24/9/2(月)河村市長「名古屋城は木をみんな切ったからなるべく早く木造復元しないと市民に損害を与えることに」
24/9/2(月)河村たかし名古屋市長は定例記者会見で名古屋城木造復元について問われ、「名古屋城は木をみんな切ったからなるべく早く(木造復元)しないと市民に損害を与えることに(なる)」と述べました。
・24/9/2(月)河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
河村市長は「木造復元に関しての議会の議決を受けている。
市民の期待も極めて大きい。差別発言の検証委員会の報告書はきちんと読まさせていただく」と述べました。
また、バリアフリーについては「小型昇降機を地階から1階までというのは基本的には変わっていない」と述べました。
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今回も、典型的な『河村話法』です。
もう皆さん慣れてきたので、具体的に指摘できますか?
名古屋市議会経済水道委員会は、「木材は文化庁文化審議会で正式に『木造復元』の許可を得てから購入すること」と附帯決議をあげています。
・21/3/18名古屋市議会経済水道委員会 附帯決議
「名古屋城天守閣木造復元に係る予算については、文化庁の文化審議会において正式に『木造復元』の許可がされた後に執行すること」
それを無視して木材を購入したのは河村市長です。
議会は何回も「附帯決議を無視するな」と指摘しています。
にもかかわらず「早く木造復元しないと市民に損害を与えることになる」というのは、どの口が言うのでしょうか。
実際、河村市長は「自分が木材購入したせいで市民に損害を与えた」ことに気付いているのだと思います。
気付いていなければ市長失格です。
木材については、すでに購入が約40億円、保管料が年間1億円です。
幸い(?)なことに、河村市長は「全責任は私が取る」という書類に印鑑を押しています。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
差別発言の検証委員会の最終報告が2024年9月中に出されるとのこと。
どのような報告がなされるか分かりませんが、河村市長がどのように「全責任を取る」のか注目したいです。
また、大村秀章愛知県知事は19/6/24に「100億円以上が全損になるおそれがある。市議会は例えば百条委員会をやるなどして事実解明をしっかりやる」と述べています。
差別発言に限らず、名古屋城木造復元をめぐっては通常では考えられない行政のやり方が行われています。
今こそ市議会の出番です。
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今後の予定
・24/9/6(金)13時半〜 第1回名古屋市障害者施策推進協議会(市公館)
・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
・24/9/9(月)10時半〜 第1回名古屋城三の丸地区まちづくり構想有識者懇談会(市公館)
・24/9/10(火)13時半〜 名古屋市議会総務環境委員会
(2)市長特別秘書について(総務関係)
・24/9/11(水)13時半〜 令和6年度第2回名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
・24/9/12(木)14時〜 第10回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
・24/9/21(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会 市政資料館
・24/10/2(水)18時〜 静岡×名古屋の城(静岡市清水文化会館)
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24/9/2(月) 18:32配信 the PAGE 関口威人/nameken
名古屋城天守木造復元「なるべく早いとこせんと」 差別発言問題の検証まとまる見通し受けて河村市長
今回の現地説明会参加者が、「城主は、危急時には二之丸西側にある埋門を降りて南波止場から舟にのり、対岸の北波止場について土居下を通って大曾根方面に逃げると聞いたが」と述べたところ、調査研究センターの学芸員らしき人が「上記は御土居下同心の口伝でしかなく、文献がほぼ残っていないためはっきりしたことはわからない。
二之丸から東側を通れば陸続きで対岸の北波止場方面に行ける。北波止場がある下御深井御庭(現在の名城公園)には特に防御施設がなく、危急時に下御深井御庭を敵が占領したら、脱出経路にはならない」という説を述べました。
2024/8/10-18は名古屋城夏祭りが開催されており、多数の来城者でにぎわっていましたが、残念ながら二之丸には、話を聞いた現地説明会参加者しかいませんでいた。
2024/8/15 17時に南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)に伴う政府としての特別な注意の呼びかけの終了したからか、特に「万一に備えて石垣や建物からは距離を取ってご観覧ください」看板は見つかりませんでした。
県市の 考え方 (市)愛知県体育館撤去後の跡地利用につきましては、「特別史跡名古屋城跡保存活用計画」において、二之丸御殿・向(むこう)屋敷の復元整備や地下遺構の表示など特別史跡にふさわしい整備を行い、往時の空間を偲ぶことができる場にしていくものとしています。
24/8/10(土)千田教授「現名城公園地下には、兼六園に匹敵する庭園が埋まっている」
24/8/10(土)に名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)「名古屋城と庭園―日本の歴史と文化の象徴―」が開催されました。
千田嘉博・名古屋市立大学教授は「現名城公園地下には、兼六園に匹敵する庭園『下御深井御庭』が埋まっている。名古屋市は名城公園を埋蔵文化財包蔵地に指定し、発掘調査のうえ、水堀と江戸時代にあった大庭園空間を舟に乗ってだれでも体感できるようにしてもらいたい」と述べました。
・24/8/10 令和6年度名古屋市立大学寄付講座(近世名古屋学)「名古屋城と庭園 日本の歴史と文化の象徴」
名古屋市民オンブズマンによるメモ(途中から パソコン故障のため概要)
(配布資料は特にありません)
今回定員は800人でした。会場は8割がた埋まっていました。
担当者に聞いたところ「応募者数の具体的数字は言えないが、応募があった人全員に当選連絡をした」とのこと。
写真撮影・録音録画は禁止されました。
はじめに堀内亮介・名古屋城調査研究センター学芸員から、二之丸庭園と下御深井御庭について、最新の発掘調査と絵図調査の成果が発表されました。
堀内学芸員は「二之丸庭園は、藩主が日常過ごす内向きの場。下御深井御庭は藩主が狩猟、舟遊びを行い、接待も行った。焼き物も焼いていた。殿様のための憩いの場だった。
名古屋城には兼六園、後楽園に匹敵する庭があった」と述べました。
続いて千田教授は「戦国時代、京都に税金を納めなくなってから、各地で庭を作るようになった。大名にとって庭は重要な場となった。
『会所』という建物から庭園を眺めた。
名古屋城の下御深井御庭は広大だったが、現在、北側は新愛知県体育館、東側は愛知学院大学等ができて壊滅した。
ただ、現在の名城公園の地下には、庭園や池の中心部分など、大事なところは残っているはずだ。
兼六園、後楽園とほぼ同じ大きさがある。
金沢城では、兼六園より古い時代に作られた『玉泉院丸庭園』があったが、1970年に石川県体育館を建てた。
2020年、体育館移転に伴って発掘調査を行い『玉泉院丸庭園』をよみがえらせた。
愛知県は新愛知県体育館建設に伴って発掘調査を行い、埋蔵文化財を見つけた。
にもかかわらず名古屋市は、名城公園を埋蔵文化財包蔵地に指定していない。
下御深井御庭を元通りに整備するかは政治的決断力が必要だが、まずは遺跡を守るべきだ。
巨大庭園を再現し、誰でも体験できれば、名古屋に住んでいると自信をもって言えるようになる」と述べました。
続いて、原史彦・名古屋城調査研究センター副所長補佐と、鈴木昌哉・中土木所長(前名古屋城保存整備室長)と千田教授による対談が行われました。
原副所長補佐は「名古屋城に二之丸庭園があることを、多くの人が知らない。ましてや名城公園に下御深井御庭があったとはほぼ知られていない」と述べました。
千田教授は「名古屋城は、天守、石垣、本丸御殿が人気スポットだが、御庭が忘れられている。本来の実力を発揮していない。」と述べました。
鈴木所長は「名古屋市は何もやっていないわけではない。
二の丸庭園の北池の東側半分は陸軍に壊されたと思われていたが、発掘調査を行なったらきちんと護岸が残っていた。
池の中の飛び石も絵図の通りに残っていた。それで二の丸庭園つくっていこうとなった。
文化財は『保護』と『活用』と言われているが、文化財の『活用』とは、『正しく知ってもらうこと』である。見えてない文化財、発掘する意義はある。
『公園』は明治の初めに太政官布達で『万人偕楽ノ地』と定められた。
『庭園』は大名の屋敷で自然の縮図として作られた。庭園は庭園が主役。」と述べました。
原副所長補佐は「名古屋城(本丸・西之丸・御深井丸)は1930年に宮内省から名古屋市に下賜され、1931年に市民に一般公開した。市民に開放されて93年がたつ。
にもかかわらず、二之丸庭園は特に旅行会社に知られず、ほぼ行かれない。
名古屋城滞在時間は平均1時間-1時間半だ。
金沢城も以前は金沢大学があったが移転し、現在は滞在時間が伸びた」としました。
千田教授は「二の丸庭園にある栄螺山はさくやひもでくくられている。
特別の許可を得て登ると、全然景色が違う。活用方法を考えてほしい。
また名古屋城総合事務所は、現在水堀を舟でめぐるルートを研究しているが、それだけなら他城でも行っている。
発掘調査の結果、二之丸側に殿様が舟に乗った発着口があったことが分かった。堀の西側にも舟を止めた波渡場があった。
従来なかった北側、西側、東側の水堀と大庭園空間を舟に乗りながらだれでも体感したい。
今日この会場に来た人は、全員下御深井御庭の復元に賛成した」と述べました。
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参考:金沢城公園 玉泉院丸庭園
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今後の予定
・24/8/17(土)名古屋城南波渡場発掘調査現地説明会
・24/8/19(月)10時半〜 河村たかし市長定例会見
・24/8/22(木)15時〜 令和6年度第2回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会
・24/8/24(土)14時〜 名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 例会
・24/8/24(土)18時半〜 特別対談企画「名古屋城論争の落とし穴」
・24/9/6(金)13時半〜 第1回名古屋市障害者施策推進協議会(市公館)
・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
・24/9/11(水)13時半〜 令和6年度第2回名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
・24/10/2(水)18時〜 静岡×名古屋の城(静岡市清水文化会館)
24/8/7(水)名古屋城天守台・周辺石垣保存対策 全体整備検討会議でおおむね承認
24/8/7(水)特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第61回)が開催されました。
長年懸念されていた「天守台及び周辺石垣の保存対策」について、おおむね承認され、文化庁への現状変更許可申請を認めました。
・24/8/7(水)特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第61回)配布資料
名古屋市民オンブズマンによるメモ
大小天守台・周辺石垣は、空襲の被熱ならびに地震等で劣化しており、早急に保存対策が必要です。
今回示されたU65石垣(大天守北対面)の具体的な対策は以下です。
・間詰石の締め直し、補充
・築石間の空隙の充填
・築石間の鉄筋挿入
・袋に詰めた小石等による対策
・破損石材の修理
名古屋城総合事務所は「今回保存対策をし、何十年かわからないが観察を行う。その後劣化が激しいとなれば、積みなおしを行うかもしれない」とのこと。
他石垣面についてはさらに慎重に検討を重ね、有識者に諮りながら順次保存対策を進めるとのこと。
その他、西北隅櫓付近のボーリング調査をすることも提案され、今後部会で詳細が諮られます。
水堀の活用については、船着場の整備方針案が示されました。
バリアフリー対策や安全対策について検討し、再度全体整備検討会議に諮られることになりました。
報告事案として、園内サイン改修について出され、名古屋城総合事務所は「去年1年間城内のサイン調査を行い、現状を把握した。老朽化していたり、意匠がバラバラだったサインを統一したい。すでにコンサルに今年度発注済み」といきなり報告しました。
副座長の丸山宏・名城大学名誉教授は「サインを統一するのは結構な話だが、『報告』ではなく、現状を示して『計画』を提案してもらいたい。」と述べました。
三浦正幸・広島大学名誉教授は「サイン計画について、通常はどの位置にどの種類の看板を設けるか、平面図を出して提案する。
また案内板に何を書くか、『図版等整備基本委員会』で内容を見てもらって諮る。看板が設置された後『内容がおかしいのでは?』となると税金の無駄遣いだ」と述べました。
最後に、オブザーバーの平澤毅・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「たくさんの事業計画が諮られたが、全体としてどういう位置にあり、どういう関係かわかりにくかった。毎回全体図をつけていただいた方がよい。
また、公園のサインであれば『何とか広場はここ。こっちに行けばよい』でよいが、『名古屋城のなにをどう伝えていくのか』は全体整備検討会議の重要な主題の一つ。
次回具体的な提案していただき、
・今はこうだがいらないものもある
・ここはこういうことを伝えた方がいい
という議論をしていただきたい」と述べました。
オブザーバーの岡田邦裕・愛知県県民文化局文化部文化芸術課文化財室室長補佐は「石材の劣化が激しいU65石垣以外でも、全体的な石垣保存対策が石垣部会でも保存方針が議論されている。ぜひとも計画的に議論をお願いしたい」と述べました。
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以下感想
大小天守台・周辺石垣の保存対策がようやくまとまりました。
U65石垣について早急な対策を望みます。
一方、大小天守西対面石垣であるU66、「鵜の首」S10については、「優先的に保存対策を行うこととする」とありますが、今回は具体的な検討がされませんでした。
「鵜の首」については、以前から極めて危険だと石垣部会で指摘され続けてきています。
「来場者動線沿い」なので、ほかの事業を行うより先に、優先して保存対策をすべきではないでしょうか。
名古屋城総合事務所の職員、予算も限られています。
2024年7月松山城土砂崩れを見るまでもなく、「最優先は人命・安全」であることを肝に銘じてもらいたいです。
また、21/3/25午後、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第23回)で、三浦正幸・広島大学名誉教授は「『被熱によって表面がはがれかかった石材は、必要措置を講じる』と限定修飾語を用いてはどうか。記載の通りだと、自らの首を絞めるようなもの。天守閣石垣の表面の被熱と劣化をすべて直すと、それだけで5年くらいかかりそう」と述べました。
早急な対応を求めます。
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また、園内サイン改修について、全体整備検討会議にも諮らずに「去年実は調査していた」と述べたことは、「名古屋城総合事務所の体質が全く変わっていない」と印象を受けました。
名古屋城総合事務所は20/3/5に、名古屋城重要文化財等展示収蔵施設外構工事に伴い、特別史跡の遺構(石列)をき損したと発表しました。
その際も、事前に全体整備検討会議に工事を諮っていなかったことが大問題になりました。
別に全体整備検討会議に隠すようなことではないし、むしろ堂々と行って承認をとって行えばよいのに、なぜかこそこそと事業を行うのはどうしてなのでしょうか。
サイン改修について、「見やすく」するのは当然ですが、「年齢、国籍、障害の有無、来場目的の違いなど」コンサル任せにするのではなく、当事者の声を聴いて作り上げることも大事なのではないでしょうか。
また、名古屋城総合事務所は「新規掘削を行わない」方針ですが、本当に良いサインを作るのであれば、文化庁への現状変更許可申請を行っても、「新規掘削を行った上でのサイン改修」を検討してはどうかと思います。
よりよいものを作り、来城者に楽しんでもらえるようにするのが真の目的だと思います。
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最後に平澤文化財調査官が「各事業の全体の位置づけが分かりにくかった」というのは、岡田愛知県室長補佐の「全体的な石垣保存対策が石垣部会でも保存方針が議論されている。」に対応しているのではないでしょうか。
24/8/5に開催された、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第61回)では、文化庁からだれもオブザーバーは参加せず、愛知県県民文化局文化部文化芸術課文化財室のオブザーバー参加はありました。
その2日後に開かれた今回の全体整備検討会議では、石垣・埋蔵文化財部会の議論は全く報告されませんでした。
どうしてこのような風通しの悪さが続くのでしょうか。
名古屋城総合事務所の体質を一言でいえば「殿様商売」。
今の名古屋城総合事務所に、特別史跡名古屋城跡の管理をこのまま任せていていいのか疑問に感じました。
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今後の予定
・24/8/10(土)14時〜 名古屋市立大学寄附講座
「名古屋城と庭園」−日本の歴史と文化の象徴―
講師 堀内亮介(名古屋城調査研究センター学芸員)
講師 千田嘉博(名古屋市立大学 教授)
・24/8/19(月)10時半〜 河村たかし市長定例会見
・24/8/24(土)14時〜 名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 例会
・24/8/24(土)18時半〜 特別対談企画「名古屋城論争の落とし穴」
・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
24/8/5(月)名古屋城内石垣保存方針 2年間で策定へ
24/8/5に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第61回)が開かれました。
名古屋城総合事務所は、名古屋城内石垣保存方針を2025年度中に策定する方針を示しました。
・24/8/5 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第61回)配布資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
名古屋城内には近世・近代に築造された石垣が全358面ありますが、地震時に安全性が懸念される石垣があり、石垣カルテを作成中です。
その後、予備診断を行い、評価を行ったうえで、維持保全、修復整備、計画等の検討を行うこととしています。
宮武正登・佐賀大学教授は「現在の導線、将来の導線を踏まえて対応を検討すべきだ。
人が近づくのか、そうでないかを割り出しが必要で、優先順位が出てくる。
『離す』『ネットをかける』『立ち入り禁止にする』など対応が可能になる。
また、修理した履歴についてはこだわった方がいい。
2024年1月能登震災時、崩れた石垣の多くは江戸中期以降に修理されたもの。」と述べました。
千田嘉博・名古屋市立大学高等教育院教授は「名古屋城内石垣保存方針を2年間で策定するというが、石垣部会開催予定回数が少なく、たどり着けるのか。
2024年7月だけでも、伊予松山城で大規模土砂崩れが発生し3名が亡くなった。
鳥取城、彦根城でも石垣崩れ、上田城もがけ崩れが発生した。
昨今気候変動を踏まえると、市民やお客さんの安全をどう確保するかが非常に大事になる。
今後文化庁の基準に従って点数をつけると、枡形や本丸御殿の横、鵜の首は厳しい結果となると想定される。
基礎診断をしたら、『危険だとわかっていたのに対応をしなかった』と言われかねない。
伊予松山城では真に対策が必要で『文化庁などの手続きを飛ばしてでも対策をやるべきだった』という指摘もある。
名古屋城総合事務所としては逃げ場がなくなる調査だ。」と述べました。
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以下感想
名古屋城小天守閣の西側通路、「鵜の首」は、以前から極めて危険だと石垣部会で指摘され続けてきています。
「堀を内側に入れこみ道幅を狭くした」鵜の首は『石塁』であり、構造上地震時や大雨時に崩れやすくなっています。
しかも、鵜の首東側石垣の一部は『濃尾地震後の石垣』とのこと。
「鵜の首」は、天守閣木造復元時は、最大25kPaの車両荷重をかける計画です。
地震時、観覧者の通行すら危ないとされている鵜の首。「木造復元時に工事車両を通行させる計画だから、現在も来場者の通行を禁止できない」と名古屋城総合事務所が考えているのであれば、本末転倒です。
伊予松山城では、大規模土砂崩れが発生する前に、通路に亀裂が見つかっていたとのこと。
2023年10月には松山市は「史跡松山城跡樹木管理計画」を策定し、今回土砂崩れが発生した北側林縁について「今後、より一層の防災・安全対策が求められている」と述べていました。
人命が失われてからでは遅すぎます。
名古屋城総合事務所には早急で適切な対応を求めます。
人命優先にもかかわらず、なぜか名古屋市は木造復元を掲げ続けています。
もっと先にすべきことがあるのではないでしょうか。
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2024/08/02/ 06:00 AERA.dot
松山城の足元を襲った土砂崩れ 被災した高級マンション住民に募る「松山市の人災」への憤り
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今後の予定
・24/8/7(水)14時半〜 名古屋市公館
第61回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議
・24/8/10(土)14時〜 名古屋市立大学寄附講座
「名古屋城と庭園」−日本の歴史と文化の象徴―
講師 堀内亮介(名古屋城調査研究センター学芸員)
講師 千田嘉博(名古屋市立大学 教授)
・24/8/24(土)14時〜 名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 例会
・24/8/24(土)18時半〜 特別対談企画「名古屋城論争の落とし穴」
・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
24/7/30(火)名古屋市障害者差別解消推進条例改正案 「市が当事者」も相談・申立等対象へ
24/7/30に「令和6年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議」が開催され、「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」の一部改正(案)が示されました。
23/6/3に名古屋市が開催した「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案を踏まえ、「差別事案の当事者が市の場合も、差別相談の対象となること、また、助言又はあっせんの申立て、措置の求め、勧告等の対象に含まれることを、条例に追加する」ことを明記しました。
さらに、市の責務、市職員の責務を明記しました。
・24/7/30 令和6年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議 配布資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
田嶌仁美健康福祉局担当局長は、冒頭のあいさつの中で「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事象に係る検証委員会の中間報告では、市職員の差別発言への問題意識の欠如が指摘された。
心のバリアフリー、『意識のバリアフリー』が必要だ」と述べました。
担当職員は、今後障害者団体連絡会、障害者施策推進協議会に条例案を提示し、2024年11月パブコメを行った後、2025年2月に議会に条例案を提示して2025年4月施行を考えているとしました。
入谷忠宏・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局長は「改正案をどう周知するのか。意味が分からないと絵に描いた餅になる。また、差別相談センターには障害当事者が1人しかいない」と述べました。
名古屋市健康福祉局障害企画課は「講座や広告などで啓発を含め行う予定」としました。
その他、学校教育で、身体障害に限らず障害者教育を行うことが提案されました。
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以下感想です。
名古屋市には「障害者差別相談センター」があり、差別相談を行っております。
これまでは名古屋市内の民間事業者から「差別された」と感じたら相談に乗っていました。
(市内の行政機関による差別に関する相談も受け付けています)
名古屋市内のどれくらいの人が「障害者差別相談センター」の存在を知っているでしょうか。
今回、条例が改正され、助言又はあっせんの申立て、措置の求め、勧告等の対象に含まれることになっても、制度が知られていなければまさに「絵にかいた餅」です。
さらに、「障害者理解の更なる促進」をうたってはいますが、条例が改正されれば、二度と「名古屋城バリアフリー市民討論会」での市民からの差別発言が起こらなくなるのでしょうか。
学校教育をしても、すでに教育課程を卒業している人は対象となりません。
市職員の対応は改善されるかもしれませんが、それ以前の差別発言をやめさせるにはどうすればよいか。
24/2/16名古屋市議会総務環境委員会で、横井利明市議(自民)は「『▲と市民』という形で常に対立構造に置くことで力を得ようとした人がいたのではないか。
今回はたまたま障害者であり、『官製差別』ではないか」と発言しています。
そのような「官製差別」を生み出すような構造を温存したまま、いくら障害者差別解消推進条例が改正されてもほとんど意味がないのではないかと思います。
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・一般財団法人 地方自治研究機構
障害者差別解消に関する条例
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今後の予定
・24/7/31(水)名古屋市総合計画2028(案)パブコメ 締切
・24/8/5(月)10時〜 石垣部会(KKRホテル)
・24/8/10(土)14時〜 名古屋市立大学寄附講座
「名古屋城と庭園」−日本の歴史と文化の象徴―
講師 堀内亮介(名古屋城調査研究センター学芸員)
講師 千田嘉博(名古屋市立大学 教授)
・24/8/24(土)14時〜 名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 例会
・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
2023年1月段階「名古屋城木造天守 市民対話でバリアフリー案策定すると文化庁への書類提出は現市長任期後に」資料開示
24/6/26名古屋市議会本会議で、佐治独歩観光文化交流局長は「2023年1月段階では『市民対話を通じたバリアフリー案を策定するのに2年かかる見込み』とする資料を作成した」と認めました。
当該資料を名古屋市民オンブズマンが情報公開請求したところ、開示されました。
・2023年1月 名古屋市名古屋城総合事務所保存整備課 作成
木造天守バリアフリーの今後の検討について
上記資料によれば、「市民との対話のための方策の検討及び市民との対話に約1年、天守全体のバリアフリーの方針の検討に約1年必要」と明記。
「文化庁への提出が遅れることにより、今後、毎年発生する木材保管料についての責任追求(ママ)が想定される。」とし、「バリアフリーの方針の策定および整備基本計画の文化庁への提出は現市長の任期後となる」との結論を出しています。
にもかかわらず、その後なぜか半年後の2023年6月方針決定に変更され、その前の2023/6/3に「バリアフリー市民討論会」が開催されました。
想定されていた「市民との対話」もせず、スケジュールを大幅に前倒した結果、「バリアフリー市民討論会」で、参加者からその場にいた身体障害者に対して差別発言があり、河村たかし名古屋市長も「熱いトークがあってよかった」と発言しました。
(無作為抽出市民との「バリアフリー市民討論会」は「市民との対話」とは到底呼べませんし、「関係団体(障害者団体、高齢者団体等)との調整」もされていませんでした)
現在、「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会による検証が行われており、その結果が出るまで木造復元事業はストップしています。
この資料は松雄副市長への説明資料として刊行文化局が作成したようですが、松雄副市長は「説明を受けた記憶がない」としています。
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なお、この資料によれば、「確実に何階まで行けるかは、実現可能な見込がたったとき」(R7年度を想定)としています。
順調にいっても令和7年度(2025年度)にようやく整備基本計画へのバリアフリーの方針の反映が出来ることになります。
エレベーターに代わる新技術としてMHIエアロスペースプロダクションとの開発契約は2027/3/19が期限です。
その後、ようやく関係団体(障害者団体、高齢者団体等)との調整がはじまるのではないでしょうか。
MHIは何階まで上がれる技術を開発するのかわかりませんが、そもそもが小型です。障害者団体は「バリアフリー法等で定められている、大型で最上階まで登れるエレベーター」を一貫して求めており、MHIの新技術が障害者団体の理解を得られる可能性はほぼありません。
「市民との対話に1年」というのは観光文化交流局の甘すぎた見込です。
それすらすっ飛ばそうとした河村たかし名古屋市長、松雄俊憲副市長の責任は極めて重大です。
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今後の予定
・24/7/16(火)第8回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
・24/7/27(土)14時〜 名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 例会
・24/7/30(火)10時〜 令和6年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議
・24/8/10(土)14時〜 名古屋市立大学寄附講座
「名古屋城と庭園」−日本の歴史と文化の象徴―
講師 堀内亮介(名古屋城調査研究センター学芸員)
講師 千田嘉博(名古屋市立大学 教授)
・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
24/6/29(土) ジャーナリストが語る!「どうして名古屋城木造復元は進まないのか」
「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」は、24/6/29にジャーナリストの毛利和雄氏と水野誠志朗氏を招いたミニ学習会「名古屋城・天守木造復元の落とし穴」を開催しました。
毛利氏は元NHK解説主幹。文化財報道に長年携わってきました。
NHK退職後に住んでいた広島県福山市から、2年ほど前に名古屋城木造復元事業について見極めようと名古屋市に引っ越してきました。
24/7/1に『名古屋城・木造天守復元の落とし穴』(新泉社)を刊行し、これまでの名古屋城木造復元の経緯と、当初は2022年12月完成予定としていた名古屋城木造復元天守について、どうして進まないのかを明らかにしました。
また、全国各地の城郭復元・修復事情もまとめています。
はじめに、歴史ライターの水野誠志朗氏が、名古屋城木造復元を扱ったABEMAニュースに出演された経緯を説明しました。
(ABEMAニュースの事情により、youtube動画は削除されました)
水野氏は、中日新聞のページに「達人に訊け! 水野誠志朗の尾張時代の信長をめぐる」という記事を連載しています。
ABEMAニュースに出演された中井均・滋賀県立大学名誉教授は「復元する名古屋城はあくまでも令和の建物でしかない」と述べたものの、同じく出演した河村たかし名古屋市長は「木造復元する名古屋城が観光資源になるのは結果であり、世界的にかけがえのない文化を復元するのは時空を超えた価値がある。
現代に生きる僕らの責務、義務だ」と議論をすり替えていると水野氏は述べました。
水野氏は、「外観は現天守閣も木造復元天守もほぼ同じ。
そんなものに500億円も税金を使ってよいのか。客の入場料で全額返済するという試算だが、本当に客が来るのか。
そんなずさんな計画のまま、名古屋市が現天守を先行解体しようとしたのを何としてでも止めたかった」と述べました。
続いて、毛利氏は、まず「文化財とは何か」について文化財保護法を元に解説し、「『復元したら本物になる』というのは河村市長が誤解している。
国際的には50年たてば文化財となる。現天守は築60年を過ぎ、しかも空襲で焼失したものを名古屋市と愛知県、東海財界有志が手分けしてお金を集めて建設したもの。
木造復元は河村市長1人が言い出し、それほど寄附が集まっていない。」と述べました。
さらに、学習会直前に訪問した沖縄・首里城の復元と比較し、「焼失した首里城は内閣府沖縄総合事務所が中心となって国の事業として復元している。河村市長1人が言い出している名古屋城とは異なる。
中井名誉教授が番組で『歴史は重層性をもっている』と述べたのは大きな意味がある。
ヨーロッパの歴史的建造物とは異なり、日本の歴史的建造物は解体修理を行うが『本物』を伝えてきた。
それを『奈良文書』としてまとめたが、河村市長は『復元すれば本物になる』と理解を誤ってきた。
『火事でなくなったものをそのまま復元しても本物にならない』」と述べました。
また、現在名古屋城木造復元は、23/6/3バリアフリー市民討論会での参加者の差別発言によりストップしていますが、
「差別発言した人は、河村市長の『間違った本物論』で勘違いし、『河村市長が作ろうとしているのは江戸時代そっくりそのままの城。当時はエレベータ―はなかった。障害者はわがまま言うな』と述べた。
さらに、河村市長は『足が不自由な人は上までおぶっていけばいい。それが一番親切』とかつて述べたが、『親切で障害者対応』してよいのか。
国際人権基準に詳しい藤田早苗さんによれば、『親切心だけでは解決しない』。ハードの面の整備など行政がやるべきことをやって、その上の親切心が必要だ。
名古屋城木造復元の発案者は河村市長だが、足を引っ張っているのも河村市長。新市長の下で仕切り直しすべきである」と述べました。
毛利氏主張まとめ
・河村市長の誤った『本物』論
・河村市長の「障害者の人権保障」理解が行政の長としてふさわしくない
→新市長の下で仕切り直しを
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参加した名古屋市民オンブズマンの内田隆は「毛利氏の著書を読んだが、名古屋城木造復元をめぐる経緯がまとまった初めての本で、全名古屋市民が読むべきだ。
さらに、毛利氏が述べた『仕切り直し』の参考になる各地の城の事例がよかった」と述べました。
会場からは「ここまでこじれている以上、国の方がはっきりした姿勢示さないと進まないのでは」という意見がありました。
毛利氏は「史跡や歴史的建造物をどう整備するかの責任は所有者にある。
名古屋城の管理団体は名古屋市で、あくまで名古屋市が決める。
バリアフリーについて、文化庁は所管外なので『障害者団体、高齢者団体など当事者の理解を得てください』としか言えない。
障害者団体に理解されていない問題について、対立を持ち込まれても文化庁としてはなにもできない。
河村市長のもとでは障害者団体の理解は進まない」と述べました。
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・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会
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今後の予定
・24/7/1(月)名古屋城・天守木造復元の落とし穴(毛利 和雄/著) 出版
・24/7/1(月)10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
・24/7/3(水)午前10時30分 名古屋市議会経済水道委員会 付議議案審査[意思決定(2局一括)]
・24/7/8(月)10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
・24/7/27(土)14時〜 名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 例会
・24/8/10(土)14時〜 名古屋市立大学寄附講座
「名古屋城と庭園」−日本の歴史と文化の象徴―
講師 堀内亮介(名古屋城調査研究センター学芸員)
講師 千田嘉博(名古屋市立大学 教授)
・24/9/8(日)14時〜 名古屋城検定 教養講座
城郭建築の第一人者 三浦正幸氏 講演会「日本城郭史の到達点、名古屋城。」
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・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
24/6/26(水) 名古屋城木造復元 名古屋市 2023年1月段階で「市民対話でバリアフリー案策定すると2年かかる見込み」認める
24/6/26に開催した名古屋市議会本会議で、浅井正仁市議(自民)の質問に対し、佐治独歩観光文化交流局長は「2023年1月段階では『市民対話を通じたバリアフリー案を策定するのに2年かかる見込み』とする資料を作成した」と認めました。
浅井市議は「市はこの資料で松雄俊憲副市長に説明をし、『文化庁への木造復元申請書面提出は現市長の任期後になる』と説明を受けたか」と質問しましたが、松雄副市長は「説明を受けた記憶がない」と答えました。
・24/6/26 名古屋市議会本会議午後 名古屋城部分
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
・令和6年2月14日 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会
「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(中間報告)
(3)スケジュール設定の無理
イ 確認した事実
・所管副市長からの「設置しない」又は「1階まで」で整備基本計画をまとめる指示を受け、名古屋城総合事務所はリスク評価を行い、令和5年2月7日の所管副市長レクで「大天守1階までのバリアフリー案」「市民対話を通じバリアフリー案を策定」「大天守最上階までのバリアフリー案」の3案を確認した。(参考資料19:特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画に取りまとめるバリアフリーの方針について(令和5年2月7日実施の所管副市長レク資料))
・名古屋城総合事務所としては、リスク評価として、「市民対話を通じバリアフリー案を策定」する場合については、「令和5年度に基本計画を提出できない」と考え、方針決定には約2年かかる見込みとしていた。
・令和5年3月上旬、名古屋城総合事務所は討論会の開催時期を7月下旬に設定(参考資料20:名古屋城木造復元 昇降技術に関する市民意見の聴取 企画書」(令和5年3月10日実施の局長レク資料)のスケジュール部分抜すい)したが、所管副市長の指示により、文化庁の復元検討委員会が例年開催される8月を目標に逆算して5月下旬に前倒すこととなった。(最終的に6月3日となった。)
浅井市議はまず、名古屋城木造復元市民説明会のサクラ問題について「市長が賛成派を動員しろと言ったのは事実。具体的に賛成派として発言しろという指示がなくても、発言の機会さえあれば発言させるために動員したも同然。
市長は問題をすり替えているが、観光文化交流局が行った検証は全く市長の発言を問題視すらしていない。
さらに、市長は職員Aに『事情を聞きたいから来い』と言われ、市長が『俺はそんなこと言っとらん』といきなり言ったのは問題がある。コンプライアンスとして総務環境でしっかり議論いただきたい」と述べました。
その上で、2023年1月段階で市が作成した『市民対話を通じたバリアフリー案を策定するのに2年かかる見込み』に触れ、「それをある日突然(2023年)8月の復元検討委員会(に間に合わすため、方針決定を2023年6月に前倒しにした)。
市職員は、(『市民対話を通じたバリアフリー案を策定するのに2年かかる見込み』を)説明に行ったとき、副市長は『ダメだ』といったらしい。
この辺も検証委員会であげていただきたい」としました。
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時系列まとめ
・2023年1月-2月 市が3案を松雄副市長に説明
「大天守1階までのバリアフリー案」
「市民対話を通じバリアフリー案を策定」2年かかる
「大天守最上階までのバリアフリー案」
2年かかる場合、2025年4月までの河村市長任期中に、文化庁に申請できない見込み
・2023年3月10日 市が市民討論会を2023年7月下旬に設定と、松雄副市長に説明
その後、松雄副市長の指示で2023年8月の復元検討委員会に間に合わすため2023年5月下旬に市民討論会を設定(その後2023年6月3日に変更)
・2023年6月3日 バリアフリー市民討論会開催 参加者から差別発言
どうして名古屋市はバリアフリー市民討論会開催をそんなに急いだのか。理由がようやく分かってきました。
「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」でも明確にしていただきたいです。
なお、浅井市議の質問後、藤田和秀市議(自民)が以下議事進行を行いました。
市長が議員の登壇中の発言に対して不規則発言を行うのは、言論による民主主義を踏みにじる行為で言語道断です。
田中里佳名古屋市会議長(名古屋民主)は、地方自治法をよく読んでいただいた上で断固たる態度を示すことを望みます。
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藤田和秀(自民):今ちょっと静かにしてくださいます。
発言中で静かにしてください。あなたのそういうところが混乱を招くんだから静かにしてください。はい、すいません。
先ほど来、我が会派の浅井議員の登壇中の発言に対して、市長の方から全てを聞き取ることは私はできませんでしたが、録画してくれ。訴えるぞ。名誉毀損だ、こうした発言が、檀上の発言中にございました。議長さんからもご注意はいただきました。こうしたことはもう今まで縷々何度も繰り返されてきております議長が注意をしても、なかなか従っていただけない、そうした非常にむなしい様子も私どもこの十数年、幾度も見てまいりました。
ここで議長にお願いがございますのは、市長のいわゆる不規則発言ではございますけれど、先ほど私が指摘をいたしましたこうした文言の発言については、議事録においてしっかりと後に残していただきたいということで、今速記者がもうおりませんので、録音に頼っておるという現状でありますが、拾い切れる限り聞き取れる限り、ぜひとも正式な議事録にこの市長の不規則発言、記載して残していただくようにご配慮いただきますようによろしくお願いいたします。
議長:ただいま藤田和秀さんの議事進行に関して関しましては議長として、後日精査してそのように、ごめんなさい、鋭意精査して、この場ではごめんなさいね、この場では即判断はしかねますので後日鋭意精査して、理事会、議会運営委員会と相談しながら決めていきたいと思いますので、よろしくご理解ください。
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24/6/26(水) 名古屋市 名古屋城現天守外付けエレベーターの通路、大天守1階活用検討へ
24/6/26(水)名古屋市議会本会議で、横井利明市議(自民)の質問に対し、佐治独歩・観光文化交流局長は「名古屋城現天守の外付けエレベーターの通路、大天守1階を活用し、木造天守復元の理解促進を検討したい」と述べました。
・24/6/26(水)名古屋市議会本会議(横井市議 部活動、名古屋城関係部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
横井市議は「耐震問題を理由に18/5/6に現天守閣閉鎖をして6年が過ぎた。2022年に木造復元される予定が、いまだに解体も着工も道筋がついてない。
他都市はインバウンドにより外国人宿泊者が増加しているが、名古屋市を含む愛知県は3.6%減少している。
現天守は電気も通っており、維持管理も適切に行われている。
外部エレベーターと天守をつなぐ渡り廊下に立つと、本丸御殿の全景を見れる。現天守を活用出来ないか」と述べました。
佐治局長は「現天守に入れずがっかりしたという声を聞いている。現天守を活用しようと令和6年度予算計上を検討したが見送った。
例えば現天守外付けエレベーターの通路からの眺望を体験することや、大天守1階に映像やパネル展示を行い、木造天守復元の理解促進と機運醸成を検討したい」と述べました。
横井市議は「2018年当時はすぐ解体する勢いだった。これだけ長く(閉鎖に)なるとは我々も思わなかった。ぜひ早急に開館していただきたい」と述べました。
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以下感想
名古屋城現天守は、2011年に市が耐震診断概要書を作り、13.5億円で耐震改修、1.6億円で最上階までエレベーターができるとしていました。
名古屋城現天守外付けエレベーターの通路、大天守1階を活用するのはよいですが、現天守解体も着工も道筋がついてない以上、以前の耐震改修や長寿命化の資料を再度読み込み、現時点でいくらかかるのか、期間はどれだけかかるの検討してはどうでしょうか。
現在バリアフリー討論会の差別発言検証委員会が開催されています(2024年夏頃に最終報告予定)。
エレベーターに代わる新技術としてMHIエアロスペースプロダクションとの開発契約は2027/3/19が期限です。
MHIは何階まで上がれる技術を開発するのかわかりませんが、そもそもが小型であるため、障害者団体は「バリアフリー法等で定められている、大型で最上階まで登れるエレベーター」を一貫して求めており、MHIの新技術が障害者団体の理解を得られる可能性はほぼありません。
24/5/31(金) 「名古屋城バリアフリー市民討論会までの経緯」障害者団体に聴き取り 照会事項非公開
「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会事務局が、「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』開催までの経緯」について24/5/31に障害者団体に聴き取りを行っていたことが、名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。
なお、照会事項ならびにどの団体に聴き取りをしたかは非公開でした。
当該聴き取りに参加した団体関係者から、「照会事項」を情報提供していただきました。
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○照会事項
1 令和4年12月の公募の選定結果公表までの状況
(1)名古屋城総合事務所から、エレベーターの不設置や新技術開発など市の方針等について
ア これまで具体的にどのような説明を受けましたか。
イ その説明をどのように受け止めていましたか。
(2)誹謗中傷等が団体に届いていた場合について
ア 量や内容など、どの時期にどのような状況でしたか。
イ 会員の皆さんの反応はどうでしたか。また、団体としてどのように受け止めていましたか。
2 令和4年12月の公募の選定結果公表以降の状況
(1)市民アンケートや討論会を行う理由について
ア どのような説明を受けましたか。
イ その説明をどのように受け止めていましたか。
ウ 市民アンケートや討論会の実施についてどのように受け止めていましたか。
(2)誹謗中傷等が団体に届いていた場合について
ア 量や内容など、どの時期にどのような状況でしたか。
イ 会員の皆さんの反応はどうでしたか。また、団体としてどのように受け止めていましたか。
(3)名古屋城総合事務所との関係について
ア 公募の選定結果公表以前と比べ、名古屋城総合事務所からの情報提供や意見聴取など関わりが薄くなっていたのでしょうか。
イ ある程度の情報提供や意見聴取等が行われていた場合は、その状況を具体的に教えてください。
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参加した障害者団体によれば、「バリアフリー市民討論会から1年後の今、これを聞くことなのか」「名古屋城総合事務所から、以前同様のアンケートが届いており、どうして同じ名古屋市に対して同じような回答をする必要があるのか」「そもそも、新昇降技術公募の選定結果について、説明を受けた団体と受けていない団体がいるようだ。どうして名古屋城総合事務所はそのような対応をしたのか」などの意見が出たとのこと。
中間報告では「昇降技術の公募も審査基準等について障害者団体等の意見を聞くなどして進められてきた」とありますが、「特定の障害者団体の意見のみ聞いたのではないか」という疑いがあります。
さらに「障害当事者の参加を考慮しない無作為抽出の手法による市民意見」に対し、障害者団体がどのような意見を持っているかは聞いていません。
「最終報告では、過去の経緯も含めて、これらの疑問点に関して検証していく予定」とありますが、今回の聴き取りでは明らかにならないと思います。
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今後の予定
・24/6/24(月)午前 市議会本会議 中川あつし議員(減税) [20分]
名古屋城郭に設置済みの案内看板、照明柱、安全柵の意匠について
・24/6/26(水)午前 市議会本会議 横井利明議員(自民) [26分]
名古屋城天守閣の活用について
午後 西川ひさし議員(自民) [20分]
名古屋城における博物館構想について
午後 浅井正仁議員(自民) [20分]
名古屋城天守閣木造復元について
・24/6/27(木)午前10時30分 名古屋市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(観光文化交流局関係)]
・24/6/29(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
毛利和雄氏ミニ学習会「名古屋城・天守木造復元の落とし穴」
・24/7/1(月)名古屋城・天守木造復元の落とし穴(毛利 和雄/著) 出版
・24/7/1(月)10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
・24/7/1(月)午前10時30分 名古屋市議会経済水道委員会 付議議案審査[総括質疑(観光文化交流局関係)]
・24/7/3(水)午前10時30分 名古屋市議会経済水道委員会 付議議案審査[意思決定(2局一括)]
24/6/18(火) 公明市議「名古屋城に関して市長と市職員のやり取りを記録に残さないのはおかしい」
24/6/18(火)に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、過去の名古屋城市民向け説明会に関し「中川あつし減税市議と田中市長特別秘書による名古屋城市民向け説明会に対するサクラ動員」「河村たかし名古屋市長による市職員に対し『賛成派を呼べないか』発言」の検証ならびにその他の有無の市当局による検証について質疑が行われました。
木下優名古屋市議(公明)は「私が生活保護などで区役所に行った際は、区職員はやり取りの記録を全て残してある。名古屋城に関して市長と市職員のやり取りを記録に残さないのはおかしい」と述べました。
・24/6/18 名古屋市議会経済水道委員会説明資料
名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について
・令和6年6月13日 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書(増補版)
・24/6/18(火)名古屋市議会経済水道委員会
名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について (追加)
・24/6/18(火)名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
・24/5/29 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書
はじめに、佐治独歩・観光文化交流局長が「過去の名古屋城市民向け討論会の総点検を行った。議員と当局との内々の打ち合わせの内容を含め、職員からのヒアリング内容を国名に記載するという異例なものとなっている。当時の調整等の記録は残っていなく、ヒアリング調査による以外に方法がなかった。
しかしながら、提出資料の記載内容には配慮すべき点が多々あった。
関係者に対して事前に説明するなど、手続面において丁寧さや配慮に欠けていた」と述べました。
木下市議は「相手が市長で、こういった問題が起きるのは分かっているわけだから、市長の側に立たずに市民の側に立って仕事をしてもらわないと」と述べました。
佐治局長は「市長は、経験上反対の参加者が多くなることが一般的なので、賛成の人も集めて欲しいと担当者に言ったが、担当者は行政として特定の人だけに声をかけることはできないと答えた。
しかしながら、双方と認識としては、いわゆるサクラを導入することではなかったということで一致している」としました。
浅井正仁市議(自民)は「この総点検は、市民の疑念を払拭することありきで取り組んだと取れる。検証は『公平公正な会の運営に市民の疑念を抱かれる事実は確認されなかった』の3行だけ。ほかは附帯決議の話し。
また、『市長は政治家の顔と名古屋市長の顔を両方持っている』と書いてある。
検証するなら政治家の顔ってどういうことを意味するのかって聞くのが当然。
『多くの人に来てくれ』でいいのでは。わざわざ『賛成派』って言わなくてもいいのではないか。」と述べました。
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以下感想
「名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会」は
ア 公平性及び公正性に疑念を持つような働きかけ及び発言等の有無
イ 市民の疑惑や不信を招くような行為の有無
について検証するとあります。
残念ながら、「検証部会」は観光文化交流局長以下市職員のみで構成されている時点で、「市民の疑惑や不信」を取り払うことはできません。
案の定、「記録がない」「ヒアリング調査のみ」で、『公平公正な会の運営に市民の疑念を抱かれる事実は確認されなかった』と結論づけています。
しかも、「サクラ」について一般常識とはかけ離れた認識を述べています。
・市長
「こちらの意に沿う意見をしゃべってもらう、意見を捏造することがサクラ」
・平成30年度〜令和4年度当時の市長特別秘書
「局の職員や司会者に、特定の人を当てるよう依頼するのがサクラ」
実態
・市長
「市民向け説明会において、賛成の人に来てもらうことは悪いことではないと考えていた」
・平成30年度〜令和4年度当時の市長特別秘書
「たまたまメールで3人紹介された方のうちの一人が当たったということだと思う。3人中1人であればだいたいそれくらいの確率で当たるはず。」
まとめ
・市職員のみで構成する「検証部会」では実態が明らかにならないと考える
・「サクラ」の定義を実態とかけ離れて認識している市長、市長特別秘書により、賛成派が実際に会場に呼ばれて発言し、民意が捏造された。
民主主義を根底から覆す大問題であると考える
・少なくとも第三者からなる検証委員会設置、議会による100条委員会設置を求める
参考
・名古屋市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例
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今後の予定
・24/6/27(木)午前10時30分 名古屋市議会経済水道委員会 付議議案審査[質疑(観光文化交流局関係)]
・24/6/29(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
毛利和雄氏ミニ学習会「名古屋城・天守木造復元の落とし穴」
・24/7/1(月)名古屋城・天守木造復元の落とし穴(毛利 和雄/著) 出版
・24/7/1(月)10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
・24/7/1(月)午前10時30分 名古屋市議会経済水道委員会 付議議案審査[総括質疑(観光文化交流局関係)]
・24/7/3(水)午前10時30分 名古屋市議会経済水道委員会 付議議案審査[意思決定(2局一括)]
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
24/6/10(月) 文化庁調査官「名古屋城内にある『指定文化財』に限らずもっと広い意味での文化を議論出来たら」
24/6/10(月) 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第60回)が開催されました。
オブザーバーとして出席した、平澤毅・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「本日は名古屋城内にある『指定文化財』の保存整備について主に議論された。しかし、『指定文化財』に限らずもっと広い意味での文化をこの会の主題として議論出来たら」と述べました。
・24/6/10(月) 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第60回)配付資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
今回は今年度第1回目ということで、2023年度の全体会議・部会での検討内容をふり返った後、今年度の事業予定のイメージが示されました。
天守台石垣保存対策は、通年行うとのこと。
石垣保存方針策定は、2024年12月をめどとするとされました。
スケジュール案について、有識者からは特に意見は出されませんでした。
その後、植栽管理計画について議論になり、座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「名古屋市は戦後、整備をするために歴史と観光どっちをとるかというときに『観光』をとり、鉄筋コンクリートで天守閣を復元した。私は、歴史的風致と景観は違うと考えている」と独自の考えを述べました。
オブザーバーの渋谷啓一・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「今回今年度の事業予定(イメージ)を出したが、どれくらいのスパンで伸びていくのか、前後拝見できればよかった」と述べました。
平澤調査官は「本日は名古屋城内にある『指定文化財』の保存整備について主に議論された。しかし、『指定文化財』に限らずもっと広い意味での文化をこの会の主題として議論出来たら。逐次またご相談したい。大きな間違いのないようにすすめてほしい」と述べました。
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平澤調査官が述べた「『指定文化財』に限らずもっと広い意味での文化」とはいったい何を指すのか。
「西北隅櫓、西南隅櫓、東南隅櫓、本丸表二之門、旧本丸御殿障壁画襖・障子類183面附16面、旧本丸御殿障壁画襖・杉戸絵149面、旧本丸御殿障壁画天井板絵331面附入側天井板絵369面、二之丸大手二之門、旧二之丸東二之門(本丸東二之門)」が国の重要文化財に指定されています。
また、乃木倉庫が国登録有形文化財に、二之丸庭園のほぼ全体が名勝に指定されています。
「史跡名古屋城跡」全体は特別史跡に指定されています。
今回議題となった石垣、植栽、二之丸庭園は特別史跡です。
平澤調査官に今回直接問い合わせることはできませんでした。
感想ですが、「現在の名古屋城天守閣」について平澤調査官が述べたのではないでしょうか。
「現在の名古屋城天守閣」は指定文化財ではありませんが、建設後50年を超えているため、文化庁の「登録有形文化財登録基準」に合致しているという声もあります。
・文化庁 登録有形文化財登録基準
建築物,土木構造物及びその他の工作物(重要文化財及び文化財保護法第182条第2項に規定する指定を地方公共団体が行っているものを除く。)のうち,原則として建設後50年を経過し,かつ,次の各号の一に該当するもの
(1) 国土の歴史的景観に寄与しているもの
(2) 造形の規範となっているもの
(3) 再現することが容易でないもの
・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会
渋谷調査官が「事業がどれくらいのスパンで伸びていくのか」というのは、昨年度以前の事業計画の資料を見ればすぐにわかります。
・第56回全体整備検討会議(令和5(2023)年6月12日)
・第49回全体整備検討会議(令和4(2022)年5月13日)
2023年度事業予定まであった、「【天守閣整備事業】木造天守整備基本計画について文化庁と協議・調整等」が、2024年度には消えています。
(2024年度は、「【天守閣整備事業】天守台及び周辺石垣の保存対策」のみ記載があります)
2023/6/3に行われた名古屋城バリアフリー市民討論会での会場からの差別発言と、市職員の対応のまずさが大問題となり、23/6/15に佐治独歩・名古屋市観光文化交流局長は「市民討論会をめぐる事件について、一連の検証が終わるまで名古屋城木造復元事業を進めない」と明言しました。
木造復元のための3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)ですが、石垣は保存方針を2024年12月までに策定するとはしたものの、天守台及び周辺石垣の保存対策がどれくらい時間と費用がかかるのか不明です。
バリアフリー市民討論会の検証は2024年夏頃をメドに最終報告をまとめるとのことですが、具体的なバリアフリー対策をどうするのか、障害者団体と名古屋城総合事務所は、市がエレベーターをつけない方針を示した2018年以降6年間も事実上平行線です。
基礎構造については、「現天守を解体してから具体的工法を考える」ようですが、「地階が柱まるけでよいのか」という自民市議からの指摘もあります。
河村たかし名古屋市長の任期は2025年4月までと、あと1年を切りました。
名古屋城総合事務所の本心は不明ですが、文化庁としては、去年まであった「木造天守整備基本計画について文化庁と協議・調整等」が事業予定から消えたことを重視し、「だったら現天守をどうするかを議論してはどうか」と考えたのではないでしょうか。
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今後の予定
・24/6/17(月)第7回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
・24/6/18(火)10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
(2)名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について(観光文化交流局関係)
・24/6/19(水)市議会開会
・24/6/29(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
毛利和雄氏ミニ学習会「名古屋城・天守木造復元の落とし穴」
・24/7/1(月)名古屋城・天守木造復元の落とし穴(毛利 和雄/著) 出版
・24/7/1(月)10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
24/5/31(金)名古屋城市民説明会 市議・特別秘書によるサクラ動員+河村市長「賛成派を呼べないか」発言 市が検証報告書も自民市議「特別秘書にも副市長にも聞かず、何の総点検なのか」
24/5/31(金)に名古屋市議会経済水道委員会が開かれ、過去の名古屋城市民向け説明会に関して、「中川あつし減税市議と田中市長特別秘書による名古屋城市民向け説明会に対するサクラ動員」「河村たかし名古屋市長による市職員に対し『賛成派を呼べないか』発言」の検証ならびにその他の有無の市当局による検証について質疑が行われました。
・24/5/31(金) 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の総点検について
・24/5/29 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会検証部会
名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に係る検証報告書
・24/5/31(金) 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
・24/3/19(火)名古屋市議会経済水道委員会附帯決議
・24/3/19(火)名古屋市議会総務環境委員会附帯決議
局長以下市職員のみで構成する「検証部会」による検証報告書によれば、「平成28-令和4年度市民向け説明会で、公平・公正な運営に市民の疑念を抱かせるような事実は確認されなかった」「平成30年度の市長と職員Aとのやり取りでは、市長の『賛成派を呼べないか』との発言を指示とは認識していなかった」「市長の発言のあった平成30年度と、中川減税市議と市長特別秘書による動員依頼が指摘された令和元年度には、時期的な開きがあり、両件に直接の関わりはないものと解される」としました。
また、24/3/18経済水道委員会における答弁調整に関わった議員に対するヒアリングの要旨が掲載されていました。
また、市長は中川市議以外の市議(当時減税市議団長)の後援者動員メールの存在もほのめかしました(報告書26ページ)。
小出昭司市議(自民・中村区)は、「答弁調整の経緯ってなんぞや。市職員は情報収集に来ていると思っていた。大きな誤解を招くので訂正してもらわないと。」と述べました。
その上で、「結論内容と、このヒアリング結果と、全然繋がってない。市長は名古屋市のトップで絶対的な存在。『賛成派を呼べないか』と書いてある。当然(市職員は)そのような行動を起こす。リーダーとしてトップとして言われた発言が重い。」と述べました。
みつなか美由紀市議(共産・緑区)は「報告書19ページに市長から『こういう説明会をやると反対派ばっかり来るので、賛成派をよべんのか』という話があり、職員が『断っても市長は納得しておらず、ぶつぶつは言っていた』とある。
市長はやはりかなり強い思いを持って賛成派を呼びたいと。呼ぶということを主張していたというふうに感じます」と述べました。
総務課長は「内心に関わることであるので市長から得た証言を元に考えるしかないが、賛成の意見を持っている方もしっかり知ってもらいたいという認識があって、賛成の人にも来てもらって知ってもらいたいという意図だと言っている。『できない』という職員からの答えに対し、なかなか自分の腹に落とすまでにやり取りがかなり続いたと捉えている」としました。
みつなか市議は「平成30年1月の市長発言と、令和元年11月の減税市議特別秘書サクラ動員が直接関わりがないと結論づけられているところに
違和感を感じる」と述べました。
また、「平成30年1月市長発言を受けた職員Aさんは『名古屋市職員の倫理の保持に関する条例』を全うされた。
一方、市長は『名古屋市職員の公正な職務の執行の確保に関する条例』に明らかに反している。」と述べました。
金城ゆたか市議(陽向・瑞穂区)は「今回、市長特別秘書のヒアリングはしたのか」と質問しました。
総務課長は「市職員からの証言は一切出てこなかったので、市長特別秘書の聞き取りは行っていない。そもそも田中特別秘書は、事業に直接も間接も関わっていない」と述べました。
浅井正仁市議(自民・中川区)は「何の総点検なのか」と述べ、総務課長は「23/6/3バリアフリー市民討論会で参加者の差別発言を制止できなかった。
2024年2月定例会で総務環境委員会において、令和元年度サクラ参加問題が取り上げられ、市民向け説明会に市民からの疑念が生じていた。過去に及ぶ市民説明会の総点検を行い、委員に報告する」と述べました。
浅井市議は、「田中特別秘書は関係ないと言ったが、報告しないとわからない。関与していたじゃん。サクラ入れたかもしれないじゃん。
副市長もなぜ入っていないのか」と述べました。
総務課長は「副市長は企画立案に関わっていなかった」と述べましたが、浅井市議は「うちはわからない。そのための総点検。」と述べました。
金城市議も「せっかく検証するので、全て検証すべき。そうしないと市民の皆さん理解しないと思う」と述べました。
浅井市議は「なぜ令和5年度のバリアフリー市民討論会は検証しないのか。スポーツ市民局は人権を調査している。全然趣旨が違う。
果たしてこれが公正・公平な検証報告書なのかね。附帯決議付けたとき、市長はいきなり『議会を訴えてやる』っていって入ってきた。名誉毀損だって。
たぶんうちらが議会が訴えられる筋合いはない話し。この資料は不十分だと思う。
田中特別秘書、広沢副市長、答弁が変わった資料を作って所管委員会を開いて欲しい」と述べました。
佐治局長は「令和5年度のバリアフリー市民討論会については、現在スポーツ市民局で検証委員会が行われている。
観光文化交流局としては、最終報告が出た段階で総括したい。令和5年度の総点検の範囲と提出時期は正副委員長と相談の上調整したい」と述べました。
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以下感想です。
名古屋市内部の様子がよくわかる報告書の作り方と、市議とのやり取りでした。
・どうして「検証部会」は市職員のみで行ったのか。
河村市長が大好きな「第三者委員会」はなぜ設置しなかったのか。
民主主義を根底から揺るがす大問題だという認識が市にはないのか。
・「なぜ開催日数が最近は減ったのか」についての問題意識がない。
「広く市民に事業を説明する」のであれば、「回数を増やす」「ネットでも行う」などなぜしなかったのか。
☆21/3/2 名古屋市民オンブズマン
「名古屋城木造復元事業市民説明会ポストコロナ時代の情報発信を求める」申入書
・またも河村話法 まず逆ギレして相手から断固として反論されると渋々認める
(報告書34ページ)
市長「賛成派を呼べというような動員みたいなことは、俺は言っとらんぞ」
職員「言いました」
市長「いつ言ったんだ、どういうシチュエーションで言ったんだ」
職員「まさにこの部屋で、市長と対面で喋った時に、こういうことをやると反対派ばかり来るんで賛成派を呼べ、それははっきり言いましたよ。だけど私は、広く広報するのが行政の仕事なので一方の主張の人に声掛けをすることはできませんとお断りしました。その後に、減税に言ったらどうですか、とも言いましたよね」
市長「始まる前だったら、ここでか…、言ったかもしれんな…言ったか…」
職員「一対一のやりとりだったし、簡便的に反対派、賛成派ということばをおそらく使ったんでしょう。今思うと、説明会なので、これまでの経験則からすると反対派の人が参加されることが多いので、それではよくない、多くの人に説明を聞いてもらいたいので賛成派の人も呼んでくれんかという趣旨だったんですかね」
市長:「そうだったかもしれんな」
・なぜ市議は市議(当時)Gのメールについて触れないのか。
市議Hも持っているとのことなので、また委員会で公開すればよいのではないか。
(報告書26ページ)
市長「もしかしたら俺の方から『それだったらしょうがないので減税のやつに俺が言ってやるわ』と言った可能性はある。
市議(当時)Gに2回電話したけど出ない。あの人のメールでは河村さんが寂しがっていると書いてあるんだろう。なので人を呼んでくれと。市議Hも持っていた、市議(当時)Gのメールの本物を。
あと本物があるのは中川区の中川市議のサクラメール。確か今池のガスビルのところでやったことになっていて、市議(当時)Gその時は減税の市議団長だったので、ガラガラではいかんで本人は絶対来ないといけないが後援者を呼んでくれと言った可能性はある。それを受けて市議(当時)Gがメールを送ったのだろう。
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明治天皇や徳川家康が、ここから帝王学を学んだともいわれる「貞観政要」には、「真のリーダーは、部下の諫言に耳を傾け、新しい価値観を吸収し、自らを律することができるのだ」と書いてあるといいます。
貞観政要には荀子の「君は船なり、庶人は水なり。水すなわち舟を載せ、水すなわち舟を覆す」が何回も引用されています。
名古屋城木造復元市民向け説明会に、賛成派の参加が少なかったのは「木造復元に賛成する人がそもそも少ないから」ではなかったからではないでしょうか。
それを市長が動員しようとする、特別秘書や市議が実際に動員したというのは民主主義を愚弄するものです。
河村市長と市職員とのやりとりを見る限り、「真のリーダー」像とはほど遠い気がします。
また、本来であれば、「説明会の総点検」についての市民向け説明会が必要だと思います。
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今後の予定
・24/6/10(月)14時 第60回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 KKRホテル
・24/6/17(月)第7回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
・24/6/19(水)市議会開会
・24/6/29(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/7/1(月)名古屋城・天守木造復元の落とし穴(毛利 和雄/著) 出版
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
24/5/31(金)石垣部会「名古屋城石垣安全対策は南海トラフ地震を想定して作成すべき」
24/5/31に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第60回)が開催され、名古屋城跡内の石垣保存方針策定、ならびに動線付近の石垣の安全対策が議題となりました。
千田嘉博・名古屋市立大学高等教育院教授は「『石垣面に膨らみ』など石垣の現況を評価して安全対策をするだけでなく、南海トラフなど大きな地震の際に観覧者の安全をどう確保するかを想定して対策すべき」と述べました。
24/5/31 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会 配付資料
名古屋市民オンブズマンによるメモ
名古屋城木造天守整備基本計画(案)を文化庁に提出するためには、「3大課題」である、@『石垣保存方針』、A『バリアフリーの方針』B『基礎構造の方針』をとりまとめる必要があります。
『石垣保存方針』のうち、「天守台石垣及び天守台周辺石垣の調査」はまとまりましたが、「天守台以外の石垣の調査」については今回議論となりました。
名古屋城総合事務所は、今回石垣保存方針の趣旨、石垣に対する評価案、石垣の現況評価に対する対応策案を示しました。
さらに、動線付近の石垣の現況と安全対策を示し、「名古屋城跡内にある石垣全365面にあてはめたい」としました。
千田教授は「石垣そのものに現在は大きな変状はなくても、大きな地震の際は落石の可能性がある。
特に本丸御殿の脇の東側は逃げ場がない。土日に大勢お客様が来ているので、被害が避けられない。安全対策の原案を再度作って議論しないと十分ではないと思う」と述べました。
宮武正登・佐賀大学教授は「せっかく名古屋城総合事務所が作った『石垣カルテ』を我々石垣部会は見ていない。
危険か危険じゃないかは、今回は名古屋城総合事務所が判断したようだが、本来は石垣部会の仕事だ。
できれば客観的な指標で判断したいが、現実的には千差万別。
全国各地の城の石垣修理を見ていると、明治大正時代に作った石垣の悪さが目立つ。
石工と石垣部会が現地で見て危険度を評価しないといけない。」と述べました。
西形達明・関西大学名誉教授は「文化庁は石垣耐震診断指針を去年出した。
・令和5年7月5日 文化庁文化資源活用課
石垣の耐震診断に関する指針・要領(案)の公開について
・文化財石垣耐震診断指針(案):石垣耐震診断全体の流れ
・文化財石垣予備診断実施要領(案):城郭の管理者が行う簡易診断
・文化財石垣対処方針策定要領(案):診断後の安全確保の方針策定
今回は「予備診断」に当たるようだが、文化庁の指針に乗っかるのかどうか。」と述べました。
宮武教授は「名古屋市は石垣の『応急的措置』を行うと書いてあるが、具体的には『まだ考えていない』。
現状の劣化を止めるには具体的にどうするのか、名古屋城総合事務所の方針を持たないと、誤解を生じる」と述べました。
西形名誉教授は「『応急処置として、見学路を離す』ことも考えるべき。文化庁の上記指針では、安全な通路を確保できれば石垣は触らなくていいとなっている」と述べました。
千田教授は「中日新聞と愛知県図書館の間にある石垣は、崩れると愛知県警などに車両の乗り入れができなくなる。
熊本地震では、地震前は石垣に特に変状はなかったが、枡形の石垣は4方向全部崩れた。計画を立ててもなんの役にも立たないのでは困る。
また、西南、東南隅櫓など城内の重要文化財となっている建物には杭などは打っていない。下の石垣が崩れれば建物も崩れる。
来場者安全と建物の安全を考える必要がある。現状でも建物に人が入ることがある。櫓が地震時に堀に崩れ落ちる可能性を考慮してほしい。
また、鵜の首周辺石垣の発掘調査をしたら、根石がなかったことがわかった。発掘調査が今回の安全対策に反映されていない」としました。
座長の北垣聰一郎・金沢城調査研究所名誉所長は「名古屋城総合事務所は、来場者の安全確保をどう確保するか、石垣をどう対策するか、再度整理して出し直してほしい」と述べました。名古屋城総合事務所は「本年度は毎回石垣保存方針を議題としたい」としました。
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終了後、発言のなかった赤羽一郎・元愛知淑徳大学非常勤講師が、新しく担当となった調査研究センター副所長に「石垣部会で何回同じことをするのか。やり方をもう一度考え直した方がよい」と述べていたのが印象的でした。
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また、名古屋城総合事務所の「時間がないからあわてて書類だけ整える」悪い癖がでました。
赤羽委員も述べていたように、何回も同様のことを行い、石垣部会委員から指摘されて出し直す。これの繰り返しです。
実際、名古屋城の主要動線付近の石垣はどの程度危険なのか。
天守西側、鵜の首石垣(S10、U66)は根石がなくとても危険とのこと。本丸御殿東側(022H)はどうなのか。地震時に東南隅櫓ごと崩落する危険性はどの程度あるのか。
名古屋城総合事務所は「文化庁の指針は承知しているが、今回は名古屋市独自の対策を行う方針にした」と述べました。
『仮に文化庁の指針に基づくと、木造復元のための工事車両が入れないため』という理由であるなら本末転倒です。
大地震時に死傷者が出れば、まさに人災となります。
「きちんと大地震対策を踏まえた石垣安全対策をとると、名古屋城木造復元事業に支障が出る」のかどうか、具体的な各石垣のリスク評価を石垣部会と石工が行った上で、まずは来場者の安全対策を行うべきです。
「人命の危険性を顧みない木造名古屋城」は不要です。
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・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題