名古屋城 本丸御殿+木造天守閣問題特集

河村市長は木造天守閣復元をぶち上げましたが迷走中です。建物だけで505億円かかるとのこと。100億円の利子、その他運営管理費等を含めると2069年までに915億円かかる見込みです。2020年の東京オリンピックに間に合わせると市長一人意気込んでいましたが、突如2022年に延ばしましたが断念し、新たな竣工時期は発表出来ません。市民は冷ややかです。「民主主義発祥の地ナゴヤ」の看板を下ろしたのでしょうか。
※17/3/23に名古屋市議会は名古屋城天守閣木造化の基本設計等に関する補正予算10億円を可決しました。17/5/9に「基本協定」「基本設計契約書」を締結しましたが、2019年8月、河村市長は2022年12月までの木造天守閣復元を断念しました。いまだに竣工時期の目処はたっていません。しかし2018年度末で市債を35億1400万円借りています。
名古屋市は新型コロナ対策に追われ、「不要不急」の木造天守閣復元を行う余裕はないはずです。
※名古屋市は現天守閣の解体申請を文化庁に提出していましたが、21/7/27に取り下げしています。現時点では、解体ならびに復元に関する書類は文化庁に提出していません。
河村たかし名古屋市長は24/10/1に衆院選立候補を表明し当選しました。24/11/24市長選で広沢一郎氏が当選しましたが、名古屋城の将来はどうなるでしょうか。

2025年4月以降
  • 本日8/18〆切|名城エリアパブコメ追加論点:旧名城工場跡地の再公募/IGアリーナVIP運用の見直し
  • “木造ありき”で進む名城エリア計画――まず“県・市・市民”で回遊性をつくろう【25/8/18まで意見募集】
  • 25/8/8(金) 名古屋城『差別発言』対応は“構造”の問題――当事者不在・情報非公開・工程空白を直す時
  • 25/8/6(水) 名古屋城全体整備検討会議 植栽管理計画のみ議題にあげる
  • 25/7/28(月) 名古屋城 危険な「鵜の首」石垣の上を歩かされているのは「消防用タンク車」のため!?
  • 25/7/12(土) 千田教授の提案「誰もが体感できる名古屋城本丸御殿へ」
  • 25/7/1(火) 名古屋市議会 名古屋城木材契約「『暫定的に』2027年3月末まで延長」可決
  • 名古屋城木材保管料 値上げに関する「意見聴取会」が秘密裡に開催されていた! 
  • 25/6/25(水) 名古屋城木材保管料「暫定的に」1年契約延長案 自民市議「毎年約1億円は結構負担」指摘のみ
  • 25/6/4(水) 名古屋城 全体整備検討会議に差別事案「総括」概要1枚のみ報告
  • 25/6/2(月) 広沢市長「名古屋城 障害者団体に会うスケジュールを詰めている」と述べるのみ
  • 25/6/2(月) 名古屋城 有識者に重要文化財建造物 防災計画を示す
  • 25/5/23(金) 名古屋城石垣部会委員「重要文化財の櫓と石垣の耐震方法は『合同部会』で議論を」
  • 25/5/15(木) 広沢市長は河村前市長と『決別』して「変革のリーダー」になれるか 名古屋城総括を受けて問われる、市政トップの「本気度」
  • 25/5/15(木) 松雄副市長は何を語ったのか 「切腹しろ」の圧力と “忖度の構造”――名古屋城整備失敗の核心を読む
  • 25/5/15(木) 名古屋城整備「総括」から見えた失政の構造 〜“説明”はするが“市民の声”は聞かない?〜
  • 25/5/6(火) 閉鎖から7年「名古屋城現天守閣を再度開け」正門前でアピール
  • 25/4/24(木) 名古屋城跡全体整備検討会議 有識者「なぜ天守閣部会は2年間開催されていないのか!」
  • 25/4/15(火) 広沢市長 「名古屋城史資料 ユネスコ『世界の記憶』への登録は現状では難しい」
  • 25/4/14(月) 第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会 座長「作る以上は実行性のあるものであるべき」
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    本日8/18〆切|名城エリアパブコメ追加論点:旧名城工場跡地の再公募/IGアリーナVIP運用の見直し

    本日25/8/18(月)必着。名古屋市「名城エリアにぎわい共創基本構想(案)」への意見はメール提出可 a2406@kankobunkakoryu.city.nagoya.lg.jp

    【追加論点】
    @旧名城工場跡地――構想の「対象エリア」は周辺へ波及させることも意図するとしながら同地が外れています。対象に含め、活用再公募の方針・時期・評価基準を示してください。
    AIGアリーナ――最大約1.7万人規模・3階にスイート40室という仕様の一方、音楽ライブ誘致ではVIP運用が論点との指摘があります。未使用スイートの一般席化や同意不要パッケージ、時限的な料金見直し等の可変運用を、興行主と協議のうえ導入してください。


    ? パブコメ文例 ?
    A)旧名城工場跡地を対象エリアに含め、再公募工程と評価基準を明示してください。理由:面的活用・回遊性の核となる区画が外れており、整合がとれていません。
    B)IGアリーナの利用料およびVIP運用を見直してください。理由:仕様(最大約1.7万人、スイート40室)に起因する運用上のハードルが指摘されています。未使用スイートの一般開放等の可変運用を至急検討してください。

    (補足)名城PTには交通局の担当部長級が参画しており、跨局連携での即応が可能です。

    以前の記事は下記を参考にしてください。
    ・“木造ありき”で進む名城エリア計画――まず“県・市・市民”で回遊性をつくろう【25/8/18まで意見募集】
    https://ombuds.exblog.jp/30734851/

    @旧名城工場跡地
    ■名城工場跡地の位置
    名古屋医療センターの北、愛知学院大学名城公園キャンパスの南に「地下鉄名城線名城工場跡地」があります。

    ■名城工場活用の経緯
    市は2021年2月に「医療法人朋寿会」を借受予定者と決めました。
    当初は、ホテル、クリニック、スポーツ施設、スパ、サウナ、レストラン、カフェなどの地上8階の建築物が計画されていたとのこと。
    しかし2023年10月11日に辞退の申し出があり、活用計画(賃貸計画)は中止となったとのこと。現在は駐車場となっています。
    参考:まるはち交通センター  名城線 旧名城工場
     http://www.maruhachi-kotsu.com/subline/482meijo.html
     
    今回の計画には市交通局企画財務部長、交通局電車部長が参加しています。
    構想(案)の「対象エリア」が“周辺へ波及させることも意図”しているにもかかわらず、なぜか今回の対象区画から外れています。

    ※なお、名古屋市会議事録を検索しましたが、名城工場跡地についてほぼなにも記載がありませんでした。
    名古屋市営交通事業経営計画2028 にも掲載がありませんでした。
    https://www.kotsu.city.nagoya.jp/jp/pc/ABOUT/TRP0003638.htm

    【要望】対象地域に名城線名城工場跡地を含め、同所の活用方法を再募集せよ

    AIGアリーナ 
    ■興行主から敬遠されるIGアリーナ 理由はVIPルーム
    最大1万7000人収容のIGアリーナは、3階に40室のVIP(スイート)ルームがあることがウリです。
    しかし、上記VIPルームが“ライブ誘致で運用が論点”という指摘があります。
    ・2025/08/16 6:00 東洋経済オンライン
    「名古屋「IGアリーナ」、こけら落としの名古屋場所は連日〈満員御礼〉と幸先良いスタート。一方で、音楽ライブの興行主が利用に二の足を踏む理由」
    https://toyokeizai.net/articles/-/897038

    ■「バンテリンドームナゴヤ」より高い利用料で興行主から敬遠
    上記記事によれば、約5万人収容の「バンテリンドームナゴヤ」より高い利用料とVIP運用が敬遠要因との指摘、予約状況が同規模のポートメッセやスカイエキスポに比べてIGアリーナの誘致に二の足を踏んでいるとのこと。

    IGアリーナの集客は名城エリアの活性化に直結するため、早急な改善を求めます。

    【要望】IGアリーナの利用料を安くするとともに、VIPルーム運用を興行主・音楽プロダクションと相談の上改善せよ
    提案@未使用スイートの一般席化・可変運用、Aプロモーター向け“VIP同意不要パッケージ”設計、B利用料の期間限定ディスカウント+歩合制(市の公金補填は避け、まず運用見直し)、C四半期ベースの実績・改善KPI公開。

    ■補足 IGアリーナ 地下鉄名城公園駅が目の前なのにアクセスが課題?
    IGアリーナは「名古屋駅方面へは鶴舞線浄心駅をご利用ください(名城公園駅はお身体の不自由な方などサポートが必要な方を優先にご案内いたします)」とのこと。
    https://www.ig-arena.jp/access/
    IGアリーナすぐ北の道を西に向かいましたが、看板の1つもありませんでした。逆に、浄心駅からIGアリーナへの案内もありませんでした。徒歩18分歩かせるにしては不案内ではないでしょうか。
    同じくらい地下鉄名城線名古屋城駅まで歩けば、名古屋城天守閣が見えるスポットもありますが、残念ながら地下鉄名城線の混雑緩和にはなりません。
    IGアリーナとバンテリンドームで同じくらいの時間にイベント終了した場合、地下鉄名城線がパンクしかねないことは以前から指摘されていました。
    せめて案内板くらい充実させてください。

    ■あなたにできること
    名古屋市民オンブズマンの財政がひっ迫しており、このままでは2026年には市民による監視の灯が消えます。
    @今すぐできる:記事シェア/周囲で話題化
    A期限のある:関連パブコメ提出【25/8/18(月)まで】
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000187517.html
    B継続的:オンブズマンへの参加・寄付で録画公開の実現提案・監視報告の継続を後押し
     http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm


    “木造ありき”で進む名城エリア計画――まず“県・市・市民”で回遊性をつくろう【25/8/18まで意見募集】

    25/8/18(月)必着。名古屋市が名古屋城木造天守を前提に「名城エリアにぎわい共創基本構想(案)」をまとめ、意見を募集中です。IGアリーナやエスパシオは2025年に動くのに、木造天守は長期工程。今必要なのは、県・市・市民が一体で“回遊性とアクセス”を先に作るべきです。


    まとめ
    ・IGアリーナ・ホテルは2025年に稼働、木造天守は長期・未確定
    ・北園からの眺望重視なら外観がほぼ同じ現天守でも回遊性は作れる
    ・県不在の体制では交通・回遊の実装がぼやける(役割/KPIの明記を)

    ? いますぐパブコメ(8/18まで)
    宛先:a2406@kankobunkakoryu.city.nagoya.lg.jp
    ? パブコメの焦点(コピペOK)
    ・木造“前提”を外し、短期KPIつき回遊性の先行整備を
    ・県・市・事業者・大学・市民の協議体を基本構想に明記
    ・データ共有と四半期KPI公開(回遊率/滞在時間/客単価)

    ■パブコメは2025年8月18日(月)まで募集中
    名古屋市は、「名古屋城天守木造復元」を前提とした「名城エリアにぎわい共創基本構想(案)」を発表し、 2025年8月18日(月)までパブコメ募集中です。
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000187517.html
    ★提出先
    名古屋市観光文化交流局観光推進課(市役所本庁舎4階)
    郵送・持参 〒 460 8508 名古屋市中区三の丸三丁目 1 番 1 号
    ファックス 052-972-4200
    電子メール:a2406@kankobunkakoryu.city.nagoya.lg.jp

    ■基本構想の前提に名古屋城天守木造復元
    名城エリアでは、2025年7月13日にIGアリーナがグランドオープン。10月1日にはエスパシオナゴヤキャッスルが開業予定です。

    名古屋市は、名城公園北園第二期再整備、2026年には名古屋城水堀での舟の運航に向けた船着場整備、金シャチ横丁第二期整備などを予定しています。

    名古屋市は、名古屋城天守閣木造復元を前提に、名古屋城エリアと名城公園北園エリアを一体として、回遊性を高めるなど魅力を増そうとしています。
    名城エリアで活動する民間事業者、大学などとエリアミーティングを行っています。

    IGアリーナや名古屋城天守閣木造復元などで来場者が増えた場合の交通対策などを議論しています。

    ◇疑問7つと提案4つをまとめました
    以下、疑問7つと提案4つをまとめました。
    本稿は木造復元そのものの価値の是非ではなく、優先順位と実装(県・市・市民の協働/回遊性整備/KPI公開)を論じています。
    パブコメの参考にしてください(そのままコピペも可)

    ■主張“木造前提ありき”ではなく、県・市・市民の協働と回遊性・アクセスの先行整備を優先せよ
    県の明示的参画が策定体制から読み取りづらい一方、交通対策は「県・運営と連携」との文言止まり。
    ここを**実装(役割・会議体・KPI)**に格上げ提案します。
    回遊性は計画上の柱(サイン・移動手段・SRT/メーグル/堀川クルーズ連携)で、短期で効果検証可能??“まずやるべきこと”として説得力があります。

    ■疑問1:北園から見れば、現天守も木造天守も“遠望のシルエット”はほぼ同じ
    基本構想(案)には「北園からの名古屋城天守閣の眺望」が大事だと書かれています。
    確かに、名古屋城天守閣を訪問する人は、名古屋城有料エリアからの天守閣を眺める人がほとんどです。
    北園からの名古屋城を見たことがない方がほとんどではないでしょうか。
    (ちなみに、名古屋城はライトアップされており、夜の北園から無料で見る名古屋城天守閣は大変見ものです)

    北園から名古屋城を見るのが魅力的だというのは同意しますが、そうであれば別に「木造天守」でなくてもよいのではないでしょうか。
    現在の鉄骨鉄筋コンクリート製の天守閣と、木造天守閣は、遠望・写真映えのシルエットはほぼ同じです。

    現在、バリアフリー対策や石垣保全方法をめぐり、事実上名古屋城木造復元事業がストップしています。
    2023年3月段階で、名古屋城総合事務所は「順調にいって2032年度」と述べましたが、その後2年以上止まっています。
    仮に様々な課題をクリアし、市民の合意を取り付けたとして何十年か後に木造復元ができるとしても、いったん現天守を壊す際は眺望がなくなります。
    【要望】木造前提の文言を外し、“北園からの眺望×回遊性”を短期KPI(来園者回遊率+○%、平均滞在+○分)で先行実装。

    ■疑問2:大学と城とアリーナは客層が全く別では?
    にぎわいを作る、というのは否定はしませんが、エリア内にある大学(愛知学院大学、名古屋造形大学)と、名古屋城とアリーナに来る客層が全く別ではないでしょうか。
    IGアリーナでのライブ・観戦の前後に名古屋城を訪問する客が若干いるのかな、と思います。
    逆に、「名古屋城訪問のついでにIGアリーナに行こう」というのは考えにくいです。
    (好きなイベントが訪問当日に開催される可能性は低いため)
    【要望】IGアリーナチケット保有者は名古屋城入城割引を

    ■疑問3:どうして「愛知県」の関係者が参加していないのか?
    プロジェクトチーム・ワーキンググループの名簿が掲載されていますが、IGアリーナの主体である「愛知県」の関係者は一人も名前がありませんでした。
    県の明示的参画が策定体制から読み取りづらい一方、交通対策は「県・運営と連携」との文言止まり。体制が実装不足です。
    【要望】県・市・事業者・大学の“交通・回遊”協議体(四半期開催)、データ共有協定、四半期KPI公開(回遊人数・滞在時間・客単価)を基本構想に明記。

    ■疑問4:現愛知県体育館のその後の活用方法は?
    上記「愛知県」関係者が参加していない理由として、現愛知県体育館の跡地利用が絡んでいるのではないかと考えました。
    IGアリーナ(新愛知県体育館)が完成後、現愛知県体育館は取り壊す予定でしたが、2026年アジア・パラ競技大会が開催されるため、それまでは活用するとのこと。
    https://www.pref.aichi.jp/press-release/aichikentaiikukan.html
    アジパラ大会以降は不明です。

    2021年8月に開催された愛知県体育館移転関連工事説明会では以下説明しています。
    市)愛知県体育館撤去後の跡地利用につきましては、「特別史跡名古屋城跡保存活用計画」において、二之丸御殿・向(むこう)屋敷の復元整備や地下遺構の表示など特別史跡にふさわしい整備を行い、往時の空間を偲ぶことができる場にしていくものとしています。
    具体的な整備等の内容につきましては、今後発掘調査などを行った上で検討していきたいと考えていますので、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
    https://www.city.nagoya.jp/somu/cmsfiles/contents/0000143/143848/kohyo.pdf
    なお、2017年に名古屋市は「仮に二之丸御殿を整備するとしたら700億円くらい」と述べています。
    https://ombuds.exblog.jp/28187426/

    愛知県の今後の意向は不明ですが、名城地区のにぎわいを考えるには、現愛知県体育館跡地抜きには考えられません。

    【要望】現愛知県体育館跡地活用のロードマップ(調査→案→意見聴取)と、関連資料の計画的公開を明記。

    ■疑問5:千田教授「現名城公園地下には、兼六園に匹敵する庭園が埋まっている」に対し?
    2024年8月10日に、千田嘉博・名古屋市立大学教授は「現名城公園地下には、兼六園に匹敵する庭園『下御深井御庭』が埋まっている。名古屋市は名城公園を埋蔵文化財包蔵地に指定し、発掘調査のうえ、水堀と江戸時代にあった大庭園空間を舟に乗ってだれでも体感できるようにしてもらいたい」と述べました。
    https://ombuds.exblog.jp/30312800/

    せっかく「歴史・文化を活かした空間づくり」をうたっておきながら、『下御深井御庭』の発掘調査を検討もしないのは理解不能です。

    【要望】名城公園の埋蔵文化財包蔵地指定の可否検討、発掘の工程表作成、“舟×庭園”の体験導線を回遊KPIと連動。

    ■疑問6:「名古屋城博物館(仮)」構想はどこへ?
    名古屋市は「金シャチ横丁第二期整備 博物館ゾーン整備基本構想について 」を発表しています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/yokocho_outline02.pdf
    令和7年度当初予算でも、博物館基本計画の策定調査等に2700万円計上しています。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000183/183632/07kankou.pdf
    どうして一言も記載がないのか大変疑問です。
    【要望】「名古屋城博物館(仮)」構想のロードマップ(調査→案→意見聴取)と、関連資料の計画的公開を明記。

    ■疑問7:計画策定段階に市民不在 いきなりパブコメ?
    これまでの取り組みを見ていると、名古屋市が呼びかけて、愛知県抜きにして周辺民間事業者に声をかけて取り組みを行なおうとしているようです。
    いくら有識者の意見を聞いても、地元住民や観光客、その他市民の意見を直接聞く取り組みがなければ「絵に描いた餅」です。
    「名古屋市パブリックコメント制度要綱」で定められているから、とりあえず行いました、というふうにしか見えません。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/63-7-0-0-0-0-0-0-0-0.html

    なお、河村たかし前市長は、パブコメ要綱とは全く関係なしで、2010年1月17日に「平成22年度予算 パブリックヒアリング」を開催し、約250名の市民が集まり大変盛り上がった記憶があります。
    http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/yosan/index.htm#100117
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-4-3-5-0-0-0-0.html
    【要望】本パブコメを再度やり直し、計画段階から県・市・市民の協働で基本構想(案)を再作成したのち、パブリックヒアリングを行う。

    ◇提案1:「IGアリーナチケットがあれば、名古屋城入城割引」を
    IGアリーナでのライブ・観戦の前後に名古屋城を訪問する客が若干いるのであれば、「IGアリーナの当日チケットをお持ちの方は、名古屋城入城割引」や「ライブを行うアーティスト、競技を行うアスリートらが前後に名古屋城を訪問してインスタ等にアップ」「名古屋城でのオフ会」などが考えられると思いますが、現時点で公表資料に具体提案は見当たりません。

    金シャチ横丁で3000円以上買えば大相撲名古屋場所の観戦チケットが当たるというのはあったようです。
    https://kinshachi-yokocho.com/news-topics/?lang=ja

    なお、現在名古屋城の開園時間は午前9時〜午後4時30分です。
    IGアリーナのイベントが午後6時過ぎからはじまることが多いことを踏まえると、名古屋城の開園時間延長を真剣に検討してはどうでしょうか。

    【要望】IGアリーナイベント開催日のみ“城夜間延長・眺望回廊解放++当日券割引を3か月社会実験(来場導線を計測・公開)

    参考:IGアリーナの2025年8月中旬-10月上旬のイベント。
    https://www.ig-arena.jp/events/
    ・BLACK SAMURAI 2025 THE CAMP
    ・BLACK SAMURAI 2025 THE SHOWCASE
    ・AI 25th best tour ←ALIVE→
    ・世界コスプレサミット2025 アフターパーティー
    ・愛・地球博20周年記念行事
    ・Lemino BOXING トリプル世界タイトルマッチ 井上尚弥 vs ムロジョン・アフマダリエフ
    ・STING/スティング STING 3.0 TOUR
    ・ヨルシカ LIVE TOUR 2025「盗作 再演」
    ・2025 aespa LIVE TOUR ? SYNK : aeXIS LINE ? in JAPAN

    ◇提案2:名古屋城二之丸広場 昼夜さらに開放を+tonarinoとの連携を
    名古屋城二之丸広場では、夏祭りなどイベントが開催されていますが、常に何らかのイベントがなされているようには見えません。
    ステージを常設するなどし、音楽イベントなど昼夜常に行えば、さらに賑わいが増すのではないでしょうか。
    IGアリーナでの出演者が、名古屋城二之丸広場のステージに出るなども考えられると思います。

    また、IGアリーナ南にあるtonarinoのこもれび広場+空への階段+ひなたのテラスでのイベントをさらに開催するなど考えられます。
    http://tonarino-park.jp/

    【要望】二之丸広場+tonarinoで軽仮設・音量規制・終演時刻を
    条件に常時イベント社会実験(KPI=滞在時間/回遊率)

    ◇提案3:「名城回遊デジタルパス(仮)」の社会実験を即実施
    内容:QR一枚で
    ・名古屋城外苑の夜間入場(眺望スポット)
    ・堀川クルーズ(辰之口〜納屋橋)片道
    ・シェアサイクル/メーグル1日乗車の割引
    ・金シャチ横丁・北園テナントのクーポン
    ・IGアリーナ当日券連動で追加ディスカウント
     理由:基本構想の“回遊性”と“エリア間連携(SRT/メーグル/堀川)”に合致し、短期で効果検証可能。
     体制:県・市・事業者・大学の共同KPI(回遊人数・滞在時間・客単価)。
     「県・運営と連携」の抽象表現を、協定書・データ共有・四半期公開まで具体化。
     時期:2025年秋〜2026年春に4期(平日/休日/イベント日)でABテスト。
     2031年の節目までに“持続する仕組み”へ。
    ・価格帯の目安:1日1,500〜2,000円(割引前)。販売経路:IGアリーナ/ホテル/交通IC連携/オンライン。個人情報配慮:匿名IDで移動データ収集、集計のみ公開。

    ◇提案4:にぎわいを「取り戻す」には、現天守閣耐震補強の上、開放を
    名古屋市は2018年5月に「耐震性が低い」として現天守を閉鎖し続けています。
    それから7年、いまだに着工のめどが立っていません。
    名古屋城を訪問する人には外国人がかなり多く、天守に入れないとがっかりする人も多いと聞きます。
    いつ木造復元ができるのか、そもそも技術的に木造復元可能なのかわからないのであれば、耐震補強・長寿命化の上、現天守閣を開放することが「にぎわいを『取り戻す』」ことにつながるのではないでしょうか。

    なお、2011年3月に名古屋市がまとめた「名古屋城天守閣耐震改修等工事 概算工事費総括」によれば、耐震改修(耐震指標Is0.75程度を想定)+エレベータ―最上階までで合計約28億6000万円、14か月で可能とのこと。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/210114-1-2-3.pdf


    「長寿命化」については費用・期間は不明ですが、2016年5月に名古屋市が行った「2万人アンケート」では「コンクリートがおおむね40年の寿命」とあったため、あと30年は大丈夫だと考えます。
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083689.html

    【要望】】現天守の耐震補強+最上階までのEV設置で段階的再開。スケジュール・費用の見える化を。

    ? 提出のコツ:要望は「体制(誰が・いつ)」「実装(何を)」「KPI(何を測る)」の3点を書くだけでOK。
    ? 送ったら:このページをシェア→提出仲間を増やすと効果が跳ねます。

    ■今後の予定 ※一般傍聴可
    ・25/8/18(月)まで 「名城エリアにぎわい共創基本構想(案)」 パブリックコメント
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000187517.html
    ・25/8/21(木)13時半〜 令和7年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議(名古屋市公館)
    ・25/8/26(火)14時〜 令和7年度第2回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会(市役所西庁舎12F)
    ・25/8/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会(市政資料館)
    ・25/9/4(木)13時半〜 第67回福祉のまちづくり推進会議(名古屋市公館)

    ■あなたにできること
    名古屋市民オンブズマンの財政がひっ迫しており、このままでは2026年には市民による監視の灯が消えます。
    @今すぐできる:記事シェア/周囲で話題化
    A期限のある:関連パブコメ提出【25/8/18(月)まで】
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000187517.html
    B継続的:オンブズマンへの参加・寄付で録画公開の実現提案・監視報告の継続を後押し
     http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm
     
    ■パブコメ案 自由にお使いください
    件名:名城エリアにぎわい共創基本構想(案)への意見
    宛先:a2406@kankobunkakoryu.city.nagoya.lg.jp
    A. 体制・透明化フォーカス
    「木造復元“前提”の明記を見直し、交通・回遊を先行整備してください。県・市・事業者・大学・市民の協議体を基本構想に明記し、役割分担、データ共有協定、四半期ごとのKPI(回遊率・滞在時間・客単価)公開をお願いします。」
    B. 回遊性の即効策フォーカス
    「IGアリーナ開催日を軸に、城夜間眺望・当日券割引・堀川クルーズ・メーグル等を束ねた“名城回遊デジタルパス”の社会実験を要望します。木造前提の議論より、短期で効果検証できる回遊性の実装を優先してください。」
    C. 文化資源の活用・参加型プロセス
    「下御深井御庭の調査工程表化と、体育館跡地のロードマップ公開を求めます。住民・来街者を交えた意見聴取を継続開催し、議事録・データを公開してください。木造前提ではなく、文化資源と回遊性を両輪で進める計画を。」

    25/8/8(金) 名古屋城『差別発言』対応は“構造”の問題――当事者不在・情報非公開・工程空白を直す時

    31年目で初めて市長が協議会に出席し謝罪。それでも“原因は人権意識の欠如”に矮小化。当事者参画の常設化、議論の“録画公開”、そして「○月○日までに工程表」といった期日付きの約束が再発防止のカギです。


    ・2025年8月8日 第1回名古屋市障害者施策推進協議会 配布資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250808.pdf
     幹部・事務局席
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250808-0.pdf
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250808-1.pdf

    ■年表
    ・2023年6月3日:バリアフリー市民討論会で差別発言
      https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12971664/www.nagoyajo.city.nagoya.jp/other/2023/05/20230526_4230.html
    ・2024年9月18日:検証委員会 最終報告
      https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html
    ・2025年5月16日:総括公表
      https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/other/2025/05/20250516_4247.html
    ・2025年8月8日:協議会(初の市長出席・謝罪)

    ■31年前に協議会設置されてはじめて市長出席 広沢市長は障害者にお詫び
    2025年8月8日に開かれた第1回名古屋市障害者施策推進協議会には、広沢市長、杉野副市長ら市幹部、また70名以上の市職員、さらにはマスコミが15人ほど参加されました。
    傍聴者は5名のみで、撮影録音は禁止されました。

    はじめに広沢市長は「2年前に開いた名古屋城バリアフリー市民討論会で差別事案があり、心を傷つけた。信頼を損ねた人として深く深くお詫びする」と述べました。
    「検証委員会からは『職員の人権意識の希薄が原因だ』とする報告書が出た。今年5月に名古屋城整備事業の進め方の総括をまとめた」と述べました。
    その後も最後まで広沢市長が出席し続けたのは、一歩前進です。

    ただ、協議会会長の瀧誠・愛知淑徳大学教授は、「平成6年に本協議会が設置されたが、市長や副市長が来たのが初めてだというのが深刻な問題を含んでいる」と述べました。
    当初、各委員から2分間ずつ発言し、事務局から回答をし、さらに1分程度再質問ができるはずでしたが、残念ながら全体で1時間半しか時間がなく、当初の発言とそれに対する回答で、終わってしまいました。

    ■名古屋城所長 原因は「人権意識の希薄さ」「情報提供不足」/“スケジュール優先”の言及薄く
    名古屋城所長が、これまでの経緯を説明しました。
    原因は「人権意識の希薄さ」「情報提供不足」。一方で、総括にあった「スケジュール優先」「職員の苦悩」への言及は薄く、再発防止の工程も未提示。小型昇降機は「可能な限り上層階まで」としつつ構造検証中で、期日や判断基準は示されませんでした。

    ■当事者不在の構造的欠陥を指摘(入谷委員)
    入谷忠宏・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局長は「エレベーター問題が起こる前から、障害当事者が計画段階に入っていないのが問題ではないか。
    今後についても、『当事者との建設的対話』とは書いてあるものの、『計画に参加する』ということが一つも書いていない。
    アジア・パラに関しては、障害者が委員会に入って意見を取り入れる良い流れができている。私達は、名古屋城に家族や友人と一緒に行きたいだけだ。
    皆さんと当たり前の動きがしたい。市長よろしくお願いしたい」と述べました。

    ■『市長対障害者』と報じたマスコミの責任は大きい(橋井委員)
    橋井正喜・名古屋市身体障害者福祉連合会会長は、事前に会として意見をまとめた紙を配布しました。
    「率直に情報不足だった。さらに市長公約として、木造復元が先に立ってしまっていた。いくら木造復元といっても、現在の技術や法律があり、耐震補強、冷暖房や電気、階段に手すりなどは法律に守られて付けられている。市民にどこまで伝わったのか疑問だ。
    さらに、『市長対障害者』と報じたマスコミの責任が大きい。
    徳川時代の権力者が作った城ではなく、外国の人も含めていろんな人が楽しく過ごせる城を目指したい」と述べました。

    ■問題の根は「独裁的体制」による当事者排除(斎藤委員)
    斎藤縣三・わっぱの会理事長は「2024年11月に行われた市長選挙のとき、木造天守閣にエレベーターを設置する会として公開質問状を出したところ、広沢氏から『選挙が終わったら直ちにお会いしたい』と回答があった。
    しかし、選挙後何回言ってもまだ無理だとして、何ヶ月も引き延ばされたままだった。
    河村たかし前市長は、障害者団体と話をしようとする意識がなかった。『本物を見せることがバリアフリーだ』『最低1階までの小型エレベーターで合理的配慮と言える』など、全く理解できない発言を繰り返した。
    今回の障害者差別発言の対応以前に『前市長の独裁的体制が根底にある』ということが、完全にスルーされている。
    以前、障害者基本計画を立てる際、『木造復元のバリアフリーにどうして触れないのか』と聞いたところ、『それを入れ込むと市長の決裁が受けられないから』と、市職員が答えた。
    広沢市長には風通しの良い名古屋市にしてほしい」と述べました。

    ■バリアを生み出したのは計画側(樋口准教授)
    樋口恵一・大同大学准教授は、「『バリアを生み出したのは計画側である』という認識が市にない。障害者側ではない。社会がバリアを作っているんだ。意見を聞くことを目的化しないで欲しい」と述べました。

    ■『エレベーターを設置しない方針』表明が差別(高森弁護士)
    高森裕司弁護士は、「日弁連は2022年に『現在の名古屋城天守にエレベーターが設置されているものの、再建される名古屋城に、あえてエレベーターを設置しない方針であれば、障害者を合理的に差別することになる』と要望を出している。
    ・名古屋城天守閣にエレベーターの設置を求める人権救済申立事件(要望)
     https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html
    『エレベーターを設置しない』とか『しない方針』と表明した時点で不当な差別的取り扱いになっている。
    河村前市長の発言が市民に対して、『障害者だからできないことがあってもしょうがない、我慢しろ』ということを助長した。
    差別をなくすには、『エレベーターを設置しないとした発言は差別でした。すみません。エレベーターはつけるという前提で今後進める』と市が表明しないといけない」と述べました。

    ■広沢市長「障害当事者に入っていただく方法を検討したい。障害者にはなるべく早くお会いしたい」
    広沢市長は上記障害者らからの発言を全て聞いたうえで、「当事者が計画に入っていないと指摘があったが、どのような形で入っていただけるか検討したい。
    また、私に会いたいのに会えないというのは、着任以来忙しかったので、なるべく早くお会いしたい」と回答しました。
    会議終了後も、障害者団体委員と広沢市長が話し込んでいる姿が印象的でした。
    会議終了後、特に市長や会長を囲んでの合同インタビューはありませんでした。

    ■【再発防止の最低条件】
    ・当事者の恒常的参画(委員枠・議決権に相当する関与)
    ・録画公開の常態化(議事録公開時期の明記を含む)
    ・期日入り工程表(検証→決定→実装のマイルストーン)

    以下感想です。
    2023年6月3日のバリアフリー市民討論会の動画を何回も見ましたし、その後の検証報告書を読みましたが、市職員の中には『これは差別発言』だと認識して動こうとした人が何人もいたことが確認できています。
    しかし目の前に河村たかし前市長がいて、それ以上動けなかったのが真相だと考えております。
    市民討論会以前にも、「市長と副市長と市職員の考え方がバラバラ」、さらには、「市長や副市長からパワハラを受けた」とされる声もあり、現在、パワハラの検証作業が進められています。
    ・市長及び副市長のハラスメント事案に関する第三者調査委員会について
     https://www.city.nagoya.jp/somu/page/0000180422.html

    「職員の人権意識の欠如」だけが原因であれば、研修などで対応できるとは思いますが、「独裁的体制」なども原因であれば、研修だけでは改善しません。
    幸い、河村前市長は自動失職し、広沢市長が就任しました。
    広沢市長は、「市長と職員の風通しが悪いのでは」という意見に対し、「威圧的では駄目。職員の意見が言えるようにしたい」と述べていました。
    河村前市長体制とは、若干変化があるのではないかと思います。

    ■録画公開の標準化を:傍聴5人・録音禁止の限界
    本協議会にはマスコミは全社来ており、当日や翌日報道されましたが、どうしても紙面や時間の都合上、一部しか報道されません。
    各委員の発言、市長の発言など切り取りではなく、全てを撮影し、市民に知らせることこそ、再発防止に繋がるのではないかと考えますが、そのような発想や意見は一つも出ませんでした。
    既に述べたように、傍聴者は撮影・録音・録画が禁止されました。場所が限られているということで、傍聴者は5名のみでした。

    これは、名古屋市のありとあらゆる有識者会議が同様です。議事録もいつできるかわかりません。
    ぜひ何らかの形で積極的に議論を市民に公表していただきたいです。

    ■「市民に愛される名古屋城」に木造復元は必須か?
    市民のシンボルである名古屋城。これをどう更に愛されるようになるか。そこに議論を集中させるべきで、「木造復元すれば市民に愛される」とは単純に言えないのではないでしょうか。
    現計画では、小型昇降機が何階まで上がれるかわからず、最上階まで登れずに悲しい思いをする障害者が発生するのであれば、真の意味での「市民に愛される名古屋城」とは言えないのではないでしょうか。
    委員も言ってましたが、「江戸時代の独裁者が作る城ではない。今の時代にふさわしい城のあり方とはどういったものなのか」。
    名古屋城を木造復元するという前提を外して議論することが有用ではないでしょうか。

    ■「木造復元を最優先する立場の方々」は財政的裏付けを
    「「名古屋城には詳細は図面が残っているから、江戸時代そのままに木造復元が可能だ。『差別』というなら、誰も立ち入らなければ良い」とする「木造復元を最優先する立場の方々」が一部いるようです。
    現在の計画では、木造復元した大小天守閣に入り、入場料収入で建設費や運営費をまかなう、という計画です。
    仮に誰も立ち入れない木造天守を作るのであれば、具体的にいくら費用がかかるのか、「誰も入れない木造復元天守」を何人見に来るのか。かけた経費と、入場料収入で、どのような資金計画を立てるのか。そういったことが具体的に試算されないといけないのではないでしょうか。
    単に「誰も入れなくてよい。江戸時代そのままに戻せ」では、税金を使って復元する意味が理解できません。
    どちらにしても、火事などの対策のための消火設備などはつけざるを得ないのです。
    「江戸時代そのものを復元できる」というのは妄想にしかすぎません。
    このことを、広沢市長はじめ市職員がきちんと市民に説明する必要があるのではないでしょうか。

    ■名古屋城を『誰にとっても誇れる場所』へ
    “原因”を研修で矯正するだけでは、また同じことが起きます。
    ・当事者が“決める側”に入る
    ・議論を公開する
    ・期日を切る
    この3点が、名古屋城を『誰にとっても誇れる場所』へ変える最短ルートです。

    河村たかし氏は市長でなくなりました。
    今こそ市民同士がきちんと議論をすべき時です。

    ■今後の予定 ※一般傍聴可
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2025/0-Curr.html
    ・25/8/9(土)13時半〜 シンポジウム「つくろう!人種差別撤廃条例(愛知県弁護士会館)
    ・25/8/18(月)まで 「名城エリアにぎわい共創基本構想(案)」 パブリックコメント
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000187517.html
    ・25/8/21(木)13時半〜 令和7年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議(名古屋市公館)
    ・25/8/26(火)14時〜 令和7年度第2回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会(市役所西庁舎12F)
    ・25/8/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会(市政資料館)
    ・25/9/4(木)13時半〜 第67回福祉のまちづくり推進会議(名古屋市公館)

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    名古屋市民オンブズマンの財政がひっ迫しており、このままでは2026年には市民による監視の灯が消えます。
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     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000187517.html
    B継続的:オンブズマンへの参加・寄付で録画公開の実現提案・監視報告の継続を後押し
     http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm
    -------
    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    --------
    2025年8月8日 11時35分 (8月8日 21時44分更新) 中日新聞
    名古屋城討論会での差別発言問題、広沢一郎市長が障害者団体に謝罪
    https://www.chunichi.co.jp/article/1112747

    25/08月08日 15時14分 NHK
    ”名古屋城”差別発言問題 市長が障害者団体等の会合で謝罪
    https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20250808/3000043143.html

    2025年8月8日 17:28 名古屋テレビ
    広沢市長が市民からの“差別発言”を謝罪「心を傷つけた」 名古屋城の木造復元事業を再開へ
    https://www.nagoyatv.com/news/?id=031490

    8/8(金) 17:52配信 東海テレビ
    障害ある男性に市民から差別的発言…名古屋城のバリアフリー化巡る討論会での問題 市長が障害者団体等に謝罪
    https://news.yahoo.co.jp/articles/c5f1d8965a9bdb675e6cd4b1defb79b4c7d7b91c

    2025年8月9日 2:12 中京テレビ
    名古屋市長が障害者団体に謝罪 名古屋城天守の木造復元めぐる差別発言問題 
    https://news.ntv.co.jp/n/ctv/category/society/ct8f5d887ed504457d9710b7c39c338b49

    25/8/8(金) 18:54配信 テレビ愛知
    「深くお詫び申し上げる」広沢市長が2年前の名古屋城市民討論会での差別発言受け障害者団体に謝罪
    https://news.yahoo.co.jp/articles/dc32a6d3ff8890a75183b6c10fe097fd73631abc

    2025年8月8日(金) 20:50 CBC
    「多くの人を傷付けた…」名古屋・広沢一郎市長が謝罪 名古屋城の木造復元に関する討論会での差別発言問題
    https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/2100017?display=1

    2025/08/09 15:34 読売新聞
    名古屋城復元のバリアフリー対策巡り、市長が差別発言を謝罪…「生まれながらにして不平等があって平等」
    https://www.yomiuri.co.jp/national/20250808-OYT1T50181/

    25/8/10(日) 6:15配信 毎日新聞
    事実上ストップの名古屋城天守閣整備 バリアフリー方針、要望相次ぐ
    https://news.yahoo.co.jp/articles/d22bd07606fae827016a6546a8f64f3c7073638c

    25/8/8(金) 19:38配信 朝日新聞
    名古屋城復元巡る差別問題 名古屋市長が陳謝「多くの方を傷つけた」
    https://news.yahoo.co.jp/articles/34d513ad1b16262d07d0711362f6beaac650062c


    25/8/6(水) 名古屋城全体整備検討会議 植栽管理計画のみ議題にあげる

    サクラの行方も、市民には知らされないまま――。
    差別発言も石垣崩落の危険も議論されず、話し合われたのは“植木の剪定計画”だけ。
    2025年8月6日に行われた有識者会議では植栽管理計画のみ議題にあげました。
    またも重要な議題は議論されないまま、分科会との風通しも悪く、今後の行方は大変不透明です。
    重要な議題が外され、市民の声が反映されないまま計画が進む――その構造こそが問題です。


    ・25/8/6 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第67回)配布資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250806.pdf
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250806-1.pdf

    ・令和7年3月 名古屋市 名古屋城植栽管理計画
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000105/105368/honpen_syokusaikanrikeikaku.pdf

    ★「全体整備検討会議」はまたも部会報告なし
    名古屋城の有識者会議は「全体整備検討会議」が上にあり、その下に石垣・埋蔵文化財部会など「部会」があります。
    しかしながら、「部会」の議論がなぜか「全体整備検討会議」で共有されない状況が長年続いています。
    先日の石垣・埋蔵文化財部会で「鵜の首石垣の危険性」について通行禁止を含む議論がされましたが、今回の「全体整備検討会議」では報告すらありませんでした。

    ★植栽管理計画の概要
    今回議題になったのが「植栽管理計画」のみです。
    名古屋城に生えている多数の樹木は景観の妨げになったり倒木による文化財の破損も危惧されています。
    それについて、名古屋市は2025年3月に「名古屋城植栽管理計画」を策定しました。その後有識者や業者らからなる「実施検討チーム」により、伐採、剪定、切戻剪定をする木を1本1本決めて、今回全体整備検討会議にかけられました。

    ★江戸時代と現在とは「樹種」が違うも「サクラやモミジは親しまれている」
    上記令和7年3月に名古屋市が作成した名古屋城植栽管理計画によれば、3301本ある高木のうちサクラ類が783本あります。
    なお、金城温故録に記載のある高中木259本のうち、クロマツが213本、サクラ類は4本といいます。

    三浦正幸・広島大学名誉教授は、「江戸時代に書かれた金城温故録には、どういう樹木が生えているか書いてある。現在生えている樹木とは全く違う。
    今回は伐採・剪定の提案だが、今後どうするつもりなのか」と言いました。

    名古屋城総合事務所は「来場者に親しまれているサクラやモミジなど、現在生えている樹木をどう管理するかという視点で今回の資料を作った。
    補植する際はよく検討する」としました。

    平澤毅・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「歴史的にどこの時点の名古屋城を復元するか、目的がはっきりしていないのではないか」という発言がありました。
        
    ★座長「造園建設業協会の人は受注者になれるのか?」
    座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は、「実施検討チームには造園建設業協会の人もいるが、その人の会社は業務を請け負う側に入らないという理解でいいか」と聞いたところ、名古屋城総合事務所は「造園建設業協会から推薦されてメンバーになってもらった。各会社は入札をする権利がある」と述べました。

    ★「植栽管理計画」はいつ誰が決めた?
    調べたところ、2025年3月24日に名古屋市は「名古屋城植栽管理計画」を策定したと発表しました。
    ・報道資料 令和7年3月24日発表 「名古屋城植栽管理計画」の策定について
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000185049.html
    名古屋城の各種有識者会議では、2024年6月10日特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(60回)で議題になった程度のようです。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2024/01/20240122_4319.html
    (令和7年度予算には計上されていました)
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-22-1-0-0-0-0-0.html

    ★名古屋城のサクラはどうなる?市民の意見を広く聞いて
    以下は感想です。
    春、天守閣とサクラの写真を撮る家族や観光客。その景色が、計画次第で消えてしまうかもしれません。

    2025年4月に名古屋城を訪問しました。
    サクラの季節で、大小天守閣は閉まっていたものの、城とサクラを見る絶好の機会だとして、多数の外国人を含む観光客が名古屋城を訪れていました。

    これらをどうすれば良いのか、単に有識者だけで決めれば良いのか?
    市民に愛される名古屋市をつくるのは、植栽管理計画だけでなく、いろんな広く市民を交えた議論をすべきではないでしょうか。

    ★残された課題も市民の意見を聞いて「愛される名古屋城」に
    一方、差別発言や新昇降技術、天守台周辺石垣、天守台石垣なども、ほとんど状況が市民に知らされておりません。
    事実上、名古屋市民オンブズマンによる毎回の記録ぐらいしか、詳細にはわからない状況です。

    名古屋城総合事務所のホームページには、有識者会議の議論は数ヶ月後にしか掲載されませんし、数十ページの議事録をいちいちチェックするのは大変です。
    名古屋城の今後をどう進めるか、そこから見直しを進めるべきではないでしょうか。

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    25/7/28(月) 千田教授の提案「誰もが体感できる名古屋城本丸御殿へ」

    名古屋城で最も危険な石垣の上を、いまも観光客が歩かされている??しかもその理由は、消防車の通り道のため。
    万が一崩れたら、命に関わるかもしれません。
    名古屋城の石垣の上に観光客を通し続けていいのか――市民の声が問われています。


    敵の侵入を防ぐための石垣の工夫である、名古屋城の「鵜の首」石垣。
    石垣の一番弱い部分が、今後の名古屋城、ひいては天守閣木造復元事業の「チョークポイント」となっています。

    名古屋市は「鵜の首は安定性に課題あり」としながらも、解体修理は行わず、観光客や消防車を“通す前提”で補強策を進めています。しかし、専門家からは「人が立つ前提で保全された石垣は他に例がない」「崩れれば上から落ちる」との警告が出ています。

    ◆過去何回も補修されている「鵜の首」石垣
    名古屋城小天守西側内堀対岸西にある、「鵜の首」石垣。
    西側に水堀が入り込む構造で、石垣部分が細くなっているがゆえに弱さを抱え、地震や大雨のため、過去複数回補修されています。
    有識者からは以前から石垣が不安定と指摘されていましたが、現在も「鵜の首」石垣の上を観覧者が通行しています。

    ◆問題の核心:名古屋市は鵜の首の上“人を通す前提”で対策を進めている
    2025年7月28日に開催された、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第67回)では、天守台及び周辺石垣の保存対策について議論されました。

    ・25/7/28特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第67回)配布資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250728.pdf
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250728-1.pdf

    名古屋市は、「鵜の首」石垣(S10)について、発掘調査を踏まえ、「安定性に課題がある」として、「短期・中期的措置」(ネットによる落石保護、部分補修、部分補強(布団篭、押さえ盛り土))を目指す方針を示したものの、「長期的措置」である解体修理までは行わない考えをしましました。

    名古屋市は、現天守解体、木造天守閣復元工事への影響については「内堀保護工事の際は、仮設物は残置して軽量盛り土材等で埋める」としました。

    ◆千田教授「鵜の首が安定性を欠いている証明はしたのか」
    千田教授は「先ほど名古屋市は『鵜の首が安定性を欠いている』と述べたが、どう証明したのか。一部試掘で根石の据え方がしっかりしていないとか、鵜の首外側についてはセットバックして石垣を積んでいたことがわかった。ただ、石垣の勾配の内面は変化していない。本当に脆弱と言ってよいか」と述べました。

    ◆宮武教授「文化庁の指針では『石垣の上に人が立つ』を想定していない」
    宮武教授は「全国の石垣で耐震対策・保全対策がなされているが、どれも『石垣が崩れて前に襲ってくる』対処であって、おそらく『石垣の上に人が立つ』のを前提に一時保全している事例はない。
    今回、『鵜の首』石垣の下部を抑える提案がなされているが、崩れるときは上から崩れる。『鵜の首』石垣の上に立っている人の生命をどうするか。本当に鵜の首の上を人を通し続ける気なのか?横に橋を架けるなども検討しては」と述べました。
    ・参考:文化庁 文化財石垣の耐震対策に係る指針・要領・事務連絡
     https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/hogofukyu/94117101.html
     
    ◆名古屋城「消防用タンク車が北まで通る道はここしかない」
    名古屋城総合事務所は「鵜の首西側に橋を架けられないか、雑談レベルで検討したことはあるが、事例があまりない。
    それらは長期的な対策となる。
    なお、消防用タンク車が北まで通る道はここしかないので、なんとか石垣下部を押さえて安全性を高められないか」と述べました。

    ◆宮武教授「今年度内に石垣保存方針をまとめるのはかなり大変」
    結局、千田教授は「安定性の証明がないため結論を出せない」として議論は次回に持ち越されました。
    宮武教授は今後のスケジュールを確認したところ、名古屋城総合事務所は「年度内に石垣保存方針を作る予定」と述べました。
    宮武教授は「鵜の首石垣は近代に何回も補修されている。近現代石垣をどう取り扱うか決めてからでないと、石垣保存方針はできない。
    次回資料が出ても、年度内に方針を部会でまとめて親委員会に提案するのはかなり大変」と述べました。

    ◆文化庁調査官「鵜の首石垣上に車両・人を通す通さないパターンすべて検討すべき」
    今回初めて、小野友記子・文化庁文化資源活用課文化財調査官がリアルで石垣部会に参加しました。
    最後にコメントを求められ、「鵜の首石垣をどうすればよいか、『前提条件』を整理しないといけない。
    車両を通す通さない、人を通す通さないなどありとあらゆる選択肢を検討したうえで、『こういう変更をしないといけない』としないと、次のステップに進まない。
    『何か危ないと思ったので』では現状変更許可は通らない」と述べました。

    ◆傍聴した感想:鵜の首の上を通し続ける理由は「消防用タンク車」のためとようやく判明
    以下傍聴した感想です。
    鵜の首石垣の危険性は以前からずっと言われ続けていました。
    御深井丸への動線は、鵜の首だけでなく、本丸御殿・天守閣側からでもいけるため、どうして危険な鵜の首石垣の上に人を通し続けるのかずっと疑問でした。
    今回、初めて「消防用タンク車」のためと自白しました。
    名古屋城の各種事業については、様々な疑問点がありますが、「市民説明会」が2022年度以降開かれなくなり、市民が直接聞ける場所が事実上なくなりました。
    このままでは危険な現状が続きます。

    ◆本当に「消防用タンク車のため」だけか?
    仮に「消防用タンク車」が必要なだけが鵜の首を通行させる理由であれば、「消防用タンク車」を分解して御深井丸側に運び込んでおけばよいだけではないでしょうか。
    鵜の首が天守木造復元工事のために必要不可欠なのかどうかもわかりません。
    (大天守北水堀に仮設橋を架ける計画だったはずで、その工事のために鵜の首を通行する必要があるのかどうか、名古屋城総合事務所は説明が必要です)

    南海トラフ巨大地震がいつ起きても不思議ではありません。
    いつできるかどうか、本当にできるかどうかわからない名古屋城木造復元工事のために、危険な鵜の首の上に人を通し続けるのは本末転倒です。
    一度人命が失われたら戻らないのです。あなたの声が必要です。

    ▲今後の予定 ※一般傍聴可
    ・25/8/6(水)14時〜 第67回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(名古屋能楽堂)
    ・25/8/8(金)10時〜 第1回名古屋市障害者施策推進協議会(名古屋市正庁)
    ・25/8/21(木)13時半〜 令和7年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議(名古屋市公館)
    ・25/8/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会(市政資料館)
    ・25/9/4(木)13時半〜 第67回福祉のまちづくり推進会議(名古屋市公館)

    ■市民オンブズマンの活動と支援のお願い
    名古屋市民オンブズマンの活動はすべて、市民の皆さんのカンパで支えられています。
    これまでにも、情報公開請求によって秘密裡に行われた会議の実態を明らかにし、議論の可視化に貢献してきました。
    今後は、第三者調査機関の設置や、税金の使途検証を市議会に働きかけていきます。

    国も自治体も、企業も支援してくれません。
    残念ながら、マスコミもここまで詳細に名古屋城木造復元の経緯を報道しません。
    だからこそ、あなたの一歩がこの運動を前に進めます。
    ?このままでは、2026年1月以降、事務局の体制が維持できません。
    市民による監視活動を続けるため、あなたの一歩が必要です。名古屋城の“今”を変えるために、あなたの力が必要です。
    情報公開・市民参加を守る最後の砦――それが名古屋市民オンブズマンです。
    この記事を拡散するだけでも効果があります。
    名古屋城に関心のあるあなた、歴史や文化を未来につなげたいあなたの参加を、心からお待ちしています。
    ?ご支援はこちら → http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm

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    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/



    25/7/12(土) 千田教授の提案「誰もが体感できる名古屋城本丸御殿へ」

    「名古屋城、本当に誰もが楽しめる場所になっているか――」
    そんな問いかけから始まった講演会に、約700人が集まりました。

    名古屋城本丸御殿は、江戸の美と現代の技術の粋を集めた空間――
    しかし今、その魅力は“視力のある人だけ”に限られているのです。


    ▲名古屋城公開講座レポート
    2025年7月12日 令和7年度名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)公開講座「名古屋城本丸御殿を考えるー江戸の美と現代の技術ー」が開催され、約700名が参加しました。

    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250712-1.pdf

    ▲千田教授の提案:「誰もが体感できる御殿へ」
    千田嘉博・名古屋市立大学教授は、名古屋城本丸御殿の現状に触れ、「視覚障害者に限らず観覧者は本丸御殿に全く触れることを許されておらず、体感が難しい。
    全ての人が等しく、建築・彫刻・絵画を体感できるようにしてはどうか」と述べました。

    ▲世界と日本の事例紹介
    千田教授は以前から、歴史的建造物とバリアフリーに関して、世界の状況を調査しております。
    スペイン・アルハンブラ宮殿では、触知展示として、実際の目で感じられなくても、緻密な模様を触って体感できるものがあるといいます。
    https://www.alhambra-patronato.es/en/discover/alhambra-y-generalife/conservacion-y-proteccion/urbanismo/puntos-tactiles
    イタリア・オメロ美術館なども触る美術館としてやっています。
    https://www.museoomero.it/en/
    日本でも各地で触知展示が始まっているとのこと。
    「『視力のある人のみ来てください』ではなく、もっと魅力を実感してもらえるように」と述べました。

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    ※以下は筆者が参加して感じたことを記します。

    ▲名古屋城の現状と課題
    美術展示・歴史展示では、視覚障害者だけでなく、身体障害者や知的障害者などにも優しい展示や実際体感できるような展示をさらに検討してはどうかと思いました。

    特に現在名古屋市は名古屋城天守閣を木造復元しようとしていますが、車いす利用者は最上階まで行けないのではないか、「差別の城になるのでは」と障害者団体からバリアフリー化を求められています。

    世界の潮流はバリアフリーです。そこを再度確認したいです。

    ▲名古屋城の未来に向けて
    また、今回の講師である朝日美砂子・金城学院大学等非常勤講師の講演では、名古屋城の知られざる逸話や、展示の裏側にある美術史的背景がユーモアを交えて語られ、会場からはたびたび笑いや感嘆の声が上がりました。
    朝日先生は長年名古屋城調査研究センターの学芸員だったとのこと。
    話が大変面白く、こんな人が名古屋城にいたとは知りませんでした。
    今回も録音・録画が禁止でした。
    「人は城、人は石垣」ではないですが、名古屋城調査研究センターの学芸員の話、せめて朝日先生の話だけでもぜひ広くネットに載せて知ってもらうことが、名古屋城の魅力を広く知らせることになるのではないでしょうか。
    ・名古屋城公式チャンネル
    https://www.youtube.com/@nagoyacastleofficialchanne887

    とくに印象的だったのは、「トラの目」の修復に関する話題です――
    本丸御殿に書いてあったトラの絵の目の昭和15年の修復ですが、当時既に日本にはトラがいたにも関わらず、どうして補筆されたのかなど、様々な疑問が出てくるのが面白いと思います。
    (少なくとも東山動物園の前身に、明治23年(1890年)にはトラがいたとのこと。)
    https://www.higashiyama.city.nagoya.jp/history/zoo/story/index.html
    https://midori-ikimono.com/2024/08/07/tora/
    https://www.tokaiedu.co.jp/kamome/contents.php?i=1341

    ▲今後の予定
    ・25/7/14(月)第2回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会(名古屋市正庁)
    ・25/7/28(月)13時半〜 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第67回)(名古屋能楽堂)
    ・25/8/6(水)14時〜 第67回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(名古屋能楽堂)
    ・25/8/8(金)10時〜 第1回名古屋市障害者施策推進協議会(名古屋市正庁)
    ・25/8/21(木)13時半〜 令和7年度第1回名古屋市障害者差別解消支援会議(名古屋市公館)

    ■市民オンブズマンの活動と支援のお願い
    名古屋市民オンブズマンの活動はすべて、市民の皆さんのカンパで支えられています。
    これまでにも、情報公開請求によって秘密裡に行われた会議の実態を明らかにし、議論の可視化に貢献してきました。
    今後は、第三者調査機関の設置や、税金の使途検証を市議会に働きかけていきます。

    国も自治体も、企業も支援してくれません。だからこそ、あなたの一歩がこの運動を前に進めます。
    ?このままでは、2025年12月以降、事務局の体制が維持できません。
    市民による監視活動を続けるため、あなたの一歩が必要です。
    名古屋城の“今”を変えるために、あなたの力が必要です。
    情報公開・市民参加を守る最後の砦――それが名古屋市民オンブズマンです。
    名古屋城に関心のあるあなた、歴史や文化を未来につなげたいあなたの参加を、心からお待ちしています。
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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    25/7/1(火) 名古屋市議会 名古屋城木材契約「『暫定的に』2027年3月末まで延長」可決

    ?「使う予定のない木材」に、
      毎年1億円超の“保管料”。

    ?その延長を、市議会が“討論もなく”あっさり可決??。


    ■異例中の異例!『暫定的に』契約延長 議案
    名古屋城木造復元のための木材契約を「『暫定的に』2027年3月末まで延長」するという、他自治体ではほぼ聞いたことがない契約案が名古屋市議会に提出されていました。
    議案は以下から読めます。
    ・令和7年6月17日提出 名古屋市長 広沢一郎
     令和7年第108号議案 契約の一部変更について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250625-3.pdf
     
    ■委員会では自民市議「毎年約1億円は結構負担」指摘のみ
    2025年6月25日に行われた名古屋市議会経済水道委員会では、自民市議が「毎年約1億円は結構負担」と指摘したのみです。
    詳細は以下でまとめています。
     https://ombuds.exblog.jp/30701742/

    ■オンブズマンが、保管料値上げ秘密「意見聴取会」を暴露
    名古屋市民オンブズマンは、情報公開請求の結果、名古屋城木材保管料に関し、値上げに関する「意見聴取会」が秘密裡に開催されていたことを明らかにしました。
    詳細は以下でまとめています。
     https://ombuds.exblog.jp/30707314/

    ※私たちの活動はすべて、市民のカンパで支えられています。
    情報公開で明らかにされたこの“隠された事実”を、さらに多くの人に伝えるため、ぜひご支援ください。
    http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm

    ■市議会委員会・本会議で討論なく可決成立
    上記問題点があるにもかかわらず、2025年7月1日に開かれた名古屋市議会経済水道委員会は、各会派の意向表明ののち可決すべきものと決しました。
     自民:賛成
     民主:賛成
     公明:賛成
     減税:賛成
     陽向:賛成
     創政:賛成
    その後、2025年7月2日に開かれた名古屋市議会本会議でも、特段異議もなく賛成多数で可決されました。

    ■「木材を購入した経緯調査」の第三者機関を
    市議会は、附帯決議をあげておきながら、2022年度以降、木材保管料の予算約1億円を認め続けてきました。

    1億円あれば、市立図書館の蔵書を何冊増やせたでしょうか。
    学校のエアコン整備や、保育の支援に回せたかもしれません。
    それが、“使われない木材”の保管料に消え続けています。

    本来は、市議会で100条委員会を設置して調査すべき案件だと考えます。
    名古屋市民オンブズマンは、少なくとも「木材を購入した経緯調査」の第三者機関の設立を求めます。

    議論もせずに可決した各会派の市議たちは、果たして市民に説明できるのでしょうか?
    あなたの一票で選ばれた議員が、どんな判断をしたのか、ぜひ確かめてください。

    ■名古屋市民オンブズマンにカンパを
    名古屋市民オンブズマンの活動はすべて、市民の皆さんのカンパで支えられています。
    これまでにも、情報公開請求によって秘密裡に行われた会議の実態を明らかにし、議論の可視化に貢献してきました。
    今後は、第三者調査機関の設置や、税金の使途検証を市議会に働きかけていきます。

    国も自治体も、企業も支援してくれません。だからこそ、あなたの一歩がこの運動を前に進めます。
    ?このままでは、2025年12月以降、事務局の体制が維持できません。
    市民による監視活動を続けるため、あなたの一歩が必要です。
    ぜひ、カンパという形でご参加ください。
    ?ご支援はこちら → http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm


    名古屋城木材保管料 値上げに関する「意見聴取会」が秘密裡に開催されていた!

    その木材、いつ使うか決まっていません。なのに、保管料に毎年1億円。
    ??これって、正しい使い道でしょうか?
    しかも、その費用がどんどん膨らんでいることを、市民に黙って進めていたのです。

    こっそり「値上げ」について意見聴取会が行われていた、、、
    名古屋市民オンブズマンの情報公開請求でその一端が明らかになりました。

    木材そのものではなく、“説明責任を果たさず、市民に隠して進めてきた行政の姿勢”こそが最大の問題です。


    ◆505億円では終わらない? 市民に知らされない“隠れ費用”の実態
    一向に進まない名古屋城木造復元事業。
    名古屋城木造復元にかかる費用としては、竹中工務店と結んだ基本協定に基づく「上限505億円」以外に、「市議会の附帯決議を無視して市が購入した約40億円の木材の保管費用」を毎年1億円支払い続けています。
    詳しい経緯は以下でまとめています。
    https://ombuds.exblog.jp/30701742/

    ◆市民に隠された「値上げ会議」。密室で何が話されたのか?
    2025年1月31日、名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会(第12回)が秘密裡に開催されていたことが、名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。
    議論は非公開、評価委員すら非公開で、名古屋市は「価格等に関する具体的な内容について、マスコミ等への取材がもしありましたら情報の取り扱いにご配慮いただきたい。本日の資料は回収させていただく」とすら述べていました。

    ・一部開示決定書
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/250620.pdf
    ・内容(議事録、配布資料) 107枚 
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/250620-1.pdf

    ◆名古屋市「人件費が値上がりしたため保管料値上げも妥当」
    情報公開請求で、非常に詳しい議事録が公開されました。
    これまで約1億円の保管料は竹中工務店による見積もりでは約1億1500万円に値上げされていました。
    名古屋市は、竹中工務店からの保管料見積もりと、名古屋市の見積もりを比較して、竹中工務店の方が安いため値上げは妥当としました。
    保管管理費は基本的には人件費で構成されているとのこと。

    ◆名古屋市も認めた“ムダ金” 保管費の本音とは
    名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所は「令和4年度から保管費を別契約して、年間約1億円ずつ積み重なってきている。
    それについては、事業が停滞している部分で、本来はなくてもいいお金」と認めています。
    「それについては議会からも、市民の方からも厳しいご意見はあると思っています」とすら述べています。

    ◆評価委員「保管延長がきっかけとなって、この事業をどうするか議論を願いたい」
    上記を踏まえ、評価委員(氏名非公開)は「保管延長は基本的な問題とは思わないけれど、こういうのがきっかけになって、そもそもこの事業をどうするのか、という基本的なところに立ち戻って議論が再燃されているのか、我々も願いたい。一体この先どうなるのか。というあたりが議論になっていかないといけないのではないかと、私は個人的に思っています」と述べています。

    ◆契約済み約130億円中、木材は約95億円(支払済みは約40億円)
    やり取りの中で、505億円中契約済み約130億円、そのうち木材は約95億円が契約済みであることが判明しました。(木材の支払済みは約40億円)
    結局評価委員は木材値上げを承認しました。

    ◆このムダ遣い、いつまで続ける?市民の声が必要です
    「本来支払う必要のない」保管費用は2022年度からすでに約3億円支払い済みです。今後も約1億円強毎年払い続ける予定です。
    少なくとも、「どうして文化庁の許可を得ないまま購入したのか」当時の責任者に説明を求める必要があります。
    それなしでは「名古屋城木造復元の進め方の総括」は始まりません。
    決裁を承認した人の名前は、以下情報公開請求で判明しています。
    ・竹中工務店との実施設計、木材製材等の契約(過去分)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-1.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-2.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-3.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-00.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-0.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240627.pdf 

    ◆市民に出来ること
    あなたが納めた税金が、使われない木材の保管料として、毎年1億円ずつ消えていっています。
    それを、誰も検証していない??本当にこのままでいいのでしょうか?
    でも、変えられるのは市民の力です。

    木材は使われないまま保管され、計画は前に進まず、責任もあいまいなまま。
    「どうしてこんなことが許されてしまうのか」と感じるのは、当然のことです。
    でも、声を上げなければ、このまま忘れ去られてしまいます。

    名古屋市は、議会の附帯決議を無視し、文化庁の許可もないまま約40億円の木材を購入し、毎年約1億円の保管料を支払い続けています。
    しかも、誰もその経緯を検証していません??これこそが最大の問題です。

    上記「税金の無駄遣い」に主権者である市民に出来ることはたくさんあります。
    ・このブログをシェアして、#名古屋城木材問題 とタグをつけてください
    ・おかしいと思ったらこのページを地元議員に送ってみてください
    ・2025年7月1日に市議会経済水道委員会で審議予定。注目しましょう。
    ・地元市議に「名古屋城はどうなっているか」質問しよう
    ・このブログ・ホームページの感想をSNSなどで発信しよう
    ・今後の参院選・市議選・市長選投票時の考慮材料にしよう
    その他、市民に出来ることは多くあると思います。この文を読んでぜひ行動に移しましょう。
    市民が監視・行動しなければ、税金の無駄遣いは今後も続いてしまいます。

    ◆名古屋市民オンブズマンにカンパを
    私たち名古屋市民オンブズマンはこれまで??
    ・密室で行われた会議を情報公開請求で明らかに
    ・議会での追及の材料を市民に提供
    ・行政の透明性向上に寄与
    ??といった実績を積み重ねてきました。

    今後は、第三者調査機関の設置や、税金の使途検証を市議会に働きかけていきます。

    名古屋市民オンブズマンの活動はすべて、市民の皆さんのカンパで支えられています。
    国も自治体も、企業も支援してくれません。だからこそ、あなたの一歩がこの運動を前に進めます。
    皆様方のカンパが頼りです。以下リンクからカンパのご協力をお願いいたします。
    なお、このままですと、来年以降、現在の事務局職員体制を維持することは困難となります
    伏してご協力をお願いいたします。
    http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm
    http://www.jkcc.gr.jp/profile/01_09.html


    25/6/25(水) 名古屋城木材保管料「暫定的に」1年契約延長案 自民市議「毎年約1億円は結構負担」指摘のみ

    文化庁の許可もないまま、約40億円の木材を買い、約1億円の保管料を毎年払い続けている――。
    あなたの税金が、"いつ使うか未定の木材"の倉庫代に消えていること、ご存じでしたか?

    一向に進まない名古屋城木造復元事業。
    名古屋市はさらなる税金投入を行うことを提案し、市議会も議論らしい議論をしていません。
    ◆505億円では終わらない? 市民に知らされない“隠れ費用”の実態
    河村たかし前市長が強引に推し進めてきた名古屋城木造復元事業ですが、竹中工務店との「2022年12月末までに完成させる」という基本協定期限が切れ、「暫定的に」実施設計、木材製材等の期限が1年ずつ延長されています。
    「基本協定」では上限505億円を竹中工務店に支払うことになっています。
    しかしながら、上記には「木材保管料」は含まれていません。

    ◆市議会「付帯決議」に反して購入した木材約40億円の保管料毎年約1億円
    名古屋市議会は2021年3月19日に「名古屋城天守閣木造復元にかかる予算については、文化庁の文化審議会において正式に『木造復元』の許可がされた後に執行すること」という附帯決議をあげています。
    にもかかわらず木材を先に約40億円買ってしまい、「木材保管料」として「505億円」とは別途、2022年度から毎年約1億円を支払い続けています。
    木材の製材契約について、今回名古屋市は市議会に「暫定的に2027年3月31日まで変更する」旨の議案を提出しました。

    ◆止まったままの復元計画 保管料だけが積み重なる現実
    2023年6月3日に行われた「バリアフリー市民討論会」における参加者による差別発言ならびにその後の市の対応のまずさで、木造復元事業はいったんストップしました。
    2024年9月18日に第三者委員会による「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証について(最終報告)」が提出されました。
    その後、名古屋城総合事務所は2025年5月15日に「名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について」を発表しました。

    しかしながら、新昇降技術について障害者団体と話し合うめどがたっておらず、いつ竣工できるのか、そもそも文化庁に解体・復元申請を出せるのかもめどが立っていません。
    その間、ずっと木材保管料が毎年1億円かかることになります。

    ◆“指摘だけで終わり”の市議会 約1億円の無駄遣いを誰も止めない
    しかし、そのような状況に対して、市議会からは具体的な追及も改善策も出ていません。

    2025年6月25日に行われた名古屋市議会経済水道委員会の議論をみていきましょう。

    名古屋市は契約した木材2323本、約95億円のうち、2071本約40億円(2023年度決算ベース)を支払ったと述べました。
    久しぶりに経済水道委員会に復帰した丹羽ひろし市議(自民)は、「1億円の保管料がずっとかかってくると結構な負担になってくると思う。
    皆さんも早く計画通りやりたいという考えもあるけど、しっかりと前に進めるように意見を申し上げる」と述べるのみにとどまりました。

    他の市議からはだれも意見がなく、経済水道委員会は予定していた次回をなくし、本件の議論は終了しました。
    2025年7月1日(火)午前10時30分からの市議会経済水道委員会で意思決定がなされます。

    ◆大村知事も疑問視した“不透明な契約” 木材購入の闇とは
    大村秀章愛知県知事は2019年6月24日の記者会見で「事実関係を知りたい。何で許可のめども立たないのに500億円という予算を立てて、議会も議決して。
    許可のめどが立つまでは木材は買っちゃ駄目だと言われていながら、それでも100億円も契約してどんどん製材をしてしまったと。
    当然のことながら許可は出ないと。これは一体何が起きたんだと。いつ誰が何を言ってこうなったのかということもですね、是非知りたいというふうに思います。」と述べています。
    https://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2

    大村知事の発言からすでに6年。木材だけで約40億円の税金が投入され、木材保管料は2022年度からすでに約3億円支払い済みです。
    今後も毎年約1億円ずつ支払われる予定です。

    ◆「木材を購入した経緯調査」の第三者機関を
    市議会は、上記附帯決議をあげておきながら、2022年度以降、木材保管料の予算約1億円を認め続けてきました。
    名古屋城木造復元事業に関しては、上記差別発言についての第三者機関があったのみです。
    本来は、市議会で100条委員会を設置して調査すべき案件だと考えます。
    名古屋市民オンブズマンは、少なくとも「木材を購入した経緯調査」の第三者機関の設立を求めます。

    ◆木材保管料 値上げに関する「意見聴取会」が秘密裡に開催されていた!
    2025年1月31日、名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会(第12回)が秘密裡に開催されていたことが、名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。議論は非公開、評価委員すら非公開で、名古屋市は「価格等に関する具体的な内容について、マスコミ等への取材がもしありましたら情報の取り扱いにご配慮いただきたい。本日の資料は回収させていただく」とすら述べていました。
    約1億円の保管料は約1億1500万円に値上げされていました。
    後日内容を分析して報告いたします。
    ・一部開示決定書
    http://nagoya.ombudsman.jp/castle/250620.pdf
    ・内容(議事録、配布資料) 107枚 アップしなおしました
    http://nagoya.ombudsman.jp/castle/250620-1.pdf

    ◆市民に出来ること
    木材は使われないまま保管され、計画は前に進まず、責任もあいまいなまま。
    「どうしてこんなことが許されてしまうのか」と感じるのは、当然のことです。
    でも、声を上げなければ、このまま忘れ去られてしまいます。

    名古屋市は、議会の附帯決議を無視し、文化庁の許可もないまま約40億円の木材を購入し、毎年約1億円の保管料を支払い続けています。
    しかも、誰もその経緯を検証していません??これこそが最大の問題です。

    上記「税金の無駄遣い」に主権者である市民に出来ることはたくさんあります。
    ・地元市議に「名古屋城はどうなっているか」質問しよう
    ・このブログ・ホームページの感想をSNSなどで発信しよう
    ・議会の議論の行方に注目しよう
    ・今後の参院選・市議選・市長選投票時の考慮材料にしよう
    その他、市民に出来ることは多くあると思います。この文を読んでぜひ行動に移しましょう。
    市民が監視・行動しなければ、税金の無駄遣いは今後も続いてしまいます。

    ◆参考資料
    ・2025年6月25日(水)名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250625.pdf
    ・令和7年6月17日提出 名古屋市長 広沢一郎
     令和7年第108号議案 契約の一部変更について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250625-3.pdf

    ・竹中工務店との実施設計、木材製材等の契約(過去分)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-1.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-2.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-3.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-00.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-0.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240627.pdf 
     
    ・2021年3月19日 名古屋市議会附帯決議
     https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000137941.html

    ・2024年9月18日 『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証について(最終報告)
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html 

    ・2025年5月15日 名古屋城総合事務所
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/other/2025/05/20250516_4247.html

    ----------
    ◆名古屋市民オンブズマンにカンパを
    名古屋市民オンブズマンの活動はすべて、市民の皆さんのカンパで支えられています。
    これまでにも、情報公開請求によって秘密裡に行われた会議の実態を明らかにし、議論の可視化に貢献してきました。
    今後は、第三者調査機関の設置や、税金の使途検証を市議会に働きかけていきます。

    国も自治体も、企業も支援してくれません。だからこそ、あなたの一歩がこの運動を前に進めます。
    皆様方のカンパが頼りです。以下リンクからカンパのご協力をお願いいたします。
    なお、このままですと、来年以降、現在の事務局職員体制を維持することは困難となります
    伏してご協力をお願いいたします。
    http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm
    http://www.jkcc.gr.jp/profile/01_09.html


    25/6/4(水) 名古屋城 全体整備検討会議に差別事案「総括」概要1枚のみ報告

    名古屋城全体の整備方針を決める有識者会議に「報告」として示されたのは、A3で1枚の「進め方の総括」と題する書面のみ。
    名古屋城総合事務所が「有識者軽視を今後も続ける」という象徴的な場面がありました。


    名古屋城バリアフリー市民討論会での障害者差別発言から、すでに丸2年が経過しました。
    しかし、広沢市長は未だに障害者団体と面会すら果たしていません。
    そしてこの5月、市は一方的な「総括」を発表し、このたび有識者にも「総括」を報告しました。
    何が今、問われているのでしょうか。

    ● 市の「総括」は独りよがり
    25/5/15に、名古屋市観光文化交流局は、第三者委員会や市議会、障害者団体の意見も聞かずに一方的に「総括」を発表しました。
    名古屋城総合事務所ホームページの「その他のお知らせ」にこっそり載せていました。
    ・2025年5月15日 名古屋城総合事務所
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/other/2025/05/20250516_4247.html

    ● 全体整備検討会議に「総括」概要を「報告」
    それを踏まえ、2025年6月4日に開催された名古屋城跡全体整備検討会議に「総括」概要(A3で1ページ)を報告題としてあげました。
    なお、会議案内には「議題」しか載せず、「報告題」については全く記載がなかったため、傍聴者や記者も通常より人数が少なかったです。
    ・25/6/4 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第66回)配布資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250604.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250604-1.pdf

    名古屋城総合事務所の担当者は、「概要」に記載がない、総括を出す背景などを説明しました。
    そのうえで、概要の説明を行いました。

    ●有識者から「タイムスケジュールは?」と質問も「まだ言えない」
    小濱芳朗・名古屋市立大学名誉教授は「今後のタイムスケジュールが一切書かれていないが、どうなっているのか」と質問しましたが、名古屋城総合事務所は「いつぐらいとはまだ言えない。もうしばらくお時間を」と述べるのみ。
    有識者からの発言は上記のみでした。

    ●再発防止策を無視し、すでに有識者軽視の姿勢
    総括(概要)には、「事業を進める上での基本的な方針と再発防止策を含む今後の進め方」として以下記載があります。
    〇有識者等関係者の理解を得ながら進めていきます




    ● 市議会は「説明ではなく意見を取り入れる必要」指摘
    市議会では「市民説明会で“説明”するだけでなく、“意見を取り入れる”プロセスが必要」「『市民討論会の失敗』は単なる現場対応ミスではなく、
    上からの無理なスケジュールによって引き起こされた」と指摘がありました。
    にも関わらず、有識者には「報告」するだけとは、名古屋城総合事務所は全く問題を理解せず、今後もこれまでと同様のやり方を続けると宣言したと同然です。

    ●総括にある「市民等への丁寧な説明と理解促進・機運醸成」とは
    今回、有識者には「説明」しただけでしたが、市民にも「丁寧な説明」を今後行うとのこと。
    これでは名古屋城は「市民の宝」には決してなりえません。
     
    ●重要文化財建造物と石垣の耐震問題はどうなった?
    先日行われた、建造物部会や石垣・埋蔵文化財部会で議論となった「重要文化財建造物と石垣の耐震問題」については、今回の全体整備検討会議では議題にも報告題にもなっていませんでした。
    「本物の文化財」さえ置き去りにしており、市の優先順位のおかしさがわかります。

    ● 今こそ、私たちの声を届けよう
    このままでは、またしても「市民不在」の計画が進んでしまいます。
    あなたの声が必要です。
    ◆次回の会議や議会を傍聴する
    ◆「総括」を読む
    ◆市に意見を届ける
    ◆情報をSNSで拡散する

    このまま黙っていれば、また市民不在の整備が既成事実になります。
    「名古屋城は市民の宝」。その声を届けるのは、今しかありません。

    ・2025年5月15日 名古屋城総合事務所
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/other/2025/05/20250516_4247.html

    -------
    今後の予定
    ・25/6/14(土)14時〜 名古屋城の有形文化財登録を求める会 勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・25/6/17(火)〜7/3(木) 名古屋市議会6月定例会

    ----------
    名古屋市民オンブズマンの活動はすべて、市民の皆さんのカンパで支えられています。
    国も自治体も、企業も支援してくれません。だからこそ、あなたの一歩がこの運動を前に進めます。
    皆様方のカンパが頼りです。以下リンクからカンパのご協力をお願いいたします。
    なお、このままですと、来年以降も現在の事務局職員体制を維持することは困難となります
    伏してご協力をお願いいたします。
    https://readyfor.jp/projects/ombuds2025
    http://www.jkcc.gr.jp/profile/01_09.html

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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    25/6/2(月) 広沢市長「名古屋城 障害者団体に会うスケジュールを詰めている」と述べるのみ

    ● まだ会えていない市長――差別発言から2年
    名古屋城バリアフリー市民討論会での障害者差別発言から、すでに丸2年が経過しました。
    しかし、広沢市長は未だに障害者団体と面会すら果たしていません。
    そしてこの5月、市は一方的な「総括」を発表しました。
    何が今、問われているのでしょうか。

    ● 市の「総括」は独りよがり
    25/5/15に、名古屋市観光文化交流局は、第三者委員会や市議会、障害者団体の意見も聞かずに一方的に「総括」を発表しました。
    ・25/5/15 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515.pdf
    ・令和7年5月 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-1.pdf
     
    それを受け、記者からどうなっているか問われるも、「スケジュールを詰めている」と答えるのみ。

    25/6/2(月)広沢一郎名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
    名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250602-1.pdf
    記者:最後なんですけど名古屋城に関してなんですが、観光文化交流局の総括がでてからですね2週間が経ちましたけれども、その後の進捗はどのような状況でしょうか
    広沢市長:それをですね今各障害者団体さんの方に、いつぐらいにどういうスケジュールで、このちょっとご報告に上がろうかということを今、局の方でアプローチをしているというふうに聞いてますので、おそらく近々、こういうスケジュールで、結構数ございますので、いつぐらいにどうやってやっていくかというのを今ちょっと詰めてるところですね。
    記者:市長自らもご報告でかけられるという話をして、まだそれは実施されてない?
    広沢市長:まだですね。
    記者:わかりました。
    -------
    何回も述べるように、25/5/15に発表された「総括」は、市が一方的に発表しただけです。
    第三者による再検証は行われておりません。

    ● 無理なスケジュールが問題の根源
    市議会でも指摘があったように、「市民説明会で“説明”するだけでなく、“意見を取り入れる”プロセスが必要」
    「『市民討論会の失敗』は単なる現場対応ミスではなく、上からの無理なスケジュールによって引き起こされた」のです。

    スケジュールありきで一方的に「総括」することは、失敗を繰り返すことにほかなりません。

    石垣・埋蔵文化財部会でも「どうしてこんな無理なスケジュールを組むのか、自分で自分の首を絞めている」という指摘を受けています。

    名古屋城総合事務所は、木造復元事業や市民討論会だけでなく、石列遺構破壊でも同様の取り返しのつかない大ミスを犯しています。

    ● 真のバリアフリーとは何か
    そもそも、障害者団体は「法律で定められている、誰でも最上階まで大人数で登れるエレベータ―」を求めており、現在の「少人数で何階まで登れるか分からない小型昇降機」でははじめから話になりません。
    名古屋市がいくら「説明」しても無理です。

    現在、小型の「新昇降技術」で何階まで登れるかをMHIに委託して2027/3/19期限で技術開発しており、あと2年で技術的な結論がでます。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf

    ● 「意見を取り入れる」姿勢が必要だ
    名古屋城の整備事業が前に進むために、最低限必要なのは
    ・「障害者団体の意見」を最初から取り入れること
    ・「無理なスケジュール」ではなく、丁寧で段階的な対話を行うこと
    ・「説明」ではなく「共に考える」姿勢を市が持つこと
    それが実現されない限り、市民の理解も、事業の信頼も得られません。

    ● 今こそ、私たちの声を届けよう
    このままでは、またしても「市民不在」の計画が進んでしまいます。
    あなたの声が必要です。
    ◆次回の会議や議会を傍聴する
    ◆市に意見を届ける
    ◆情報をSNSで拡散する
    「名古屋城は市民のものだ」と、行動で示しましょう。
    -------
    今後の予定
    ・25/6/4(水)14時〜 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 (第66回) 名古屋能楽堂
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2025/kankobunkakoryu/0000186828.html
    ・25/6/14(土)14時〜 名古屋城の有形文化財登録を求める会 勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・25/6/17(火)〜7/3(木) 名古屋市議会6月定例会


    25/6/2(月) 名古屋城 有識者に重要文化財建造物 防災計画を示す

    「重要文化財の防災計画」が市民の知らないところで決まろうとしています。
    2025年6月2日、「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 建造物部会」が開催されました。
    議題は「重要文化財の防災計画」――しかし、市民オンブズマン関係者は事情により傍聴できず、議論の中身は資料からは読み取れません。
    名古屋城を“市民の宝”とするために、今こそ開かれた議論が必要です。

    25/6/2に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 建造物部会(第37回)が開催されました。
    議事は重要文化財建造物等保存活用計画について(防災計画など)でした。

    名古屋市民オンブズマン関係者は事情により傍聴できず、資料のみ入手しました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250602.pdf

    何か月か後には名古屋城総合事務所ページに議事録が掲載されるでしょう。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2025/04/20250402_4500.html

    -------
    25/5/23石垣・埋蔵文化財部会で、「重要文化財の建造物が載っている石垣について、建造物部会と石垣・埋蔵文化財部会の合同部会を開くべき」という意見が出ました。
    https://ombuds.exblog.jp/30685362/

    建造物部会ではどのような議論になったのでしょうか。
    資料だけではさっぱりわかりません。

    なお、25/6/4(水)に開催される全体整備検討会議の議題は、「本丸搦手馬出周辺石垣の修復について(本丸搦手馬出西部の発掘調査)」のみとなっています。
    https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2025/kankobunkakoryu/0000186828.html

    名古屋市民オンブズマンは以下考えます。
    ・全体会議と部会は録音・録画・写真を許可すべき
    ・できればネット配信も行うべき
    ・遅くとも1か月以内に資料と議事録をネットに公表すべき
    ・せめて部会の議論を全体会議で報告すべき
    ・部会関係者を一堂に集めて今後のやり方を議論すべき

    「名古屋市民は名古屋城に親しみがあまりない」と言われ続けて早数十年。
    有識者会議での豊富な資料と議論は、城好きにはたまらないと思います。
    どうして議論を市民に広く公開しないのか、不思議でたまりません。

    名古屋城は大天守・小天守だけではありません。
    名古屋市は「天守木造復元の機運を高めたい」と願っているようです。
    木造復元の是非はさておいても、名古屋市が名古屋城をめぐって現在何をしているのかをまずきちんと発信すべきではないか、それこそが「名古屋城が市民の宝」となる第一歩ではないでしょうか。

    名古屋城は「行政のもの」ではありません。市民に開かれた議論こそが、名古屋城を“市民の宝”にする道です。

    あなたも次回の会議を傍聴して、議論の中身を確かめてみませんか?
    「名古屋城は市民のものだ」と声を届けるために、できることから始めましょう。

    -------
    今後の予定
    ・25/6/4(水)14時〜 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 (第66回) 名古屋能楽堂
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2025/kankobunkakoryu/0000186828.html
    ・25/6/14(土)14時〜 名古屋城の有形文化財登録を求める会 勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・25/6/17(火)〜7/3(木) 名古屋市議会6月定例会


    25/5/23(金) 名古屋城石垣部会委員「重要文化財の櫓と石垣の耐震方法は『合同部会』で議論を」

    あなたは、名古屋城の櫓がいつ崩れてもおかしくない状況にあることを知っていますか?
    天守の木造復元よりもはるかに重要な「現存する本物」への対策が、今まさに議論されています??。

    市民討論会での差別発言で事実上ストップしている名古屋城木造復元事業。
    一方、現存する櫓など、江戸時代から続く重要文化財の耐震診断と、その下の石垣の耐震補強は喫緊の課題です。
    天守の木造復元よりも、今守るべきは「本物」の櫓と石垣です。
    そのために、建造物部会と石垣部会の合同議論が不可欠です。

    25/5/23に石垣・埋蔵文化財部会で議論になったので詳しく見ていきましょう。

    25/5/23 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第66回)
    ・配布資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250523.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250523-1.pdf
     
    今回も、録音・録画・写真撮影は禁止されました。

    議題は3つ。報告題が1つでした。
    ・議題
    (1)本丸搦手馬出周辺石垣の修復について
    (2)特別史跡名古屋城跡内の石垣保存方針策定について
    (3)重要文化財建造物等保存活用計画について(東南隅櫓及び西北隅櫓直下石垣の耐震基礎診断)
    ・報告
    (1)水堀関連遺構の発掘調査成果について

    【議題1】本丸搦手馬出周辺石垣の修復
    → 焦点:復元年代の不明確さ、バリアフリー方針の整合性

    現在進められている本丸搦手馬出周辺石垣の修復について、有識者から「図面での石垣表現がまちまち」「いつの時代に復元するのか決まっているのか」「ここはバリアフリーを行うが、名古屋城全体をバリアフリー化するということでよいか」など、厳しい指摘が次々出ました。

    最後のバリアフリーについて、渡辺所長は「バリアフリーは大事な考え方」と述べるだけでした。千田嘉博・名古屋市立大学高等教育院教授は「他ではバリアフリーしないのか」と問われ、渡辺所長は「他も実施する」と述べました。

    【議題2】石垣保存方針の策定
    → 焦点:どの部会が責任を持つのか、期限設定の無理

    名古屋城跡内の石垣保存方針策定について千田教授から「『有識者による指導助言』とぼかさず、『石垣・埋蔵文化財部会』によると明記した方がよい」と指摘を受け、名古屋城総合事務所はそのように修正するとしました。

    宮武正登・佐賀大学教授は「『今年度中に保存方針をまとめる』とあるが、首を絞めるだけ。
    特に、上に現存する建物が載っている石垣をどうするかは、上の建物の安全性と、下の安全性がバッティングする」と述べました。

    座長の北垣聰一郎・石川県金沢城調査研究所名誉所長は「上の建物にどの程度人が入るのか。1人2人でいいのか、どんどん入れましょうなのかで全く意味合いが違う」と述べました。

    【議題3】現存櫓下の耐震診断
    → 焦点:杭打ちは許されるのか、専門部会の合同必要性

    (3)重要文化財建造物等保存活用計画について (東南隅櫓及び西北隅櫓直下石垣の耐震基礎診断)を議論しました。

    宮武教授は「下の石垣が『安定性を欠いている』とされた場合、パイル(杭)を打ちますか?それはやっちゃいけないこと。」と述べました。

    北垣座長は「『非石塁』と記載があるが、素人でもわかりやすくしてほしい。そもそも『非石塁』とひとまとめにされてもいろいろある。」と述べました。

    千田教授は「耐震基礎診断後、建造物部会と石垣部会の部会をまたいだ議論も必要ではないか」と述べました。

    名古屋城総合事務所は「建造物部会は建物、石垣部会は石垣として、『取り合い部分』について合同部会は想定していなかった。
    耐震基礎診断結果を見て検討したい」と述べました。

    千田教授は「名古屋城をめぐっては、これまで部会がそれぞれ勝手な意見を言い、年度末に全体整備検討会議にかけるが、実務としては使えなかった。
    国の補助金、市の税金が入っており、結果的に使えないのなら国民・市民に申し訳がない。これが何年も続いている。
     ・名古屋城総合事務所の組織に問題があるのか?
     ・部会が重層的で同時並行でやっており、組み立てそのものに問題があるのか?
    名古屋城総合事務所は機能不全だ。調査研究センターもうまくなく、名古屋市教育委員会もサポートできていない」と述べました。

    次に、報告題として、(1)水堀関連遺構の発掘調査成果が報告されました。

    千田教授は「最初に気が付かないといけなかった。『水堀関連遺構』は『本丸搦手馬出周辺石垣の修復』の一環であり、全く関係ないものとして今回報告が出されたのであれば、相当悪いやつか何も考えていないかだ。最初に議論したのは無効だ。スケジュールが相当狂うが考えないといけない」と述べました。

    それに対し、名古屋城総合事務所は「ほかになにかあるか」とのみ述べたため、千田教授は「『ほかになにかあるか』ではなく『どうするか』だ。全貌が見えていない」ときつく述べました。

    宮武教授は「『水堀関連遺構』は全国的に珍しい『殿様が舟で遊んでいた証拠』が出てきた。搦手石垣も城全体を構成する。
    一つのメニューとして、事業費は違うが寄せてできないか」と助け船が出ました。

    千田教授は「組織が死にかけている。夢のある名古屋城。わくわく考えないと。全体が見えていない。」と述べました。

    --------
    以下感想です。

    河村たかし前市長は「『本物』を作る」として、課題が極めて多い天守木造復元に邁進していましたが、事実上ストップしています。

    一方、西南隅櫓、東南隅櫓及び西北隅櫓は名古屋城に創建時のまま現存する『本物』で重要文化財です。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/guide/sumiyagura/

    将来発生するとされる南海トラフ地震や直下型地震にこれら建物やそれを支える石垣が耐えられるのか。
    よほどその対応の方が喫緊の課題だと考えます。

    なぜか名古屋城の有識者会議同士の横の連携がほぼなく、議事録も数か月後にしか公表されないため、ほかの部会でどのような議論になっているのか、委員同士が分かっていません。

    早急に建造物部会と石垣・埋蔵文化財部会の合同部会を開くことを希望します。

    私たち市民の関心と声が、文化財を守る力になります。次回の建造物部会・全体整備検討会議は傍聴可能です。ぜひ一緒に名古屋城の未来を見守りましょう。

    -------
    今後の予定
    ・25/6/2(月)10時半〜 広沢市長会見
    ・25/6/2(月)14時〜 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 建造物部会(第37回)
    ・25/6/4(水)14時〜 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 (第66回) 名古屋能楽堂
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2025/kankobunkakoryu/0000186828.html
    ・25/6/14(土)14時〜 名古屋城の有形文化財登録を求める会 勉強会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・25/6/17(火)〜7/3(木) 名古屋市議会6月定例会


    25/5/15(木) 広沢市長は河村前市長と『決別』して「変革のリーダー」になれるか 名古屋城総括を受けて問われる、市政トップの「本気度」

    2025年5月15日、名古屋市議会経済水道委員会にて、広沢一郎名古屋市長が名古屋城木造天守閣復元事業をめぐる「総括」について答弁しました。市長就任後、初めて本格的にこの問題と向き合った姿勢が問われる中、その発言から見えてきたのは、市政の“転換”への意志と、なお残る“課題”でした。


    ・25/5/15 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515.pdf
    ・令和7年5月 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-1.pdf

    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(前半)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-11.pdf
    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(松雄副市長分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-12.pdf
    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(広沢市長分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-13.pdf

    ◆「これで終わりではない、本番はこれから」
    広沢市長は総括について「これで終わりではない、本番はこれから」と語り、今後、障害者団体や市民への丁寧な説明を重ねていく決意を表明しました。

    「差別事案は、行政としてあってはならないものだった。組織も個々の職員も、深く反省しなければならない」

    この姿勢は、副市長・局長答弁に比べて格段に誠実かつ明確なものであり、トップとして一定の責任を引き受けた点は評価できます。

    ◆「スケジュール優先は拙速だった」―はっきりと認める
    市長は前任者の“拙速”を以下のように明言しました。

    「今思えば、スケジュール優先は拙速だった。合意形成を丁寧に図るべきだった」

    さらに、河村前市長の「1?2階で合理的配慮は十分」との発言が混乱を招いたことを認め、「その場その場で変わる発言には私も憂慮していた」と、当時そばにいた立場から振り返りました。

    ◆トップダウン体制から、対話型の行政へ?
    印象的だったのは、組織運営に対する広沢市長の姿勢です。

    「忖度ではなく、上下関係なく意見を出し合える“風通しの良い組織”を作る」

    これは前政権の“恐怖政治”からの脱却を象徴する言葉です。市長は「現在の局内は緊張感を保ちつつも風通しは良好」と述べ、意見が言いやすい環境づくりに
    意欲を示しました。

    しかし、それを市民がどう体感できるかが今後の試金石となるでしょう。

    ◆それでも残る“聴く姿勢”の不十分さ
    一方、問題点も明確です。

    ●「市民の声をどう聴くのか」が曖昧
    議会では、9年前の2万人アンケートにいまだ依拠していることに対し「現在の市民の声を反映すべきでは」との批判が続出しました。

    広沢市長は、
    「今も市民の大半は木造復元を支持していると思う」
    「選挙で木造化を掲げて当選したという事実がある」
    と述べ、市民の意志を“選挙結果”と“過去の調査”に求める姿勢を示しました。

    また、「市民説明会や市長ホットラインなどで声は集めていく」と言いつつも、「市民の意見を反映する具体的プロセス」は明言されませんでした。

    ◆「指示書」の扱いと河村市長への距離感
    議論の中で何度も焦点となったのが、河村前市長が出した「全責任は私が取る」と記された指示書の扱いです。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    広沢市長はこの文書について、

    「市長の責任を明記したものだが、残りの部分は既に達成された。全体としては異例な事態だった」

    と述べましたが、この指示書を「継承するのか、撤回するのか」については明言を避けました。

    また、仮に河村前市長と文化庁に同行するよう求められたら?という質問に対して、
    「市の方針と異なる内容であれば、同席はできない。立場はぶれない」

    と答え、一定の独立性を見せた一方、“恩師”への配慮もにじむ微妙な距離感が残りました。

    ◆オンブズマンとしての評価と提言
    広沢市長の答弁には、誠実さと反省の色が見られました。
    しかし、市民オンブズマンの立場からは次のような課題を指摘せざるを得ません。

    ◎評価すべき点
    ・市民討論会での差別事案を「最大の大問題」として明確に認識
    ・スケジュール優先の弊害を認め、今後の丁寧な合意形成を強調
    ・トップダウン体制から脱却し、職員との双方向コミュニケーションを重視する姿勢

    ◎問題点・不十分な点
    ・現時点での市民意志(再アンケート・説明会での意見反映)への配慮が弱い
    ・指示書の扱い、前市長との関係に曖昧さが残る
    ・「市民とともに事業を作る」という主体的ビジョンがまだ不明確

    ◆まとめ:「リーダーシップ」の次は「シチズンシップ」へ
    広沢市長は、かつての“スケジュール優先の暴走”から距離を取り、より開かれた行政を目指す姿勢を打ち出しました。これは重要な一歩です。

    しかし、真の信頼回復に必要なのは、“市民の声を聞く仕組み”の構築と、その声を政策に活かす力です。
    市民オンブズマンは引き続き、次の点を求めていきます:

    ・現時点での市民意見を把握するための再アンケートまたは協議会の設置
    ・総括の見直し・再補足に市民の声を反映させる機会の明示
    ・指示書の位置づけと前市長との関係を市民にわかりやすく説明する責任

    名古屋城木造復元事業は、単なる建築ではありません。
    「市政が市民とどう向き合うか」を象徴する問いです。

    広沢市長の“決意”が、“変革”へと結実するか――
    その行方を、私たちは注視していきます。


    25/5/15(木) 松雄副市長は何を語ったのか 「切腹しろ」の圧力と “忖度の構造”――名古屋城整備失敗の核心を読む

    2025年5月15日、名古屋市議会経済水道委員会において、「名古屋城天守閣木造復元事業」の進め方をめぐる「総括」に関し、松雄副市長がついに口を開きました。

    市民討論会での差別事案を契機とした事業の混乱。その根本原因は何だったのか――副市長の発言から、市政の闇と行政の限界が垣間見えました。


    ・25/5/15 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515.pdf
    ・令和7年5月 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-1.pdf

    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(前半)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-11.pdf
    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(松雄副市長分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-12.pdf
    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(広沢市長分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-13.pdf

    ◆「切腹しろ」との市長命令、指示書の重圧
    松雄副市長は冒頭、過去の経緯を振り返りながらこう語りました。

    「副市長就任時、河村たかし(前)市長から“できなければ切腹しろ”と言われた。あの指示書(※「全責任は私が取る」と明記)を受け取った瞬間がすべての始まりだった」
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    この発言は衝撃的です。副市長を含む職員が“トップの意向”に従わざるを得ない空気の中で、丁寧な調整や市民参加が軽視されていった背景が浮き彫りになりました。

    なお、松雄副市長は「スケジュールありきで文化庁とも調整をしておりました」とあり、2015年8月24日指示書、2021年12月16日副市長就任以降、2023年6月3日市民討論会までの間に、文化庁との間でなんらかの合意があったことを示唆しました。

    ◆「職員の声より、市長の顔色」
    松雄副市長は、職員が「市民説明には2年は必要」と進言していたことを「記憶にない」と述べました。しかし、結果的には市長・前局長の意向やスケジュール感を優先し、無理を重ねたことを認めています。

    「最後は私もスケジュールに立ち戻ってしまった。職員はそれを気にしながら無理を重ねたのではないか」

    この構図は、「市民の声より、市長の顔色」が優先される行政文化の象徴です。副市長自ら「忖度があったと言われれば否定できない」と認める答弁は、まさにその実態を証明するものでした。

    ◆「強い市長」と「言えない職員」のはざまで
    副市長は、当時の議会での答弁すら「的確にできなかった」と述べたうえで、こう自戒しました。

    「私は職員との間、市長との間の調整役。それがうまくできなかった。反省している」

    つまり、トップの意向に対して「NO」と言えず、現場の声もすくいきれなかった――その責任を副市長自身が一部認めた格好です。

    ただし、「すべてが河村前市長のせいではない」との立場を終始崩さず、あくまで「複合的な問題」として処理しようとする姿勢には限界も見えました。

    ◆謝罪の意思は表明されたが…
    副市長は「機会があれば、障害者の方へ直接謝罪したい」と表明。さらに自身が所管する他局についても「障害者がよりよく暮らせる取り組みを全力でやる」と述べました。

    これは一定の前向きな姿勢として評価できますが、一方で、謝罪のタイミング・形式・組織としての姿勢表明については曖昧さが残りました。

    ◆市民オンブズマンとしての指摘:これは「忖度の総括」ではないか?
    この日の副市長答弁から明らかになったのは、「前市長の強い意向 → 副市長の忖度 → 職員の沈黙」という行政の階層構造です。問題の根幹は、まさにこの“意思決定の不健全な流れ”にありました。

    ところが、総括資料ではこの構造的問題が曖昧に処理されています。議員からも以下のような指摘が出ました。

    「総括にトップの責任が明記されていないのはおかしい」
    「行政による自己総括では限界がある。第三者による評価を入れるべき」
    「“全責任は私が取る”という指示書の重さが、市長本人にはまったく自覚されていなかった」

    こうした声に副市長は「残念だ」と応じましたが、だからこそ総括に何が書かれ、何が書かれなかったかは極めて重要です。

    ◆私たちは問い続ける
    名古屋市民オンブズマンとして、以下の点を改めて指摘します。

    ・トップの強い意向が行政全体をゆがめたことを、正面から総括に書くべき
    ・指示書の意味と影響を明文化すべき
    ・第三者による再検証、あるいは市民委員会の設置を検討すべき
    ・副市長が「責任は重い」「深く反省している」と何度も口にしたことは記録されました。問題は、それが“言葉だけ”に終わらないかどうかです。

    次回は、広沢市長の発言から「市民と向き合う覚悟はあるのか」を読み解きます。
    -------

    25/5/15(木) 名古屋城整備「総括」から見えた失政の構造 〜“説明”はするが“市民の声”は聞かない?〜

    25/5/15(木)、名古屋市議会経済水道委員会で「名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括」が当局から報告されました。
    ・25/5/15 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515.pdf
    ・令和7年5月 名古屋市観光文化交流局
     名古屋城天守閣整備事業の進め方に係る総括について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-1.pdf

    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(前半)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-11.pdf
    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(松雄副市長分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-12.pdf
    ・25/5/15 名古屋市議会経済水道委員会(広沢市長分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250515-13.pdf

    これは、2023年6月の名古屋城バリアフリー市民討論会での差別事案を契機に始まった一連の検証をまとめたものです。

    私たち名古屋市民オンブズマンは、この「総括」が果たして本当に市民と向き合ったものになっているのか、そして失敗の本質を明らかにできているのかを点検しました。

    ◆総括の概要:反省と再出発…のはずが
    観光文化交流局が示した総括資料では、市民討論会で起きた差別的発言への深い反省を起点とし、名古屋城整備の全体像を振り返っています。大きく分けて以下のような問題点が指摘されました。
    ・市内部の調整不足
    ・障害者人権への認識の甘さ
    ・史跡整備の経験不足
    ・情報提供のわかりにくさ
    ・スケジュール優先の弊害
    ・前市長の強い意向に対する職員の葛藤

    これらをふまえて、「再発防止策」や「市民説明会の実施」などが今後の基本方針として示されました。

    ◆“スケジュール優先”の根深い構造的問題
    議会の議論では、「市民討論会の失敗」は単なる現場対応ミスではなく、上からの無理なスケジュールによって引き起こされたとする見解が多数を占めました。

    特に問題視されたのは、前市長(河村たかし氏)による「東京オリンピックまでに完成せよ」という指示が行政を過度に圧迫し、丁寧な説明や市民対話が軽視された点です。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

    実際、担当課長も「文化庁への計画提出に間に合わせるために討論会が急ぎ開催された」と認めています。これはまさに、“市民の意見を聴くための会”が“政策を通すための儀式”に堕していたことを意味します。

    ◆市民の声は本当に届いたのか?
    市民の意思として繰り返し引用されたのが、2016年の「2万人アンケート」です。
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083689.html
    木造復元賛成が6割という結果をもとに事業が進められてきました。

    しかし、このアンケートについて議員からは次のような批判が出されました:
    ・質問内容が木造化に誘導的で中立性に欠けていた
    ・アンケート結果を政策へどう反映させるかの議論が当時不十分だった
    ・すでに9年前の結果であり、現在の民意と大きく乖離している可能性がある

    それにもかかわらず、当局は「再アンケートの予定はない」と明言しました。

    ◆「説明」はするが「聴く」気はあるのか?
    今後の事業方針として示されたのは「丁寧な情報提供」でした。市民説明会やWeb公開などで広報を進めるとのことですが、「意見を政策に反映させる」仕組みは依然不明確です。

    一部議員からは、
    「市民説明会で“説明”するだけでなく、“意見を取り入れる”プロセスが必要」
    「“丁寧な情報発信”という言葉に逃げず、再検討・合意形成の場を設けるべきだ」
    「市長・副市長のパワハラ調査の結果が出てから総括をすべきだ」
    と強い要望が出されました。

    ◆差別事案の「謝罪」は済んだのか?
    被害当事者への謝罪についても議論がありました。観光文化交流局長は「事前に当事者へ謝罪をした」と述べましたが、それは“一対一の説明の場”にとどまっており、市民全体への公式な謝罪や姿勢表明はまだ不十分だと言わざるを得ません。

    ◆市民オンブズマンの視点:問われる“市民との距離感”
    総括は膨大な反省を記録した資料ですが、問題の核心は単なる事務手続きや情報発信の技術ではありません。

    それは、「誰のための行政か」という原点に立ち返れるかどうかです。
    ・市民の声に耳を傾ける仕組みがあるか
    ・意見が政策に反映される回路があるか
    ・トップの“強い意向”に職員がブレーキをかけられる構造があるか

    名古屋城整備という巨大プロジェクトは、単なる観光施設整備ではありません。そのプロセス自体が、名古屋市政の民主主義の成熟度を問うものなのです。

    今後は、松雄副市長・広沢市長がどのような責任と方向性を語るかが問われます。私たち市民オンブズマンは、引き続き丁寧に検証を続けてまいります。

    【次回:副市長・市長の発言を読み解く】


    25/5/6(火) 閉鎖から7年「名古屋城現天守閣を再度開け」正門前でアピール

    「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」は現天守閣が閉鎖されて丸7年になる25/5/6、名古屋城正門前で雨の中11人が集まり「木造復元をやめ、現天守閣を再度開け」とアピールしました。
    https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/


    名古屋市は「名古屋城天守閣は耐震性に問題がある」として2018/5/7以降閉鎖しています。
    一方、2022年12月末までに木造復元する予定だったにもかかわらず、2025年5月現在、いまだに着工のめどが立っていないだけでなく解体申請手続きも文化庁に出す見込みがありません。

    森晃氏は「木造復元天守は2方向避難路がなく、建築基準法に反しており、今後名古屋市消防長の同意や市建築審査会の適用除外の同意が得られるとは思えない」と述べました。

    西浦芳郎氏は「現名古屋城天守は、名古屋市民の多くが寄付を出して作った『戦後復興のシンボル』だ。
    現在の名古屋城天守を耐震改修・補強し、エレベーターもきちんと用意して、多くの人が最上階から眺めを楽しむようにすることが必要」と述べました。

    西浦愛子氏は「美しい現天守には何も罪はない。壊すことのないようにしてもらいたい」と述べました。

    -----
    なお同会は25/3/31に広沢市長に10の提言と質問を行い、25/4/15に回答が来ました。以下抜粋しました。
    https://5g0l2.hp.peraichi.com/

    1.名古屋城に関する史資料の「世界の記憶」への登録のご提案
     →国内での学術的評価がまだ十分にされているわけではなく、現状では「世界の記憶」への登録は難しいと考えております。
    2.本質的な方針の変更に伴う現存天守の価値の再考について
     →現天守閣の記録を適切に保存・活用し、広く発信していくことで、果たしてきた役割等を後世に継承するなど、 丁寧に進めてまいります。
    3.安全性の評価、歴史的復元計画という意義を踏まえた資料の全面公開を求めます
     →防災・避難計画策定に係る事業者の技術上のノウハウに関する情報等を含むことから一部非公開
    4.広沢新市長の所信についての市民説明会の開催を求めます
     →従前からの市の事業の方針を変更するものではないため、所信を明らかにするための市民説明会は予定しておりませんが、天守閣整備事業の理解を深めていただけるよう、様々な機会を捉え、市民向け説明会の開催を検討してまいります。
    5.改修費用、収支計画についての市民説明会の開催を求めます
     →竣工時期を見通すことができないことから、具体的な費用を算出できない状況となっております。
    6.名古屋市が把握する文化庁の鉄筋コンクリート造天守に対する見解を伺います
     →平成27年6月に、文化庁に天守整備の考え方について照会を行ったところ、「天守を復元する場合は、原則として材料等は同時代のものを踏襲する必要があるが、それ以外の可能性を排除するものではない。」とした上で、「名古屋城天守閣については、往時の資料が十分そろっていることを踏まえると、いわゆる復元検討委員会において木造によるできうる限り史実に忠実な復元をすべきと意見が出される可能性が極めて高いと考えられる」との見解をいただいております。
    7.2つの文化庁の見解について広沢新市長の所見を伺います
     →文化庁の基準に基づき、可能な限り史実に忠実な復元がされた天守は、先に復元された本丸御殿とともに、本質的価値の向上と理解促進にとって大きな効果が得られることから、木造で復元する方針としております。
      
    8.誤りの指摘されている「2万人アンケート」のやり直しを求めます
     →2万人アンケートにおいて、回答者の6割以上の方に木造復元に賛同いただけたことが、木造復元に対する市民の思いの表れであると受け止めております。
    9.世界的なバリアフリーの新技術募集によって判明した事実に対する見解
     →可能な限り上層階まで設置することについてチャレンジし、史実性とバリアフリーを両立させてまいりたいと考えております。
    10.現存天守は唯一無二の存在であるという歴史的意義について
     →木造復元に際し、戦後復興の象徴として再建された現天守閣の記録を適切に保存・活用し、果たしてきた役割等を後世に継承することで、400年を超えて存在してきた名古屋城の歴史的価値を高める要素になるものと考えております。


    25/4/24(木) 名古屋城跡全体整備検討会議 有識者「なぜ天守閣部会は2年間開催されていないのか!」

    一向に進まない名古屋城木造復元事業。
    名古屋市は市民に説明しないばかりか、有識者にもきちんと説明していないことが判明しました。

    25/4/24に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第65回)が開催されました。
    構成員の三浦正幸・広島大学名誉教授は「天守閣部会がずっと開催されていないのはなぜか」と質問しました。
    三浦名誉教授は天守閣部会の構成員でもあります。
    ・25/4/24 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第65回) 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250424.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250424-1.pdf


    2025年4月から、名古屋城総合事務所長も保存整備課長も新任となりました。
    2025年3月まで構成員だった赤羽一郎氏の後任は、特に選任されなかったようです。

    はじめに、2024年度の全体整備検討会議及び部会での検討内容、2025年度の事業予定が報告されると、三浦名誉教授は「天守閣部会がずっと開催されていないのはなぜか」と質問しました。
    天守閣部会は2023/3/22の第28回部会以降開催されていません。
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2022/05/20220523_1352.html

    渡辺所長は「2年前にバリアフリー市民討論会で差別事案を引き起こした。
    事業の進め方どうだったのか、局としてまとめている。バリアフリーは大事なので慎重に議論している。一定整理がつくまでは先に進められないと考えている」と述べました。
    三浦名誉教授は「天守閣部会として差別事案の経緯を聞いていない。天守閣部会でもバリアフリーを諮ってもらって、考えないといけない。
    天守閣部会だけやっていない。石垣部会は天守関係の石垣やっており、違和感を感じている」と述べました。


    また、座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「石垣部会では天守台石垣保存対策が何回も議論されているようだが、全体会議で報告はあったか?」と尋ね、名古屋城保存整備課は「天守台対面北側U65は工事中。対面西側U66や鵜の首S10は今後工事したい」と述べました。
    瀬口座長は「天守台石垣そのものの工事は何年後?10年後?計画はあるのでは。何年かかるかわからないのでは、市民に対して無責任ではないか。
    石垣は5年前に調査するといって始めた。木造天守のバリアフリーとは関係がない。
    『現天守を壊さないと天守台石垣調査はできない』というが、壊さずにできる調査は終わったのか。
    名古屋市民は年間2万人死んでいる。5年でもう10万人の名古屋市民が死んでいる。
    あと5年たつとさらに10万人亡くなる。委員でも亡くなった方がいる。スケジュール感を示した方がいい。
    文化庁に書類を出すためのバリアフリー検討は天守閣部会で議論すればいい。市で決めたものを天守閣部会に諮るのか。今年度の予定に一切無いのはどういうことか。」と述べました。

    オブザーバーの渋谷啓一・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「一筋縄ではいかないような事業があるが、着実に整備を求めたい」と述べました。
    一方、平澤毅・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「令和7年度11項目事業予定が記載されているが、そのほかにも検討があるようだ。
    進捗状況は全体会議の場で構成員に情報提供してほしい」と述べました。
     
    ------
    以下感想

    名古屋市は、木造復元のバリアフリーについて小型の「新昇降技術」で何階まで登れるかをMHIに委託して2027/3/19期限で技術開発しており、あと2年で技術的な結論がでます。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf

    しかし、どの程度の進捗状況なのかまったく不明です。
    そもそも、障害者団体は「大型のエレベーターを最上階までつけなければ『差別の城』を作ることになり、かつ違法」と主張しています。 
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613-1.pdf

    市民にも説明せず、有識者にも説明しない木造名古屋城は『国宝』どころか「市が勝手に作ろうとしている城」でしかありません。
    いくら選挙で木造復元に賛成した市長が選ばれ、木造復元に賛成した議員が多数を占めたとしても、市民や有識者に十分説明し、納得がいってはじめて「市民の宝」となるのではないかと思います。
    少なくとも以下は早急に説明する必要があるのではないでしょうか。
    ・現在まで木造復元が進んでいない理由
    ・バリアフリーの見通し
    ・新昇降技術を除く現在の木造復元計画図
    ・今後の木造復元事業の見通し
    ・天守台石垣の工事の見通し
    ・事業費見通し
    ・今後の収支見通し
    ・今木造復元事業を見直したらどうなるか

    皆さんも、市の担当者や市長、市議に対して「木造復元はどうなっているのか。一刻も早く市民への説明会を開くべき」と伝えてみませんか。


    25/4/15(火) 広沢市長 「名古屋城史資料 ユネスコ『世界の記憶』への登録は現状では難しい」

    広沢一郎名古屋市長は、「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」からの「名古屋城に関する史資料のユネスコ『世界の記憶』への登録のご提案」に対し、25/4/15に「現状では『世界の記憶』への登録は難しいと考えている」と回答しました。

    ・令和7年4月15日 名古屋市長 広沢 一郎
     市長に対する提案並びに質問について(回答)
     https://5g0l2.hp.peraichi.com/
     
    「求める会」は25/3/31に広沢市長に対し10件の提言、及び質問を行いました。
    うち、「その名古屋城についての貴重な記録である『金城温故録』、『徳川義勝侯撮影の写真』、『昭和実測図』などの史資料は『世界の記憶』として登録するのにふさわしい条件を備えています。」と述べています。
    ・文部科学省国際統括官付 「世界の記憶」
     https://www.mext.go.jp/unesco/006/1354664.htm

    広沢市長は以下回答しました。
    1.名古屋城に関する史資料の「世界の記憶」への登録のご提案
    (回答)
     ご提案にかかる史資料は、名古屋城にとって貴重な記録であり、その歴史的価値を広く知っていただくことは重要であると考えております。しかしながら、これらの史資料は国内での学術的評価がまだ十分にされているわけではなく、現状では「世界の記憶」への登録は難しいと考えております。
     そのため、まずはこうした資料の価値を明らかにするための調査研究を進め、特別史跡名古屋城跡が有する文化財や資料等に関する学術的・総合的な調査研究を実施するとともに、本質的価値の理解を促進するため、様々な方策を検討してまいります。

    25/4/14市長定例会見では以下述べています。
    ・令和7年4月14日 市長定例記者会見
     https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000185570.html
    名古屋城の世界記憶遺産への登録について
    (記者) 名古屋城についてお尋ねしたいんですけど。先月末ですかね、市民団体から市長に対して質問状が届いたと思うんですが、その中で名古屋城の資料について、ユネスコの世界記憶遺産への登録についてしたらどうかという提案があったと思うんですが、それについて市長の考えありましたら教えてください。
    (市長) その情報は私も聞いておりまして、そういうご質問状をいただいたということで。これは、ちょっと今から詰めてまいりますので、それがまとまりましたらまたご報告をさせていただきます。すみません。
    (記者) 回答はいつ頃。
    (市長) なるべく早めにと思ってます。そうですね、まあなるべく早くですね。何か局からあれば。いいですか。なるべく早めに。(記者)
     ありがとうございました。
     
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    以下感想

    名古屋城木造復元事業は、23/6/3に名古屋市が開催したバリアフリー市民討論会における参加者による差別発言ならびにその後の対応の不手際がありました。
    現在第三者委員会の検証が終わり、名古屋市での再発防止策の検討中です。
    ・「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(最終報告)
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html

    一方、名古屋城調査研究センターは、2024年3月現在、学芸員・事務職をあわせて23人の体制で各種調査を行っています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/center/

    いつになるかめども立たない、本当にできるかどうかも分からない木造復元に邁進するより、『世界の記憶』として登録する方がよほど現実的なのではないでしょうか。
    むしろ、『世界の記憶』として登録する方が「本質的価値の理解」につながるのではないかと考えます。

    25/4/14(月) 第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会 座長「作る以上は実行性のあるものであるべき」

    25/4/14に名古屋市は第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会を開催しました。
    座長に選任された小林直三・大阪経済大学教授は、検討会終了後「人権条例を作る以上は実行性のあるものであるべき」と述べました。

    ・名古屋市スポーツ市民局人権施策推進部 人権施策推進課人権企画担当
     第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会(令和7年4月14日開催)
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000185607.html
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/250414-0.pdf


    本件は、23/6/3に名古屋市が開催したバリアフリー市民討論会における参加者による差別発言ならびにその後の対応の不手際を踏まえ、第三者委員会による検証で「包括的で実行性がある人権条例」制定を提言されました。
    ・24/9/18 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(最終報告)
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000178461.html
     
    今後、2025年7月〜12月に検討会を3回開き、2026年2〜3月に条例骨子を検討し、2026年4月以降、パブリックコメントを踏まえて条例案を決定するスケジュールが示されました。

    委員からは「憲法だけで無く、各種条約を踏まえた条例にしてほしい」という意見が相次ぎました。

    宮前髟カ弁護士は「2025年2月に愛知県弁護士会が人種差別撤廃条例を求める意見書を各自治体に出したので参考にしてほしい」と述べました。
    ・2025年(令和7年)2月18日 愛知県弁護士会 会長 伊藤倫文
     愛知県内の地方公共団体において人種差別撤廃条例の制定を求める意見書
     https://www.aiben.jp/opinion-statement/news/2025/03/post-122.html

    間宮静香弁護士(名古屋市子どもの権利擁護委員)は「名古屋市子どもの権利相談室『なごもっか』は全国的に見ても先進的だ。
    上記の仕組みを人権全般に広げてはどうかと思う」と述べました。
    ・名古屋市子どもの権利相談室「なごもっか」
     https://www.city.nagoya.jp/kodomoseishonen/page/0000154568.html

    土井佳彦・特定非営利活動法人多文化共生リソースセンター東海 代表理事は「条例では言及できないが、そもそも国の法律や憲法がおいついていない。 国に提言しメッセージを発信してはどうか」と提案しました。
     
    橋井正喜・名古屋市身体障害者福祉連合会 会長は「障害当事者は私くらい。やっかいなのは大人。どんな条例ができようが、障害者はどこかで我慢するしかないのが現状」と述べました。

    次回は25/7/14(月)とのこと。

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    広沢市長は25/4/14(月)午前に行われた記者会見で、人権条例の制定について記者から問われ「人権条例制定に向けた動きとともに、名古屋城も再び動き出すというふうに考えています。」と述べました。
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000185570.html

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    以下感想

    包括的な人権条例は各地で制定されつつあります。
    ・一般財団法人 地方自治研究機構
     人権の尊重と差別の解消に関する条例
     http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/114_jinken.htm

    一方、相模原市では人権施策審議会の「答申」が骨抜きになって24/3/19に市議会で可決・成立しました。
    https://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/shisei/1026766/1013001/1030258.html

    ・2023年12月22日 19時00分 弁護士ドットコムニュース
     津久井やまゆり園事件が起きた相模原市、骨抜き「人権条例案」に批判の声
     https://www.bengo4.com/c_1017/n_16950/

    25/4/1施行の名古屋市障害者差別解消推進条例改正は、パブコメ終了後、「勧告を行うことを原則としながら、勧告を行わない場合にはその理由を公表する」と骨抜きになりました。
    https://www.city.nagoya.jp/kenkofukushi/page/0000114033.html
    https://ombuds.exblog.jp/30648511/

    また、国際人権基準の専門家の藤田早苗・英エセックス大学人権センターフェローは「国連人権高等弁務官事務所は『生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力・可能性を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある』と述べている」としています。
    https://hyogen-tsutaeru.jimdofree.com/
    ・国連広報センター (UNIC Tokyo)
     人権とは? (OHCHR: 国連人権高等弁務官事務所)
     https://www.youtube.com/watch?v=TXJNVM-nHqo

    今後、検討会の議論に注目するとともに、「骨抜き」にならないよう注視していきたいと思います。

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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマン 人権条例ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/jinken/index.htm

    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 人権問題
     https://ombuds.exblog.jp/i111/

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