浅井正仁市議(自民・中川区)は、「6/3市民討論会の内容は局として人権侵害、障害者差別に当たるのか」と質問し、佐治局長は「発言は人権侵害、障害者差別に当たる。6月7日だったと記憶しているが、発言を受けた人の所属している団体を訪問した。しかし体調不良で会えなかった。本人宛に文書で気持ちを伝えた」としました。
浅井市議は「これまで何回も市民説明会を行ってきて、一般の人どうぞというときには、ここまで酷い対立は出なかった。なぜ抽出でこんな発言がでたのか」と質問し、佐治局長は「発言の原因は分析できていない」と述べました。
浅井市議は「たまたま障害者の方1人が参加した。もし障害者がいなかったら声は説明ではひょっとしたら聞けなかった。これが公平か?」と質問し、佐治局長は「広い意味での縮図。何度も障害者とは直接対話してきた」とのべましたが、浅井市議は「それなら市民討論会やらなくてよい。アンケートは47%5階までだった」と述べました。
浅井市議は「なぜ『1階までは昇降機を付けます』と言わなかったのか。印象操作したかったのかも。8月の復元検討委員会に間に合わすためか。また順番を飛ばすわけか。検証委員会の人選は、名古屋市に関係ない人を、スポーツ市民局に仕切ってもらって選んで欲しい。」とのべました。
さわだ晃一市議(公明・西区)はスポーツ市民局が中心となって検証を終えるまで、バリアフリーは進むべきではないと思うが」と質問し、佐治局長は「一連の事件の検証が終わるまでは事業は前に進めないと思っている」と述べました。
さわだ市議は「分断を招いた要因の一つとして、情報公開が足らなかったのでは」と述べ、上田剛・名古屋城総合事務所所長は「バリアフリー検討会議の議事録や次第等はホームページで公表している。十分ではなかった」と述べました。
さわだ市議は「仮に事務局の積み上げを吹っ飛ばすような政治的判断があった場合、変えないといけない状況があるのか」と質問し、佐治局長は「大変難しい質問」と答えました。
浅井市議は「市民の声で『差別発言で、名古屋がどんなところか知った。大勢で一人をつるし上げて恥ずかしくないのか』名古屋市民はそう思われている。本当は人権と差別の話。傷ついた人の心を置き去りにしない」と述べました。
また、浅井市議は「率直に聞くが、新技術で5階まで行けるのか」と質問しましたが、荒川主幹は「課題、建屋との取り合いの問題があり、明確には回答できない」と述べました。
荒川主幹は「文化庁から『昇降技術をどの階、どこに付けるか』を復元原案に書いてきなさいと指導を受けている。復元基準には、バリアフリーについては書いていない。有識者からは、柱・梁を傷つけなければ復元と見なせると言われている」と述べました。
それに対し、浅井市議は「検証委員会を早くしろ、傷ついた人より材木が大切と聞こえた」さわだ市議は「お金の方が優先と完全に聞こえた」とし、田山委員長は発言を収拾できず、さわだ市議が委員長不信任案を提出し、賛成多数で可決されました。
6/3当日参加者は37名。当日ネット中継を見ていた人は10名程度。市としては、中身はともかく「盛り上がった」雰囲気を作ればいい。参加者のアンケート(36)中、よかったと思うが26でした。
河村市長は「熱いトークがあってよかった」と満足そうでしたが、市当局の想定外だったのは、車いすの障がい当事者に対する面と向かっての差別発言が会場から出たこと。差別発言について、朝日新聞、めざまし8,NEWSDIGが相次いで報道し、市議会も「差別発言は許さない」と動いたことです。
23/6/15(木)名古屋市議「名古屋城差別発言に対し、トップが直ちに発言を非難すべき」
23/6/15に名古屋市議会財政福祉委員会が開催され、23/6/3に開催された名古屋城バリアフリー討論会で会場から出た障害者差別発言に関して議論になりました。
・23/6/15 名古屋市議会財政福祉委員会 配付資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
・名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
岩本たかひろ市議(自民・緑区)は、「23/6/3名古屋城バリアフリー討論会の会場となった、中区役所6階会議室には、バリアフリー用のトイレはあったのか」と質問し、市は「なかった。配慮が足りなかった」としました。
岩本市議は「なにが障害者差別に当てはまるのか」と質問し、障害福祉部長は「わがまま、ずうずうしい、がまんせえ、そんな金はもったいないと、身体的なハンディキャップを持つ人をさす差別表現」と述べました。
また、市は「観光文化交流局から23/5/12に情報提供があり、『市民アンケートを既に実施した。6/3に討論会がある』と言われた。進行上の課題は指摘しなかった。
担当主幹が6/3に傍聴していたが、結果として発言の制止、事後のフォローはできなかった。大変反省している」としました。
岩本市議は「20000人アンケートの際は、アンケートの中身も委員会で議論し、4月には3回所管事務調査を行った。市民討論会には違和感を感じる。
なぜアンケート取ったにもかかわらず討論会を行ったのか。結果的に市民を分断し、悲しませた。討論会自体が不適切だった」と述べました。
健康福祉局長は「討論会全体が不適切かといわれたら、さすがに全体が不適切とは申し上げられないが、結果的として討論会が不適切な状況になった」と述べました。
障害福祉部長は「6/16に開催する名古屋市障害者施策推進協議会でご意見伺いたい」と述べました。
また、本件で6/5-6/12に市に寄せられた電話、FAX、市民の声は92件とのこと。
伊神邦彦市議(自民・千種区)は「23/6/24の新聞見出しに『市長ドタキャンため息』とあり、『私が出席するつもりだったが、健康福祉局から“私たちが出席するのでご遠慮を”と言われた』とあるが本当か?」と質問しました。
局長は「『私どもで出席する』は事実。当日障害福祉部長に要望書を提出するとのことなので、私どもで対応した」と述べました。
伊神市議は「朝日新聞に『行政のトップは直ちに非難を』とあったが、市長は発言者を非難したか」と質問し、局長は「把握していない」と述べました。
伊神市議は「トップが強いメッセージを出すべきだ」とのべ、局長は「6/16に開催する名古屋市障害者施策推進協議会でご意見伺いたい」と述べました。
伊神市議は「市長が言えないなら、健康福祉局がお詫びすべき」と述べました。
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なお、愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会(愛障協)は23/6/15(木)午後に河村たかし名古屋市長あてに「市民討論会における障害者の尊厳を傷つける発言事案について事案検証・再発防止策を策定する第3者委員会の設置をもとめる」を提出しています。
要 求 事 項
1.障害当事者を委員に含めた、第3者委員会を早急に設置し、各参加者および市長と当局関係者からヒアリングを実施、各法への抵触の有無を含めて原因究明と再発防止策を求める。
2.市長および市当局に「広報なごや7月号」での経過報告および第3者委員会設置の掲載を求める。
3.差別事案を示し、「差別はあってはならない」と市民に障害者理解を促進する具体策をおこなうこと。
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今後の予定
・23/6/15(木)15時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋城バリアフリーに関する市民討論会での市民の発言に対する当局の対応について(観光文化交流局関係)
・23/6/16(金)13時半〜 第1回名古屋市障害者施策推進協議会 名古屋市公館
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
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23/6/14(水)名古屋市議「23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会は、『市長が参加したため公平性が担保されなかった』が委員会の総論」
23/6/14に名古屋市議会総務環境委員会が開催され、ふじた和秀市議(自民・瑞穂区)は「23/6/3に市が主催した名古屋城バリアフリー市民討論会は、『市長が参加したため公平性が担保されなかった』が当委員会の総論だ」と述べました。
・23/6/14 名古屋市議会総務環境委員会配布資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
・名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
ふじた市議は「愛知県は『愛知県人権尊重の社会づくり条例』を持っているが、名古屋市は」と聞かれ、「条例制定も選択肢の一つ。会議の際のマニュアルを作ってこなかった。他自治体を参考にし、全庁的に再発防止に努める」としました。
・愛知県人権尊重の社会づくり条例
ふじた市議は「そもそも『名古屋城のバリアフリー市民討論会』なのに、バリアフリー討論では無く、エレベーターをつけるかつけないかを議論している時点で間違っている。
参加した車いすの障害当事者に話を聞いたところ、当日になって質問アンケート求められた。また『あなたにあてますよ』という事前の説明は一切無かった。会の進め方も説明なかった。
この人の『この会はアリバイづくりだ』発言だけ『名古屋市さんお答え下さい』とあるのが引っかかった。
2名の差別的発言後、会場の1/3くらいから拍手がわいた。
『47%が5階まで昇降機』という結果は最後に発表したが、潜在的な刷り込み無しにしたかったからか。もっと配慮した討論会をやらないといけない。
当日参加後、誰からも声をかけられなかった。『各局で判断』では人権擁護につながらないと思う」と述べました。
また、ふじた市議は「司会を発注した業者は、建物建設のために契約した設計事務所の委託先。随契で出されている。ファシリテーターとしてふさわしかったのかどうか。
さらに、自民党総会で、『討論会開催前に、1階が落としどころと示されていた』と関係局長が述べた。討論会する必要が無い。市は人権侵害者にいまだに直接謝罪していない。
昇降機が付こうがつかまいが、木造になろうがなるまいが、名古屋城が『差別の象徴』になる。
落としどころが検討されていた中で、6/3に討論会、6/12に全体整備検討会議、6/15に経済水道委員会をうけて、文化庁に提出する流れが決まっていた中で、人権侵害された」と述べました。
横井利明市議(自民・南区)は「今回差別発言を受けた本人に聞き取りをした。
『参加出来る確率は466分の1と天文学的数字。当初は前向きに捉えていたが、誰も擁護してくれない、市の職員も守ってくれない。36対1だった。アウェーだった。辛かった。僕ははめられた』
名古屋市民としてはずかしい。市の対応は人権侵害に当たるのか」と述べました。
市は「人権侵害に当たるのかは答えしずらいが不適切だった」と述べました。
横井市議は「市職員に人権教育すればなくなるのか?そういう場面で制止しないといけないのは知っている。なぜできなかったのか。そこが問題。
6/12に全体整備検討会議、6/15に経済水道委員会をうけて7月に文化庁提出、8月に文化審議会でOKをもらうことを最優先にしたがために、人権がないがしろにされたのではないか。参加者が名古屋市の意向に沿った発言をしたから、止められなかったのでは」と述べました。
ふじた市議は「再度動画を見たら、あのムードであの発言があったのは突発的では無く、私の目では必然だ。
河村市長はエレベーターはいらないと公言しており、『100年先、1000年先に国宝、世界遺産にする。エレベーターつけたら史実に忠実ではない』と繰り返していた。
ディベートだとしても、昇降機討論会に主催者としてその場にいて、市長はずっとやり取りを聞いていた。車いす1人で『36対1と思った』。
市民の本音を聞きたいのなら、市長は出席せず、職員は最小限にし、名前や住所を公開せず きちんと賛否の半々を集めてすべき。
市長がいる場で反対意見を言うプレッシャーがある。市長の前では公平な討論会になり得ない」と述べました。
その上で、委員間討論を行い、市長があいさつ・出席しない方がよかったと、うかい春美(民主・中村区)、近藤和博(公明・緑区)、うえぞの晋介(民主・西区)、中川あつし(減税・中川区)市議から意見が出ました。
最後に、ふじた市議は「6/3終了後アンケートをとり、全体を通して36回収した。
よかったと思う 26
よくなかった 4
どちらでもない 4
不明 2
あれがよかったのかショックを受けた。市長がああいうくくり方をすればそうなるかも。
差別発言だった、心ない発言といっていれば、 アンケート結果変わっていたと思う。アンケート結果は無効だ」と述べました。
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・5000人アンケート送付資料
・23/6/3「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」
名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(差別発言を消しています)
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OECDで示された「ミニ・パブリックス」活用ガイドラインでは、
11項目示されています。
@目的
Aアカウンタビリティ
B透明性
C参加の包括性
D代表制
E情報
Fグループ討論
G時間
H高潔さ
Iプライバシー
J評価
今考えると、「はじめから落としどころが決まっており」「市の意見を変えるつもりが無く」「市が主催し」「審議プロセスを公開せず」「一般市民の縮図でもなく」「専門知識にアクセス出来ず」「グループ討論も無く」「時間も無く」「参加者を保護することもない」今回の市民討論会は、評価すべき点が全くなく「アリバイづくり」と言われても仕方がありません。
今後、第三者委員会での検証を望みます。
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なお、地方自治法に詳しい弁護士から「名古屋城は『公の施設』にあたり、地方自治法244条3項で『普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。』となっている」と指摘がありました。
(公の施設のあり方に関する報告書(名古屋市公の施設のあり方研究会)では、名古屋城は『産業振興施設』に位置づけられています)
地方自治法(公の施設)
第二百四十四条 普通地方公共団体は、住民の福祉を増進する目的をもつてその利用に供するための施設(これを公の施設という。)を設けるものとする。
2 普通地方公共団体(次条第三項に規定する指定管理者を含む。次項において同じ。)は、正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない。
3 普通地方公共団体は、住民が公の施設を利用することについて、不当な差別的取扱いをしてはならない。
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今後の予定
・23/6/15(木)9時半〜 名古屋市議会財政福祉委員会
障害者差別に関係する法令等の基本的な考え方について(健康福祉局関係)
23/6/15(木)15時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋城バリアフリーに関する市民討論会での市民の発言に対する当局の対応について(観光文化交流局関係)
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
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23/6/13(火)木造名古屋城 差別は許さない!市役所前緊急抗議集会に150人超 河村市長は現れず
名古屋城木造天守にEV設置を実現する実行委員会は、23/6/13(火)10時-12時に名古屋市役所前で「差別は許さない!名古屋市役所前緊急抗議集会」を開催し、障害者ら150人超が集まりました。
なお、「6/13(火)11時半に河村たかし名古屋市長が集会に参加する」と6/12に市から実行委員会に連絡があったにもかかわらず、6/13(火)10時半になって「市長は『手違い』で来れなくなった」と連絡がありました。
・2023年6月13日 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
名古屋城バリアフリー市民討論会における重大な人権侵害の原因究明及び再発防止策検討のための第3者検証委員会設置の申し入れ
・チラシ
名古屋市が主催して23/6/3に開催した「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」で、車いすの障がい当事者に対して参加者から面と向かっての差別用語を使った差別発言、ならびに罵倒がありました。
しかも市はその場で何らの対応をしなかっただけでなく、河村市長は直後に「熱いトークがあってよかった」と述べました。
・名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所
「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」について(お詫び)
・23/6/3「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」
名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(差別用語を消しています)
斎藤縣三・共同代表は「怒りを持ってこの場にやってきた。市民討論会はいったいなんだったのか。勝手なアンケート、市民討論会、全く理解できなかった。
開いた結果はなんだったのか。確実に『仕組まれた差別集会』だ。
河村市長はこのような市民の発言を引き出すためにやった。前代未聞の酷い話だ。恥ずべきこと。怒りを名古屋市長にぶつけたい」と述べました。
また、斎藤共同代表は、当初は「11時半に市長がこの場に来る」と明言しました。
続いて、辻直哉事務局長が「こういう集会は5年前もやった。今度は仲間が差別にあうというとんでもないことが起きた。
私はいろんな名古屋市・愛知県・国の会議にでているが、一人の人を差別用語で攻撃する会議は聞いたことがない。
市長をはじめ市役所職員は誰も止めようとしなかった。しかも市長は『熱いトークがあってよかった』と述べた。明らかにバカにしているとしか思えない。」と述べました。
その後、23/6/3の実際の会場の音声を流しました。
辻事務局長は「『死にたい』とまで追い込まれた。どこが『熱いトークがあってよかった』のか。市長がこの場に来るかもしれないので、思いをぶつけて仲間を救おう」と述べました。
さいとうまこと・元名古屋市議も「差別を無くそう」とスピーチしました。
その後実行委員会4名が市役所に申入れ書を持っていきました。
(実行委員会の許可を得て、同行しました)
申入れ直前に、斎藤共同代表の携帯電話に電話がかかってきて、「6/12に『6/13 11時半に河村たかし名古屋市長が集会に参加する』と市から実行委員会に連絡があったにもかかわらず、『市長は“連絡ミス”で来れなくなった』と電話があったことを明らかにしました。
以下申入れ書(抜粋)です。
1.もし「3月20日には、名古屋城昇降機は『上からの指示』で1階以上に設置しないと決まっていた」とするならば、障害者をはじめ、市民や議会さえもあざむく重大な問題である。さらに12日の特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議では、「事実と異なる」とした。市議団への説明との乖離がなぜおきたのか説明いただきたい。
2.障害者当事者および弁護士を含めた第3者検証委員会を設置し、市民討論会の参加者および関係者全員にヒアリング調査し、原因究明および報告、具体的な再発防止策の検討および実施すること。
3.市民を分断し、差別を助長する名古屋城木造天守復元事業を即時中止すること。
4.2018年5月30日に定めた『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』では、「5.基本方針 現状よりも天守閣のすばらしさや眺望を楽しめることを保証する。」としているが、どのように保証するのか、具体的にお示しいただきたい。
対応した田嶌仁美・市健康福祉局障害福祉部長は「名古屋城の問題は、市職員として自分たちも関係していると意識をしてあたっていきたい」と述べました。
市観光文化交流局長にも申入れ書を持っていきました。
その後、市議会の自民・民主・公明・共産の各会派にも申入れ書を持っていきました。
斎藤共同代表が、「名古屋城総合事務所から連絡があり、11時半に市長が行くという約束をしたが、『連絡ミス』で市長は来れなくなったといわれた。
市長は『逃げた』としか思えない。
誠意を持って説明すると言っていたのが、翌日の今日自ら破ってしまった。代わりに観光文化交流局長が来ることになった。明らかに市長の責任。市の裏切り、市長の裏切りだ。」と伝えると、参加者からブーイングが巻き起こりました。
斎藤共同代表は「市議会と共同歩調を取って、しっかりと怒りをぶつけていきたい」と述べました。
「愛知県重度障害者の生活をよくする会」の石田長武会長は「我々が我慢しなくていい社会にするために、合理的配慮や社会モデルと言ってきた。発言した人も、明日動けなくなるかも知れない。それでも『我慢せえ』と言えるのか」と述べました。
佐治独歩・観光文化交流局長は「今日11時半に市長が出向くという話が伝わっていたようだが、『手違い』で市長が来ることができなかったので深くお詫びする。私も先ほど聞いたばかり」と述べました。
「その上で、名古屋城昇降機について1階以上に設置しないと決めたわけではない。『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』は今も有効。今後も市民の意見を踏まえて検討する」と述べました。
辻直哉事務局長は「河村市長は人権研修を受けたことがあるのか」と質問し、佐治局長は「職務の中で触れることが多かったのではないか」と述べました。
辻事務局長は「市長が述べた『熱いトーク』とはなんだったのか」と質問し、佐治局長は「どういう気持ちかは確認していないが、率直な意見交換ができたと想像する」と述べました。
また、第三者委員会に障害当事者をいれるのかについては答えませんでした。
辻事務局長は「ストレッチャータイプの車いすでは、名古屋城の昇降機に乗れるのか」と繰り返し質問しましたが、佐治局長は「具体的なサイズを持ち合わせていない。代替手段を考えていく」と述べました
ストレッチャータイプの車いすの女性は「友達と一緒に名古屋城に登って楽しみたい。国際的に考えても、誰も排除しないのが大切」と述べました。
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なお、河村市長は23/6/13(火)午後、取材陣に対し以下説明したようです。
・2023年06月13日 18時47分 NHK
バリアフリー対策めぐり差別的発言 市役所前で抗議活動
一方、河村市長は記者団の取材に対し「私が直接話を聞くつもりだったが、市の幹部から自分たちで対応すると言われたので任せた。結果的にこちらのミスでご迷惑をおかけしたことは、申し訳ない。市としてきちんと見解がまとまったら、直接話をさせていただきたい」と述べました。
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名古屋市が「市民の宝」「観光の目玉」と位置づける木造名古屋城。しかしながら、今回バリアフリー市民討論会で差別発言が相次いだことから、「木造名古屋城は差別の象徴」と見なされています。
今回、障害者団体が「市民を分断し、差別を助長する名古屋城木造天守復元事業を即時中止すること」と述べたことは画期的です。
それだけでなく、「名古屋には障害者に面と向かって差別発言をする人がいる」と、全国、全世界の人が印象を持ってしまいました。
誰がそんな都市にわざわざ観光に来たいと思うでしょうか。
差別発言は、単に名古屋城木造復元に留まっていません。
一刻も早く問題解決するとともに、名古屋市民に貼られた「負のレッテル」を剥がすよう、市職員だけでなく、市民も一丸となって努力が必要ではないでしょうか。
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今後の予定
・23/6/14(水)13時〜 名古屋市議会総務環境委員会
本市における人権に対する認識等について(スポーツ市民局関係)
・23/6/15(木)9時半〜 名古屋市議会財政福祉委員会
障害者差別に関係する法令等の基本的な考え方について(健康福祉局関係)
23/6/15(木)15時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋城バリアフリーに関する市民討論会での市民の発言に対する当局の対応について(観光文化交流局関係)
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
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☆カンパ大募集☆
名古屋市民オンブズマンは会費とカンパのみで活動しています。
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《郵便振替口座》口座番号 00870−9−105687
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23/6/12(月)名古屋城所長「バリアフリー『1階まで昇降機と決定した』は事実と異なる」と明言
23/6/12特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)で横井利明市議ブログ記載の「名古屋城昇降機は23/3/20に『上からの指示』で『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』を撤回し、1階以上に昇降機を設置しないと決まっていた」について問われた上田剛・名古屋城総合事務所長が「『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』は現時点でも有効で、『1階まで昇降機と決定した』は事実と異なる」と明言しました。
横井市議ブログは「事実と若干異なる」と説明しましたが、「文言の正誤について現時点で言及する段階ではない」と述べました。
・23/6/12 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)配付資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
・18/5/30 「木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針」
・23/6/8 横井利明名古屋市議ブログ
市民の意見を聞く気もないのに「市民討論会」?
・23/6/11 横井利明名古屋市議ブログ
河村市長の指示書はなぜ撤回されたのか
今回も、マスコミへの撮影・録音・録画はあいさつまでとされました。
検討会議冒頭、上田所長は23/6/3に開催したバリアフリー市民討論会で、参加者から差別発言があったこと、ならびにその対応の不手際に対して陳謝しました。
赤羽一郎・元愛知淑徳大学非常勤講師は「横井市議ブログには、23/3/20には『1階以上上げないと決めた』とあった。
それ以降、天守閣部会や全体整備検討会議、バリアフリー有識者会議もあった。国際コンペで優秀な業者を決めた後にそのようなことをするのは信じがたいずれがある。経過を説明いただきたい」と述べました。
上田所長は「3/20に『以前の昇降機の方針が否定された』との記述は確認したが、事実と若干異なる。現時点でも上記方針は有効。
1階まで昇降機設置というのは最低要求水準に記述されている。
様々なご議論を全体整備検討会議を含めて先生に頂戴した。どこまで昇降設備をつけるのかは議論の途上だ。
現時点で『1階まで昇降機と決定した』というのは事実と異なる」と述べました。
その上で「文言の正誤について現時点で言及する段階ではない。表現の内容や市議会議員指摘は確認する必要がある。現時点では決定事項ではない。検討に検討を重ねている」と述べました。
その後石垣等遺構の保全対策について提案され、了承されました。
また、外部スロープ(鉄骨、周囲に木を貼り付ける)を付けることが了承されました。
内部の昇降機の方針は、今回の全体整備検討会議で提案される予定でしたが、「23/6/3市民討論会の対応を優先する」として、次回以降に持ち越しになりました。
麓和善・名古屋工業大学名誉教授は「現天守の記録保存についても工程表に反映して欲しいと何年も前から申し上げているが一向に取り上げてもらえない」と発言があり、次回までに反映することになりました。
小濱芳朗・名古屋市立大学名誉教授は「地上から大天守地下1階へのバリアフリーのためのスロープ(鉄骨に木仕上げを行う)には違和感を感じている。
一般の人は橋の下をくぐっていく。エントランスが圧迫を受ける感じがある。
3.5mは1階分にあたるので、エレベータ―使った方がよいのではないか。エレベータ―とスロープ併用しては」と述べました。
小鹿主幹は「『エレベータ―をつける』選択肢を検討したが、今はスロープを設置するのが一番ベストだとして掲げている。バリアフリー対応はスロープで実施したい。」と述べました。
座長の瀬口哲生・名古屋市立大学名誉教授は「どういう視点で一番ベストとしたのか」と質問すると、小鹿主幹は「大変失礼ですが、考えを書くべきか宿題としたい」と反発した後、「車いすを利用する人はスロープであれば非常時にもスムーズに避難対応ができるため。また、小天守前の石段の上にスロープ設置が難しいため」と述べました。
最後に、オブザーバーの渋谷啓一・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「木造天守整備計画は歴史建造物の復元だが、その下の遺構を守ってから上を復元するのが前提だ。
下の石垣の保存方針を踏まえた形の基本計画が出来上がってきた。皆様のご努力のたまものだ。しっかりと遺構を守った上で整備してほしい」と述べました。
一方、オブザーバーの平澤毅・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「変遷する社会の中で名古屋城跡の歴史や文化をどう将来に引き継ぐか。
木造天守の再現は大きな事業だが、それが全体として事業内容に関係してくる。
現在立っている天守にも歴史と文化が刻まれている。同じ場所に再建を検討しようとしている。同時には存在できない。
苦渋の決断で現天守を解体せざるを得ないなら、事業の全体像を考えて、おおまかなスケジュールだけでなく、相当細かい手順がこれから検討が必要。
名古屋城の歴史文化をどう伝えていくか。遺構保存、できたものをどう見せるかを超えて、事業そのものをどう見せるか。プラン、デザイン 統合的に取り組んでいくか。
繰り返しになるが、基本計画ができたといって、そのままにやらないといけないわけではない。ベースにしてさらに検討、修正するべき方向性もあるかもしれない。いろんな事情が出てくるなかで細かく検討していけばいい」と述べ、渋谷調査官とは若干ニュアンスが異なる発言をしました。
皆見秀久・愛知県県民文化局文化部文化芸術課文化財室室長補佐は「文化財保存の観点から、遺構を必要以上に改変せず、だれもが名古屋城を訪れ、特別史跡のすばらしさを感じれるようにしてもらいたい。活発なご議論を行い、様々な人と話しあい、保存と活用が図られるようにしてほしい」と述べました。
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終了後、上田所長はマスコミから「木造天守整備基本計画について『文化庁への提出が遅れる見通しになった』でよいか」と何度も問われましたが、「『遅れる』というのは、目標があってそれが延びたというもの。
文化庁への提出は、『なるべく早く』としていただけで、いつまでとは決めておらず、『遅れる』ではない」と詭弁を弄しました。
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2020/1/25に障害者団体が主催した名古屋城バリアフリーシンポで、森本章夫・名古屋城総合事務所主幹(当時)は、「2018年5月に『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』を定め、史実に忠実するためエレベーターを設置せず、可能な限り上層階まで昇ることができるよう目指し、現状よりも天守閣のすばらしさや眺望を楽しめることを保証するため新技術を開発するとした。これをバイブルとして努力している。」と述べています。
横井利明市議はブログで「名古屋城昇降機は23/3/20に『上からの指示』で『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』を撤回し、1階以上に昇降機を設置しないと決まっていた」「自民党会派だけでなく、民主、公明会派にも説明したとうかがっている」と記載しています。
仮に市議がブログに事実に反したことを記載したのであれば問題です。
もっと問題なのは、市が、市議と全体整備検討会議への説明を使い分けていた(2枚舌)場合です。
23/6/11横井市議ブログでは以下記載があります。
にもかかわらず、突如として「天の声」で本年3月20日にバリアフリーの方針を撤回。市長の指示書に従って事務を進めていた担当者は、すでにMHIエアロスペースプロダクションの選定を済ませるなどしていたことから大混乱に陥った。
事実関係は、市当局を追及しても出てこないのではないでしょうか。
市議会は、少なくとも今こそ100条委員会を開き、どうしてこのような市民討論会を開くことになったのかだけでなく、MHIエアロスペースプロダクションの出頭を求め、事実関係を明らかにしてもらいたいです。
当然、市職員に対し、『上からの指示』の具体的な氏名、内容も明らかにする必要があります。
また、自民(20人)、民主(17人)、公明(12人)合計で49名(72%)と、議員総数68名の2/3を超えます。地方自治法には様々な手段が記載されているので、色々検討されてはどうでしょうか。
さらに、文化庁の平澤調査官は「現在立っている天守にも歴史と文化が刻まれている」と明言しました。
現天守と木造天守が同時には存在できない以上、情報を市民に公開した上で、あらためて方針を問うてはどうでしょうか。「市民の宝」名古屋城の今後を考えることは、焦る必要が全くありません。
@木造復元+5階まで大型エレベーター+外部スロープ
A木造復元+5階まで小型昇降機+外部スロープ
B木造復元+1階まで小型昇降機+外部スロープ
C木造復元+昇降機無し 人を入れない
D現天守を耐震改修+最上階まで大型エレベーター
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今後の予定
・23/6/13(火)10:00〜12:00 名古屋市役所前
差別は許さない!名古屋市役所前緊急抗議集会(主催:名古屋城木造天守に EV設置を実現する実行委員会)
・23/6/14(水)13時〜 名古屋市議会総務環境委員会
本市における人権に対する認識等について(スポーツ市民局関係)
・23/6/15(木)9時半〜 名古屋市議会財政福祉委員会
障害者差別に関係する法令等の基本的な考え方について(健康福祉局関係)
23/6/15(木)15時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋城バリアフリーに関する市民討論会での市民の発言に対する当局の対応について(観光文化交流局関係)
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
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名古屋城木造復元 23/6/12全体整備検討会議にバリアフリー案示さない方針と中日新聞報道
23/6/10中日新聞によれば、名古屋城木造復元に関し、23/6/12に開かれる名古屋城全体整備検討会議に昇降機設置の案を示さず、先送りにする方針を決めたとのこと。
23/6/3に市が開催した「バリアフリー市民討論会」で差別発言があり、その対応を優先するとのことです。
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市民討論会の差別発言はとても許せるものではありませんが、名古屋城木造復元の現状に多くの市民が関心を寄せるきっかけになったことも事実です。
ほとんどの市民は、市が名古屋城をどのように復元しようとしているかを知りません。
講師の麓和善・名古屋工業大学名誉教授は「国宝で世界遺産の姫路城は、鉄骨で耐震補強し、消火設備、スプリンクラーをつけている」と写真で説明したうえで「名古屋城でも史実に忠実な復元をすると同時に合わせて、こういう防災設備も今設計しております」と述べています。
・23/6/3「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」
名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(差別発言を消しています)
・世界遺産姫路城 防火設備
※2019/11/6 22:15産経新聞によれば、姫路城には「天守を中心にスプリンクラーが1078カ所、感知器などの自動火災報知設備を669台、屋内消火栓を46カ所、大天守の最上階まで届く放水砲も設置しているとのこと。
しかしながら、そのような大前提を知ってか知らずか、「電気も水道もエレベーターも昇降設備も必要ない」と主張する層が一定数いることも判明しました。
23/6/3市民討論会では市は説明しませんでしたが、日弁連は22/10/24に「車椅子が入れる大型のエレベーターを最上階まで設置しないのは、憲法第13条及び第14条第1項並びに障害者の権利に関する条約第5条第1項及び第2項、さらに、憲法第13条及び第14条第1項の趣旨を具現化した障害者基本法や障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律等に違反する」と名古屋市長宛てに要望書を出しました。
また、「エレベーター、昇降機をつけず、全員立ち入り禁止にすればよい」という意見も一定数あることが分かりましたが、現在の名古屋城木造復元事業は、建築費だけで505億円。管理・運営費を合わせると1000億円近い事業です。それを入場料収入でまかなおうとしています。
・平成28年6月広報なごや折込資料「名古屋城天守閣の整備」
外からの見た目はほぼ現状と変わらず。人を入れなくてもスプリンクラー等は必要。
それで年間360万人が50年間名古屋城を訪れるのでしょうか。
入場料収入でまかなえなければ、市の税金が投入されますし、最悪木造天守閣を取り壊すことも考えられます。
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さらに、23/6/3に開催された「名古屋城バリアフリー市民討論会」ですが、無作為抽出された5000人市民アンケートが届いた人のうち、参加希望する人が参加出来るはずでしたが、「当日の会場入口では本人確認していなかった」ようです。
当初100名定員で、大きな部屋(中区役所ホール)で予定していたものの、参加申し込み者が少なく(38名)、別の部屋に移動した経緯があります。
・5000人アンケートの対象と、参加申込書記載氏名は同一か
・参加申込書記載氏名と、参加者は同一か
・差別発言をした人は具体的にだれか。本当に5000人アンケートの対象か
などを調べる必要があります。
名古屋市は、自民・民主・公明市議団に「名古屋城昇降機は23/3/20には『上からの指示』で1階以上に設置しないと決まっていた」と説明したとのこと。
なお21/3/18名古屋市議会経済水道委員会で、「名古屋城天守閣木造復元に係る予算については、文化庁の文化審議会において正式に『木造復元』の許可がされた後に執行すること」という附帯決議が可決されているにもかかわらず、木材を約40億円購入済です。
(まだ文化庁から『木造復元』の許可は受けていません。木造復元申請書類も提出していません)
市議会は、今こそ100条委員会を開き、どうしてこのような市民討論会を開くことになったのか明らかにしてもらいたいです。
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また、ほとんどの市民は知りませんが、2011年2月に名古屋市は現天守耐震診断概要書をまとめており、十分な耐震強度であるIs値0.75以上にするには、大天守小天守合計で13億5047万0205円。現在5階までのエレベーターを最上階(7階)まで改修する1億6000万円をあわせると、15億1051万9605円と試算しています。
(内部の柱に鋼板を巻いたり、RC増設壁をしたり、炭素繊維を巻いたりして耐震補強する。外観は変更しない。外壁に×型の鉄筋がむき出しになることはない)。
差別発言をした人は「この城は『家康が作ったそのものを作る』と名古屋市から聞いたので寄付をした」と述べています。
だれがいつそのようなことを言ったのかわかりかねますが、少なくとも、現在の法律に基づいて7年間名古屋市と竹中工務店が検討してきた案をきちんと市民に示して、再度今後の方針を問うべきではないでしょうか。
@木造復元+5階まで大型エレベーター+外部スロープ
A木造復元+5階まで小型昇降機+外部スロープ
B木造復元+1階まで小型昇降機+外部スロープ
C木造復元+昇降機無し 人を入れない
D現天守を耐震改修+最上階まで大型エレベーター
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今後の予定
・23/6/12(月)13時〜 名古屋国際センター 別棟ホール
第56回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議
・23/6/13(火)10:00〜12:00 名古屋市役所前
差別は許さない!名古屋市役所前緊急抗議集会(主催:名古屋城木造天守に EV設置を実現する実行委員会)
・23/6/14(水)13時〜 名古屋市議会総務環境委員会
本市における人権に対する認識等について(スポーツ市民局関係)
・23/6/15(木)9時半〜 名古屋市議会財政福祉委員会
障害者差別に関係する法令等の基本的な考え方について(健康福祉局関係)
23/6/15(木)15時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋城バリアフリーに関する市民討論会での市民の発言に対する当局の対応について(観光文化交流局関係)
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
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名古屋市 自民市議団に「名古屋城昇降機は23/3/20には『上からの指示』で1階以上に設置しないと決まっていた」と説明
横井利明名古屋市議(自民)は、23/6/8公式ブログで、自民党名古屋市会議員団による観光文化交流局からの聞き取りの中で、「名古屋城木造復元における昇降機は23/3/20には『上からの指示』で1階以上に設置しないと決まっていた」と説明を受けたことを明らかにしました。
観光文化交流局への聞き取りの中で、名古屋城天守閣木造復元に際し、「3月20日にはエレベーターは、1階以上には設置しないことが決まっていた」ことが明らかとなっている。しかもこの決定は所管の観光文化交流局ではなく、「上から」の指示で決められていたことも明らかとなった。つまり、6月3日におこなわれた市民討論会以前に、すでに1階以上にはバリアフリーを導入しないことを決めた上で市民討論会を行っていたことになり、そもそも討論会でバリアフリーを求める市民の声など聞くつもりもなく、アリバイ作りのための「官製茶番」だったことになる。
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23/6/3「バリアフリー市民討論会」については、参加者から障害者への差別的な発言が繰り返され、しかも参加者から拍手が起こり、主催者の市も制止したり何ら対応をしなかったとして、市議会各会派ならびに各委員会で問題となっております。
・配信の様子を録画し、差別的発言を消して名古屋市民オンブズマンがアップしました(23/6/6)が、23/6/8に名古屋市から著作権侵害による削除申請があり、YouTubeから削除されました。
・名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(23/6/7アップ 差別発言を消しています)
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23/3/20に河村たかし名古屋市長定例記者会見があり、基本計画のバリアフリーについて問われた名古屋城担当者は「年度末にその検討結果ということで取りまとめはします。ただ、バリアフリーだとか、あるいは今回の石垣の保存方針、そういったものは引き続きやっていく必要があるかと思っております。」と述べています。
23/3/24に開催された特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第55回)では、3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)は今後検討するとしました。
しかし、この時点ですでにバリアフリー方針が決まっていたことになります。
23/5/22市長定例記者会見で、アンケートについて問われ市長は「どう考えとらっせるかなということをちょっとフラットに聞いてみようということでございます。」と述べていますが、すでにバリアフリー方針が決まっているにも関わらず、アンケートを取ったことになります。しかも、 アンケート項目に関して「まあ、これ、見せてくれと言われれば、別に秘密のもんではないですから」と述べており、それまではマスコミにも示していなかったことがわかります。
23/6/5(月)に開催した特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(第5回)では、座長の堀越哲美・愛知産業大学非常勤講師(環境工学)が「2022年12月に昇降技術の最優秀者を選び、23/6/3に市民討論会を開き、今回有識者の意見を聴いた。名古屋市がどう判断するか、市としてきちんと受け止めて欲しい。今日が一つの区切りだ」と締めましたが、すでに名古屋市は方針が決まっていたことになります。
23/6/6(火)に開催された名古屋市議会経済水道委員会で上田剛・名古屋城総合事務所長は「昨年12月結果公表直後は、設置容認より反対の意見を電話や手紙でくれる方が多かったと認識している」と述べています。
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令和3年度末現在で名古屋市の身体障害者手帳保有者は78397人、愛護手帳19637人、精神障害者保健福祉手帳31368人、合計129402人です。
令和4年10月1日時点で名古屋市民は2,325,778人なので、各種手帳を持っている人は約5.5%になります。
私の仮説ですが、市にクレームを入れる人の多くが昇降機反対だったので、「市民5000人アンケートをすれば、障がい者の絶対数も少ないため、昇降機反対の方が多い」と市が判断し、アンケートを強行したのではないか。
こっそりアンケートと市民討論会を行い、「市民の意見を踏まえた」としたかったにもかかわらずマスコミに感づかれてアンケート用紙を公開し、ならびに市民討論会をマスコミに公開・ネットで公開せざるを得なかったのではないか。
市の予想に反して、回答者の47.2%が「5階まで」で、焦った昇降機反対派が会場で障がい者を面と向かって罵倒してまで自説を主張したのではないか、と思いますが、いかがでしょうか。
・全体整備検討会議での虚偽説明
・マスコミにも5000人アンケートの詳細を説明していなかった
・バリアフリー検討会議での虚偽説明
・市議会へ報告無し、ならびに虚偽説明
など、とてもまともな市政のやることではありません。
どうして河村市長は急いで文化庁に名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)を提出しようとしているのか。
「2023年4月市議会選挙手土産説」「衆院選手土産説」などいろいろ噂されていますが、河村市長の本心は分かりません。
(市選管に確認したところ、2023年4月市議会選挙公報は「市ホームページに掲載予定だが、具体的にいつ掲載できるか分からない」とのことでした)
23/6/5(月)名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会は、河村たかし名古屋市長あてに「抗議及び回答要求文」を提出しています。
一、市長の本心を明らかにしていただきたい。バリアフリーを実現することが市民の言う本物実現に反すると考えているのでしょうか。
一、市長自ら作った「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例(2016年4月施行)を守ろうとする意思がおありでしょうか。ここに定められた市の責務、市民の責務に明確に反する市民の差別発言を容認していいのでしょうか。
バリアフリーのあり方については、2015年当初から問題となっていました。
どうして2023年3月20日には市は「1階以上に設置しないと決めた」にもかかわらず、2023年6月、文化庁に整備基本計画(案)提出直前に「市民の意見を聞くふり」をしたのか。
「市民の宝」名古屋城のあり方は、ここ数日で決めてよいものではありません。
・木造復元+5階まで大型エレベーター
・木造復元+5階まで小型昇降機
・木造復元+1階まで小型昇降機
・木造復元+昇降機無し 人を入れない
・現天守を耐震改修+5階まで大型エレベーター
など、情報を全て公開した上で、あらためて市民の意見を聞いてはどうでしょうか。
2017/4/1に、河村市長は「名古屋市職員から『名古屋城天守閣木造化できません』と言われ、「『市長が全責任を負う』という業務命令書を書いてくれ」という要望を受け、実際に2015/8/24に書いたことを明らかにしました。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
ここまで市政に大混乱を招いた河村たかし名古屋市長。
今こそ「全責任は私が取る」ときではないでしょうか。
名古屋城木造復元事業のあり方については、今後も目が離せません。
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今後の予定
・23/6/10(土)14時〜 市政資料館
「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会
・23/6/12(月)13時〜 名古屋国際センター 別棟ホール
第56回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議
・23/6/13(火)10:00〜12:00 名古屋市役所前
差別は許さない!名古屋市役所前緊急抗議集会(主催:名古屋城木造天守に EV設置を実現する実行委員会)
・23/6/14(水)13時〜 名古屋市議会総務環境委員会
本市における人権に対する認識等について(スポーツ市民局関係)
・23/6/15(木)9時半〜 名古屋市議会財政福祉委員会
障害者差別に関係する法令等の基本的な考え方について(健康福祉局関係)
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
23/6/6(火)名古屋市議「名古屋城バリアフリー市民討論会は『いじめの場所』だった!」
23/6/6(火)に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、浅井正仁市議(自民・中川区)は「23/6/3に開催された名古屋城バリアフリー市民討論会は『いじめの場所』だった!面と向かって差別的発言を言われた車いす障がい当事者は『死にたい』と述べている。
いまさらなぜ討論会をしたのか。しかも市長は『有意義だった』と述べた。市民討論会で対立を煽り、人を傷つけた。
『昇降技術を1階か5階か付けないか』と、『人権や差別の問題』はどっちを優先するのか。」と述べました。

名古屋市は23/6/12までにバリアフリーの方針を決め、23/6/12に開かれる名古屋城全体整備検討会議に木造天守整備基本計画を提案し、その後23/6/15の市議会経済水道委員会で議論し、再度全体整備検討会議に木造天守整備基本計画を諮ると明言しました。
・23/6/6 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
・23/6/6 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋市民オンブズマンによるメモ
・23/6/6 名古屋市議会経済水道委員会
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
23/6/6(火)13時半から開始された名古屋市議会経済水道委員会ですが、冒頭に佐治局長から23/6/3の名古屋城バリアフリー市民討論会で参加した市民が差別的発言をしたことについてお詫びがなされました。
浅井正仁市議(自民・中川区)は「詫びる先は言われた方。詳細をこの委員会で諮って欲しい」と述べ、暫時休憩して正副委員長が協議し、急遽「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会での市民の発言に対する当局の対応について」を議題としました。
資料を調製し終わった17時20分から委員会が始まりました。
服部将也市議(民主・北区)は「不適切な発言があったから、名古屋市公式ホームページには動画を載せていない。にもかかわらず、ある団体が動画をネット公開している。名古屋市として削除依頼すべき」と述べました。
小鹿主幹は「動画の存在は承知していたが、どうすべきか協議していた。削除等の要請をする。速やかに判断しなかったのは不適切だった」と述べました。
(注:23/6/6 21:50、名古屋市民オンブズマンに、名古屋市観光文化交流局の小鹿主幹から動画について「不適切な発言の内容が含まれているので、一般の方に見えるようにするのはよくない状態だと思っているので、削除していただけないかという要請」の電話があり、アップしていた動画は自主的に削除しました。
なお、差別的発言だと思われる部分にピー音を入れた処理をした動画をアップしました。
さわだ晃一市議(公明・西区)は、「6/3運営の問題と、再建の可否は分けた方がいいと思う。今回の市民討論会の位置づけを知りたい。
平成29年段階で名古屋試案が出ていて、平成30年に方針を出した。ここまで数年間掛けて行ってきた位置づけは」と質問しました。
小鹿主幹は「2022年12月の最優秀者選定公表後、市民から容認、反対意見いただいた。
副市長から令和5年2月定例会で、『市民意見を聴取する機会を設けたい』と述べた」としました。
さわだ市議は「どうしてきめ細かく障害者団体から話を聞いてきたはずなのに、文化庁に整備基本計画を取りまとめる直前にアンケートと市民討論会を行ったのか。23/6/12に全体会議検討会議を行う直前にバリアフリーの中身を取りまとめるという。
おおいな違和感を抱いているし、これまで何回もアンケートを取る機会はあったはず」と述べました。
上田所長は「昨年12月結果公表直後は、設置容認より反対の意見を電話や手紙でくれる方が多かったと認識している」としました。
さわだ市議は「肌感覚と、今回の5000人アンケートの回答には乖離があった(5階までが約47%)どう受け止めるか」とし、上田所長は「最優秀案の概要も同封して聞いた。今回の討論会の冒頭で、有識者に史実に忠実な復元について話していただいたが、それを理解した上でのアンケートでは無い。6/12までに、何階まで昇降技術と明確に書けるかは最終段階に至っていない」としました。
さわだ市議は「集まった36人は、強い意見を持った人が集まったのでは」とし、上田所長は「無作為抽出した市民の討論会は名古屋市では例が無かった。反省しながらやり方が適切なのか検討したい。住民基本台帳から無作為で選定し、その上でご希望の方が討論会に参加したのは間違いない」としました。
さわだ市議は「意見が真っ二つに割れるのは予測できたはず。議論では無く衝突、対立、口論だった。望まない対立を招いた部分がある。リスクマネジメントをしていたとは思えない。
史実に忠実に復元といっても、木造名古屋城が差別の象徴になる」と述べました。
日比美咲市議(民主・名東区)は、「委員長が具体的差別発言を知ったのはいつ」と聞いたところ、田山宏之委員長(減税・北区)は「具体的に知ったのは今日6/6。その場では判断できず、調査に至らなかった。北角委員から入手したDVDで確認した。」と述べました。
浅井市議は「DVDに差別発言があるのなら、観光文化交流局に削除しろと伝えたか」と聞いたところ、田山委員長は「委員会直前だったので、観光文化交流局には伝えていない」と述べました。
浅井市議は「そんな注意もできない委員の下で何を議論したらいいのか」と述べました。
さわだ市議は「田山委員長は6/3討論会に出席し、6/4新聞各紙に記事が出て、6/6DVDではじめて差別用語が分かったという。
危機管理が無い。名古屋城木造復元について、あなたが仕切れるとは思えない。しかも今日視察に行こうとしていた」と述べました。
浅井市議は「差別発言が聞き取れなかった人はここにいますか。いない。聞き取れなかったのは、市長と田山市議(減税)、大谷市議(減税)、北角市議(減税)だけ。なにもいえなくなった」と述べました。
委員間討議に入り、さわだ市議は「仮に文字起こしや映像で無くても、聞かれれば当局は答えるのではないか」とし、上田所長は「口頭でいただければ、お伝えせざるを得ない」と述べました。
浅井市議は「市長は6/3出席していたが聞き取れず、6/5記者会見でも聞き取れなかったと発言した。いわゆる差別発言が入ったDVDや議事録を見せたのか」と質問し、小鹿主幹は「6/3には伝えていない」上田所長は「不適切な単語は、秘書を通じて伝えたと理解している」としました。
浅井市議は「市民討論会の最後のあいさつで、市長が『有意義だった』と述べた。局長、これは有意義だったか。対立を煽り、人を傷つけた。
今日6/6 朝8時からのフジテレビ めざまし8を見たか。車いすの人はなんと言っていたか」と述べ、佐治局長は「録画で確認した。発言を控えたくなるような、悲しい言葉を発した」と述べました。
浅井市議は「局長がいわないなら私が言う。『死にたいです』いじめの場所だ。小学校の場で同じことやったらどうなる。障害者を悪者にした。いまさらなぜ討論会か。広く市民にフラットな意見をきくというが、どんだけ障害者が叩かれるか。
市長は「有意義」というが、全然有意義じゃ無い。今回の市民説明会で何を得たのか 主催したあなたたちは」と述べました。
佐治局長は「昇降技術を1階まで、つけない、5階までについて、裏付けとなる自由な意見を確認できた」としましたが、浅井市議は「だったらアンケートでいいじゃん。意見を言わなくてもいいじゃん」と述べました。
浅井市議は「6/15に所管事務調査があるが、何をするのか」と述べ、上田所長は「6/12までにバリアフリーの方向性を決め、案を6/12全体会議検討会議で出して、6/15所管事務調査を行う。それは成案では無い」としました。
浅井市議は「全体会議検討会議の前に議会に出すべき案件ではないか」と述べましたが、上田所長は「スケジュールの都合上、事後になった。」と述べました。
浅井市議は「『昇降技術を1階か5階か付けないか』と、『人権や差別の問題』はどっちを優先するのか。」と述べました。
佐治局長は「世論や、市長と協議する」と述べました。
さわだ市議は「総務環境委員会や財務福祉委員会でも議論するという。6/15のあとの手続を教えて」とし、上田所長は「6/15に示すのは案。修正をして再度全体会議検討会議に諮る。修正したものを議論して成案としたい」とのべました。
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今後の予定
・23/6/10(土)14時〜 市政資料館
「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会
・23/6/12(月)13時〜 名古屋国際センター 別棟ホール
第56回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
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・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
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2023年6月6日 火曜 午後5:20 FNN めざまし8
「本当に死にたかった」名古屋城に“エレベーター設置”問題 討論の場で“差別的な発言” 当事者の嘆き…名古屋市側の対応に疑問も
2023年6月6日(火) 19:52 TBS
障がい者は「我慢せえよ!」名古屋城復元をめぐり“差別的発言”が波紋 河村市長出席で陳謝も
23/6/5(月)「アリバイづくり」の名古屋城跡バリアフリー検討会議
23/6/5(月)に特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(第5回)が開催され、有識者の意見を一通り聴いた後、座長の堀越哲美・愛知産業大学非常勤講師(環境工学)が「2022年12月に昇降技術の最優秀者を選び、23/6/3に市民討論会を開き、今回有識者の意見を聴いた。
名古屋市がどう判断するか、市としてきちんと受け止めて欲しい。今日が一つの区切りだ」と締めました。
傍聴していた車いすの障がい当事者は「これはアリバイづくりだ」と繰り返していました。
・23/6/5 特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(第5回)配付資料
名古屋市民オンブズマンによるメモ
23/6/5(月)午前中、河村たかし名古屋市長の定例記者会見が開催され、「23/6/3(土)に開催した、バリアフリー市民討論会で、「差別的表現を含む不適切な発言があった。私は本当に聞こえなかった。その場で制止すべきだった。
市民の皆さんが発言する場なので、自由に発言してもらうのが原則。
事前に『差別発言は遠慮してください』と言うべきだった。申し訳なかったということでございます」と述べました。
23/6/3動画は、修正後に後日市がアップするとのこと。
・23/6/3 名古屋城バリアフリーに関する市民討論会動画
(名古屋市民オンブズマンが画面録画したものをアップ)
差別発言部分は2時間4分14秒〜 差別発言が含まれていたため消します
同じ頃、23/6/12(月)に第56回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議が開催されることがネットで発表されました。
午後2時から開始されたバリアフリー検討会議は、傍聴者・報道関係者ともども、録音・録画が禁止されました。
バリアフリー検討会議の冒頭、以前名古屋城総合事務所所長だった佐治独歩・観光文化交流局長が「1年2ヶ月ぶりにバリアフリー検討会議を開く。忌憚のないご意見をお願いしたい。
6/3市民討論会では、会場から差別的表現を含む不適切発言があり、誠に遺憾。今後再発防止に誠心誠意取り組む」とあいさつをしました。
その後、23/6/3市民討論会とほぼ同じ資料を説明しました。市民アンケートの結果も発表され、「昇降技術を設置しないと1回までを足せば40.3%と、5階までの47.2%とほぼ同じ」と説明がありました。
・4/19-5/8 5000人のうち1448人 29%
設置しない 23.4%
1階まで 16.9%
5階まで 47.2%
その後、堀越座長が、出席した委員全員から意見を聴くようにしました。
中嶋秀朗・和歌山大学教授(システム工学)
復元コンセプトをもって実現する議論を行う。
5階までは技術的に難しそう。
信頼性 最上階も難しいかも 5年10年後に見直しては
山田陽滋・豊田工業高専校長(機械安全・ロボティクス)
社会技術は単に作られるものではなく、社会がどう受容していくか。
昇降技術選定はワークショップをして、いろいろ技術を選んだ。
ギリギリのところを狙っている。
技術の行く末を見守ってほしい。アセスメントを進めてほしい。
アンケートの内容を、最新の議論にアップデートしてほしい。
みんなで誇れる名古屋城にしてほしい。
高橋儀平・東洋大学名誉教授(福祉のまちづくり)
6/3youtube配信をし見た。話が公募前に戻ったよう。
文化財がどう位置づけられるのか分かった。
木造天守は構成要素の一つで、できた当初は文化財じゃない。
「史実に忠実」でも、1人しか登れない文化財でいいのか。
議論の前提を共有することが、対話するためには必要。
日弁連からの要望もどう対応したのか。
MHI、竹中、バリアフリー検討会議でフランクに議論すべき。
渡辺崇史・日本福祉大学教授(福祉工学)
いままで開催されたワークショップの内容が周知されているか。
アンケートも〇× 対立構造にすべきでない。
だれがいつ使うのかがない。
外国人や小中学生も利用する。
史実に忠実でもスペースが限られる。代替手段をどう考えるか。
現状はこうで、将来はこうという夢を描くべき。
磯部知彦・中部大学教授(交通計画、福祉のまちづくり)
技術コンペは応募者が少なく残念。
条件が厳しいからだ。最優秀者には本当に「最」が付くのか。
幼稚園児20人、親20人が来た場合、小型昇降機しか無く、トイレも無いならどうなるか。
アンケート結果は30代が最上階までが多いのは、子育て世代だから。
階段体験館の活用をしてほしい。技術検証すべき。
宝物と見世物を両立できなければ、できないとはっきり言おう。
「だれも入れない」も一つの解決策。中途半端を危惧する。
野々垣篤・愛知工業大学准教授(建築歴史、意匠)
今回の議論がすでに歴史になっている。白黒付ける話では無い。
歴史的建築物を建設するという意識を。
三浦正幸・広島大学名誉教授(日本建築史、文化財学)
「史実に忠実」「石垣を守る」の大前提として、命を絶対守ることが
究極の大前提と以前から何回も述べているが、アンケートにも全く書いていない。
南海地震に耐えるには柱・梁を欠いてはいけない。
今回提案の技術は、大前提を守った技術であり、必要最低限をクリアしている。
小野徹郎・名古屋工業大学名誉教授(建築構造学)
私は以前と考え方が変わっていない。
安全性+その時代の技術を反映すべき。
1か0ではなく、妥協点を作ることが大事。
「絶対はあり得ない」。
川地正数・川地建築設計室主宰(建築生産)
昇降技術については性急に結論出さなくてもいいのではないか。
バリアフリー設備は途中や竣工後にもつけられる。
今後考えてもよい。
18の絵は、武者走りまではみ出すと言うことか。
小濱芳朗・名古屋市立大学名誉教授(建築構造学)
構造が専門。公募案は条件を満足している。
しかしMHI担当者と直接議論しないと理解難しい。
公募と軸組みが関係するが、今日の資料だけではわかりにくい。
小松義典・名古屋工業大学大学院准教授(環境工学)
今日の技術で、なぜ1階までか説明がなかった。
上の階まで上がるとどうなるかも資料が無く、技術者としてはコメントしにくい。
梁を切るのかわからない。名古屋市の説明では厳しい。
外回りは大きなところで囲うのか。
非常時にどう運用されるのか。火災時はどうするのか。
その後、委員から意見が出ました。
磯部:石垣は地中に埋まっている。
別の場所で作ってもよいのでは。
今の場所の今の天守閣を耐震改修しては。
堀越:特別史跡の場所に史実に忠実に復元がポイント。
今の技術では最高。
広報が不足している。情報を出すことも必要。
高橋:位置付けとしてどういう段階なのか。途中なのか。ゴールは何か。
直近のロードマップがほしい
堀越座長は「はじめに主幹から話があったように、最優秀者を選定し、市民討論会を行った。今回のバリアフリー検討会議を踏まえ、今後どう進めるかは、名古屋市がどう判断するか市として受け止めてほしい。
議論としてまとまらないと思うが、会にさらなる情報提供をしてほしい。今日が一つの区切りだ」と締めました。
最後に、佐治局長が「平成30年度の1回目からいろんな意見を頂いた。公募、選定を経て、一つの節目を迎えた。市として市長を含めしっかり受け止めて、木造天守を多くの人に楽しんでもらいたい」と述べました。
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終了後、佐治局長に確認したところ、「資料10ページのイメージCGにあるように、廊下にはみ出れば、4階部分も昇降技術が設置可能」と述べました。
(5000人アンケートには、その旨は記載ありません)
傍聴していた車いすの障がい当事者は「これはアリバイづくりだ」と繰り返していました。
別の車いすの障がい当事者は「23/6/3に話をした、阿部一雄・一般社団法人バリアフリー総合研究所 UD−ラボ東海代表理事は、まるで障害者の代表のような顔をしていたが、実は新技術公募の審査員だった。『名古屋市は障害者・高齢者団体に丁寧に説明している』と述べたが、阿部氏は直接説明をしていない」と述べました。
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22/12/6に名古屋市が最優秀者に選んだ株式会社MHIエアロスペースプロダクションの技術であれば、廊下にはみ出れば最上階まで定員4人、または車いす1名介助者1名が登城可能のようです。
そうであれば、その旨明記すべきだし、逆にどうして5000人市民アンケートを行ったのか理解に苦しみます。
(1階までの選択肢はどうしてあったのか。昇降技術無しという選択肢はどうしてつけたのか)
一部の委員とは、「技術対話」をしたようですが、その様子が他のバリアフリー検討会議委員にすら公開されていません。
一般の市民にも当然公開されていません。
委員から「早急に結論を出す必要は無い」と意見が出ましたが、名古屋市は23/6/12の名古屋城跡全体整備検討会議で、バリアフリーの方針について結論を出し、文化庁に整備基本計画(案)を提出する気満々に見えます。
21/3/8名古屋市議会本会議で、自民党の浅井正仁市議が松雄観光文化交流局長(当時)が「2019年4月に局長になり、2019年6月までは市長主導の木造復元を実現しようとしていたが、うまくいかないと認識し、行政ベースの木造復元に大きく舵を切り、私がいる限り従来に戻ることはない。市長のように竣工時期を先に決めて、天守が先、石垣は後では何年かかっても木造復元出来ない。」とメールしたと暴露しています。
・21/2/19 松雄局長から、石垣部会の赤羽一郎氏へ送ったメール
にもかかわらず、今回もまた、バリアフリーについて有識者にすらきちんと情報を公開しないまま、議論を終えようとしています。
市民の中でも議論がまだまだ不十分なのは、不十分な資料を基にした5000人市民アンケート結果でも明らかです。
また、今回のバリアフリー検討会議でもほとんど触れられていませんでしたが、小天守を囲む鉄骨スロープについて、本当にどうするのかという話も極めて重要だと考えます。
河村市長は鉄骨スロープ案を事前に確認・了承していたにもかかわらず、「初めて聞いた。全然聞いてないけど。鉄骨で作るのはいかん。鉄骨は根本的にいかん」と報道陣の前で述べています。
5000人市民アンケート資料にも、今回のバリアフリー検討会議資料にも掲載されていませんでした。
現天守の大天守東側外付けエレベーターの外観に不評を言う人が多いと聞きます(2方向避難のためには必要不可欠です)。
鉄骨スロープならびに4階-5階の昇降機CGについて、市民に説明し、納得をしてからでないと、木造天守が「市民の宝」とはなり得ないのでは無いでしょうか。
また、名古屋市が2018/5/30に定めた『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』では、「協議会を新たに設置し、障害者団体等当事者の意見を丁寧に聞くことにより、誰もが利用できる付加設備の開発を行う。 」とあります。
にもかかわらず、昇降技術結果公表後の22/12/7に「愛知障害フォーラム」(ADF)と「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が連名で提出した、「名古屋城木造天守昇降技術および市長発言の撤回要求と抗議」に対して、半年たった現在も文書での回答をしていません。
文化庁に書類を提出するのはその後にすべきですが、名古屋市は同じ過ちを繰りかえそうとしています。
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今後の予定
・23/6/6(火)名古屋市議会経済水道委員会
本丸搦手馬出周辺石垣について(観光文化交流局関係)[終了後、現場視察]
・23/6/10(土)14時〜 市政資料館
「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会
・23/6/12(月)13時〜 名古屋国際センター 別棟ホール
第56回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
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23/6/3(土)矛盾を極めた名古屋城バリアフリー市民討論会 市民アンケートは最上階までが47.2%
23/6/3(土)に、名古屋城バリアフリーに関する市民討論会が無作為抽出された市民のみ参加出来る形で行われました。
名古屋市や有識者が「木造復元の意義」を熱心に説明し、会場から、車いすの障がい当事者に対する面と向かっての差別発言まで飛び出しましたが、無作為抽出市民5000人アンケートの結果は「『最上階まで昇降技術をつける』が47.2%」でした。
なお、様子はネット配信されましたが、「後日視聴可能」とあったにもかかわらず、配信直後、非公開動画となっております。
参加者へ配布された資料は、ネット視聴者には配られていません。
・5000人アンケート送付資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
・名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(23/6/7アップ 差別発言を消しています)
・配信の様子を録画し、名古屋市民オンブズマンがアップしました(23/6/6 差別発言がふくまれていたため消しました)
・配信の様子を録画し、差別的発言を消して名古屋市民オンブズマンがアップしました(23/6/6)
名古屋城木造復元事業に関しては、新技術公募について、「名古屋城木造天守閣の昇降に関する新技術の公募支援業務委託」として、令和元年〜3年度で1億4300万円の契約を(株)日本総合研究所と結びました。(議会の予算議決済)
公募の説明資料には、技術開発費用として上限8000万円、実機導入として上限2億円と明記し、公募を実施した結果、名古屋市は、22/12/6に株式会社MHIエアロスペースプロダクションを最優秀者に選びました。
にもかかわらず、今回以下質問をしています。
問4 公募により選定された最優秀者の昇降技術の設置について、あなたの考え方は以下のうちどれですか。(1つに○)
1 設置しない(豊富な史資料を基に名古屋城天守を往時の姿に忠実に復元する)
2 1階まで(名古屋城天守の史実に忠実な復元に配慮しながら、1階からの眺望を楽しめるようにする(公募した昇降技術の最低要求水準)
3 最上階(5階)まで(高齢者、障害者、小さな子ども連れの方等のため、最上階まで設置)
4 わからない
5 その他( )
結果は、市民討論会の最後で説明するとのこと。
今回名古屋市が行った配信は「スクリーンをカメラで写す」という、極めて見にくいものでした。
初めに、新型コロナ感染から復帰したばかりの河村たかし名古屋市長が、マスクを外して挨拶をしました。
「国宝1号であった名古屋城を今後どうするか、1000年の宝になるにはどうすれば良いかを話してほしい」と、当初から会場を誘導しました。
その後、天守閣部会の構成員をつとめる麓和善・名古屋工業大学名誉教授がなぜ、天守を復元するかということを説明しました。
麓名誉教授は「『単に観光名所を作りたい』ではなく、特別史跡の価値を高める行為で無ければならない」としました。
しかし、特にバリアフリーについては話はありませんでした。
その後、上田剛・名古屋城総合事務所がバリアフリーについて説明しました。
また、竹中工務店が2016年に作成したCGを見せました。
その後MHIの提案のCGが紹介されましたが、結局MHIの提案で、柱や梁を切らずに5階まで行けるのかは明言しませんでした。
また、地上から大天守地階まで、バリアフリーのためのスロープ設置も説明しました。
市民討論会として、バリアフリー検討会議の堀越哲美・愛知産業大学元学長、今回の新技術公募の審査員だった、阿部一雄・一般社団法人バリアフリー総合研究所 UD−ラボ東海代表理事が話をしました。
堀越氏は1980年代に鉄道会社勤務していたときからバリアフリーと公共建築物研究しており、「設備だけではバリアフリーにならない。機能性だけでなく、運営管理も必要。必要な機能はなにか議論することが必要」と述べました。
阿部氏は車いすの建築士として、「名古屋城は12階建ての大きさ。城は元々人が入りにくいように作られたもの。建築とバリアフリーは相反する。いかに融合するかは大変。
バリアフリー法は合理的な配慮を求められる。名古屋市は障害者・高齢者団体に丁寧に説明しているが、説明で納得するわけでは無い。
私は中立的な立場で、一刻も早く建築に取りかかれるように事業を進めたい」と発言しました。
その後、会場参加者が紙に意見・質問を書いて、それを陣笠隊が読み上げる形式を取りました。
バリアフリーに特化した説明にもかかわらず、「木材は国産か外国産か」などの質問が出ました。
また、「エレベーターの設置は決定しているのか」という質問に対し、名古屋城総合事務所昇降技術担当小鹿主幹は「本日意見を聞きたい。意見を聴いて考えたい」と述べました。
「忠実に復元すれば新築でも文化財になるのか」という会場からの質問に対し、麓名誉教授は「新築が文化財になるかは微妙。特別史跡の中の構成要素の一つであり、『まったく文化財では無い』ではない。復元されると、将来100年200年1000年たてば、いずれは文化財に指定されるだろう」と述べました。
「本討論会は、意見対立しているのか。問題設定がわかりません」という質問に対しては、「MHIを最優秀に選んで以降、『史実に忠実ならいらない』『バリアフリーが標準』という意見が名古屋城総合事務所にかなり来た。勝手に決めるわけにはいけないだろうとして5000人アンケートを行った。生の声を聞いて、最終的に昇降技術どうするかは、しっかり市民の意見を参考にしたい」としました。
その後、なぜか会場からの紙を書いた人を当て、その人に発言する形式にしました。
「パワースーツを活用しては」「内観が失われるのが悲しまない人がいるのが驚き」「4階5階までバリアフリーにするのはもったいない」「世界に誇れる名古屋城を」など、エレベーターを設置しない意見の発言が相次ぎました。
その後、車いす当事者から発言がありました。
「城は好きだが、名古屋城、大阪城には今エレベーターがある。城を新しくするとエレベーターをなくすというのは、障害者排除としか思えない。史実に忠実には反対していない。
12階建て相当の建物なので、エレベーター外付けで中身を傷付けないでできないか。
今提案されているエレベーターは大きさが分からない。『車いすが乗れればいい』ではない。電動車いすや、ストレッチャータイプはどうなるのか。気分が悪くなったらどうなるのか。
『パワースーツがどう、VRで見ろ』などは我々は納得いかない。排除されていると感じる。今回をアリバイづくりにしてもらいたくない」
それに対し、小鹿主幹は「外部からアプローチするエレベーターは付けない。内部昇降技術についていろんな意見を頂いている。昇降設備の大きさは、ストレッチャーは乗らない。歴史的な資料に基づき復元するので柱、梁を残すのが前提で昇降技術を選定した。車いす1台が収められる籠の大きさとなる」としました。
会場から「車いすは来なくていいと言うことか」とありましたが、小鹿主幹は「貴重な意見をいただきながらしっかり昇降技術を考えたい」と述べました。
別の人は「平等とわがままと一緒にするな。地下鉄のエレベーターは対応すべきだが、河村市長は電気の無い建物を再構築したいと言っている。なぜバリアフリーが言われるのか。ピラミッドにエスカレーターをつけろというもの。『お前が我慢せよ』昔の老人も上には登れなかった。エレベーターを付けるなら再構築する必要は無い。今度作る木造は200年持つので、ドラえもんのどこでもドアが開発されるかもしれない。今回は作らないのが再構築の意味だ」と発言しました。
続いて、別の人も「この城は『家康が作ったそのものを作る』と名古屋市から聞いたので寄付をした。電気も無いものを作る。
50年後100年後には世界遺産になることを願って寄付したはず。
城は攻めにくいようにできている。階段も急で、あってあたりまえ。これから作る櫓門にも昇降を作れという問題にもなる。生まれながら不平等があって平等だ。
■■■で生まれるかも知れない、天才としてうまれるかもしれないがそれが平等。
VRきれいに本物でつくったらもっと素晴らしいものができる。エレベーターは誰がメンテナンスするのか。金がもったいないので別のところに金を使いたい。
タダでエレベーター動かない。電気もいる。人もいる。エレベーター必要ない。本当の木造を作って欲しい。」と述べました。
さらに別の人は、「バリアフリーは決まっているのに、何を議論するのかと思っていた。逆の意見を知れて楽しかった。
バリアフリーがいる、いらないとちゃんと議論しないといけない。またちゃんと開催して欲しい」と述べました。
その後、ようやくアンケート結果が紹介されました。
・18歳以上の5000人無作為 1448人回答 29.0%
エレベーターいらない:23.4%
1階まで:16.9%
5階まで:47.2%
今日来た人は、大体上記比率かと思うと司会は述べました。
また、なかなか説明資料だけで価値を伝えきることの難しさを感じるとも述べました。
最後に、有識者が一言述べました。
麓名誉教授は「防災上の現代工法も必要だ。バリアフリーは私の話では言わなかった。名古屋市・河村市長が原案に加えてどこまで設備を付けるか決定して欲しい。どちらがいいかは私の口からはいえない」。
阿部氏は「バリアフリーと建築は難しい問題。 全市民が参加してもらうことが物理的・時間的に難しかった。名古屋市・河村市長がどう判断するか。有識者が議論する。」と述べました。
堀越氏は「防災設備は避けられない。同じようなものと判断していくことが必要」と述べました。
最後に、河村市長は「なぜ文化財は建築基準法の除外なのか。コンメンタールに『人類の任務』とあった。
旭丘高校の校舎が取り壊されそうになったとき、アメリカの学者は『自分の世代で壊す権利は無い』と述べた。私はもうすぐ八事に行く。本物を残したい」と述べるに留まり、市民アンケートの結果 5階まで:47.2% については触れませんでした。
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そもそも、バリアフリーの問題については、2015年当時からずっと問題となっていました。
名古屋市は2018/5/30に「『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』を定めました。
それに基づき、市議会の予算も付け、名古屋市は新技術を公募しました。
それに対し、22/10/24に日弁連が「車椅子が入れる大型のエレベーターを最上階まで設置しないのは人権侵害だ!」と名古屋市長宛てに要望書を出しました。
結局名古屋市は1階までとして22/12/6にMHIを最優秀者に選びました。
一方、河村市長は23/3/6名古屋市議会で、河村市長は「1階までか2階以上か」を明言しませんでした。
しかも、23/4/9投開票の名古屋市議選では、河村市長は「本物復元」と繰り返しました。
今回のアンケート・市民討論会は、事前に市議会に公式に説明されたものではありません。
本来は、市と市長の方針が食い違っているのであって、市民を巻き込む必要は全くありませんでした。
その上で、市民に「どのような木造復元にするか」という説明をほとんどしてこなかったツケが一気に噴出したと思います。
今回、名古屋市は、「木造復元の意義を説明すれば、これまでの名古屋市の経緯はともかく、市長の言うとおりエレベーターなしの市民が多くなるのでは」と考えていた節がありますが、12階建てビルをエレベーター無しで登りたいという市民は少数だったこと、障害者・高齢者無視はしたくないという市民の良識があらわれたのではないでしょうか。
そもそも、「エレベーターをどうするか」というのは、正式に竹中工務店との契約を結ぶ前に、市民に説明して納得してから進めるべきでした。
当初の竹中工務店案は、「ガラス張りの区画に小型エレベーター」でしたが、それを河村市長や有識者が白紙に戻し、公募をすることになりました。
今回、河村市長の「犬笛」(特定の集団にしか理解できない暗号のような表現を使うことで、批判を受けることのないメッセージを発信し、人々の考えや行動を操る政治手法)に応じて、差別主義者が差別発言をしたと考えております。
防災・避難計画は、すでに一般財団法人日本建築センターの評定や、一般財団法人日本消防設備安全センター消防設備システム評価委員会の評定を受けています。(バリアフリーや石垣、基礎構造が決まっていないのにどうして評定がでたのか疑問です)
にもかかわらず、「電気を一切使わない名古屋城が復元可能」と信じ切っている名古屋市民がいること自体、名古屋市のこれまでの説明が不十分だったということではないでしょうか。
名古屋市民オンブズマンは、21/3/2に「名古屋城木造復元事業市民説明会 ポストコロナ時代の情報発信を求める」を河村たかし名古屋市長宛に郵送しました。
・1ヶ月に1度の頻度でオンライン説明会を求める
・質疑をオンライン又はメールで行い、その場で回答するか次回に回答を発表するなど広く公開せよ
真逆の対応のバリアフリー市民討論会は、名古屋城をめぐる矛盾の象徴ではないでしょうか。
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なお21/3/18名古屋市議会経済水道委員会で、「名古屋城天守閣木造復元に係る予算については、文化庁の文化審議会において正式に『木造復元』の許可がされた後に執行すること」という附帯決議が可決されているにもかかわらず、木材を約40億円購入済です。(まだ文化庁から『木造復元』の許可は受けていません)
名古屋市は、すでに木材をはじめ約70億円支出しています。3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)のうち、バリアフリー、基礎構造は解決する見通しが立っていません。
石垣保存方針策定は目処がたちましたが、仮設工事をする前に御深井丸側石垣、鵜の首、穴蔵石垣の早急に補修等対策をする必要があるとされ、いつ対策が終了するかは見通しが立っていません。
一体どうなってしまうのでしょうか。
23/5/28(日)名古屋城石垣部会「特に御深井丸側石垣、鵜の首、穴蔵石垣の状態は最悪で危険だ」
23/5/28(日)に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第56回)が開催され、資料を読んだ石垣部会構成員は「特に御深井丸側石垣、鵜の首、穴蔵石垣の状態は最悪で、早急に補修等対策をする必要がある」と述べました。
特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)ならびに天守台石垣の保存方針については、石垣部会からの指摘を踏まえて訂正し、その後全体会議検討会議に提出される予定です。
・23/5/28 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第56回)配付資料
・23/5/28 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第56回)
名古屋市民オンブズマンによるメモ
今回も、審議中の録音・録画は禁止されました。
しかも、23/5/28(日)の石垣部会開催は、23/5/26(金)になってからホームページで公表されました。
名古屋市は23/3/17石垣部会(第55回)の終了予定時間5分前に名古屋城天守台石垣の保存方針(案)を示すも、「審議時間が取れなかった、内容も十分ではない」とされ、今回出し直しました。
今回、天守台周辺石垣のそれぞれの面について危険度を分類(a,b1,b2,c1,c2)し、特に面として顕著な変形・変状があるものをc1としました。
また、来城者への影響の観点から、崩落した場合来城者に影響が及ぶ可能性がある石垣をyとしました。
千田嘉博・奈良大学教授は「整備スケジュールでは、天守台石垣の保存及び安全対策工事は、文化庁の許可が出て、木造天守閣が復元された6年目以降に行うとある。
熱劣化した石垣は工事の前に修復する必要があるので、天守復元に先だって工程に入れないといけないのでは」と述べました。
名古屋城総合事務所は「今年度、設計予算を確保しており、仮設を入れる前に手を入れる予定。具体的にどこを修復するかは今後石垣部会で相談する」としました。
宮武正登・佐賀大学教授は「名古屋市が石垣を分類したc1でyが最悪で危険。
具体的にはU65,U66,S10という御深井丸側石垣と鵜ノ首。どこにも具体的にどうしますと書いていない。
しかもc1でyの穴蔵石垣の方針も書いてない。穴蔵石垣は、地震の際石垣が吹っ飛んできたら生命に関わる」と述べました。
千田教授は「石垣部会として、木造復元がいいか悪いかを言うのではないが、木造復元するのなら、大小天守の穴蔵階は要になる。
熊本城大天守台、小天守台は、熊本地震で穴蔵石垣が大崩壊した。客が入っていたらほぼ全滅しただろう。
名古屋城は天守入るには穴蔵階を通らないといけず、絶対安全を確保しないといけない。
熊本城は審議の中で二重三重に調査し、安全対策した。
名古屋城も穴蔵階の絶対安全を確実に確保できなければ、文化庁として『これで進めて』とは言えないだろう」と述べました。
また、千田教授は「今回基礎構造の例が3つ示されているが、それぞれ歴史的形とは全く別にしている。
他と違って『天守を木造にするには、石垣を変状させていい』としている。
板壁があり、石垣を本来の形に戻すと1ミリも見えない。名古屋市はどう復元しようとしているのか。書き込んでおかないと、『これから考えます』では文化庁が困る。文化財としてどういうメリット・デメリットがあるか。これでは、ただ木造を作りたいだけの資料だ」と述べました。
梶原義実・名古屋大学大学院教授は「U65,U66という御深井丸側石垣が危ないとされた。観覧者の導線を石垣から離すことはできないか。
六番御蔵も今後作ると言うが、石垣のきわを通さないようにできないか。今の導線を維持する必要はない」としました。
宮武教授は、「基礎構造検討の基本的な考え方に、『大地震時に安全性が担保できない可能性のある天守台』と言い切っている。
一方、『内部石垣が崩壊しないことを前提にした』ともあり、自己矛盾だ。
『内部石垣をがちがちに固めないと』と書いており、自分の首を絞めている」と述べました。
西形達明・関西大学名誉教授は「穴蔵石垣調査に立ち会った。本当に正確な調査ではないが、安定とは考えられない。何らかの形で補修・解体が必要だろう。
その際の工事によって、外側石垣にどの程度影響があるか考えるのは避けられない。天守基礎構造の工法に大きく関係する。それぞれ、どんな問題が起きるのか整理して欲しい」と述べました。
オブザーバーの山内良祐・愛知県県民文化局文化部文化芸術課文化財室は、「愛知県内には石垣が多くあり、崩れることがある。熊本地震や、東日本大震災ではたまたま人がいなかったのは奇跡的なこと。人的被害問題になっていないが、今後そうとは限らない。名古屋城が人的被害1番になってほしくない。石垣安全性について文化庁は力をいれて各自治体指導している。名古屋市としても同様にしてほしい。愛知県も、人命に影響がある石垣崩落が起きないようにしたい」と述べました。
結局、座長の北垣聰一郎・石川県金沢城調査研究所名誉所長は、「今日の議論を踏まえ、名古屋城総合事務所の方で調整し、石垣部会委員に個別に示した上で、全体会議検討会議に提出することでよいか」とし、了承されました。
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今後の予定
・23/5/29(月)10時半〜 河村たかし名古屋市長記者会見
・23/6/3(土) バリアフリー市民討論会(一般公開せず)
・23/6/5(月)14時〜 名古屋能楽堂
特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(第5回)
・23/6/10(土)14時〜 市政資料館
「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会
・23/6/19-7/5 名古屋市会6月定例会
名古屋城木造復元バリアフリーアンケート 市長「無作為抽出は『フラットに聞くため』」
河村たかし市長は23/5/22定例記者会見で、現在市が行っている名古屋城木造復元バリアフリーアンケートについて「無作為抽出は『フラットに聞くため』」と述べました。
アンケート文書については「見せてくれと言われれば、別に秘密のもんではない」と市長は述べました。
名古屋城総合事務所に電話で確認したところ、「開示請求の決定は今週中にも出す」とのこと。
・23/5/23 河村市長会見文字起こし(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
河村市長は「エレベーターを最上階まで付けた方がいいかといえば付けた方がいいという人が多くなるのは当然。
それとは別個な意義で、もう1回国宝になるような宝を若干不便であっても残しておこうというのは別個な価値判断なので、フラットにお伺いしてみよう。
バリアフリー対応については文化庁に方針を出す必要がある。みんなに聞いていない、アンケートも取っていないのかとも言われかねない。
2016年アンケートは、木造に賛成か反対かだった。
今回は、最上階5階までエレベーターを付けた方がいいか、1階まで付けた方がいいか、つけないほうがいいかというもの。
『国宝一号であったのは歴史的なこと』と説明文書を書いてある。
これまで何階も名古屋城に関して市民意見交換会を行ってきた。
木造そのものに賛成か反対か、エレベーターについての意見もあった。
今回は無作為抽出した人の意見をフラットに聴くとどうなるか。これは重要な選択ではないかと思う」と述べました。
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近年、「熟議民主主義」「討議民主主義」「ミニ・パブリックス」等と呼ばれる、無作為抽出された市民による政策形成プロセスが注目されています。
名古屋市民オンブズマンは、2016/5/15に名古屋大学法学研究科の田村哲樹教授を招いて「熟議民主主義の必要性」の学習会を行っています。
田村教授は「熟議民主主義では、熟慮+議論、ならびに自分の考えを見直すことが重要となる。熟議を通じて生まれる『練られた意見』が大事となる。
ただし、行政がその立場を変える可能性が確保されていないと、アリバイ作りの機会と言われてしまう。」と述べています。
今回のアンケート書面では、名古屋市の一方的な主張が記載されているだけです。
しかも、23/6/3に予定されているという市民討論会で、市民同士が討論するかどうかは不明です。
OECDで示された「ミニ・パブリックス」活用ガイドラインでは、11項目示されています。
@目的
Aアカウンタビリティ
B透明性
C参加の包括生
D代表制
E情報
Fグループ討論
G時間
H高潔さ
Iプライバシー
J評価
今回は特にB透明性、E情報、Fグループ討論、G時間、H高潔さ、J評価 に問題があると思います。
H高潔さ には、「主催する公的機関とは異なる、政府とは適切に距離を取った調整チームによって実行されるべき」と記載があります。
そもそも、名古屋市は昇降技術の公募を議会の議決を経た上で行い、22/12/6に株式会社 MHIエアロスペースプロダクションを最優秀者に選んでいます。
・名古屋城木造天守の昇降技術に関する公募
(国立国会図書館が保存した2023年2月4日時点のページ)
公募要項に、「『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』を2018/5/30に定めており、技術公募はこれに基づき行います。」とあります。
5.基本方針
?また、協議会を新たに設置し、障害者団体等当事者の意見を丁寧に聞くことにより、誰もが利用できる付加設備の開発を行う。
さらに、公募要領に「また、2020年4月3日衆議院国土交通委員会、5月 12日参議院国土交通委員会において、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」が施行されており、この趣旨を踏まえることとします。 」とあります。
・附帯決議 令和2年4月3日衆議院国土交通委員会、5月 12日参議院国土交通委員会
障害者権利条約に則り、歴史的建造物のバリアフリー化を進めるため、歴史的建造物を再現する場合等におけるバリアフリー整備の在り方について、高齢者、障害者等の参画の下検討が行われるよう、必要な措置を講ずること。
愛知県の「人にやさしい街づくりの推進に関する条例」でエレベーター、スロープ等の設置義務があります。
日本弁護士連合会(日弁連)は、22/10/24に名古屋市長に対して「再建名古屋城天守閣に高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行令第18条第2項第5号の要件を満たす最上階までのエレベーターを設置する」よう要望を出しました。
大型エレベーターを最上階まで設置しなければ、「憲法・法律・条例違反で人権侵害にあたる」と述べています。
日弁連は「民主主義と基本的人権の尊重・解説(令和版)みんなで決めるべきこと、決めてはならないこと〜民主主義と基本的人権の尊重〜」の中で、「たとえみんなのことであっても、個人の尊厳を害するような著しい不利益を与えることは、決めてはならない」と述べています。
にもかかわらず、市議会にも説明せずに勝手に「無作為抽出市民アンケート・市民討論会」を行うと市は発表しています。
市が定めた「基本方針」「公募要領」、参議院附帯決議にある当事者参加は無視です。
これでは、田村教授がおそれた「アリバイ作りの機会」になってしまうのではないでしょうか。
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・2019年01月10日 DPI日本会議
名古屋城の木造新天守へのエレベーター不設置について、人権救済を申し立てました
・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
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2012年6月 北海道大学科学技術コミュニケーション, 三浦太郎;三上直之
コンセンサス会議の問題点の再考と討論型世論調査の活用の可能性
6月 18日, 2019 勁草書房編集部ウェブサイト
めんどうな自由、お仕着せの幸福
第5回:熟議でのナッジ? 熟議へのナッジ?《田村哲樹さんとの対話》
2021 年 12 月 11 日
第 7 回 日本ミニ・パブリックス研究フォーラム 開催記録
日本ミニ・パブリックス研究フォーラム
23/4/24(月) 河村市長 名古屋城木造化遅れ「謝るよりしょうがない」
河村たかし名古屋市長は、23/4/24(月)定例記者会見で、名古屋城木造復元事業が当初予定の2022年12月から遅れていることに対し「謝るよりしょうがない」と述べました。
・23/4/24(月)河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
名古屋城大小天守閣は、設備の老朽化や耐震性の確保のためとして、2018/5/7から入場禁止となっています。
記者から「入場禁止から5年経った。さらにまた5年、あと何年かかるかわからないが、入場収入を得るために仕掛けが必要になるのでは」と質問が出ました。
河村市長は「本当は(2020年東京)オリンピックまでに作ろうと思ってた。
石垣保存方法について、いろんな立場がある。文化庁から『慎重の上にも慎重にやらさせて』といわれた。
頼むからあと2−3年長生きしてちょう。
石垣保存方法については確たる理論がないよう。
本当に木造天守ができなかったら切腹といったが、時期が延びたやつは、ええか」と述べました。
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石垣修復や保存方法が大事だというのは、当初から分かっていました。
16/6/17読売新聞記事によれば、清水建設が石垣を先に補修すれば約350億円で済むも、2024年ごろの完成になり河村市長が要求する2020年7月の完成に間に合わないために、2016年3月締め切りの技術提案・交渉方式による公募型プロポーザルを辞退したとのことです。
それでも、「どうしても2020年7月までに完成させる」と強行したのは河村市長です。
結局、約505億円の竹中工務店と基本協定を結びました。
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
公募型プロポーザルから7年。
特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画(案)は大体まとまりましたが、当初から問題視されていた3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)はいまだに解決していません。
その結果、文化庁にまだ基本計画(案)を提出できていませんし、文化庁からの現状変更許可も出ていません。
現天守の解体も全く手つかずです。
2016-2021年度の名古屋城天守閣木造復元に係る経費は73億688万8764円です。
・23/1/21 「名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会」資料冊子(ダウンロード:PDF)
23/3/14 名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋市の荒川・天守閣整備担当主幹は「2023年度には文化庁の復元検討委員会で議論いただこうと考えている。概ね2年とか2年半かかると感じている。
その後現状変更許可で、その後木造天守の完成には6年半ぐらいかかると思う。
なので、2023年度からスタートしたとして約9年かかる。ある程度順調にいくと2032年度。」と述べました。
しかしながら、3大課題(石垣、バリアフリー、基礎構造)が解決していないため、2032年度に完成するとは思えません。
にも関わらず、23/3/20河村市長定例記者会見では、「最短で2032年はわしは知らなかった。松雄副市長も知らなかった。市として確定した意見ではないと断言しておきたい。」と述べています。
また、「切腹発言」について、2019/4/1 河村たかし市長定例記者会見で「2022年12月末までに木造復元できなければ関係者全員切腹」と明確に述べています。
(記者)市長はどうなったら切腹ということですか。
(市長)そんな変なふうになったらですよ。これは本当に木造がつくれんようになって、何かわけがわからんということでとめられたりしたら。それはそういうことじゃないですか。
(記者)別に間に合わなければという意味ではないということですか。
(市長)間に合わなければも同じですよ。同じですよ、そんなの。
19/6/24大村愛知県知事は河村市長の『できなかったら切腹』発言は典型的なパワハラだ。としています。
河村市長は、いったい誰に対して何を謝っているのでしょうか。
自分の発言に全く責任を持てない人物が、建設費だけで505億円もかかる名古屋城木造復元事業を成し遂げられると思いますか?
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