名古屋城 本丸御殿+木造天守閣問題特集

河村市長は木造天守閣復元をぶち上げましたが迷走中です。建物だけで505億円かかるとのこと。100億円の利子、その他運営管理費等を含めると2069年までに915億円かかる見込みです。2020年の東京オリンピックに間に合わせると市長一人意気込んでいましたが、突如2022年に延ばしましたが断念し、新たな竣工時期は発表出来ません。市民は冷ややかです。「民主主義発祥の地ナゴヤ」の看板を下ろしたのでしょうか。
※17/3/23に名古屋市議会は名古屋城天守閣木造化の基本設計等に関する補正予算10億円を可決しました。17/5/9に「基本協定」「基本設計契約書」を締結しましたが、2019年8月、河村市長は2022年12月までの木造天守閣復元を断念しました。いまだに竣工時期の目処はたっていません。しかし2018年度末で市債を35億1400万円借りています。
名古屋市は新型コロナ対策に追われ、「不要不急」の木造天守閣復元を行う余裕はないはずです。
※名古屋市は現天守閣の解体申請を文化庁に提出していましたが、21/7/27に取り下げしています。現時点では、解体ならびに復元に関する書類は文化庁に提出していません。
河村たかし名古屋市長は24/10/1に衆院選立候補を表明し当選しました。24/11/24市長選で広沢一郎氏が当選しましたが、名古屋城の将来はどうなるでしょうか。

2024年9月以降
  • 【独自】名古屋市 2024年度名古屋城木造復元市民説明会は開催しない方針
  • 25/1/10(金) 名古屋市令和7年度予算要求財政局査定 名古屋城木造復元約1.9億円「市長査定で対応を検討」
  • 25/1/6(月) 広沢市長 カスハラ防止対策に言及も、パワハラには触れず
  • 25/1/6(月) 名古屋城木造復元 広沢市長「謝罪すべきところは謝罪する。時期を定めるものではない」
  • 24/12/10(月) 名古屋市令和7年度予算編成過程の公開に名古屋城木造復元事業なし
  • 24/12/9(月) 広沢市長 「名古屋城差別発言の謝罪はなるべく早く」とのみ発言 
  • 24/12/5(木) 広沢新市長 名古屋城木造復元は「公約通り」に小型昇降機をできる限り上層階までチャレンジと明言
  • 24/11/21(木) 千田教授「『石垣部会が邪魔しているから名古屋城木造復元が進まない』ではない!」
  • 24/11/19(火) 名古屋城石垣部会委員「天守西対岸石垣 化粧直しの議論より根石周りの調査と議論を」
  • 【独自】24/9/27名古屋城木造復元有識者意見聴取会議事録入手 有識者「石垣保存対策工事は10年くらいかかりそうですね」
  • 情報公開から見た名古屋城木造復元事業
  • 名古屋城木造復元「木材40億円買っちゃったから進めないと」論の問題点
  • 24/10/31(木) 「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」パブコメは24/11/29まで
  • 24/10/22(火) 名古屋市は今年も名古屋城木造復元事業を公共事業の見直し対象にせず
  • 24/10/11(金) 名古屋市施設整備における当事者参画の仕組み検討 市「対象公共建築物に木造名古屋城は当てはまらないと考える」
  • 24/10/11(金) 名古屋城木造復元 松雄副市長「私の行動が結果的に障害者の分断を生んだ」
  • 24/10/9(水) 名古屋城木造復元事業 自民市議「木材保管料年間1億円は誰のせいか」? 河村市長は明確に答えず
  • 24/10/2(水) 千田教授「河村市長が衆院選立候補で、名古屋城はどうなるのか」
  • 24/10/1(火) 名古屋城市民説明会 市長特別秘書によるサクラ疑惑 市議会総務環境委員会は市長を呼ぶのを今回は見送り
  • 24/9/30(月) 公明市議「名古屋城木造復元は、河村市長と松雄副市長の2人がいる限り進まない」
  • 24/9/24(火) 名古屋城木造復元 自民市議「差別検証終了前に『副市長が障害者団体と3点合意』文書がある!」
  • 24/9/25(水) 委員会提出資料について、松雄副市長が市議会委員会で弁明
  • 24/9/10(火) 名古屋市会経済水道委員長はなぜ解任されたか?
  • 24/9/21(土) 「現存名古屋城天守を登録有形文化財に」と呼びかける3つ折りパンフ 完成
  • 24/9/18(水) 名古屋城バリアフリー市民討論会検証委「史実に忠実な復元の解釈等の市長・副市長・市職員間の不一致」が遠因
  • 24/9/2(月)河村市長「名古屋城は木をみんな切ったからなるべく早く木造復元しないと市民に損害を与えることに」
    ・2024年4月-8月はこちら
    ・2023年8月-2024年3月はこちら
    ・2023年4月-7月はこちら
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    【独自】名古屋市 2024年度名古屋城木造復元市民説明会は開催しない方針

    名古屋市民オンブズマンは、名古屋城総合事務所が「2024年度名古屋城木造復元市民説明会は開催しない方針」であることを25/1/20に電話で確認しました。


    名古屋城木造復元事業を強引に進める名古屋市は、2015年度から毎年会場から質問ができる市民説明会を行ってきました。
    しかし近年は説明会が激減していました。
    2023年度に引き続き、2024年度も開催しないことになりました。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
    2015年12月-2016年1月→16ヶ所
    2016年5月→5ヶ所
    2018年1月→6ヵ所
    2019年1月→6ヵ所
    2019年11〜12月→8ヵ所
    2021年1月→3ヵ所
    2022年1月→3ヵ所
    2023年1月→1ヶ所

    名古屋城総合事務所担当者は「名古屋市として、バリアフリー市民討論会の差別発言に関する総括が終わっていないから、市民説明会を開催しない」と説明しました。
    しかしながら、建設費だけで505億円もの事業に関して、「どうして差別発言が起こったのか、今後どうするのか」説明する義務があります。
     
    そもそも、毎年市民説明会のための予算が付いていたはずです。

    名古屋城木造復元事業へつぎ込んだ税金は、2016年度〜2023年度で、88億4780万8000円(うち木材の製材等41億6370万9000円)です。
    毎年木材の保管料を約1億円支出しています。
    https://ombuds.exblog.jp/30521435/

    国際公募して選んだ小型昇降技術については、障害者団体は「大型のエレベーターをつけなければ『差別の城』を作ることになり、かつ違法」と主張しています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613-1.pdf

    そもそも、いまだに「江戸時代そのままの天守が建つ」と勘違いしている市民が山のようにいます。
    23/6/12開催の特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)資料にもあるように、有識者との6年の議論の結果、名古屋市は「天守の基礎はケーソン、建物荷重は鉄骨で受け止め、補強金物等の工事と耐震ダンパーを設置。各階にはコンセントが多数あって、天守全域にLAN配線を完備」する方針を定めています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2023/04/20230404_4218.html
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/uploads/6dc341c5dc9e70db94a6d5ac4e9d9b72.pdf
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
    (23/6/25 千田嘉博教授Twitterより)
    https://twitter.com/yoshi_nara/status/1672878543280431106

    しかも、小天守東側に巨大なスロープを設置する予定です。
    これらを市民にきちんと説明する義務があります。
    そうしないと、「市民の城」とは程遠い『差別の城』となってしまいます。

    ・23/12/16(土)市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」
     名古屋城総合事務所 配布資料
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-2.pdf
     名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(説明と質疑応答)
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-4.pdf
     
    また、「市長特別秘書が市民説明会に減税市議を通じてサクラを動員指示した疑惑」も未解明です。
    https://ombuds.exblog.jp/30492595/
    ・24/3/15(金)名古屋市議会総務環境委員会で、「田中市長特別秘書が中川あつし市議(減税)に、2019年12月3日中川文化小劇場で開催した名古屋城木造復元市民説明会でサクラを入れるよう指示した」ことが判明
    ・24/3/19に市議会委員会が附帯決議
    ・24/5/31に市が「総点検」をまとめる
    ・24/7/3に総務環境委員会は河村市長に出席要請を行ったが差し控えたいと回答があった


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    広沢一郎名古屋市長は、2024年市長選マニフェスト
    (20244年11/8原案、11/10,13,16補足)の中で、以下述べています。
    https://hiro.laborat.net/index/seisaku
    (3)名古屋城木造本物復元
    ・史実に忠実な復元を必ず完遂
    ・本丸外を無料開放
    ・名古屋城全体を極力江戸時代の風情に

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    名古屋市は「令和7年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」を行うとともに、予算要求(追加及び変更分)の内容についてのご意見募集を25/1/10(金)-25/1/20(月)まで行っています。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000182091.html


    25/1/10(金) 名古屋市令和7年度予算要求財政局査定 名古屋城木造復元約1.9億円「市長査定で対応を検討」

    名古屋市は25/1/10に「令和7年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」を行うとともに、予算要求(追加及び変更分)の内容についてのご意見募集を25/1/10(金)-25/1/20(月)まで行うと発表しました。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000182091.html


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    一般的に、自治体の予算編成過程は以下のように行います。
     予算編成方針
     ↓
     各部局の予算要求
     ↓
     財政部局査定
     ↓
     首長査定
     ☆予算案
     ↓
     議会審議、決定
     ↓
     執行
     

    多くの自治体では、予算案が議会に提出されるまでは行政内部においてのみ予算編成権が行使されてきており、このプロセスに市民が関与するための具体的手段はほとんど制度化されてきませんでした。
    そんな中、予算の編成や執行の過程に住民が参加する「参加型予算」の取り組みが一部自治体において見られるようになり、参加型民主主義の一つの方向として注目されています。

    名古屋市は、「予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例」に基づき、当初予算の各部局の予算要求や財政部局査定、首長査定を公開するとともに、各部局の予算要求時に市民意見を募集し、予算案が確定した後に「市民意見の内容及び市の考え方」を公表してきました。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-0-0-0-0-0-0-0.html
    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001216.html
    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例施行細則
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001217.html
     
    調べたところ、令和3年度当初予算案からは、各部局の予算要求時だけでなく、財政部局査定後も市民意見を募集していたことが判明しました。
    -------
    各局からの要求に対する財政局案の考え方は以下の通りです。
    @所管局の要求(見積り)通り
    A事業内容、積算内容を精査のうえ計上
    B経常経費の範囲内で対応を検討
    C現段階では未計上
    D市長査定で対応を検討

    それによれば、観光文化交流局関係予算では、名古屋城天守閣の整備(天守閣の整備に係る設計監理等支援業務委託、実施設計、木工事及び石垣保存対策等)1億9000万円の要求を追加して行いましたが、「市長査定で対応を検討」(D)としました。

    これでは内訳が分からないため、名古屋城総合事務所に25/1/10に電話で確認しました。
    ・設計監理等支援業務委託  610万円
    ・石垣保存対策支援業務委託 190万円
    ・事務費等 2831万7千円
    ・実施設計 1335万4千円
    ・木材製材 1億1495万3千円
    ・石垣保存対策 2496万3千円
    合計1億9000万円(1億8958万7千円を切り上げ)

    木材製材費用が、令和6年度予算が9998万5千円にもかかわらず、今回値上げしている理由を聞きましたが、「現時点では予算要求なので」と回答されませんでした。

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    名古屋城天守閣木造復元事業については、竹中工務店との2022年12月末までに完成させるという基本協定期限が切れ、「暫定的に」実施設計、木材製材等の期限が延長されています。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-1.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-2.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-3.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-00.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-0.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240627.pdf 
     
    いまだにいつ完成するのかは不明です。

    どうして完成する目処も立っていない中、市議会でも2021/3/19に「名古屋城天守閣木造復元にかかる予算については、文化庁の文化審議会において正式に「木造復元」の許可がされた後に執行すること」附帯決議をあげているにもかかわらず木材を先に買ってしまい、保管料として年間約1億円も支出し続けるのか全く理解できません。
    しかも後述の通り、順調にいっても着工まで約5年半かかるとしたら、さらに約5.5億円も税金が投入されることになります。
    ・2021/3/19 市議会附帯決議
     https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000137941.html
     
    また、名古屋城木造天守閣昇降技術開発について、履行期間は2027/3/19であることが契約書の情報公開請求で判明しました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    履行期間後、文化庁復元検討委員会で検討(2年-2年半)、工事(6年半)だとすると、順調にいっても完成するのは今から約12年後の2036年度ではないか、と名古屋市民オンブズマンは試算しました。

    障害者団体は「今回公募で決まった小型昇降技術は人権侵害であり承服できない。
    市民を分断し、差別を助長する名古屋城木造天守復元事業を即時中止すること」と述べています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613-1.pdf

    日弁連も22/10/24に名古屋市に対し、「あえて大型エレベーターを設置しないのは差別でかつ憲法・条約・法律等に違反し、最上階までの大型エレベーターを設置するよう」要望しています。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html

    このような「差別の城」に税金を投入し続けてよいのか、令和6年能登半島地震からの復興や、将来起こるとされている南海トラフ地震への備えが優先するのではないか、市民の良識が問われています。

    ぜひ25/1/20(月)まで、予算財政局案に意見を言いましょう。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000182091.html

    --------
    ・22/9/22 全国市民オンブズマン連絡会議
     「予算編成過程・住民参加状況調査結果」
    ・概要 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-2.pdf
    ・詳細 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-1.pdf

    ------
    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001216.html
    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例施行細則
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001217.html
     
    ---------------
    なお、名古屋城木造復元事業以外の名古屋城関係事業の査定内容は以下です。
    「木材保管料1億円を他に回すことができれば」と思わざるを得ません。
    参考になれば幸いです。(単位:100万円) ( )書は一般財源額
     令和6年度予算額
     令和7年度要求額 
     財政局案

    【@所管局の要求(見積り)通り】
    ・天守閣閉館中の魅力向上事業
     天守閣閉館中の魅力向上に資する、民間事業者と連携した催事
     情報発信等
     令和6年度予算額 84(−) 
     令和7年度要求額 85(−)
     財政局案     85(−)
    ・名古屋城本丸御殿長期保全計画の策定
     名古屋城本丸御殿を後世に遺し続けていくため、長期保全計画を策定
     令和6年度予算額 13(13)
     令和7年度要求額 8(8)
     財政局案     8(8)
    ・重要文化財表二之門 の修復
     重要文化財表二之門の大規模修理に伴い、雁木復元整備を行うための検討及び基本設計を実施
     令和6年度予算額 17(8)
     令和7年度要求額 14(7)
     財政局案     14(7)
    ・名古屋城重要文化財建造物等保存活用計画の策定調査
     名古屋城内の重要文化財建造物等に関する保存活用計画の策定に向けた石垣耐震診断
     令和6年度予算額 51(26)
     令和7年度要求額 10(5)
     財政局案     10(5)
    ・名古屋城天守閣寄附金の募集及び積立
     名古屋城天守閣木造復元のための寄附金の募集及び基金への積立
     令和6年度予算額 112(12)
     令和7年度要求額 106(5)
     財政局案     106(5)

    【A事業内容、積算内容を精査のうえ計上】
    ・名古屋城観覧環境の整備
     観覧環境の改善のため、多様な来場者に配慮した看板の整備
     令和6年度予算額 50(50)
     令和7年度要求額 104(11)
     財政局案     80(8)
    ・名古屋城園路等改修
     来場者が安全、快適に城内を観覧するため、園路の改修を実施
     債務負担行為 期間 8年度
     限度額 66百万円
     令和6年度予算額 20(9)
     令和7年度要求額 207(21)
     財政局案     180(18)
    <財政局案概要>
     債務負担行為 期間 8年度 限度額 5800万円
    ・名古屋城二之丸庭園 の保存整備
     名勝名古屋城二之丸庭園の保存整備のための発掘調査及び修復整備等
     令和6年度予算額 59(24)
     令和7年度要求額 144(34)
     財政局案     143(34)
    ・名古屋城水堀における舟運事業
     名古屋城の本質的価値への理解を深め、魅力向上を図るため、
     水堀における舟運事業実施に向 けた船着場の設置工事等
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 200(24)
     財政局案  200(24)

    【B経常経費の範囲内で対応を検討】
    ・名城エリア観光拠点化事業
     名城エリアを歴史・観光・文化・スポーツ拠点とするための
     基本構想の策定及び構想を踏まえた事業を実施
     令和6年度予算額 10(10) 
     令和7年度要求額 5(5)
     財政局案−(−)
    ・名古屋城茶席の改修等
     経年劣化した茶席の改修及び竹垣の更新に向けた設計及び工事
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 22(22)
     財政局案     −(−)
    ・名古屋城内苑トイレの改修
     和式便器を洋式便器に更新するなど、トイレ環境を改善
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 10(10)
     財政局案    −(−)
    ・名古屋城植栽管理計画に基づく植栽管理
     令和6年度に策定する植栽管理計画に基づき、植栽管理を実施
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 11(11)
     財政局案     −(−)
    ・名古屋城外堀排水路改修
     劣化した外堀排水路の改修工事を行うとともに、未調査区間の劣化状況調査を実施
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 31(9)
     財政局案     −(−)

    【C現段階では未計上】
    ・名古屋城デジタルミュージアム構築事業
     名古屋城所蔵品等をデジタルアーカイブ化し、ウェブ上で公開
     するとともに、データを活用した事業を実施
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 121(60)
     財政局案     −(−)
    ・名古屋城こどもファスト・トラック等優先入場実証実験
     名古屋城において、来場者の特性に応じた受入環境の整備を図るための実証実験を実施
     令和6年度予算額 2(2)
     令和7年度要求額 2(2)
     財政局案     −(−)

    【D市長査定で対応を検討】
    ・現天守閣の活用
     平成30年以降閉館している現天守閣のエレベーター棟を
     活用した眺望体験を実施
     令和6年度予算額 − (−) 
     令和7年度要求額 20(20)
     財政局案 
    ・金シャチ横丁第二期整備(博物館の整備)
     金シャチ横丁構想のさらなる推進のため、名古屋城の価値や魅力等を
     伝える博物館基本計画策定に向けた発掘調査等を実施
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 29(29)
     財政局案
    ・金シャチ横丁第二期整備(多目的休憩所の整備)
     多目的休憩所建設工事等の実施
     債務負担行為
     期間 8〜9年度 限度額1,582百万円
     令和6年度予算額 − (−)
     令和7年度要求額 6(6)
     財政局案

    -------
    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm
     
    ・名古屋市民オンブズマン・減税・予算編成過程の公開
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/yosan/index.htm


    25/1/6(月) 広沢市長 カスハラ防止対策に言及も、パワハラには触れず

    25/1/6(月)広沢一郎名古屋市長年頭会見で、カスハラ防止対策に関して「桑名市が罰則付き氏名公表条例を作った。愛知県の動きを見ながら今後検討する」と発言しました。

    ・25/1/6(月)広沢一郎・名古屋市長年頭会見(名古屋城、ハラスメント部分) 
    (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし) 
    http://nagoya.ombudsman.jp/castle/250106.pdf

    -----
    以下感想

    広沢市長が述べていた「桑名市カスタマ―ハラスメント防止条例」は、事業者等(市内において事業活動(特定の目的のために行われる一切の活動をいう。)を行う個人又は法人その他の団体をいう。)とのこと。
    所管の桑名市産業振興部商工課に確認したところ、「事業者等には桑名市役所も含まれる。市職員に対して外部の人・客がカスハラをした場合。市職員内部のパワハラは対象外」とのことでした。(パブコメ件数は0件)
     ・桑名市カスタマーハラスメント防止条例 
     https://www.city.kuwana.lg.jp/documents/11432/a43.pdf
    ・桑名市カスタマーハラスメント防止条例 パブコメ 
     https://www.city.kuwana.lg.jp/shoko/kasuharapabukome2.html

    また、愛知県は「カスタマーハラスメント防止対策に関する協議会」を設置しています。
    https://www.pref.aichi.jp/soshiki/rodofukushi/kasuhara.html

    2024年名古屋市長選挙 広沢一郎マニフェスト(20244年11/8原案、11/10,13,16補足)には、カスハラについて記載はありませんでした。
    https://hiro.laborat.net/index/seisaku

    パワハラについても記載がありませんでしたが、「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証について(最終報告)」を踏まえ、「市長及び副市長のハラスメント事案に関する第三者調査委員会」が24/11/13に委嘱されています(審議内容非公開)。
    https://www.city.nagoya.jp/somu/page/0000180422.html

    ・24/9/18 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」に おける差別事案に係る検証について(最終報告) 
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html

    職員に対するヒアリング結果【第2回目 令和6年5月実施】
    ・(副市長に何か意見を)言いにくいどころか言ったらなんか、それこそパワハラ的に発言されましたから。
    ・(意見の相違があって溝が埋まらないというレベルではなくて)「これはこうこうですよね」って話を副市長の方にすると、「だったらお前市長に説明してこい、お前!」って、かなり語気を荒げて話をされましたので。これ複数聞いてて当然理解はしてますけど、今頃だったら、パワハラでかなり物議を醸す。ここ数か月の変化ありましたですけど。少なくともそういう時代としては、そこまでありましたから。それ発言しやすい雰囲気じゃないですよ。
    ・(意見の相違とか議論っていうレベルではなくて、ハラスメントに近いような雰囲気が)ありました。
    ・市長についても、ちょっと追加で申し上げると、再三、市長レク、12月までの公募の案件の時もそうですけど、それ以降の市民討論会の出来事があったその後もそうなんですが、再三、市長が、もう結局この自分の思うような史実に忠実な復元ができんかったら、切腹してもらわないかん。切腹っていう発言は、少なくとも4,5回は聞いています。切腹しないかん、切腹してもらわないかん、切腹だわ。もう言い方悪いですけどちゃんと。ただ、戯言でお話されているのかもしれませんけど、東郷町長じゃないですけど、レクの中でそういう発言を単なる勢いじゃなくて、繰り返し発言をされること自体が、れっきとしたパワハラだと思うんです。
    ・(副市長は市長の切腹発言を聞いているだけで)止めてません。だからどっちかというとそういう意味でいくと、言っては悪いですけど、パワハラが常態化してるところも含めて、そういうやっぱり圧がかかる中で、「市長の言ってることがわからんのか」みたいな話も含めて、我々としては抵抗してきただけのことというふうには理解してます。

    「名古屋市パワーハラスメントの防止等に関する規程」には、「局区等の長は、パワーハラスメントの防止及び排除のため、次に掲げる措置を講じなければならない。」とありますが、市長、副市長については記載がありません。
    ・名古屋市パワーハラスメントの防止等に関する規程  
    https://www.city.nagoya.jp/somu/cmsfiles/contents/0000088/88933/pawaharakitei.pdf

    カスハラ対策も大事ですが、まずは「身内」である名古屋市役所内部でのパワハラ・セクハラその他ハラスメントを無くすことからはじめてはどうでしょうか。
    --------
    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ 
    http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題 
    https://ombuds.exblog.jp/i33/
    ・名古屋市民オンブズマン ハラスメントページ 
    http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/hara/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ ハラスメント 
    https://ombuds.exblog.jp/i103/

    25/1/6(月) 名古屋城木造復元 広沢市長「謝罪すべきところは謝罪する。時期を定めるものではない」

    25/1/6(月)広沢一郎名古屋市長年頭会見で、名古屋城木造復元事業について「謝罪すべきところは謝罪する。時期を定めるものではない」と述べました。

    ・25/1/6(月)広沢一郎・名古屋市長年頭会見(名古屋城、ハラスメント部分)
     (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/250106.pdf
    広沢市長:あとやはり名古屋城につきましてはですね、これ停滞してる中ではありますけれどもこちらもそのね例の課題となっているところに対して、謝罪すべきところは謝罪をし、そして再度スタート地点に立って、そこから着実に進めていくと、こういう手法をもちましてですね、特に時期を定めるものではございませんけれども、なるべくその拙速とならない範囲で1日も早くという思いはもっております。
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    以下感想

    「差別発言を受けた障害者に謝罪すれば木造復元事業が再開できる」という認識は誤りです。
    24/10/9に佐治独歩観光文化交流局長は「総括を早急に始めたい。その中で局としての再発防止策も講じる必要がある。それを成し遂げた上で、差別発言を受けられた方に局として謝罪をし、まず受け入れていただく。
    障害のある方も含めた市民全体に報告をし、市民全体の合意理解を得た上ではじめて対外的なしっかりした検討が再開できると考えている」と述べています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-1.pdf

    ・局としての総括は始まり、終わるのか。
    ・再発防止策はいつできるのか。
    ・差別発言を受けられた方に謝罪はいつになるのか。受け入れられるのか。
    ・障害のある方も含めた市民全体に報告はいつなのか。
    ・市民全体の合意理解を得るのはいつなのか。

    それと並行し、名古屋城木造復元事業を複雑化させている木材購入(2016年度〜2023年度で木材の製材等41億6370万9000円)はなぜ市議会の附帯決議に反してまで強行されてしまったのかも明らかにすべきです。
    保管料は1年間で1億円にも上ります。

    文化庁から長年指摘されて続けている石垣の保存対策工事ははたして何年かかる見込みなのか。
    https://ombuds.exblog.jp/30530233/

    そのうえで、竣工時期を明確にして収支見込みを見直し、あらためて市民にこのまま木造復元事業を進めるべきなのか問うべきだと考えます。

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    今後の予定

    ・25/1/6(月)まで 名古屋市令和7年度予算要求内容の公開及びご意見募集
     https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000181282.html
    ・25/1/18(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・25/1/27(月)13時〜 令和6年度第1回名古屋市障害者差別解消調整委員会・
     令和6年度第3回名古屋市障害者差別解消支援会議(合同開催) 名古屋市公館
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kenkofukushi/0000180861.html
    ・25/2/15(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・25/3/15(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/

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    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    24/12/10(火) 名古屋市令和7年度予算編成過程の公開に名古屋城木造復元事業なし

    名古屋市は「予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例」に基づき24/12/10に「令和7年度予算要求内容の公開及びご意見募集について」を公表しました。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000181282.html
    25/1/6まで意見募集をしています。

    名古屋城木造復元事業については特に記載がなく、24/12/11に名古屋城総合事務所保存整備課に確認したところ、「来年度予算要求は精査中なので、現時点では公表していない。財政局査定に間に合うように努力している」とのことでした。


    例年は11月中旬に予算編成過程の公開を行っていますが、河村たかし前名古屋市長が突然辞職したため、1ヶ月程度遅れての公開となりました。

    -------
    以下感想です。

    全国市民オンブズマン連絡会議が22/9/22に発表した「予算編成過程・住民参加状況調査結果」では、名古屋市は100点満点中83点で政令市中1位でした。
    ・概要 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-2.pdf
    ・詳細 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-1.pdf

    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001216.html
    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例施行細則
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001217.html

    しかしながら、「欠陥条例」のため、名古屋市は、議論を呼ぶ予算は補正予算に計上したり、「市長査定」で計上するなど脱法的手法をとり、市民が条例に基づく意見を言えない状況にありました。

    名古屋城木造復元事業に関しては、毎年当初の公開には記載がありませんでした。

    ・22/9/24 名古屋市民オンブズマン 内田隆 発表動画 
     予算編成過程公開実情報告(名古屋市)
     https://youtu.be/nIPHwFJgxKY
    ・22/9/24 名古屋市民オンブズマン発表資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/nagoya-yosan2022-1.pdf
    ・22/9/24 名古屋市民オンブズマン発表パワーポイント
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/nagoya-yosan2022.pdf
     
    市議会の附帯決議に反して購入した木材購入(2016年度〜2023年度で木材の製材等41億6370万9000円)の保管料(年間で1億円)についてなど、今回の意見募集では具体的な予算要求に対して市民が意見を言えないことになります。

    条例自体の見直しが必要ではないでしょうか。

    ---------
    なお、公開されている中には「現天守閣の活用 2000万円 平成30年以降閉館している現天守閣のエレベーター棟を活用した眺望体験を実施」という新規事業の予算要求がありました。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000181/181282/R7.youkyuunaiyounokoukai.pdf

    名古屋城総合事務所の担当者に聞いたところ、「2024年6月市議会定例会で『エレベーター棟の例えば資源の活用できないか』と質問があった。R7年度では、エレベーター棟を体験出来ないか、と考えている。渡り通路までで、大天守閣本体には入らない予定。運用、人員や経費などを計上したい。エレベーター棟は現法律に基づいているため、耐震性があるということで、新たに耐震診断はしていない」とのこと。

    意見があれば名古屋市に提出ください。

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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    24/12/9(月) 広沢市長 「名古屋城差別発言の謝罪はなるべく早く」とのみ発言

    24/12/9名古屋市長定例記者会見で、広沢一郎・新名古屋市長は「名古屋城差別発言の謝罪はなるべく早く」とのみ発言しました。広沢市長は「ただ相手のあることですので、これも丁寧にやってなるべく早く。局の方には言ってます。ちょっと相手方に伝わってるかどうかちょっとまだ確認してません」と述べました。
    ・24/12/9広沢一郎名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
    (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241209.pdf
     
    広沢市長は「名古屋城木造復元の昇降機について、副市長時代にも『最低でも1層。可能な限り上にチャレンジ』と答弁した。
    物理的に付けられるかを定かにして、江戸情緒、動線について専門家や障害者に入って頂いて、いろんなご意見をいただいて市で決めたい。その前に差別事案の謝罪をしたい。」と述べました。

    ------
    以下感想です。

    現在、名古屋市は小型の新昇降技術で何階まで登れるかを、7811万1000円でMHIに委託して2027/3/19期限で技術開発しています。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf

    どうして記者は「2027年3月19日以降にないと物理的に付けられるか決められないということでよいか」と確認しないのかが不思議でなりません。

    24/10/9名古屋市議会経済水道委員会で、佐治独歩観光文化交流局長は「総括を早急に始めたい。その中で局としての再発防止策も講じる必要がある。それを成し遂げた上で、差別発言を受けられた方に局として謝罪をし、まず受け入れていただく。
    障害のある方も含めた市民全体に報告をし、市民全体の合意理解を得た上ではじめて対外的なしっかりした検討が再開できると考えている」と述べています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-1.pdf

    いつになったら局としての総括は始まり、終わるのか。
    再発防止策はいつできるのか。
    差別発言を受けられた方に謝罪はいつになるのか。受け入れられるのか。
    障害のある方も含めた市民全体に報告はいつなのか。
    市民全体の合意理解を得るのはいつなのか。

    それらが明らかにならないと、当面名古屋城木造復元事業は進んでいかないです。

    そもそも、名古屋城木造復元事業を複雑化させている木材購入(2016年度〜2023年度で木材の製材等41億6370万9000円)はなぜ市議会の附帯決議に反してまで強行されてしまったのか。
    保管料は1年間で1億円にも上ります。

    障害者団体への謝罪も大事ですが、本来は必要がなかった「保管料が毎年税金で1億円出ていく件」も大事です。
    どうしてこうなったのか、特に市議会では100条委員会も含めて検討が必要ではないかと思います。


    24/12/5(木) 広沢新市長 名古屋城木造復元は「公約通り」に小型昇降機をできる限り上層階までチャレンジと明言

    24/12/5名古屋市議会本会議で、広沢一郎・新名古屋市長は「公約通り」に「小型昇降機をできる限り上層階まで設置することにチャレンジし、史実性とバリアフリーを両立させたい」と明言しました。


    ・名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241205.pdf

    ------
    24/11/24投開票の名古屋市長選の際、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」からの公開質問状に対し、広沢候補(当時)は以下回答していました。
    https://www.facebook.com/nagoya.jitsugensurukai

    以下、質問と回答を対応させました。
    ----------
    名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会様市長選挙アンケート

    2024年11月7日
    名古屋市長選挙立候補予定者 様
    名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
    共同代表 斉藤縣三
    小川直人
    名古屋市長選挙における公開質問状
    選挙準備にお忙しいことかと思います。
    河村市政における名古屋城木造天守復元事業は、本物復元を目指す市民と誰も排除しないためエレベーター設置を求める障害者との間に深刻な分断を生み出し、市主催の討論会で差別発言が行われ、市職員も制止しないという状況まで発生しました。この原因を作ったのは、 様々な問題点を指摘されたにも関わらず、河村市長が 「エレベーター設置をしない」 という方針を撤回しなかったことです。このことにより、多くの人が傷つき、苦しめられました。 そこで、同じ過ちを繰り返さないためにも、以下の問いに対し、貴方様のお考えをお聞かせください。 なお、頂いた回答につきましては、 当団体ホームページ等を通じて、幅広く公表させていただくことをあらかじめご承知おきください。

    回答者 広沢一郎

    1. 名古屋城木造天守復元事業について、継続しますか、それとも中止しますか。
      A. 継続する  B. 中止する C. その他
     回答: A (名古屋城木造復元事業を継続していく)
     自由記述:

    2. 1.で 「継続する」 「その他」 とお答えいただいた方に、お聞きします。
    木造天守を復元する場合は、 どのようにエレベーター (昇降装置を含む) を設置します
    か。
    A. 最上階まで設置する  B. 1階まで設置  C. その他
    自由記述欄
    回答: C (その他)
    自由記述: 令和2年の文化庁の復元の基準に則った歴史的建造物の復元を目指している。 そのため梁、柱等の躯体への影響、内部意匠への影響等、歴史的建造物の本旨的な価値を壊さない範囲内 でのバリアフリーに積極的に取り組んでいきたい。
    11人乗りのバリアフリー対応エレベーターは、梁、柱を相当数取り外したり破損させるこ とになるため設置はできない。
    新技術として公募した昇降機については、天守の構造上、上層階に行くほど床面積が狭くなり、かつ周辺部に梁柱が密集しているため、 中心部に設置しないといけない等の課題がある。
    この辺りをしっかりと考慮しながら設置についてしっかりと検討して参りたい。
    また昇降機が上層階に設定できない場合でも、他の技術や運用等をしっかりと検討して少しでも上層階へ皆様に上っていただけるように努めて参りたい。

    3. 1. 「中止する」 「その他」 とお答えいただいた方に、 お聞きします。 木造天守復元に変わるどのような対応をとられるのでしょうか。
    A. 現天守の耐震工事を行なう  B. 改めて市民の声を聞く C. その他
    自由記述欄

    3 は回答不要

    4. 歴史的建築物の復元とバリアフリーの実現という、 現代の二つの価値についての基本的
    な考え方をお聞かせ下さい。
    自由記述欄
    4. 自由記述: 建築基準法第3条にある通り、 歴史的建造物の復元については、 建築基準法の適用が除外される。 その逐条解説には適用除外の理由として「国宝などの文化財は先人が我々に伝えた貴重な財産であり、これを保存し、後世に伝え、あるいはその活用を図って、国民ひいては世界の文化に寄与することはわれわれの任務であるので、本法を文化財などの建築物に直接適用することは適切であるとはいえない。しかし、文化財といえども社会的な存在である以上は社会に与える影響を考え、安全上、防火上及び衛生上支障がない構造にする必要がある」 と規定されている。 この規定により文化財の復元のために、防災、防火のための設備負荷は必須だが、バリアフリー法の適用は除外されるとされている。そのため史実に忠実な復元を目指していきたい。もちろん障害者差別解消法に則りすべての皆さまにワンフロアでも上に上っていただけるよう昇降機や運用等を工夫して最大限努力をしていきたい。

    5. 投票日までの間に、 私どもと懇談の機会を持って頂くことは可能でしょうか。
    A. はい  B. いいえ  C. その他
    自由記述欄

    5. 回答:C ( その他)
    自由記述 選挙期間中は日程が立て込んでおり、集会等では15分程度の予定しか組めなく 貴団体にとって失礼になるため、選挙後早い期間で責団体としっかり意見交換をさせてい ただく時間をいただければと思っている。

    ------
    以下感想

    名古屋城木造復元事業は、「河村前市長と市職員の方針が異なる」という、極めて異例な進め方をしてきました。
    バリアフリーについて、これまで市職員が行ってきた方針(河村前市長もいったんは認めた)である、「小型昇降機をできる限り上層階まで設置する」を広沢新市長もとっています。

    ただ、「すべて河村前市長の公約を引き継ぐ」としてきた広沢新市長の方針に、河村前市長はどう対応するのか。
    また、河村前市長が言ってきた「江戸時代そのものの本物復元」をそのまま信じて広沢候補に投票した市民はどう反応するのか。

    そもそも、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」をはじめとする障害者団体は、「車いす1台が乗降できる小型昇降機はバリアフリーからは程遠い」として、最上階までの大型エレベーター設置を求め続けています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf

    日弁連は22/10/24に「車椅子が入れる大型のエレベーターを最上階まで設置しないのは、憲法第13条及び第14条第1項並びに障害者の権利に関する条約第5条第1項及び第2項、さらに、憲法第13条及び第14条第1項の趣旨を具現化した障害者基本法や障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律等に違反する」と名古屋市長宛てに要望書を出しました。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html

    小型の新昇降技術で何階まで登れるかは、7811万1000円でMHIに委託して2027/3/19期限で技術開発しており、いまだに確定していません。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf

    広沢市長は、「公約通り」に「選挙後早い期間で責団体(名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会)としっかり意見交換をさせていただく」のでしょうか。

    -----
    2024年12月3日 水野誠志朗の尾張時代の信長をめぐる
    広沢新市長はいつ「復元木造天守にエレベーターをつける」と言い出すでしょうか
    https://plus.chunichi.co.jp/blog/mizuno/article/233/11702/


    24/11/21(木) 千田教授「『石垣部会が邪魔しているから名古屋城木造復元が進まない』ではない!」

    千田嘉博・名古屋市立大学教授は、24/11/20-21に自らのXにて名古屋城木造復元事業について以下述べました。
    引用します。


    ・2024年11月20日 午後7:07
    特別史跡における復元建物として、文化庁の審議会の許可を得るのに必要な学術調査と法規に基づく手順を、名古屋市役所がしてこなかったのが問題なのです。千田の指摘が正しかったことは、名古屋市役所の復元計画が文化庁から門前払いされていることが証明しています。問題の本質を理解しましょう。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859176808849215589

    ・2024年11月20日 午後10:48
    千田は特別史跡熊本城跡の文化財修復検討委員も務めています。そして千田は石垣の上に木造で櫓や天守を復元するのに反対をしているのではなく、適切な学術調査と法規に基づいた手順を踏まなければ、どの史跡の城跡であれ、文化庁の復元許可は得られないことを一貫して名古屋市に説明しています。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859232253592928442

    ・2024年11月20日 午後10:54
    熊本市は文化庁が求められる復元・修復の手順と法規を厳格に遵守しているので、石垣や櫓の修復を着実に実現してきました。
    一方、名古屋市は文化庁が求める手順も法規も遵守しなかったので、何もできていないのです。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859233903065882919

    ・2024年11月20日 午後11:05
    もう、いい加減に「千田が反対しているから名古屋城が進まない」のような、事実に反し個人を誹謗する言説はやめましょう。
    天守の木造復元の許可権は、唯一、文化庁がもちます。千田が個人で進めたり/止めたりできることでは、そもそもないのです。誰であれ、発言には責任が伴います。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859236639543099492

    ・2024年11月21日 午前8:29
    熊本城、首里城など、史跡での歴史的建造物の復元は、文化庁の指導のもと策定した史跡の保存活用計画に基づいていて、史跡の本質的価値を保護・顕在化・活用するためです。だから理論的に「新たなテーマパークになる」可能性はありません。発言の前に文化庁『史跡等整備の手びき』を熟読しましょう。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859378493324398632

    ・2024年11月21日 午後1:23
    これだけ言葉を尽くして説明してもご理解いただけないのであれば仕方がありませんが、千田が名古屋市役所の「邪魔」をしているのではなく、学術調査と法規に則った手順を踏まないと、特別史跡の現状変更(天守の木造復元含む)はできないとお伝えしているだけです。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859452542511612177

    ・2024年11月21日 午後1:28
    千田が名古屋市役所の「邪魔」をしているから、名古屋城天守木造復元ができないのではなく、名古屋市役所が長らく学術調査や法規に基づく手順を著しく軽視してきたので、天守の木造復元が進展しなかったのです。復元するには学術成果を踏まえ、法と規程に従う道しかありません。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859453703105007795

    ・2024年11月21日 午後1:31
    必要な調査と多段階の審議を経ますので、一定の時間はかかると思います。
    https://x.com/yoshi_nara/status/1859454460562637258

    --------
    以下感想です。

    千田教授は特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会委員です。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2024/01/20240122_4319.html

    当然これまでの経緯や議論は熟知しています。

    石垣部会は、「名古屋市役所が学術調査や法規に基づく手順を著しく軽視している」と言い続けてきたにもかかわらず、なぜか名古屋市は文化庁に現状変更許可申請書を出し続けてきました。
    そのたびに「追加で学術調査せよ」「法規に基づく手順を踏め」と言われ続けています。

    ・2019/2/26 名古屋市が発表した文化庁「現天守閣解体にかかる現状変更許可申請に関する留意事項について」
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190226-1.pdf
     特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf
    ・2019/4/19 名古屋市「現天守閣解体のための現状変更許可申請」を文化庁に提出
    ・2019年9月 「現天守閣解体申請に対する文化庁からの指摘事項」
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200925.pdf
    ・2021年5月 名古屋市 「現天守閣解体申請に対する文化庁からの指摘事項への回答」
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/plan_expert/uploads/5aefdcef999649c77581210cd69b0bbd.pdf
    ・2022年3月 名古屋市 「現天守閣解体申請に対する文化庁からの指摘事項への追加回答」
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/uploads/b3b72954443132d8a656382f8af184fd_1.pdf
     
    これら経緯は一応石垣部会では発表しており、市ホームページにも載せていますが、市が積極的に広報しているというわけではありません。

    それどころか、市民説明会の回数は減少し、2023年度はついに0回となりました。
    2015年12月-2016年1月→16ヶ所
    2016年5月→5ヶ所
    2018年1月→6ヵ所
    2019年1月→6ヵ所
    2019年11〜12月→8ヵ所
    2021年1月→3ヵ所
    2022年1月→3ヵ所
    2023年1月→1ヶ所
    2023年度→0ヶ所
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/

    2023/6/12に「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)」で承認された、現天守閣解体と木造復元を一体とした『木造天守整備基本計画』すら市民にきちんと説明していません。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/

    「天守の基礎はケーソン、建物荷重は鉄骨で受け止め、補強金物等の工事と耐震ダンパーを設置。各階にはコンセントが多数あって、天守全域にLAN配線を完備」(2023年6月25日 千田嘉博名古屋市立大学教授 X )です。
    https://twitter.com/yoshi_nara/status/1672878543280431106

    名古屋城木造復元事業の特異な点は「河村たかし前市長と、市職員の説明が異なる」です。
    石垣部会委員をはじめ、市職員は全員、上記2023/6/12『木造天守整備基本計画』を元に議論しています。
    しかしながら、河村前市長はいまだに、あたかも「江戸時代そのものの名古屋城が復元できる」かのような言説を振りまいています。

    それに扇動された人が、千田教授を不当に攻撃しているのではないでしょうか。
    「釈迦に説法」を許しているのは、河村前市長と市職員、きちんと追及・説明してこなかった市議とマスコミではないかと思います。

    これまでの経緯は『名古屋城・木造天守復元の落とし穴』毛利和雄著(新泉社)をお読み下さい。
     https://www.shinsensha.com/books/6385/
     
    ※名古屋市民オンブズマンは、文化庁文化財部記念物課 監修『史跡等整備のてびき -保存と活用のために-』(同成社 2005)を購入しています。

    -------
    なお、河村たかし前名古屋市長の「後継」を自称・他称する広沢一郎候補の出陣式に、藤川晋之助・藤川選挙戦略研究所代表理事が応援演説しています。
    https://www.youtube.com/live/ijpjX0L3fQs?si=mT8-YJ9thEKs39gZ&t=1155
    東京都知事選挙の石丸信二候補の支援を行った藤川氏が、名古屋市長選挙にどのように具体的に関わっているか不明ですが、参考になれば幸いです。


    24/11/19(火) 名古屋城石垣部会委員「天守西対岸石垣 化粧直しの議論より根石周りの調査と議論を」

    24/11/19(火)特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第63回)が開催されました。
    天守台西側内堀御深井丸側石垣(U66)の保存対策について、宮武正登・佐賀大学教授は「石垣表面をどうするかの前に、構造物としての石垣が持つか持たないかの議論をする必要がある。根石周りが安定しているかの調査と議論が先だ」とし、石垣部会としてはU66について保留としました。
    鵜の首水堀側石垣(S10)のボーリング調査は承認されました。
    「特別史跡名古屋城跡内の石垣保存方針策定について」は、報告はされたものの議論は不十分でした。


    ・24/11/19(火)特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第63回) 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241119.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ(途中から)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241119-1.pdf

    現在、「顕著な変形、変状などがあり、現況に課題があると判断される石垣」のうち、来城者動線沿いの石垣(U65、U66、S10)について、優先的に保存対策を行うことにしています。

    大天守北対岸石垣(U65)については、すでに石垣部会・全体整備検討会議で承認し、工事が着工されています。
    U65は鉄筋を入れるが、U66、S10は鉄筋を入れない方針とのこと。

    宮武教授は「U66は上を人が通るため、『構造体として安定している』と石垣部会が評価する必要がある。前回は表面の議論ばかりしていて、根石周りの調査も議論もしていない。
    盛り土の上に根石が置いてあれば、いくら表面の化粧だけしても石垣ごと倒れたら意味がない」と述べました。

    西形達明・関西大学名誉教授は「石垣の地盤がよくないのは確か。古い時代から石が積まれていれば、通常時は過去に石垣があった高さまでの荷重であれば支持しうるのかなと思う。
    とんでもない地震時はわからない。できるのは円弧滑り解析くらいか」と述べました。

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    以下感想です。

    石垣保存対策については、「通常の観覧時の安全」と「木造復元事業の工事対策」がごっちゃになっているため、大変議論がわかりにくいです。
    しかも、石垣部会は「木造復元事業について議論しない」ため、どうなっているかさっぱり分かりません。

    2021/3/25時点では、木造天守復元時、大天守北の外堀を架設桟橋で越え、御深井丸側内堀石垣の上を通り、内堀を軽量盛り土で埋めて、その上を大型重機や仮設構台を設置する予定です。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/210325-1.pdf

    鵜の首(小天守西側内堀)の解析(最大荷重時)は車両荷重25kPaです。西形先生は、「大地震時は分からない」としましたが、特に車両荷重25kPaについては発言しませんでした。

    U66について、通常時の来城者の安全確保のため、根石周りの調査は重要です。
    はたして木造復元工事の車両荷重25kPaに耐えられるか。耐えられない、とすると、工事自体の見直しを行うか、
    根石から全面的に積み直すかになるのではないでしょうか。

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    一方、24/9/27に開催された「名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う第11回意見聴取会」資料では、木造復元を前提とした竹中工務店との契約に基づくU65石垣の保存対策工事(税込9577万4000円)を行っています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken11.pdf

    意見聴取会で、■(委員)は「U65の石垣の補修は、天守の問題ではなくて、観覧動線がすぐ上を通っているので、その方々が地震等で被災するのを防ぐために緊急に行うと、お聞きしていました。それで了承をしているのですが。天守の解体工事のためにとは、聞いていなかったと思います。」と述べています。
    それに対し、事務局は「石垣補修工事の目的はそうですけれども、いずれにしても天守の仮設工事をするときに、ある程度影響がでるということですから。観覧動線の安全確保が主の目的です。かと言って、そこをやらずに天守の復元はできないですから。」と述べています。

    相変わらず、有識者会議同士の議論の風通しが悪く、事務局もきちんと説明をしません。

    U65、U66、S10石垣について、以下明確にする必要があります。
    1)通常時、来城時に安全に通行できるか
     できないならどのような対策が必要か。何年かかるか。
    2)大地震時、来城者の安全を確保できるか
     できないならどのような対策が必要か。何年かかるか。
    3)木造復元工事をする際、重機を載せても石垣が破壊されないか。
     破壊されるなら、どのような対策が必要か。何年かかるか。

    「調査しなくては分からない」ではなく、事務局は「■くらいを今見込んでいます。」と明確に答弁しています。
    「そこをやらずに天守の復元はできない」と述べているので、24/11/24投開票の名古屋市長選挙の前に、市民に時期を明らかにすべきです。


    【独自】24/9/27名古屋城木造復元有識者意見聴取会議事録入手 有識者「石垣保存対策工事は10年くらいかかりそうですね」

    名古屋市民オンブズマンは、「名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会(第2回〜第11回)の議事録、内容がわかるもの、配付資料、録音を情報公開し、9900円払って入手しました。
    第7回意見聴取会、第8回意見聴取会の一部資料、第9回意見聴取会、40.58については「契約に至らなかった内容である」ため全面非公開。録音は特定の個人を識別することが出来るため非公開。その他、竹中工務店のノウハウ、率直な意見交換、工事費の積算、評価委員の氏名も非公開でした。
    ・24/11/15 行政文書一部公開決定通知書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241115.pdf

    「名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル評価委員に関する事務取扱要領」によれば、第2条で「評価委員は、名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に関する事務の取扱い第2に規定する事項について意見を述べるものとする。」とあります。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/151129.pdf
    マスコミも市民も非公開の中で行われてきました。

    特に、全部非公開の第7回意見聴取会(2018/5/24)、第9回意見聴取会(2019/4/25)では何が話されたのか。
    議事録が一部公開されている第6回意見聴取会(2017/12/20)以降は、評価委員の氏名が一部不開示です。
    これでは責任のある有識者会議とは言えません。
    また、第10回意見聴取会(令和元年12月26日) から第 11 回意見聴取会(令和6年9月27日) までなぜ約5年も開かなかったのか、疑問があります。

    とはいえ、その他の議事録はかなり公開されています。
    気付いた点を拾いました。
    ・第2回意見聴取会(平成28年3月20日)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken2.pdf
     麓和善委員「そんな簡単な資料で復元検討委員会は乗り切れない。膨大な資料を要求されます。それも何度も。本丸御殿の復元検討委員会の中でもそうだったと思うのですが、実測図があるからそれで復元検討委員会が通るというほど生やさしいものではない。」

    ・第3回意見聴取会(平成28年3月27日)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken3.pdf
     河村たかし名古屋市長「そりゃそう思いますよ。一定の合理的なところで市が信頼をもってやってきたところでポンと打ち切ったら、
     そりゃやっぱり市の責任になると思いますよ、私は。
     それがいずこの時点でどういうことかというのは、またこのあとの契約なんかが入ってくると思いますので、そこらできちっと決めるしか今のところしょうがないのではないかということです。」

    ・第10回意見聴取会(令和元年12月26日)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken10.pdf
     ■「製材所近くの倉庫。名古屋城近くの保管庫の案はどうなりましたか?」
     事務局「予算要求したが、解体の申請が見通しつかない中で、公園に建てても、公園が使えなく期間が延びると、市民サービスの低下になるので、いったん取り下げる。新しい工程の見通しを公表できる時点で、議会説明しながら、許可後にすぐに建設できるように。」

    ・第 11 回意見聴取会(令和6年9月27日)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken11.pdf
     ■「全体で、何年かかるのですか。 4、5年ですか。」
     事務局「何年から何年と、非常にお伝えしづらいですけど、天守の解体の工事が始まる前に、仮設の構台等などを造らないといけないですから、
     ■「それは知っていますけど、何年かかるのですかという質問です。 一言で言えるでしょう。言えないですか。
     2か所あるわけでしょう。 北側のところが第1、第2工区と分かれて、最低2年かかるわけです。もう1つ細いところがあって、それがま2年くら いかかる。 そうすると、3年から4年かかるということですか。
     事務局「■くらいを今見込んでいます。」
     ■「何をやっているのですか。 それまでは天守閣は壊さなくてもいいということですか。準備が整っていないので。」
     事務局「復元検討整備基本計画をお出しし、文化庁の復元検討委員会などをふまえて、その間に石垣の保存対策工事をすべて処理していきたいと思っていま す。それに乗っかるようなかたちで行っていきたいと思っています。」
     ■「こっちが進まないと、 後ろがいかないからでしょう。」
     事務局「そうです」
     ■「そちらに合わせて、こちらを進めると言っているわけではないでしょう、 今。」
     事務局「その延長線上に、天守閣の事業があります。」
     ■「それをまず説明して、とりあえず姿勢ね、 総合事務所の姿勢を明らかにして、それで第1工区を今年度やります。 というならわかりますけど。いつ終わるかわからないような工事では、困ってしまいます。」
     
     ■「10年くらいかかりそうですね」
     事務局「そこまでは」

     ■「技術的なことではなく、この工事とこの委員会との関係なんですが。 石垣・ 埋蔵文化財部会との関連はどうなっているのですか。 この工事に関して。 」
     事務局「石垣・埋蔵文化財部会のほうには、こういった石垣の補修に対して、文化 財でもありますので、こういったかたちで補修しますということでご了承い ただき、そのうえで全体整備検討会議でお認めいただいています。手法としてもまとまって、図面化も済んで、ようやく工事という流れです。
     ■「わかりました。」

    開示された資料をアップしました。
    気付いた点があればお教え下さい。 office@ombudsman.jp

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    第2回意見聴取会(平成28年3月20日)
    1. 議事録
    2. 議事次第、参加者一覧、配席表
    3. 資料1 前回意見聴取会からの経過と今後の予定について
    4. 資料2 参加者からの質疑に対する回答書
    5. 資料3 技術提案書概要表
    6. 資料4 要求水準書及び必須項目確認表
    7. 資料5 技術提案書の公募資料等との整合性
    8. 資料6 提案者への追加要請資料 (通知書、質疑書、正誤表等)
    9. 資料7 名古屋城天守閣整備事業の技術提案・ 交渉方式による公募型プロポーザルにかかる調査票
    10. 資料8 提案書評価採点シート(案)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken2.pdf

    第3回意見聴取会(平成28年3月27日)
    11. 議事録
    12. 議事次第、参加者一覧、配布資料一覧 配席表(午前・午後)
    13. 資料1 前回意見聴取会のご意見整理について
    14. 資料2 技術的事項の確認 質疑事項(第4回)
    15. 資料3 技術的事項の確認 質疑事項(第5回)
    16. 資料4 事務局質疑事項
    17. 資料5 提案事業費一覧表
    18. 資料6 第3回意見聴取会 提案者ヒアリング及び審査の日程
    19. 個別配布@ 提案書評価採点シート
    20. 個別配布@技術提案書 (A者・B者)
    21. 参考資料1 求める技術提案書及び技術提案書の審査基準
    22. 参考資料2 業務要求水準書による文化庁長官による現状変更許可の手続き記載部分抜粋
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken3.pdf

    第4回意見聴取会(平成28年11月24日)
    23. 議事録
    24. 会議次第、出席者名簿、席配置表
    25. 資料1 名古屋城天守閣整備事業の優先交渉権者決定以降の経緯について
    26. 資料2 名古屋城木造復元にかかる工程について
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken4.pdf

    第5回意見聴取会(平成29年2月9日)
    27. 議事録
    28. 会議次第、出席者名簿、席配置表
    29. 資料1 名古屋城天守閣整備事業の完成期限見直しについて
    30. 資料2 当初提案書の工程
    31. 資料3 平成34年7月天守閣竣工の工程案(詳細)
    32.資料4 平成34年12月天守閣竣工の工程案 (詳細)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken5.pdf

    第6回意見聴取会(平成29年12月20日)
    33. 議事録
    34. 会議次第、出席者名簿、 席配置表、 手続きフロー
    35. 資料1 仮設事務所工事の見積書(当初)
    36. 資料2 価格交渉の内容(仮設事務所工事)
    37. 資料3 木材主架構分の調達の見積書
    38. 資料4 価格交渉の内容(木材主架構分の調達)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken6.pdf

    第7回意見聴取会(平成30年5月24日)
    非公開

    第8回意見聴取会(平成31年1月18日)
    39. 議事録
    40. 会議次第、出席者名簿
    41. 資料1 名古屋城天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事の概要
    42. 資料2 名古屋城天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事の参考価格比較表
    43. 資料3 名古屋城天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事の見積書
    44 資料4-1 名古屋城木造天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事積算書(建築)
    45. 資料4-2 名古屋城木造天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事積算書(機械設備)
    46. 資料4-3 名古屋城木造天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事積算書(電気)
    47. 資料5 価格交渉の内容(名古屋城木造天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事)
    48. 資料6 名古屋城天守閣実物大階段模型及び展示施設棟建設工事の図面(抜粋)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken8.pdf

    第9回意見聴取会(平成31年4月25日)
    非公開

    第10回意見聴取会(令和元年12月26日)
    49. 議事録
    50. 会議次第、出席者名簿
    51. 資料1 名古屋城天守閣整備事業先行工事 (木材の製材)の概要
    52. 資料2 価格交渉の内容(名古屋城天守閣整備事業先行工事 (木材の製材)の木材保管費)
    53. 資料3 名古屋城天守閣整備事業先行工事 (木材の製材)の木材保管費の参考価格比較表
    54. 共用資料1 名古屋城天守閣整備事業先行工事 (木材の製材) 木材保管費の見積書
    55. 共用資料2 名古屋城天守閣整備事業先行工事 (木材の製材) 木材保管費の名古屋市参考見積
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken10.pdf

    第 11 回意見聴取会(令和6年9月27日)
    56. 議事録
    57. 会議次第、出席者名簿
    58. 資料1 名古屋城天守閣整備事業に係る技術提案・交渉方式 (設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会 履歴
    59. 資料2 名古屋城天守閣整備事業令和6年次石垣保存対策工事の概要
    60. 資料3 名古屋城天守閣整備事業令和6年次石垣保存対策工事 図面
    61. 資料4 価格交渉の内容 (名古屋城天守閣整備事業令和6年次石垣保存対 策工事)
    62. 資料5 名古屋城天守閣整備事業令和6年次石垣保存対策工事 参考価格 比較表
    63. 共用資料1 名古屋城天守閣整備事業令和6年次石垣保存対策工事の見積書
    64. 共用資料2 名古屋城天守閣整備事業令和 6 年次石垣保存対策工事積算書
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/iken11.pdf

    --------
    ・15/11/29「名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会(第1回)」
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/151129-1.pdf
    ・名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会 名簿と事務取扱要領
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/151129.pdf
     
    【参考】
    ・2019年 06月 26日 市民オンブズマン事務局日誌
     名古屋市 名古屋城天守閣木造化木材保管庫予算案取り下げを表明
     https://ombuds.exblog.jp/27662840/

    ------
    今後の予定
    ・24/11/19(火)14時半〜 第63回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会(名古屋能楽堂) 
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kankobunkakoryu/0000180461.html
    ・24/11/24(日) 名古屋市長選挙
    ・24/11/29(金)まで 「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」パブコメ
     https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000179492.html
    ・24/11/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/

    -----
    ※ぜひともカンパをお願い致します。
    情報公開請求してコピーを入手するのも、情報公開訴訟をするのも、費用がかかります。
    名古屋市民オンブズマンは、会費とカンパのみで活動しております。
    今後ともご支援頂けますと幸いです。

    《郵便振替口座》 口座番号 00870−9−105687
       加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
    《ゆうちょ銀行》 当座 〇八九店 105687
       加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
    http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm

    《資金カンパ送付先・問い合わせ先》
     〒460-0002 名古屋市中区丸の内3-7-9 チサンマンション丸の内第2 502号室
     名古屋市民オンブズマン タイアップグループ事務局
     Tel:052−953−8052 Fax:052−953−8050
     メール:office@ombudsman.jp 

    情報公開から見た名古屋城木造復元事業

    名古屋市民オンブズマンは、名古屋城木造復元事業について河村たかし前名古屋市長当選時から15年にわたって監視・追及してきました。

    数十万円かけて情報公開請求したり、市議会・委員会傍聴、
    有識者会議傍聴した結果は以下ページにまとまっています。
    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/


    (ただし、上記は本文だけで160万字を超えているので、ジャーナリストの毛利和雄氏が24/7/1に発行した『名古屋城・木造天守復元の落とし穴』(新泉社)を読まれるのをおすすめします)
     https://www.shinsensha.com/books/6385/
    また、ジャーナリストの水野誠志朗氏の記事もお読み下さい。
    ・2024年3月11日 水野誠志朗の尾張時代の信長をめぐる
     いつになってもできない木造天守。名古屋城木造復元事業の10年を振り返る(第一回)
     https://plus.chunichi.co.jp/blog/mizuno/article/233/11412/
    ・2024年4月18日 水野誠志朗の尾張時代の信長をめぐる
     市民説明会にサクラ!? いつになってもできない木造天守。名古屋城木造復元事業の10年を振り返る(第二回)
     https://plus.chunichi.co.jp/blog/mizuno/article/233/11448/

    今回、24/11/24投開票の名古屋市長選挙前に、「情報公開から見た名古屋城木造復元事業」をまとめてみたいと思います。

    -------
    情報公開から見た名古屋城木造復元事業

    名古屋市民をはじめ、マスコミ、市議、市長候補すら「名古屋城木造復元」について、きちんと判断できる材料を得ていないのではないでしょうか。
    それはどうしてか。
    名古屋市民オンブズマンは「市が情報をきちんと出していないから」と考えます。

    名古屋市民オンブズマンをはじめ、各地の市民オンブズマンや市民団体は「無駄な公共事業」を追及してきました。
    名古屋城木造復元事業は「事業が進まない公共事業」だと考えます。

    ただ、名古屋城木造復元事業は「通常の公共事業」とは違った性質があります。
    @完成形(なにができるか)が見えない、決まっていない
    A「決まった」ことも市は積極的に広報しない
    B完成形が法律に適合するかがわからない
    C需要予測・収支予測が不明
    D内部情報がほとんど公開されない
    E河村たかし前市長と、市職員の説明が異なる
    F市議・マスコミの情報発信が不十分

    @完成形(なにができるか)が見えない、決まっていない
    通常、ダムでも道路でも、なにができるか確定し、それに対して賛成・反対が議論されます。
    しかしながら、名古屋城木造復元事業については、どのような形になるか完成形がいまだに確定していません。
    2023年6月12日に開催した「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)」で、昇降装置(エレベーター)以外はいちおう確定しました。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
    小型の新昇降技術で何階まで登れるかは、7811万1000円でMHIに委託して2027/3/19期限で技術開発しており、いまだに確定していません。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    文化庁は「何階まで昇降技術・エレベーターを付けるか」確定してから現状変更許可申請書類を持ってこいといっています。
    これでは賛成・反対言いにくいのではないでしょうか。
    その後、文化庁復元検討委員会で数年かけて審議される予定です。
    疑問点等があれば、名古屋市に質問し、申請書類を変更することもありえます。

    A「決まった」ことも市は積極的に広報しない
    名古屋城木造復元事業の図面は、昇降装置(エレベーター)以外は有識者会議でいちおう確定しています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
    河村たかし前名古屋市長は「本物復元」と発言を繰り返していますが、上記資料を読めば、「天守の基礎はケーソン、建物荷重は鉄骨で受け止め、補強金物等の工事と耐震ダンパーを設置。各階にはコンセントが多数あって、天守全域にLAN配線を完備」(2023年6月25日 千田嘉博名古屋市立大学教授 X )がわかります。
    https://twitter.com/yoshi_nara/status/1672878543280431106
    その他、史実にない「木造天守に入るための小天守入り口に取りつけられる金属製スロープ」「3階から4階までの階段」も付けます。
    https://plus.chunichi.co.jp/blog/mizuno/article/233/11114/
    なぜか上記については、名古屋市は積極的に広報していません。

    B完成形が法律に適合するかがわからない
    名古屋市は、「本丸御殿同様、名古屋市建築審査会で『建築基準法の適用除外』の同意を得る予定」としていますが、建築基準法同等の耐震・耐火性能を確保したいとしています。
    2020年1月29日に、名古屋市は一般財団法人 日本消防設備安全センターから「消防設備システム評価書」を受け取り、十分な防火安全性能を有すると認められています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240328.pdf
    また、2019年1月21日に、名古屋市は一般財団法人 日本建築センターの「評定書」を受け取り、「大天守の最大同時在館人数を2500人を上限とする」ことなどを条件に妥当と判断しています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/220104-1.pdf
    ただし、一部建築士からは「2方向避難路がないのは消防法・建築基準法違反」という指摘がありますし、市建築審査会が「同意」するかどうかはわかりません。市消防長の同意も必要です。
    日弁連は2022/10/24に「あえてエレベーターを設置しないのは差別になり、憲法・各種条約・障害者基本法法等に違反するとする要望を出しています。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html
    違法の建築物を建てるのは違法ですし、違法なものは「市のシンボル・誇り」にはなり得ません。

    C需要予測が不明
    全国市民オンブズマン連絡会議では2014年9月に「公共事業の需要予測の外れ率」(鉄道・コンテナ港)を調査し発表し、多くの公共事業は過大な需要予測をしているとしました。
    https://www.ombudsman.jp/taikai_category/no21
    一方、名古屋城木造復元事業については、「入場料収入のみで建築費・運営費をまかなう」という河村前市長の方針を受け、「年間360万人が50年間続く」という試算を出しました。
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083234.html
    河村市長は2015/12/12に「ある学者は江戸城で500万人来ると見込まれており、名古屋城木造化でも同じくらい来ると言っている」といいながら、その学者の氏名を聞いても「学者のプライバシーがある」として明らかにしませんでした。
    https://ombuds.exblog.jp/22648799/
    名古屋市は、2017年度に第三者機関に入場者数見込及び収支計画についての調査を委託しました。
    名古屋城木造復元が2022年12月完成、リニア新幹線が2028年度に開業するとして、2071年度までで低位シナリオで64億6500万円の赤字、基本シナリオで14億6700万円の赤字、高位シナリオで45億4600万円の黒字としています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
    しかしながら、2024年1月現在、「木造復元は順調にいって2036年度」(2023年3月名古屋市発言を元に、名古屋市民オンブズマンが主張)。
    品川-名古屋間のリニア新幹線開業は2034年度以降に延期されました。
    https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_fr9_000027.html
    名古屋市は「文化庁への現状変更許可申請時期が定まらず、竣工時期が決まっていないので、申請時期が定まってから収支見込みを作る」としています。
    税金のムダ遣いを追及する名古屋市民オンブズマンとしては、本来は「需要予測が過大で、途中で税金投入するおそれがあるのでは」と主張したいのですが、@なにができるか決まっていないA合法か不明 C需要予測を市が示していない ため、主張することすら出来ません。

    D内部情報がほとんど公開されない
    名古屋市民オンブズマンは、名古屋城木造復元事業に関して2018/6/13〜2018/12/10の間に名古屋市職員が文化庁を訪問したときの復命書の開示を求める情報公開訴訟を行い、河村たかし名古屋市長の発言部分ならびに石垣保存検討内容等の開示を命じた22/3/30名古屋地裁判決が確定しました。
    https://ombuds.exblog.jp/29242515/
    河村市長は文化庁に対して「ゆっくりやるとコンクリートの改修になる。これは世界の大恥。」などと述べていたことが訴訟ではじめてわかりました。名古屋地裁判決では「文化庁職員の発言」「市職員発言(文化庁職員との対話内容)」は公開を命じず、いまだに不明です。
    いったい文化庁は名古屋市になんと言っているのか。名古屋市民オンブズマンは文化庁にも情報公開請求していますが「不存在」です。

    大村秀章愛知県知事は2019/6/24記者会見で「文化庁及び専門家の主張は名古屋城の石垣が特別史跡で国宝だと。
    保存について調査をし、計画を作り、取り組む。そのことが担保できないと認められないということをですね、当初から言っておられたという話は、私は聞いております。あえて言えばですね、名古屋市さん、もうそろそろ本当のことを言ったらどうかという率直な感想を持っております。
    権力者が権力を使って職員に無理強いをして、結果できなかった、市に損害を与えたということになればですね、これはえらいことではないかというふうに思います。
    河村さんが選挙公約でうんぬんということを言われましたけれども、感想だけでもちょっと申し上げますと、公約に挙げたからといったってできないものはできないという、ただそれだけのことじゃないんですか、それ。」と述べています。
    https://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2

    E河村たかし前市長と、市職員の説明が異なる
    名古屋城木造復元事業の極めて特異な点は、「河村たかし前市長と、市職員の説明が異なる」ということです。
    名古屋城木造復元に関するバリアフリー新技術公募に関する2022/12/5河村前市長と市当局の発言が象徴的ですが、市当局は市議会経済水道委員会で新技術公募の結果を発表し「『車いす1台、介助者1名』もしくは『乗員4人』の小型昇降設備を導入する方針で、可能な限り最上階を目指す」としたのに対し、河村前市長は「昇降技術の設置は、1階もしくは2階までとし、3階以上は設置しない、これが合理的配慮」と述べました。
    https://ombuds.exblog.jp/29439108/
    障害者団体が河村前市長の撤回要求と抗議をしたのも当然です。
    24/9/18に発表された「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証について(最終報告)」では、「『史実に忠実』について 市長、副市長、職員間の解釈の不一致があった」「市としての方針を正確に理解してもらうための情報提供の不十分性」を指摘しています。
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html

    F市議・マスコミの情報発信が不十分
    名古屋市民オンブズマンは名古屋市議のホームページやブログ、SNSを可能な限りチェックしていますが、名古屋城問題について共産党以外ほとんど発信がありません。
    市議は市議会ではそれなりに追及しているのですが、議事録が出るのは3ヶ月後と遅く、市議会本会議・委員会動画をわざわざ見る人はほとんどいません。
    マスコミも、市議の追及をほとんど報道していないように感じます。
    マスコミ報道を見ているだけでは、名古屋城木造復元事業の問題は理解できないのではないでしょうか。

    大村秀章愛知県知事は2019/6/24記者会見で「取材されたマスコミの皆さんは知ってたんじゃないんですか、これ大体。前提として事実関係を知りたい。事実関係を知りたい。何でこうなったのか。何で許可のめども立たないのに500億円という予算を立てて、議会も議決して。許可のめどが立つまでは木材は買っちゃ駄目だと言われていながら、それでも100億円も契約してどんどん製材をしてしまったと。当然のことながら許可は出ないと。
    これは一体何が起きたんだと。我が日本国でこういうことが起きるのかということが私は不思議でならないんで、事実関係を是非しっかりとね、詳細につまびらかに、事細かに、いつ誰が何を言ってこうなったのかということもですね、是非知りたいというふうに思います。」と述べています。
    https://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2

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    名古屋城木造復元事業をめぐる問題点はあまりにも多くあります。
    (関心のある方は、「160万字」をお読み下さい。
    ブログの「記事を解説しているセリフ付き絵」を読むだけでも勉強になります)
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    情報公開請求の「限界」は、「とっかかりがないと情報公開請求できない」というものです。
    名古屋市職員が文化庁へ出張していることは予測できますが、「河村たかし前名古屋市長が、市職員に対して『指示書』を出していた」ことは、中日新聞が17/4/1に行った市長選挙立候補予定者2人による討論会の中で、河村前市長が、「名古屋市職員から『名古屋城天守閣木造化できません』と言われた。市職員から『市長が全責任を負う』という業務命令書を書いてくれ』という要望を受け、実際に業務命令書を書いた」と発言したことから、名古屋市民オンブズマンが情報公開請求し、17/4/20に入手しました。
    ・平成27年8月24日 指示書 市民経済局長 宮村喜明殿 名古屋市長 河村たかし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    2024/11/24投開票の名古屋市長選挙で誰が当選されても、過去の経緯の徹底的な調査を求めます。

    -----
    ※ぜひともカンパをお願い致します。
    情報公開請求してコピーを入手するのも、情報公開訴訟をするのも、費用がかかります。
    名古屋市民オンブズマンは、会費とカンパのみで活動しております。
    今後ともご支援頂けますと幸いです。

    《郵便振替口座》 口座番号 00870−9−105687
       加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
    《ゆうちょ銀行》 当座 〇八九店 105687
       加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
    http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm

    《資金カンパ送付先・問い合わせ先》
     〒460-0002 名古屋市中区丸の内3-7-9 チサンマンション丸の内第2 502号室
     名古屋市民オンブズマン タイアップグループ事務局
     Tel:052−953−8052 Fax:052−953−8050
     メール:office@ombudsman.jp 
    --------
    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

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    24/11/6 中日新聞デジタル
    【ノーカット】名古屋市長選2024 主要な立候補予定者3人が討論 中日新聞社主催
    https://www.youtube.com/watch?v=J58Rm6pd9Lw&t=2730s

    24/11/8 名古屋青年会議所 
    令和6年度名古屋市長選挙公開討論会
    https://www.youtube.com/watch?v=n9Cu3ZEUEoo

    名古屋城木造復元「木材40億円買っちゃったから進めないと」論の問題点

    24/11/24投開票の名古屋市長選挙の争点に、名古屋城木造復元事業があがっています。
    ただ、名古屋市は情報をきちんと市民に伝えておらず、誤った情報で市民が判断するのを危惧しています。


    特に「市議会が同意し、すでに木材40億円を購入したので、木造復元を進めないといけない」と主張する市民の方もいるようです。
    以下、議論の前の共通認識にしたいです。

    【前提事実】
    ・名古屋城木造復元事業へつぎ込んだ税金は、2016年度〜2023年度で、
     88億4780万8000円(うち木材の製材等41億6370万9000円)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-2.pdf
    ・木材の契約は94億5540万円(残り52億9169万1000円)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180612-2.pdf
    ・当初は2022年12月16日までだったが、「暫定的に」2026年3月31日までに変更済み
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-00.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-0.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240627.pdf 
    ・過去に支出した経費(木材の製材など)について市議会の議決を経ているが、
     2021/3/19に市議会は以下附帯決議をあげている。
     https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000137941.html
     名古屋城天守閣木造復元にかかる予算については、文化庁の文化審議会において正式に「木造復元」の許可がされた後に執行すること。
    ・にもかかわらず、名古屋市は木材を購入した。  
    ・竹中工務店とは「基本協定」を結び、「基本設計、実施設計、調査、木材、工事、石垣工事」で「上限505億円」としている。
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/takenaka_kihon.pdf
    ・2016年6月に名古屋市が示した「収支計画」(2016年度〜2069年度)では、
     入場料収入979億円、建設費606億円(元金505億円、利子101億円)、
     運営管理費207億円、集客促進費2億円、修繕費31億円、基金積立64億円と試算。
     その後新たな収支計画は公表せず。
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083234.html
    ・すでに購入した木材の保管のため、2022年度以降毎年1億円の税金を支出している。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-00.pdf
    ・2015/8/24に河村たかし市長(当時)は「全責任は私が取る」指示書を出している。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf
    ・2024年11月現在、名古屋市は文化庁に現天守閣解体・木造復元の現状変更許可申請を出していない。
    ・名古屋市は23/3/14に「木造復元は順調にいって2032年度」とのべている。
     https://ombuds.exblog.jp/29522170/
    ・2023/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会以降、木造復元事業は進んでいない
    ・新昇降技術は7811万1000円でMHIに委託して2027/3/19期限で技術開発している
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    ・寄付金は2017年度〜2022年度で7億7475万9587円(河村前市長は「目標100億円」と述べる)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/

    ---------
    上記は「前提事実」です。ひとつも意見はありません。
    すべて知っていた方はどれだけいるでしょうか。

    上記から、いろんな感想が得られると思います。
    「木材って、すでに予定の44%購入したんだ」
    「どうして2021/3/19市議会附帯決議に反して木材を買ったの?」
    「寄付金100億円で、利子が100億円か。寄付金7.7億円でいつになったら目標達成するのか。」
    「収支見込みはいつになったら最新版が出るの?」
    「木材の保管料毎年1億円は、いつまで払い続けないといけないの?」
    「木造復元事業は本当にできるの?」

    今後、名古屋市は「障害者の方に差別発言を謝罪し、再発防止策を取った上で、MHIの技術開発結果を待って、新昇降技術を何階まで付けるか議論し、その後文化庁に現状変更許可申請書類を提出する」予定とのこと。

    皆さんはどう思われるでしょうか。
    -------
    証券用語に「コンコルド効果」というものがあります。

    コンコルド効果|証券用語解説集(野村證券ページより引用)
    https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ko/A02762.html
    行動ファイナンスにおける認知バイアスの一種で、投資の継続が損失の拡大につながると分かっていても、それまでに費やした労力やお金、時間などを惜しんで投資がやめられない心理現象のこと。サンクコスト(埋没費用)効果とも呼ばれる。
    開発途中で既に採算が取れないことが想定されていたにもかかわらず、開発・就航を続行して遂には商業的に失敗した超音速旅客機コンコルドの事例を由来とする。

    木材の製材等41億6370万9000円は多額です。
    しかしながら、2027年3月MHI開発結果を待つと、「木造復元は順調にいって2036年度」となるのではないでしょうか。
    単純計算で、木材保管料は2022年度〜2036年度毎年1億円ずつかかるとすると、15億円にものぼります。

    そもそも、障害者団体は「大型の最上階までエレベーター」を当初から望んでいますし、あえてエレベーターを設置しないのは差別になり、憲法・各種条約・障害者基本法法等に違反するとして、日弁連も2022/10/24に同種の要望を行っています。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html

    耐震・防火の観点から、入城者制限をかけた方がよいという有識者まであらわれました。
    ・2023/2/17 天守閣部会 川地構成員
    「2030年頃には75歳以上の高齢者が全人口の2割を占めるという予測があります。そうなると、障害者、または車いすの方以上に75歳以上の高齢者、水平は歩けても階段の上り下りはできないという、歩行困難者がかなり来る。そうなると、2500人に抑えても、階段の周辺の混乱は相当予測されます」
    瀬口座長「予約した人だけを入れる。そういうふうにしないと、2500人でも多いかもしれない」
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/uploads/c229f3c348cb5103d86d525f3357d98d_1.pdf

    そうすると、「入場料収入だけで建設費や運営管理費などをまかなう」という河村前市長の試算は崩れます。

    どうしてこうなってしまったのか。
    市議会の追及や情報公開請求だけでは明らかになっていないことがまだまだあるのではないかと思います。
    市民をはじめ、マスコミ、市議、市長候補すら「名古屋城木造復元」について、きちんと判断できる材料を得ていません。
    新市長には、徹底的な原因解明と責任追及をした上で、名古屋城の将来を決めていただきたいです。

    なお、「名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書」6条3項に、「予算が成立しない場合又は議決が得られない場合は、本事業を中止し、契約の締結をしないことがある。また、その場合、当該予算に係る業務については発注者、優先交渉権者の間に何ら権利、義務が発生せず、発注者は予算の成立について何ら責を負わない」とあります。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/takenaka_kihon.pdf

    その場合、購入した木材がどうなるかは、契約書上は不明です。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180612-2.pdf

    名古屋市によれば、「直射日光を防ぐなど適切な環境のもとで木材を保管することにより、10年、20年経ったとしても木材の品質には影響しません。」とあります。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/2020/02/20200203_945.html



    24/10/31(木) 「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」パブコメは24/11/29まで

    名古屋市は「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」パブリックコメントを24/10/31-24/11/29まで行っています。


    ・名古屋市健康福祉局 障害福祉部 障害企画課 企画担当
     「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例の改正の考え方(案)」に係る意見募集
     https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000179492.html

    23/6/3に市が開催した、名古屋城バリアフリー市民討論会での差別発言時案を受け、名古屋市が条例改正を提案しようとしています。
     
    障害者差別解消推進条例改正の考え方の中の「助言又はあっせんの申立て・措置の求め・勧告等」について、以下が追加されます。
    ・事業者に加え、差別事案の当事者が市の場合も、助言又はあっせんの申立て、措置の求め及び勧告等の対象に含まれること
    ・障害者差別解消調整委員会から市に対して措置の求めがあった場合、必ず勧告を行うこと

    -------
    ただし、24/10/11に開催された名古屋市議会財政福祉委員会の質疑で、同時に行っている「本市の施設整備における当事者参画の仕組みの検討状況」では、「名古屋城木造復元事業は対象要件に当てはまらないと考える」としています。

    ・2024年 10月 19日 市民オンブズマン事務局日誌
     名古屋市施設整備における当事者参画の仕組み検討 市「対象公共建築物に木造名古屋城は当てはまらないと考える」
     https://ombuds.exblog.jp/30520243/

    パブコメをぜひお願いします。
    @「事業者に加え、差別事案の当事者が市の場合も、助言又はあっせんの申立て、措置の求め及び勧告等の対象に含まれること」はよいことなのでぜひ加えて欲しい。
    A「障害者差別解消調整委員会から市に対して措置の求めがあった場合、必ず勧告を行うこと」はよいことなのでぜひ加えて欲しい。
    B本条例に「本市の施設整備における当事者参画の仕組み」を明記して欲しい
    C本条例に「本市の施設整備における当事者参画の仕組み」を明記する際、「名古屋城木造復元事業を対象要件に当てはめる」と記載して欲しい


    24/10/22(火) 名古屋市は今年も名古屋城木造復元事業を公共事業の見直し対象にせず

    24/10/22に名古屋市は令和6年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開催しましたが、対象が「国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業」と、「国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業」のみとなっているため、事業採択から5年以上未着工となっている名古屋城木造復元事業については今年も対象となりませんでした。


    愛知県と比較しての問題点の指摘は去年記事に書きました。

    2023年 10月 31日 市民オンブズマン事務局日誌
    名古屋市 公共事業再評価は国土交通省所管交付金・事業のみ対象
    https://ombuds.exblog.jp/29735136/

    2023年 11月 07日 市民オンブズマン事務局日誌
    名古屋城木造復元 公共事業の見直し対象にしなくていいの?
    https://ombuds.exblog.jp/29744855/

    名古屋城木造復元事業は、河村たかし前名古屋市長らは「役所が文化財を復元する」とみているようですが、復元された建物はすぐには文化財にならないため、客観的に見れば、「事業が進まない公共事業をどうするか」問題ではないでしょうか。

    名古屋市でも対象とした事業については、有識者がきちんと審議しています。愛知県のように、事業が進まない公共事業を定期的に見直す仕組みを名古屋市で取り入れてもらいたいです。

    -------
    今年あらたに発生した問題点は、「会場から退出する際に、配布した会議資料を返却すること」と、傍聴者に事前に案内を配布し、それを開始前に説明しなかったことです。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241022-1.pdf

    退出時に説明され、資料を返却させられました。
    傍聴者は私1人でした。記者もいませんでした。

    その後、去年は資料を返却させられなかったことを思いだし、名古屋市情報公開窓口に、上記扱いは名古屋市情報公開条例、「附属機関等の会議の公開に関する事務取扱要綱」に基づいているか確認しました。

    ・名古屋市情報公開条例 第36条 (会議の公開) 
    実施機関に置く附属機関及びこれに類するものは、その会議(法令又は他の条例の規定により公開することができないとされている会議を除く。)を公開するものとする。ただし、次に掲げる場合であって、当該会議で非公開を決定したときは、この限りでない。
    (1)非公開情報が含まれる事項について審議、審査、調査等を行う会議を開催する場合
    (2)会議を公開することにより、当該会議の適正な運営に著しい支障が生ずると認められる場合
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000001423.html
     
    ・附属機関等の会議の公開に関する事務取扱要綱
     5条1項
      会議資料は、条例36条の趣旨を踏まえ、各附属機関等が決定する方法により傍聴者に対して提供する。
     2項 前項に規定する会議資料の提供の方法は会議の冒頭において傍聴者に説明するものとする。
     
    その後、会議担当者から「開始前に説明しなかったのは悪かった。また、会議資料について、附属機関の会議内で決定しなかったのも事実。
    情報公開条例の趣旨を踏まえ、第1回目の資料は今から提供したい。
    第2回目以降は、注意事項から(6)を削除したい。希望があれば傍聴者は資料を持ち帰ることが出来るようにしたい」と述べました。

    名古屋市情報公開担当者は「他の附属機関も調べたが、『すべて必ず提供』『回収』『一部回収』があることがわかった」とのこと。

    第1回資料を入手したのでネットに掲載します。
    ・24/10/22 令和6年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241022-2.pdf

    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241022-4.pdf
     
    24/11/5に第2回会議がありましたが、傍聴者注意事項から(6)が消えており、傍聴者は資料を持ち帰ることが出来ました。
    参考になれば幸いです。

    ・24/11/5 令和6年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 注意事項
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241105-0.pdf
     
    ・24/11/5 令和6年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241105.pdf

    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241105-1.pdf

    ------
    今後の予定

    ・24/11/8(金)19時〜 公益社団法人名古屋青年会議所主催 令和6年度名古屋市長選挙公開討論会(YouTube)
     https://www.youtube.com/live/n9Cu3ZEUEoo?feature=share
    ・24/11/16(土)14時〜 学習会「名古屋城木造天守復元を問う」ソーネおおぞね 
     https://minna-tomoni-kaeru-nagoya.com/
    ・24/11/24(日) 名古屋市長選挙
    ・24/11/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
     
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    24/11/6 中日新聞デジタル編集部
    【ノーカット】名古屋市長選2024 主要な立候補予定者3人が討論 中日新聞社主催
    https://www.youtube.com/watch?v=J58Rm6pd9Lw&t=1166s

    24/10/11(金) 名古屋市施設整備における当事者参画の仕組み検討 市「対象公共建築物に木造名古屋城は当てはまらないと考える」

    24/10/11に開催された名古屋市議会財政福祉委員会で、名古屋市は「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」の検討状況を報告しました。
    また、「本市の施設整備における当事者参画の仕組みの検討状況」も報告しました。
    名古屋市の担当者は「対象公共建築物に木造名古屋城は当てはまらないと考える」と明言しました。


    ・24/10/11(金)名古屋市議会財政福祉委員会説明資料
     障害のある人もない人も共に生きるための施策の推進について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-1.pdf

    ・24/10/11 名古屋市議会財政福祉委員会 (名古屋城部分)
     (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011fukushi.pdf

    24/6/3開催された「名古屋城バリアフリー市民討論会」での差別発言事案を受け、市条例改正案を提出する方針です。

    障害者差別解消推進条例改正の考え方の中の「助言又はあっせんの申立て・措置の求め・勧告等」について、以下が追加されます。
    ・事業者に加え、差別事案の当事者が市の場合も、助言又はあっせんの申立て、措置の求め及び勧告等の対象に含まれること
    ・障害者差別解消調整委員会から市に対して措置の求めがあった場合、必ず勧告を行うこと

    パブコメは24/10/31-24/11/29まで行っています。
    ・名古屋市健康福祉局 障害福祉部 障害企画課 企画担当
     「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例の改正の考え方(案)」に係る意見募集
     https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000179492.html
     
    一方、「本市の施設整備における当事者参画の仕組みの検討状況」については、「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」最終報告に「市が公共建築物を整備するにあたり、障害者や高齢者をはじめ配慮が必要な当事者からの意見聴取や対話の仕組みを整備することを検討すべき」とあり、検討してきたところです。

    岩本たかひろ市議は(自民)は「対象に名古屋城も含まれるのか」と質問し、担当課長は「観光文化交流局から、木造名古屋城については建築基準法の適用除外を受ける予定なので、特別特定建築物から除外されると聞いている。本事業の対象要件に当てはまらないと考える」と述べました。

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    以下感想です。

    障害者差別解消推進条例改正案については、ようやく差別事案の当事者が市でも対象に含まれると明記されるのでよいと思います。

    一方、条例改正と「本市の施設整備における当事者参画の仕組み」との関係が分からなかったため、24/11/7に健康福祉局障害福祉部の担当者に聞いたところ、「現時点では法、条例では決まっていない。仕組みを検討している段階。今後、庁内会議や障害者団体と協議し、要綱にするかどうかを考える。
    パブコメは広く市民に影響が出るものを対象とするので、今回条例案を対象とした。『当事者参画の仕組み』はパブコメをとっていない」とのことでした。

    せっかく名古屋城木造復元に関して差別発言があって、条例改正、当事者参画の仕組みを作ろうとしているのであれば、当事者参画の仕組みも条例に入れてはどうでしょうか。
    条例に入れなくても、杓子定規に「対象公共建築物に木造名古屋城は当てはまらない」とするのは、なんのための当事者参画の仕組みかわかりません。

    対象公共建築物に「ただし、名古屋城木造復元事業を含む」など明記すればよいだけです。

    名古屋市が真に差別発言を反省し、今後防止するなら、厳格な条例が必要ではないでしょうか。

    24/10/11(金) 名古屋城木造復元 松雄副市長「私の行動が結果的に障害者の分断を生んだ」

    24/10/11、名古屋市議会で財政福祉委員会、経済水道委員会、総務環境委員会、経済水道委員会総務環境委員会連合審査会が開催されました。
    まれに見る市議会委員会の追及の結果、松雄副市長は「私の行動が結果的に障害者の分断を生んだ」と認めました。


    ・24/10/11(金)名古屋市議会財政福祉委員会説明資料
     障害のある人もない人も共に生きるための施策の推進について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-1.pdf

    ・24/10/11 名古屋市議会財政福祉委員会 (名古屋城部分)
     (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011fukushi.pdf

    ・24/10/11(金)名古屋市議会経済水道委員会説明資料
     名古屋城天守閣木造復元事業の進め方に係る現段階の考えについて
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-2.pdf

    ・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011keisui.pdf

    ・24/10/11(金)名古屋市議会総務環境委員会説明資料
     名古屋市情報公開条例における行政文書について、名古屋市情報あんしん条例における行政文書について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-3.pdf

    ・24/10/11 名古屋市議会総務環境委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011soumu.pdf

    ・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会(その1)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011rengou1.pdf

    ・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会(その2)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011rengou2.pdf

    ・24/10/11 名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会(その3)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011rengou3.pdf

    ・連合審査会開会申入れ書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-3.pdf

    財政福祉委員会では、2023/6/3に名古屋市が開催した、名古屋城バリアフリー市民討論会での市民からの差別発言を受け、名古屋市は「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」を制定する方針を示しました。
    (解説は別ブログに書きました)
    https://ombuds.exblog.jp/30520243/

    経済水道委員会では、名古屋城総合事務所は「2023/6/3以降、名古屋城木造復元事業についてはいったん立ち止まっている。2024/9/18に「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」から最終報告を受け取ったので、総括を行い、再発防止策を考え、当事者に謝罪した後でなければ、事業の再スタートを切れない」と明言しました。

    総務環境委員会では、名古屋市情報あんしん条例上の実施機関には議長は入っているが、議員は入っていない。名古屋市情報公開条例では、「松雄副市長が作成した文書は、副市長が職務上作成し、組織的に用いるものであり行政文書に該当する」と明言しました。


    午後に、松雄副市長が出席して経済水道委員会総務環境委員会連合審査会が開催されました。
    松雄副市長は、24/9/24記者ぶら下がり会見で、「当該文書があるかどうかも答えられない。 浅井市議が議会で読み上げられた文書について、もし公開してはいけない文書に当たるものを公開していれば、浅井市議が条例違反になる。実在はしているが、公開しては絶対いかん文書。政策決定にあたっての文書。計り知れない影響が出る」と述べました。
     
    今回、総務環境委員会に黒塗りの文書が提出されました。
    松雄副市長は「私の方から提案したわけではなく、障害者の方から勉強会をしようよといった話があり、意見公開をしてきた。
    どこまで合意、意見の一致ができたかまとめようという文書」「観光文化交流局には申し上げていないが、市長にはいろいろ経過は説明していた。私の単独で実施した」と述べました。

    小出昭二市議(自民)は「恥ずかしい言い訳を聞いている方が辛い。担当局と考え方を共有して進めればいい。どうして裏工作のようなことをしないといけないのか」と述べました。

    横井利明市議(自民)は「差別検証委員会で、市長、副市長、局がバラバラだから混乱につながったと述べている。
    今回の文書の件も、観光文化交流局にもスポーツ市民局にも副市長が伝えなかったのがダメだ。
    どうして人権の検証結果が出るまで待てないのか。どこが謝罪か。」と述べました。

    さわだ晃一市議(公明)は時系列を確認しました。

    時系列まとめ
    ・時期不明 松雄副市長がAさん(経済界)と接触
    ・24/3/29 松雄副市長がBさん(障害者)にメール
    ・24/3/31 Bさん(障害者)が松雄副市長にメール
    ・その後勉強会→松雄副市長が合意書案作成(松雄副市長と署名人ABC)
     Cさん(詳細不明)は勝手に名前を使われる 松雄副市長は会っていない
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-3.pdf

    はじめに障害者(Bさん)にメールを送ったのは松雄副市長というふうに答弁を修正せよと述べました。

    横井市議から、秘密会の提案がなされましたが、秘密会にはなりませんでした。

    佐藤ゆうこ市議(減税)から「黒塗り文書か黒塗りがない文書か、どちらかで統一して議論してもらいたい」と述べ、横井市議は「手持ちの資料まであなたが制約する権限があるのか」と述べました。

    さわだ市議は「エレベーターなり昇降装置なりが最上階まであがると書かないと、A団体B団体C団体納得できない、合意文書として成り立たないとは推測できる。しかし辞める河村市長と意見が全然違う。勝算あったのか。」と述べました。
    松雄副市長は「私自身が障害者の方々の意見を聞いて、同じレベルにたって市長に強く申し上げようと意図していた」と述べました。

    渡辺やすのり市議(自民)は、「先ほどの総務環境委員会の中で、『浅井市議の本会議発言は条例違反ではない』と回答があった。松雄副市長は、浅井市議の発言は条例違反と思っているか」と述べました。
    松雄副市長は「議員が入っていないことが分かったので、浅井市議には申し訳なく思うし、この場で謝罪させていただきたい」と述べました。
    しかし松雄副市長は「(障害者団体と接触、文書案作成)は市の方針に逸脱して行った認識は持っていない」と述べました。

    観光文化交流局長は「局が動けないなか、副市長が動いたと思っているが、困惑している。」と述べました。
    スポーツ市民局長は「検証結果の最後に『市長、副市長、職員間でコミュニケーションを取る』と書いてある。検証の結果と異なると言えるのではないか」と述べました。
    総務局長は「しっかりとコミュニケーションを取って意思疎通ができていることが本来望ましかったのではないか」と述べました。

    小出市議は「(松雄副市長の一連の行動は)謝罪より合意が目的だったのではないか。市長とも相談していたのではないか」と述べました。

    横井市議は「2024年2月議会で、松雄副市長は『検証結果を踏まえた上でないと前に出れない』と答弁した。(実際は)前に出ている。さらに、検証結果では『市長、副市長、観光文化交流局の意思疎通をしっかり』とある。」と述べました。
    松雄副市長は「復元検討委員会にかけるような資料や、整備基本計画のとりまとめや文化庁に提出するなどは絶対いけないと思っていた」と述べました。

    横井市議は「人権検証委員会に対する考え方が、松雄副市長は甘かったと思う。復元のために検証委員会やっていると思っているかも知れないが、失った市の信頼を取り戻すためにやっている」と述べました。

    岡田ゆき子市議(共産)は「松雄副市長は、『完璧な木造化』を曲げない市長がいて、障害者団体に差別発言があり、自分がうまい形で答えを出していかないといけないという責任感があり、それが結果的にさらに溝を作ったという認識はないか」と述べました。
    松雄副市長は「自分の職責を果たしたいという強い思いがあったのは事実。スタンドプレーというふうにいわれても仕方が無い部分もあったと思う」と述べました。

    成田たかゆき市議は「なぜABC団体か。」と質問しました。
    松雄副市長は「Aは経済界、行政の紹介をいただいてお会いした。Bはメールをいただいた方が会っていただきたいと言ったので会った」と述べました。

    成田市議は「Aは明らかに松雄副市長からアプローチがあった。あきらかに主体的に動いている」と述べました。
    松雄副市長は「Aにアプローチをした時期は記憶にない。4月頃だったと思う。Bは、名古屋城総合事務所への回答にメールが載っていたので、送った」と述べました。

    みつなか美由紀市議(共産)は、「勉強会は誰が参加し、何回行ったか」と質問しました。
    松雄副市長は「誰が参加したかは私は関知していない。3回か4回くらいではなかったか」と述べました。

    成田市議は「陰でこそこそやって汚い。人権を名古屋城の御旗の元に全く失った。又混乱を呼んだ。」と述べました。
    松雄副市長は「市長から強い指示も出ていたので、自分が主体的にやらないといけない。結果として議員、市民、障害者に迷惑を掛けたということであれば、局のあがってきたことをチェックしながら、いい方向に進めるような立場に戻りたい」と述べました。

    浅井正仁市議(自民)は「どうしてこの文書が僕のところに来たか。この計画をぶっ潰して欲しかったにきまっている。
    障害者はABとあと複数だけなのか。水面下でこそこそとは嫌だった。また分断を生んだ。障害者の分断を生んだ。
    答弁来るの夜中。毎回夜中の4時5時に僕は市役所から出る。挙げ句の果てに答弁が変わる。あほらしくなってくる。松雄副市長は『私にもやっぱり人権がございます』と発言したが、民主主義、二元代表制の否定。僕の人権はどこにあるのか。」と述べました。

    また、浅井市議は「副市長が作成した文書は、誰が行政文書に当たるのか判断するのか」と質問し、担当課長は「局に下ろされた文書は担当課が管理して判断する。今回は副市長が保有しているので副市長ご自身で判断する」と述べました。
    浅井市議は「そんな馬鹿な話があるか。Cの人は何も知らない。個人情報保護法に抵触するのでは。」と質問し、情報課長は「どういった状況で提供したか個別の状況が分からないので明確に言えない」と述べました。

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    以下感想

    名古屋市長選挙は24/11/10(日)告示、24/11/24(日)投開票です。
    https://www.city.nagoya.jp/senkyokanri/page/0000179690.html

    名古屋城木造復元事業については、市民に公開されていない情報が多すぎます。
    市長候補者も知らない情報がまだまだ埋もれていると思います。

    A,B,C団体とはだれか?だれがいつどのようにアプローチしたのか?AとBと「差別発言を直接受けた人」との関係はどうなっているのか?
    学習会参加者はだれか?松雄副市長が参加していたのに、参加者名をぼやかしたのはどうしてか?

    そもそも、市民説明会「サクラ」疑惑も解決していませんし、市議会の附帯決議を無視してまで木材購入した経緯も不明です。どうして年間1億円の保管費を払うことになってしまったのでしょうか。
    耐震性、耐火性、2方向避難問題をはじめ、資材高騰による竹中工務店との「505億円」協定もどうなるか不明です。

    これだけ市議会が追及しても、文化庁の本音、竹中工務店の本音、MHIの本音が出てきていません。
    名古屋城木造復元に関わった歴代担当者も、いろいろ言いたいことがあるのではないでしょうか。

    新市長は、まず全ての情報を市民に公開した上で、今後どうしていくか判断すべきではないでしょうか。

    ---------
    24/10/11 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第62回)配付資料
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241011-4.pdf

    ---------
    2024年11月2日 水野誠志朗の尾張時代の信長をめぐる
    河村市長がいなくなり、これで名古屋に木造の城が建つことになるのでしょう
    https://plus.chunichi.co.jp/blog/mizuno/article/233/11674/


    24/10/9(水) 名古屋城木造復元事業 自民市議「木材保管料年間1億円は誰のせいか」? 河村市長は明確に答えず

    24/10/9に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋城木造復元事業に対し、2016年度〜2023年度で、88億4780万8000円(うち木材の製材等41億6370万9000円)したことが判明しました。
    浅井正仁市議(自民)が「木材保管料年間1億円は誰のせいか」と河村たかし名古屋市長(当時)に質問しましたが、河村市長は明確に答えませんでした。
    河村市長は指示書について「『そうやって書かないと前に進まない』から書いただけだ。損害賠償請求を河村たかしに出すとか、そういうのはやめてくださいよ」と述べました。

    ・24/10/9 名古屋市議会経済水道委員会配布資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-2.pdf
     
    ・24/10/9 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241009-1.pdf

    ・2015/8/24 指示書 名古屋市長 河村たかし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    経済水道委員会では河村たかし名古屋市長(当時)を呼んで質問しました。
    以下やり取りの抜粋をまとめました。
    ---
    浅井市議「毎年木材の保管料を1億円負担しているのは、そもそも誰のせいか」
    河村市長「木材は当初強制乾燥するつもりだった。今は自然乾燥している」
    局長「当初は乾燥料保管料込みで契約した。竣工期限を越えることもあり、令和4年からだったと思うが保管料は別出しにした。」
    浅井市議「1億ずつ増えていくのは誰のせいか」
    河村市長「誰とも言いようがない。市民集会でああいうことがあって残念だが、一定の結論が出るまで1年かかる。全部市長の責任なら市長の責任だが、議会の皆さんも含めていろんなことがあって遅れたのであればそういうことのせい」
    浅井市議「市長と議会のせいという答えか」
    河村市長「議会は乾燥料を含め議決している」
    浅井市議「議会は附帯付けている。」
    名古屋城総合事務所天守閣整備課長「平成30年6月の定例会附帯決議
    『木材の調達に当たっては、文化庁から与えられた課題を確実に解決し現状変更許可の見通しを立てた上で計画的に行うこと、事業費の上限を500億円とすることは、市民や議会との約束であり、実現に向けて最大限努力をすることでございます。』
    (最後に訂正:上記は党からの要望の誤り)
    (注:令和3年度予算附帯決議
    名古屋城天守閣木造復元にかかる予算については、文化庁の文化審議会において正式に「木造復元」の許可がされた後に執行すること。)
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000137941.html
    浅井市議「市長『全責任は私が取る』と言っていたのはデタラメか。」
    河村市長「例えば1年遅れた、保管料が1億かかることについて私が個人的にその債務というか保証責任を負うと、そういうこととはまた違う。裁判で決着することになると思うが、厳密に誰の過失なんだということはちゃんと証明されてからのことになる」
    浅井市議「ここに指示書があるが、大分ニュアンスがかわる」 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    河村市長「そんなこと言ってたら世の中で市長や知事をやる人は誰もいなくなる。
    某観光文化局長がね、『名古屋城天守はコンクリートで耐震補強をやるという前提で昔進んでいた、そのぐらいのことを言ってもらわなければ、書いてもらわなきゃそれも文章で、進めれんから書いてくれ』ということで、なら良いよって」
    浅井市議「書いてくれって言われたからって書くの、指示書を。そんな軽いもんなの。」
    河村市長「書いてくれないと前に進まん。前に進めんというのであれば書きます。」
    浅井市議「市長の全責任の意味がようやくこれで多分わかって、多分職員の人たちも顎外れたんじゃないかなと思う。

    最後の質問 総事業費505億円の事業で、毎年1億ずつ増える現段階でもう入場料収入でまかなえないのではないか。」
    河村市長「1億円かからないように、これは福祉の皆さんとも、いろいろお話をしながらなるべく早期に着工して、名古屋市民の宝になるように文化の、必死に努力している」
    局長「当初から税金を投入しない形、入場料収入で賄うという収支の方針で掲げて進めてきた。考え方は現在も変わっていない。木材の保管料、職員の人件費が当初に比べて事業費が積み上がっているのも事実。竹中との協定上限505億円を守りながら事業を進めていきたい」
    浅井市議「505億円は竹中に払う金か?」
    局長「竹中との協定の上限が505億円。それ以外もかかっている。そういったことも含めて全て使用料で賄うという計画」

    浅井市議「当初は耐震改修だったが、河村市長が木造復元をいいだして15年が経った。木造復元するためには丁寧な対応が絶対的に必要だと思っている。石垣の保全を含めた完成までのスケジュールについて、ちゃんとその時期、文化庁と協議していたのか」
    河村市長「文化庁に竹中の図面を持っていったとき、素晴らしいと言っていた。課長だったと思う。経済界の人で2020年はええことだという人もいた」
    浅井市議「文化庁はいいとも言っていないし、何のすりあわせもやっていない」
    河村市長「竹中の図面は素晴らしいと文化庁は言っていた。出してくださいよという言葉があったかどうかあれですけど、ぜひ進めてくださいねというのはあったと思いますよ。」

    浅井市議「最近市長は『あとは文化庁に資料を提出するだけ』という趣旨の発言をした。文化庁は名古屋市が資料持ってきたら、復元を認めると言っていいの、そういう意味で言ったの?」
    河村市長「私には電話ですけど自信を持って復元で出してくださいと。ただし、200年後に国宝になるでしょうとしましょうと。だけど200年はいくらでも長すぎるわそれはって言って、そういう会話があったことは事実です。」
    浅井市議「文化庁から言われたのか」
    名古屋城総合事務所天守閣整備課長「令和4年度末でバリアフリーを除いてある程度まとまっていたが、バリアフリーがまとまっていない状況だったので、それを決めた上で文化庁にだす必要があったと認識」
    浅井市議「バリアフリーが最後までネックなんだよね」
    河村市長「ちゃんと理解をいただいてやれば」
    浅井市議「もう資料はできてて、もう出したら、すぐ復元認めてもらえるみたいな言い方じゃ」
    河村市長「自信を持って復元ということでしてくださいか、やってくださいだったかな。」
    浅井市議「文化庁は何階まで持ってこいって言ってんだよ」
    名古屋城総合事務所整備担当課長「文化庁としてはですね、設置階を決めて持ってきてくださいと、整備基本計画に取り込んで持ってきてくださいという解釈ご指摘いただいておりました。」
    浅井市議「だからエレベーターが決まるまで持ってけない。松雄副市長が言ってたのはデタラメ。市長が言ってるのもこれでたらめ。市長本会議で何度もね文化庁の偉い人と話してると言ってる。こないだ衆議院の出馬表明のとき、『衆院議員になったら国の立場で名古屋城の木造復元を支援する』と言っていた。なんで今文化庁の偉い人がおるのにね、今名古屋市長の立場でその人に応援してもらえんの。」
    河村市長「衆議院だったら、文教委員会がある。文化庁令和2年基準を立法化してもいいんじゃないか。超党派でやった方がいいと思うが運動してくる。文化庁のいわば応援団となって頑張るということ」
    浅井市議「名古屋城の木造と関係ないじゃん」
    河村市長「車いすの方も登れるようにすると、中の構造を変えないといけない。障害者差別解消法は合理的配慮しろと書いてある。名古屋城の場合はちょっと違う。別個の価値がある。」
    浅井市議「さっきはエレベーターについては丁寧に理解を得るって言いながら、今は車椅子の人は入れんぞって言っている」
    河村市長「熊野古道にもエスカレーターをつけるのか。犬山城にもエレベーターをつけるのかとなる」
    浅井市議「飛躍しすぎ。本物の国宝の犬山城につけれっこない。今から建てるやつは新築、レプリカ。」
    河村市長「文化庁が令和2年に出したのは、『一旦燃えたやつを復元するようなレプリカであるが反面』と文章続く。職務としては名古屋市長は終わるが、心はというか仕事は名古屋市のために全力を投球します」
    浅井市議「新しい市長さんが、エレベーター付けるって言ったらどうすんの、市長。」
    河村市長「仮定の話しとったってしょうがない。そうならんように全力投球する。5階部分は攻められたときに一番の武将のリーダーはあそこで人みんな集めていわゆる切腹する。エレベーターで多分4割3割4割5割まではいいかと潰れることになる」
    浅井市議「解体申請を行政が打ち出したときに大反対した。本当になくなったら、名古屋城は建てさせてもらえない可能性があるから。
    文化庁は『木造ありきなら一体で出してきなさい』となった。市長は『材木は金がかかるから損害が市民に行く』と言うことを言った。総括してから再発防止策を探ってはじめてやるのか、障害者に説明と謝罪をするのか」
    河村市長「人権問題についてルールを決める。公共建築あるいは民間建築も踏まえて、ハンディキャップのある人が計画段階にも入ってもらって、世界一のバリアフリー都市を造るという提案をきちんとして」
    局長「総括を早急に始めたい。その中で局としての再発防止策も講じる必要がある。それを成し遂げた上で、差別発言を受けられた方に局として謝罪をし、まず受け入れていただく。障害のある方も含めた市民全体に報告をし、市民全体の合意理解を得た上ではじめて対外的なしっかりした検討が再開できると考えている」
    浅井市議「市長と違うんだよね」
    局長「そこはすり合っていると思う」
    浅井市議「どれくらいで作るのか」
    河村市長「私は別天地に行くが、あんまり言わん方がええか」
    局長「現時点で申し上げる段階ではない」
    浅井市議「木が大切なら本物の角櫓を最初に直さなあかんのじゃないの」
    河村市長「天守閣の一番上の5階の耐震値が0.14。ものすごく危ない。浅井さんは木造にして5階の一番上までエレベーターつけたいんでしょう。半分近くが違う構造になっても」
    総合事務所長「今開発している昇降技術は、基本的には柱梁を切断しない形で開発を進めている。フロアの半分とか、4分の1が全てエレベーターになるようなことはないと考える」
    河村市長「重量や防火、防煙。無理ではないか。1000年も引き継いでいかないといけない。社会的任務であって僕はそれを変更する権利はないと思う」
    浅井市議「だったら技術提案やらなければよかった。デタラメなんだよあなたがやったことは。今になってエレベーターいらんなんて、それはMHIに対して失礼だ。俺こないだ見に行った。説明も受けてきた。あなた、見てもいない何にもいない、ただエレベーターが嫌なだけで、あなたがね想いだけで作るんじゃないよ、河村城を作るわけじゃないんだから」
    河村市長「根本的な価値観がちょっと違っている。名古屋城が多分日本で復元できる最後の城。任務がある。それを変更する権利がないと今生きてる人間には。浅井さんみたいに違う人では、どうしようもならいんですよこれは。反対にもう一言、言わしてもらうと、エレベーター無しで本物をぜひ作ってくれと言う人たちはものすごいいる」
    浅井市議「僕を否定する。アンケートでは5階まで付けてくれが一番多い。市長は自分の思い通りじゃないとダメだ。人の意見は聞かない。副市長は勝手に合意文書作った。市長の思いだけでみんな動く。」
    河村市長「市長としての責任がある。選挙の時に提案し、議会も議決をもらってやっている。文化財が燃えたとしても復元を忠実にやった場合は別個の価値が与えられると令和2年に文化庁がそういう基準を作った」
    浅井市議「同じことばかり言われても困る。毎年1億ずつ木材の保管料でかかっている。そっちは言わず、自分の給料だけ言って、これからどんどん増えていく」

    小出昭司市議(自民)「一番の根源的な問題は、平成27年の8月24日の指示書。もし民間企業で社長が社員に対してこの文書を出したら、自分がその職をかけてでもやるんだという意味ですよこれは。そこで市長は何て言いました?僕これが今日一番びっくりしたことです。『そうやって書かないと前に進まないから書いただけだ』職員は無理して全部歯車が狂ってしまう。我々は是正しようとして市長に言っても全然理解してくれない。その結果現在全く動いていない。この発言は、市長は職員を裏切った。」
    河村市長「毎年1億円のお金がかかるようになるという話の中でですね、そういうのをですね例えば損害賠償請求を河村たかしに出すとかね、そういうのはやめてくださいよとそういう意味で」
    小出市議「この言葉を職員の皆さんは信じて命がけでやってきた。病気になった人も幾人か聞いている。そんなことをやってきたのに何だとこの、そんなことだったのかということが今日わかりました。」

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    今後の衆院選、市長選挙の参考にして下さい。

    ※24/10/11に開催された、名古屋市議会経済水道委員会総務環境委員会連合審査会の文字起こし、配付資料は以下で読めます。
    https://ombuds.exblog.jp/30497698/


    24/10/2(水) 千田教授「河村市長が衆院選立候補で、名古屋城はどうなるのか」

    24/10/2に静岡市清水文化会館で開催された「静岡×名古屋の城」で千田嘉博名古屋市立大学教授は「昨日(10/1)に名古屋市長が急に『衆院選に出る』と発言した。名古屋城どうなるのかしら。寝つきが悪い」と述べました。

    ・24/10/2 名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241002.pdf

    本件は、東海大学と名古屋市立大のコラボ企画で、参加者は約250人でした。
    東海大学客員教授の春風亭昇太氏と千田教授がお城談義を行いました。

    千田教授は上記発言ののち、「次の市長がどうなるか」と述べました。


    24/10/1(火) 名古屋城市民説明会 市長特別秘書によるサクラ疑惑 市議会総務環境委員会は市長を呼ぶのを今回は見送り

    24/10/1に名古屋市議会総務環境委員会が開かれ、名古屋城市民説明会における市長特別秘書によるサクラ疑惑について、河村たかし名古屋市長を委員会に呼ぶのは今回は見送ることを決めました。


    ・24/10/1 名古屋市議会総務環境委員会説明資料
     市長特別秘書について
     1 令和6年2月定例会における特別職の秘書の職の指定等に関する条例に係る附帯決議への対応状況について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241001.pdf

    ・24/10/1(火)名古屋市議会総務環境委員会(名古屋城・市長特別秘書関係部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241001-1.pdf
     
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    「市長特別秘書サクラ疑惑」経緯と委員会配付資料

    ・24/3/15(金)名古屋市議会総務環境委員会で、「田中市長特別秘書が
     中川あつし市議(減税)に、2019年12月3日中川文化小劇場で開催した名古屋城木造復元市民説明会でサクラを入れるよう指示した」ことが判明
    ・24/3/19に市議会委員会が附帯決議
    ・24/5/31に市が「総点検」をまとめる
    ・24/7/3に総務環境委員会は河村市長に出席要請を行ったが差し控えたいと回答があった

    ・24/3/15 名古屋市議会総務環境委員会説明資料(追加)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240315-2.pdf
    ・24/3/19(火)名古屋市議会経済水道委員会附帯決議
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240319-1.pdf
    ・24/3/19(火)名古屋市議会総務環境委員会附帯決議
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240319-2.pdf 
    ・24/5/29 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240531-3.pdf
    ・24/5/31(金) 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240531-2.pdf
    ・24/6/6 名古屋市議会総務環境委員会説明資料 市長特別秘書について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240606.pdf
    ・24/6/18 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-1.pdf
    ・令和6年6月13日 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書(増補版)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-2.pdf
    ・24/6/18(火)名古屋市議会経済水道委員会 
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について (追加)
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-5.pdf
    ・24/7/3 名古屋市議会総務環境委員会説明資料 市長特別秘書について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240703-1.pdf
    ・24/9/10名古屋市議会総務環境委員会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910.pdf
     
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    24/10/1委員会の冒頭、杉浦総務局長が「本日、河村市長が衆院選で出馬する意向を固めたとの新聞報道があった。
    私ども当局といたしましても、突然のことで戸惑っている」と述べました。

    特別秘書が、サクラを動員することが「公務」か「公務外」かについて、小木原市長室次長は「市長室として『公務』とさせていただいてるのは、市政に関することでございまして、必ず所管局がある。
    しかし、資料にも書いてあるが、市長がおっしゃってる『公務』は政治活動、選挙活動以外のもので市民のためになること」と述べました。

    服部将也市議(民主)は、「市長は一般的な世間一般に解釈される言葉の使い方と違うので、私は元々かみ合わない」と述べました。

    大村光子市議(減税)は「中川市議は24/3/18総務環境委員会で、『私の事実としては、私は田中特別秘書から連絡があって、それを受けてこのようなメッセージをフェイスブックのメッセンジャーにてサクラの方の顔写真と名前を送付してありますというところからスタートしてあるんですけども、そのサクラという便宜上の言葉は実際、私にとって会場に支持者、支援者を動員していくことは、特段、私にとってはサクラではないんですけど、田中市長特別秘書にとってサクラと指すから、私は便宜上この言葉を捉えて文字として残しております』と述べたが、中川市議ご自身がサクラという意図はなかったと発言をした。
    横井市議のブログを訂正いただきたい」と述べ、
    丹羽ひろし委員長(自民)に「資料について当局との質問なので、とりあえず納めてほしい」と言われました。

    参考:2024年03月18日 横井利明オフィシャルブログ(名古屋市会議員)
     市民説明会にサクラ動員を要請
     http://blog.livedoor.jp/minami758/archives/2586922.html
    ■ 田中特別秘書が中川議員に対して、電話でサクラ動員要請をおこなった後のメッセンジャーでのやり取り(原文まま)
    〇 中川市議
    お疲れ様です。FBのメッセンジャーみて下さい。
    桜の方の顔写真と名前、送付してあります。
    〇 田中特別秘書
    ありがとうございます!確認しました。うまく司会が3人ともに指名できればいいですが。。。しっかり伝えておきます。
    市長へも、中川議員経由でポジティブな質問が増えると伝えておきます。
    開始前にお時間あるようでしたら、市長の控室に来られて、直接伝えてあげてください。
    〇 中川市議
    ありがとうございます。
    ギリギリ会場入りになりそうなんです。
    〇 田中特別秘書
    では私から事前に伝えておきます。
    また終わった後によろしければ控室にお越しください。
    〇 中川市議
    お気遣いありがとうございます。

    佐藤ゆうこ市議(減税)は「ブログに間違ったことが載ってることについてそのままでいるという事はやはり間違ってると思う」と述べました。

    丹羽委員長(自民)は、河村たかし名古屋市長を委員会に呼ぶのは今回は見送ることを決めました。

    -------
    以下感想

    市議会は、河村たかし名古屋市長、松雄俊憲副市長、田中克和市長特別秘書に関する名古屋城木造復元をめぐる各種疑惑、水面下での障害者団体への接触、パワハラ疑惑、市民説明会「サクラ」疑惑の解明を早急にすべきでした。

    しかしながら、自民党の石破新総裁は2024/10/27にも衆議院総選挙を行うと述べ、2024/10/15公示の予定です。
    河村たかし名古屋市長は次期衆院選への立候補を24/10/1に表明しました。
    2024/10/15公示日に立候補した場合、市長は自動失職になります。

    上記疑惑をうやむやにしたまま市長辞職は到底許されません。
    市議会は100条委員会を早急に開くべきだと、当方は常日頃から主張してきましたが、上記を踏まえると、市長不信任決議も視野に入れるべきではないでしょうか。

    また、上記経緯を名古屋市民がどれくらい理解できているか不明です。
    市議会議員は、積極的に情報発信すべきだし、各種報道機関も報道すべきです。

    今後近々に衆院選・市長選が行われる予定です。
    これまでの経緯を踏まえて、有権者として行動すべきだと思います。

    -------

    24/9/30(月) 公明市議「名古屋城木造復元は、河村市長と松雄副市長の2人がいる限り進まない」

    24/9/30に名古屋市議会総務環境委員会が開かれ、名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に関わる検証委員会からの最終報告について議論されました。
    さわだ晃一市議(公明)は「これまで名古屋城木造復元の議論を十何年もやってきて、障害者団体と全く歩み寄れておらず、私は悲観的な見方をしている。
    また、パワハラと受け取られかねない市長・副市長の行動によって、職員との失った関係が直ちに修復できるとは思えない。
    私は無理だと思います。この2人がいる限り、進みません。」と述べました。

    ・24/9/30 名古屋市議会総務環境委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240930-1.pdf

    ・24/9/18
     『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証について(最終報告)
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html

    大村光子市議(減税)は、「パワハラというふうに言われた側の名誉や社会的評価に深く関わる問題だ。市民の皆さんの中にはまだパワハラが断定されてない中であっても、パワハラがあったというふうに認識される方もいると思います。」と述べました。

    佐藤ゆうこ市議(減税)も「実際に憶測で市長がパワハラしたんだってと、それいう言葉が実際に市民の方から飛び込んでいる。
    中途半端な状況で言葉を残すのは公文書に当たるわけなので、片方で人権の話をしていて、これを書くことによって、人権問題そういったことに、私はこの報告書は問題が起きてる。
    ここに書かれた市長副市長についての人権については、特に何らお考えはなかったのか。
    パワーハラスメントハラスメントだけが独り歩きしているというのが事実。
    最終報告書に、調査もしてなくここにその言葉を並べるということはやっぱり受け入れがたい。」と述べました。

    成田たかゆき市議(自民)は「バリアフリー市民討論会の配信をされてなかったら、もしくはもしかしたら隠蔽すらあったのかもしれない。
    私は現場にいなかったし、映像を見るしか、その現実はわからないけど、おぞましい姿光景だ。
    また、人権条例制定のメド、パワーハラスメントの第三者委員会の設置はいつをメドとするのか」と述べました。

    市は「人権条例のメドは立っていない。市民アンケートをする。」と述べるだけで、パワハラについては述べませんでした。

    さわだ市議(公明)は「史実に忠実な復元の解釈の不一致を起こした原因は市長にも責任があると書いてあり、そのずれが最後まで埋まらなかった。
    また、市民理解のための情報提供も不十分、市の本意ではない情報発信がなされた。
    その中で、当然職員の苦悩や葛藤が起きる。
    この流れの中でハラスメントの話しを持っていかないと、逆に誤った印象を与えてしまうことになる」と述べました。

    さわだ市議(公明)は「差別解消条例の改正と人権条例の制定を第三者委員会が提案してくれたが、パワハラで第三者委員会に審査されてる人が提案者になるのは正当性あるのか」とのべました。

    成田市議(自民)は「差別検証委員会の最終報告が明らかになる前の2024年9月初旬には、松雄副市長と3障害者団体の合意書案作成が水面下ではじまっていた。
    今回の松雄副市長の行動は、関係局長、関係副市長誰一人承知していなかった。
    その後の松雄副市長のぶら下がり記者会見で『フライング』と発言があったが、完全にスタンドプレー。
    さらに『浅井議員の扱いは、本市の情報公開条例、もしくは情報安心条例に抵触する疑いがあるおそれがある』とも発言している。
    加えて、『関係団体との交渉が難しくなる』と繰り返していた。
    そもそも今回検証結果が出るまで名古屋城の事業を前に進めないという答弁が議会で去年あった。」と述べました。

    横井利明市議(自民)は「まさに検証委員会の報告が出る直前にこれを全面から否定するようなことが、副市長において行われた。
    名古屋市は組織として『人権よりも城だ』という考えなんだなってわかった。しっかり調べるべきでは。文書を出して議論しよう」と述べ、松雄副市長の参考人制度を用いて委員会に呼ぶことを提案しました。

    丹羽ひろし委員長(自民)は、正副で議論したが、すぐ結論の出る状況ではない、と述べました。

    また、さわだ市議は「総務環境委員会と経済水道委員会の連合審査を調整してもらいたい」と述べました。

    --------
    以下感想

    今回の委員会は3時間15分12秒も議論されていました。
    文字おこしすると約62000字です。
    24/9/30時点では、減税市議を除き、名古屋市議会も市当局も真摯に議論していたのだなあとあらためて思います。

    河村たかし名古屋市長、松雄俊憲副市長、田中克和市長特別秘書は、少なくとも任期中にパワハラ疑惑、市民説明会「サクラ」疑惑の解明をすべきです。

    参考:2019年4月1日 河村たかし名古屋市長定例記者会見
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000115900.html
    (市長)法律に従って、文化庁にも丁寧に説明しまして、それを根底的にですね、頭からひっくり返すようなことは、それはできませんよ、それは。そんな、わやですよ、そうなったら。ということでございます。その旨もきちっとお話をしまして、そういうことなら、みんな切腹と。
    そのかわり私一人では切腹しません。関係者全員切腹です。
    これが認められなかったら。当然になりますよ、市民の皆さんに対して責任をとらないかんじゃないですか。
    (記者)市長はどうなったら切腹ということですか。
    (市長)そんな変なふうになったらですよ。これは本当に木造がつくれんようになって、何かわけがわからんということでとめられたりしたら。それはそういうことじゃないですか。
    (記者)別に間に合わなければという意味ではないということですか。
    (市長)間に合わなければも同じですよ。同じですよ、そんなの。


    24/9/24(火) 名古屋城木造復元 自民市議「差別検証終了前に『副市長が障害者団体と3点合意』文書がある!」

    24/9/24(火)名古屋市議会本会議で、浅井正仁市議(自民)は「24/9/18バリアフリー市民討論会差別検証最終報告提出前に、『松雄副市長が障害者団体と3点合意した』メモが私のところに送られて来た」と発言しました。


    24/9/24 名古屋市議会本会議(名古屋城部分)
    名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240924.pdf

    浅井市議は、「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証について(最終報告)」は報告書だけでなく、ホームページにヒアリング結果や資料も掲載されている。
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html

    職員ヒアリングでは『市長の“切腹しろ”という言葉は、クビというか辞職を含めてのものと受け取った。』『副市長は市長の切腹発言を聞いているだけで止めない。』パワハラが常態化しているところも含めて、『市長の言ってることがわからんのか』『「だったらお前市長に説明してこいよ、お前っ』と記載があった。
    ぜひ弁護士による第三者調査委員会を設置していただきたい。

    また、8月上旬に私のところに『松雄副市長が、昭和区のZという施設にたびたび出入りしている』とメールが来た。
    9月になってから、『特別史跡名古屋城跡、誰もが歴史を体感できる日本最先端のユニバーサルデザインの城にするために』という文書が届いた。
    この文書を松雄副市長は知っているか」と質問しました。

    松雄副市長は「いろんな方とお話する中での、一つの対案を示した、あるいは相談の中身を示したものであって私の文書ではない。
    いくら議員がもらったからといって、公の場で示す、私にもやっぱり人権があるので勘弁していただきたい」と述べました。

    浅井市議は「文書には『いつまでも対話の機会を閉ざし、議論が平行線のまま止まっていては、行政への不信感だけが増幅されるとの指摘を受けたことから、
    対立を乗り越えた日本最先端のユニバーサルデザインを実現するための仕組み作りを構築することに合意した』と書いてある。
    一 障害者団体は復元に反対しない。
    二 名古屋市は天守最上階に登れることを実現する。
    三 名古屋城へのアクセスをバリアの塊と位置付けて、ユニバーサルデザイン検討会議を設置する

    3つ問題点がある。
    @第三者委員会最終報告がなされた24/9/18より前の9月上旬に関係者に流されている。
     人権問題が解決していない段階であたかも障害者団体が合意しているような記述。
     また、名古屋市として人権の総括を行い、再発防止策を含めて検討が終わった後に再開するという決定とも矛盾している。
    A河村市長は本当に最上階まで昇降機を賛成したのか
    B検討会議のメンバーが5名記載されているが、この方たちは承諾したのか

    徹底的に調査すべきだ」と述べました。

    松雄副市長は「障害者団体と合意できるなら合意をしましょうという叩き台のところのお話をしてた」と述べました。

    浅井市議は「水面下でコソコソ会う、それこそが名古屋城のこの差別発言を生んだ、と今回の検証で出ていた。
    新たに部会を作るというが、既存の部会はどう思うのか。
    バリアフリーの検討において、先進事例の調査や報告書の作成などを行うという内容の記述もあるが、費用や委託先はどうなっているのか。
    決まってもいない市の予算を約束するように書かれている。
    文書にはメモが付いていた。
    『合意文書は行政の障害者団体との間で見解の違いで対立することのないよう、これまで話し合いの中で意見の一致を見た事項を網羅的に記載してある。曖昧な合意文にしたくない。Dさんの意見も取り入れてある。
    この合意文書は、可能な限りAさんBさん、Cさんと私との4名の連名にしたいと考えており、団体行政、議会の中で様々な思惑である中で、対立を乗り越え、共同で共生社会をリードそれぞれのリーダーの大方針に示したい。
    BさんCさんにどう接触したら良いか、ご教授願いたい、必要かつ納得する形で速やかに文章修正を行い、しかるべきタイミングでマスコミにオープンな中で、市役所において、Aさん、Bさん、Cさんと私の4名から河村市長宛てに合意文書を手渡し、高いレベルで、建設的対話を再開することにしたことについて広く周知したい。
    また、河村市長の理解を促したい。
    4者の確認が取れたところで速やかに事務方で制度の詳細を詰め、必要な予算を積算したい。』

    この文書に合意者として三つの団体に加えて、市の代表として、市長としてではなく、市長ではなくてね。
    なんで松雄副市長の名前が書いてあるんだろう。
    いつからあなたが名古屋市のリーダーになったんだ名古屋市のリーダーは河村市長でしょ。
    これこそがね市民の分断を生む、障害者団体の分断を生む今の構図、それにあなたが関わった」と述べました。

    ------------
    以下感想

    松雄副市長、その他学識経験者をはじめ、水面下で障害者団体と接触していたと聞いています。
    ただ、少なくとも「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証について(最終報告)」までは木造復元事業を進めないとしてきたのをくつがえすのはいかがなものでしょうか。

    また、障害者団体といっても多数あります。
    数名の障害者団体メンバーが、名古屋市とこっそり合意すればそれで済む、というものではないはずです。

    「名古屋市は天守最上階に登れることを実現する」と口で言っても、何回も指摘していますが、技術的に何階までの昇降が可能かどうか、現在MHIエアロスペースプロダクションに7811万1000円で委託して2027/3/19期限で技術開発してもらっています。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    障害者団体と話すのはそれが出てからでも遅くないのではないでしょうか。

    名古屋城木造復元事業を進めるのであれば、まず以下をクリアするのが必須です。
    @第三者機関による、河村市長・松雄副市長のパワハラ実態調査
    A市長特別秘書の市民説明会「サクラ」疑惑解明
    BMHIの技術開発結果(27/3/19期限)を踏まえた、全ての障害者団体の合意

    名古屋市は本当に「市民に誇れる城」を作るつもりがあるのでしょうか。
    私には、2025年4月までに必ず行われる、名古屋市長選挙前になんらかの形を作ることに汲々としているとしか見えません。


    24/9/25(水) 委員会提出資料について、松雄副市長が市議会委員会で弁明

    24/9/25 名古屋市議会経済水道委員会が開催され、松雄副市長が委員会への提出資料の考え方について弁明しました。


    24/9/25 名古屋市議会経済水道委員会 (名古屋城部分)
    名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240925.pdf

    ---------
    以下感想

    いったい松雄副市長はなにを弁明したのでしょうか。
    資料がなければさっぱり分かりません。

    ・24/9/27現在、2024年6月議会の委員会議事録は市議会ホームページに掲載されていません。
    ・市議会委員会配付資料は、市議会ホームページに掲載されていません。

    ・自由民主党名古屋市会議員団団長(ふじた和秀市議)と3副市長が面談した日時と場所は不明。

    ・24/9/10総務環境委員会で報告された三副市長の共通認識(紙資料無し)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910-1.pdf
    委員会の場は、市民の代表である議員の皆様に、本市の政策事業、市政運営についてご議論いただく極めて重要な機会と認識しております。その委員会での議論を円滑に行うために資料を作成提出させていただいたものであり、その資料は内容の正確性はもちろん、関係する当事者の確認了解が得られたものであることが必要だと考えております。
    さきの名古屋城天守閣の木造復元市民向け説明会に関する総点検は職務執行の公正さに対する市民の信頼を確保する目的で行ったものであり、その方法としては、関係職員の証言による被害がなかったことから、ヒアリング結果を包み隠さず報告するという方針で対応したものです。
    しかしながら、今回このような特別な事情があったとはいえ、議員と職員とのやり取りについて、当事者の一方である議員に確認を取らずに報告書に記載したという点で、正確性の担保が不十分であり、また記載内容としても、委員会資料として提出にするにあたり、適切な判断が行われなかった点があったと考えております。
    副市長として改めましてお詫びするとともに、市として今後このようなことがないよう、全庁に徹底してまいります。

    ・24/6/18 経済水道委員会議事録(名古屋市民オンブズマン作成)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-6.pdf
     
    以下、名古屋市役所市政情報センターでコピーを取ってきました。
    ・24/6/6 名古屋市議会総務環境委員会説明資料 市長特別秘書について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240606.pdf
    ・24/7/3 名古屋市議会総務環境委員会説明資料 市長特別秘書について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240703-1.pdf

    ・24/5/31 経済水道委員会説明資料 名古屋市観光文化交流局 
     名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会の総点検について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240531-2.pdf
    ・24/6/18 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-1.pdf
    ・令和6年6月13日 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書(増補版)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-2.pdf
    ・24/6/18(火)名古屋市議会経済水道委員会 
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について (追加)
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-5.pdf

    ・24/9/10名古屋市議会総務環境委員会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910.pdf
     
    これだけ苦労して資料を入手したり、文字起こししたりして、ようやく松雄副市長が何を弁明したかの基礎資料がわかりました。

    ただ、そもそも3副市長と市議団長が公の場で話をしていれば、「言った言わない」の争いにならないのではないでしょうか。

    多くの自治体では、AIを用いた議事録作成が行われております。
    本会議・委員会では素早く議事録をネットにアップしないと、傍聴者に大変不親切です。
    また、河村市長・松雄副市長は、発言を忘れる()ことが多いので、双方の同意を得て全て録音し、即時文字起こしをしてはどうかと提案します。
    (名古屋市民オンブズマンは2018年から有料スマホ文字起こしアプリを利用していますが、月980円で圧倒的なスピードで文字起こしが出来ます。音声データも収集・再利用されません。)

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    来週以降、総務環境委員会では「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会からの最終報告について、市長特別秘書についてが議論されます。
    真摯な議論になることを期待します。
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    今後の予定

    ・24/9/30(月)10時半〜 市議会総務環境委員会 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会からの最終報告について(スポーツ市民局関係)
    ・24/10/1(火)10時半〜 市議会総務環境委員会 市長特別秘書について(総務関係)
    ・24/10/2(水)18時〜 静岡×名古屋の城(静岡市清水文化会館)
    ・24/10/4(金)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[説明(経済局、観光文化交流局、上下水道局関係)]
    ・24/10/7(月)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(経済局、観光文化交流局関係)]
    ・24/10/9(水)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[総括質疑(経済局、観光文化交流局関係)]
    ・24/10/11(金)11時〜 市議会財政福祉委員会 名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例の改正に関する検討状況について(健康福祉局関係)
    ・24/10/15(火)14時〜 河村市長定例記者会見


    24/9/10(火)「現存名古屋城天守を登録有形文化財に」と呼びかける3つ折りパンフ 完成

    24/9/10(火)名古屋市議会総務環境委員会と経済水道委員会が開催され、経済水道委員会委員長の豊田かおる市議(減税日本)に対して不信任動議が出され、委員長解任されました。


    ・24/9/10名古屋市議会総務環境委員会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910.pdf
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし(市長特別秘書分)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910-1.pdf

    ・24/9/10 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240910-2.pdf
     
    解任理由は、「委員会が大混乱している」ということですが、原因を見ていきたいと思います。

    総務環境委員会は24/7/3に市長特別秘書に関して質疑を行い、河村市長に出席要請を行ったが、出席を差し控えたいとなったままであるとしました。
    また当局に対しこれまでの経過を資料としてまとめるよう要求がありました。
    しかしながら、24/9/10には要求趣旨通りの資料の提出にはいたらなかったと丹羽委員長が報告しました。

    市長室長は「市職員からのヒアリング結果を包み隠さず報告する方針で対応した。しかし、議員と職員とのやり取りについて、議員に確認を取らずに報告書に記載したため、正確性の担保が不十分だった。」と述べました。
    ・24/5/31 経済水道委員会説明資料 名古屋市観光文化交流局 
     名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会の総点検について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240531-2.pdf
    ・24/6/18 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-1.pdf
    ・令和6年6月13日 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書(増補版)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-2.pdf
    ・24/6/18(火)名古屋市議会経済水道委員会 
     名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について (追加)
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/240618-5.pdf
     
    服部将也市議(民主)は「本件について経済水道委員会に説明したか」と質問し、室長は「何の報告もしていない」とのべました。

    丹羽委員長は「経済水道委員会で報告された後、あらためて所管事務調査を行いたい」と述べて閉会しました。

    ------
    同日行われた経済水道委員会で、あらためて「委員会提出資料の考え方」が説明されました。

    浅井正仁市議(自民)は、「自民党団長はこの資料が出てから3副市長と面談したが、松雄副市長は、『適正だ』と言ったと聞いている。なぜ変わったか文書で出してもらいたい」と述べました。

    豊田委員長は浅井委員に対して「紙の資料は今すぐご入り用か」と質問し、田中里佳市議(民主)は「なぜ他の委員会で言われたことがここで波及するのか。もっとちゃんと仕切ってよ」と述べました。

    浅井市議は「委員会の根本も変わるのに、どうやって何をやればいいのか」とし、豊田委員長は暫時休憩を宣言しました。
    その後豊田委員長は「団長と3副市長のやりとりは、確認するのに時間を要するとのことなので、確認取れ次第正副で協議する。
    発言を紙にすることは本日のところは案件ではないので提出しない。局長から謝られた件は詳しく発言を求める」としました。

    浅井市議は「局長が話したこともなぜペーパーで出せないの」とし、豊田市議は「案件ではないので」と繰り返しました。

    浅井市議は「局長が陳謝されても、当事者としてはなかなか納得いかない。
    以前総務課長は『覚悟してます』と述べたが、今回の資料では『もう行いません、3副市長の方針』は納得いかない。」と述べました。

    小出昭司市議(自民)から豊田委員長の不信任動議が出て、起立多数となり、豊田委員長は委員長の職を辞したいという申出がありました。
    その後、北野よしはる市議(自民)が委員長となりました。

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    以下感想

    豊田かおる市議が委員長にふさわしくないのはその通りなのですが、一番の問題は、「市長特別秘書が減税市議を通じて名古屋城市民説明会にサクラを呼んだのではないか」疑惑がはっきりしないことです。

    今回、市職員のみで作る「名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会」は検証報告書を作りましたが、対象は「令和6年3月18日経済水道委員会における答弁調整に関わった職員」6名、「平成28年度から令和4年度に実施した市民向け説明会の運営に関わった当時の観光文化交流局役職者及び市長」23名と、副市長4名、市長特別秘書2名のみです。

    市議にもヒアリングしていませんし、いわゆる「サクラ」当事者にもヒアリングしていません。
    もっと問題なのは、上記「検証部会」が市職員のみで作られており、第三者が関与しておらず、正確性が担保されているか不明であることです。

    河村市長は、総務環境委員会からの出席要請にいまだに応じておりません。

    少なくとも名古屋市議会は100条委員会を設置し「市長特別秘書によるサクラ問題」について、河村市長本人への質疑を行うべきです。

    100条委員会は、証言・若しくは資料提出拒否に対して「6箇月以下の禁錮又は10万円以下の罰金」(地方自治法100条3項)が定められています。
    議会の持つ強力な権限であることは、昨今の兵庫県知事問題に対する100条委員会でも明らかです。

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    今後、24/9/27には名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)の実施に伴う意見聴取会(第11回)(非公開)が予定されています。
    https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kankobunkakoryu/0000178638.html

    上記は「国土交通省直轄工事における技術提案・交渉方式の運用ガイドライン」に基づくとしています。
    https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_000656.html
    価格等の交渉に関し、学識経験者の意見徴収は「必要に応じて実施」とあります。(25ページ)

    「総事業費505億円」として、名古屋市と竹中工務店は「基本協定」を結んでいます。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/takenaka_kihon.pdf

    仮に総事業費が505億円から高くなるとしたのであれば、例え学識経験者が了承したとしても、議会の附帯決議違反となります。

    ・17/3/22 名古屋市会経済水道委員会 附帯決議
     1 名古屋城天守閣木造復元事業を進めるにあたっては、入場者数と収支見込みに対して民間調査会社から長期の予測は不可能であるとの指摘があることから、独立採算による収支相償の財源フレームを堅持するために、入場者数目標の達成に向けてあらゆる努力をすること。
     1 財源フレームの基本的な考え方については、市民の機運醸成を図り寄付金などの募集をするほか、事業の意義について国や県の理解を得て補助金を確保するとともに、市民税5%減税の検証による見直しも含め財源を確保すること。
     1 総事業費505億円については、工期設定の適切な見直しを行うなど大幅な圧縮に努めるとともに、文化庁や優先交渉権者との協議調整状況ならびに仕様や工程および契約内容等について適宜議会への報告を行い、議会に諮りながら進め、あわせて市民の理解を得ながら市民とともに事業を進めること
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170322-4.pdf

    2016年5月に行われた「2万人アンケート」の、505億円という大前提も覆ってきます。
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083689.html

    名古屋市議会は、竹中工務店と名古屋市が価格交渉をどう進めているかを明らかにした上で、100条委員会で河村市長に「どういう経緯でこうなったか」を問いただすべきだと思います。

    ・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf
     
    -------
    ・名古屋城総合事務所 
     名古屋城天守閣木造復元に関する10の質問
     Q9 木造復元には、505億円かかるとのことですが、本当に税金を使わないのですか?
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000103/103023/2-3men_10nositsumon.pdf
     

    24/9/21(土)「現存名古屋城天守を登録有形文化財に」と呼びかける3つ折りパンフ 完成

    「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」は24/9/21に「現存名古屋城天守を登録有形文化財に」と呼びかける3つ折りパンフを完成させました。
    名古屋市民オンブズマン作成資料も掲載されています。
    以下から読めます。
    https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/

    -----
    2025年4月末までには、名古屋市長選挙が必ずあります。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/64-3-2-0-0-0-0-0-0-0.html
    パンフレットが投票行動の参考になれば幸いです。

    ---------
    今後の予定
    ・24/9/24(火)10時23分〜 市議会本会議 日比美咲議員(民主) [22分]
     本市の内部公益通報制度及びハラスメントに関する調査体制について
     11時30分〜 市議会本会議 浅井正仁議員(自民) [24分]
    「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る市職員へのヒアリングを含めた検証の結果と天守閣木造復元事業の今後について(スポーツ市民局、総務局、観光文化交流局)
    ・24/9/25(水)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(観光文化交流局関係)]
    ・24/9/27(金)10時半〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(観光文化交流局関係)]
    ・24/9/30(月)10時半〜 市議会総務環境委員会 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会からの最終報告について(スポーツ市民局関係)
    ・24/10/1(火)10時半〜 市議会総務環境委員会 市長特別秘書について(総務関係)
    ・24/10/2(水)18時〜 静岡×名古屋の城(静岡市清水文化会館)
    ・24/10/4(金)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[説明(経済局、観光文化交流局、上下水道局関係)]
    ・24/10/7(月)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(経済局、観光文化交流局関係)]
    ・24/10/9(水)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[総括質疑(経済局、観光文化交流局関係)]
    ・24/10/11(金)11時〜 市議会財政福祉委員会 名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例の改正に関する検討状況について(健康福祉局関係)
    ・24/10/15(火)14時〜 河村市長定例記者会見


    24/9/18(水)名古屋城バリアフリー市民討論会検証委「史実に忠実な復元の解釈等の市長・副市長・市職員間の不一致」が遠因

    24/9/18に第11回「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」が開催され、最終報告が承認され、河村たかし名古屋市長に手渡されました。
    ・最終報告
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240918.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240918-1.pdf


    市長室で手渡された様子は、市政記者クラブ加盟社と事前登録したジャーナリストに公開されました。
    その後市長室前で河村市長が会見しました。
    ・24/9/18(水)「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(最終報告) 手交後の河村たかし名古屋市長会見(ぶらさがり)
     https://www.youtube.com/watch?v=dGqODemD2TA


    その後、検証委員長の田中伸明弁護士が、市政記者クラブで会見しました。

    ---------
    検証委員会では、まず田中弁護士が中間報告から加筆した部分を説明しました。

    第5 4 市が差別事案に対して適切な対応ができなかった背景・遠因等
     1)『史実に忠実』について 市長、副市長、職員間の解釈の不一致があった
      ・市長は焼失前復元+防災上安全
      ・副市長と職員 防災上安全+バリアフリー
      両者のすり合わせができていなかった
     2)市としての方針を正確に理解してもらうための情報提供の不十分性  
      令和3年11月に市長「より上層階設置」と答弁した。
      公募終え、最優秀案が決まった令和4年11月に市長は「1階又は2階まで」と発言。   
      市職員は選定後も、より上層階への設置を目指した。
      市民討論会アンケートでは「垂直昇降機を設置しない」項目があった。
      市民の側からすれば、
       ・上層階まで設置?
       ・1階又は2階まで?
       ・もう一度0から検討?
      様々な理解が可能になった。
      市民討論会ではあらゆる意見を受け入れるような雰囲気が作られ、激しい意見対立を生む素地を作った。
     3)職員の苦悩と葛藤
      市長と、副市長、市職員の解釈が一致しなかった。
      新技術の公募は市議会で議決され予算つけられた。適切に評価され、最優秀案が決定された。
      十分尊重されなければいけない。
      公募要件は「より上層階までの設置」が含まれる。
      どの階まで設置するかは、今後十分な検討が行われてから行われるべき。
      その中、市長は「1階又は2階まで」と発言し、公募要件とのずれが生じた。
      事業進めていた職員は苦悩と葛藤を抱えた。
      障害者団体にこれまで行ってきた説明を市長の発言を受けてどのように維持していくのか。
      市民討論会で、適切に対応できなかった背景となった。
     4)公募選定後に無作為抽出で行った市民討論会の開催の進め方に問題点があった
      公募選定結果は予算をつけて進められた事業で市長は十分尊重しなければならない。最優秀案が選定されたことが前提。
      市民に意見を聞くなら「何階まで設置するか意見を聞く」べき。
      職員に苦悩、葛藤が起こったのは、いくつもの解釈が可能な情報発信がなされたため。
      どういう目的で市民討論会が実施されたか不明確になった。
      その結果激しい意見対立が生じ、差別発言が生じた。

    その後、再発防止策として、「名古屋市における差別解消推進条例改正」と「人権条例制定」が提言されました。

    杉野みどり副市長は「『第7 おわりに』にメッセージが凝縮されている。市長は、行政機関の長として、職員が誤解しないような表現を使用し、また、市民の誤解や分断を生じさせることがないよう十分に意識した事業運営をされるよう努められたい」と述べました。

    --------
    河村市長はぶらさがり会見の中で、「最終報告の中に、『市長や所管副市長の言動をパワーハラスメントと感じる職員が生じる』とあったが、私がパワハラをやることはあり得ない。自身の『パワハラと受け止められない発言』については、第三者委員会による検証を求めたい」として、愛知県弁護士会に連絡して協議を始めたとしました。
    https://www.youtube.com/watch?v=dGqODemD2TA

    その他は全くこれまでの発言と変わっていません。
    本当に最終報告を読んだのかもわかりません。
    -------
    検証委員会を傍聴していた、車いす障害当事者は「市職員の人権意識が低すぎる。河村市長が市長である限り変わらない。今後作る建物は障害者団体の意見を聞くことになったが、、、」と述べました。
    -------
    以下感想

    中間報告を読んだときも感じたのですが、「どうして無理のあるスケジュールで市民討論会を行ったのか」分かりませんでした。

    ・2024年 02月 14日 市民オンブズマン事務局日誌
     名古屋城バリアフリー市民討論会検証中間報告「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」
     https://ombuds.exblog.jp/29876619/

    24/9/18河村市長ぶらさがり「本物の名古屋城を求めるのも人権」というのも全く意味不明です。

    最終報告では「市長と副市長、職員の間の『史実に忠実』に対する解釈の不一致があった」とありますが、市長の発言が、発言時期で違うどころか、1つの記者会見の中でもころころ変わるので、なにをどうすればよいか全く分かりません。
    (24/9/18河村市長ぶらさがりで、結局河村市長は昇降技術を何階までと言っているのでしょうか。
     業者には聞いていない、「その筋の人に聞いた」と、また「河村話法」です。)
     
    さらに、最終報告では「議会で議決した新昇降技術を前提として市民討論会で議論すべきだった」としていますが、
    そもそも小型昇降技術は人権侵害で差別であるとする日弁連の要望は全く無視しています。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html

    「無作為抽出」に基づく討論は、河村市長の発言とは異なり、日本各地ですでに何度となく行われており、OECDで示された「ミニ・パブリックス」活用ガイドラインでは11項目示されていること、本市民討論会は少なくともB透明性、E情報、Fグループ討論、G時間、H高潔さ、J評価に反していることを、討論会開催前の23/5/24時点で名古屋市民オンブズマンは指摘しています。
    https://ombuds.exblog.jp/29581406/
    それらに対して特段のコメントはありませんでした。

    最近、兵庫県知事をはじめ、首長や議員からのパワハラが相次いでいます。
    実行性のある人権条例を作るなら、第三者機関による河村市長、松雄副市長のパワハラ発言検証を行った上で、先進的な条例にすべきです。
    https://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/114_jinken.htm
    ・厚生労働省 あかるい職場応援団
     https://www.no-harassment.mhlw.go.jp/foundation/definition/about
     職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる@優越的な関係を背景とした言動であって、A業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、B労働者の就業環境が害されるものであり、@からBまでの3つの要素を全て満たすもの

    上記問題はあるものの、最終報告はこれまでの経緯や問題点がまとまっています。
    少なくとも最終報告を名古屋市内1,156,744世帯に全戸配布した上で、障害者差別解消の推進に関する条例の改正、実行性のある人権条例の制定を経て、2027/3/19までに開発される予定である、MHIによる新昇降技術で何階まで登れるかが明らかとなった後、障害者団体と上記を前提とした話し合いがまとまってから、名古屋城木造復元を進めるべきだと思います。

    上記があと何年かかるか分かりません。上記話し合いがまとまるかどうかも分かりませんし、そのときの市長が誰なのかも分かりません。

    市議会の附帯決議に反して河村市長が購入した木材は約40億円、保管料が年間1億円かかっています。
    河村市長は「全責任は私が取る」という書類に印鑑を押しています。
    ・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    このまま見通しもなく名古屋城木造復元を進めるのがよいのか、他の道があるのかは、遅くとも2025年4月までに行われる名古屋市長選挙の争点とするべきです。

    --------
    「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000174220.html

    ---------
    今後の予定

    ・24/9/21(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
    ・24/9/25(水)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(観光文化交流局関係)]
    ・24/9/27(金)10時半〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(観光文化交流局関係)]
    ・24/9/30(月)10時半〜 市議会総務環境委員会 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会からの最終報告について(スポーツ市民局関係)
    ・24/10/1(火)10時半〜 市議会総務環境委員会 市長特別秘書について(総務関係)
    ・24/10/2(水)18時〜 静岡×名古屋の城(静岡市清水文化会館)
     https://www.nagoya-cu.ac.jp/event-list/20240801/
    ・24/10/4(金)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[説明(経済局、観光文化交流局、上下水道局関係)]
    ・24/10/7(月)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(経済局、観光文化交流局関係)]
    ・24/10/9(水)10時〜 市議会経済水道委員会 付議議案審査[総括質疑(経済局、観光文化交流局関係)]
    ・24/10/11(金)11時〜 市議会財政福祉委員会 名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例の改正に関する検討状況について(健康福祉局関係)

    24/9/2(月)河村市長「名古屋城は木をみんな切ったからなるべく早く木造復元しないと市民に損害を与えることに」

    24/9/2(月)河村たかし名古屋市長は定例記者会見で名古屋城木造復元について問われ、「名古屋城は木をみんな切ったからなるべく早く(木造復元)しないと市民に損害を与えることに(なる)」と述べました。


    ・24/9/2(月)河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240902.pdf

    河村市長は「木造復元に関しての議会の議決を受けている。
    市民の期待も極めて大きい。差別発言の検証委員会の報告書はきちんと読まさせていただく」と述べました。
    また、バリアフリーについては「小型昇降機を地階から1階までというのは基本的には変わっていない」と述べました。

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    今回も、典型的な『河村話法』です。
    もう皆さん慣れてきたので、具体的に指摘できますか?

    名古屋市議会経済水道委員会は、「木材は文化庁文化審議会で正式に『木造復元』の許可を得てから購入すること」と附帯決議をあげています。

    ・21/3/18名古屋市議会経済水道委員会 附帯決議
     「名古屋城天守閣木造復元に係る予算については、文化庁の文化審議会において正式に『木造復元』の許可がされた後に執行すること」
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/210318.pdf

    それを無視して木材を購入したのは河村市長です。
    議会は何回も「附帯決議を無視するな」と指摘しています。

    にもかかわらず「早く木造復元しないと市民に損害を与えることになる」というのは、どの口が言うのでしょうか。
    実際、河村市長は「自分が木材購入したせいで市民に損害を与えた」ことに気付いているのだと思います。
    気付いていなければ市長失格です。

    木材については、すでに購入が約40億円、保管料が年間1億円です。

    幸い(?)なことに、河村市長は「全責任は私が取る」という書類に印鑑を押しています。

    ・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    差別発言の検証委員会の最終報告が2024年9月中に出されるとのこと。
    どのような報告がなされるか分かりませんが、河村市長がどのように「全責任を取る」のか注目したいです。

    また、大村秀章愛知県知事は19/6/24に「100億円以上が全損になるおそれがある。市議会は例えば百条委員会をやるなどして事実解明をしっかりやる」と述べています。
     https://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2
    差別発言に限らず、名古屋城木造復元をめぐっては通常では考えられない行政のやり方が行われています。
    今こそ市議会の出番です。

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    今後の予定

    ・24/9/6(金)13時半〜 第1回名古屋市障害者施策推進協議会(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kenkofukushi/0000177462.html
    ・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
     城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000176066.html
    ・24/9/9(月)10時半〜 第1回名古屋城三の丸地区まちづくり構想有識者懇談会(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/jutakutoshi/0000178263.html
    ・24/9/10(火)13時半〜 名古屋市議会総務環境委員会
     (2)市長特別秘書について(総務関係)
     https://www.city.nagoya.jp/shikai/category/324-3-0-0-0-0-0-0-0-0.html
    ・24/9/11(水)13時半〜 令和6年度第2回名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/kenkofukushi/0000177421.html
    ・24/9/12(木)14時〜 第10回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2024/sportsshimin/0000177907.html
    ・24/9/21(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
    ・24/10/2(水)18時〜 静岡×名古屋の城(静岡市清水文化会館)
     https://www.nagoya-cu.ac.jp/event-list/20240801/

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    24/9/2(月) 18:32配信 the PAGE 関口威人/nameken
    名古屋城天守木造復元「なるべく早いとこせんと」 差別発言問題の検証まとまる見通し受けて河村市長
    https://news.yahoo.co.jp/articles/eca0751e0f407b2f47f7db899da58061f262623d
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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/
     

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