に、会場から「差別の城を作ることになるのでは。河村市長の独裁的なやり方に、市議会も戦いあぐねている。差別発言で、市長の企みが頓挫していることがはっきりした。河村市長を辞めさせよう」「MRJが撤退して社長がクビになったのと同じ」という意見が出ました。

    櫻井弁護士は「市民の意見を聞かないのはそうだが、選挙で何度も当選している事実、6月3日 拍手が巻き起こったという現実も受け止めないといけない。
    現在名古屋市は差別解消条例改正の議論をしている。今後皆さんに意見を求める予定」としました。

    斎藤氏は「5年前 名古屋市は障害者基本計画改定で、バリアフリーうたい続けるも、名古屋城には『市長の決裁が降りない』と触れなかった。
    現在再改定では触れないわけにはいかない。職員が窒息状態で口をつむんでいる。名古屋市としてよくない状態だ。
    討論会で差別発言がでるのは名古屋しかありえない。『恥の名古屋』が広がってる。
    実行委員会のありかたを皆で議論したい」と述べました。
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    今後の予定
    ・23/9/27(水)19時- 記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」
     https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11011690
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
    ・23/11/13(月)15時半〜 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元
     https://www.chunichi-culture.com/programs/program_201207.html
     https://www.chunichi-culture.com/programs/program_201213.html

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    23/9/4(月)河村市長が自民団長に「減税日本団長は『名古屋城最上階までエレベーターを検討する』と言っていない」と公開質問状

    23/9/4に河村たかし名古屋市長は、23/8/21名古屋城木造復元のエレベーター設置に関する市議会議長・各会派団長と「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」との会談の件で、自由民主党名古屋市会議員団横井利明団長にあてた公開質問状を提出したと、記者会見したとのこと。
    https://twitter.com/kawamura758/status/1698646953951961300

    公開質問状によれば、横井市議はブログで「減税日本ナゴヤの村瀬団長は『最上階までのエレベーター設置を検討する』と明言。代表と団長で意見の食い違いを見せた」と書いたにもかかわらず、上記発言はなかった。記事もいつの間にか削除されていたとし、謝罪の意思があるかを聞いています。

    ・2023年08月21日 横井利明オフィシャルブログ(名古屋市会議員)
     障害のある議員の全国ネットワークが申し入れ 名古屋城天守閣
     http://blog.livedoor.jp/minami758/archives/2572783.html
     
    23/9/5中日新聞によれば、横井市議は「本人に『5階までの検討で良いんだね?』と確認したら『はい』とはっきりと言われた。本人から依頼があったので、記事は削除した」とのこと。

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    典型的な「河村話法」です。
    上記ブログ記事を理由も記載せずに一部削除したのは、横井市議の不手際かもしれません。
    しかしながら、自分のことを棚に上げて、一方的に相手の不手際を全力で攻撃するのはいつものパターンです。
    争点を意図的にずらしているとしか思えません。

    23/8/21懇談会には、市議会議長・各会派団長も、「同ネットワーク」関係者も、マスコミも多数いました。
    それらにまず事実関係を確認するのが先ではないでしょうか。

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    参考
    ・23/8/21 障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
     代表 熊本市議会議員 村上ひろし
     誰ひとり取り残さない、世界に誇れる、名古屋城天守閣整備のために連帯を込めた声援書
     http://blog.livedoor.jp/minami758/EPSON002.PDF

    ・2023年8月29日(火)熊本市議会議員 村上ひろし 
     「河村たかし名古屋市長」
     http://www.webrun2.jp/murakami/houkoku/2023/asiato/20230829-kawamura.html
    4会派の代表が全員、私たちの要望に理解を示し、名古屋城木造再建については、 地元の障害者団体との話し合いを行うことに賛同。
    議会の意見が一致すると言う喜びの結果となった。
    同席された名古屋市会の会派は以下の通り。
    「自民党」、「民主党」、「公明党」、「減税日本ナゴヤ」
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    仮に村瀬団長がその旨発言していたにもかかわらず、その後撤回したことについての横井市議への攻撃であれば、権力による言論弾圧ではないでしょうか。

    これは1市長と1市議団団長との話ではありませんし、「また河村市長がやっている」でも済みません。

    その場にいた関係者は、ぜひ事実関係を明らかにしていただきたいです。
    「明日は我が身」です。
    その上で、「減税日本ナゴヤ」は現在名古屋城木造復元のバリアフリー化について、どう思っているかを文書で公表することが、公党としての責任ある対応だと思います。

    なお、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が河村市長に22/12/7に出した抗議文について、いまだに回答はありません。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    23/6/13申入れ書にも回答はありません。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf

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    今後の予定
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」ソーネホール+zoom
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909.pdf
     https://forms.gle/XNDhmFAcTm9zP9iZ7
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle


    23/8/30(水)「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」差別発言検証委員会 検証の方法・内容非公開

    23/8/30(水)に名古屋市は「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」を開催しましたが、議題(2)検証について は全て非公開で、何をどう検証するのかも全く分かりませんでした。
    ・23/8/30(水)「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230830.pdf

    杉野みどり副市長のあいさつの後、検証委員長の指名があり、視覚障害者の田中伸明弁護士が検証委員長に選ばれました。

    検証委員会設置要綱では、役割として以下記載がありました。
    (1)差別発言等が討論会で発生するに至った原因に関すること。
    (2)差別発言等への職員の対応に関すること。
    (3)前各号に関する再発防止に関すること。
    (4)その他検証委員会の目的を達成するため必要と認めること。

    事案の概要等が説明された後、議題(2)検証について に入る前に、傍聴者とマスコミは部屋から出されました。

    --------
    これでは、何をどう検証するのかも全く分かりません。

    論点は以下です。

    【対象】何を検証するのか
    1)23/6/3差別発言に限って、差別発言が行われた背景、また職員が制止できなかった背景を探る
    2)そもそも6/3市民討論会がなぜ開かれたのか、またこれまでの木造復元事業の進め方に問題はなかったか探る

    【手法】
    1)差別発言者にヒアリング?
    2)各種障害者団体にヒアリング?
    3)市職員にヒアリング?
    4)討論会司会等にヒアリング?
    5)市長、副市長にヒアリング?

    名古屋市障害者施策推進協議会会長の瀧誠氏は23/8/23に提出した「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会に対する意見書」の中で、「一定の方針が出たところで、市民アンケート、討論会という運びは、流れを後戻りさせていると感じる委員が大多数」「市民に占める割合が少数である障害者の意見が反映されるものではない」「ヒートアップすることがここからも想定されます」「横断的準備がどのようになされたか検証を求めます」「障害者差別解消推進法、バリアフリー法等の基本的視点に欠けるとともに、当事者の方々との関係性を損ねる状況になっていると考えざるをえない事象が多々あったと協議会での委員発言に多数ありました」と述べています。

    愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会は23/6/15の申入書の中で、「バリアフリーを議論する場で個人の意見ではなく障害者への『ヘイトスピーチ』を行い、少なくない参加者が侮辱に同調した」と述べています。

    単に23/6/3差別発言者と被害を受けた人の関係だけに留まらず、市民討論会が行われるに至った背景、またこれまでの木造復元事業の進め方にまで対象を広げることを望みます。

    全名古屋市職員は「明日は我が身」です。
    名古屋城木造復元の進め方に関して、徹底的に検証する最後の機会になる可能性があります。
    そうしないと再発防止はおろか、「市民の信頼回復」にはつなげられません。

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    今後の予定
    ・23/9/4(月)13時〜 名古屋市議会経済水道委員会 本丸搦手馬出周辺石垣について
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」ソーネホール+zoom
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909.pdf
     https://forms.gle/XNDhmFAcTm9zP9iZ7
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle


    23/8/28(月)名古屋城バリアフリー市民討論会差別発言検証 河村市長「(差別発言被害者は)集会だけの出来事に絞って欲しいと言っている」

    23/8/28(月)に開催された河村たかし名古屋市長定例記者会見で、河村市長は23/8/30から始まる23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会について、「(差別発言被害者は)集会だけの出来事に絞って欲しいと言っている」と述べました。

    ・23/8/28(月)河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230828.pdf

    河村市長は「(私からは)これをしろこれをするなということは一切言っていない」と明言。
    「本人は『早くやって欲しい、そっとして欲しい。あの集会での出来事に絞ってやって欲しい』とはっきり伺っているので、そういう方向で早く進んで欲しい」と述べました。

    また、河村市長は最後に「(名古屋城木造復元は)いわゆる新築建造物ではないんですこれは、熊本城のことと一緒に書く人がおりますけど、
    熊本城は昭和35年に出来た鉄骨鉄筋コンクリートですから、名古屋城の今の建物は34年1年違うだけです。
    僕が市長になる前だったらいつでもエレベーター一番上までつけたと、要望があったらつけたと思います。」などと意味不明の発言をしています。

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    23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会での車いすの障がい当事者に対する差別発言は、参加した差別発言者と障害当事者だけの問題に留まっていません。

    差別発言はネットで中継されていただけでなく、何回も音声がテレビで放映されており、視聴した多くの方に衝撃を今も与え続けています。

    本人が河村市長に何を言ったのか、確かなところは分かりませんが(河村話法)、すくなくとも「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は、23/6/13申入れ書の中で、「23/3/20には、名古屋城昇降機は『上からの指?』で 1階以上に設置しないと決まっていた」ことを問題視しており、事実であれば、市?討論会は結論ありきのアリバイ作りだとし、「障害者をはじめ、市?や議会さえもあざむく重?な問題」と捉えています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf

    検証委員会の委員になった、小林直三・名古屋市立大学教授は23/8/1に「一般論的には表現媒体行為での差別表現は、それ自体問題で人を傷つけるが、表現によって周りの雰囲気や社会を変えてしまう点で問題だ。」と述べています。
    https://ombuds.exblog.jp/29655978/

    名古屋城が「差別の象徴」となるのか、真に人権優先のまちづくりを進めるきっかけになるのか。
    「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会がなにをどこまで対象にするかで変わってきます。

    なお、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が23/9/9(土)に企画した名古屋城シンポに、名古屋市が登壇キャンセルした件は特に質問がありませんでした。

    「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が22/12/7に出した抗議文について、いまだに回答はありません。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    23/6/13申入れ書にも回答はありません。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
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    今後の予定
    ・23/8/30(水)10時〜 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会 市公館
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000166636.html
    ・23/9/4(月)13時〜 名古屋市議会経済水道委員会 本丸搦手馬出周辺石垣について
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」ソーネホール+zoom
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909.pdf
     https://forms.gle/XNDhmFAcTm9zP9iZ7
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle

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    23/9/9(土)名古屋城バリアフリーシンポ 名古屋市は急遽登壇キャンセル

    「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が23/9/9(土)に企画した名古屋城バリアフリーをめぐるシンポに、名古屋市が急遽登壇をキャンセルしたことが判明しました。

    ・23/9/9(土)差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業
     〜名古屋城バリアフリーの行方〜
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230909.pdf
     https://forms.gle/XNDhmFAcTm9zP9iZ7

    同実行委員会事務局長の辻直哉氏は「名古屋城総合事務所の登壇が急遽キャンセルの連絡がありました。
    理由は、これまで説明してきたので、これ以上話すことはないとのこと。
    立場が違えど、対話を重ねることが重要と、お互いの共通認識だったはずだったんですけど、残念です」と述べています。

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    23/8/21に「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」と河村たかし名古屋市長が非公開で面談した際、河村市長は「体の不自由な方との話合いはしたい」「けんかにならないよう、文書で論点を整理した上で地元団体と話したい」と述べたとのこと。
    せっかくの機会を障害者団体が設定したにもかかわらず、名古屋市は蹴ってきました。

    22/12/7に地元障害者団体からの書面に名古屋市はいまだに返事していませんし、河村市長は面談もしていません。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf

    20/1/25に同実行委員会が主催したシンポには、森本章夫・名古屋城総合事務所主幹(当時)が出席し、「2019年6月22日に当団体のシンポに名古屋市が呼ばれなかったが、テーブルに着かせていただき対話がしたいと足繁く通い、本日お招きいただいたと理解している。」と述べています。
    https://ombuds.exblog.jp/27952255/

    それから3年半がたちましたが、名古屋市の態度は硬化しています。
    過去の名古屋市の障害者団体への取り組みを全否定するような態度です。
    2018年5月に名古屋市が発表した『付加設備の方針』には「障害者団体等当事者の意見を丁寧に聞く」とあります。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_information/mokuzoutenshu_fukasetsubi.pdf
    せっかくの機会をみすみす潰した名古屋市に、名古屋城木造復元の道筋は見えません。

    以下シンポ案内
    ------------
    23/9/9(土)13時20分〜 差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業
     〜名古屋城バリアフリーの行方〜

    23/9/9(土)13時20分〜16時10分
    会場 Zoom+ソーネホール
     名古屋市北区山田2丁目11-62 大曽根住宅1棟1F
    Zoom参加 申込フォーム
     https://forms.gle/XNDhmFAcTm9zP9iZ7
    ※会場参加50名(先着順)
    情報保障:手話通訳、要約筆記、ヒアリングループ
    プログラム
     開会挨拶・趣旨説明 共同代表 斎藤縣三
     講演「なにが本当なの?!名古屋城木造天守計画」
      赤羽一郎氏(前名古屋市文化財調査委員会委員長
       ・元愛知淑徳大学講師)
     パネルディスカッション「名古屋城バリアフリーの行方」
      齋藤縣三氏(実現する会共同代表・わっぱの会理事長)
      櫻井義也氏(愛知さくら法律事務所弁護士)
      赤羽一郎氏(前名古屋市文化財調査委員会委員長・元愛知淑徳大学講師
     進行:辻直哉氏(実現する会事務局長・愛知障害フォーラム事務局長)
    参加費無料
    お問合わせ先:名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     (担当:佐々木、水野) TEL:052-851-5240 FAX:052-851-5241
     MAIL aju_kurumaisu@aju-cil.com

    6月3日名古屋市主催の名古屋城バリアフリー市民討論会が開催されました。
    その中で、私たちの仲間である車いす使用の男性が発言したところ、他の参加者から、障害者への差別用語を発し、「お前が我慢せい」など、バリアフリーとは、関係ない発言をあびせました。

    しかも、名古屋市担当職員をはじめ、河村市長もいたにもかかわらず、誰も発言を止めることはありませんでした。討論会閉会のあいさつで、河村市長は、「熱いトークがあって、たいへんよかった」等、障害者差別が目前で起きたことを無視しました。

    この名古屋城木造天守復元事業では、障害者の移動に関わるエレベーター未設置問題以外にも、事業の進め方や石垣の保全方法など、様々な問題が指摘されています。今ある問題とはどんなものなのか、たくさんの市民の方に知っていただき、どのような取り組みが必要かを共に考える機会とします。

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    名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
    https://www.facebook.com/nagoya.jitsugensurukai

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    23/8/23(水)名古屋市障害者施策推進協議会会長が名古屋城バリアフリー市民討論会に対し意見書提出

    名古屋市障害者施策推進協議会の瀧誠会長(愛知淑徳大福祉貢献学部長)は、23/8/23に「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会に対する意見書」を河村たかし名古屋市長あてに提出しました。
    報道によれば杉野みどり副市長が受け取ったとのこと。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230823.pdf

    報道で報じられたため、担当の健康福祉局障害福祉部障害企画課企画係に問い合わせたところ、当初「会長が文書を作成し、市に意見書を提出した。意見書は情報公開請求して頂きたい」と言われましたが、「会長が報道各社に配付した資料を入手したい」と述べたところ、受け付けた文書を情報提供頂きました。

    意見書では「障害のある方に対して複数の参加者より差別発言がなされるとともにそれを支持する反応があっても、職員がその場で発言を制止するなどの必要な対応をとることなく進行し、さらに市長による討論の展開を肯定するあいさつにより最後まで障害者差別を正すことなどの対応がされることなく閉会することとなったこと委員一同大変なショックと、怒りを感じております」と冒頭で述べました。

    その後、意見として以下述べられています。

    1.検証委員会において以下の事柄を検証いただきたい
     1)市民討論会開催の適切性
     2)会の企画及びその準備態勢
     3)その後の差別発言の存在とそれに対する市長・職員の対応
    2.検証委員会の検証を受けるとともに名古屋市として再発防止方針を明確にしていただきたい
    3.再建する名古屋城天守のバリアフリーの推進は市の責務であるという視点に立って取り組んでいただきたい
     
    意見書の中に「すべての委員が今回の事態は偶発的に起きたのではなく、起こるべくして起きたのではないかと感じています」「討論会当日の市長の発言、直後の市長会見での『差別的発言』『表現の自由』に関する市長の見解には、『名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例』施行者として適格性を欠くとの意見が委員の中から多数出ました。表現の自由はあっても差別発言は許されるべきではありません」「バリアフリー対策を推進するか否かを市民に問うものではなく、積極的なバリアフリー対策を示し、市民に発信していくことが市の役割と考えます」と述べられています。

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    ・23/6/3 名古屋城バリアフリーに関する市民討論会 会議録は差別発言部分非公開
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230818.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(差別発言削除版)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230603-4.pdf

    -------
    23/8/30(水)に開催される第1回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(検証部分非公開) で、どのような発言がなされるか注目したいです。
    https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000166636.html


    23/8/22(火)名古屋市障害者差別解消支援会議委員「名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会に障害当事者は1人のみ」

    23/8/22(火)に開催された第2回名古屋市障害者差別解消支援会議で、委員の入谷忠宏・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局長は、「23/8/30に『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に係る検証委員会』が開催されるが、構成は学識経験者が3名、行政が4名で、うち障害当事者は田中伸明弁護士1人しかいない。障害当事者が過半数で話し合わないと不公平ではないか」と述べました。


    ・配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230822-1.pdf
    ・障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領(改正案)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230822-2.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230822-3.pdf

    傍聴者は、録音・録画・写真撮影は禁止されました。

    名古屋市は法律改正に伴い、2024年4月までに「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」の改正を計画していましたが、23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会の差別発言を受け、いったん法律改正に伴う部分のみ改正し、その後、『検証委員会』の議論と、『障害者差別解消支援会議』の議論を踏まえて2024年度以降に再改正する方針を示しました。
    また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領」はすぐにでも改正する方針を示しました。

    濱田智恵実・名古屋手をつなぐ育成会副理事長は、「名古屋市の職員は、差別発言を止めなければならないのは重々わかっていた。それでもどうしても止められなかった。一般の会社でも、社長の言動をとめられない。市長の思いをくんでいえなかったのだろう」と述べました。

    田嶌仁美・障害福祉部長は「差別解消担当者が出席したのに止められなかったのは申し訳ない。当該会議が開かれることも知らなかった。聞いたら席があいているから傍聴できた。職員対応要領はすぐに改正したい」と述べました。

    入谷氏は「今回6/3の発言があって『差別』が明るみになった。
    エレベーター設置に関し、昨年11月日弁連から勧告されたが、それ以前からずっと差別が続いていた。
    7名の検証委員会委員の構成の中で障害のある人は田中さんだけ。
    https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000166636.html
    6対1だ。障害当事者が構成過半数で話し合わないと、不公平ではないか。
    何を検討するのか。進行を進めるときに、流れでちゃんと筋書きができていたとならないか心配だ。
    健常者目線ではなく、障害当事者目線が必要だ」と述べました。

    担当者は「意見は伝える」と述べましたが、入谷氏は「意見を会議で言うだけではなく、取り入れてほしい」と述べました。

    田中弁護士は「まだ中身は聞いていない。全てはこれからだ。障害当事者は1人で、背負う責務は大きい。
    こういった問題がなぜ起きたのか。原因究明と再発防止は大きな検討課題だ。
    それにとどまらず、契機としてより差別解消の大きなステップになるよう報告ができたら」と述べました。

    牛田正美・愛知県難病団体連合会事務局長は「名古屋市障害者施策推進協議会 会長の瀧誠・愛知淑徳大学教授名で、市民討論会に関する意見書が上がっていると思うが」と述べましたが、「まだ意見書が出たわけではない」と述べました。

    笹川純子・名身連聴覚言語障害者情報文化センター所長は「『差別発言を幹部の職員が止めなかった』ことを差別発言と同様に扱うのか。
     事例として載せるべきではないか。名古屋市職員として永久に念頭においてほしい。」と述べ、担当者は「止められなかったのが不当な差別的取扱いになるとするか検討したい」と述べました。
     
    また、名古屋市は元々「差別事象への対応について(対応マニュアル)」を作っていたが、今後書き換えるとしました。

    ・名古屋市職員用「差別事象への対応について(対応マニュアル)<名古屋市>」
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/houmu.pdf

    伊藤葉子・中京大学現代社会学部教授は「さいたま市、堺市、愛知県は、監督者の責務を明記し、職務を怠った場合懲戒処分になるとしている。
    名古屋市は課長級以上の記載が無い。ぜひ記載してほしい」と述べました。


    23/8/21(月)全国の障害がある議員が河村市長に名古屋城バリアフリー申入れ(非公開)

    名古屋城天守閣木造復元のバリアフリーのあり方に対し、全国の障害のある議員で構成する「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」が河村たかし名古屋市長と非公開で面談しました。


    その後、市議団各会派と懇談会を行ったとのこと。
    「誰ひとり取り残さない、世界に誇れる、名古屋城天守閣整備のために連帯を込めた声援書」の中で、「河村たかし名古屋市長が行ってきたユニバーサルとは対照的な行動の結果が、6月3日の差別発言を招いたと言っても過言ではありません。」と述べています。
    また、「市長独自のバリアフリーを貫き、一部の人が行けない排他的な建造物を作ってしまったら、世界を代表する差別の象徴となってしまいかねません」と記載があります。

    詳細は、横井市議ブログをお読み下さい。

    ・2023年08月21日 横井利明オフィシャルブログ(名古屋市会議員)
     障害のある議員の全国ネットワークが申し入れ 名古屋城天守閣
     http://blog.livedoor.jp/minami758/archives/2572783.html

    報道では、河村市長は「体の不自由な方との話合いはしたい」「けんかにならないよう、文書で論点を整理した上で地元団体と話したい」、エレベーター設置については「煙突みたいなもので、史実に忠実とは言えなくなる」と述べたとのこと。
    ------
    エレベーター・新昇降技術について、名古屋市は23/6/3以降市民に直接説明をしていません。
    市が2022年12月に新昇降技術の最優秀技術を決定して以降、市民が市に質問出来る場は23/1/21の1回のみでした。

    また、エレベーター・新昇降技術を使うのは、身体の不自由な方だけではありません。
    高齢者・ベビーカー利用者もそうですし、そもそも身体が健康でも18階建てビル相当の高さまで、全て階段で登りたい人がどれくらいいるでしょうか。

    河村市長は「けんかにならないよう、文書で論点を整理した上で地元団体と話したい」とはいうものの、22/12/7に地元障害者団体からの書面にいまだに返事していませんし、
    河村市長は面談もしていません。

    ・2022年12月7日 名古屋市長 河村たかし様
     愛知障害フォーラム(ADF) 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     名古屋城木造天守昇降技術および市長発言の撤回要求と抗議 
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf

    あまりにもいい加減な河村市長の態度が、今回の事態を招いたのではないかと思います。

    今後、23/8/30(水)からはじまる「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」でどこまで検証されるのか注目したいです。
    https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000166636.html
    ------
    なお、23/6/3 名古屋城バリアフリーに関する市民討論会 会議録は差別発言部分非公開となりました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230818.pdf
    ・被害に遭われた方が精神的苦痛を受けるおそれ
    ・差別解消推進法の理念に反し、明らかに公にできない

    ----
    熊本市議会議員 村上ひろし
    http://www.webrun2.jp/murakami/

    -------

    23/8/20(日)名市大理事長「千田特任教授は松雄副市長がご尽力しお招きした」

    名古屋市立大学は23/8/20に名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)開設記念「お城」連続講座「第1回 信長の城 −勝幡城から安土城へ−」を行い、会場468人が満員となりました。
    撮影・録音・録画は禁止されました。


    ・名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)開設記念 連続講座(取材のお願い)
     https://www.nagoya-cu.ac.jp/media/20230804press.pdf
    ・名古屋市立大学 なごや学研究センター
     https://www.nagoya-cu.ac.jp/affiliate/facilities/nagoyagaku/
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230820-1.pdf
     
    なごや学研究センターは、2023年4月に設立されました。
    名市大は、千田嘉博氏を2023年9月より名古屋市立大学特任教授(近世名古屋学)として招きます。

    郡健二郎・名市大理事長は、開会のあいさつの中で、「今回の講座の定員は468人だが、今回2000名(4.4倍)の応募があった。なぜ名市大が千田先生をお招きしたのか。
    松雄俊憲・名古屋市副市長がご尽力し名古屋市とコラボすることになった。
    名市大は日経地域貢献度ランキングで全国1位。
    https://www.nagoya-cu.ac.jp/media/20211005.pdf
    国連SDGs取り組みランキング(医療と福祉部門)世界で7位、日本で1位。
    https://www.nagoya-cu.ac.jp/sdgs-practice/20230602/
    にもかかわらず名前が全国にとどろいていない。
    即戦力が欲しいという思いから千田先生をお招きした。」と述べました。

    千田特任教授の基調講演の後、パネルディスカッションに移りました。
    集まった城好きによる高度な質問に順次回答しましたが、原史彦・名古屋城調査研究センター主査が「名古屋城南にある金シャチ横丁・義直ゾーンの南に、『名古屋城博物館』を作る予定」と述べたところ、会場から「へー」という声が多数上がり、知名度が低いと述べていたことが印象的でした。
    なお、千田特任教授は博物館ゾーン整備基本構想検討懇談会の構成員です。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/220323-1.pdf

    今後、年度内にあと2回連続講座を開催するとのこと。
    -------
    今回、共催として名古屋市、名古屋市教育委員会の名前がありました。
    23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会の後、市民が参加出来る名古屋城に関するはじめてのイベントでしたが、差別発言の経緯はおろか、現状の木造復元事業の進捗状況についても一言も触れられませんでした。
    -----
    名古屋城調査研究センターは20名規模になっています。
    名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)も開設されました。
    今回の講座にも2000人もの応募がありました。

    名古屋市は23/3/14に「木造復元は順調にいって2032年度」とのべています(市は「23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会での差別発言の検証が終わるまで、バリアフリーについて進めない」としているので、もっと延びます)。

    名古屋の歴史を名古屋市民をはじめ全国・全世界の人が知り、学ぶのは、いろんな方法があるはずです。
    木造復元という「ハコモノ」はあと10年はできない前提で考えないといけないのではないかと思います。

    千田特任教授が名市大に着任後、名古屋城木造復元事業はどうなるのか。
    今後も注目していきたいです。
    ---------
    今後の予定
    ・23/8/21(月)10時30分〜 河村市長会見
      「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」申入れ(予定)
      13時30分〜 第3回名古屋市障害者施策推進協議会専門部会 名古屋市公館
    ・23/8/22(火)13時30分〜 第2回名古屋市障害者差別解消支援会議 名古屋市公館
    ・23/8/30(水)10時〜 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会 名古屋市公館
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」(予定)
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
     
    -------
    名古屋城バリアフリー市民討論会質問用紙 市は「筆跡で個人が特定可能」と内容非公開

    名古屋市民オンブズマンは、23/6/3に市が主催した名古屋城バリアフリー市民討論会で回収した質問・意見用紙と感想記入用紙を情報公開請求したところ、「自由記載欄は、筆跡を見る機会のある者等が特定の個人を識別しうる可能性がある」「自筆アンケート用紙を公開することは参加者の了解を得ていない」「障害者基本法や理念の趣旨に反する内容が含まれており、明らかに公にすることができないと認められる」として非公開となりました。

    ・決定書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230802.pdf
    ・質問・意見用紙
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230802-1.pdf
    ・感想記入用紙
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230802-2.pdf
     
    --------
    質問・意見用紙の自由記載欄は、司会者が当日読み上げています。あえて黒塗りにする必然性はありません。
    「自筆アンケート用紙を公開することは参加者の了解を得ていない」とありますが、事前に了解を得ればよかっただけです。
    そもそも、参加した36人が誰かは全く分かりません。「筆跡云々」はあまりにもばかばかしいです。

    なお、非開示事由に「障害者基本法や理念の趣旨に反する内容が含まれており、明らかに公にすることができないと認められる」とありました。
    どうして当初から「公にできない」意見の持ち主が会場にいるとわかっていたにもかかわらず、当日差別発言を許可してしまったのか、全く理解できません。

    なお、アンケートの結果は以下の通りです。
    名古屋市の説明と異なり、「エレベーターを設置しない」がアンケートの回答より多くいました。
    全体を通して「よかった」が26人もいたのがよく分かりません。
    【開催前】設置しない      12
         1階まで小型昇降技術  8
         5階まで小型昇降技術  15
    【開催後】設置しない      14
         1階まで小型昇降技術  5
         5階まで小型昇降技術  15
    【全体を通して】よかった    26
            よくなかった   4
            どちらでもない  4
    参考:5000人アンケート結果
     設置しない:23.4%
     1階まで小型昇降技術:16.9%
     5階まで小型昇降技術:47.2%
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230605.pdf
    ------
    市民討論会の契約について情報公開請求したところ、お金はまだ支払われておらず、今後2023年9月末までにアンケートのとりまとめをするとのこと。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230721.pdf

    ※「文化庁は『復元したとしてもそれはあくまでレプリカだ』という文書を出している」に対して、文化庁に抗議した中身が分かるものは不存在でした。
    ----------

    23/8/1(火)名古屋市人権施策有識者「名古屋市でも人権条例を作った方がよい」

    23/8/1に開催された「令和5年度第1回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会」で、小林直三・名古屋市立大学大学院人間文化研究科教授は「名古屋市でも人権条例的なものを作った方がいい」と述べました。

    ・23/8/1 令和5年度第1回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会
     配付資料(資料2-2以外)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230801.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230801-1.pdf
     
    傍聴は許可されましたが、写真・ビデオ撮影・録音は禁止されました。
    また、資料2-2 アンケート案については「未確定な部分がある」ため、公表を控えるよう要請がありました。
    (資料の持ち帰りは許可されました)

    23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会で参加者の一部から、参加した車いすの障がい当事者に対して差別用語を含む差別発言があってからはじめての本有識者懇談会でした。

    5年に1度行っている「人権についての市民意識調査」には、障害者の人権に関して、名古屋城差別発言を受けてアンケート項目を追加する提案がありました。

    また、23/6/3市民討論会の概要が説明されました。
    名古屋市の担当者は「車いすの障害当事者に対して、市としては直接の謝罪ができていないが、先日市長が会見し、市長は障害当事者に会って謝罪されたようだ」と述べました。

    小林教授は「23/6/3市民討論会については、第三者委員会での検証を待ちたい。
    一般論的には表現媒体行為での差別表現は、それ自体問題で人を傷つけるが、表現によって周りの雰囲気や社会を変えてしまう点で問題だ。
    障害のある方だけでなく、部落、性的マイノリティなども根っこは共通している。
    普段は表に出ていないが、ある時牙をむく瞬間がある。牙を押さえるのは人権施策として重要だ。
    人権条例的なものを作った方がいい。名古屋市としてきっちり取り組んでいくという姿勢とメッセージを発信するのは意味がある」と述べました。

    -----------
    一般社団法人 地方自治研究機構の調査によれば、令和5年3月31日時点で19都道府県で人権全般を対象とする人権尊重に関する条例を制定していました。
    市区町村では484市区町村で人権の尊重・擁護等に関する条例又は部落差別の撤廃・解消等に関する条例を制定していました。
    http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/114_jinken.htm

    特に川崎市では、全国で初めて、外国にルーツを持つ人たちへのヘイトスピーチに刑事罰を科す「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」を2019年12月に制定しました。
    https://www.city.kawasaki.jp/shisei/category/60-1-10-0-0-0-0-0-0-0.html

    名古屋市が人権問題にどう取り組むか、真価が問われます。

    ------
    なお、配付資料やアンケートを見ましたが、「人権とは何か」が明確にはなっていないような気がしました。
    日本では「人権=思いやり」という意識を持つ人がいまだに多いのではないでしょうか。

    国際人権の基準専門家である藤田早苗氏(英エセックス大学人権センターフェロー)の著書『武器としての国際人権』には、以下記載があります。
    https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-721246-4
    人権の実現は「思いやり」では不十分。
    「生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある。」(国連人権高等弁務官事務所)
    https://www.youtube.com/watch?v=TXJNVM-nHqo

    その視点に立つと、今後の施策やアンケートの内容について、改善すべき点が多数見つかると思います。

    ------
    ・日本の表現の自由を伝える会
     https://hyogen-tsutaeru.jimdofree.com/
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