25/4/14(月) 第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会 座長「作る以上は実行性のあるものであるべき」
25/4/14に名古屋市は第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会を開催しました。
座長に選任された小林直三・大阪経済大学教授は、検討会終了後「人権条例を作る以上は実行性のあるものであるべき」と述べました。
・名古屋市スポーツ市民局人権施策推進部 人権施策推進課人権企画担当
第1回名古屋市人権に関する条例(仮称)検討会(令和7年4月14日開催)
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
本件は、23/6/3に名古屋市が開催したバリアフリー市民討論会における参加者による差別発言ならびにその後の対応の不手際を踏まえ、第三者委員会による検証で「包括的で実行性がある人権条例」制定を提言されました。
・24/9/18 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(最終報告)
今後、2025年7月〜12月に検討会を3回開き、2026年2〜3月に条例骨子を検討し、2026年4月以降、パブリックコメントを踏まえて条例案を決定するスケジュールが示されました。
委員からは「憲法だけで無く、各種条約を踏まえた条例にしてほしい」という意見が相次ぎました。
宮前髟カ弁護士は「2025年2月に愛知県弁護士会が人種差別撤廃条例を求める意見書を各自治体に出したので参考にしてほしい」と述べました。
・2025年(令和7年)2月18日 愛知県弁護士会 会長 伊藤倫文
愛知県内の地方公共団体において人種差別撤廃条例の制定を求める意見書
間宮静香弁護士(名古屋市子どもの権利擁護委員)は「名古屋市子どもの権利相談室『なごもっか』は全国的に見ても先進的だ。
上記の仕組みを人権全般に広げてはどうかと思う」と述べました。
・名古屋市子どもの権利相談室「なごもっか」
土井佳彦・特定非営利活動法人多文化共生リソースセンター東海 代表理事は「条例では言及できないが、そもそも国の法律や憲法がおいついていない。 国に提言しメッセージを発信してはどうか」と提案しました。
橋井正喜・名古屋市身体障害者福祉連合会 会長は「障害当事者は私くらい。やっかいなのは大人。どんな条例ができようが、障害者はどこかで我慢するしかないのが現状」と述べました。
次回は25/7/14(月)とのこと。
--------
広沢市長は25/4/14(月)午前に行われた記者会見で、人権条例の制定について記者から問われ「人権条例制定に向けた動きとともに、名古屋城も再び動き出すというふうに考えています。」と述べました。
------
以下感想
包括的な人権条例は各地で制定されつつあります。
・一般財団法人 地方自治研究機構
人権の尊重と差別の解消に関する条例
一方、相模原市では人権施策審議会の「答申」が骨抜きになって24/3/19に市議会で可決・成立しました。
・2023年12月22日 19時00分 弁護士ドットコムニュース
津久井やまゆり園事件が起きた相模原市、骨抜き「人権条例案」に批判の声
25/4/1施行の名古屋市障害者差別解消推進条例改正は、パブコメ終了後、「勧告を行うことを原則としながら、勧告を行わない場合にはその理由を公表する」と骨抜きになりました。
また、国際人権基準の専門家の藤田早苗・英エセックス大学人権センターフェローは「国連人権高等弁務官事務所は『生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力・可能性を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある』と述べている」としています。
・国連広報センター (UNIC Tokyo)
人権とは? (OHCHR: 国連人権高等弁務官事務所)
今後、検討会の議論に注目するとともに、「骨抜き」にならないよう注視していきたいと思います。
-------
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
・名古屋市民オンブズマン 人権条例ページ
・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
・名古屋市民オンブズマンブログ 人権問題