名古屋城 本丸御殿+木造天守閣問題特集

2019年度

20/3/31 名古屋市「名古屋城 石列毀損再発防止策が理解されるまで、木造復元はスタート位置に立てない」

20/3/31に名古屋市は特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第30回)を開催しました。

20/3/31 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第30回)配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200331.pdf

20/3/31 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第30回)
名古屋市民オンブズマンによるメモ
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200331-1.pdf

今回も、新型コロナウィルスの影響があり、傍聴を遠慮するよう呼びかけられましたが、写真撮影・録画・録音は禁止されました。

冒頭、松雄観光文化交流局長が「石列毀損について、国民の財産を毀損したことについて国民の皆さんに深くお詫びする」としました。
その上で、松雄局長をトップとした調査委員会を立ち上げたとしました。

議題に移り、まず全体整備検討会議と各部会の関係を整理したとしました。
今後、石垣部会は石垣・埋蔵物分科会と名称を変え、その上で全体整備検討会議は各部会に再付議し、部会で検討して全体整備検討会に報告し、最終意見を取りまとめるとしました。
また、複数の部会に関連する検討事項は、それぞれの部会の意見を事前に調整する調整会議を非公開で行うとしました。

赤羽一郎・前名古屋市文化財調査委員会委員長は、「石垣部会は1名地盤工学の先生が入ったが、人数が足りない。若くて実力がある人、また文献の人を加えて欲しい。
また、全体整備検討会議に『調査研究に関すること』を加えて欲しい」としました。

次に、石列毀損について、市長のコメントが20/3/27に発表されたとしました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_information/uploads/sicho-comment-R02.03.27.pdf
その後、再発防止策(中間案)が説明されました。
原因は5つと把握されました。
 ・史跡を保存する共有・連携の仕組みがなかく、個人が判断した
 ・整備部門、調査部門の意思疎通がうまくできず、教育委員会との分担も不明確
 ・工事に至るまでのチェック機能がうまく働かなかった
 ・実際の工事現場での学芸員の立ち合いが確認できなかった
 ・職員の認識の徹底、知識・経験の向上が行われてこなかった
それを元に再発防止策が提案されました。

高瀬要一・公益財団法人琴ノ浦温山荘園代表理事は「原因は発掘調査が十分行われていなかったこと。遺構が残っていなければ絵図に頼る。それがなされていなかった」としました。

村木名古屋城調査研究センター副所長は「平成30年度に試掘が十分ではなかったとわかっていたが、組織として共有されていなかった」としました。

赤羽氏は「国民から任されているという認識が甘かったのが最大の原因。整備事業が先行して、裏付けする調査研究がおろそかになっていると言わざるを得ない」としました。

丸山宏・名城大学教授は「事業をフローチャートに落として関係者全員が共有するのは民間ならやっている」としました。
堀田保存整備室長は「誰でも見たらわかるマニュアル・ガイドラインを作りたい」としました。

三浦正幸・広島大学名誉教授は「平面表示の方法を普通は検討委員会で検討すべきだが、名古屋城はやっておらず非常に驚いた。表示の仕方自体も委員会で諮ってほしい。また、石列の復元については、考古学の専門家だけでなく建築学の専門家も一緒にしてほしい」としました。

麓和善・名古屋工業大学大学院教授は「工事に学芸員が立ち会っていなかったのが一番直接的に関わる。エラーは必ず起こる。学芸員が怠けていたわけではなく作業量が及ばなかったと思う。」としました。

小M芳朗・名古屋市立大学名誉教授は「工事の設計図が間違っていた。たくさんの目で見ておかしいと指摘すべき」としました。

赤羽氏は「今回毀損した六番御蔵だけでなく、五番御蔵も同じ課題を抱えているのではないか。全体的に発掘調査をすべき」としました。

コメントを求められたオブザーバーの平澤毅・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「再発防止策は具体的に示して実効性がある仕組みにしてほしい。主な目的は遺構の保存であって、確認手続きの過剰な充実ではない。麓教授は『エラーは必ず起こる』と指摘した。一連のことを文化庁でも重く見ており、引き続き検討していただきたい」としました。

続いて、名古屋城天守閣整備事業にかかる「新たな工程」の素案が議題になりました。

蜂矢主幹は以下述べました。
「以下5つを基本的な方針とした。
・天守閣木造復元が実現可能な手順、工程とする
・石垣等遺構の調査・保全については、全力を挙げて取り組む
・現天守閣解体と天守閣木造復元を一体として現状変更許可を取得する
・復元工事の期間については基本的に変更しない
・工程の見直しについては今年度中に全体整備検討会議に諮り、その後石垣部会、天守閣部会に諮った後、再度全体整備検討会議に諮り確定する
期限ありきではなく、関係者からの意見を元に工程を積み上げて『新たな工程』の素案を作った。
今後、穴蔵内部試掘調査をし、基礎構造の検討をし、解体・復元の一体化の現状変更許可申請をしたい。
考えに誤りが無いか検討して欲しい。
しかし、今回の外構工事での遺跡毀損で、先生方から厳しい意見を賜っており、まずはその対処に全力を挙げたい。
再発防止策の理解が出来るまで木造復元はスタート位置に立てない。現時点では不確定な要素があり、破線で示している。
新たな工程の素案について、文化審議会に追加情報を出せば、復元検討委員会は2年半でできると考えている」

赤羽氏は「『実現可能な手順、工程』とあるが、バリアフリーの問題、史実に忠実といいながら、エレベーターや消防法、建築基準法など、現代の基準にあうべきだ。
法的な取り組みなど、こういうことに入らないと考えているのか。全体整備の会議にはなじまないのか」としましたが、蜂矢主幹は「当然木造復元する際、地震に対する安全性や火災安全性を復元検討委員会に示す必要がある。バリアフリーは復元と並行する形で新技術を公募してバリアフリーをクリアしたい。
今後公募する中で昇降する技術が確定したら、全体整備検討会議で諮りたい」としました。

瀬口座長は「今後、石垣部会、天守閣部会について諮ったのち、全体整備検討会議に諮りたい」としました。

平澤調査官は「今回様々なご検討いただいた。当たり前のこと、しかるべきことを確認した。進め方について、全体会議で継続的に検討をしてほしい」としました。
-------
なお、全体整備検討会議終了後は記者会見はありませんでした。

また、バリアフリー担当の森本主幹に、バリアフリーの公募状況について休憩時間に聞いたところ、「市議会委員会で『今年度中』と答弁したが、本日までには公募はできていない。全体の状況が滞っているため、公募開始がいつになるかわからない」としました。

---------
全体整備検討会議と各部会の関係性について、これまで単に部会から報告が上がる体制とは知りませんでした。
新しく部会に報告・再付議する体制になったのはよいと思うのですが、非公開の「調整会議」を新設したのは市民参加に逆行しています。

また、再発防止策について、チェック体制云々が言われていますが、19/4/19に名古屋市は現天守閣解体にかかる現状変更許可申請書を文化庁に提出しましたが、石垣部会から「石垣や地下遺構の調査がまだ行われておらず、現況把握ができていない中での工事計画において、石垣への影響が軽微であるとの結論が導き出されているのは
承服しがたい。そのような調査を実施するための、職員も不足しており、現天守閣解体に関する工事計画を推し進めることは容認できない」との意見をそのまま記載して文化庁に提出しています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190419.pdf
こんなことは前代未聞です。
このような体質の名古屋城総合事務所で、チェック体制を論じることが出来るのでしょうか。

そもそも局長をトップとした調査委員会がどの程度しっかり再発防止策を提案できるか不明です。
調査委員会自体も外部でやるべきだったのではないでしょうか。

さらに、新たな工程についても、実際に可能かどうかも全くわかりません。
石垣調査は極めて遅い歩みですが進んでいますが、その他は全く進んでいません。

木造復元について「工程を積み上げれば2028年までにできる」という名古屋市の考えのようですが、あまりにも楽観的すぎると言わざるを得ません。
そもそも現時点では「スタート位置に立てない」のです。
また、今のままでは、羽氏がいうようにクリアすべき課題が多数あり、いくら時間をかけてもできないのではないかと思います。
そうでないというのならば、文化庁とのやり取りをすべて公開し、これら工程に根拠があると示してもらいたいです。

20/3/24 名古屋城木造復元 防災評定書+根拠資料はほぼ非公開 

19/1/21に一般財団法人日本建築センターが出した「防災評定書」について、名古屋市民オンブズマンが防災評定書と根拠資料を情報公開請求したところ、「評定の前提」、「指摘事項と回答」、「防災性能評定資料(防災計画書)」の内容がほぼすべて非公開でした。

19/1/21 一般財団法人 日本建築センター
名古屋城天守閣整備事業 防災評定書
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200318-2.pdf

理由は「竹中工務店の技術的なノウハウが記載」、「公開されると、放火等を企図する人物に対し、犯罪実現の妨げとなる設備の所在地を示すことになる」、「議論・検討の意見交換に加わる者が、いわれなき避難を避けようとしたり、各々の立場等に拘束されたりすることで、多様かつ自由な意見が現れなくなり、円滑な議論・検討が
損なわれるおそれ」「当該事業はいまだ、今後文化庁長官による現状変更許可や建築審査会による同意を取得する途上にあり、現時点では中間的な検討段階にとどまる」「現時点では未確定の段階の情報が、市民の間で認知されることで、意思決定されていない未確定な情報が、確定したものとして誤解されるおそれがある」ため「不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがある」とのこと。

--------
森本章夫・名古屋城総合事務所主幹が、20/1/25に「すでに防災評定を頂いている」と発言しています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200125-4.pdf

しかしながら、どのような前提で防災評定が出たのかすら名古屋市は市民に公表していません。

また、名古屋市は「中間的な検討段階にとどまる」としていますが、防災評定の前提が変わったら、また防災評定をとりなおすのでしょうか。

毎回「不当に混乱を生じさせるおそれ」と述べますが、情報を市民に公開せず、竣工期限を延ばすにもいつといまだに発表できず「市民に不当な混乱を生じさせ」ているのは名古屋市なのではないでしょうか。

どんなものが完成するかもわからず、防災の前提も示さず。
ここまで情報を非公開にして進める、木造復元名古屋城天守閣が「市民のシンボル」になり得ると思いますか?
-------
なお、「特殊な構造方法を用いた建築物や新しく開発された材料、設備等」については、国土交通大臣が認定(構造方法等の認定)する制度がありますが、今回は名古屋市は国土交通省に申請書を提出する予定はないとのこと。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200221.pdf
https://www.bcj.or.jp/rating/category/prevention/prevention01/

-------

20/3/23 河村市長「名古屋城木造新竣工時期発表より、石列毀損対応を優先」

20/3/23に河村たかし名古屋市長は定例記者会見を行いました。

・20/3/23 河村市長定例記者会見(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200323-2.pdf

河村市長は冒頭、毀損した米蔵石列を「炭小屋」と言い間違えました。

文化庁に対して報告して文化庁に謝りにいかないといけない、具体的防止策を講じる必要があるとしました。
しかし、「石垣部会の調査が3月いっぱいで終わると一部の人から聞いており、追加調査が必要かがわかる、市民で高齢の方は死ぬ前に木造復元天守が見たいと言っている人が多い」と述べました。

3月末の全体整備検討会議に、新しい竣工時期の提案をかけるかどうかについては、「決まっていない。まずは毀損の問題をきちんと対応する必要がある」と述べるに留まりました。
全体の工程が延びるかどうかは、「(遅れることがないように)文化庁にお願いするよりしょうがない」としました。

--------
20/3/2午後に石列毀損して、20/3/23がはじめての市長定例記者会見でした。

名古屋市は「特別史跡を市民県民国民に対して保護して管理していく組織」(石垣部会 宮武正登教授)にもかかわわず、今回の石列毀損について、「名古屋城総合事務所、教育委員会文化財保護室は保存管理者である自覚が欠けているといわざるをえない」(石垣部会 赤羽一郎氏)と指摘されています。

しかしながら、今回の市長の会見では、「文化庁に謝りに行かないといけない」とするものの、市民県民国民に対して一言も謝罪の言葉を口に出していません。

自分と一部支持者がやりたい木造復元のことばかり口にし、名古屋城整備のチェック体制をおろそかにしてきたことこそが、特別史跡の毀損につながったのではないかと思います。
システム上の再発防止策が取られないと、第2第3の毀損が起こるでしょう。

名古屋城現天守耐震性に関する有識者意見聴取 内容ほぼ非公開

名古屋市民オンブズマンは、現天守閣の耐震性について名古屋市が有識者に対して意見聴取した際の記録を情報公開請求したところ、2016年10月に行った意見聴取の内容がほとんど非公開になりました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200318-1.pdf
・天守閣の耐震性にかかる打合せ(一之瀬教授打合せ)
・平成28年10月29日 意見聴取時 一之瀬先生発言の要旨
・天守閣の耐震性にかかる打合せ(勅使河原教授打合せ)

非公開の理由は「中間的な議論・検討、未成熟な意見」のためとありました。

--------
その後、2017年3月に名古屋市が業者に委託した報告書では、耐震目標値を下回っている7階部分及び塔屋部での暫定的耐震補強を行うには、1億7172万円、8ヶ月で出来ると記載がありました。

・平成29年3月 株式会社大建設計名古屋事務所
 名古屋城天守閣暫定的耐震補強調査業務報告書
 @補強計画の耐震診断結果
 A補強計画の耐震診断結果の考察
  http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1703-1.pdf
 G概算工事費及び概算工程表
  http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1703-8.pdf

しかし2018年5月には、耐震性が低いことに対応するため、名古屋市は現天守閣を閉館しました。
-----------
現天守閉館から約2年。現時点では木造復元のめどはまったく立っていません。

まだできていない木造復元の資料であれば、「未成熟な意見」というのも理屈としてはわかります(同意はしません)が、現在の天守閣の耐震性についての3年半も前の学者の議論について「未成熟な情報」とはいったいどういうことでしょうか。

しかも、名古屋大学の勅使河原正臣教授は「7階の耐震性能が低いので今のままでは入場禁止すべきと考えるが、鉄骨ブレース等の補強によりIs値を大きくし、危険性を低減することが可能と考えられる」と発言したと公表されています。
当然それに至る根拠がほかの部分に記載されているはずですが、非公開となっています。
また、名古屋工業大学の一之瀬敏勝教授は「入場制限を行う緊急性まではないと考えられ」と発言しと記載されていますが、詳細は不明です。

いったいいつまで名古屋城現天守を閉館し続けるつもりなのでしょうか。
名古屋市は「暫定的耐震補強は、1億7172万円、8ヶ月で出来る」と言っているのです。


20/3/20 石垣部会「名古屋城現天守解体のため『内堀を盛り土で埋めること』はできない」

20/3/20に第34回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会が開催されました。

20/3/20 第34回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会 配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200320.pdf

20/3/20 第34回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会
(名古屋市民オンブズマンによるメモ)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200320-1.pdf

20/3/20 第34回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会終了後の記者会見
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200320-2.pdf

名古屋市は「新型コロナウイルスの更なる感染拡大を防止するため、会議の傍聴については、できる限りお控えくださいますようお願いいたします。」としていましたが、傍聴者は30名以上いて、かつてないほどでした。

石垣部会ですが、地盤工学が専門の西形達明・関西大学名誉教授が新たに参加され、工学的視点も加味されました。

はじめに、「名古屋城展示収蔵施設(仮称)外構工事」における特別史跡の毀損について、報告がありました。

松雄局長は「毀損については重く受け止める。私の元で調査委員会を立ち上げた。年度内にきちんと始末を付け、全体部会で報告したい」としました。

座長の北垣聰一郎・金沢城調査研究所名誉所長は、「聞いたことが無いようなことが発生した。今回は『報告事項』とのこと。全体整備検討会議で報告して頂き、その後石垣部会にお話があると思う」としました。

赤羽一郎・前名古屋市文化財調査委員会委員長は「名古屋城総合事務所、教育委員会文化財保護室は、保存管理者として自覚が欠けているといわざるをえない。また、名古屋城には様々な整備計画があるが、整備を行う大前提として調査研究が必要。調査がおざなりなのは、整備整備が背景にあるのではないか。立ち位置を考えてほしい。
さらに、行政監理委員会を設置して、調査委員会を作ったと言うが、懲罰にとどまらず基本的なところに立ち返ってほしい」としました。

宮武正登・佐賀大学教授は「全国的に起こったことはまずない。特別史跡とは、国宝と同じレベルで、いわば仁王像の耳をそいだレベル。しかも保存する立場が毀損した。他県であれば、国に審査する前に県がフィルターになってチェックがかかる。しかし政令指定都市である名古屋市は愛知県を通さずストレートにいっちゃう。前回も、事業計画について政令指定都市と県の関係はあるものの、愛知県にアドバイザーとしてみてもらえないかと提言した。制度的にできないのは承知しているがなんとか検討して欲しい。
唯一外的チェックは、名古屋市教育委員会の文化財保護室に行っている。副申をとっているはずだが、教育委員会では決裁をとったのか」としました。

文化財保護室長は「現状変更許可申請のとき、副申を決裁し、チェックをしているが、今回機能が十分果たせなかった。なぜなのか原因究明等職責を果たすため全力を挙げたい」としました。

宮武教授は「チェックが働いていなかったのは具体的に何がまずかったのか。県に事前に聞くようなシステムを作るとかを検討して欲しい。おんなじことが次々起きてもおかしくない。文化財を守っていくという基本的な欠落がある。職員の不慣れだけでなく、構造に問題があるのではないか。
他自治体のチェック機能を参考にしてほしい。政令指定都市の性格上、どうしてもできないのなら、別の形を検討してほしい」としました。

北垣名誉所長は「今回はあくまで『報告』。個人として意見を言う。名古屋市は本来は文化財調査、研究を進める側。これからの課題として調査研究センターができているので、機能を大いに活用してもらいたい。
また、整備を行う側の問題として、現在はこれが混然一体としている。本来ならば調査研究をしていく側と、整備をする側は役割が異なる。あくまで特別史跡名古屋城としての根幹にかかってくる。調査研究というものを中心にした立場が最優先され、その中から整備をどう進めるか、それぞれの役割を共有していくことが必要だが、そういうことが見られなかった重要性を自覚できていなかった。構造的な欠陥があったと言われても仕方が無い」としました。

松雄局長は「委員の先生方は、この問題についていろいろ言いたいことがあると思う。一切言い訳はしない。検討して対処方法を出したい。今回は『報告』で失礼だが、年度末全体整備検討会議で出したあと、ご意見をいただきたい」としました。

続いて、天守台周辺石垣の総合外観調査について報告がありました。
これまで石垣カルテと呼んでいたもののうち、天守台周辺石垣について詳細なレポートを「総合外観調査」とよび、その他全体を「石垣カルテ」と呼ぶことにしたとのこと。

天守台周辺石垣について、表面が剥離している現状が報告されました。また、ビデオスコープ調査では、内部にモルタルが入っている現状、レーダー探査では、さらに追加調査をしたいとしました。

宮武教授は「今回出てきたデータで、思った以上に損傷剥離が多いことがわかった。構造的はそれほど悪くはないが、表面がひどい。どう止めるかが重要になる」としました。

西形名誉教授は「ビデオスコープ調査では局所的な空洞を調べるが、わかりにくい。レーダー探査は裏の状況をしらべる。現在、現天守解体のため、押さえ盛り土を空堀に入れようとしているが、裏に空洞があると押し戻してしまうことになる」としました。

宮武教授は「押さえ盛り土については部会で議論をしていないが、提案資料を見ると、この設計では出来ないことがわかる。盛り土を撤去した後に、剥離しかかっている石垣面が剥離する。シートをかけて養生しても剥離する。」としました。


 (19/8/5 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第 32 回)
 1ページ 文化庁に提出した現天守閣解体に係る現状変更許可申請書の概要
 設置される仮設物 仮設桟橋・仮設構台のイメージ)
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_information/uploads/86964a2aa060f2d5a44ad4a94799156b.pdf
 

 
 (株式会社 竹中工務店 名古屋支店 技術提案書 63ページ
  堀を軽量盛土材で埋めることで石垣への影響緩和)
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/takenaka.pdf
 

 
西形名誉教授も「一番問題は表面熱剥離。触っただけでもぽろっと取れる。対策は考えないといけない」としました。

千田嘉博・奈良大学教授は「データが集まった。よくここまでこれた。石垣の対策が考えられると思うと感慨深い。
焼けたことによる熱劣化はイメージしていたより深刻。しかし、石垣全体としては、大解体しないといけないか?というと、そういう必要性はない。
すぐ結論というわけではないが、根本的な大規模な積みなおしをせずに効果的な保全策が見えてきたのではないか。
一方、『空堀を埋めてしまう』と、内部空洞問題、表面が脆弱などで、従来の計画の『直接土が石垣にあたらない』では不十分だ」としました。

また、宮武教授は「北側ハラミがおきている場所の背後に水が通っている可能性がある。水野招待を突き止めないといけない」としました。

西形名誉教授は「地下水位のデータはあるのか」とし、名古屋市は「堀の外のデータに基づく」としました。

次に、天守台石垣以外の石垣のカルテについて報告がありました。全体の実施計画について、平成29年度〜30年度について終了し、今後令和7年度まで、合計9年間かけて作りたいとしました。

宮武教授は「作成に9年間というのは最長不倒だ。文化庁もいいと許可を得ているのか」と聞いたところ、村木副センター長は「報告はしたが、是非は聞いていない」としました。

次に、搦手馬出石垣について名古屋市から報告がありました。
宮武教授は「全体の予定が出たのは良いが、来年度のフローチャートを次回出して欲しい」としました。

千田教授は「積み直すための全体の設計をするには、上の石、下の石との兼ね合い、左右の石の関係が大事になる。急ぎ面的な検討が必要」としました。

最後に、オブザーバーの洲嵜和宏・愛知県教育委員会生涯学習課文化財保護室室長補佐は「今日は議論が進んだ。県も市と連絡を取り合って進めたい」としました。

-----------
その後、石垣部会の記者会見が行われました。(名古屋市は記者会見をしませんでした)

宮武教授は「メディアの人は、『重要な工事に学芸員が立ち会っていなかったのはけしからん』という論調だが、今日はそのような議論の仕方ではなかった。
これまで計画の中でチェックする場面が全てスルーされてきた。やり方になにかやっぱり欠陥があるんでしょう。システムとして何か問題がある。
冷静に確認をして改善すべきところは改善しないと、本当の意味での再発防止にはならない」としました。


---------
石列毀損について、石垣部会構成員はいろいろ言いたいことがあると思いますが、名古屋市が「報告」としたこと自体に原因があるのではないでしょうか。
つまり、このような工事が専門部会のチェックがなされず、きちんとした発掘調査もされず、全体整備検討会議の座長(建築)、副座長(造園)にのみ遺跡調査をするにあたって相談したことが、このような毀損につながったのだと思います。

仕組みを抜本的に変えないと、第二、第三の毀損が起こると思います。

また、今回明確に「名古屋城現天守解体のため『内堀を盛り土で埋めること』はできない」と指摘したことは極めて重要です。
現在、名古屋市は現天守閣解体のための現状変更許可申請を出していますが、それについて石垣部会は「報告」を受けたのみで議論していません。
(なお、19/8/5石垣部会の議事録はいまだに「ちょうせい中」です。)
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_information/2020/02/20200204_949.html

堀底の空洞の有無も不明であるし、今回判明した石垣表面の剥離、内側の空洞についても、内堀を盛り土で埋めることは出来ないとしたことで、全面的に見直す必要が出てきたと思います。
文化庁からは、「解体と復元を一体として申請すべき」とされているので、一旦解体の現状変更許可申請は取り下げるべきではないでしょうか。

また、天守台石垣解体は不必要としたのも重要だと思います。
今後、石垣を保全・保存するにはどうすればよいか。一歩一歩具体的に検討することが必要です。


20/3/16 名古屋市議会委員会 名古屋城関係新年度予算 要望を付して各派賛成し可決

20/3/16に名古屋市議会経済水道委員会が開かれ、2020年度予算案に対して、共産党を除く各会派は要望を付して原案に賛成し可決されました。

20/3/16 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200316.pdf
自民党 以下の要望を付して原案に賛成。
 観光文化交流局、名古屋城展示収蔵施設の外構工事における特別史跡の毀損により、文化庁から徹底した再発防止を求められていることと共に史跡内の一切の工事が停止している中、執行見込みが立たない予算の議決を議会に求める異例の事態となっていることを重く受け止め、課題の解決に全力で取り組み、予算の執行に万全を期すこと。
名古屋民主 以下要望を付して原案に賛成。
 観光文化交流関係 一つ 名古屋城を核とした魅力の発信については、名古屋城本丸御殿とも繋がる歴史的繋がりが深い熱田御殿を重要な要素ととらえ、地元の町おこしを支援していくとともに、東山御殿、本丸御殿双方で歴史的なストーリーを中心とした魅力発信を行っていくこと。
減税日本ナゴヤ 原案賛成
公明 原案賛成
日本共産党 第1号議案、名古屋市一般会計予算案反対。
 理由 一つは、名古屋城天守閣の木造復元については、名古屋城、重要文化財等展示収蔵施設の外構工事での特別史跡の毀損事件でも明らかになったように、遺構や石垣に対する調査研究体制に不安があり、また、木造復元の完成期限2022年12月を断念し、技術提案交渉方式による契約の必要性もなくなったことから、事業は中止すべきであるから。
 第七号議案 名古屋城天守閣特別会計予算、反対 理由 一般会計の名古屋城天守閣木造復元にかかる事業費の反対理由に同じ。
無所属の会 原案賛成。

賛成多数で原案通り可決されました。
----
また、教育子ども委員会でも要望を付して原案に賛成・可決されました。
(文字起こしはもう少々お待ちください)

------
あれだけ熱心に委員会で審議されたにも関わらず、各会派は要望を付して原案に賛成しました。

これまで「要望を付して」原案に賛成された件は多数有りますが、その要望がきちんとなされてこなかったことについて議会はどう思っているのでしょうか。
「だから再度要望を付した」というのではなく、「要望レベル」ではどうしようもないような事態になっているのではないでしょうか。

議会のチェック機能がまたもや果たされませんでした。混迷はまだまだ続きます。

名古屋市 2019年度開催名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会報告書公表

名古屋市は、2019年度開催名古屋城天守閣木造復元市民向け
説明会報告書を公表しました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_information/2020/02/20200228_951.html

市の説明、市民の質問、竹中工務店の答弁すべて文字起こしされています。
また、アンケートについても回答しています。

19/11/28中村文化小劇場で行われた説明会のときの、
千田嘉博奈良大学教授のお話も全文記載があります。

市民の質疑で、思いがよく分かります。
各種参考になると思います。

-------

20/3/13 自民市議「名古屋城木造復元 竹中工務店の技術提案方式は崩壊した」

20/3/13に名古屋市議会教育子ども委員会が開かれました。

20/3/13 名古屋市議会教育子ども委員会配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200313.pdf

20/3/13 名古屋市議会教育子ども委員会(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200313-1.pdf

今回も引き続き名古屋市が名古屋城重要文化財等展示収蔵施設の外構工事の際、遺構の石列を毀損したことについて審議がされました。

2019年度まで教育委員会文化財保護室長が観光文化交流局主幹を併任していましたが、2020年度から併任が解除されます。
理由として、名古屋市教育委員会は「文化財保護に関する事務の管理・執行において担保すべき観点として、国の文化審議会の答申においては、政治的中立性、継続性、安定性の確保等が示されている。組織のあり方について、教育委員会の文化財を保護する立場を明らかにする観点から検討した」としました。

岩本たかひろ市議(自民・緑区)は「木造どうしていくのかという調整が必要になってくる中で併任が制度上なくなってしまう。しっかりと連携をしてやってほしい」としました。

また、石列毀損をうけて岩本市議は「観光文化交流局長は再発防止策を今月中にとりまとめるといったが、教育委員会としてはとりまとめが出来ると思うか」と質問し、片岡室長は「年度末までに再発防止策を講じられるかどうかは正直わからない」と答弁しました。

また、伊神邦彦市議(自民・千種区)は「観光文化交流局が名古屋城の現状変更許可申請を文化庁に出す際、教育委員会として副申書を提出しないといけないが、文化庁から『副申における教育委員会の判断も甘い』とある。信頼関係がこれでかなり薄れたなと思う。今後副申書を出すつもりか」と質問しました。
富沢部長は「経緯、原因究明を行い、事態を収拾し、文化庁等関係者の理解を得るのが最優先で、それらが整うまで次のステップには進めないと考える。正直どれくらい時間がかかるのか全く想像が付かない」としました。

伊神市議は「2020年度に5つの国補助対象事業がくまれているが、副申書を出すめどはいつ立つのか」という質問に対し、鈴木教育庁は「他の事業を進めることや、外構工事については到底副申書を添えて進達できる状況にはない」としました。

さらに、伊神市議は「教育委員会として現在の天守閣の文化的な価値をどう評価しているか」と質問し、片岡室長は「一定の文化財的な価値はある。しかし、名古屋市の方針としてそれ以上の価値のある取り組みとして木造復元が決定された。
名古屋市から登録文化財にしたいという意向は伺っていないため、文化庁と打合せや話しをしたことはない」としました。

伊神市議は「大阪城は(登録有形文化財に)なっている。自分たちの持っている文化財の価値、評価をちゃんとすることが先決だ。専門家に聞いて評価してもらうのが先ではないか」としたところ、片岡室長は「木造復元事業の説明を文化庁にする際、上記についてしっかりと整理して伝える必要がある」としました。

伊神市議は「教育委員会と観光文化交流局が併任していたから文化庁に『副申は甘い』と言われた。文化財調査委員会のような第三者に評価を委ねたらどうか」としましたが富沢部長は「どのようにしていくべきかしっかりした考えを持ち合わせていない」としました。

また、伊神市議は「文化財保護法違反について法律的にきちっと詰めたのか」という質問に対し、片岡室長は「可能性があるとしかもうしあげられない。市長にも『刑事事件の被告になるかもしれない』とは報告していない。」としました。

伊神市議は「副申書の作成は当分書けない、ということを市長に伝えるべき」としたところ、片岡室長は「市長にきちっと伝える必要があることを今認識した」としました。

さらに、伊神市議は「現天守閣の評価をきちっとして、市民に示し、登録有形文化財にしてもらい、その上でもっと価値のある木造天守に変えていくという筋道をきちんとして文化庁の信頼をもらって進めるのが本来のやり方。それをはしょったのがおかしい。
また、現天守の解体申請書も、当初は竹中工務店が技術提案交渉方式で2020年までに作ると言った。それが2022年になり、2028年になりいつになるかわからない。
あの技術提案方式の考え方は崩壊した。もうだめだ。納期も出来ないんだから。だから今の解体申請書は取り返すべき。
現天守閣の価値を見定めて、それよりいいもの作りますと復元申請書と副申書を出すべき」としました。
鈴木教育長は「解体の現状変更許可は、文化庁において正式に受理され、審議会で検討を頂いており、さらに調査して情報を出しなさいという指示を頂いている段階だと認識している。一遍返してくださいというのはむしろ苦しいのかなと思う。文化庁に言われれば受けざるを得ないと思うが、追加の情報をだしなさいと言う指示を頂いているので、その心に従って参りたいと思っている」としました。

伊神市議は「竹中工務店の技術提案方式は崩壊した。返してくださいというのが筋だ」としました。

-----
ようやく名古屋市議会でも、「現天守閣の価値を評価せよ」「竹中工務店の技術提案交渉方式は崩壊した」という意見が出てきました。

2020/3/16(月)午前10時から、教育子ども委員会と経済水道委員会の付議議案審査(意思決定)が行われます。
そこで名古屋城の今後が事実上決まります。

20/3/12 名古屋市「来年度 名古屋城木造復元事業は最小限ではあるが進める」

20/3/12に名古屋市議会経済水道委員会が開かれました。

20/3/12 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200312.pdf

20/3/12 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200312-1.pdf

名古屋市が名古屋城重要文化財等展示収蔵施設の外構工事の際、遺構の石列を毀損したことについて引き続き審議がされました。

浅井正仁市議(自民・中川区)は「他の市町村の模範だとか名古屋市の人々がここまでやるのかと文化庁に説得するような再発防止策は、本当に2週間でできるのか」と質問したところ、松雄局長は「異動する前に姿勢として3月末までにだしたい」としました。

浅井市議は「再発防止策は全体整備検討会議や石垣部会等部会にかけられるのか」と質問しましたが、松雄局長は「意見を頂くことはあるかもしれない。文化庁から、どう修復するか石垣部会に聴いて丁寧にやれと言われている」としました。

浅井市議は「教育委員会は、工事の副申書は文化庁の理解を得るまで一切出さないと発言があったが承知しているか」という質問をし、堀田室長は「その旨の答弁があったことは承知している」としました。

浅井市議は「搦手や二の丸庭園などの予算執行見込みが難しいのでは」と質問し、佐治所長は「それらは来年度に執行することを見込んでいる。年度内に毀損自己の原因究明と再発防止策を取りまとめたい。その上で、執行については万全を期して所期の目的を達成したい」としました。

浅井市議は「議会に議決を求める以上、覚悟をして予算計上しているのか」と質問し、松雄局長は「スピーディーに処理すべきことは処理して、新年度に円滑に執行できるよう全力を挙げたい」としました。

江上博之市議(共産・中川区)は「この部分の遺跡調査をするにあたって相談した座長、副座長は建築の先生と造園の先生。なぜ考古学の先生に相談しなかったのか」と質問したところ、堀田室長は「埋蔵文化財を担当する部会が明確に規定していなかったため」としました。

江上市議は「技術提案交渉方式は4年で工事を行うからで、505億円でもやむをえないという形で出てきたと理解している。しかし2028年10月であればメリットは無くなるのではないか」と質問しました。
荒井主幹は「現在においてもこの事業を進めるために、技術提案交渉方式を採用したことは間違いは無かったと判断している」としました。
江上市議は「技術提案交渉方式そのものを見直し、基本協定そのものの見直しにもつながっていく」としました。

また、江上市議は「来年度予算案に計上してある、収蔵物を新たに設置する場所や、実施設計、木材保管費用を取り下げるべき」としましたが、荒井主幹は「必要最小限ではあるが本事業を続けていく、進めることが必要」としました。

--------
名古屋市はあくまでも木造復元事業を進めるつもりのようです。
議会は合法的にストップをかけることができます。
(名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書 第6条の3
 議会の議決が得られない場合は、本事業を中止し、契約の締結をしないことがある)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf

2020年3月16日(月)午前10時 名古屋市議会経済水道委員会の付議議案審査で意思決定が行われます。
議会の判断を注目したいです。

20/3/11 自民市議「現名古屋城天守閣を登録有形文化財に指定すべき」

20/3/11に名古屋市議会教育子ども委員会が開かれました。

20/3/11 名古屋市議会教育子ども委員会(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200311-1.pdf

名古屋市が名古屋城重要文化財等展示収蔵施設の外構工事の際、遺構の石列を毀損したことについて、20/3/10経済水道委員会に引き続き教育子ども委員会でも審議がされました。

伊神邦彦市議(自民・千種区)は、文化財保護法196条に違反した場合、5年以下の懲役若しくは禁錮 又は三十万円以下の罰金。同法196条の2、所有者の場合は二年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金若しくは科料となるが、誰が払うのかと質問しました。

市教育委員会の片岡文化財保護室長は「今回の石列があった土地は名古屋市所有の土地。名古屋市が文化庁に現状変更許可申請をした。
所有者あるいは管理団体が自ら大きく毀損して裁判になった事例は把握していない。罰則規定がどのように適用されるかはっきりわかりかねる」としました。

伊神市議は「前代未聞のことを起こした。国民の宝を守るのは文化財保護室。文化庁に行った際にどのような指摘を受けたのか」と質問し、片岡室長は、文化庁では文化財第二課長、課長補佐、主任文化財調査官2名が対応したとして、以下読み上げました。

大きな問題である。名古屋市がこの掘削計画で立ちあいがいらないという判断をしたのは、遺構保存の認識は甘いと言わざるを得ない。現状変更許可申請書には重機と人力の併用とあるが、学芸員が立ち会っていないと判断ができない。副申における教育委員会の判断も甘いということになる。
今後の名古屋市の計画においても本当にできるのかと思われる。
この先どうするかをよく考え、再発防止策を立てること。
毀損届を出してもらって判断することになるが、徹底した再発防止策が求められる。
外構工事は取りやめて、どう毀損したのか、現地の状況を、きちんと把握をする。
原因自体を究明しないといけない。どうしてこうなったのかも、事実を分析する。
さらに検証発掘をする。どう調査するのか、専門家とよく相談し、現場を見てもらって指導を仰ぐ。その上で、毀損した箇所をどう修復するかについて、有識者を交えて検討する。
再発防止策、組織体制の問題を検討する。
具体的な仕組みとして示していただく必要がある。
展示収蔵施設の外構をどうするかは、これらの一定のめどがたってから。

伊神市議の「今回文化庁で文化財第二課長が対応するというのは知っていたのか」という質問に対し、片岡室長は「現在の文化財第二課長に会ったのは初めて。文化庁に赴くと第二課長がいて、『非常に異例、重大な案件であるので課長も出席をさせていただく』と言われた」としました。

伊神市議は「3/2午後に事件が起きて、3/5夕方に市議に報告があった。何を隠ぺいしていたのか。時間稼ぎをしていたのではないのか。」としましたが、生涯学習部長は「隠ぺいは全く考えていなかった。大変な事態を起こしてしまい、情報収集をまとめ切れていなかったため遅れてしまった」としました。

伊神市議は「文化庁は埋蔵文化財の担当学芸員が立ち会うよう条件を付けていた。文化財保護法第197条の許可の条件に従わなかった。二重三重に法律違反を犯しながら工事を進めた」としました。

さらに、伊神市議は「文化庁が言った、『今後の名古屋市の計画においても、本当にできるのかと思われる』というのは、20/3/10に行われた経済水道委員会で、名古屋城の職員は『天守閣の木造復元も含まれる』と認識を示した。教育委員会の見解は」としたところ、片岡室長は「名古屋城木造天守閣の復元事業も含んで、文化庁がコメントしたと受け止めている」としました。

伊神市議は「当分の間は、天守閣の木造復元も止まると考えていいのか」としたところ、片岡室長は「観光文化交流局の所管なので、進捗とかスケジュールは申しにくいが、今この状況で次のことを考えるというような状況にはないと認識している」としました。

伊神市議は「文化庁は、『遺構保存の認識が甘いと言わざるを得ない』と観光文化交流局ではなく、文化財保護室に対して、意見を述べている。観光文化が表にあり、人を入れたい観光をやりたいから、緩い条件で発注してしまう。文化財保護より観光に力が入っている。こういうことを許している名古屋市がおかしい。」としました。

さらに、伊神市議は「大阪城は築80年で登録有形文化財になっている。名古屋城は築60年で、民間が3分の1を集めたまさに市民の文化だ。聞いたところによると、文化庁は現在の名古屋城天守閣を登録有形文化財に指定してくれともっていくと、文化財に指定しますという。なぜ登録しないのか」と質問しました。
片岡室長は「登録有形文化財にしたいかは所有者の意向が基本にある。名古屋市は木造復元という取り組みがあるので、なかなかそういう話しにならない」としました。

伊神市議は「市民の財産、宝なので、登録有形文化財にすべきで、保護しながら、建て替えるのであれば文化庁と打合せをしてやっていくべきだと私は思う」としました。

--------
名古屋城天守閣木造復元事業は、これまでも実現のめどは全く立っていませんでしたが、今回の石列毀損によりさらにめどが立たなくなりました。

今回の伊神市議の「現天守閣を登録有形文化財に指定すべき」というのは、これまでの市議会の議論では聞いたことがない踏み込んだ意見です。
しかし、非常に現実的な案ではないでしょうか。

無理筋を無理矢理推し進めてきた河村市長・名古屋城総合事務所のやり方が、今回の石列毀損につながったと思います。
さらなる犠牲を出さないためにも、一刻も早く方向転換すべきではないでしょうか。

20/3/10 名古屋城遺構石列毀損で、文化庁「今後の名古屋市の計画においても、本当にできるのか」

20/3/10に名古屋市議会経済水道委員会が開かれました。

20/3/10 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200310.pdf

20/3/10 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200310-1.pdf

名古屋市が名古屋城重要文化財等展示収蔵施設の外構工事の際、遺構の石列を毀損したことについて審議がされました。

名古屋市は、文化庁から「工事の際は名古屋市文化財担当部局(埋蔵文化財担当)の立ち会い」が条件になっていましたが、名古屋城総合事務所は「節目節目に教育委員会文化財保護室の学芸員が立ち会う」という認識で行っていました。

名古屋城調査研究センターの村木副所長は、20/3/5に文化庁を訪問した際、文化財第二課長、課長補佐、主任、文化財調査官2名と面会したとした上で、文化庁から言われたことを以下述べました。

一つ目といたしまして大きな問題であると名古屋市がこの掘削計画で立ち会いがいらないという判断をしたというのは遺構保存の認識が甘いと言わざるを得ない。
現状変更申請書には重機と人力の併用とあるが学芸員が立ち会っていないと判断できない副申における教育委員会の判断が甘いということになる。
二つ目といたしまして、今後の名古屋市の計画においても、本当にできるのかと思われる。この先どうするかをよく考えて再発防止策を立てること。
三つ目といたしまして毀損の届けを出してもらって判断することになるが徹底して再発防止策が求められる。
四つ目といたしまして、外構工事は当面止めてどう毀損したのか、現地の状況をきちっと把握する。原因の仔細も究明しないといけない。どうしてこうなったのか、事実を分析する。
さらには検証発掘をする。どう調査させるのかを専門家とよく相談し、現場を見てもらって指導を仰ぐ、そのうえで毀損した箇所をどう修復するかについて有識者も交えて検討する。再発防止策体制の問題を検討する具体的な仕組みとして示していただく必要がある。最後、展示収蔵施設の外構をどうするか、これらの一定の目途が立ってから。

浅井正仁市議(自民・中川区)は「文化庁が述べた『今後の名古屋市の計画』というのは、木造も含めてという考えか」と質問し、佐治名古屋城総合事務所所長は「木造天守閣を含めた名古屋城に関する全ての工事に関することというふうに理解しております」と回答しました。

堀田室長は「現在名古屋城で行っていた工事を一旦中止して施工状況等の点検を行っている。」としました。
また、「埋蔵文化財に関しては部会の役割分担が明確になっていなかったため、平成30年12月の全体整備検討会議に工事概要を報告したのみ。全体整備検討会議の座長と副座長にご意見を受けた。今回の場所についてはアドバイスを頂くことを怠っていた。
本来は報告ではなく議題として諮って了解を得て現状変更許可申請をするのだが、手続きを怠った。」としました。

浅井正仁市議(自民・中川区)は、専門家から聞いた意見として以下述べました。
地中に埋没し詳細な記録などが残っていない遺構を破壊した場合それを破壊以前の状態に復元することは極めて難しい。
仮に名古屋城に残されている古文書などの諸資料から破壊された遺構の現状を読み解きまた破壊された遺構に続いている破壊を免れたい遺構を厳密に調査し、それらを参考にして復元案を作成することは不可能に近い。
村木副所長も「一度毀損してしまった石列を元の状態に復するというのは極めて困難」と述べました。

また、浅井正仁市議(自民・中川区)が全体整備検討会議に2028年の工程を諮るのかと質問したところ、佐治所長は「3月末の全体整備検討会議に工程を諮る予定だったが、まずは今回の事故の原因究明、再発防止策策定に全力を注ぎ、全体整備検討会議に報告したい。新たな工程については全体整備検討会議の議論に委ねたい」としました。

松雄局長は「本会議答弁で『3月末に工程を出したい』と答弁したので、出せないというわけにはいかない」としましたが、浅井市議は「遺構を傷つけたのだから、どうしても工程を出さないといけないということではない。名古屋市に信頼はない。」としました。

田辺雄一市議(公明・千種区)は「誰が掘削の深さは遺構面に達しないと判断したのか。教育委員会の学芸員の立ち会いを要さないと誰が決めたのか。再度資料を出し直して欲しい」としました。

江上博之市議(共産・中川区)は「石列の2/3を毀損したというが、業者はどうして石に当たった際に止まらなかったのか」と質問したところ、堀田所長は「名古屋城総合事務所から業者に遺構の具体的な情報を示してなかった。業者は石が遺構だという認識を持てなかったと言っている。」としました。

中川貴元市議(自民・東区)は歴史的文化テーマパークの予算2000万円のことを質問し、佐治所長は「1000万円は、名古屋城の収蔵資料の整理、データベース化、他博物館等の調査、入場者数寄与度調査。残り1000万円は金シャチ横丁東一角に予定している芝居小屋等多目的施設の設計に入る前の段階の調査。今後3年かけて基本構想を策定していく予定。基本計画は約2年、設計で約2年、工事で約2年。偶然完成時期が天守閣竣工時期と同じ2028年になる。」としました。

また、上記土地について佐治所長は「19/7/10に中部地方整備局長に要望書を提出した。20/1/6に東海財務局と中部地方整備局長に協議のお願い文書を提出した」としました。

江上市議は「以前、現天守の中にあるものについて、仮収蔵庫の設計業務委託をしたのはどうなった」と質問したところ、荒井主幹は「2017年度に設計業務委託を行った。2018年6月補正予算で仮収蔵庫の工事費を上げることを検討していたが、コスト縮減を行うことを含め、市所有の他の施設を利用して保管場所を確保する方針に変えた。」としました。

江上市議は、木造天守閣の工程はいつ出されるのかと質問したところ、蜂矢主幹は「3月末の全体整備検討会議に諮って議論いただきたいので、現時点では提出は控えたい」としました。

江上市議は「工程はこれしか唯一ありませんという答弁だった。これしかないのなら出して欲しい。聞いたらもっとわからなくなってしまう」としました。

--------
名古屋城総合事務所は、文化庁に示した手続きを取らず、結果的に貴重な遺跡を破壊してしまいました。
修復も不可能に近いとのこと。

原因は不明ですが、天守閣木造復元事業に関する作業が膨大で、人員が割けなかったとしたら本末転倒です。

名古屋市はいったん天守閣木造復元事業は保留して、再発防止と石列復元に全力をあげてはどうでしょうか。

20/3/5 名古屋市 名古屋城展示収蔵施設工事で特別史跡遺構石列き損と発表

名古屋市は20/3/5に、名古屋城重要文化財等展示収蔵施設外構工事に伴い、特別史跡の遺構(石列)をき損したと発表しました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000126/126736/web.pdf

名古屋市は「掘削深が遺構面に達しないと判断したため、学芸員を立ち会わせず掘削を行っていたところ、石列をき損したとのこと。

千田嘉博・奈良大学教授は、以下述べています。
名古屋市は国特別史跡名古屋城跡の現状変更行為を行うにあたって、文化庁の許可条件に反して工事を実施したことになります。誠に遺憾。今すべきなのは、壊してしまった本物の建物跡をどれだけ修復できるか、現状を保全した上で学術調査を行い、最善の復旧策を厳密に検討することです。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1235578102144630787

報道だけでは詳細がわからない部分があります。しかし名古屋市は国特別史跡名古屋城跡内に新たな施設を建設するにもかかわらず、その工事範囲の学術発掘を適切に行ったのかを疑問に思います。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1235579343528579072

もし適切に学術発掘を行っていたのなら、国特別史跡の本質的価値をもつ名古屋城の建物跡が、地表面からどの程度の深さに埋蔵されているかを掴めていなかったという事態に、なるはずがないからです。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1235580441328889857

もし仮に(そうしたことはあり得ないと思いますが)、国特別史跡名古屋城跡内で建設工事を行うにもかかわらず、工事箇所の発掘を適切に行わず、地下遺構の状況を確認しないまま工事を実施して、管理団体自らが特別史跡を破壊したのであれば、問題はきわめて深刻です。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1235583165009285120

名古屋城の石垣部会メンバーとして、名古屋市から正式に説明を受けたいと考えています。それにしても、今はただただ頭をかかえたい心境です。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1235584044655669249

本当に、どうしてこんな事故が起きてしまったのか、理解ができないでいます。特別史跡を管理団体が破壊してしまうとは・・・。
https://twitter.com/yoshi_nara/status/1236189322941886465
------
続報
・2020/3/10 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200310.pdf

------
名古屋城総合事務所は、名古屋城を管理する資格があるのでしょうか。

仮に、出来る可能性が全く見通せない名古屋城天守閣木造復元に人手が取られ、その他の調査・整備に人員が割けず、結果的に特別史跡の遺構を破壊したということであれば、本末転倒も甚だしいです。

以前、本丸御殿と小天守の間にスロープを作った際、スロープ設置を文化庁に書類を提出しておらず、スロープのコンクリート基礎が江戸時代の史跡を完全にぶちこわして塩ビ管を入れていたこともありました。
しかもスロープがあるために追加の石垣発掘調査が出来ませんでした。

一体名古屋城の何が重要なのか、名古屋市長・市職員全員が再度考え直すべきではないかと思います。

このような特別史跡を複数回き損している名古屋城に対し、木造復元事業を文化庁が認めると思いますか?

20/3/4 名古屋市「名古屋城木造復元 事務方案は2028年10月竣工 はね出し工法は見直す」

20/3/4に名古屋市議会本会議が開催されました。

20/3/4名古屋市議会本会議(名古屋城関連部分)
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200304.pdf

浅井正仁市議(自民・中川区)が名古屋城木造復元に関して竣工時期と総事業費、はね出し工法について質問しました。

松雄観光文化交流局長は「事務方の案として2028年10月が竣工時期で、それ以外は持ち合わせていない。今後3月末にも全体整備検討会議に諮って了解を頂いた上で、天守閣部会、石垣部会に応じて、専門的な見地から議論をお願いしたい」としました。
さらに、総事業費は「竹中工務店と協議し、2028年までなら事業費が遵守出来ると確認している。さらに、2028年10月を超え、様々な要因により追加費用が必要となる場合があったとしても、505億を堅持できるよう強い決意を持って取り組んでいく」としました。
最後に、「石垣部会の構成員より跳ね出し工法は認められないと意見をいただいており、文化庁からも穴蔵石垣の遺構が残っていることを前提として基礎構造検討するよう助言をいただいているため、跳ね出し工法は見直す。現在竹中工務店と跳ね出し工法に関わる案について代わる案について他城の整備事例を踏まえ、様々な角度から検討を始めた」としました。

一方、松雄局長は「事務方の案は天守閣木造復元化実現可能になるものの手順、工程に重きを置いて見直しを積み上げたものなので、竣工時期そのものについて関係者と調整を行ったものではない。
市長と協議を重ねたいが、合意を得られなかった場合は全体整備検討会議に議題として諮ることはできない」としました。

浅井市議は「市長の思いだけで、2月の全体整備検討会議の議題に上がらず、1ヶ月検討出来なかった。3月にかからなかったら3ヶ月か半年先になる。全体整備検討会議にかけないならば、木造化は市長が止めている」としました。

----------
竣工時期についてまとめました。

2022年12月 当初の竣工時期 延期発表
202●年   河村市長の思い 根拠無し
2028年10月 名古屋市事務方案 単に積み上げただけ
 ●年   文化庁・石垣部会 検討もしていない

石垣調査に何年かかるか、その後の評価・保全に何年かかるかも明らかになっていません。
特別史跡である穴蔵石垣の遺構を破壊するおそれがあるはね出し工法をようやく見直すと名古屋市は発表しましたが、穴蔵石垣の調査がまだ行われていない現在、竹中工務店に耐震性を兼ね備えた工法を提案することができるのかどうかまったく不明です。

2028年10月すら「机上の空論」にすぎないかもしれませんが、それすら河村市長は「もっと早くできないか」と述べるだけで、全体の検討を遅らせています。

また、松雄局長は「2028年10月までなら竹中工務店は505億円でいいと言ったが、それ以上延びた場合、名古屋市は505億円で済むよう強い決意を持って取り組む」と言うだけで、2028年10月以降になった場合の竹中工務店の意見については一言も述べていません。

そもそも、当初は2020年12月竣工で技術提案・交渉方式でのプロポーザルだったのに、2022年12月竣工で基本協定を締結しています。
19/10/3松雄観光文化交流局長は「基本協定の有効性が保持出来る期間として概ね5年程度ではないかと弁護士から言われた」としています。 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191003.pdf

20/2/23に朝日新聞によれば、「市は、大幅に計画がずれ込めば訴訟になる可能性もあると懸念」しているといいます。
20/2/24中日新聞によれば、「再三の延期を強いられたら事業自体が白紙化する懸念も市内部にある」としています。

16/6/17読売新聞によれば、「清水建設が石垣を先に補修すれば約350億円で済むも、2024年ごろの完成になり河村市長が要求する2020年7月の完成に間に合わないために辞退した」とあります。

河村市長の「思い」に名古屋市職員・竹中工務店が振り回されているのが現状です。

20/3/3 名古屋市議会委員会 名古屋城実施設計繰越予算を可決

20/3/3 名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋城木造復元事業実施設計繰越補正予算を可決しました。

20/3/3 名古屋市議会経済水道委員会
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200303.pdf

共産党以外賛成しました。

------
市議会では、20/2/28と3/2に質疑がありましたが、共産党以外一言も本件について意見を述べていません。

・20/2/28 名古屋市議会経済水道委員会
 (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200228-1.pdf
 
・20/3/2 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城関係分)
 (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200302-1.pdf
 
名古屋市は以下述べました。
・来年度においてもできる見込みのない業務が当然ある。(3億1300万円分)・現時点では石垣調査が出来ず、石垣保全方針がない
・基礎構造の方針を決定しておらず、見通しがない
・文化庁の指摘事項に対応していくことで、事業の実現に向かっていく。実施設計を進めることができるという実績を進める必要がある
 
このような名古屋市の対応について、一言も意見を表明しない、というのはどういうことなのでしょうか。

今後、2020年度予算案が審議されます。
補正予算は「2020年度に出来る見込みがある」1億3100万円分について可決しましたが、2020年度予算案は、現時点で出来る見込みがありません。

引き続き議会を注目していきたいです。

20/3/2 名古屋市「名古屋城実施設計の前提の調査・方針決定見通しはないが、実施設計を進め実績を進める必要がある」

20/3/2に名古屋市議会経済水道委員会が開催されました。

・20/3/2 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200302.pdf

・20/3/2 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城関係分)
 (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200302-1.pdf

名古屋市は、天守閣木造復元の実施設計について、実施予定部分、繰越予定部分、未実施見込み部分に分けて一覧を出してきました。

江上博之市議(共産・中川区)は「未実施の見込みは、石垣調査が出来ずに保全方針がない、基礎構造の方針を決定していない、見通しがないというのが前提か」と質問し、名古屋市は「そう」と答えました。

江上市議の「実施設計を繰り越すからといって、完成できる見込みがあるわけではないと思うが」という質問に対し、名古屋市は「文化庁の指摘事項に対応していくことで、事業の実現に向かっていく。実施設計を進めることができるという実績を進める必要がある」としました。
-------
20/3/3に名古屋城総合事務所に電話で確認したところ、
「実施予定」とは、2019年度実施予定、
「繰越予定」とは、2019年度にできない見込みのものを2020年度に実施予定、
「未実施見込み」とは、現時点において、2020年度の実施見込みがないので、2月補正で予算立てしない(繰越もされず、支出も無し。不用額になる)
という意味とのことでした。

また、2020年度予算案の実施設計 8900万と、今回の表は特に関係が無いとのこと。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000125/125382/05kankou.pdf

-------
実施設計は全部で15億6384万円の契約です。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180523-4.pdf
 
2019年度当初予算では、実施設計については以下の予定でした。
・2019年度 6億9400万円
 2020年度   1000万円
 http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000114/114536/kannkou.pdf
 
うち、20/3/2資料では以下になっています。
 実施予定   1億4300万+1億7000万
  設計図作成
  消防法その他関係法令手続き書類作成
  施工技術検討業務
  史実調査
  現天守閣記憶伝承調査
  地盤図作成
  石垣モニタリング
 繰越予定   1億+3100万
  設計図作成
  施工技術検討業務
  史実調査
 未実施見込み 2億8200万+3100万
  設計図作成
  建築基準法第3条適用書類作成
  消防法その他関係法令手続き書類作成
  積算業務
  施工技術検討業務
  史実調査
  現天守閣記憶伝承調査
  地盤図作成
  石垣モニタリング等
  
2020年度当初予算案では、実施設計については以下記述があります。
・実施設計 8900万
 http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000125/125382/05kankou.pdf
 設計図作成、現状変更許可書類作成など
 地盤調査、天守礎石調査

-----
実施設計の完成の見込みがないまま、名古屋市は実施設計業務を続けようとしています。
市議会ではきちんとした議論もありません。

-------

20/2/28 名古屋市「名古屋城実施設計 来年度も出来る見込みのない業務が当然ある」

20/2/28に名古屋市議会経済水道委員会が開催されました。

・20/2/28 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200228.pdf

・20/2/28 名古屋市議会経済水道委員会
 (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200228-1.pdf

はじめに、20/2/23朝日新聞報道に対する、市長のコメントが配付されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200228.pdf

その後、2月補正予算について審議が行われました。

江上博之市議(共産・中川区)は、「名古屋城木造復元の実施設計が今年度中に出来なかったのは、石垣調査ができなかったことと、基礎構造の方針が出ていないからだ。出来ない部分以外を繰り越すようだが、どうして出来ないのか?」と質問しました。
荒井主幹は「来年度においてもできる見込みのない業務が当然ある。当面文化庁からの指摘事項に対して対応するが、その部分について繰越したい」としました。
江上市議は、どの部分を繰り越しするのか資料の要求をしました。

----------
名古屋城天守閣木造復元の実施設計契約は2020年5月29日まで(15億6384万円)となっています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180523-4.pdf

いつまで契約を延ばすのか。そもそも「来年度も出来る見込みがない業務」を契約し続けてよいのか。

19/9/2大村愛知県知事は「国、文化庁の許可が下りるめどもないのに100億円の木材を調達して買ってしまった」「どういう経過をたどって何が起こってこういう事態になったのかという事実関係をしっかり検証して、そして、その事実関係を情報公開をしていただきたい」としています。
https://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/09.02.html#4

名古屋市からはきちんとした説明はなされていませんし、市議会でも真相究明にいたっていません。

20/2/27 名古屋市議会 市民3分間議会演説「名古屋城木造化より新型コロナ対策を!」

20/2/27に名古屋市議会で市民3分間議会演説が行われました。経済水道委員会では、「観光と災害からみた名古屋城」と「名古屋城木造化について」で市民から発言がありました。

「観光と災害からみた名古屋城」発言者から、演説原稿案を提供されました。
(3分間の時間が過ぎてしまったため、最後の部分は発言できませんでした)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200227.pdf

現在の名古屋城へ行く道のバリアフリー、周辺のゴミがだめと言った後、災害について述べました。
現天守は火災対策が万全なのに、燃える木造天守は危険ではないか。地震対策も現天守で耐震改修をすると決まっていたのに、河村市長の一存でせずにきたことを批判しました。

木材、設計費用等で税金を40-50億支出したが、直ちにストップすることが議会の仕事だとしました。

現在、新型コロナウィルスによる肺炎という災害の真っ最中で、無駄な税金の浪費より、アルコールやマスクがほしい、安心して暮らしていけるのかなどをやってほしいと結びました。

----
もう一人の「名古屋城木造化について」は、以下発言がありました(メモ)。

河村市長は「南京大虐殺はなかった」「トリエンナーレは日本人の心を踏みにじる」と発言し、暴力的な電凸を招いて中止させ、世界中の芸術家から猛烈な批判を浴びました。
市長は20/2/26市議会本会議でも、「木造名古屋城をはよ作ってくれな死んでしまうがや」というほんの一部の声を、自分に都合良く使って発言しました。
知る権利や民主主義を踏みにじり、歴史を歪曲する河村市長は独りよがりで汚点です。
現在の天守閣を歴史的文化財にして欲しいと声を大にして言いたい。
市長の姿勢を批判しない市の職員も問題です。甘い見通しをしてきた政党・議員も問題です。
文化庁の許可はいまだに出ておらず、無駄が発生しているが責任をどれほど感じているのでしょうか。
深いため息をついています。

------
3分間演説は、ネット中継もなく、傍聴するには市議会の委員会室に行くしかありません。
(なお、議事録もありません。市議や市職員の発言もありません)

経済水道委員会の市議は11名が参加して3分間演説を聞いていました。
うちマスクをしていたのは3名のみ。
3分間演説を聴いていた市職員約10名ほどは、ほとんどマスクをしていませんでした。

2020/2/25に策定した政府の基本方針は、マスク着用を含む「せきエチケット」の徹底を呼び掛けています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599698.pdf

議会委員会傍聴者には、「咳エチケットや手洗い、アルコール消毒のお願い」がされていました。
http://www.city.nagoya.jp/shikai/category/329-0-0-0-0-0-0-0-0-0.html

いったい名古屋市は何を優先しているのか。
今回の3分間演説でよくわかりました。

20/2/26 名古屋市 名古屋城実施設計を完成出来る根拠を示さず

20/2/26に名古屋市本会議で名古屋城天守閣特別会計補正予算について質疑がされました。

・20/2/26 名古屋市議会本会議 個人質疑 名古屋城部分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200226-2.pdf

令和元年度2月補正予算で、名古屋城天守各特別会計補正予算については、天守閣木造復元実施設計1億3100万円を繰越明許費としています。
その他、天守閣木造復元の構台等仮設工事費9億6100万円の減額、債務負担行為(令和2年度以降)11億4200万円の全額減額を計上しています。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-16-5-0-0-0-0-0.html

江上博之市議(共産党)は、以下質問しました。
1)構台等仮設工事を取り下げるのなら、復元のための実施設計も取り下げるべきでは
2)石垣調査などが出来るめどはあるのか
3)繰越予算計上は有識者との約束を違えるものではないか
4)完成のめどすらわからない実施設計は中止すべきでは

松雄観光文化交流局長は以下答弁しました。
1)構台等仮設工事予算は、解体工事の着手のめどがたっていないから取り下げた。
 実施設計業務は本事業を実現するためにひきつづき進めることが必要。
2)石垣調査は実施できる目途は立っていると認識している
3)石垣部会も有識者に示した考え方に従って進めており、約束を違えるものではないと認識している。
4)継続して努力しているのでご理解賜りたい

江上市議は再質問しました。
1)実施設計は木造復元の相談資料作成のためではなく、木造復元の設計のために必要な業務。
 石垣調査が出来るからといって、保全、修復の必要があるかわからない。実施設計が完成出来る根拠は何か。
 
松雄観光文化交流局長は以下答弁しました。
1)文化庁から、「解体仮設設置が石垣等遺構に与える影響を判断するための調査検討」、「解体と木造復元を一体の計画として審議する必要があるため、計画の具体的内容の提出」を求められている。
 木造復元の意義をしっかりと説明し、ご理解いただければ木造復元の議論を始める環境が整うと考える。
 木造復元は実現可能だと認識している。そのためにも実施設計業務を継続して進め、完了させなければならないと考えている。
 
江上市議は「思いを聞いたが、実施設計が完成出来る根拠は示されなかった。」とし、市長へ「木造復元のための作業は中止すべき。実施設計の繰越は取り下げるべき」とききました。

河村市長は「石垣部会の皆さんと、完全に目指す方向性は一致している。文化庁から、石垣部会と仲良くやって欲しいと言われている。
データが出てきたら速やかにやりたい。」としました。

江上市議は「繰越をする根拠は明確に示されなかった」とし、「実施設計繰越の取り下げ、竹中工務店との基本協定書破棄、事業の中止」を求めて質疑は終わりました。

-----------------
なお、実施設計契約は2020年5月29日まで(15億6384万円)となっています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180523-4.pdf

19/11/29名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会で、竹中工務店は「石垣が一番大切だと言うことは十分認知している。実施設計の最終成果物としてまとめるため、はね出し基礎構造が、耐震性の確保と史跡の保護を矛盾することなくできるか、石垣部会と目線合わせをしたい」と述べました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191129-1.pdf

また、19/11/28名古屋市本会議議案外質問で、浅井正仁市議(自民)は「実施設計が完了しないというのは、実施設計に必要なケーソン下のボーリング調査の現状許可申請が文化庁に提出できなかったからと聞いた。」としました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128.pdf

20/2/26本会議答弁では、実施設計契約をいつまで延ばすのか、については一言も触れていませんでした。

・はね出し基礎構造の問題をクリア出来るのか
・ケーソン下のボーリング調査の現状変更許可は出るのか

実施設計の契約延長ができなければ、木造復元事業がどうなるか不明です。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180612-2.pdf
また、2020年6月に木材の保管期限が切れますが、保管延長の契約ができなければどうなるか不明です。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190624-3.pdf

名古屋城をめぐる論点は何か。
契約書に基づき議論をしないと、結局うやむやになってしまいます。
------
2020年2月26日 日本共産党名古屋市議会議員 江上博之
名古屋城天守閣木造復元事業は中止を
http://egami-hiroyuki.jcpweb.net/action/2020-02/3435.html


20/2/26 名古屋城基本設計住民訴訟 名古屋市「『基本計画書』と『文化庁基本計画書』は別」

20/2/26に、名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論が名古屋地裁1102号法廷で行われました。

名古屋市代理人弁護士は、開廷する直前まで、傍聴席にいる市の職員と打合せをしていました。
開廷後も、市代理人弁護士が言葉に詰まると、なぜか傍聴席にいる市の職員が発言するなど、異例の形の裁判が続いています。

今回は、以前に裁判所がまとめた原告の主張を確認しました。

原告:要求水準書1章〜3章が、竹中工務店に対する義務
市:要求水準書1章〜2章は義務ではないが、3章は義務
https://drive.google.com/drive/folders/1LwckVnxPknFAyI4OgHRSvUgN_kJzbIMs

裁判所は、名古屋市に対して「1章〜2章は義務ではない根拠は何か」と聞きましたが、「次回までに回答する」とし0ました。

同様に、技術提案書の位置づけも市に対して明らかにして欲しいとしました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/learn/tenshu/outline/

また、裁判所は市に対し、これまでの時系列がわかるものを提出してほしいとしました。

市は令和2年2月12日付け準備書面(4)の中で以下主張しています。
・名古屋市は竹中工務店に、現状変更許可の申請のための準備行為を求めた。
・竹中工務店から納品された書類に基づき、市は現状変更許可の取得に向けて文化庁に提出するための基本計画書を作成した。
・委託仕様書における「基本計画書」は、必要なものについて 記述したもので構成される、委託契約の成果物。
・18/3/28蜂矢主幹発言の「基本計画」は、文化庁に提出する「文化庁基本計画書」。
・2018年7月完成させることを目標とする「基本計画」は、委託契約の成果物としての「基本計画書」を意味するものではない。
・基本計画書は、文化庁との協議、消防協議、建築指導課との協議を事前に経ていることを要するものではない。

原告の森さんは、「以前原告が提出した準備書面に記載した、監督員検査についての市の反論がない。
また、市は『基本計画書』と『文化庁基本計画書』は別と主張してしているようである。
これまで市の書面に『基本計画書』という記載がたびたびあるが、『基本計画書』なのか『文化庁基本計画書』なのか、それぞれ求釈明したい」としました。

次回弁論は20/5/13(水)15時に名古屋地裁1102号法廷です。
-------
・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle


20/2/23 名古屋市「名古屋城木造復元竣工時期 2028年10月案は否定しないが、今は申し上げる段階ではない」

20/2/23に朝日新聞が「木造天守 28年10月完成案 名古屋市 河村市長『反対せぬ』」という記事を載せました。
上記記事によれば、以下の通りです。
・名古屋市は20/2/1全体整備検討会議で新工程案を提示し確定したかったが、工期短縮を求める河村市長から了承を得られず。
・河村市長は「28年10月は最長、最悪の場合の案だ」と、反対はしない姿勢を強調
・市は28年10月案は期間を余裕を持って見積もり直したという
・市は、大幅に計画がずれ込めば訴訟になる可能性もあると懸念

同日、名古屋市は上記記事を受けて「名古屋城木造復元の竣工時期に関する一部報道にかかる市長コメント」を発表しました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000125995.html
・あたかも2028年10月竣工時期が確定しているかの報道がなされた
・28年10月案が含まれていることは否定しない
・事務方にはさらに調整・検討するよう指示を出している。
 この時期に目標とする竣工時期を申し上げる段階にない
・早く市の案を固め、全体整備検討会議にお示しし、部会の意見も伺いながら最終的に竣工時期を決定したい

20/2/24中日新聞によれば、「再三の延期を強いられたら事業自体が白紙化する懸念も市内部にある」としています。

----------
「市長コメント」を読んでも全くわけがわかりません。

名古屋城木造復元は、文化庁の現状変更許可が出ないと全く進みません。
文化庁は具体的に何と言っているのか?事実が全く書かれておらず、市長の一方的な思いがただ綴られているだけです。
市の「余裕を持って2028年10月」も根拠が不明です。
また、竹中工務店、石垣部会が現時点でなんと言っているかも書かれていません。

・2011年3月名古屋市「文化庁との協議・調整だけでも23年以上。解体工事・石垣工事 復元工事で約25年」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1103.pdf
・19/10/3松雄観光文化交流局長「基本協定の有効性が保持出来る期間として概ね5年程度ではないかと弁護士から言われた」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191003.pdf
・19/11/28千田嘉博奈良大学教授「基礎的な調査に基づき、学術的な議論をする中で石垣の評価を行う。
 はね出し工法が成り立つのか難しいかも明らかになってくる」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-2.pdf
・市債については、返済計画をつけて総務省に2019年度の起債の届け出が必要。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191105-1.pdf
・19/12/26 名古屋市「年度内には新たな竣工期限を示したい」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191226-1.pdf

石垣保全の問題だけでなく、バリアフリー、消防法、建築基準法の問題もあり、そもそも木造復元が本当にできるのかどうかすら怪しい状況です。
山積している問題は一つも解決していません。
石垣調査をまず行う、ということのみ進展があっただけです。

名古屋市が新たな竣工期限を示したいとした2020年3月末まで残り1ヶ月。
情報を隠ぺいし、市長の強引な思いに振り回されつづけることなくきちんと議論をして今後の善後策を考えるべきだと思います。

名古屋市 名古屋城木造化で「国土交通省に対して防災評定に関し申請書を提出する予定無し」

名古屋城天守閣木造化に関し、名古屋市は2019/1/21に日本建築センターから「防災評定」を取得したと説明しています。

その「防災評定」ならびに申請した書類を情報公開請求したところ、20/3/19まで延長になりました。

また、防災評定に関し、国土交通大臣の認定申請書、認定書を情報公開請求したところ、不存在になりました。
さらに「※国土交通大臣に対して、防災評定に関し申請書を提出する予定はありません」と記述がありました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200221.pdf

------
一般財団法人 日本建築センターのホームページによれば、防災性能審査(評定)委員会(報告)のあと、評定書を発行することになっています。
また、「特殊な構造方法を用いた建築物」については、性能評価書を発行したのち、国土交通大臣認定申請、国土交通大臣認定という流れになっています。
https://www.bcj.or.jp/rating/category/prevention/prevention01/
今回の防災性能評価申請書をみていないためなんとも言えませんが、国土交通大臣認定申請書を提出する予定はない、という意味を今後調査する必要があります。


20/2/22 名古屋城本丸搦手馬出周辺石垣現地説明会に約10名

20/2/22に特別史跡名古屋城跡石垣・二之丸庭園現地説明会が名古屋城総合事務所で開催されました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2020/02/20200217_958.html
・石垣現地説明会 配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200222-1.pdf
・二之丸庭園現地説明会 配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200222-2.pdf

石垣現地説明会(午前の部)は小雨がぱらつく中、定員50人のところ約10名が参加しました。
名古屋城総合事務所関係者も約10名が同行し、学芸員が説明をしました。
・写真はこちら  https://ombuds.exblog.jp/27983844/

説明する学芸員。赤と白の棒のラインが、元々あった石垣の位置と勾配を示す。

本丸搦手馬出石垣は2004年度から2018年度まで14年かけて約1500u、約4000石の解体を完了しました。
現在、積み直しに向けて準備をしています。

解体場所全景


通常は立ち入り禁止の場所に、ヘルメットをかぶって入ります。
解体された石垣の石、根石、栗石、土、土台木が置いてありました。

石垣の石は1個約800キロとのこと。奥が石垣の表面。

船着き場跡
空堀の下から石垣を見る機会はほとんど無いので、石垣が大変高く見えたのが印象的でした。
また、修復工事のため、外堀(水堀)を一部埋め立てており、普段は見ることが出来ない名古屋城の姿を見ることができ、大変貴重な機会でした。



積み直し時に使える石かどうかを判定して赤い紙で印をする。
上のコンクリートは重し。


石垣の石に様々な刻印がなされていることがわかります。

ひび割れた石垣の石を置いてある




地盤を強化するための土台木 

参加者から様々な質問がだされ、学芸員が回答しました。

学芸員は「名古屋城に万が一のことがあった際は、藩主が埋御門から船に乗って対岸に行き、土居下から大曽根、定光寺を経て木曽路に落ち延びるという説があるが、極秘のことなので、御土居下同心の子孫の伝承に言われているが、正式な文書には残っていない」とのこと。

また、「いつ積み直しが完了するか」と聞かれ、「現在解析中で、2021年度から、4-5年くらいを考えている」と回答がありました。

----------
「名古屋城の本質的価値」を持つという石垣。400年前からの本物です。
残念ながら、これまであまりスポットがあてられてこなかったように感じます。

名古屋城木造復元事業を名古屋市が強引に推し進める中で、石垣の価値にようやく市民が気付きはじめてきました。
学芸員など専門的知識を持つ人が説明すると、非常に理解出来ます。
名古屋城をただ見学するのと、説明員が説明するのとではまったく理解度が異なります。
「名古屋城なんて行ってもなにもない」というのは、ただ説明を受けていないからではないでしょうか。

今回の現地説明会も、ほとんど宣伝されていなかったのか定員50名のうち約10名しか参加がありませんでした。
もっと名古屋城について知ってもらうにはどうすればよいのか。
「ハード」だけではなく、「ソフト」の対応が必要だと思います。

-----
なお、その後に行われた二之丸庭園現地説明会も参加してきました。参加者は定員50名のところ約25名でした。
学芸員の他に、武将隊の徳川家康も参加して説明していました。

学芸員の説明、また徳川家康の説明も大変わかりやすかったです。

石で庭を作っているのですが、下の方、コンクリートに見えるのは三和土(たたき)とのこと。
尾張藩は三和土の技術が優れていたとのこと。

また、権現山の「権現」は、徳川家康(東照大権現)を意味するものでは無いのではないか(諱(いみな) 口に出すことが憚られる)というのが、武将隊の徳川家康の説でした。

↑「ほお当て」をする徳川家康

-----
さらに、本丸御殿も見学しました。
見学するのに行列がありましたが、武将隊の徳川家康は
「休日でこんなに列が少ないのは珍しい。この程度の行列ならだいたい10分程度並べば入れる。そもそも異国の者がほとんどいない」と言っていました。
行列に「何分待ち」という表示がないため、行列を横目に通り過ぎる観光客が相当多くいました。
行列は本当に10分程度で終わり、中をゆっくり見学出来ました。
以前はざっと見ただけでしたが、黄色いはっぴを着たボランティアさんの後ろで説明を聞いたら大変よく分かりました。
ざっと見るだけでは気付かないことばかりでした。
しかし、ほとんどの観光客はざっと見るだけで終わります。
150億円もかけて作ったにしてはあまりにももったいなさ過ぎます。
復元された欄間。振り返って上を見るとわかる。
--------
天守閣は2018年5月に閉鎖されて以降、ずっと閉鎖されっぱなしです。
木造復元のめどは全く立っていません。
新型コロナウィルスの影響で、かつては来城者数の半分近くを占めた中国人もほとんど見かけなくなりました。
名古屋城への来城者数は激減しています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/201901-202001.pdf

どうすればよいのか。
今回の石垣・二之丸庭園現地説明会が一つの回答ではないかと思いました。

20/2/19 河村市長 予算提案説明の中で名古屋城木造復元 木材保管費1億円に触れず

20/2/19の名古屋市議会本会議で、河村たかし名古屋市長は市長提案説明を行いました。

市長提案説明(概要)
 
http://www.city.nagoya.jp/shikai/category/324-2-0-0-0-0-0-0-0-0.html

その中で、名古屋城関連は以下のみです。

「魅力資源の磨き上げ!魅力向上・発信戦略」といたしまして、名古屋城を核とした魅力軸の創出・発信では、引き続き、天守閣閉館中の魅力向上事業を実施するほか、石垣の基礎的研究等や二之丸庭園の保存整備などを進めるとともに、金シャチ横丁第二期整備に向けた調査を予定いたしました。このほか、堀川において民間事業者による水上交通の運航拡充等の検討や魅力向上とにぎわいづくりを進めることといたしました。
 
名古屋城天守閣会計では、天守閣木造復元に向けた発掘調査等を予定しております。
  
名古屋城天守閣会計では、天守閣木造復元工事の工程の見直しに伴い、事業費を減額するほか、1件の繰越明許費、1件の債務負担行為の変更を予定しております。
---------
令和2年度当初予算案では、名古屋城天守閣の整備として、以下の金額が計上されていました。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-17-1-8-2-0-0-0.html

名古屋城天守閣の木造復元 6億7740万9千円
 天守閣の整備      2億4507万4千円
  実施設計         8900万  円
  設計監理等支援業務委託  1300万  円
  主架構木材の保管費  1億     円
  発掘調査等        4307万4千円
 昇降に関する新技術の公募1億3168万9千円
 木造復元に向けた機運醸成  2470万  円
 基金の積立       1億     円
 事務費等        1億7594万6千円 
 
天守閣閉館中の魅力向上事業1億4280万  円
石垣の基礎的研究普及事業   1000万  円
金シャチ横丁第二期整備    2000万 円

名古屋城天守閣木造復元事業は、2022年12月の竣工時期を断念した後、いまだに新たな竣工時期を発表出来ていません。
名古屋市が平成23年3月に作成した「名古屋城整備課題調査報告書」によれば、文化庁の現状変更許可を得るのに23年以上、解体工事・石垣工事復元工事で約25年と予想されています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1103.pdf

にもかかわらず、木材だけは先行して購入してしまいました。
(2019年7月末現在 木材の製材94億5540万円のうち21億9600万円支出済)
木材は2020年5月に竹中工務店の保管期限が切れ、年間1億円の追加保管費用がかかります。上記については、市議会で懸念が多数出ていたにもかかわらず、
名古屋市は押し切って木材を購入してしまいました。

いったいあと何年木材の追加保管が必要なのか。責任は誰にあるのか。河村市長は全く語りません。

・2015/8/24 河村市長「全責任は私が取る」指示書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

さらに、バリアフリーの新技術も全世界に公募するとのこと。
2020年3月中に公募を開始すると言いますが、竣工期限も不明なのに、新技術を先に公募する意味が全くわかりません。

現在開会中の市議会ではどのような議論がなされるのでしょうか。

【重要】名古屋城現天守閣 暫定的耐震補強は約1.7億円、8ヶ月で出来ると名古屋市委託報告書

名古屋城現天守閣について、耐震改修すると約29億円、14ヶ月かかるとされてきました。
しかし、名古屋市民オンブズマンが20/2/19に名古屋城総合事務所から情報提供していただいて入手した、名古屋市が2017年3月に業者に委託して行った「名古屋城天守閣暫定的耐震補強調査業務報告書」によれば、耐震目標値を下回っている7階部分及び塔屋部での暫定的耐震補強を行うには、1億7172万円、8ヶ月で出来ると記載がありました。

・平成29年3月 株式会社大建設計名古屋事務所
 名古屋城天守閣暫定的耐震補強調査業務報告書
 @補強計画の耐震診断結果
 A補強計画の耐震診断結果の考察
  
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1703-1.pdf
 G概算工事費及び概算工程表
  http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1703-8.pdf
(計算書等は数日中に入手予定)

---------
「名古屋城天守閣の整備2万人アンケート」は2016年5月に行っており、「耐震改修約29億円」か、「2020年7月までに木造復元(約474億円〜505億円)」か、「2020年7月にとらわれず木造復元」かで質問が行われました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083689.html

その後の2017年3月に暫定的耐震補強調査業務報告書が出ているので、市民にきちんと意見を聞いたことはありません。
この報告書の存在もきちんと公開しておらず、今回名古屋城総合事務所に情報提供を求めてはじめて名古屋市民オンブズマンは全文を入手出来ました。

暫定的耐震補強では、長寿命化やバリアフリー対応、消防設備対応などができず、問題は残ります。

しかしながら、2020/1/27以降、中国人団体旅行が禁止された影響か、昨年同時期に比べて名古屋城来場者数が激減しています。
・名古屋城総合事務所提供資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/201901-202001.pdf
・上記資料を基に名古屋市民オンブズマンが表を作成
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/201901-202001-1.pdf

名古屋城木造復元のめどはいまだにたっておりません。新たな竣工時期も発表出来ない状況です。
名古屋市が2011年3月に作成した「名古屋城整備課題調査報告書」によれば、文化庁の現状変更許可を得るのに23年以上、解体工事・石垣工事・復元工事で約25年かかると記載されています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1103.pdf

現天守閣をこのまま閉鎖しておけば、来城者数は激減したままになる可能性が極めて高いです。
名古屋城への観光で商売している人への悪影響も続くのではないでしょうか。

そうであれば、真剣に「暫定的耐震補強」、「耐震補強+バリアフリー」、「耐震補強+バリアフリー+長寿命化」と「現天守閣閉鎖のまま+数十年後に木造復元」を比較する必要があるのではないでしょうか。

・2015年12月 タウンミーティング資料
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_blog/uploads/271206.pdf
 

20/2/17 名古屋市 予算編成過程公開に名古屋城関係予算を記載しなかったことに言い訳

20/2/12に、名古屋市令和2年度当初予算が公表されました。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-17-1-8-2-0-0-0.html

名古屋市は20/2/17に「令和2年度予算編成過程の公開」を発表し、その中で、名古屋城天守閣の整備として、「天守閣の整備に係る実施設計、設計監理等支援業務委託、発掘調査等に1億5500万円が、財政局案では計上されていなかったにも関わらず、最終案(市長査定)では計上されていました。
  実施設計         8900万  円
  設計監理等支援業務委託  1300万  円
  発掘調査等        4307万4千円
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000125/125640/2henseikatei.pdf
(残り1000万円は不明)
 
名古屋市は同じく20/2/17に「『令和2年度予算要求内容の公開』に対する市民意見の内容及び市の考え方」を発表しました。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000125642.html

名古屋市民オンブズマンは、市民意見募集時に名古屋城について予算が計上されていなかったことに対して質問したところ、名古屋市から以下回答がありました。
--------
意見:2019年6月議会に提案した名古屋城天守閣木造化木材保管庫(予算400万円(債務負担行為3億1300万円)(その後取り下げ))、6月議会に提出予定だった解体工事(予算約20億円(見送り))は今回計上されなかった。
平成30年度、31年度当初予算は、予算要求時にはなかった名古屋城木造復元関連の予算がいきなり計上され、市民は条例に基づく意見を言うことが出来なかった。
今回はどうなるかわからないが、このようなことを繰り返すのであれば条例の趣旨を著しく逸脱する。

(市の考え方)
名古屋城天守閣木造復元事業の実施に際しては、特別史跡名古屋城跡に関する現状変更許可申請を行う必要があり、その審議状況に左右されるなど、他律的な要素を多く含んでおり、また事業を取り巻く環境等も日々刻々と変化しております。
そのような状況下で本件事業に関する予算を要求するにあたっては、極力早期に次年度予算要求の内容を固め、条例に従い公開し、市民の皆様のご意見をいただきたく
考えておりますが、要求すべき予算案の決定時期が当該公開のスケジュールと必ずしも整合していない状況にあります。
今後は、早期に要求すべき予算案を決定し、市民の皆様に意見をいただけるよう努めてまいりますので、ご理解賜りたく存じます。
------
今年で3年連続当初予算に名古屋城関連の予算要求が記載されなかったにも関わらず計上されました。

名古屋市は、名古屋城木造化の予算に関し、市民の意見を聞く場を設けていません。
条例の趣旨を著しく逸脱しています。
------
今後の予定

2月19日(水)午前11時 本会議
2月22日(土)名古屋城石垣現地説明会
 第1部:午前9時30から午前10時15分
 第2部:午後1時30分から午後2時15分
 http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000125627.html
2月26日(水)午後3時 基本設計等住民訴訟 名古屋地方裁判所 第1102法廷
3月4日(水)午前10時 本会議 代表質問(質疑並びに議案外質問)
3月5日(木)午前10時 本会議 個人質問(質疑並びに議案外質問)
3月6日(金)午前10時 本会議 個人質問(質疑並びに議案外質問)
3月9日(月)午前10時 本会議 個人質問(質疑並びに議案外質問)
3月10日(火) 常任委員会
3月11日(水) 常任委員会
 18:30〜20:30 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」北生涯学習センター第1集会室
3月12日(木) 常任委員会
3月13日(金) 常任委員会
3月16日(月) 常任委員会
3月17日(火) 常任委員会
3月18日(水) 常任委員会 
3月19日(木)午後1時 本会議(閉会)
4月11日(土)18:30〜20:30 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」北生涯学習センター第1集会室
5月20日(水)13時30分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟 弁論 名古屋地裁1102号法廷


平成23年3月名古屋城整備課題調査報告書に「木造復元 文化庁との交渉だけで23年以上要する」記載

名古屋市が平成23年3月に作成した「名古屋城整備課題調査報告書」を名古屋城総合事務所から情報提供していただき入手しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/1103.pdf

当時、木造復元にかかる課題調査が既になされています。

まず現天守を解体し、石垣を積み直した後、木造復元工事を行うという計画で、文化庁との調整・協議、許可申請期間を含まず約25年、約389.9億円と算出しています(65ページ)。

名古屋市は「石垣等構造物がないため、より史跡への影響が少ない本丸御殿復元についても、昭和60年に構想検討を開始し、文化庁との度重なる交渉の結果、現状変更許可を得られたのは平成20年であり、23年間を要している。
このため、木造天守の復元には、調査・設計期間、建設工事の期間以外に文化庁との協議・調整に長期的な年月を要するものと考えられる。」(43ページ)としています。

さらに、石垣の解体積み直しの概算工期について、大天守・小天守・共通及び橋台合計で30億8377万9000円、調査に2年4ヶ月、設計に3年9ヶ月、工事に5年1ヶ月かかるとしています(50ページ)。

現天守解体の導線は、大天守西側から入る計画で、現在の外堀に仮設橋をかけるというものではありません(53ページ)。

また、諸法令(建築基準法、消防法、バリアフリー法など)について、確認と整理を行っています。
----------
通常の文化財の復元のやり方であれば、以下期間がかかります。
・文化庁の現状変更許可を得る 23年以上
・解体工事・石垣工事 復元工事 約25年

合計48年以上かけて行うところ、まず現天守閣解体・復元をしてから石垣を修復するということに強引に決め、設計・解体・復元を4年半でやれないか、と「技術提案・交渉方式」のプロポーザル方式で募集したのが河村市長です。
2015/8/24、「全責任は私が取る」という指示書を書いています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

その後4年半たちましたが、文化庁の現状変更許可はいまだに取れず、石垣の調査もまだまだ終わりません。
平成23年3月当時は、石垣調査は2年4ヶ月で終わるとしていましたが、天守台石垣のみ計上しており、堀底、御深井丸石垣の調査も必要となっている現在ではさらに時間がかかりますし、それらの保全もさらに時間がかかることになります。
名古屋市は、「石垣調査からはじめることで、石垣部会と完全に一致した」と認めています。

諸法令(建築基準法、消防法、バリアフリー法など)の課題もいずれもクリアー出来ていません。

まず、名古屋市ははっきりと「文化庁との協議はあと少なくとも23年はかかる」と認めてはどうでしょうか。

その上で、総事業費505億円のうち、基本設計・実施設計・木材購入等で平成30年度末までに約40.7億円支払い、それ以外は約1.8億円支払ったことを認めてから、今後の方針を立てるしか無いのではないかと思います。

竣工時期がいまだに発表出来ない理由がようやく見えてきた感じがします。


名古屋城天守閣木造化 情報非公開をめぐる攻防は文字通り本丸へ

河村たかし名古屋市長が2022年12月完成をめざして強引に推し進めてきた名古屋城天守閣木造化復元事業ですが、2019年6月文化庁文化審議会で現天守閣解体の了承を得られませんでした。2019年8月に、ようやく2022年12月竣工を断念しましたが、事業そのものが目処が立っておらず、大幅な工期見直しが迫られるにもかかわらず、河村市長はいまだに強気な姿勢を崩さないばかりか、市民へのまともな説明も全く行われていません。

名古屋市 苦し紛れの「解体先行論」
特別史跡名古屋城跡は、敷地内の建造物・遺跡に釘一本打つにも文化庁の「現状変更許可」が必要です。その前に文化庁の有識者会議「文化審議会」での了承が必要ですが、現時点では木造復元の申請のめどが立っていません。2022年12月木造天守閣復元を目指すため、当初は復元と解体同時に現状変更申請をする予定でしたが、2019年2月に、まず現天守閣の解体の申請をすると名古屋市は公表しました。
当初の計画では2018年10月に現状変更許可がおり、31ヶ月の工期で復元する予定でした。しかし、解体先行によって2019年6月の文化審議会で了承を得、24ヶ月の工期で復元したいと名古屋市は発表しました。

河村市長ようやく2022年12月竣工断念と発表
2019年6月の文化庁文化審議会で現天守閣解体の了承を得られず、19/8/29に、河村市長はようやく2022年末復元を断念と発表しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190829.pdf
また、19/12/27に河村市長は現天守解体と木造復元を一体として進めることを表明しました。http://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000124218.html 
しかし、いまだに新たな竣工時期を示せていません。

文化庁は木造復元のどこを問題視しているのか 情報公開訴訟提訴
しかし、文化庁が具体的にどのような指摘をしたのか、文化庁とのやりとりの議事録は公開されていません。
名古屋市民オンブズマンは、19/2/21に名古屋市を相手取り、名古屋城をめぐり18/6/13、7/20、7/26、8/3、9/10、9/25に文化庁訪問時の復命書等の情報非公開取消と開示の義務づけを求める訴訟を19/2/21に名古屋地裁に提訴しました。「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある」として内容がほとんど非公開で、しかも「黒塗り部分を非公開にする」としており、意思表示が完結しておらず、無効の可能性もあると指摘しました。

名古屋市 一部変更決定も肝心の部分非公開
名古屋市は19/5/31に決定を見直し、非公開部分を特定し、非公開の理由をそれぞれ明らかにした上で、河村たかし市長が文化庁を訪問したときの面談記録等を、市長発言部分の多くを公開してきました(593ページ中562ページが黒塗り→151ページが黒塗り)。しかしながら、名古屋市がまだ公表していない部分については非公開で、文化庁の発言については、「項目」のみ開示されるだけ。唯一「地元の専門委員会には十分に説明して理解してもらうこと。」という中身が公開されるのみだけでした。

開示で判明 市長が「資料が豊富と言った」と文化庁に伝えた人物は日本舞踊の家元
20/2/3に名古屋市は再度決定を見直し、著名人の名称がわかる部分を開示しました。
名古屋市は、これまで裁判で「本箇所には『個人的な見解を述べた人物が特定される内容』について記載されており、そのような情報が公開されると、人物が特定される(文化庁との打合せで、市長が個人名を述べたうえで、『これだけ資料が豊富な復元は世界に例がない。世界にアピールすることが必要だ』と、同人の発言を引用する発言をしたため。)」非公開としてきました。しかし、「発言をした本人への確認等を行い再度検討した結果、現時点では弊害が存在しないと判断したため」公開してきました。
今回新たに開示された文書には、発言者は「名古屋にある日本舞踊の家元」と記載がありました。

市「未確定情報と記載していても、既定路線と受け取られるおそれ」
 いまだに非公開の67カ所について、20/2/6に弁論が開かれました。
 原告の名古屋市民オンブズマンの新海聡弁護士は以下主張しました。
(1)中間的な検討・意見交換の内容であり、「未確定の情報」であることは明らか。未確定な情報が確定したものと誤解される可能性すらない。
(2)「仕事」なので、意見交換の内容が公開されても、文化庁職員が名古屋市長に意見を言えなくなったり、名古屋市長が文化庁職員に意見を言えなくなる理由はない。
 被告の名古屋市代理人弁護士は情報公開条例7条4号Cについて以下主張しました。
(1)未確定な情報が公開されると、未確定な情報が確定したものと誤解され、不当に市民の間に混乱を生じさせる。
(2)未だ解決すべき課題等があり、議論の途上である内容であるにも関わらず、未確定な情報が殊更曲解・糾弾され、市民の間に混乱が生じる懸念がある。
また、文化庁と石垣部会のやり取りについて、市は「やりとりの個人の氏名と発言を公開すると、やり取りを部分的にとらえ、反対の立場を後押ししたり、推進側が有利になったりする。審議委員はけしからんと個人攻撃がされ、表だって意見をいうことがなくなるおそれがある」としました。
 次回は20/5/20(水)13:30- 名古屋地裁1102号法廷で行います。

石垣部会・天守閣部会・議会・障害者団体・知事・市民が問題に
 許認可権を持つ文化庁が何を問題にしているか明らかにされないまま、それでもいまだに名古屋市は強引に木造復元事業を進めようとしています。
 関係する有識者部会である石垣部会・天守閣部会だけでなく、市議会、障害者団体、さらに大村秀章愛知県知事が問題視しています。市民も動いています。

市局長「石垣部会の提案はやりきれていない」認める
 文化庁は、19/2/26に、現天守閣解体に当たって留意事項5項目を示しました。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190226-1.pdf
 うち石垣に関する3項目については「石垣部会の意見を付すこと」としています。
 石垣部会は、現天守解体の現状変更許可申請について、「解体作業を行う場所の下にある石垣の調査が終わっていない」ため、明確に反対しました。
 しかしながら、名古屋市は19/4/19に文化庁に現天守閣解体の申請を出したと発表しました。http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190419.pdf
 2019年4月に着任した松雄俊憲・観光文化局長は「石垣部会のご提案について、確かにやり切れていないといった部分がございますけども、文化庁が申請にあたって5つの留意事項を私どもに指示をいただきましたけれども、そのことに対しましては事務方としてやりきったというふうに思っております」としました。

市 石垣部会にも仮設構台下トレンチの場所知らせず
19/5/28に開催された石垣部会で、名古屋市は試掘調査として4u程度のトレンチ(試掘坑)を23箇所計画する予定であり、文化庁にその旨伝えたと初めて発表しました。しかも、まだ具体的でないものも含んでいるので図面を公表するのは控えているとしました。
 19/8/5石垣部会でも、名古屋市はトレンチを入れる場所をおおよその範囲でしか示さず、しかもすでに現状変更申請済みとしました。
 石垣部会構成員の千田嘉博・奈良大学教授は「石垣部会は名古屋市と敵対しているわけではない。どういうことが文化庁から投げられていて、どうすればよいのか部会に示されないと力の発揮しようがない。文化庁とのやり取りを秘匿される、どう現状変更申請したか委員に知らされないのは他に知らない」としました。

石垣部会「ウソの理由で穴蔵石垣調査するのは許されない」
19/5/28に開催された石垣部会で、天守閣地下部分にある穴蔵石垣調査を行う予定としました。
 宮武正登・佐賀大学教授は「穴蔵石垣調査の目的を明確に説明して欲しい」としたところ、名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センターの村木副所長は「穴蔵石垣は昭和に積み替えられ、オリジナルの姿はとどめていないと認識していている。本来の姿に戻したいので、現況を把握したい」としました。
 しかし、19/8/5石垣部会で村木副所長は「天守台石垣の保存方針は、全てが天守閣整備のためではない。天守閣復元と切り離して考える」としながら、「現天守解体許可が出た場合、天守台石垣の保存方針を具体化し策定する」「この目的は天守のために穴蔵を復元するためです」としました。
 千田教授は「穴蔵調査は木造天守閣が耐えられるか調査するために必要。でも文化庁に別のうその理由で発掘調査を申請するのは認められない。名古屋市の方針はわかるが、文化庁の現状変更許可を取ってから、大いに議論をする。村木副所長の説明が典型的だが、『この目的は天守のために穴蔵を復元するためです』と言ってはいけないことを言っちゃった。天守台の保存方針だけを立ててもだめで、内堀底とか対岸とかもどう保存するかといった一体とした保全方針を立てないとだめ」としました。

服部センター所長「石垣部会の議事録を読まないと理解できないのは問題ではないか」
19/8/5に挨拶をした服部英雄・名古屋城調査研究センター所長は「名古屋市を助けて欲しい。許されるのなら私は人柱になりたい」とするものの、過去の石垣部会の議論を踏まえない発言を繰り返し、さらに「議事録を読まないと理解できないのは問題ではないか」「石垣部会は危険を煽りすぎている」「『絶対安全』とは言えない」などと発言し、石垣部会が反発しました。

赤羽氏「木造復元計画3点に名古屋市は答えてこなかった」
19/6/22「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が主催した「〜名古屋城バリアフリーの行方〜 名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」で、石垣部会の赤羽一郎氏を講師にお招きして、現状の解説と名古屋城の価値ならびに現在の木造天守閣復元計画の問題点、今後の見通しを話していただきました。
 「現在の木造復元計画の問題点は3点あると私は考えている。
昨日(6/21)文化庁が継続審議と言ってきたのは、同じ3つであり、それに名古屋市はまともに回答してきていない。
1点目は今の石垣を絶対に損なわないこと。
2点目はバリアフリーの問題。
3点目は現在の天守閣をどう位置づけるかということ。現天守閣は登録有形文化財の要件に該当する。
 これらはずっと問題点が明らかになっていたが、解決してこなかった。
木造復元が暗礁に乗り上げたが、さらに解体先行という奇策を河村市長が取ったことで漂流し、さらに問題が複雑になった。解体工事も石垣を損なうおそれがあり、その旨石垣部会が意見書を提出したら、名古屋市はそのまま文化庁に提出した。
こんな状態にもかかわらず設計委託料や木材購入などは文化庁の許可を得ないまま執行されており、市民から住民監査請求も出された。市議会はチェック機能を果たしていない。
 木造復元はちょっと立ち止まって、どうするか検証し合うことが必要だと考える。市民が一致して新しい名古屋城の将来像を築く時間が必要だ。
 現天守も50億円かければ耐震改修・長寿命化が図れるとのこと。エレベーターも最上階まで新設可能。みんなで考えやっていくことが求められると思う。」と述べました。

千田教授「文化庁の定める手順をふまえないと1ミリも進まない」
19/7/20に開催された「第88回名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名を復活する有志の会」主催の学習会で、石垣部会の千田教授が「名古屋城の石垣とバリアフリーについて、課題と展望」と題して講演しました。
 「報道では、『名古屋城天守閣木造化が計画通りに進まないのは石垣部会が悪い』かのようにされている。しかし、石垣部会は木造天守に反対では決してない。
名古屋城ほど資料が豊富で厳密に復元可能な天守はない。しかし、いろんな条件をクリアしないといけない。
 史跡の国宝と言える「特別史跡」では、専門家を交えて文化庁が指導・了承して策定された「保存活用計画」をあらかじめ策定する、というのが文化庁が定めたルールだ。
 短期・中期・長期的に計画を策定し、保存活用計画に書かれているものは復元でき、書かれていないものはできない。
 松代城はそれほど大きな建物ではない堀・櫓を復元したが、手順に従って文化庁が許可し復元が終わるまで10年はかかった。それが標準であり、短くするのは困難。
 名古屋城は何が進まないかといえば、名古屋市が手順を踏んでいないから。「保存活用計画」を書き直さずに天守木造建設を市が決定し、文化庁の許諾なしに復元設計を開始した。
 しかも竹中工務店が出してきた基礎構造案は、文化庁から秒殺された。本物の石垣を解体・遺構を破壊してコンクリートの「跳ね出し架構」を設置することは、史跡整備の原則から大きく逸脱し、文化庁の許可が得られる可能性は皆無。
 ここまでくるのに軌道修正することは出来たはず。名古屋市は、現天守解体のため設置する構台の下の石垣は1個も調査していない。今後、文化財としての石垣調査予定日は0日。法に則って、ルールにしたがわないと、100年たっても無理だ。」
 どうすれば木造天守が復元出来るか、という質問に対し、千田教授は「文化庁調査官に入ってもらって、整備検討計画を直し、『現天守閣は文化財に相当する』を覆すような作文ができれば8割は山を越える。しかしそれができるか私にはわからない。」としました。
 
天守閣部会員「これは天守閣復元プロジェクト。石垣研究プロジェクトではない」
一方、19/4/25に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第18回)が開催されました。
 古阪秀三・立命館大学客員教授は「結局石垣調査は、名古屋市がするのか石垣部会か、外部に委託するのか。2年間やっているが進まない。技術的な内容はあきらかにならない。これだと決着がつかない。専門家をいれてやるべきだと思う。
 そもそも、これは天守閣を復元するプロジェクトであって、石垣を研究するプロジェクトではない。どこまででとめるのか。本当の専門家がいない状況でやろうとしている。濃尾地震の影響もわかっていないし、熊本地震があり、東南海・南海地震も想定されている。現在は愚の骨頂。天守閣部会の技術の皆さんが調査に行かれればいい。」としました。

名古屋市 別途埋蔵文化財部会を立ち上げる方針示す
 19/8/5石垣部会で名古屋市は御深井丸の地下遺構や内堀底について、別途埋蔵文化財部会を立ち上げてそこで検討したいと発表しました。
 千田教授は「石垣の取り合いのところについて、さらに埋蔵文化財部会と石垣部会との調整が複雑になるので、『埋蔵文化財・石垣部会』を合わせてやらないとだめだ」としました。

名古屋市6月補正予算3.2億円木材保管庫提案 解体予算約20億円は提案せず
名古屋市は19/6/7に6月補正予算案を令和元年6月定例会に提出すると発表しました。その中で、天守閣木造復元の木材保管庫設置工事として400万円(債務負担行為 3億1300万円)を提案しました。
 説明としては、「柱、梁、土台に使用する主架構木材等を保管・加工するための施設を特別史跡外に設置」とあります。
 一方、6月議会に提出予定であった、解体工事予算約20億円は今回は見送りました。

中日新聞社説「『まず解体』は乱暴だ」
 19/6/12の中日新聞が社説で「名古屋城の復元『まず解体』は乱暴だ」と主張しました。
 名古屋城天守閣木造復元をめぐる現状がまとまっており、河村市長の「復元許可が出ていなくても解体に着手する」という乱暴なやり方を批判しています。

市議会猛反発で木材保管庫予算提案取り下げ
19/6/19名古屋市会本会議個人質疑において、自由民主党の浅井正仁市議は名古屋城天守閣木造復元許可がでるかどうかわからない現段階で現天守解体先行をすると、城が建てられないリスクがあるとして、2022年12月完成に固執する河村たかし名古屋市長に対して「一度立ち止まるべき時期が来たと思う」と述べました。
 その後19/6/24に名古屋市議会経済水道委員会が開催され、19/6/21に文化庁文化審議会から現名古屋城天守閣先行解体の現状変更許可がでなかったことについて、かつて無いほど活発な質疑がなされました。
 しかし、この期に及んでも河村市長は「2022年12月竣工はあきらめていない」とコメントを発表しました。
 浅井正仁市議は、「これまでは2022年12月までに木造天守閣を作る予定だった。それが延びるならそれまでに木材を調達する必要があるのか」と聞いたところ、市は「貴重な木材2323本を使う予定。竹中工務店とは昨年度末ですでに725本調達する契約を結び金も支払った。すべて貴重な木材。2020年6月に保管期限が切れるので、それ以降保管場所を確保する必要がある」と答えました。
 浅井市議は「竹中工務店は『復元の現状変更許可がでる見通しがなければ、工期変更の協議はできない』と言っていたが」と聞いたところ、市は「予定通りにいかないことが判明したので、竹中工務店には報告した。そういう状況であれば協議に応じる」としました。
浅井市議は「仮定の話が事実になった。石垣保全方針を示して欲しい。竹中工務店と工期について協議して示して欲しい」としました。
 浅井市議は「工期が延びれば、名城公園にずっと保管庫を置いておくのか。そもそも工期の話しをするのが間違い。石垣保全方針を出せと文化庁は言っている。まだわからないのか」としました。
19/6/26名古屋市議会経済水道委員会で、浅井市議は「これまで各会派は要望や附帯決議を付けてきたが、全て無視して木材を買ってしまった。今年も17億円で木材を買うのか」と問い、名古屋市は「早急に明確なスケジュールを詰めたい」と述べるにとどまりました。
 渡辺義郎(自民・北区)市議も「今後10年も20年も名城公園の広場が使えなくなるのは地元として困る。暫時休憩して、一度検討して欲しい」としたところ、松雄局長は「局長として、議会の議論を市長に伝え、予算取り下げができないか進言したい」としました。
 その後議会が再開され、市長はコメントを出し、木材保管庫予算の取り下げ手続きに入りました。

自民市議「文化庁から『2022年12月はダメだと言われた』と書いてあると側聞した」
19/6/26市議会経済委員会の中で、市議が要求した名古屋市と文化庁のやりとりが公開されましたが、内容はほぼ非公開でした。  渡辺義郎市議は「これは個人情報ではない。黒塗りの中には、『文化庁から2022年12月はダメだ』と言われたとはっきり書いてあると側聞した。だから出せないのではないか」としましたが、名古屋市は「情報公開条例に基づき、今は出せない」としたため、暫時休憩して公開を求めましたが、暫時休憩後も名古屋市は公開しませんでした。

実施設計変更契約で、エレベーター設計取りやめが判明
 実施設計業務委託契約書と変更契約書が19/5/9に開示され、実施設計でエレベーター設計を取りやめたことがわかりました。
 当初の竹中工務店の提案では、小型エレベーターを設置するとありました。しかし、河村たかし名古屋市長は18/5/30に「今後復元する名古屋城木造天守閣にエレベーターを設置しない」と正式に表明しました
 しかしながら、新築の建造物がバリアフリー対応ではないのはおかしいとして、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は19/2/25に約14000筆の署名を名古屋市に提出しました。「障害者権利条約」「障害者差別解消法」「愛知県障害者差別解消推進条例」等に反していると主張しています。
 エレベーターがない実施設計で、文化庁、消防庁、名古屋市建築審査会、名古屋市消防局、日本建築センターの各種許可が下りるのかどうか不明です。
 
シンポ「名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」に50人
 19/6/22に 「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が主催した「〜名古屋城バリアフリーの行方〜 名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」があり、50人が参加しました。
前日6/21に名古屋市が「文化審議会で議題とならず」と発表したため大変盛り上がりました。
 石垣部会の赤羽一郎氏の講演の後、名古屋市民オンブズマンの内田隆が、現在の情報公開の現状、情報公開訴訟の取り組みを報告いたしました。
櫻井義也弁護士は、19/1/7に日弁連に対し人権救済申し立てを行ったと説明しました。

安倍首相「大阪城エレベーターはミス」スピーチに全世界から批判
 19/6/28安倍晋三首相がG20の夕食会のスピーチで「大阪城にエレベーターをつけたのは大きなミス」と発言した件で全世界から批判されています。
 安倍首相の発言の真意は不明ですが、全世界が注目するG20で大阪城エレベーター設置を「大きなミス」と発言したことで、日本のバリアフリーの後進性が全世界に発信されました。2020年にオリンピック・パラリンピックを控えている国の総理の言葉とは思えない、という感想が相次ぎました。

障害者団体 大村知事に条例に基づき助言・あっせん等申立
19/7/5に「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は大村秀章愛知県知事に対し、「名古屋城木造復元事業に対し、愛知県障害者差別解消推進条例に基づく知事による助言・あっせん等の救済申し立て」書を愛知県知事公舎で手渡ししました。
 昨年度、愛知県障害者差別解消推進条例が改正され、これまで助言あっせん等の対象でなかった行政機関等、国、独法、市町村も対象になりました。今回、同委員会は改正条例に基づき救済申し立てを行いました。
 知事は19/6/28 G20大阪サミット夕食会における安倍首相の「大阪城天守閣にエレベーターを付けたのは大きなミス」発言は不適切で取り消された方がよいと、19/7/2定例記者会見で述べています。今回もそのように述べるとともに「救済申し立てはしっかり受け止めさせていただいて、関係部局においてしっかり精査をし適切に対応していきたい」と述べました。
 
昇降機技術公募に関する審査基準作成ワークショップ 参加は6人
名古屋市は19/8/20.21に、「名古屋城木造天守閣の昇降新技術公募に関する審査基準作成のワークショップ」を開催しました。
 審査基準について障害者団体からご意見を頂くことを目的としましたが、声をかけたのが、12団体で構成する「名古屋障害者団体連絡会」だけで、しかも障害者団体連絡会としては自由参加であり、連絡会に加盟していない人も参加可能とは言うものの、名古屋市は広く広報しなかったため、2日間で6名の参加に留まりました。

大村知事「現状では文化庁は全く動かない。木材等約100億円契約は全損になるおそれ」
19/6/21の文化審議会で議題にならなかったことが判明したあとの19/6/24、大村知事定例記者会見で、名古屋城木造復元について以下述べました。
 「文化審議会に当面かかる予定はないと聞いた。当初から木造化は難しい、無理と聞いている。石垣の調査、計画ができていない。名古屋市も本当のことを言ったらどうか
 文化庁から許可が下りていない段階で調達した木材94億円と設計費等々で100億円以上が全損になるおそれがある。市議会には例えば百条委員会をやるなどして事実解明をしっかりやっていただきたい。取材されたマスコミの皆さんは知ってたんじゃないですか 河村市長の『できなかったら切腹』発言は典型的なパワハラだ。
 関係者が希望すれば、愛知県が障害者団体も含めて調整することはやぶさかではない」

河村市長「知事は愛知城を作るつもりじゃないか。知事は国王じゃない」
 上記大村知事発言に対し、河村市長は19/7/8に以下述べました。
 「文化庁は延ばすつもりはないとはっきり言っている。知事は愛知城なんか作るつもりじゃないか
。政令指定都市制度があるから名古屋を尊敬してもらいたい知事は国王じゃないエレベーターを付けることはバリアフリーとは真逆。名古屋城木造化は名古屋市民の夢。市長を解任せにゃいかん。目処が立たなくなったということではない。大村知事とは名古屋城の件で話ししていない。県が文化庁との間に入ることはない」

大村知事「河村さんこそ裸の王様にふさわしい」
 19/7/16大村知事の定例記者会見で、「(河村市長は)私に対して、何か上下関係だとか、上から目線だとか、国王だとか言われているので、そこまで言われれば、私は、河村さんには敬意を込めてですね、『河村さんこそね裸の王様にふさわしい』というふうに申し上げたい」と述べました。
 大村知事会見では、「河村市長はいつものように話しをすり替えている。市長の行為について指摘している。市長は『文化庁の許可を信じている』など、言葉尻を捕まえないようにぼやかして言っている。事実について答えるべき。
 確実に100億円近いかそれを超える損害が出る、その蓋然性が高まっている。それを私はわかっているので、見て見ぬふりはできないという思いで申し上げてる。なので事実関係を明らかにしてほしい。
 名古屋市の職員さんに申し上げたいけど、関係する人もそろそろ本当のこと言ってほしい。そうでないとその職員の皆さんも同じように責任を問われますよ。そりゃそうですよね。もし仮に事実と違うことを、彼らも言っていたということであれば、そりゃ責任問われることになりますよ。突然『100億円穴があいた、わははは』ではすまない。関係者には被害が損害が最少になるよう、最善の努力を尽くしてほしい。」としました。

基本設計住民訴訟 市は却下・棄却を求める
19/5/16に、「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」メンバーが原告の、名古屋城木造天守復元事業の基本設計費用8億4693万6千円の返還、実施設計契約の取消し・無効確認、本件事業の停止を求める住民訴訟の第1回口頭弁論が名古屋地裁1102号法廷(民事9部)で行われました。原告・支援者で傍聴席はほぼ満員でした。
 裁判長は、「訴状を拝見すると、『契約約款に記載されているとおりに基本設計ができていない』、という主張しか聞こえて来なかった。住民訴訟は『法律の何条に違反する』という主張が必要なので、事業が何らかの形で違法なら、何法何条違反なのか次回までに主張して欲しい」といいました。
 19/7/3第2回弁論で論点が明確になりました。
原告の主張(1)建築基準法適用除外が受けられていない。建築基準法第3条の適用除外を受けるには「建築審査会」の同意が必要だが、得られていない。違法建築である。
原告の主張(2)成果物を復元検討委員会に提出していない
原告の主張(3)基本計画ができていない以上、基本計画書もできていない。基本設計書もできていない。
原告の主張(4) 基本設計その他業務委託仕様書に作成を要求されている「基本計画書」が納品一覧に掲載されていない。
 原告は「基本計画は黒塗りだらけ500ページの資料なので見れていない」と説明したところ、名古屋市の代理人は「(基本計画のどこに不備があるのか)原告が特定しないと主張できない」としました。
 
市「仕様書記載を全部作る」とは書いていない
 19/10/9木造化基本設計住民訴訟弁論で、名古屋市は準備書面(2)で「当該方式における『要求水準書』の位置付けは,受注者が 履行すべき義務や満たすべき要件を具体的に定めたものではなく,あくまで受注者に対して実施を要求する業務の概要や必要最小限の業務の範囲, 契約や設計に係る条件,水準を一般的・抽象的に示したものに過ぎない。」としました。
 その上で「受注者は,本件事業の実施に当たって,要求水準書のうち,設計業務等に関して記載又は提案された事項に基づき実施されなければならないものである。」としました。
 名古屋市の代理人弁護士は「仕様書は『必要なものについて記述し』とあり、『全部作る』とは書いていない。裁量がある。必要のないものは記述されておらず、必要なものを記述した」としました。
 
原告「基本計画が出来ていない以上、基本設計ははじめられない」
19/12/5木造化基本設計住民訴訟弁論で、原告は「市は『申請書類』が納品物に含まれていると主張しているが、現状変更許可を求める申請のための書類は文化庁に提出されていないため受け入れられない」としました。
 また、「市は『実施設計業務委託契約における委託内容は、発注者である本市が決める』と主張しているが、外部的な制限、条件ヘの無理解が事業そのものを遅延させている」と主張しました。
 さらに、建築審査会の同意に先立つ建築指導課の協議すら存在せず、設計業務自体を完結することができない、と主張しています。
 「竹中工務店の技術提案・交渉方式の『技術提案書』では、『0フェーズ』の段階で『復元方針・基本計画』を取りまとめ、『復元検討委員会』に提出する。これらが整った段階で『基本設計・積算』となる。
 『基本計画』として文化庁、復元検討委員会に諮ることで、基本設計を開始できる」とし、基本計画が出来ていない以上、基本設計は開始できない、と主張しました。
 
浅井市議「はね出し工法で慶長期の史跡を壊すのは本末転倒ではないか」
 19/11/28名古屋市本会議で、浅井正仁市議は「観光文化交流局長が『石垣部会の皆さんと対話し、歴史的な合意をした』と印象を持ったようだが、具体的な内容は」と質問しました。
 特に、天守閣の基礎となるコンクリートを設置する「はね出し工法」というコンクリートを流し込む手法は、穴蔵石垣を撤去し、慶長期からある可能性が非常に高い根石や土といった遺構を壊しすことになり、本末転倒ではないか、と指摘しました。
また、これまではね出し工法について石垣部会から了承が得られていないが、石垣部会の先生と合意が出来たのか質問しました。

局長「基礎構造は、文化庁から『穴蔵石垣に遺構が残っている可能性を前提に検討する』よう言われている」
松雄観光文化交流局長は、工法については、文化庁からの指摘事項について、今後情報提供をしながら一つ一つ丁寧に石垣部会のご助言を受けながら進めていくことを確認したとしました。
 市長と石垣部会構成員が直接話し合い、お互いの考えを確認出来て大変有意義だったと感じているとしました。
 石垣調査と保全方針策定期間については、まず石垣カルテを整理すること、調査結果を整理分析が必要と意見を頂いたとしました。
 また、はね出し工法について、石垣の一部の毀損を前提としている基礎構造は認められないと、当初から指摘しているという意見も頂いたとしました。
 また、「基礎構造について、文化庁から穴蔵石垣に遺構が残っている可能性を前提に検討するようご助言を頂いている。できるだけ早く全体整備検討会議や石垣部会にご相談をし、ご意見を頂戴したい」としました。

千田教授「はね出し工法について、今は結論を出せない」
19/11/28に、中村文化小劇場にて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
 会場には、石垣部会の千田教授も個人で来ており、舞台上で挨拶しました。
 説明会終了後、河村市長と千田教授の共同ぶら下がり会見がありました。
 千田教授は「いろいろまあ、相違がなかったわけではありませんけれども、現在は、石垣をしっかり調査をしてそれを保全をしっかりしながら整備を考えていこうというところは完全に一致しておりますので、石垣部会も前向きにしっかり議論に加わって調査をし、必要な保全の措置をとっていけるようにしていきたい考えている」と述べました。
 記者からはね出し工法について聞かれ、「今は結論を出せない。基礎的な調査に基づいて、しっかりと学術的な議論をする中で、今の大天守・小天守の石垣がどのような学術的な価値を持っているかを評価することになる。どの程度痛んでいるかも評価を下すことになる。
 その結果次第で、穴蔵階の解体修理が必要となるのか、そうでないかがはっきりしてくる。
 特別史跡や史跡の整備の基本原則は、本質的な価値を持ってるものを壊して何か作ることは原則として認められない。
 はね出し工法が成り立つのか。難しいということになってくるのか。それも明らかになってくる」としました。

河村市長「石垣部会と完全に一致した」と述べるのみ
 一方、河村市長は「石垣部会と完全に一致した」と述べるだけで、印象操作を行っているとしか思えません。
 
石垣部会「対立とか関係修復って言い出したのはあなたたちです」
 19/12/27開催された石垣部会後の記者会見で、記者から「19/11/4に市長との対談で、和解というかある程度合意、関係修復がなされたと言われてきたが、今日を終えてどう思うか」と質問がありました。
 宮武正登・佐賀大学教授は「対立とか関係修復って言い出したのはあなたたちです。部会で対立しているなんてことは一言も言ったことがありますか。和解とか。ないですよ。
 我々石垣部会は、当初から一貫して木造天守であろうと、鉄筋コンクリートの天守を残そうと、現状有ろうと、どんな選択肢であっても天守台に負担があるかどうか、特別史跡を構成している石垣の健康度、維持というものが現実どうなのかという調査が必要だということを繰り返してる。
 今回、その指導に基づいて、やはり名古屋市さんはもうやり方をもう1回考え直して、クリアしなければならないハードルを一つ一つ済ませていきますよというご発言を市長さんはされた。
 そのように対立から和解というような図式で書かれると経過をご存じない、県民市民国民の方々は、いろんなストーリーを考えてしまう、ミスリードをしていただいては困るんです。誤解の無いように。木造天守が賛成反対も一度も部会でも議論をしてませんし、言ってないです。」としました。
 赤羽構成員は「今日の話し合いについては、やはり石垣ファーストというふうに度々市長はじめおっしゃってることから言えば、まだまだ不十分である。とにかく具体性のない提案だったというふうに私は考えてます。」と述べました

竹中工務店「石垣部会と目線合わせをしたい」
 19/11/29に開催された名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会で、竹中工務店は、はね出し工法について「今後石垣部会の先生とじっくり協議させていただきながら、石垣の保全に向けてどういった目線合わせをしていくかというところを協議を進めていきたい」と述べるに留まりました。

竹中「はね出し工法は500年持つコンクリートを使用する予定」
 19/12/2に開催された市民向け説明会で、名古屋市民オンブズマンの内田隆が、奈良の平城京大極殿復原に竹中工務店が使った「500年持つコンクリート」というのは、この木造復元の天守閣の基礎構造(はね出し工法)でも使うご予定かと質問したところ、使用する予定とのこと。
 続いて、「仮に上記500年コンクリートを使って現天守閣を長寿命化させることは可能か」と質問したところ、竹中工務店は「耐震の専門ではないのでわからないが、耐震補強要素だけ500年持たせても、残っているコンクリートの性能は評価に値しない。」と述べるにとどまり、長寿命化については、耐震補強要素だけの長寿命化のみを言うだけで、全体の長寿命化については何も答えませんでした。

「市長が『金が余っている』というなら、どうして給食費を600円値上げするのか」
19/12/5に開催された市民向け説明会で、会場から「市長は毎回『世間には金が余っている』と言っているが、そうであればどうして今日の報道『給食費を月額600円値上げ』するのか?」と質問がありました。
河村市長は「お金がないないということで、嘘なんですよ。お金をちゃんと使って投資してちゃんと都市の力というか経済の力を保つことが福祉を強くするということになる」と述べるだけで、きちんと回答しませんでした。

埋蔵文化財部会は撤回、石垣部会で御深井丸調査を決定
20/2/1に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第29回)が開催され、名古屋城の御深井丸 埋蔵文化財を石垣部会で検討することを決定しました。
 名古屋城現天守を解体する際、外堀の北から仮設の桟橋をかけ、内堀に仮設構台を作る予定です。しかし、桟橋の足場とされる御深井丸には、石垣がありますし、地下遺構がある可能性もあります。
 名古屋市は「現天守閣解体に伴う仮設物設置にあたり、御深井丸の地下遺構を把握するための発掘調査等を行う必要があるが、御深井丸の埋蔵文化財は、石垣と地盤のつながりがあるため、切り離して議論ができないとして、石垣部会で検討することが提案されました。さらに石垣部会に地盤工学の専門家(西形先生)を加えることも提案されました。
 今回文化庁が御深井丸埋蔵文化財発掘方針にお墨付きをつけたことで、さらに調査に時間がかかることが確定しました。
 
現天守閣解体まで何年かかるのか 
 現天守解体までに、天守台石垣、内堀、御深井丸、穴蔵石垣の発掘調査の詳細を決め、文化庁の現状変更許可を取り、発掘をして、さらに評価をした後に、保全方針を決め、必要なら保全した上で、現天守解体のための仮設物設置が埋蔵文化財や石垣にどのような影響を与えるかを検討する必要があります。
 石垣部会は「石垣については、木造天守が建つ、建たないに関わりなく、石垣をまず調査した後、保全をする必要がある」としています。
 上記調査・検討をすべて終了したのちに、ようやく現天守閣解体に移ることが可能になります。
 しかも、文化庁は現天守閣解体だけでなく、木造復元も一体として審議する方針にすべきといっており、名古屋市もその方針に変更しました。
 木造復元には、バリアフリーの問題だけでなく、消防、耐震の問題をクリアした後、建築審査会の同意を得て建築基準法の適用除外を受けることが可能になります。
 これらをすべてクリアするにはあと何年かかるのでしょうか。
 しかし木材は多く購入しており、保管費用だけで毎年年間1億円かかるといいます。

2020年度予算案にいきなり木材保管費1億円計上
 名古屋市は、20/2/12に2020年度当初予算案を発表しました。http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-17-1-8-2-0-0-0.html
 「天守閣の整備」2億4507万4千円は、「令和2年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」では全く記載がありませんでした。
 これは「予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例」の趣旨に明らかに反します。
そのうち、主架構木材の保管費1億円ですが、「柱や梁などの主架構木材の保管費 令和2年度」としか記載がありません。
 木造復元のめどがたっていない現在、あと何年保管費を払えばよいのかまったくわかりません。
 また、木造で復元階段の模型を展示した「ステップなごや」ならびに名古屋農林総合庁舎第1号館・第2号館(国)、独立行政法人水資源機構中部支社がある場所に「尾張名古屋歴史博物館(仮称)」を計画している件で、名古屋市は2800万円を「金シャチ横丁第二期整備」として予算要求していましたが、財政局案で0円計上となりました。しかし市長が2000万を復活させました。

「穴蔵石垣の試掘」はどんな名目なのか
 さらに、発掘調査等の中に、「穴蔵石垣の試掘」とあります。
19/8/5石垣部会での村木副所長と石垣部会の千田教授とのやりとり(前述)はっきりと名目を文化庁に示し、文化庁の現状変更許可を取ってから、各部会で議論をすることになるのではないでしょうか。

「昇降新技術公募」に約1億3000万円
 また、昇降に関する新技術の公募に1億3168万9千円計上していますが、エレベーター設置を認めない名古屋市の姿勢に対し、障害者団体は反発し続けています。名古屋市は、復元のめどが建っていないにもかかわらず、2020年3月中に昇降機技術公募をはじめる姿勢を崩していません。
 市議会でどのような議論になるのか注目したいです。

「名古屋市と文化庁のやりとり」公開が重要な意味を持つ
ますます混迷する名古屋城天守閣木造化事業。
仮に渡辺市議が言うように、文化庁から「2022年12月までの復元は無理」と当初から言われていたにもかかわらず、木材の製材契約94億5540万円をその後も支出していたのであれば、名古屋市政130年始まって以来最大の不祥事となります。
(2019年7月末現在 基本設計8億4693万6000円全額支払い済み。実施設計15億6182万1480円のうち5億9400万円支出済。木材の製材94億5540万円のうち21億9600万円支出済。)
 いったいどのような木造名古屋城になるのか、そもそも木造復元が可能なのか、市民は誰一人として知らされないまま、いまだに名古屋市は強引に事業を進めようとしています。
 名古屋市民オンブズマンとして、情報公開に留まらずどのように追及するのか今から具体的に検討したいです。

20/2/12 2020年度名古屋市当初予算案 いきなり名古屋城木材保管費1億円計上

20/2/12に、名古屋市令和2年度当初予算が公表されました。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-17-1-8-2-0-0-0.html

その中で、名古屋城天守閣の整備として、以下の金額が計上されていました。

名古屋城天守閣の木造復元 6億7740万9千円
 天守閣の整備      2億4507万4千円
  実施設計         8900万  円
  設計監理等支援業務委託  1300万  円
  主架構木材の保管費  1億     円
  発掘調査等        4307万4千円
 昇降に関する新技術の公募1億3168万9千円
 木造復元に向けた機運醸成  2470万  円
 基金の積立       1億     円
 事務費等        1億7594万6千円 
 
天守閣閉館中の魅力向上事業1億4280万  円
石垣の基礎的研究普及事業   1000万  円
金シャチ横丁第二期整備    2000万 円
 
特に、「天守閣の整備」は、「令和2年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」では全く記載がありませんでした。
これは「予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例」の趣旨に明らかに反します。
「金シャチ横丁第二期整備」は、財政局案では0査定でしたが市長が復活させました。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000124302.html

主架構木材の保管費1億円ですが、「柱や梁などの主架構木材の保管費 令和2年度」としか記載がありません。
木造復元のめどがたっていない現在、あと何年保管費を払えばよいのかまったくわかりません。

さらに、発掘調査等の中に、「穴蔵石垣の試掘」とあります。
19/8/5石垣部会で名古屋市は名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センターの村木副所長は「天守台石垣の保存方針は、全てが天守閣整備のためではない。天守閣復元と切り離して考える」としながら、「現天守解体許可が出た場合、天守台石垣の保存方針を具体化し策定する」「この目的は天守のために穴蔵を復元するためです」と発言したため、石垣部会の千田教授は 千田教授は「穴蔵調査は木造天守閣が耐えられるか調査するために必要。でも文化庁に別のうその理由で発掘調査を申請するのは認められない。
名古屋市の方針はわかるが、文化庁の現状変更許可を取ってから、大いに議論をする」としました。

また、昇降に関する新技術の公募に1億3168万9千円計上していますが、エレベーター設置を認めない名古屋市の姿勢に対し、障害者団体は反発し続けています。

市議会でどのような議論になるのか注目したいです。

20/2/6 名古屋城情報公開訴訟 名古屋市「未確定情報と記載していても、既定路線と受け取られるおそれ」

名古屋城木造化をめぐり、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等の情報を非公開にしたのはおかしいとして、名古屋市民オンブズマンが公開を求めた情報公開訴訟の第5回弁論が20/2/6に名古屋地裁1102号法廷で行われました。

非公開文書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200203-1.pdf
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf   
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-3-1.pdf
 
名古屋市は著名人の情報部分だけ公開してきましたが、現時点で67カ所がいまだに非公開です。
それぞれについて、名古屋市は情報公開条例のどの条文で非公開にするのか、情報の概括的内容、性質、弊害の具体的内容を一覧表にし、原告がそれぞれ反論しています。

今回は、情報公開条例7条1項4号について議論になりました。

・4号Aの弊害 4号Aにより非公開とした情報が公開されると,議論・検討の意見交換に加わる文化庁と名古屋市の職員が,いわれなき非難を避けようとしたり,各々の立場等に拘束されたりすることで,多様かつ自由な意見が現れなくなり,円滑な議論・検討が損なわれ、率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれがある。
・4号Bの弊害 4号Bにより非公開とした情報が公開されると,確定していない中間的な議論・検討の段階において,外部からの干渉,圧力等を受けることにより,意思決定の中立性が不当に損なわれ,適切な意思決定ができなくなるおそれがある。
・4号Cの弊害 4号Cにより非公開とした情報が公開されると,現時点では未確定の段階の情報が,市民の間で認知されることで,意思決定されていない未確定な情報が,確定したものとして誤解され、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがある。

原告の名古屋市民オンブズマンの新海聡弁護士は以下主張しました。
(1)中間的な検討・意見交換の内容であり、「未確定の情報」であることは明らか。未確定な情報が確定したものと誤解される可能性すらない。
(2)「仕事」なので、意見交換の内容が公開されても、文化庁職員が名古屋市長に意見を言えなくなったり、名古屋市長が文化庁職員に意見を言えなくなる理由はない。
 
被告の名古屋市代理人弁護士は4号Cについて以下主張しました。
(1)未確定な情報が公開されると、未確定な情報が確定したものと誤解され、不当に市民の間に混乱を生じさせる。
(2)未だ解決すべき課題等があり、議論の途上である内容であるにも関わらず、未確定な情報が殊更曲解・糾弾され、市民の間に混乱が生じる懸念がある。

裁判官は、名古屋市の主張について、「未確定と文書に記載していれば、それが出回っても未確定ではないか」と質問しましたが、市は「未確定と記載されていても、ほぼ既定路線と受け止められることがある」としました。
裁判官は「文書に未確定と記載している場合と、文書に未確定と記載していても文書を離れて確定と取られる場合は、議論のテーマが違う」としました。
新海弁護士は「この部分は『確定』と読める部分、この部分は『確定』だが使い道次第、と分類できるのでは」、としました。
市は「解釈によっては確定しているのではないかとする人がいる。私の理解では、例えば柱が約1000本必要だとする未確定な情報が記載されていた場合、『少なくとも800本は必要だ』という推測は成立するのでは」としました。

また、新海弁護士は「過去の判例だと、評価の部分と事実関係の部分に分けて判断したことがある。それぞれおそれの立証が足りないのではないか」としました。
裁判所も「市の主張について、本数などの数字なら主張がわかったが、それ以外について、情報の種類や性質について、主張を補充するのかどうか。」としました。

さらに、文化庁と石垣部会のやり取りについて、市は「やりとりの個人の氏名と発言を公開すると、やり取りを部分的にとらえ、反対の立場を後押ししたり、推進側が有利になったりする。審議委員はけしからんと個人攻撃がされ、表だって意見をいうことがなくなるおそれがある」としました。
新海弁護士は「今回、文化庁から名古屋市が呼ばれて話しをしに行っている。たくさん発言があるわけではなく、テープ起こしを公開するわけでもない。だれが発言したかわからない」としました。
市は「それは認識が全然違う」としました。

また、関連チェックリストについて、市は「建築基準法、消防法について、それぞれの条文ごとに、『復元の手続に関わる項目』、『建築基準法の適用除外が認められない場合に関わる項目』、「復元天守が適合しない項目(防火・避難)』、『復元天守が適合しない項目(その他)』に色分けしてある。
さらに、それぞれの条文ごとに『今回の建物に考えられる条件』、『必要処置』、『備考』を記載してある。
今回、条文については、色塗りを外した形で書証として提出した。『条件』等は引き続き黒塗りにした。」としました。
(元資料 471ページ〜474ページ)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf

その他、名古屋市は情報公開条例7条1項2号(ノウハウ等)、3号(公共の安全と秩序の維持)についても主張しました。

今後、市は4号関係の主張をし、原告側は2号3号の反論を行うことになりました。

次回は20/5/20(水)13:30- 名古屋地裁1102号法廷で行います。

名古屋城石垣部会の議事録 半年たっても「ちょうせい中」

20/2/5に名古屋城総合事務所に電話して、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会の議事録で、完成しているものを情報提供してもらいました。
・19/3/25 石垣部会(第30回)議事録
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190325-8.pdf
・19/5/28 石垣部会(第31回)議事録
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190528-3.pdf

しかし、19/8/5に開催された石垣部会(第32回)ならびに19/12/27に開催された石垣部会(第33回)の議事録は「ちょうせい中」とのことで、情報提供できないとのこと。

19/8/5は6ヶ月前で、しかも逐語の議事録です。市民も傍聴しており、どこを「ちょうせい」するのかと聞いたところ、「現在ちょうせい中なのでもうしばらくお待ちを。現時点で情報公開請求しても不存在になる。」と繰り返すのみ。

19/8/5より後に開催された、19/10/24第3回特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議の議事録は情報提供されています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191024-2.pdf

「ちょうせい中」とは、「調製中」なのか「調整中」なのかわかりませんが、とにかく遅いです。
しかも、市民に情報提供するくらいであれば、名古屋市の公式webページに議事録や資料をアップすればよいのに、それもしません。
傍聴者に録音・録画を許可していれば、傍聴者が逐語議事録を作成することも可能ですが、許可していないため出来ません。
「市民のご理解を得る」にははるかに遠い状況です。

--------
なお、19/12/26開催の第21回天守閣部会 議事録は2月中に完成予定とのこと。
2019/11-12に開催された名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会の議事録は、今月中に名古屋市の公式webにアップしたいと言っていました。

20/2/3 河村市長文化庁時訪問議事要旨 裁判途中で著名人氏名が一部開示される

名古屋城木造化をめぐり、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等の情報を非公開にしたのはおかしいとして、名古屋市民オンブズマンが公開を求めた情報公開訴訟を起こしていますが、名古屋市は20/2/3に非公開処分を一部取消し、復命書に記載されていた著名人の氏名が一部開示されました。

・当初決定(18/8/30)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180903-1.pdf
・変更決定(19/5/31)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-1-1.pdf
・再度変更決定(20/2/3)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200203.pdf
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200203-1.pdf

名古屋市は、これまで裁判で「本箇所には『個人的な見解を述べた人物が特定される内容』について記載されており、そのような情報が公開されると、人物が特定される(文化庁との打合せで、市長が個人名を述べたうえで、『これだけ資料が豊富な復元は世界に例がない。世界にアピールすることが必要だ』と、同人の発言を引用する発言をしたため。)。」非公開としてきました。

名古屋市民オンブズマン側は「市長の意図を強調する目的で発言者名を市長が発したことに鑑みれば、発言者は発言を聞いた相手方も認識できる、いわゆる著名人であることがうかがえる。これに加えて、市長が発言を引用したことは発言者にとって、社会通念上1号該当性の要件である『通常人に知られたくない情報』には該当しない。」として、非公開の取消しを求めてきました。

今回、名古屋市は公開範囲を追加する理由として「発言をした本人への確認等を行い再度検討した結果、現時点では弊害が存在しないと判断したため。」としました。

いったい、当初決定時、変更決定時に「公開をすると弊害が存在する」ことなどあったのでしょうか。

名古屋市情報公開条例は、原則公開を掲げています。
http://www.city.nagoya.jp/shiminkeizai/page/0000001423.html
名古屋市は、とりあえず非公開にし、裁判があると真剣に検討して、どうしても弁明できない部分については公開する、という姿勢を取っているようにしか思えません。

2020/2/6(木)13時30分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論は名古屋地裁1102号法廷で行われます。ぜひ傍聴に来て下さい。
------
なお、本件開示で判明した「西川流の家元」とは誰を指すのか不明ですが、2015/2/28に「名古屋の旧町名の復活を目指す有志の会」が主催した学習会に、西川流家元 西川千雅氏が「本重町から住吉町まで、尾張名古屋のお稽古事情」と題して講演をしています。
http://www.fukkatu-nagoya.com/reikai/vol36.html
https://www.youtube.com/watch?v=RdWVoDYtdBE&feature=youtu.be
・日本舞踊西川流四世家元 西川 千雅
 https://www.nishikawa-ryu.com/千雅.html

映画「本物の名古屋城を世界遺産にしよう!」にも出演しているようです。
http://www.fukkatu-nagoya.com/nagoyajo.html

名古屋城関係では、大盆踊り大会や金シャチ横丁でのイベント、本丸御殿完成記念イベントや「しゃちほこチャレンジ」をされています。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event_old/summer/stage/
https://www.nagoya-info.jp/event/center/post_493.html
https://meieki.keizai.biz/headline/2603/
http://yamaguchi-koji.com/schedule/20180607_news/
https://twitter.com/wodeeri

そもそも、踊りの家元が「これだけ資料が豊富な復元は世界に例がない」と発言したと、市長が文化庁に伝えたことを、市民はどう思うのでしょうか。
これを必死に隠してきたのが名古屋市の姿勢です。


20/2/1 名古屋城御深井丸 埋蔵文化財を石垣部会で検討することを決定

20/2/1に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第29回)が開催され、名古屋城の御深井丸 埋蔵文化財を石垣部会で検討することを決定しました。

・20/2/1 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第29回)配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200201.pdf

・20/2/1 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第29回)
 名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200201-1.pdf
 
名古屋城現天守を解体する際、堀の北から仮設の桟橋をかけ、内堀に仮設構台を作る予定です。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190805.pdf

しかし、桟橋の足場とされる御深井丸には、石垣がありますし、地下遺構がある可能性もあります。
特別史跡名古屋城の内部で仮設物を設置する際は、通常事前に文化財発掘調査をする必要があります。
19/8/5石垣部会で、名古屋市は「あらたに埋蔵物部会を設置する」方針を突然発表し、石垣部会からの反発を受けました
19/12/27石垣部会では、「全体整備検討会議で権限を整理する」として埋蔵物部会設置方針を撤回しました。

本日20/2/1全体整備検討会議では、名古屋市は「現天守閣解体に伴う仮設物設置にあたり、御深井丸の地下遺構を把握するための発掘調査等を行う必要があるが、御深井丸の埋蔵文化財は、石垣と地盤のつながりがあるため、切り離して議論ができないとして、石垣部会で検討することが提案されました。
さらに石垣部会に地盤工学の専門家(西形先生)を加えることも提案されました。

麓和善・名古屋工業大学大学院教授は「発掘調査区を設定する範囲の右側は、天守の礎石を設置しているが、どういう発掘調査を予定しているか」と質問し、名古屋城調査研究センターの村木誠副所長は「礎石は保護し、礎石がないところで地盤や地下の状況を探る予定」としました。

高瀬要一・公益財団法人琴之浦温泉荘園代表理事は「設置するという仮設物の資料がないのでわからない」とし、村木副所長は「堀の外側から桟橋を設置する予定。図面が提示できず申し訳ない」としました。

次に、名古屋城重要文化財等展示収蔵施設(仮称)について報告がありました。
2020年秋頃、旧本丸御殿障壁画及び、昭和実測図、ガラス乾板、離宮期資料等の文化的価値が高い収蔵品を展示する予定とのこと。

赤羽一郎・前名古屋市文化財調査委員会委員長は「現在の閉館中の天守で展示されている中身はどういう形で継承されるのか?この収蔵施設(仮称)だけで終わるわけではないですよねよね」と質問したものの、名古屋城総合事務所の堀田俊幸保存整備室長は「交流ホールでは手狭ではないかという質問と承ったが、重要文化財、障壁画は展示室で展示をする」と、きちんと質問に答えませんでした。

最後に、オブザーバーの山下信一郎・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は「御深井丸の検討体制についてご審議いただいた。これを踏まえて、仮設物設置にあたっては現況把握を石垣部会でお願いしたい」としました。

------
今回の全体整備検討会議では、2022年12月を断念した木造復元の完成期限について、新たな提案はありませんでした。
また、今回話題となった収蔵施設(仮称)とは別に、金シャチ横丁(義直ゾーン)の南に建設を予定しようとしているらしい、名古屋城歴史博物館構想についてもまったく触れられませんでした。

全体整備検討会議をわざわざ土曜日に行ったにもかかわらず、40分で終了しました。
上記について、調整ができなかったのではないでしょうか。

さらに、今回文化庁が御深井丸埋蔵文化財発掘方針にお墨付きをつけたことで、さらに調査に時間がかかることが確定しました。

現天守解体までに、天守台石垣、内堀、御深井丸の発掘調査の詳細を決め、文化庁の現状変更許可を取り、発掘をして、さらに評価をした後に、仮設物設置が埋蔵文化財や石垣にどのような影響を与えるかを検討する必要があります。

石垣部会は「石垣については、木造天守が建つ、建たないに関わりなく、石垣をまず調査した後、保全をする必要がある」としています。
上記調査・検討をすべて終了したのちに、ようやく現天守閣解体に移ることが可能になります。
しかも、文化庁は現天守閣解体だけでなく、木造復元も一体として審議する方針にすべきといっており、名古屋市もその方針に変更しました。

木造復元には、バリアフリーの問題だけでなく、消防、耐震の問題をクリアした後、建築審査会の同意を得て建築基準法の適用除外を受けることが可能になります。

これらをすべてクリアするにはあと何年かかるのでしょうか。
しかし木材は多く購入しており、保管費用だけで毎年年間1億円かかるといいます。

今後、20/2/12に2020年度予算案(市長査定)が発表予定で、20/2/19から2月市議会がはじまります。
名古屋城木造復元はまったくめどがたっていません。
一方、市議会でまともな議論が果たしてできるのでしょうか。


名古屋市 名古屋農林総合庁舎跡地に「広域防災拠点」整備を国に要望

名古屋市が、ステップなごやと名古屋農林総合庁舎第1号館・第2号館(国)、独立行政法人水資源機構中部支社がある敷地に名古屋城歴史博物館を構想しているという件で、名古屋市に情報公開請求したところ、19/7/10に名古屋市長(担当:総務局総合調整部総合調整室)が中部地方整備局長に要望書を提出していたことが判明しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190710.pdf

名古屋城歴史博物館と「広域防災拠点」整備との関係がよく分かりませんが、国土交通省としては、「市長から基幹となる広域防災拠点の整備を求める名古屋市長からの要望有り」として、名古屋農林総合庁舎の移転計画を進めようとしています。

・令和元年8月 国土交通省官庁営繕部
 名古屋第4地方合同庁舎新規事業採択時評価資料
 https://www.mlit.go.jp/common/001302117.pdf
 ・災害時の一時避難場所としての機能を確保。
 ・東海農政局(名古屋農林総合庁舎)の早期移転、基幹となる広域防災拠点の整備を求める名古屋市長からの要望有り(令和元年7月)
 
20/1/10に名古屋市が発表した「令和2年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」では、金シャチ横丁第二期整備事業は0査定でした。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000124302.html
20/2/12発表予定の市長査定でどうなるか。
今後どうなっていくのかがを注目したいです。

第3回名古屋城バリアフリー検討会議 議事録入手

19/10/24に開催された第3回特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議の議事録が情報提供されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191024-2.pdf

・当日配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191024.pdf
 
議事録を読むと、各構成員が「障害者団体連絡会の団体全体の総意としての意見ではない」ことを確認しています。
また、ワークショップを12団体に呼びかけたがたった6人しか参加しなかったことが記載されています。

参考になれば幸いです。

20/1/25名古屋城バリアフリーシンポ 専門家「エレベーター以外は考えられないのでは?」

「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は、20/1/25にシンポジウム「名古屋城木造天守復元事業は一体どうなるの?〜名古屋城木造復元事業とバリアフリーの行方〜」を開催し、45名が参加しました。 
・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200125.pdf
・講演部分文字起こし
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200125-3.pdf
・パネルディスカッション部分文字起こし
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200125-4.pdf


講師の谷口元・名古屋大学名誉教授(元名古屋市建築審査会会長)は、以下述べました。
「木造名古屋城に関し、歴史的な捏造と言われないデザインを心がけるべき。
 文化庁関係者から『名古屋市は1分の1模型を作ろうとしているのか』と皮肉を言われた。
 文化財について、今は共有の財産で親しく利用、楽しむことができるようにすべきという考えになっている。
 木造名古屋城にして、『博物館名古屋城』の名を捨てるつもりなのか。耐火建築物でなければ展示収納は困難。
 また、世界中の研究者が次世代型移動媒体を研究しており、名古屋大学では年間数億円かけて10年間くらいやっている。国、企業、大学で金を出し合ってはじめてできることであり、短期間でできることはない。
 現時点では昇降はエレベーター以外は考えられないのではないか。
 木造天守の外部にエレベーターを付けることもあり得るのではないか」。

その後、パネルディスカッションになりました。
斎藤縣三・名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会共同代表は以下述べました。
「文化庁は3つポイントを指摘した。『石垣保存が大切』、『文化財保護とバリアフリーの価値の共存』、『戦後市民の力で復元された現天守閣解体の意味が欠落』。
 市長はうち1番目は2019年秋に改めるとしたが、2,3番目は全く姿勢を表明していない。
 名古屋市が2019年4月に策定した『障がい者基本計画』には、名古屋城について記載を要望したが、市長が認めないと計画が出来ないとして盛り込まれなかった。
 市長の一存で、バリアフリー計画がゆがめられている。
 現在の天守閣には23人乗りエレベーターが設置されており、水準を下げるのは考えられない。
 バリアフリーに関し、名古屋市にはハードだけでなくソフトもいっぱい問題があり、いろいろ向かっていかないといけない。名古屋城で立ち止まってはいけない。
 私見だが、はやくコンクリートの城を耐震工事をして、最上階までエレベーターを望む。
 木造復元を進める市長の独断で、多くのお金が使われている。放置されれば、一歩も進まないのに予算だけ使われるので、はやくやめさせなければならない」

森本章夫・名古屋城総合事務所主幹は以下述べました。
「2018年5月に『木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針』を定め、史実に忠実するためエレベーターを設置せず、可能な限り上層階まで昇ることができるよう目指し、現状よりも天守閣のすばらしさや眺望を楽しめることを保証するため新技術を開発するとした。これをバイブルとして努力している。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/mokuzoutenshu_fukasetsubi.pdf
私は2019年4月に新ポストが出来て着任したが、着任までは障害者団体との対話が少なかった。
2019年6月22日に当団体のシンポに名古屋市が呼ばれなかったが、テーブルに着かせていただき対話がしたいと足繁く通い、本日お招きいただいたと理解している。
これまで、障害者団体を代表する名古屋障害者団体連絡会で説明をし、その後審査基準について障害者団体とワークショップで協議した。
公募のスケジュール案は、全体工程が出ていない今日の段階で申し上げにくいが、公募は今年度内にはじめたい。
足かけ3年で最終審査し、ある程度の技術を選んでいきたい。」

東奈央弁護士(日弁連 人権擁護委員会 障害者差別法制に関する特別部会)は以下述べました。
「市長の個人的な趣味や歴史的考え方と、公共とは別である。普遍的な価値である、憲法で保障されている基本的人権や各種条約に基づいて、今回の名古屋城の件を見ると、憲法13条、14条、22条1項に抵触するおそれがある。
 今回の問題は、障害者団体だけの問題ではなく、高齢者やベビーカーの人にも関わる。
 大阪城は大阪人のシンボルであり、たくさんの観光客が訪れているが、安倍首相が『大阪城にエレベーターを付けたのは失敗だった』と発言して、多くの人がショックを受けた。
 個人の趣味を公の代表が振りかざして、人を傷つけないでほしい」
 
その後、パネリスト同士でディスカッションになりました。
谷口名誉教授は「公募するという新技術は、許認可が必要。実用化の期間がいつになるのか。
また、階段の蹴上げが23.5センチというのは公共施設ではありえない。また、角度が47度というのは建築基準法違反だし、角度が途中で変わり、直通の避難階段にならない。
史実に忠実だと建築基準法違反になり、利用者の安全のためにあらためて安全を両立できるような城にしてほしい」と述べました。
森本主幹は「スケジュールはなんとも言えないが、2022年度以降、実用化期間を取っている。
また、建築基準法3条の適用除外を受けたい。名古屋市建築審査会同意を得た場合、建築基準法が適用されない。
それに先立ち、縦穴区画や水平の防火区画について、私は専門ではないが、日本建築センターという第三者機関のお墨付きをもらう必要があり、現在一体の防災評定をすでにいただいている状況だ。」としました。
(※20/1/27に名古屋城総合事務所に電話で確認したところ20/1/30に防災評定は日本建築センターから19/1/21に取ったと連絡がありました。
 構造評定は今後日本建築センターから取得したい(まだ取っていない))とのこと)

斎藤代表は「森本主幹は、『障がい者団体を代表する名古屋市障害者団体連絡会』と説明したが、事実は違う。上記連絡会は、名古屋市が一方的に指定して名古屋市が事務局の団体。『説明会を開きたいのなら、ここだけではなく広く言うべきだし、障がい者だけでなく、バリアフリーを考えるすべての人に言え』と伝えた。
ワークショップで『障がい者団体と協議した』と森本主幹は説明したが、熱心に各団体を回っていたのは事実だが、上記連絡会としては『説明は聞くが、団体連絡会として協議するとは決めたことがない。市が呼びかける場に個人参加するならしてはどうか、と決めただけ。団体としては決めていない。団体として決めたように発表するのは極めて迷惑。
名古屋市が開催したバリアフリー検討会で『障がい者団体としてうまく話し合いを行った』というのは誤解。
2019年6月に開催したシンポで、石垣部会の赤羽先生は、『石垣調査と修復は10年単位で考えないといけない』と述べた。
いつできるかわからない木造復元にもかかわらず、世界に向けてバリアフリーの国際コンペを行うことは無責任。明確に撤回した方がよい」としました。

森本主幹は「今回の名古屋市は難しい挑戦をしようとしている。もう少し実際に一次審査でどのような技術が世界から上がってくるか、見させていただき、皆さんに見てほしい。
木造天守に使われるとともに、もしかするとほかの建築物に使えるかもという思いで頑張っている」と述べるに留まりました。

東弁護士は「基本方針は変えられるのか?エレベーターと比較して劣っていない新技術は私は知らない。ないから問題になっている。抽象論で新技術は心配だ」としました。

谷口名誉教授は「名古屋城は36メートルあり、建築基準法では31メートルを超えたら非常用エレベーターをつけないといけない。そのエレベーターは消火活動中に動く。
木造名古屋城は燃えやすいし大丈夫か気になる。非常用エレベーターを緩和していいのか?
日本建築センターはちゃんとしているのか?現場を知らない人が審査しているのではないか?
学識経験者が正しいとは限らない」としました。

森本主幹は「日本建築センターという第三者機関としてのお墨付きを受けた。
階段体験館に来ればわかるが、名古屋城の階段は水平引き戸があった。それを再現してあるが、手で引くと、階段が閉じて締め切ることが可能。敵の侵入を防ぐためだが、これを転用して遮煙区画として認めていただいている状況だ。より安全かが適用する条件だ。」としました。

谷口名誉教授は「安全確保のため、階段に障害物があってはいけないし、ふたしてはいけない。防御のためのもので人々の安全が守れるとは思えない」としました。

斎藤代表は「電動エレベーターには130年以上の歴史がある。技術は時間がかかり、エレベーターに変わる技術があるはずがない。市は『垂直昇降機』と言ったが、『床を抜くのはよいが、柱や梁はだめ』という。
防災という観点を見れば、地震対策や火災対策をすると建てられない。『スプリンクラー、木材以外はよいが、エレベーターはだめ』という理屈は理解できない。
いっそ、『木造復元とエレベーターをどう調和するか』という国際コンペをしてはどうか」としました。

森本主幹は「多くの建築士に聞いたところ、柱や梁を取ると、補強や力がかかって違うものになる。消防設備は付加的に付けられる。仮設の昇降設備も付加的に付け、除去したら元のままになる」としました。

会場からは「まず石垣調査と修復が先だ。市長個人の思い入れで木造復元に邁進するより、生きている人に金を使って欲しい。すでにヒノキを90億円も購入してしまった。市職員から河村市長をストップさせて欲しい」「木造天守閣は建築基準法、耐震基準をクリアできるのか?火事の時安全か?」「名古屋城だけじゃなく、名古屋駅などもバリアフリーにすべき」という意見が出ました。

東弁護士は「特例というのは、過去に保障された人が不利益になる際に例外的に認めようというもの。『特例使って大丈夫です』というのは考えにくいが、名古屋市はどうしてそう考えるのか」としました。

進行の磯部友彦・中部大学教授は「名古屋城木造復元は、単なるエレベーター問題ではなく、名古屋をどう魅力アップしていくかということ。皆さんで考えるべき。
以前の名古屋市なら、オール名古屋市でやったはず。森本さんだけに頼ってはダメ」としました。
谷口名誉教授も「セントレアや愛・地球博、リニアなど、参加型でやってきた。
『ご意見を聞きました』というのは古い考え方。」としました。

磯部教授は「ユニバーサルデザインの本質はみんなが参加すること。意見が違うし、お互いが意見を出すと時間がかかるが、恐れていると失敗する。
今回、少し時間がかかりそうだが、私はいい方向で、チャンスだと思っている。」としました。

辻直哉・同会事務局長は「赤羽先生は、『暗礁に乗り上げたではなく、もともとあった問題にぶつかった』と表現した。このエレベーターの問題もずっとあった。
いったん立ち止まって、今の城も文化財であることを踏まえて考えるべきではないか」としました。


名古屋城 ステップなごやの土地に関する資料入手

名古屋市が、ステップなごやと名古屋農林総合庁舎第1号館・第2号館(国)、独立行政法人水資源機構中部支社がある敷地に名古屋城歴史博物館を構想しているという20/1/1中日新聞報道を受け、ステップなごやの土地と建物に関して情報公開請求した結果、以下資料を情報提供してくれました。

・国有財産無償貸付契約書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200122-1.pdf
・許可証
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200122-2.pdf

・ステップなごや 建物登記 不存在決定
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200122-3.pdf
 
名古屋市緑政土木局緑地管理課と、名古屋城総合事務所が説明してくれました。

1)ステップなごやの土地について
 もともと当該土地は東海財務局が保有している。
 2007/10/25に、東海財務局と名古屋市(緑政土木局)が都市公園として国有財産無償貸付契約書を結んだ。5年更新で、2回まで更新可能。現在2回更新しており、2022/10/15まで。
 その後借りることがあればまた書面を交わす必要がある。
 なお、ステップなごやができるまでは広場として利用していた。
 ステップなごやの南側の地下には、中部電力の変電所がある。
2)ステップなごやの建物が出来る経緯について
 都市公園法2条2項公園施設の中の展示施設として、名古屋城総合事務所から緑政土木局に設置の許可を求められ、 2019/10/1-2022/12/31まで許可を出した。
 なお、ステップなごやの建物を建てるに当たり、東海財務局に話をし、契約書7条の3に基づく承認を受けた。
3)ステップなごやの建物の登記について
 役所の建物は往々にして建物登記をしないことがある。
 今回、ステップなごやの建物は登記していない。

名古屋農林総合庁舎第1号館・第2号館(国)、独立行政法人水資源機構中部支社の土地については、それぞれ直接聞いて欲しいとのこと。
 
なお、現在の金シャチ横丁(義直ゾーン)も、土地は東海財務局が保有しており、同じような仕組みとのこと。
現在の愛知県体育館も、土地は東海財務局が保有しており、名古屋市が無償貸付をして、愛知県に設置許可を出していると言っていました。

参考になれば幸いです。

第18回-20回 名古屋城天守閣部会議事録入手

19/4/25、19/7/11、19/8/28に開催された、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第18回-20回)の議事録を情報提供してもらいました。

・19/4/25 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第18回)議事録
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200122-4.pdf
・19/7/11 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第19回)議事録
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200122-5.pdf
・19/8/28 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第20回)議事録
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200122-6.pdf
 
以前は議事録は情報公開請求しないと開示されませんでしたが、現在は、情報公開請求すれば、情報提供されるようになりました。
(情報公開請求は取り下げ)

しかしながら、このような重要な議事録や配付資料について、名古屋市公式ホームページには掲載していません。
傍聴はできますが、マスコミ・傍聴者も含めて写真撮影・録音が出来ず、一体何が議論されているのか、正確なところは広く一般にはすぐにわからないようになっています。

名古屋市は2022年12月竣工予定は断念しました。
その後の予定はいまだに立っていません。
どうしてこのような状況になったのか。基礎資料を市民に公開することからはじまるのではないでしょうか。


20/1/25(土) 名古屋城バリアフリー 名古屋市元建築審査会長を招きシンポ

「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は2020年1月25日(土)13時〜16時に名古屋市北区役所2階講堂で名古屋市元建築審査会会長、名古屋城総合事務所バリアフリー担当を招きシンポジウムを開催します。
https://www.facebook.com/events/2181282442174601/

どなたでも参加できます。ぜひご参加下さい。
-----------
名古屋城木造天守復元事業は一体どうなるの?
〜名古屋城木造復元事業とバリアフリーの行方〜

主催 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会

名古屋城木造天守復元事業は、現状変更に必要な文化庁の許可を得られず計画は難航しており、河村市長は、当初2022年末だった完成目標を断念すると発表。市議会の委員会においても、天守の完成については「まだ、目途がたっていない」との説明がされました。

そのような状況の中、名古屋市は私たちの主張を受け入れず、新天守にエレベーターを設置しない方針はかえないままで、新技術で代替するバリアフリーとの名目で、国際コンペを実施しようとしています。完成時期が遅れることになり、バリアフリー化について、充分な議論をおこなう時間があるにも関わらず、「エレベーターを設置しない」との方針を変えない、名古屋市の姿勢に対し、大いなる疑問を抱かざるを得ません。

そして、エレベーター未設置問題以外にも、事業の進め方や石垣の保全方法など、様々な問題が指摘されています。

今企画では、建築の専門家の方などをお招きし、今ある問題とはどんなものなのか、たくさんの市民の方に知っていただき、今後、どのような取り組みが必要かを共に考える機会とします。

日時:2020年1月25日(土) 13:00〜16:00
会場 : 名古屋市北区役所2階 講堂
   (名古屋市北区清水四丁目17番1号)
   http://www.city.nagoya.jp/shiminkeizai/page/0000007858.html
参加対象者:名古屋城木造復元事業の様々な問題に関心のある市民の方々
定員: 150名(先着順)
資料代:500円

プログラム
13:00〜13:05 開会挨拶・趣旨説明
 共同代表 齋藤縣三氏(実現する会共同代表・わっぱの会理事長)
13:05〜14:00 講演「名古屋城の過去・現在・未来の価値を考える 
 〜ユニバーサルデザインと科学技術進歩の観点も交えて〜」
 講師:谷口元氏(名古屋大学名誉教授)
14:00〜14:15(休憩)
14:15〜16:00
パネルディスカッション「名古屋城木造復元事業とバリアフリーの行方」
 森本章夫氏(名古屋城総合事務所主幹 木造天守閣昇降技術開発等担当)
 斎藤縣三氏(実現する会共同代表・わっぱの会理事長)
 東 奈央(弁護士)
 谷口 元氏(名古屋大学名誉教授)
進行 磯部友彦氏(中部大学教授・日本福祉のまちづくり学会副会長)
問合せ先:名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会(担当:辻、木下)
〒466-0037 名古屋市昭和区恵方町2-15  AJU車いすセンター内
電話:052-851-5240 ファックス:052-851-5241
メール:jitsugensurukai@gmail.com
Facebook  https://www.facebook.comnagoya.jitsugensurukai/


20/1/14 河村市長「木の文化は燃えても再建すればオリジナル」繰り返す

20/1/14に開催された河村市長定例記者会見で、「木の文化は燃えても再建すればオリジナル」と繰り返しました。

20/1/14 河村市長定例記者会見(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200114.pdf

-------
河村市長の話は何回聞いても理解できません。

名古屋市が2018年7月に文化庁復元検討委員会に提出しようとした「基本計画書」では、「現天守閣の価値」が様々な角度から述べられています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf
現天守閣再建に当たり、城戸久・愛知県文化財専門委員会建造物部長は「城郭の史実を残すのならば焼失したことそれ自体が大きな歴史であるとした上で、それでも再建するとなれば、外観そのものは元の城と寸分変わらないものとして、内部を綜合科学館式の近代的様式で再建することを提案している」としています。

その上で、「基本計画書」では、復興大坂城建設に当たっては、「天守閣のような永久性を持つ記念建築は、将来にわたり長くその地にそびえるように、耐火性、耐震性を兼ね備え、かつ経済的なSRC造で再建すべきであるという見解」があり、「名古屋城においても、SRC造が志向されたのには、二度と焼失することのないようにという願いも込められていたのである。」と記載しており、名古屋市自身が、二度と焼失することがないようにという当時の市民の願いを認めています。

先人の思いも無視し、強引に自分の思い込みで進めようとする河村市長。
木造で再建し、再度燃えるのが文化ということなのでしょうか。
万が一木造復元できたとしても、借金返済するまえに燃えたら借金だけが残りますが、それも「文化」だというのでしょうか。
「燃えない城」は、「オリジナル」のままでは達成できないのです。

20/1/10 名古屋市予算財政局案 名古屋城歴史博物館計上せず

名古屋市は20/1/10に「令和2年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」を行いました。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000124302.html

名古屋城関係の予算要求の多くは財政局に削られています。

・天守閣閉館中の魅力向上事業 1億4300万円→1億4300万円
・名古屋城関連資料のデジタル画像の作成 300万円→200万円
・名古屋城石垣の基礎的研究及び普及事業の推進 1000万円→1000万円
・名古屋城正門トイレ改修 4500万円→200万円
・名古屋城内外景観の改善 7300万円→0
・名古屋城二之丸庭園の保存整備 1億1100万円→6800万円
・名古屋城二之丸地区基本調査 1000万円→1000万円
・重要文化財表二之門等の大規模修理に向けた調査 400万円→300万円
・金シャチ横丁第二期整備 2800万円→0
・名古屋城天守閣木造復元に向けた機運醸成 3800万円→2500万円
・名古屋城天守閣積立基金の積立 1億円→1億円

2020/1/14に名古屋城総合事務所に電話で確認しました。
・20/1/11 中日新聞に、「武家文化 テーマパークに 名古屋城隣接、
 28年度完成目指す」と記事が載ったが、記事以上に詳細があれば教えて欲しい。
 https://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=707285&comment_sub_id=0&category_id=113&from=news&category_list=113
 →1/1新聞記事については、名古屋城総合事務所としては特に取材を受けていたわけではない。
 かなり詳しい内容で、私どもも把握していない。
 しかし、展示施設については「金シャチ横丁基本構想」をH24からまとめた。
 http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000036971.html
 現在は飲食店があるが、構想では「名古屋の食文化、横丁や芝居小屋、多目的空間で本物の歴史を示す展示施設」が盛り込まれた。
 区画を含むエリアについて、第1期整備として飲食店を整備した。
・20/1/10公開 「令和2年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」に記載があるのか。
 上記財政局査定内容に記載が無い場合、どうするのか。
 →財政局案の45「金シャチ横丁第二期整備」にあたる。
 今回は2800万円予算要求したが、0円計上となっている。
 金シャチ横丁基本構想概要版「空間づくりのイメージ」壱と弐の「名古屋の食文化・生活文化を堪能できる横丁」は、第1期整備で完了した。
 http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000036/36971/gaiyou_all.pdf
 今年度も第2期整備について検討している。
 具体的には、壱「尾張名古屋文化の旅の基点」
  ■芝居小屋での多目的空間を演出
  ■本物の歴史に出会う空間
 当初基本構想には壱〜七とあるが、どれを第3期以降に整備するかなどは決まっていない。
----------
現在、金シャチ横丁(義直ゾーン)の南側は、ステップなごやと名古屋農林総合庁舎第1号館・第2号館(国)、独立行政法人水資源機構中部支社、中部電力三の丸変電所があります。
謄本を取ったところ、以下所有者が判明しました。
・【土地】名古屋市中区三の丸一丁目7-2 所有者 大蔵省
 【建物】名古屋市中区三の丸一丁目7-2 所有者 独立行政法人水資源機構
・【土地】名古屋市中区三の丸一丁目7-3 所有者 大蔵省
・【土地】名古屋市中区三の丸一丁目8  所有者 大蔵省
 【建物】名古屋市中区三の丸一丁目8  所有者 中部電力

上記中日新聞記事には、建設候補地とされる国の名古屋農林総合庁舎関係者のコメントが全く書いていないのが非常に気になります。

一応、名古屋農林総合庁舎の移転構想はあるようです。
・令和元年8月 国土交通省官庁営繕部
 名古屋第4地方合同庁舎新規事業採択時評価資料
 https://www.mlit.go.jp/common/001302117.pdf

上記資料には、「・災害時の一時避難場所としての機能を確保。・東海農政局(名古屋農林総合庁舎)の早期移転、基幹となる広域防災拠点の整備を求める名古屋市長からの要望有り(令和元年7月)。」とあります。

名古屋市の構想はどのようなものかわかりませんが、名古屋城木造天守復元事業の建設費だけで505億円以外に、土地代・建物代を支払う余裕があるのでしょうか。

なお、20/1/13横井利明名古屋市議ブログによれば、2020年度「臨時・政策経費」は92億円、うち財政局査定で81億円消化したため、市長査定額は11億円とのこと。
http://blog.livedoor.jp/minami758/archives/2467431.html

今後も注目していきたいです。
--
・2019年3月 三の丸地区再整備研究会
 提言:名古屋三の丸地区再整備の今後の展開に向けて
 〜ポスト・リニア時代の核心を展望する〜【再整備構想】
 http://www.nup.or.jp/nui/user/media/document/investigation/sannomaru/sannnomaru_kousou2.pdf
 
・国土交通省 中部地方整備局 営繕部調整課 松浦 賢太
 名古屋三の丸地区の庁舎整備における地域との連携
 http://www.cbr.mlit.go.jp/kikaku/2019kannai/pdf/re05.pdf


20/1/6 河村市長 名古屋城天守閣木造復元の新たな竣工時期を明言せず

20/1/6に河村たかし名古屋市長の年頭記者会見があり、記者から何回もあらたな完成時期について質問があっても答えませんでした。

令和2年1月6日 名古屋市長河村たかし 年頭記者会見
https://youtu.be/mxT2hogvKTo

20/1/6 名古屋市長河村たかし 年頭記者会見(名古屋城部分)
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/200106.pdf

------
今回の会見は、市長個人が話したいSLとトリエンナーレの話題ばかりでした。
記者から何回も名古屋城木造復元の完成時期について聞かれたのに、きちんと回答せず、「トリエンナーレはちゃんと書いてもらわなあかんよ」と話題をそらしました。

市長「石垣部会の皆さんのご理解を得た」
→石垣部会宮武教授「我々石垣部会は、当初から一貫して木造天守であろうと、鉄筋コンクリートの天守を残そうと、現状有ろうと、どんな選択肢であっても天守台に負担があるかどうか、特別史跡を構成している石垣の健康度、維持というものが現実どうなのかという調査が必要だということを繰り返してる。
今回、その指導に基づいて、やはり名古屋市さんはもうやり方をもう1回考え直して、クリアしなければならないハードルを一つ一つ済ませていきますよというご発言を市長さんはされた。
木造天守が賛成反対も一度も部会でも議論をしてませんし、言ってないです。」
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227-2.pdf

市長「千田さんは『目標については完全に一致した』と。石垣部会と名古屋市。
→石垣部会千田教授「相違がなかったわけではありませんけれども、現在ではですね、やはり石垣をしっかり調査をしてそれを保全をしっかりしながらですね、整備を考えていこうというところは完全に一致しておりますので、石垣部会もですね。それはもう前向きにですね、しっかり議論に加わって、いいですね、調査をしていただいて。必要な保全の措置をですね、とっていけるようにしていきたいというところを考えているところです。」
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-2.pdf

市長「千田さんは、これは個人的ではあるが、個人的に、3月ぐらいで調査が終えられるといいなと言ってました。」
→石垣部会千田教授「実際すでに石垣カルテについては極めて精力的に進めていただいておりますので、これは希望でありますが年度内にその調査が完成するのではないというふうに思うんです。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-6.pdf

市長「そりゃ文化庁が来たのは大きいですよ。やっぱり。文化庁主任調査官だったかな。ええ。文化庁が部会にちゃんときとった。」
→石垣部会にはオブザーバーとして毎回文化庁は来ている。天守閣部会には文化庁は一度も来ていない。
 石垣部会千田教授「報道でも書いておらず、理解もしていないかもしれないが、石垣部会と天守閣部会の位置づけが決定的に違う。
 ・石垣部会 専門家の審議組織として法規に基づいて設置されており、文化庁調査官が出席して審議に助言・指導を与えている。文化庁にもその都度報告している。
 ・天守閣部会 文化庁の許可を得ず、独自に設けた部会。文化庁が関与せず、木造復元の設計図を作った。今日に至るまで文化庁は一切関知していない。文化庁調査官は1回も出席していない。」
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190720.pdf

市長「完成時期はまあ、千田さんのお気持ち通りいって、3月に仮にまあ、やってみんとわからんもんがあるもんでね、今、5カ所穴掘ってるし、まあいろいろファイバースコープ通すかとかあるんですが、できれば、それははよできるんじゃないですか。石垣のためにもええ仕事がようできると思いますよ。ええ。」
→天守閣木造復元事業の竣工時期を聞かれているのであって、石垣カルテ終了時期を聞かれているわけでは無い。

---------
【名古屋市が考える必要のある今後の流れ】
 2020年1月 名古屋城跡全体整備検討会議で埋蔵文化財の担当を決める
    2月 2020年度当初予算に各種計上
    3月 総務省に市債返済計画の「協議」資料提出
       竣工時期決定
       バリアフリー国際コンペ募集開始
       市議会予算議決
    5月 実施設計契約の延長
       竹中工務店が購入した木材の保管期限が切れる  
 ○年○月 天守台石垣カルテ完成
 ○年○月 天守台石垣の保全方針を策定
 ○年○月 文化庁に天守台石垣保全工事の現状変更許可申請
 ○年○月 文化庁が天守台石垣保全工事の現状変更許可を出す
 ○年○月 天守台石垣保全工事
 ○年○月 文化庁に内堀発掘調査の現状変更許可申請
 ○年○月 文化庁が内堀発掘調査の現状変更許可申請を出す
 ○年○月 内堀発掘調査
 ○年○月 内堀の保全方針を策定
 ○年○月 文化庁に内堀保全工事の現状変更許可申請
 ○年○月 文化庁が内堀保全工事の現状変更許可を出す
 ○年○月 内堀保全工事
 ○年○月 御深井丸石垣カルテ完成
 ○年○月 文化庁に御深井丸石垣発掘調査の現状変更許可
 ○年○月 文化庁が御深井丸石垣発掘調査の現状変更許可を出す
 ○年○月 御深井丸石垣発掘調査
 ○年○月 御深井丸の保全方針を策定
 ○年○月 文化庁に御深井丸石垣保全工事の現状変更許可
 ○年○月 文化庁が御深井丸石垣保全工事の現状変更許可を出す
 ○年○月 御深井丸石垣保全工事
 ○年○月 日本建築センターで避難安全性能認定
 ○年○月 一般財団法人日本消防設備安全センターによる評価を取得
 ○年○月 総務大臣の認定
 ○年○月 名古屋市消防長の同意
 ○年○月 名古屋市建築審査会の適用除外
 ○年○月 文化庁に基本計画書を提出、受理
 ○年○月 文化庁に現天守閣解体・木造復元の現状変更許可申請
 ○年○月 文化庁復元検討委員会で現天守閣解体・木造復元審査
 ○年○月 文化庁が現天守閣解体・木造復元の現状変更許可を出す
 ○年○月 現天守閣解体予算 市議会議決
 ○年○月 現天守閣解体
 ○年○月 文化庁に穴蔵石垣発掘調査の現状変更許可申請
 ○年○月 文化庁が穴蔵石垣発掘調査の現状変更許可を出す
 ○年○月 穴蔵石垣発掘調査
 ○年○月 穴蔵石垣の保全方針を策定
 ○年○月 文化庁に穴蔵石垣保全工事の現状変更許可申請
 ○年○月 文化庁が穴蔵石垣保全工事の現状変更許可を出す
 ○年○月 穴蔵石垣保全工事
 ○年○月 文化庁が木造復元の現状変更許可の変更
 ○年○月 木造復元予算 市議会議決
 ○年○月 木造復元着工
 ○年○月 木造天守完成

・2019年11月-12月名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
--------
今後の予定

・20/1/25(土)13時〜 講演会とシンポ 名古屋城木造天守復元事業は一体どうなるの?
 〜名古屋城木造復元事業とバリアフリーの行方〜(北区役所)
 https://www.facebook.com/events/2181282442174601/
・20/2/6(木)13時30分〜 文化庁訪問記録情報公開訴訟 (名古屋地裁1102号法廷)
・20/2/26(水)15時〜 基本設計住民訴訟 (名古屋地裁1102号法廷)


19/11/28 名古屋城文化庁訪問時復命書情報公開訴訟 市「公開すると反対の意見を持つ者から、いわれなき非難を浴びることが予測される」

名古屋城木造化をめぐり、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等の情報を非公開にしたのはおかしいとして、名古屋市民オンブズマンが公開を求めた情報公開訴訟の第4回弁論が19/11/28に名古屋地裁1102号法廷で行われました。

非公開文書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-1-1.pdf
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf   
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-3-1.pdf

現時点で68カ所がいまだに非公開です。
それぞれについて、名古屋市は情報公開条例のどの条文で非公開にするのか、情報の概括的内容、性質、弊害の具体的内容を一覧表にし、原告がそれぞれ反論しています。

原告名古屋市民オンブズマンは準備書面(1)で以下主張しました。。
・市長が発言を引用した「著名人」であることが窺われ、「通常人に知られたくない情報」には該当しない
・「昭和実測図及び野帳・調書」に記載された木材の本数等は、公開することでなぜ「木材の価格が高騰する」かを社会通念上理解することすら出来ない。
 それがなぜ「株式会社竹中工務店」の利益を害するかも不明。
・市は「引用文献・図面等、文献資料、現存する遺物」も「それらに関する同社の独自に有するノウハウが流出する」とするが、どのような市場でどのような不利益を被るのかの説明すら行われていない。
・市は「各部の復元検討した図面等」を公開されると購入すべき木材に関する情報の流出により価格高騰すると主張するが、因果関係の主張もなされていない。
・市は「防災避難計画の考え方」、「具体的には防災拠点の所在地等」を公開すると、「名古屋城木造天守閣への放火等を機とする人物に対し、犯罪実現の妨げとなる設備の所在地を示すことになり、当該人物による犯罪の予防、観覧者の生命又は身体の保護に支障をおよぼすおそれがある」と主張するが、防災・避難計画は社会通念上公にされるべき情報のはず

名古屋市側代理人弁護士は、準備書面(3)で以下主張しました。
・高度な政治的判断を伴う事業であり、設計及び施行において、文化財保護への専門的な知見と高度な技術が求められる事業である。
・現状変更許可を受けることが必要な本件事業の実施に当たっては、専門的な知見を持つ文化庁との意見交換が必要不可欠
・職員同士による意見交換は、多様かつ自由な意見が現れ、円滑な議論・検討が行われるよう、非公開を前提として実施されている
・本券事業の実施自体に賛否両論あり、市民から非常に高い関心を向けられている。
 意見交換における関係者の意見や具体的な発言について、ある意見を述べたために、それとは反対の意見を持つ者から、いわれなき非難を浴びたり、あるいは、参考意見にすぎないのに種々の誤解が生ずることが予測される。そうすると、現に非難や誤解があったか否かにかかわらず、意見交換をする関係者が、このような非難や誤解を恐れたり、各々の立場に拘束されたりするなどして、率直な意見を述べなくなるおそれがある。
・文化庁と名古屋市との意見交換は、多様かつ自由な意見が現れ、円滑な議論・検討が行われる必要があるため、非公開を前提として実施されている。このような非公開の場では、公開しない前提での意見が含まれているところ、名古屋市がそのような情報を無条件に公開すると、文化庁との信頼関係を損なうこととなり、また、将来行われるであろう同様の意見交換においては、公開されることを前提とした硬直的かつ形式的な議論しか展開されないなどの事態が予測される。
・様々な事情を総合的に考慮した上での政治的判断及び文化庁の専門的な知見が必要不可欠であり、外部から一定の特定の事情に基づいて圧力や干渉等の影響を受け、意思決定の過程が歪められることがないようにする必要がある。
・文化庁と名古屋市の間で交わされた発言ややり取りされた文書が公になると、議論の最中であるなど未成熟な内容であるにもかかわらず、市民の間に当該情報が文化庁や名古屋市の最終的な決定であるなどの無用な誤解や憶測を招き、不当に市民の間に混乱を生じさせるおそれがある。  

原告名古屋市民オンブズマンの新海聡弁護士は「名古屋市は氏名が思想信条に該当すると主張しているようだが、名古屋市条例は個人識別型になっていない。
さらに、本件は火薬庫ではなく、防災計画や避難経路は公にしないと危険である。
また、「河村市長は黒塗り部分について、『特別秘書に説明させる』と非公式の場で言った」としました。
名古屋市代理人弁護士は「書面で返答する。市長はでたがりだから」としました。

裁判長は「『関係法規チェックリスト』が中間的な内容、とはどういうことか」と質問しましたが、名古屋市代理人弁護士は、傍聴していた市職員に話しを聞きに行き、「本当に必要な法令は未確定だから」としました。
また、裁判長は「市長が世論について言及した部分を非公開にしているが、世論は公ではないのか?」と質問し、名古屋市代理人弁護士は「確認する」としました。
さらに、裁判長は「発言が公になると、賛成反対で混乱が生じるとするが、空中戦にならないようにしてほしい」としました。
名古屋市代理人弁護士は「市内部だけでなく、竹中工務店と協議をした上で反論する」としました。

裁判長は「事業計画について、計画や日程、費用の検討過程が明らかになることについて、項目ごとに違いがあるのか?」と質問しました。
名古屋市代理人弁護士は「この時期にこれを確定していないといけないはずなのに、文化庁との協議が煮詰まっていないため誤解を招くおそれがある。各項目によって違いがある」としました。

次回弁論は20/2/6(木)13時半〜 名古屋地裁1102号法廷です。

19/12/5 名古屋城木造化基本設計住民訴訟 原告「基本計画が出来ていない以上、基本設計ははじめられない」

19/12/5に、名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論が名古屋地裁1102号法廷で行われました。

原告の「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」側は
@当初の要求水準書を、今回の成果物は満たしていない
A竹中工務店と契約した委託仕様書を、成果品目録は満たしていない
などと主張して、基本設計が完成したとして竹中工務店に支払われた8億4693万6千円の返還を求めるなどしています。

・19/10/25名古屋市側 準備書面(3)、乙20号証
 19/12/5 原告側準備書面(2)
 
http://bit.do/iranaikawamurajo

原告は、準備書面(2)の中で、「市は『申請書類』が納品物に含まれていると主張しているが、現状変更許可を求める申請のための書類は文化庁に提出されていないため受け入れられない」としました。
また、「市は『実施設計業務委託契約における委託内容は、発注者である本市が決める』と主張しているが、外部的な制限、条件ヘの無理解が事業そのものを遅延させている」と主張しました。
さらに、建築審査会の同意に先立つ建築指導課の協議すら存在せず、設計業務自体を完結することができない、と主張しています。
・平成28年3月25日 竹中工務店
 名古屋城天守閣整備事業 技術提案書
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/takenaka.pdf

原告は、「市は『基本計画書』の名称を『基本設計説明書』と替え、または、『基本設計説明書』に含ませたと説明しており、容れることは出来ない」としています。
さらに、「竹中工務店の技術提案・交渉方式の『技術提案書』では、『0フェーズ』の段階で『復元方針・基本計画』を取りまとめ、『復元検討委員会』に提出する。これらが整った段階で『基本設計・積算』となる。
『基本計画』として文化庁、復元検討委員会に諮ることで、基本設計を開始できる」とし、基本計画が出来ていない以上、基本設計は開始できない、と主張しました。

被告名古屋市は、準備書面(3)の中で、「基本計画書は、『名古屋城天守閣基本設計業務 基本設計説明書』に含まれる」という主張を繰り返しました。

次回弁論は20/2/26(水)午後3時に名古屋地裁1102法廷です。

・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
 

19/10/9 名古屋城木造化基本設計住民訴訟 市「仕様書記載を『全部作る』とは書いていない」

19/10/9に、名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論が名古屋地裁1102号法廷で行われました。

原告の「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」側は
@当初の要求水準書を、今回の成果物は満たしていない
A竹中工務店と契約した委託仕様書を、成果品目録は満たしていない
などと主張して、基本設計が完成したとして竹中工務店に支払われた8億4693万6千円の返還を求めるなどしています。

・19/9/30名古屋市側 準備書面(2)、乙18-19号証
 
http://bit.do/iranaikawamurajo

【論点1】要求水準書と基本設計書の位置づけについて

名古屋市が提出した準備書面(2)で「当該方式における『要求水準書』の位置付けは,受注者が 履行すべき義務や満たすべき要件を具体的に定めたものではなく,あくまで受注者に対して実施を要求する業務の概要や必要最小限の業務の範囲, 契約や設計に係る条件,水準を一般的・抽象的に示したものに過ぎない。」としました。

その上で「受注者は,本件事業の実施に当たって,要求水準書のうち,設計業務等に関して記載又は提案された事項に基づき実施されなければならないものである。」としました。

一方、「要求水準書8頁に記載されている『文化庁に おける復元検討委員会の審査を受け,文化審議会にかけられること』は, いずれも文化庁の内部手続に関することであるから,受注者が負うべき 債務として受注者に対しその履行を要求できない性格の事柄である。」としました。

【論点2】成果品目録と委託仕様書の関係について

委託仕様書第23条にある(1)基本計画書 と、成果品目録にある「番号1 基本設計説明書」との関係について、名古屋市が提出した準備書面(2)で、「『基本計画書』は『番号1 基本設計説明書』として提出された。なお,委託仕様書第23条(1)の柱書に『以下の項目 のうち,必要なものについて記述し』とあるとおり, (a)から(t)ま
での全ての項目が『番号1 基本設計説明書』の内容として記述されているものではない。 」としました。

今回、上記基本設計説明書の内容を説明するため、名古屋市は「名古屋城天守閣基本設計業務基本設計説明書(平成30年3月30日 株式会社 竹中工務店)」を黒塗り部分を大幅に少なくして裁判所に提出しました。(乙18号証)

名古屋市の代理人弁護士は「仕様書は『必要なものについて記述し』とあり、『全部作る』とは書いていない。裁量がある。
必要のないものは記述されておらず、必要なものを記述した」としました。

裁判所は「準備書面第1項においては、要求水準書は受注者の義務を定めたものではないと記載されている一方、第2項において、要求水準書のうち、設計業務等に関して
記載又は提案された事項は受注者の義務であると記載されている」と指摘し、次回までに市が主張するよう求めました。

また、原告にも上記主張について反論を求めました。

次回期日は19/12/5名古屋地裁です。

・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle

19/12/27 名古屋城木造化 河村市長「石垣部会とは完全に一致した」繰り返す

19/12/27に開催された河村たかし名古屋市長定例記者会見で石垣部会に関し「だいたい向こうも完全に一致したといっとらせたしね。調査も進んでいるしね。」と繰り返しました。

・19/12/27 河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227-4.pdf
 
しかし同じ時間に開催されていた石垣部会後の記者会見では、石垣部会の宮武正登・佐賀大学教授は以下述べています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227-2.pdf

宮武:ちょっと修正しなきゃいけないのは、対立とか関係修復って言い出したのはあなたたちです。部会で対立しているなんてことは一言も言ったことがありますか。
和解とか。ないですよ。マスコミさんはそういう対立軸楽しいですから。
今回和解の手打ちにしたいんでしょうけれども、先ほど座長が申し上げた通り、我々石垣部会は、当初から一貫して木造天守であろうと、鉄筋コンクリートの天守を残そうと、現状有ろうと、どんな選択肢であっても天守台に負担があるかどうか、特別史跡を構成している石垣の健康度、維持というものが現実どうなのかという調査が必要だということを繰り返してるわけで、どこで対立、和解という言葉が出てきたんですか。
我々は1回も使ったことがないけれども、おたくたちが使ってませんか。結局、噛み合ってなかったのは、できるだけいろんな事業を急ぎたいというふうに市長さん以下名古屋市さんは進めようとしてきた。
我々は文化財保護法に基づいて、文化庁の主張内容を踏まえて、一つ一つクリアしていかなければ到達しませんよということでその主張をしてきた。それだけですよ。
今回、その指導に基づいて、やはり名古屋市さんはもうやり方をもう1回考え直して、クリアしなければならないハードルを一つ一つ済ませていきますよというご発言を市長さんはされた。
我々石垣部会は元々主張している、そうやってくださいということをおっしゃったんですから。和解も何も。どこが。どういう問題ですか。逆におたくに聞きたいんだけれど。
対立してたんですかね。

上記発言を聞いていた名古屋城総合事務所の佐治所長は、その後の記者会見で「今厳しい御意見もございました」と認めています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227-3.pdf

河村市長は石垣部会の真意をわかって発言しているのか、何もわからず発言しているのか。
そもそも石垣部会との話し合いで、自分が話したことを覚えているのか。

市民は冷静に「名古屋市と石垣部会は何を一致した」のか理解すべきです。


19/12/27 名古屋城石垣部会「対立とか関係修復って言い出したのはあなたたちです」

19/12/27に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第33回)が開催されました。
(石垣部会開催中は、録音・録画が禁止されています)

19/12/27 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第33回)配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227.pdf

19/12/27 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第33回)
名古屋市民オンブズマンによるメモ
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227-1.pdf

19/12/27 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第33回)
終了後の石垣部会記者会見
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227-2.pdf

19/12/27 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第33回)
終了後の名古屋市記者会見
(名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191227-3.pdf

河村市長は最初だけ来て挨拶しましたが、すぐに退席しました。
その中で、「文化庁から、『現天守取り壊しだけ別ではなく、一体として解体・木造復元進めてほしい』と言われた」として、取り壊しと復元を一体として進めることを表明しました。

その後、名古屋城総合事務所の佐治所長は、「前回新しく埋蔵文化財部会を設置することを提案したが、石垣部会から『石垣と地盤がつながっており、埋蔵物だけ切り離して議論できない』と言われたのと、文化庁から『全体整備検討会議と各部会の権限を整理する』として、埋蔵文化財部会の設置を見送ることを表明しました。

続いて、文化庁から示された「指摘事項」について報告されました。
 (1)解体・仮設物設置が石垣等遺構に与える影響
    ア 内堀→調査中
    イ 御深井丸→今後現状変更許可申請
    ウ 北面石垣→地下は発掘調査中
    エ 背面空隙→カルテを整える
 (2)現状変更を必要とする理由
    木造復元の計画について追加で情報を提供する
オブザーバーの山下信一郎・文化庁文化財第二課主任文化財調査官は
「概ねうまくまとめられている。ただ、上記4点だけでよいか、必要な調査はなにかというのは、石垣部会の先生に考えてほしいと伝えた。
また、現状変更を必要な理由として、当初は名古屋市から解体のみ申請があったのは『耐震の問題が危険なので壊したい』というものだった。
審議会から、詳細を確認するよう指示があったところ、名古屋市は木造天守のことも考えているという。議会に報告したら、『全体の計画がわからないと判断できないのではないか』と言われた」としました。

その後搦手馬出補修方針について議論になりました。
千田嘉博・奈良大学教授が「『本丸外堀馬出石垣』とは聞いたことが無い。『本丸絡手馬出石垣』の誤り。文化庁の補助事業だ。自分たちが何をやろうとしているのかしっかり認識して欲しい」としました。
続いて、宮武正登・佐賀大学教授が「搦手馬出事業はこれで何年目か?あと何年かかるのか。年次展開は持っているのか」としたところ、名古屋市は「今後2年かけて石材調査、補修方針を示した後、概ね5年かけて積み直しを完了する予定。事業計画として文化庁には提出していない」としました。
宮武教授は「中身の問題だが、石材の劣化は、実際に積み直したときに耐えられるかで判断すべき。名古屋城総合事務所は、石垣の解体復元は初めての経験。有能なコンサルを頼った方がいい」としました。

続いて、本丸内堀石垣発掘調査を議論しました。
宮武教授は「レーダー調査の結果、北堀底と西堀底に巨大な攪乱が有る可能性がある。がれき・コンクリート・瓦なのか空洞なのかはわからない。
石垣が健康な話しではない。トレンチを入れないとわからない。西側御深井丸の石垣上部がクラックが入っている。」としました。
千田教授は「西堀底の巨大な攪乱は、幻の石垣工事の可能性もある。堀底に重要な歴史遺構が残っている可能性がある」としました。

さらに、石垣カルテについて議論しました。
宮武教授は「天守台石垣について徹底的に調査しているが、それはカルテではなく研究成果。全体の石垣カルテと整合できなくなった。」としました。
赤羽一郎・前名古屋市文化財調査委員会委員長は「文化庁『指摘事項』にある、背面の空隙についての工事影響を判断するにはまだ不十分。
さらに『御深井丸地下遺構調査が必要』と文化庁から指摘があるが冷淡に扱われている。」としました。
宮武教授は「愛知県に、事業の進め方を見てもらいたい」としました。

最後に、服部英雄・名古屋城調査研究センター所長は「御深井丸の石垣はどの程度調査が必要か。(木造復元工事をする際は)ウレタンで盛り土をするので、石垣が崩れることはない。」としましたが、山下文化庁調査官は「文化審議会からは『軽量盛り土をした場合、全体に圧がかかるだろう。堀底に空隙がある場合、崩れるのではないかという懸念がある。調査手法については石垣部会で議論をしてほしい』と言われた」としました。

-----------
石垣部会終了後、石垣部会構成員は記者会見を行いました。

記者から「11/4に市長との対談で、和解というかある程度合意、関係修復がなされたと言われてきたが、今日を終えてどう思うか」と質問がありました。
宮武教授は「対立とか関係修復って言い出したのはあなたたちです。部会で対立しているなんてことは一言も言ったことがありますか。和解とか。ないですよ。
我々石垣部会は、当初から一貫して木造天守であろうと、鉄筋コンクリートの天守を残そうと、現状有ろうと、どんな選択肢であっても天守台に負担があるかどうか、特別史跡を構成している石垣の健康度、維持というものが現実どうなのかという調査が必要だということを繰り返してる。
今回、その指導に基づいて、やはり名古屋市さんはもうやり方をもう1回考え直して、クリアしなければならないハードルを一つ一つ済ませていきますよというご発言を市長さんはされた。
そのように対立から和解というような図式で書かれると経過をご存じない、県民市民国民の方々は、いろんなストーリーを考えてしまう、ミスリードをしていただいては困るんです。誤解の無いように。木造天守が賛成反対も一度も部会でも議論をしてませんし、言ってないです。」としました。

赤羽構成員は「今日の話し合いについては、やはり石垣ファーストというふうに度々市長はじめおっしゃってることから言えば、まだまだ不十分である。とにかく具体性のない提案だったというふうに私は考えてます。」と述べました。

-----------
続いて、名古屋市側も記者会見を行いました。
佐治所長は「今厳しい御意見もございましたけど、とりあえず予定していた議題はすべて審議していただいて、一定の方向性が出たものですから、そういった部分でいうと、大きな成果があったなというふうに感じております。」に留まりました。

------------------
石垣部会は当初から全くぶれていません。
「本質的な価値を持つ石垣をどう守るか」を一歩ずつ進めるだけです。


19/12/26 名古屋城天守閣部会「スプリンクラー配管は石垣の下を通すのか?」

19/12/26特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 第21回天守閣部会が開催されました。

19/12/26特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 第21回天守閣部会 配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191226.pdf

19/12/26特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 第21回天守閣部会
(名古屋市民オンブズマンによるメモ)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191226-1.pdf

冒頭、河村市長が挨拶しましたが、「80歳くらいの人は『早く作ってくれ』と言っている。石垣部会とは大筋完全に方針が一致した」とするのみ。
局長も挨拶をして、市長共々すぐに退席しました。

名古屋城総合事務所から、「8月29日に、2022年12月の工期を見送ると市長コメントを発表した。新たな竣工時期については、竹中・文化庁、有識者と協議して、できるだけ早く、今年度中に示せればよい。今後部会に工程表は示してご議論していただきたい」としましたが、今回の天守閣部会には工程表は出ませんでした。

川地正数・川地建設設計室主催は「竣工時期があいまいだと市民の心は離れると思う。来年早々にも新たな工期を示してもらいたい」としました。

その後、防災設備設置計画について議論しました。

古阪秀三・立命館大学客員教授は「史実に忠実は重要だが、新しい技術の設備については、消防法に基づき付けないといけないことがある。
名古屋市と竹中工務店は、技術と史実、全体をどう協議しているのか、天守閣部会はどう関われるか」と質問しました。

竹中工務店は「スプリンクラーの配管は、どうしても史実の壁に穴を開け、壁の上を貫通しないといけない。
しかし基本的には史実の復元をしたい。最終的には建築確認申請をする」としました。
名古屋城総合事務所は「史実に忠実に復元するのは大前提として、具体的に設計をどうしていくか。復元建物について、人の安全を考え、建築基準法同等の安全性をもつものにする。建築基準法3条の「適用除外」建築審査会に諮って許可をいただく予定。
防火安全を考慮すると、史実通りにできない部分があるかもしれないが、性能を確保する設計を進めて建築審査会の許可を得たい」としました。

三浦正幸・広島大学名誉教授は「資料の2ページについて質問がある。
地下の床下配管について気になったのは、緑色の線で書かれた床下配管が、天守入口の枡形石垣の下を貫通している。
耐用年限50-100年くらいの現代建築ならこれでも構わないが、だいたい4−500年はぜったいこの部分は解体しないはずだ。
大重量がかかる石垣の下に、耐用年限が短い配管を通すのはいかがなものか。
通常であれば、石垣の下を避けてすこし遠回りすれば、床が見えているところがある。石垣の下でなければ掘り返すことは容易。
石垣の下を通されるというのは、4-500年間石垣重量を受けるとすると、コンクリートで上を保護するのでしょうが、心配だ。石垣の下を通すのはなんとかならないか」と述べました。

竹中工務店は「床下配管については、小天守橋台からいま現状、枡形入口まで地中のトレンチがある。ここから持ってきている。
同じような形式を踏襲しようとしている。 
桝形石垣の下については、今後の基礎の構造等を含めまだ検討の余地が大分ある。
先生のご意見を踏まえ、メンテナンスしやすいような方法を検討したい。
配管のルートは石垣の下を通すが、コンクリートのカバーをするだけでなく、厚い2メートルくらいのコンクリートの塊の中に、メンテナンスできる配管のスペースを作るつもりだ。荷重がかかる状況を配慮したい」と述べました。

瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「スプリンクラーの水はどこから持ってくるのか?今の天守は屋上に水槽があるはず」と聞きました。
竹中工務店は「貯水槽は売店東側に計画している。デザイン博で使ったキュービクルの跡、本丸御殿のポンプ室があるあたりに、まとめてスプリンクラー、屋内消火栓用の水源のタンクを置かせていただければと思っている。今後の協議で位置については変わるかもしれないが、水槽なしで設置できるものではない」としました。

瀬口名誉教授は「本丸御殿が火災に遭ったとき、小天守に延焼する恐れがある。延焼についても防災対策は出てくるのか」と質問しました。
竹中工務店は「本丸御殿と小天守は間隔が狭く、 一般の基準法で言う『延焼の恐れがある範囲』に該当する。
建設省から『伝統的建造物であっても、延焼のおそれがある場合、輻射熱の計算をして必要があればドレンジャー等の設備設置を検討すること』と言う通達がある。
計算したら、本丸御殿で出火した場合、また逆に小天守で出火した場合、輻射熱対策が必要と出た。
ドレンジャーを通達通りに設置しようとしたら、消防から『もう少し有用性高いものを』と言われたため、ドレンジャーではなく消防基準の放水銃を付ける計画で検討している」としました。

-----
いまだに、木造天守の基礎構造ならびに配管を通すコンクリートについて定まりません。
「はね出し工法は、既存の石垣・遺構を破壊することになるため断じて認めない」とした石垣部会は、配管についてはどのような意見を言うのでしょうか。

また、今回は防災設備設置計画でしたが、どのように来城者を避難させるかという計画はまた別個に出すのでしょうか。
木造名古屋城の高さは55.6m(天守台19.5m、建屋36.1m)もあります。
1カ所しか出口がない名古屋城で、どのように避難するのか。

難問だらけの中、名古屋市は「年度内に新たな竣工時期を示したい」としました。
総務省と市債返済計画の「協議」資料作成の締め切りが年度内なのかもしれませんが、きちんと議論する時間は果たしてあるのでしょうか。
そもそもこの木造復元事業は実現可能なのでしょうか。

天守台石垣修復が遅れ、実施設計完成のめどもたたないまま、木材だけは着々と市債を発行して購入し続けています。
2020年5月には木材保管期限が切れ、年間1億円の保管料が別途かかってきます。
一体どうすべきか。関係者が一堂に会して話し合う場所はいまだにありません。
 

名古屋城木造化 木曽ヒノキ伐採イベント詳細入手

名古屋市民オンブズマンは、19/11/4に中津川市で開催された、名古屋城天守木造復元事業に使う予定の木曽ヒノキ伐採イベントに河村市長他が出席した際の詳細を情報公開請求して入手しました。

・決定書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191223-1.pdf
・復命書等
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191223-2.pdf
・支出命令書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191223-3.pdf
---------
現天守閣解体のめども、復元のめども全くたっていない現在、名古屋市は木だけを着々と入手しています。
2020年6月に竹中工務店と契約している保管期間が切れるため、その後は追加の保管料が発生する可能性があります。
全ての木材を保管するには最大年間1億円かかると竹中工務店は説明していると、19/6/22名古屋市議会本会議で名古屋市は答弁しています。

-----
今後の予定

・19/12/26(木)午前10時〜 天守閣部会(名古屋能楽堂 会議室)
・19/12/27(金)午前10時〜 石垣部会(名古屋能楽堂 会議室)
・20/1/25(土)13時〜 講演会とシンポ 名古屋城木造天守復元事業は一体どうなるの?
 〜名古屋城木造復元事業とバリアフリーの行方〜(北区役所)
 https://www.facebook.com/events/2181282442174601/
・20/2/6(木)13時30分〜 文化庁訪問記録情報公開訴訟 (名古屋地裁1102号法廷)
・20/2/26(水)15時〜 基本設計住民訴訟 (名古屋地裁1102号法廷)


19/12/7(土)名古屋城木造化市民説明会 一級建築士「2022年12月の竣工期限を延ばすと、基本協定すなわち請負契約が無効となる」

19/12/7に、名古屋市公会堂大ホールにて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
 
 (会場からの質疑についてはもうしばらくお待ちください。
 文字起こしボランティア大募集中です。
 office@ombudsman.jp )
 
その中で、会場から一級建築士が質問しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191207-1.pdf

質問:2022年12月の竣工期限を延ばすと、基本協定すなわち請負契約が無効となる。
 竹中工務店が竣工日が守れないなら、名古屋市は50億円の損害賠償請求を求めないのか?
 竹中工務店は名古屋市に損害賠償請求しないのか?請負契約を廃棄しないのか?
 →竹中工務店「日程については今後有識者、文化庁、竹中が協議してやっていく。契約は変更協議を行う。

質問:名古屋市は竹中工務店が提案した安全のための付加設備をすべてやめたので裏金を作った。癒着を尋ねている。
 →竹中工務店「一つ一つ設計をしながら、設計の内容に対して見積をしてコストを価格交渉をして契約をしていく」

質問:松雄観光文化交流局長は人の命の大切さを知らない
 →松雄局長「国民の生命と財産を守るのが私ども公務員しての最大の使命。人の命を軽視する、あるいは人権をないがしろにする、それは絶対に認めないといったような姿勢」
 
質問:国交省住宅局建築指導課に、名古屋市の建築基準法3条の法適用除外の考えを確認したか?平成29年3月25日建築指導課から法3条適用除外の通達が出ている。「文化庁の歴史的建造物は現代につくるレプリカであるので法適用除外にはならない。」この事を確認したか?
 →名古屋市「国土交通省住宅局建築指導課に直接確認をしているわけではない。ただし建築基準法三条1項4号については、特定行政庁が認定する。担当部局である名古屋市住宅都市局建築指導課に相談はしている。
 建築指導課からは、文化財保護法の手続きを踏み、再現がやむを得ないと判断されれば3条の適用は可能と考えていると聞いている。
 今後さらに詳細について名古屋市の建築指導課と協議を行っていく予定。
 復元の基準というのは文化庁から示されている。文化財保護法に基づく基準は当然文化財保護法をもとにして文化庁から示されている基準に従って復元をするという形で現状変更許可申請を取得しようとしているところ。
 
質問:木造天守の消火設備は、スプリンクラー、屋内消火栓で良いという、総務大臣の消火設備緩和認定を得たか?
 消防法、名古屋市火災予防条例には、違法建築の木造天守に相当する消火設備がなく、コンペ要項要求水準書に名古屋市は総務大臣の緩和認定を取得しなさいというふうに書かれている。
 なお、私は消防庁、日本建築センターに聞きましたが、「名古屋城木造天守は受け付けていない」ということだ。これは事実か。
 →名古屋市:木造復元を消防法に適合させるため、名古屋市消防局と協議を重ねてきている。その上で消防設備については基本的に消防法において設置が必要な消防設備について設置することとしている。
 ただ避難器具については建物の形状から設置が困難ということなので、消防法施行令第32条基準の特例の適用を受けるため一般財団法人日本消防設備安全センターによる評価を取得し設置を免除する計画としている。
 なおこの評価につきましてはすでに一般財団法人日本消火設備安全センターに申請をしており現在審議中。
 →竹中工務店「いわゆる消火設備で消防を総務省の緩和の許可をとるようなお話だったと思うが、いわゆる技術的に新しいその消火設備とか、そういったものを考案して設定していこうという場合は、いわゆる性能値がきちっとその現行の認定品の消防設備以上かどうかっていうことも、チェックしていただいて許可を取っていくことになるが、今回は基本的には先ほど名古屋市から説明があったように消防が認定されている一般的な消防設備で全ての消火設備を構成していく」
 
----------
当初は2020年12月竣工で技術提案・交渉方式でのプロポーザルを募集したにもかかわらず、2022年12月竣工で基本協定を締結し、しかもその竣工時期も延ばし、いまだに時期が定まっていません。

基本協定13条に基づき完成時期について協議することになります。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf
しかし、松雄局長は19/10/3名古屋市議会経済水道委員会で「前回の委員会で、名古屋城天守閣木造化について、新たな竣工時期として2027年を目指すとは言っていない。基本協定の有効性が保持出来る期間として概ね5年程度ではないかと弁護士から言われたと言った。」としました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191003.pdf

しかし、これでは、プロポーザルに参加しなかった・できなかった企業から「話が違う」という指摘が出るのではないでしょうか。

なお、基本協定書18条では、『発注者に責めを帰すべき事由で中止になった場合、相手方に損害賠償できる』とあります。

------
今回の市民説明会全8回で参加者は448名でした。

令和元年度開催 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会(市の職員に確認済)
11/28(木)  41人
11/29(金) 73人
11/30(土) 59人
12/2(月)  46人
12/3(火)  46人
12/4(水)  56人
12/5(木)  70人
12/7(土)  57人

市民に関心を持たせないような名古屋市のやり方は問題視したいです。
-----
なお、最終日は19/3/22にリニューアルされた名古屋市公会堂大ホールで行われました。
1930/9/30竣工の市公会堂は、耐震補強と設備機器の更新を行い生まれ変わりました。
https://nagoyashi-kokaido.hall-info.jp/about/afterrepairwork.html

名古屋市公会堂は、1989年11月に名古屋市都市景観重要建築物に指定されています。
http://www.city.nagoya.jp/kankou/category/358-1-0-0-0-0-0-0-0-0.html

なぜ、市公会堂より29年も後、1959年10月1日に竣工した名古屋城現天守閣を解体しようとするのか、非常に理解に苦しみます。

会場の質問の中でも、「名古屋城天守閣はいつになったら入れるのか」という声が多数聞かれました。
河村市長は「市民の多くは『できるのなら木造天守閣を見たい』と言っている」と繰り返しますが、木造天守閣の実現自体危ぶまれているのが現状です。

木造復元の目処どころか、現天守閣解体すら目処がたっていない現在、現天守閣の耐震補強・長寿命化した場合の試算と効果を真剣に検討した後、木造天守復元に今後も突き進むのか、それとも耐震補強・長寿命化をするのかを再度市民に問うべきではないでしょうか。

名古屋城木造化 名古屋市職員が文化庁訪問時復命書・添付資料 内容ほぼ全面不開示

名古屋城天守閣木造化の件で、2019/6-2019/9に名古屋市職員が文化庁を訪問した際の復命書・添付資料を情報公開請求しましたが、内容はほぼ全面不開示でした。

・名古屋市職員が名古屋城の件で文化庁を訪問した際の復命書等 決定書(2019/6-2019/9)
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-6.pdf
・名古屋市職員が名古屋城の件で文化庁を訪問した際の復命書等(2019/6-2019/9)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-7.pdf
・「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答」
 (R1.6.12時点案) 【注意】案です。
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-8.pdf
・「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答」
 (R1.6.17時点案) 【注意】案です。
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-9.pdf
 
参考
・19/6/19 「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190723.pdf 
 
名古屋市からは「開示に際し、全部黒塗りの場合は費用は頂かないが、少しでも記載があれば(『別添資料1』など)、1枚10円頂くとのことで、2340円支払いました。 
 
名古屋市からは「R1.6.12時点案、R1.6.17時点案は『案である』ことを強調してネットで掲載して欲しい」と言われました。
しかし、19/6/19に提出した「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答」の情報公開請求結果を見ても、すべて内容が黒塗りなので、どこがどう変わったのかはさっぱりわかりません。

復命書をよくよくよくよく読むと、19/6/12、19/6/17、19/6/19、19/8/21については、内容はほぼ黒塗りですが、19/9/24文化庁訪問時の復命書の内容(現天守閣解体の現状変更許可申請に対する本市への指摘事項)については、若干記載されています。
よほど、19/5/29「文化庁から現状変更許可申請に対する確認事項」、19/6/19「確認事項回答書」の内容を市民に知られるのがいやなようです。
--------
今後も12/7(土)説明会があります。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
市民からのいろんな意見や質問が聞けます。
ぜひご参加下さい。

・質問案(ご自由にお使い下さい)
 1)「2022年12月に間に合わなければ切腹」市長発言について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-4.pdf
 2)文化庁「確認事項」の情報公開について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-3.pdf
 3)市債返済計画について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-5.pdf

----------
名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm

----------
※情報公開請求・各種訴訟・ニュースレター発行等活動するにもお金が必要です。
 今回開示を受けるのにコピー代が2340円かかりました。
 名古屋市民オンブズマンは会費とカンパのみで運営していますので、ぜひともカンパのご協力をお願いいたします。
  《郵便振替口座》
    口座番号 00870−9−105687
    加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
   http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm



19/12/5(木)名古屋城木造化 「市長が『金が余っている』というのなら、なぜ給食費を月額600円値上げする?」

19/12/5に、日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールにて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
 
 (会場からの質疑についてはもうしばらくお待ちください。
 文字起こしボランティア大募集中です。
 office@ombudsman.jp )

その中で、費用についての質問がありました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/191205.pdf

質問:市長は毎回「世間には金が余っている」と言っているが、そうであればどうして今日の報道「給食費を月額600円値上げ」するのか?
 全回名古屋城にいくら税金を使ったのか質問したが回答がなかった。
 今の名古屋城はみんなが寄附して3分の1の工費をまかなった。
 内部はどうなるのか。
 →市:総事業費505億円のうち、平成30年度末までで約40.7億円支払った。それ以外は約1.8億円支払った。
   内部は史実に忠実に復元するが、構造補強、安全確保、防災、避難、バリアフリーを確保を目指す。文化庁が定める「史跡等における歴史的建造物の復元に関する基準」に適合するようしたい →竹中:実施設計図書の図面が出来てから見積もりが妥当か価格交渉して工事金額が決定していく
 →河村市長:市長:お金のことについてはね、ほんとに日本はこれでアメリカなんかに抜かれましたね。お金がないないということで、嘘なんですよ。これ。今の日本どうなっているかというと借りる人がいないでしょお金を。借りること人がいないということになると一社ならいんですけどみんなが借りないようになると物凄い不景気になるわけです。河村さんの言うことは信用ならんというというだったらリチャードクーさんの本を読んでいただくのがわかります。実は法人が会社がとにかく金を借りんから、大変な状況になっています。だで金利が低いんです。そのお金をちゃんと使って投資してちゃんと都市の力というか経済の力を保つことが福祉を強くするということになると。
   
--------
今回の給食費値上げの報道で、名古屋市の市立小学校の給食の質素さが全世界に知れ渡りました。
10年前と比べると価格の高いおかずの品数が少なくなったとのこと。

名古屋市はどこを向いてなにをやっているのか。
しかも、市長の説明で納得できる人がどれくらいいるのか。
「子どもの貧困」が問題視される中、給食費を値上げしておきながら、全く見通しの立たない名古屋城に約42.5億円もつぎ込んでいるのが名古屋市の現状です。

今後も12/7(土)説明会があります。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
市民からのいろんな意見や質問が聞けます。
ぜひご参加下さい。

・質問案(ご自由にお使い下さい)
 1)「2022年12月に間に合わなければ切腹」市長発言について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-4.pdf
 2)文化庁「確認事項」の情報公開について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-3.pdf
 3)市債返済計画について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-5.pdf


19/12/4(水)名古屋城木造化 市民向け説明会「保存活用計画は文化庁に了承されているのか?」

19/12/4に、昭和区役所講堂にて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
 
 (会場からの質疑についてはもうしばらくお待ちください。
 文字起こしボランティア大募集中です。
 office@ombudsman.jp )

その中で、名古屋城保存活用計画についての質問がありました。
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-10.pdf

質問:策定した名古屋城保存活用計画は文化庁が了承しているのか。
 石垣部会の千田先生は『保存活用計画は文化庁は了承していない』と言っている。
 ・19/7/20 名古屋城石垣部会千田教授「文化庁が求める手順を踏まないと1ミリも木造復元進まない」
  https://ombuds.exblog.jp/27697638/
 名古屋城全体の整備計画の中で、天守閣を位置づける必要があるし、天守閣以外が薄いのではないか
→市「全体整備検討会議は文化庁もオブザーバーとして参加している。
 文化庁も認定いただいたと認識している。」
 
----------
名古屋城木造化については、竣工時期を2022年12月と決めていたために、きちんとした手順や議論を踏まずに進めてきました。
文化庁からも様々な指摘や疑問が出ていますが、名古屋市はきちんと市民に公開して説明していません。
市民に対しても疑問をきちんと回答していません。

今後も12/5(木)、12/7(土)と説明会があります。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
市民からのいろんな意見や質問が聞けます。
ぜひご参加下さい。

・質問案(ご自由にお使い下さい)
 1)「2022年12月に間に合わなければ切腹」市長発言について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-4.pdf
 2)文化庁「確認事項」の情報公開について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-3.pdf
 3)市債返済計画について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-5.pdf

19/12/3(火)名古屋城木造化 市民向け説明会「他会場で質問していない方を優先に質問を」

19/12/3に、中川文化小劇場にて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

会場からの質問を受け付ける前、司会から「なるべく多くの方にご質問いただきたいので、他会場で質問していない方を優先にあてたい」旨連絡がありました。

会場からは、毎回同じような質問があり、市や竹中工務店は同じような回答を行います。
どうして、これまでの質問の要旨と回答を文字にして配付し、「過去にない質問をお願いします」ということを言わないのでしょうか。
45分間の質問・回答時間の内、質問者は3分以内と決められているのに、会場からの質問より長い河村市長の回答。
質問に関係の無いことを話すことも多数です。

だからといって、質問時間を延ばすこともしません。
「アリバイづくり」と言われてもしょうがないのではないでしょうか。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
 
 (会場からの質疑についてはもうしばらくお待ちください。
 文字起こしボランティア大募集中です。
 office@ombudsman.jp )
 
今後も12/4(水)、12/5(木)、12/7(土)と説明会があります。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
市民からのいろんな意見や質問が聞けます。
ぜひご参加下さい。

・質問案(ご自由にお使い下さい)
 1)「2022年12月に間に合わなければ切腹」市長発言について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-4.pdf
 2)文化庁「確認事項」の情報公開について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-3.pdf
 3)市債返済計画について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-5.pdf


19/12/2(月)名古屋城木造化 竹中工務店「基礎構造は500年持つコンクリートを使用する予定」

19/12/2に、守山区役所にて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
 
 (会場からの質疑についてはもうしばらくお待ちください。
 文字起こしボランティア大募集中です。
 office@ombudsman.jp )

河村市長は、会場から「どうして現天守閣を耐震補強しないのか」という質問に対し、「コンクリートの建物の寿命は平均50年と言われている」と言い続けています。

そこで、名古屋市民オンブズマンが会場から基礎構造のコンクリートについて竹中工務店に質問しました。
・19/12/2 名古屋市民オンブズマンによる質問と、竹中工務店からの回答文字起こし
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191202-1.pdf

・1点目
 奈良 平城京大極殿復原に竹中工務店が使った、「500年持つコンクリート」というのは、この木造復元の天守閣の基礎構造(はね出し工法)でも使うご予定か。
 (参考:竹中工務店 平城宮跡第一次大極殿正殿復原工事)
 https://www.takenaka.co.jp/solution/purpose/traditional/service20/index.html
 →使う予定

・2点目
 仮に上記500年コンクリートを使って現天守閣を長寿命化させることは可能か
 →耐震の専門ではないのでわからないが、耐震補強要素だけ500年持たせても、残っているコンクリートの性能は評価に値しない。

---------
河村市長の「コンクリートの建物は平均50年しか持たない」は、竹中工務店によって明確に否定されました。
一方、竹中工務店も、長寿命化については、耐震補強要素だけの長寿命化のみを言うだけで、全体の長寿命化については何も答えませんでした。

木造天守閣が仮に1000年持つとしても、コンクリート基礎構造は500年しか持ちません。
そうであれば、現在のコンクリート天守閣を耐震化した上で500年長寿命化させることはできないか、ということを真剣に考えてはどうかと思います。

参考:平成26年1月8日 文部科学省
 「学校施設の長寿命化改修の手引〜学校のリニューアルで子供と地域を元気に!〜」の公表について
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shisetu/027/toushin/1343009.htm

今後も12/3(火)、12/4(水)、12/5(木)、12/7(土)と説明会があります。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
市民からのいろんな意見や質問が聞けます。
ぜひご参加下さい。

・質問案(ご自由にお使い下さい)
 1)「2022年12月に間に合わなければ切腹」市長発言について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-4.pdf
 2)文化庁「確認事項」の情報公開について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-3.pdf
 3)市債返済計画について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191204-5.pdf

19/11/30(土)名古屋城木造化 竹中工務店「文化庁とのやり取りは名古屋市から見せていただいた」

19/11/30に、天白区役所にて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
 
 (会場からの質疑についてはもうしばらくお待ちください。
 文字起こしボランティア大募集中です。
 office@ombudsman.jp )

19/1/17に開催された市民向け説明会で、竹中工務店は、「名古屋市が文化庁訪問時に作成した議事録は確認していない」ことを認めました。
市民に公開していないだけでなく、一緒に事業を行っているはずの竹中工務店にも公開していないという回答には会場全員が驚愕しました。

市民が情報公開請求しても、文化庁とのやり取りは内容が真っ黒塗り。
文化庁からの確認事項も内容すべて非公開です。
そこで、名古屋市民オンブズマンが会場から情報公開について
竹中工務店と名古屋市に質問しました。

・19/11/30名古屋市民オンブズマンによる質問と、竹中工務店、名古屋市からの回答文字起こし
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191130.pdf

竹中工務店
・1点目 名古屋市が文化庁を訪問した際に作成した議事録・打合せメモは中身を確認しましたか。確認したとしたらいつですか
 →竹中工務店「一緒になって進めるべきということで、竹中に関する部分は文書で頂いたり、全体については口頭で説明いただいた。
 
・2点目 5/29文化庁からの「確認事項」、6/19「回答」は中身を確認しましたか。確認したとしたらいつですか
 →竹中工務店「日にちは明確にお答えできない。」
 
・3点目 上記議事録・打合せメモ、「確認事項」「回答」を確認した場合、感想はどうですか。
 →竹中工務店「名古屋市と情報共有しながら進めていきたい」

名古屋市
・竹中工務店には、議事録・打合せメモ、「確認事項」「回答」を見せたのかどうか。
 見せたとしたらいつか。見せていないのなら理由はなにか
 →市「決まっていない段階は実質非公開。進捗は決定したら情報公開する。
  竹中には文化庁との打合せの直後に伝えた。」
  
------
ようやく、名古屋市と竹中工務店は文化庁とのやり取りを情報共有はじめたようです。
しかし、市民には全く公開していません。
石垣部会にも、5/29文化庁からの「確認事項」、6/19「回答」を公開したのか、するつもりなのかはわかりません。

今後も12/2(月)、12/3(火)、12/4(水)、12/5(木)、12/7(土)と説明会があります。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
市民からのいろんな意見や質問が聞けます。
ぜひご参加下さい。
----------

19/11/29(金)名古屋城木造化 竹中工務店「はね出し工法について、石垣部会と『目線合わせ』をしたい」

19/11/28に、今池ガスホールにて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf
 
 (会場からの質疑についてはもうしばらくお待ちください。
 文字起こしボランティア大募集中です。
 office@ombudsman.jp )
 
19/11/28名古屋市議会本会議において、浅井正仁市議は木造天守の基礎構造である「はね出し工法」によって遺構を壊すことになり、本末転倒ではないかと指摘しました。

また、松雄観光文化交流局長は「石垣部会から、石垣の一部の毀損を前提とした基礎構造は認められないと、当初から指摘されている。文化庁からは、穴蔵石垣に遺構が残っている可能性を前提に基礎構造を検討するよう助言されている。」としています。

石垣部会の千田嘉博・奈良大学教授は19/11/28の記者会見ではね出し工法について「今は結論を出せない。石垣調査に基づき議論して、どの程度学術的価値があるのか、痛んでいるかを評価し、解体修理が必要か、はね出し工法が成り立つか明らかになる」としました。

そこで、名古屋市民オンブズマンが会場から「はね出し工法」について竹中工務店に3点質問しました。

・19/11/29名古屋市民オンブズマンによる質問と、竹中工務店からの回答文字起こし
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191129-1.pdf

1点目 実施設計は現在の石垣の調査と評価が終わるまで終了しないと考えてよいか。
 →竹中「今後石垣部会の先生とじっくり協議させていただきながら、石垣の保全に向けてどういった目線合わせをしていくかというところを協議を進めていきたい」
  
2点目 実施設計契約は2020/5/29までだが、契約の変更(期限と金額)はあるのか。今後仮に期限が延びた際、金額はどうなるか
 →竹中「今の契約期間で出来るかを、名古屋市と協議していこうという段階。設計期間の変更手続も、場合によっては必要になると考える」

3点目 19/1/23市民説明会の際、竹中工務店は「耐震性と史跡の保護を両立させた案は可能と考える」 と述べたが、その後の進捗状況は。
 はね出し工法以外の工法が、現時点で提案できているか
 →竹中「有識者と目線合わせをしながら整理していく。いろんなアイディアは出させていただく」

------
結局、竹中工務店は「目線合わせ」という言葉でしかモノを語っていません。
はね出し工法以外の手法についても、具体的には述べていません。

今後も11/30(土)、12/2(月)、12/3(火)、12/4(水)、12/5(木)、12/7(土)と説明会があります。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
市民からのいろんな意見や質問が聞けます。
ぜひご参加下さい。

19/11/28(木)名古屋城木造化 千田教授「はね出し工法については、今は結論を出せない」

19/11/28に、中村文化小劇場にて名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会が開催されました。
録画、写真撮影は許可が無いと出来ないと言われました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-1.pdf

・会場からの質疑
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-6.pdf


会場には、石垣部会の千田嘉博・奈良大学教授も個人で来ており、舞台上で挨拶しました。

説明会終了後、河村たかし名古屋市長と千田嘉博氏の共同ぶら下がり会見がありました。
・19/11/28 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会終了後
 河村たかし名古屋市長と千田嘉博氏の共同ぶら下がり会見
 (名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-2.pdf

千田教授は記者からはね出し工法について聞かれ、「今は結論を出せない。基礎的な調査に基づいて、しっかりと学術的な議論をする中で、今の大天守・小天守の石垣がどのような学術的な価値を持っているかを評価することになる。
どの程度痛んでいるかも評価を下すことになる。
その結果次第で、穴蔵階の解体修理が必要となるのか、そうでないかがはっきりしてくる。
特別史跡や史跡の整備の基本原則は、本質的な価値を持ってるものを壊して何か作ることは原則として認められない。
はね出し工法が成り立つのか。難しいということになってくるのか。それも明らかになってくる」としました。

一方、河村市長は「石垣部会と完全に一致した」と述べるだけで、印象操作を行っているとしか思えません。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128-3.pdf

丁寧に見る必要があると思います。


19/11/28(木)浅井市議「名古屋城木造化『はね出し工法』で慶長期の史跡を壊すのは本末転倒ではないか」

19/11/28 名古屋市本会議で、浅井正仁市議が名古屋城天守閣木造復元事業について質問しました。

19/11/28 名古屋市本会議議案外質問(名古屋城関連部分)
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリに基づく文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191128.pdf

浅井市議は、19/10/31に沖縄の首里城火災に触れ、現名古屋城天守閣、本丸御殿にスプリンクラーが付いていない、本丸御殿にスプリンクラーを付ける気が無いか質問しました。
同様に、現在名古屋市が復元検討している木造天守閣について具体的な取り組み内容を質問しました。

次に、観光文化交流局長が「石垣部会の皆さんと対話し、歴史的な合意をした」と印象を持ったようだが、具体的な内容を質問しました。
特に、天守閣の基礎となるコンクリートを設置する「はね出し工法」というコンクリートを流し込む手法は、穴蔵石垣を撤去し、慶長期からある可能性が非常に高い根石や土といった遺構を壊しすことになり、本末転倒ではないか、と指摘しました。
これまではね出し工法について石垣部会から了承が得られていないが、石垣部会の先生と合意が出来たのか質問しました。

松雄観光文化交流局長は、本丸御殿についてはスプリンクラーなどを早急に検討すると述べました。
また、木造天守閣についても、およそ800個のスプリンクラーを設置する予定としました。
工法については、文化庁からの指摘事項について、今後情報提供をしながら一つ一つ丁寧に石垣部会のご助言を受けながら進めていくことを確認したとしました。
市長と石垣部会構成員が直接話し合い、お互いの考えを確認出来て大変有意義だったと感じているとしました。
石垣調査と保全方針策定期間については、まず石垣カルテを整理すること、調査結果を整理分析が必要と意見を頂いたとしました。
また、はね出し工法について、石垣の一部の毀損を前提としている基礎構造は認められないと、当初から指摘しているという意見も頂いた音しました。
天守閣木造復元について、特に議論は行われなかったが、文化庁から最終的に解体から復元までを1回で申請すべきと指摘されていることもあり、石垣部会としても全体整備検討会議との関係の中で議論に加わっていくことになる。とのご意見もいただいたとしました。

浅井市議は、「スプリンクラーに勝るものはない」としました。
また、石垣部会の合意について、観光文化交流局長の言葉を信じ、「今年度まだ4か月も有るのに、実施設計が完了しないというのは、実施設計に必要なケーソン下のボーリング調査の現状許可申請が文化庁に提出できなかったからと聞いた。
石垣部会との合意が出来た今なら年度内に実施設計が終えられるのではないか。次回石垣部会で話題や情報提供できないか」としました。

松雄観光文化交流局長は「基礎構造について、文化庁から穴蔵石垣に遺構が残っている可能性を前提に検討するようご助言を頂いている。できるだけ早く全体整備検討会議や石垣部会にご相談をし、ご意見を頂戴したい」としました。

浅井市議は市長に、石垣部会ではね出し工法を話題にしてもらえないかと言いました。

河村市長は「石垣部会の皆さんとは、よく相談してちゃんとやっていこうというふうに合意をした。そういうふうにやっていきたい」としました。

浅井市議は「2月議会までに、はね出し工法が文化庁や石垣部会で了承を得られなかったら、実施設計は予定通り完了することができず、竣工時期がさらに先になることは間違いないでしょう。
文化庁の方は、『何もないところに建てた本丸御殿は、調査を始めて15年かかった。特別史跡の石垣がある木造天守を建てるにはもっとかかるでしょう』と言われた。
名古屋市は木造天守閣のためにすでに木材を買ってしまったが、全く使える見込みが立っていない。
首里城の方が早く再建できるかもしれない。
だったら、何も予定がない買ってしまった木材を、一旦首里城に使っていただいてみてはどうか。名古屋市民は誰も市長をとがめることはないと思います。絶賛されるのではないか」としました。

河村市長は「首里城の関係者から連絡があって、どうだろうかと話があった。具体的にはまだきまっていない。
関係者が『協力できることは協力したい。当事者とも相談して連絡する。文化庁等に伝えて欲しい』という話しがあった。
返事は頂いていない。心は届いていると思う。
専門家の意見を聞いて、皆さんのご意向でやらないと無責任なことは申し上げられない」としました。

-------
松雄観光文化交流局長の「歴史的な合意をした」という印象は、どこで思ったのかわかりませんが、答弁を読む限り、歴史的な合意とはとても思えません。
【松雄局長が述べた石垣部会との対話内容】
・市は、文化庁からの指摘事項を石垣部会に情報提供する
・市は、文化庁からの指摘事項について、石垣部会の助言を受けて進める
・石垣調査と保全方針策定期間については、まず石垣カルテを整理すること、調査結果を整理分析が必要と石垣部会・はね出し工法について、石垣の一部の毀損を前提としている基礎構造は認められないと、石垣部会は当初から指摘している
・天守閣木造復元について、文化庁から最終的に解体から復元までを1回で申請すべきと指摘されていることもあり、石垣部会としても全体整備検討会議との関係の中で議論に加わっていくことになるという意見
(19/11/4石垣部会との対話の内容は「不存在」です)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191121-1.pdf

しかも、はね出し工法については全く解決していませんし、解決する見込みもでていません。

しかも、松雄局長は「基礎構造について、文化庁から穴蔵石垣に遺構が残っている可能性を前提に検討するようご助言を頂いている。」としており、石垣部会がはね出し工法について議論する際は、文化庁も穴蔵石垣の遺構が残っている可能性を注視していると述べています。

・ケーソン下のボーリングが出来ていない
・はね出し工法について、石垣部会は認められないと言っている

上記を踏まえると、実施設計が完了することは相当後になるのではないでしょうか。
解体許可も出ず、復元案も提出できず、しかも契約には文化庁の許可が必要ない実施設計すら完了できない。にもかかわらず、木材は今後も継続して購入する予定です。
以下名古屋城関係の市債発行額です。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191105-1.pdf
 2017年度(決算額) 8億4600万円
 2018年度(決算額)26億6800万円
     (繰越額) 2億6400万円
 2019年度(予算額)32億5800万円

これが名古屋市の現状です。


・横井利明名古屋市議ブログ
http://blog.livedoor.jp/minami758/archives/2463577.html


名古屋城木造化 石垣部会と市長との懇談 内容記録せず

名古屋市民オンブズマンは、19/11/4に行われた、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会構成員と名古屋市長、観光文化交流局長、名古屋城総合事務所長、
名古屋城調査研究センター副所長との懇談について、内容がわかる物を情報公開請求しましたが、出席者と式次第、配付資料が公開されただけで、内容は全くわかりませんでした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191121-1.pdf

式次第によれば、朝10時から午後4時まで各種打合せをしていたことがわかります。
市長との懇談は午後2時から3時まで1時間です。
にもかかわらず、何を話していたのか全くわかりません。

19/9/24に文化庁から出された、「現天守閣解体の現状変更許可申請に対する本市への指摘事項」をまとめたものが資料として添付されています。
(情報公開請求中 延長決定)

-------
しかし、19/5/29文化庁からの確認事項はいまだに全面不開示です。名古屋市の回答も全面不開示です。

・19/5/29 名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf
・19/6/19 「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190723.pdf 

---------
その後、19/11/20河村市長は市議会本会議で「石垣部会の皆さんも復元まで含めた議論を進め、天守閣部会の皆様とも、一緒に邁進してまいりたいと考えております。」と述べたものの、「石垣部会が復元まで含めた議論を進め、一緒に邁進したいと言った」とは述べておらず、市長の一方的な願望をあらわしただけです。

具体的な石垣部会の指摘をオープンにせず、市長の一方的な願望のみを一方的に喧伝する市長のやり方のため、数十億円もの損害が発生する可能性が高いです。

19/6/22講演で、石垣部会の赤羽一郎氏は「名古屋市は見えない暗礁ではなく、目の前に見えている問題にぶつかっていった」と表現しました。
問題点はすでに何度も以前から指摘されています。
名古屋市は、具体的になにが問題とされており、どう回答したのか。市民にすべて公開しなければ何も始まりません。

------
また、同日19/11/4に河村市長や特別秘書、名古屋城総合事務所職員が中津川市に行った、名古屋城木造天守閣のための木を切るイベントに関する復命書も情報公開請求しましたが、内容は全く記載されていませんでした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191121-2.pdf


19/11/20(水)〜 河村市長 市議会本会議で名古屋城天守閣木造復元の新たな竣工時期を明言せず

19/11/20に名古屋市議会本会議で河村市長が市長提案理由説明を行いましたが、新たな竣工時期については「竹中工務店、文化庁、地元の有識者との協議をさらに進めてまいります」としか述べませんでした。

19/11/20名古屋市本会議文字起こし(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191120.pdf

------
河村市長は「先日石垣部会の構成員の皆様と直接話し合い、お互いの考えを確認することができ大変有意義なものであったと考えております。」と述べたものの、石垣部会が何と考えているのかは述べていません。

19/11/4の面談の際の情報公開請求をしても出てきませんでした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191121-1.pdf

河村市長は「石垣部会の皆さんも復元まで含めた議論を進め、天守閣部会の皆様とも、一緒に邁進してまいりたいと考えております。」と述べたものの、「石垣部会が復元まで含めた議論を進め、一緒に邁進したいと言った」とは述べておらず、市長の一方的な願望をあらわしただけです。

河村市長は一事が万事、このようなありさまです。
情報を公開せず、ごまかしごまかしやってきたため、2022年12月竣工は断念せざるをえなくなっただけでなく、2018年度末で市債を35億1400万円借り、木造復元ができる見込みもたってないだけでなく、返済する見込みもたっていません。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191105-1.pdf
 2017年度(決算額) 8億4600万円
 2018年度(決算額)26億6800万円
     (繰越額) 2億6400万円
 2019年度(予算額)32億5800万円

今後、市議会本会議、委員会や市民説明会が行われます。
事実に基づいておかしいことを質問して追及しましょう。

--------
今後の予定

11/28(木)13:20- 名古屋城情報公開訴訟(名古屋地裁)
11/28(木)19:00- 名古屋城市民説明会(中村文化小劇場)
11/29(金)10:05-  財政福祉委員会 付議議案審査[質疑(病院局、財政局関係)]
      10:10- 経済水道委員会 付議議案審査[質疑(観光文化交流局関係)]
      19:30- 名古屋城市民説明会(今池ガスホール)
11/30(土)13:30- 名古屋城市民説明会(天白区役所講堂)
12/2(月) 10:30- 経済水道委員会 付議議案審査[総括質疑(観光文化交流局関係)]
19:00- 名古屋城市民説明会(守山区役所講堂)
12/3(火) 10:30- 財政福祉委員会 付議議案審査[総括質疑(病院局、財政局関係)]
19:00- 名古屋城市民説明会(中川文化小劇場)
12/4(水)19:00- 名古屋城市民説明会(昭和区役所講堂)
12/5(木)10:30- 付議議案審査[意思決定(観光文化交流局関係)]
     11:00-  財政福祉委員会 付議議案審査[意思決定(3局一括)]
     15:00- 名古屋城住民訴訟(名古屋地裁)
     19:00- 名古屋城市民説明会(日本特殊陶業市民会館)
12/7(土)19:00- 名古屋城市民説明会(名古屋市公会堂)

19/11/28(木)〜 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会に参加を

名古屋市は、19/11/20に市内8カ所で名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会を行うと発表しました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html

19/11/20 15:00 市観光文化交流局 名古屋城総合事務所に確認したところ、「竹中工務店は、説明時には参加せず、壇上は名古屋市職員のみあがるが、質疑には竹中工務店が参加する」とのこと。
 
現在、木造復元はおろか、現天守閣解体の目処すらたっていません。
しかしながら、文化庁からいかなる質問・指摘が来たのか、それに対してどのような回答を行ったのかすら名古屋市は明らかにしていません。
ぜひ多くの人が参加して、様々な質問を名古屋市と竹中工務店にぶつけましょう。

以下質問案を考えました。質問案はご自由にお使い下さい。
他にあれば office@ombudsman.jp にください。

【名古屋市への質問案】
・なぜ事業が遅れているか、文化庁からの資料・議事録を示した上で説明してもらいたい
・19/6/19名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答を文化庁に提出したが、全く中身がわからない。
 これで市民説明会をする意味があるのか?
・2020年度予算要求に名古屋城木造復元予算がないがどういうつもりか
 特に、木材の製材について、2020年度債務負担行為の支払限度額が20億5800万円になっているがどうするのか
・2020年度予算要求では、2019年度寄附見込み2億円から、8000万円に減額されているが
・19/8/29河村たかし名古屋市長の「2022年末復元を断念する」発表後、木材製材について竹中工務店に購入を指示したのか。金を振り込んだのか。
 それはどのような理由か
・2022年12月末に竣工するとして、市の起債を昨年度末までにすでに35億1400万円借りた。本年度予算額は32億5800万円借りる予定。
 今後どのように返済する気か。
 特に市財政局とのやりとり、ならびに総務省との「協議」の状況はどうなっているか。
 また、公募地方債説明会の際にどのように説明したか

【竹中工務店への質問案】
・今のお気持ちは
・現時点で、現天守閣直下のボーリングの目処がたっていないがボーリングなしで実施設計は完了するか
・19/1/17市民説明会の際、名古屋市が文化庁と協議した議事録を確認していないと話したが、その後確認したか
・石垣部会が「史跡を破壊するはね出し架構は断じて認めないし、一般論として文化庁も認めないだろう」と発言した件に関し、19/1/23市民説明会の際、竹中工務店は「耐震性と史跡の保護を両立させた案は可能と考える」 と述べたが、その後の進捗状況は 
・19/6/19名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答を文化庁に提出したが、中身を竹中工務店として確認したか  
・実施設計業務委託は20/5/29までの契約だが、現時点で履行期間内に完了する予定はあるか
・すでに名古屋市と契約した木材について、木材の製材契約に関し、契約書上、竹中工務店の保管の契約期間はいつまでか。
 その後契約書上、木材はどうなるのか
・建設業法17条、19条によれば、「竣工日のない契約は請負契約とはならない」とあるが、現状の基本協定・実施設計業務委託等は有効と考えるか。一級建築士に回答を求めたい
・名古屋市と竹中工務店は、基本協定13条などに基づき完成時期について協議しているのか
 
-------
「市民向け説明会」の開催

名古屋市が進めている名古屋城天守閣木造復元事業についてご説明します。
・市長あいさつ
・名古屋市からの説明
・質疑応答
 ※各日とも内容は同じです。ご都合の良い日にご参加ください。
 ※予約不要・入場無料です。手話通訳・要約筆記があります。

令和元年11月28日(木曜日)会場は、中村文化小劇場です
開催時間は、午後7時から午後8時30分まで(開場は午後6時30分)
当日先着300人
令和元年11月29日(金曜日)会場は、今池ガスホールです(今池ガスビル9階)
開催時間は、午後7時30分から午後9時まで(開場は午後7時)
当日先着300人
令和元年11月30日(土曜日) 会場は、天白区役所講堂です
開催時間は、午後1時30分から午後3時まで(開場は午後1時)
当日先着150人
令和元年12月2日(月曜日) 会場は、守山区役所講堂です
開催時間は、午後7時から午後8時30分まで(開場は午後6時30分)
当日先着200人
令和元年12月3日(火曜日) 会場は、中川文化小劇場です
開催時間は、午後7時から午後8時30分まで(開場は午後6時30分)
当日先着400人
令和元年12月4日(水曜日) 会場は、昭和区役所講堂です
開催時間は、午後7時から午後8時30分まで(開場は午後6時30分)
当日先着250人
令和元年12月5日(木曜日)  会場は、日本特殊陶業市民会館 ビレッジホールです
開催時間は、午後7時から午後8時30分まで(開場は午後6時30分)
当日先着1,000人
令和元年12月7日(土曜日) 会場は、名古屋市公会堂 大ホールです
開催時間は、午後7時から午後8時30分まで(開場は午後6時30分)
当日先着1,400人

問合せ:観光文化交流局 名古屋城総合事務所
電話番号: 052-231-1700
ファックス番号: 052-201-3646
電子メールアドレス: a2311700@kankobunkakoryu.city.nagoya.lg.jp

19/11/20 名古屋市 2020年度予算要求に名古屋城木造復元関係予算計上せず

名古屋市は19/11/20に「予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例」に基づき「令和2年度予算要求内容の公開」を行いました。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000122696.html
19/11/20(水)から19/12/20(木)まで意見募集中です。

名古屋城関係の予算要求は以下です。( )書きは一般財源額
・名古屋城を核とした魅力向上推進事業 2300万円(2300万円)
 名古屋城と四間道、文化のみち、大須、熱田、有松・桶狭間、名古屋駅・ささしま、栄、港エリアを結ぶ魅力を創出・発信
・武将観光の推進 1億8400万円 (1億8400万円)
 名古屋城、名古屋おもてなし武将隊、桶狭間の戦い及び大高地区等の名古屋の歴史的な魅力を活かした観光PRを実施
・天守閣閉館中の魅力向上事業 1億5000万円(5100万円)
 天守閣閉館中の魅力向上に資する民間事業者と連携した催事、ユニークべニューとしての活用等の実施
・名古屋城関連資料のデジタル画像の作成 300万円(300万円) 
 効率的な調査研究を行うため、名古屋城関連資料のデジタル撮影、既存フィルムのデジタルデータ化等を実施
・名古屋城石垣の基礎的研究及び普及事業 2000万円(2000万円)
 名古屋城石垣の特徴や価値を明らかにするため、石垣の基礎的研究や石垣を活用した普及事業を実施
・名古屋城正門トイレ改修 4500万円(1200万円)
 国内外からの来場者を受け入れる環境整備として、名古屋城正門トイレの洋式化等
・名古屋城内外景観の改善 7300万円(7300万円)
 名古屋城内外の景観を美しく保ち、来場者を名古屋城に気持ちよく迎え入れられるよう除草やせん定、清掃等を強化
・名古屋城二之丸庭園の保存整備 1億1100万円(1100万円)
 名勝名古屋城二之丸庭園の保存整備のための発掘・測量、設計及び修復整備等 
 債務負担行為 期間 3〜4年度 限度額 2700万円
・名古屋城二之丸地区整備基本調査 2100万円(1800万円)
 二之丸地区全体の価値・魅力を高めるため、二之丸地区の整備に向けた基本調査
・重要文化財表二之門等の大規模修理に向けた調査 400万円(400万円)
 重要文化財表二之門等の大規模修理に向けた保存修理方針の策定
・金シャチ横丁第二期整備 2800万円(2800万円)
 金シャチ横丁構想のさらなる推進のため、第二期整備の具体的な整備に向けた検討及び調査を実施
・名古屋城天守閣木造復元に向けた機運醸成 3800万円(3800万円)
 名古屋城天守閣木造復元に向けた市民の機運醸成を図り、寄附金を募集するための方策を実施
・名古屋城天守閣積立基金の積立 8000万円(-)
 名古屋城天守閣木造復元のための寄附金を積立 

---------
2019年6月議会に提案した名古屋城天守閣木造化木材保管庫予算400万円(債務負担行為 3億1300万円)(その後取り下げ)、6月議会に提出予定だった解体工事予算約20億円(見送り)も、計上されませんでした。

19/11/19中日新聞によれば、河村市長は「予定していた仮の展示・収蔵施設の建設を、財政局の助言を受けて取りやめ、7億円の節約につながった“財政局のファインプレー”も評価した」といいます。

平成30年度、31年度当初予算は、予算要求時にはなかった名古屋城木造復元関連の予算がいきなり計上され、市民は条例に基づく意見を言うことが出来ませんでした。
・平成31年度当初予算の概要
 http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-16-1-1-2-0-0-0.html
・平成30年度予算案(草案)
 http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000102118.html

今回はどうなるかわかりませんが、このようなことを繰り返すのであれば条例の趣旨を著しく逸脱します。

これまで、名古屋市観光文化交流局が名古屋城木造復元に関して予算要求してきたものに対し、財政局は予算を認めてこなかったことが多かったです。
そのような市内部の議論も、「いきなり予算計上」ではわかりません。

名古屋市長は何を考えているのか。
財政局、観光文化交流局は何を考えているのか。
市民に対する資料に基づいた十分な説明が必要です。


19/11/12 浅井名古屋市議「来年度愛知県予算要望書に名古屋城が入っていないが諦めたのか?」

19/11/12 名古屋市議会大都市制度・広域連携促進特別委員会が開催されました。

・19/11/12 名古屋市議会 大都市制度・広域連携促進特別委員会資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191112.pdf

・19/11/12 名古屋市議会大都市制度・広域連携促進特別委員会(名古屋城部分)
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191112-1.pdf

資料として、令和2年度名古屋市の行財政に対する県費補助及び県の施策等に関する要望(案)が提出されました。

浅井正仁市議(自民・中川区)は「毎年、愛知県に対する予算要望に、名古屋城が入っているが、今回入っていない。諦めたのか?」と質問しました。

名古屋市の財源対策主幹は「来年度実施する事業内容が未確定なので、現時点では来年度要望するタイミングではないと判断した。内容が明らかになって固まってくれば、その都度適宜に要望は再開するということになろうかと考える」としました。

浅井市議は、「今年要望がなくなったのは、財政の査定が甘かったからではないか」としましたが、財源担当主幹は「都度都度、最善のというか、できる限りの判断をしていると考えている」としました。

----------
18/11/13愛知県議会一般会計・特別会計決算特別委員会で、高木ひろし県議(新政あいち県議団)が名古屋城本丸御殿と名古屋城天守閣復元事業について質問したところ、愛知県は「本丸御殿には県として9.6億円補助を行ったが、名古屋城天守閣木造化は入場料収入等で事業費をまかなうとあり、補助実施は考えていない」と述べました。
【高木ひろし委員】
 名古屋市は、本丸御殿の完成に続いて、木造天守閣の整備も始めようとしている。名古屋市は昨年度及び本年度で90億円に近い予算を可決しており、総予算額は500億円とも600億円ともいわれているが、この事業に対して本丸御殿と同様に助成する考えはあるのか。
【観光振興課主幹(企画・観光振興)】
 現在の名古屋市の再建計画では、入場料収入等で事業費を賄うこととなっており、収支の中に県の補助金は見込まれていない。また、名古屋市は現時点では税金の投入を想定しておらず、県としても補助の実施は考えていない。しかし、名古屋市の担当者からは、国・県に補助金を要望したいとの話もある。名古屋市の計画を注視しながら、今後の推移を見守っていきたい。
【高木ひろし委員】
 この問題は、名古屋市民の中でも大きな意見の相違がある。本丸御殿復元時に民間主導の運動が先行した状況とは大きく違うものであり、慎重に推移を見守ってほしい。名古屋市は税金を投入しない再建構想を考えているため、名古屋市から要請があったとしても慎重に対応すべきと考える。
・名古屋市 来年度事業未確定 収支見通し未確定
・愛知県 「名古屋市は入場料収入で事業費を賄うとなっている。補助実施は考えていない」

名古屋市は、愛知県の上記答弁を説明していません。
名古屋市は本当にどうするつもりなのでしょうか。
--------- 
・2019年11月12日 横井利明ブログ
 県に対する補助金要望を断念 名古屋城天守閣木造復元事業 
 http://blog.livedoor.jp/minami758/archives/2462448.html

19/11/13 名古屋市 2019年度11月補正に名古屋城関係予算計上せず

名古屋市は19/11/13に令和元年度11月補正予算を公表しました。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-16-4-0-0-0-0-0.html

そこには、2019年6月議会に提案した名古屋城天守閣木造化木材保管庫予算400万円(債務負担行為 3億1300万円)(その後取り下げ)、6月議会に提出予定だった解体工事予算約20億円(見送り)も、計上されませんでした。

-------
名古屋城木造復元については、現天守閣解体すら目処が立っていません。復元の目処は全く立っていません。
関係予算も市議会に提案できず、このままずるずると完成期限を決めないつもりなのでしょうか。
しかしながら、木材製材契約94億5540万円はそのままで、現在も名古屋市は木材を購入し続ける計画とのこと。
木材保管には1年間に約1億円かかるとのことです。

名古屋市は、木造名古屋城天守を作るために、既に2018年度末で35億1400万円市債を発行して特別会計に入れています(詳細は以下)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191105-1.pdf
 2017年度(決算額) 8億4600万円
 2018年度(決算額)26億6800万円
     (繰越額) 2億6400万円
 2019年度(予算額)32億5800万円
 
2022年12月以降、入場料収入で返済する計画でしたが、2019年8月、河村市長が2022年12月の竣工断念を発表し、いまだに目処がたっていません。

法律が変更になり、地方債は総務省の許可制から協議制になっています。
しかし、「起債の届け出」が必要のようです。

・過去の「起債の届け出」を変更する必要があるのか
・今年度新たな「起債の届け出」を作成せずに、新規起債が可能なのか
・来年度以降、新規起債が可能なのか

事業が破綻後の起債について、調べることが出来ませんでした。

詳しい人、お教えいただけますと幸いです。
office@ombudsman.jp
また、情報公開請求した方がよい書類があればお教え下さい。
-----
・名古屋市 全国型公募債のご案内
 http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-5-2-0-0-0-0-0-0-0.html
 
・平成30年度名古屋城天守閣特別会計に関する財務諸表を公表します 
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_blog/uploads/32381c5b98e3524d6bfcfa01ea426b8b.pdf
 
・総務省 地方債証券のあらまし
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000587959.pdf

・埼玉県企画財政部市町村課 公営企業担当
 地方債マニュアル 2019.4
 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0107/koueitantou/documents/h31tihousaimanyuarukouei.pdf
 仮に協議したならば同意が認められない場合に、その旨が通知される。

・平成 31 年4月1日 消防庁
 平成 31 年度地方債についての質疑応答集
 https://www.fdma.go.jp/about/others/items/chihouqa.pdf?fbclid=IwAR35j_uL7aRCIOmau2KPQ3wRX1A8yvnBg0Ki5tkuVAL0SlAjlxf34VXkNXM
Q1-8 事業計画においては、詳細な点検・調査等を実施した翌年度に建設事業を実施する予定としていましたが、点検・調査等の結果、特殊な工法が必要となることが判明し、建設事業を 1 年遅らせることとなりました。こういう場合、当該点検・調査等に要する経費は適債経費には該当しなくなるのですか。
A1-8 建設事業の実施時期を遅らせる合理的な理由があり、実施時期が各種計画に明記されているなど、当該点検・調査等に基づいて事業を実施することが確実と見込まれる場合には、建設事業を中止する場合と異なり、設問の点検・調査等に要する経費は引き続き適債経費に該当するものと解されます。なお、建設事業の実施時期変更に当たっては、総務大臣又は都道府県知事に対し、変更の理由及び変更後の実施時期等について説明しておくことが望ましいと考えます。

----------

19/11/11 河村市長「『名古屋城木造天守を2つ作る』のは意外と合理的」

19/11/11に河村たかし名古屋市長は定例記者会見を行いました。

19/11/11河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/191111.pdf

名古屋城木造復元天守の昇降に関する国際コンペに関して記者から質問された河村市長は、「市民集会である人が、『天守閣を二つ作ればよい』と言ったが、意外と合理的だ」と述べました。

発言の趣旨の理解に非常に苦しみますが、私は以下理解しました。
・1こは、現天守閣の場所に、エレベーターなしで木造天守を作る
・もう1こ、別の場所に、5階の高さのところにエレベーターを付けた5階を復元し、車椅子の人に見てもらう

-----
市民集会で、上記発言をした人は、会場全員から失笑されていました。河村市長が理解を示す、というのは、全く理解できません。

・そもそも現天守の場所に木造天守が出来るかどうかというのは、はね出し架構、地下ボーリングの問題があり、非常に困難であると私は理解しています。
・上記をクリアしたとしても、耐震・耐火・避難問題は解決していません。
・さらにバリアフリーの問題の解決の目処がたっていません。
 (障害者団体は、現状の内部エレベーター2基(定員23人)より後退することは許されないと言っています)
・竹中工務店との契約では、2022年12月末までに、現天守閣の場所に木造天守を復元する、というものです。
 追加の場所に、追加の建物を建てることは、契約には含まれていません。
 万が一そのようなことを行うのなら、新たな契約を行う必要がありますし、費用もさらにかかります。
 ただでさえ、「入場料だけで505億円返済する」という見込みが甘すぎると指摘されているのに、追加費用がかかればさらに返済の見込みが立たなくなります。
・別の場所を何処に想定しているのかわかりませんが、眺望は変わりますし、同じ内装を2つ作る必要はあるのでしょうか。
・もしそうであれば、復元の目処がたっていない木造天守復元事業を中断し、現天守に最上階までエレベーターを付けた上で、最上階を木造風に改装する方がよほど合理的ではないでしょうか。
・そんなことより、返済の目処が全くたっていない起債をいかに返すかを議論した方がよいと思います。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191105-1.pdf
 2017年度(決算額) 8億4600万円
 2018年度(決算額)26億6800万円
     (繰越額) 2億6400万円
 2019年度(予算額)32億5800万円
 

19/11/6 名古屋市 名古屋城に関する総務省との起債協議資料開示

名古屋市が、名古屋城に関して総務省に市債発行の協議をした際の復命書を情報公開請求して公開されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191105-1.pdf

19/10/25 名古屋市財政局財政部財政課に電話で確認しました。

名古屋城天守閣特別会計の財源である地方債は、市全体の市債の一部を充てている。名古屋市の市債については、平成28年4月地方交付税法等の一部を改正する法律施行により、総務省への届け出制となった。
・平成31年2月5日(火)自治財政局地方債課長 伊藤 正志
 地方債制度等について 地方債制度の変遷
 http://www.soumu.go.jp/main_content/000604089.pdf
 
・平成31年度名古屋市各特別会計予算に関する説明書
 http://www.city.nagoya.jp/zaisei/cmsfiles/contents/0000114/114729/31tokkaimeisai.pdf
・19/9/25 名古屋市観光文化交流局長 松雄俊憲
 平成30年度名古屋城天守閣特別会計に関する財務諸表を公表します 
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_blog/uploads/32381c5b98e3524d6bfcfa01ea426b8b.pdf

木造名古屋城は運営費等を含めると979億円もかける予定です。
名古屋市は市債と入場料でまかなう予定です。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000083/83234/1-4men.PDF

当初、2022年12月に完成予定だったため、2022年12月から入場料収入が入る予定でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180627zenbun.pdf

しかしながら、19/8/29に市長コメントで「2022年12月の竣工を断念した」と発表し、現時点では木造復元はおろか、現天守閣解体も目処が立っていません。

今回、19/9/6の総務省と名古屋市の面談で、「竣工時期の延期により、収支計画が変更になる」「全体経費について調整を行っている」「今年度の起債の届け出は、今後も適宜情報提供をしつつ相談していきたい」と名古屋市が総務省に伝えていたことが判明しました。
その結果「名古屋城天守閣整備事業には、観光その他事業債が充てられていることから、今年度分の起債申請にあたり、状況については適宜情報提供を行うとともに、起債申請に必要な収支計画等については出来る限り早い時期に調整していくこととなった」としました。

19/10/9の総務省と名古屋市の面談で、「工事事業者と協議中」「文化庁からの指摘事項について、今後必要な調査及び検討を行っていく」「今年度の起債の届け出にあたって必要な具体的な手続について今後調整していきたい」と名古屋市が総務省に伝えていたことが判明しました。
総務省からは「起債の届け出にあたって、まずは工期及び事業費を定めることが重要であるとの考えを示された」としました。

総務省に提出した資料によれば、起債額は以下です。

2017年度(決算額)
 基本設計        8億4600万円
2018年度(決算額)
 実施設計部分払い    5億9400万円
 史跡内仮設工事完了     8600万円
 木材の製材部分払い   19億8800万円
  合計   26億6800万円
 (繰越額)
 実施設計        2億6400万円
2019年度(予算額)
 実施設計部分払い    6億9400万円 
 木材の製材部分払い   15億1300万円
 構台等仮設工事部分払い 9億6100万円
 大型階段模型及び      9000万円
 展示施設工事完了
  合計   32億5800万円
 
2018年度までにすでに35億1400万円の起債をしています。
2019年度末までにさらに35億2200万円の起債を予定しています。
 
------
地方債を総務省の許可制から協議制になったのは、「地方公共団体の責任と判断のもと、地方債の発行条件の改善を図る」ためとのこと。 
・一般財団法人地方債協会
 許可制から協議制へ
 http://www.chihousai.or.jp/07/01_03.html
 
上記資料からは、今年度(2019年度)の起債の届け出にも、収支計画、工期及び事業費を定めて提出する必要があると読めます。
来年度(2020年度)の起債も同様でしょう。
資料がきちんと提出できないまま起債をするのは「地方公共団体の責任と判断」という法の趣旨から反するのではないでしょうか。

市民、市議会やマスコミがもっと疑問を呈してはどうかと思います。

19/11/5 河村市長「名古屋城木造化の件で石垣部会に申し訳ないと言い、納得していただいたと思う」

19/11/5河村たかし名古屋市長定例記者会見がありました。

19/11/5河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191105.pdf

河村市長は19/11/4に石垣部会と懇談会をしたことを明らかにしました。
河村市長は「石垣部会には、木造天守復元を一緒に考えていこうと言った。ちょっと相談しながらやっていこうとなった。これからは連絡を密にしてやっていきましょう。木造復元も入れてやっていこうとなった。みなさんそうだとなった」といいました。

その後、河村市長は「意思疎通がうまくいかないことがあって申し訳なかったと思っておりますと言いました。納得して頂いたと思いますけど」と言いました。

--------
毎回ですが、河村市長が非公開の場で「○○は○○と言った」と言っているだけです。
同席した市職員は記録をとっているのかわかりませんが、情報公開請求をしてみます。

19/11/2 名古屋城木造階段模型「ステップなごや」見学初日に100人弱

名古屋城木造天守の実物大階段模型「ステップなごや」の一般公開が19/11/2にはじまりました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/learn/tenshu/stepnagoya/


配付資料(日本語のみ)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191102.pdf


木造天守の1階から2階への階段を模したものといいます。費用は9050万円(税込)。竹中工務店が随意契約で作成しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510-3.pdf

一般公開初日の2019/11/2 午後4時半ごろに訪問しました。当日の訪問数は92番目でした。

建物の看板に「名古屋木造天守閣 階段体験館」と書いてあるだけで、外からぱっと見ても何のための建物かは不明です。


右手に説明、左手に木の階段があります。スリッパを履いて登ります。
この模型には、靴箱がありましたが、毎時間2500人の来客を想定している木造天守はどうするのでしょうか。
(1時間2500人、1日当たり20000人を最大来城者の計算としている)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180806-1.pdf


天井には鉄骨が見えます。名古屋城整備室は「天井を抜いて、床を上下させることは、柱や梁を切らないため『史実に忠実』」と言ってますが、どうなることやら。

踊り場から右に曲がります。手すりがあります。勾配は思ったほど急ではありません。
最後の段はちょっと段が高いよう。


2階に登りました。
また同じ階段を降ります。
降りるのはスリッパだとちょっと怖いです。
この施設には電灯もついてます。
「木造天守」には照明はどうなるのでしょうか?
階段の天井は結構低いです。背の高い人は頭をぶつけるかも。

登りと下りを同時に行うとどうなるのでしょうか。今回私は実験はしませんでした。
「木造天守」での導線はどうなるのでしょうか。

ふと、「階段を登り切ったところに、移動式フタがあった」と天守閣部会が言っていたことを思い出しました。説明の人に聞いたら「よく知ってますね。特に説明していませんが、動かせます」と言いました。
スーッと動きます。

階段のフタが閉まりました。天守閣部会では、このフタを防火に使っては、と提案がありましたが、、、
終わってから「フタはあまり触れるなと言われてる」と言われました。


フタをあけてもう一回、2階に登りました。
木造階段の横には、鉄骨製の階段がありました。建築基準法上の「2方向避難」ができるようになってます。

施設の奥にはVR体験施設がありました。
つけましたが、なぜか私には動きません。機械を変えましたが、最後までうまく動きません。少し動いたのは素晴らしかったです。(以前、名古屋城内でVR体験をしたものと同じとのこと)

エアコン完備。

展示もあります。

----
木造天守は、地下1階、地上5階の巨大木造建築物です。
緊急時、避難はどうするのでしょうか。
現天守閣東側地面から天守台石垣の上まで約12メートル、そこから約36メートルの建物が建つ予定です。

現在の鉄筋コンクリート製の天守閣には、外側にエレベーターと階段があり、2方向避難が可能です。

ステップなごやには、消火器(3つ)や熱感知器もしくは煙感知器、換気扇や排煙設備がありました。
(お詫び スプリンクラーがあると誤認しておりました)

木造天守には、多くのスプリンクラーをつける計画のようです。
ただ、どこに消化用水を用意するのか。

エレベーターなし、エアコンなしで、11階建て相当の建物に階段で登って降りるのは、通常でもきついのに、全国でも有数の暑さの名古屋の夏では、相当きついのではないでしょうか。

「ステップなごや」は、障害者向けに「新技術」開発のテスト場になると言います。
しかし、それだけに留まらず、実際に木造天守を作ったらどうなるか、想像する場になればと思います。


19/10/24 名古屋城木造化 バリアフリー検討会議で「床は改変してもよい」

19/10/24に特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議が開催されました。

・19/10/24特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(第3回)配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191024.pdf

・19/10/24特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(第3回)
 (名古屋市民オンブズマンによるメモ)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191024-1.pdf
 
午前10時から開催されるとホームページに告知していましたが、何の説明もなく「午前10時半から開始」と会場で言われました。
検討会議委員が、階段模型「ステップなごや」の視察に行っていたからだと後でわかりました。

名古屋市からは、昨年18/12/28以降の経緯の説明がありました。
19/8/2に「名古屋城木造天守閣の昇降に関する新技術の公募の考え方」を作成し、それを「障害者団体連絡会」に見せた上で、19/8/20-21に、昇降新技術公募に関する審査基準作成のワークショップを開催したが、2日間で6名しか参加がなかったとしました。
ワークショップは、「障害者団体連絡会」(全12団体出席)で参加を呼びかけ、その他障害者団体及び団体に属さない障害者も参加できるようにした。建設的な意見を全員から十分頂いたと思うとしました。
一方、19/8/29に市長コメントで「2022年12月の竣工を断念した」とし、今後の見通しが全く立っていないにもかかわらず、昇降に関する新技術の公募は本年度内に行うとしました。

山田陽滋委員(名古屋大学大学院教授)からは、「参加した6名とは誰か」と聞かれ、「12団体を窓口にし、参加したのはその人達」としました。
山田教授からは「事実誤認を招く可能性がある。障害者連絡会の総意ととられかねない」という指摘があり、名古屋市は「自由に来た人の意見」だとしました。

また、名古屋市は、障害者団体の意見のみならず、高齢者、子育て世代の人たちの意見を聞きたい。
当事者である方が審査したり、審査基準作成に間口を広げたいとしました。

小浜芳朗委員(名古屋市市立大学名誉教授)から、「障害者団体は、審査基準に反対ではないのか?」と質問があり、名古屋市は、「一言では言いにくい。バリアフリーにはエレベーターが最高だという思いは根強い。木造故に技術的に入らないと説明し、ワークショップをすることには賛同してくれた」としました。
小浜名誉教授から、「シャフト型のエレベーター、全通型はできない。柱・梁を切断するのはできない。障害者団体の意見を聞いていると、必ずしも全通型を望んでいる
わけではないようだ。同等なら納得いくのでは?」と質問があり、名古屋市は「4つの部門分けをした。垂直昇降装置として、シャフト型ではないが、安心して電動車椅子が入るものとして丁寧に説明した。」としました。

三浦正幸委員(広島大学名誉教授)から、「ワークショップは12団体に呼びかけ、たった6人。周知方法が悪いのか、意義を見出していないのか」と質問があり、名古屋市は、「『名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会』と、名古屋市障害者団体連絡会(12団体)が同期しているらしく、同一人物がおり、調整が難しかった。
説明した結果、ワークショップに自由参加として日程調整して開催に同意した」としました。
三浦名誉教授は、「エレベーターは、地震など非常時に使えない。緊急避難にはエレベーターが使えないため対策が必要となる」としました。

中嶋秀朗委員(和歌山大学教授)は、「どこまで設備が決まっているのかの話をしないとダメ。安全面など広いアイディアが必要」としました。
山田教授は「1年目は門前払いだったが、障害者団体の歩み寄りを実感している。垂直昇降装置はこれで十分なのか。彼らの権利を守れるのに値するのか。
慎重にやるなら3日くらいかけて合意形成すべき」としました。

小野徹郎委員(名古屋工業大学名誉教授)は、「できるだけ『史実に忠実』と同じように、できるだけ『バリアフリー』と、修飾語がかかっているはず。それぞれの立場で具体化する必要がある。6人参加でどの程度話し合いが出来たか不明だが、『できるだけ』の範囲を示して合意形成に持っていってほしい」としました。

矢野和雄委員(弁護士)は「「史実に忠実」と「バリアフリー」のバランスをどうとるか。市民参加型は大事だと思っている。今回のワークショップの結果がペーパーで出てきたがニュアンスがわからない。背景に何かあるのか?『前提ありき』のワークショップにはでないのか?」としました。

その後、ステップなごやの活用について委員は意見を聞かれました。
小浜名誉教授は「階段を利用したものを考えろ、ということのようだったが、垂直昇降装置用の吹き抜けもあった。観覧者に認識してもらえるかどうか」としました。

渡辺崇史委員(日本福祉大学教授)は、「技術指向ではなく、ユーザー指向でないといけない。付けたが使えない設備ではダメ」としました。

------
終了後、名古屋市の担当者はマスコミに対して以下答えました。
「柱や梁を外すようなシャフト型エレベーターはダメ。しかし、床を取り外して、床の部分だけ上下に移動するような垂直昇降装置であれば『史実に忠実』といえるのではないか。しかし、自由なアイディアを募集するため、現段階で名古屋市から『これ』ということは控えたい」としました。

マスコミから「床はいいのか?」と確認があり、「構造計算に影響が出る柱や梁はだめ。床ならよいと考える。では壁はどうなのか、という議論がある」と名古屋市は答え、一部マスコミは「名古屋城が壊れていく」とつぶやきました。

名古屋市民オンブズマンは「第1回ワークショップは参加者をどのように公募したのか」と聞いたところ、「名古屋市障害者団体連絡会(12団体)を通じて、それ以外の団体、団体に所属していない団体も参加可能とした。第2回ワークショップも同様にする」と答えました。
 
-------
名古屋市と「障害者団体連絡会」が非公開で話している以上、どのようなやり取りがあったのかわかりませんが、少なくとも所属する12団体に呼びかけて2日間で6名しかワークショップに参加しないというのは、ワークショップに意義を見出していないとしか思えません。
しかも、12団体以外にも呼びかけるとしましたが、「障害者団体連絡会」経由で呼びかけていては、他の団体に所属する障害者は、そもそもワークショップの存在すら知り得ません。

名古屋市は早急に公開の場で「障害者団体連絡会」と話し合い、団体が何を問題にしているのか明らかにすべきです。
そもそも木造復元どころか、現天守解体の目処が全くたっていない現在、新技術公募は本年度中に行う必要があるのか?
柱や梁がだめで床を抜くのはOKの理由は?壁はいいのか?その他どこまでがよくてどこまでがだめかはっきりさせない限り、新技術公募しても無駄になるどころか、より混乱を招きます。
新技術公募という既成事実づくりのために業者を振り回すのはもうやめましょう。

19/10/21 市民が開催する「名古屋城天守復元60周年祭」

19/10/21(月)「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」が 「名古屋城天守復元60周年祭」を開催しました。
・配付資料
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191021-1.pdf
 
会場であるKKR ホテル名古屋 4階 菊の間からは名古屋城天守が見え、60年間立ち続けてきた名古屋城天守閣に感謝を捧げました。
次に、古城の替え歌で鯱城をみんなで歌いました。

続いて、主催者の森晃さんから、現在の名古屋城天守閣をめぐる状況と住民訴訟について説明がありました。
名古屋市は現天守先行解体申請を文化庁に行ったが、結論はわからない。現在、私たちは基本設計が成立していないとして、お金を返還を求める住民訴訟を行っている。名古屋市はプロポーザルや要綱で求めたことについて『あれはスケジュール感』として条件でなく、基本設計は完成したと主張している。
私たちは、天守閣の本質的は見た目だと考えている。江戸時代、木造天守に実際に入った人は数百人に過ぎないのではないか。現在の天守は見た目が復元されており、有形文化財登録の条件は備えている。
その町、地域の住民が親しみながら守って時の積み重ねが文化である。
ぜひ現天守を心ゆくまで堪能を
その後、会場から質問がたくさん出ました。
・有形登録文化財とは何か?
 名古屋テレビ塔、名古屋大学豊田講堂、布池教会などがある
・裁判はどんな状況?
 契約書で要求したものと、竹中工務店の提出物が食い違っている。
 名古屋市は勝手に減らした。欠品は名古屋市は認めている。

続いて、名古屋市民オンブズマンの内田隆が、情報公開訴訟について説明しました。
・19/10/21 「名古屋城天守復元60周年祭」名古屋市民オンブズマン 内田隆発言
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191021-2.pdf
名古屋市は、「名古屋市と文化庁とのやりとりは、文化庁分はほとんど非公開にしている。それだけでなく、文化庁から出された『現状変更にかかる名古屋市への確認事項』への回答も内容は全部非公開にした。タイトルすら真っ黒。これが木造名古屋城の実態だ。
次に、高橋和生・一級建築士が、基本設計はいまだに着手すらできない状況だと説明しました。
2016/3/25に竹中工務店が名古屋市に提出した技術提案書29ページによれば、現在は基本設計に着手するまえの0フェーズである。
・平成28年3月25日 株式会社 竹中工務店 名古屋支店
 名古屋城天守閣整備事業 技術提案書
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_blog/uploads/takenaka.pdf 
市の名古屋城復元PTで復元方針が決まり、消防局と方針合意が出来、建築審査会と方針合意が出来、有識者等の復元検討会で復元方針が決まり、受注者が復元方針・基本計画が出来、構造の安全性について有識者との事前協議が出来、防災上の安全性について有識者との事前協議が出来てはじめて、第1フェーズの基本設計・積算に移れる。
しかし、基本計画が出来ていない以上、基本設計に入れない。
しかし、すでに基本設計は完了したとしてお金を払い、実施設計まで進んでいる。木材も21億9600万円購入してしまった。
そもそも木造天守閣に楽しんで見に行くか?恐怖感はないか?京都アニメでは36名が火災で亡くなった。木造天守で火事があれば2000人死んでしまう。危険な違法建築だ。
市が、市議会が、マスコミが指摘しないといけない。設計方針として、@400年前 史実に忠実に建設するA法同等の安全を確保すること の2つがあった。しかし、Aがほとんど言われていない。この設計工程表は極めて重要だ。

その後、赤羽一郎氏が話しました。
・19/10/21 「名古屋城天守復元60周年祭」名古屋市民オンブズマン 赤羽一郎氏発言
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191021-3.pdf
名古屋城の本質的な価値は縄張りと石垣。そのために4つ名古屋市に言い続けている
1)石垣の現状を把握する「石垣カルテ」を作ること
2)特に大事な天守台石垣の現状を把握すること
3)搦手馬出の石垣を早く積み上げること
4)考古学の学芸員を増やすこと
しかし、名古屋市は上記4つが進んでいない。
それどころか、名古屋市は復元の前に解体を、という禁じ手を行い、私は復元計画が「漂流している」と表現している。
現在、名古屋城の解体の現状変更申請は諮問すらされておらず、答申もされていない。
いまだに「文化審議会において確認を要する点があり、追加情報提供を要請している、それを踏まえ引き続き調査を行うことが適当」としている。
名古屋市の局長クラスが6月に「石垣部会は全員首だ」と言った。
8月に「石垣以外は埋蔵文化財部会を作ろう」と提案があり、
石垣部会は「許されない」と言ったが、文化庁も「埋蔵文化財部会を作るのはまかりならん」と言われた。
文化庁はトリエンナーレの問題を抱えており、名古屋城のことはおいておこう、ということだと思う。
今こそ、この会の活動を勢いよくすべき。



会場からは「本日は名古屋城の60周年のお祝いに来たのに、あまりお祝いの雰囲気がなかった。
名古屋市として全員が木造天守閣をつくるために向かっているのに、お祝いの気持ちの質問がなかった。
竹中工務店が詳しい情報を出さない。市民のためのお城はぜひ作って欲しい」という声もありました。


19/10/21 河村市長「名古屋城木造階段 リニア新技術で車椅子を浮かせるのは理論的に出来ると言ってた」

19/10/21河村たかし名古屋市長定例記者会見で、名古屋城木造天守復元の昇降新技術実験のための階段について話をしました。

・19/10/21 河村たかし名古屋市長定例記者会見
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191021.pdf

名古屋市は、竹中工務店と9050万円かけて随意契約で「名古屋城木造天守閣実物大階段模型及び展示施設建設工事」を結びました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510-3.pdf

市長は新技術募集開始を来年早々からはじめたいと話しましたが、市職員は「まだ正確には決まっていない。今月中に有識者会議をやって、そこで募集要項とかスケジュール意見をお伺います」と言いました。

記者は、「名古屋城木造天守閣の新たな完成時期が見通せていない中、コンペだけ先にやるのはどういう理由か」聞きました。
市長は「世界中の身体の不自由な人に階段を上がっていける光明を作ることだ。ものすごく世界の人に喜ばれると思う。
災害時にも、普通の家の段差を克服できればよい。パワースーツは有力。
例えばリニア新技術なんかで、リニアの学会の会場に留守電のやりとりで聞いたが、理論的には出来る。車椅子を浮かせてスーッと磁力で上がっていく。しかしだいぶ何年かかかると言っていた。
ドローンだって人間を運ぶヤツをやっていると言っていた。
エレベーターを付けるという人はいかに冷たいか。11人乗りを作るには、柱や梁を取らないといけず、中を鉄骨で作らないといけない。車椅子の人たちは未来永劫400年前の本物に接するチャンスがなくなる。これがバリアフリーか。」と答えました。

--------
木造天守閣の完成時期はおろか、現天守閣解体の目処も立っていない現在、どうして無理に今年度中にバリアフリーの新技術募集を開始しようとするのかわかりません。

また、河村市長は「エレベーターを付けると障害者に冷たい」と繰り返していますが、障害者自身は「エレベーターを付けろ」と何回も要望しています。
https://ja-jp.facebook.com/nagoya.jitsugensurukai/

しかも、市長は「リニアの新技術は何年かかかる」と認めておきながら、「今年度中に技術募集を開始する」というのだから、支離滅裂です。

19/10/24(木)午前10時から、第3回特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議が、名古屋市役所東庁舎5階大会議室で開催されます。傍聴可能。
http://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2019/kankobunkakoryu/0000121671.html  


19/10/4 名古屋城天守閣解体「副申書」 市議「市教育委員会は国宝を壊す気か?」

19/10/4 名古屋市会教育こども委員会が開催され、名古屋市長が現天守閣解体の現状変更許可申請を文化庁に提出した際の、名古屋市教育委員会が意見を付した「副申書」について集中的に議論になりました。

令和元年10月4日 名古屋市会教育こども委員会
平成30年度決算説明資料 教育委員会
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191004.pdf
 29 名古屋市文化財調査委員会について
 <参考>特別史跡名古屋城跡の現状変更(天守閣解体)に係る副申について
 
・19/10/4 名古屋市議会教育子ども委員会  名古屋城部分 
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191004-1.pdf

河村たかし名古屋市長は、19/8/29に「名古屋城天守閣木造化について、2022年末復元を断念」と発表しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190829.pdf

しかしながら、当初計画していた「先行して現天守閣解体の現状変更許可申請をし、その後木造天守復元の現状変更許可申請を行う」というのがどうなったのか、名古屋市観光文化交流局の答弁を聞いてもいまいちよくわかりません。
解体と復元を一体化する場合、現在の解体申請を取り下げるのかどうかもはっきりしていません。

今回、19/4/18に名古屋市教育委員長名で文化庁に意見を付した、天守閣解体についての副申書が、ほぼ中身黒塗りで市議に提出されました。
しかし、今回の委員会では、教育長の判断で、教育委員会として要約して提出しています。


岩本たかひろ市議(自民)は、以下質問しました。
「石垣部会は、現天守解体に際し、『考古学的な観点からの調査が足りず、議論の条件が整っておらず承服しかねる』と19/3/29全体整備検討会議に書類を提出している。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf
石垣に100%影響がないとも言えない。
教育委員会文化財保護室は、文化財を守っていくという観点が抜けている。どうして天守閣を解体する副申書が書けるのか。
また、市長が9/18に解体と復元と一体でと発言し、その後名古屋市は文化庁から呼び出しがあったのではないか。いつ行って誰が行ったのか。内容は教育庁はいつ知ったのか。
教育庁も方針が変わったのか。観光文化交流局長と話したのか。木造復元となったら現状変更許可は出し直すのか。
また、名古屋市文化財調査委員会の委員だった赤羽一郎氏は、平成28-29年度は委員だったが、平成30年度は委員から外れている」

教育委員会の片岡室長は以下述べました。
「貴重な文化財が毀損されることはあってはならないので、事前の調査をしっかりして、毀損されることがないような計画を策定する必要がある。
文化庁から説明をしたいことがあるので上京して欲しいという依頼があり、9/24に上京した。
しかし、市長の発言を受けてではなく、その前の週に開かれた文化審議会の議論を踏まえて伝えたいことがあるという趣旨だった。

鈴木教育長は以下述べました。
「9/24当日に報告があった。内容は本日の資料に近いこと。教育委員会として方針を変えたとは思っていない。観光文化交流局で答弁があったことは承知している。
天守閣木造復元については、材木調達が始まっているのは承知している。木造復元が将来的にないとは思っていない。
観光文化交流局長とは、9月の意見を頂戴してから話し合ったことはない。
今回のものに限らず現状変更許可を出す場合は、教育委員会として副申書を付けることになる。
木造、天守の復元と言うことになれば、今回同様あるいはそれ以上の協議が必要。教育委員会としても出せる、あるいは文化庁にも受け取っていただけるであろうという見込みが立った場合には副申書を付けて申達することになる」

伊神邦彦市議(自民)は、以下質問しました。
「副申書には石垣部会の意見を入れなくていいのか?石垣部会の皆さんは、副申書の内容について承服しかねると意見を述べ、それを付けて文化庁に出した。
副申書の2番目、『穴蔵石垣の現況を性格に把握するには現天守閣の解体が必要になる』とあるが、僕が聞いたところによれば、石垣部会の皆さんは、解体しなくても、外側から見れば輪郭は確認出来る、床を剥がせば調査できると言っている。こういうことを書かずに『承服しかねる』だけ付けて出したのか。
石垣は国宝だからね。もしあったら石垣を壊すんだよ。だから石垣部会は心配している。あったらいかん。誰が担保するの。国宝を壊しちゃうんだわ。そんなもの副申書と言えるか。何も止めろと言っていない。専門家の意見をきちんと聞いて、皆さんが『これなら大丈夫』というお墨付きをもらって。全然やらずに専門家が『承服しかねる』といったことを進めていくのか。国宝を壊す気か。
今年5/21参議院文化科学委員会で、文化庁次長が発言した4つのうち3つも石垣について述べた。専門家が承服しかねると言った言葉を付けて文化庁に申請するか?順番が逆だ。許可が出るわけないだろ。
文化庁の専門家が判断すれば許可がでるということは、『石垣部会の先生より文化庁の先生が偉いから、お前らの意見は聞かなくても許可が出る』。石垣部会との話し合いはこれでおしまいだ。
文化庁から追加資料を求められるということは、石垣保全がきちっとできると副申書で読めないから。調査が、石垣部会との話し合いがいい加減だったかということ。こんなの副申書として通らない。前代未聞。」

教育委員会の片岡室長は以下述べました。
「石垣部会が付した意見は、市長名の申請書に対する意見であって、教育委員会の副申に対する意見ではない。
ただ、申請書の中に『承服しかねる』という意見を入れたのは事実。もともとの計画も、壊すという趣旨の計画ではない。
しっかりとした計画を作る、しっかり事前調査を行う、という計画の意見。」

鈴木教育長は以下述べました。
「繰り返しになるが、壊れてもやるという考えではない。観光文化交流局と石垣部会が天守閣解体、木造復元についての議論がある意味硬直状態になっていると認識している。
そんな中で、石垣部会の意見を付け、申請の内容についても必要な修正を加えてなんとか受け取っていただけるという見通しになった者だから出させていただいた。
この段階で許可されるはずがないと言うことは私どもは思っていない。申請をしたことで、必要なことが明確になっていると考える。
石垣部会との調整が、これで終わったとは考えていない。考古学的な視点も入れて調査し、必要な追加資料を提出を求められた。石垣部会との再度の調整が必要。
戦後鉄筋コンクリートで立て直した天守閣を建て直そうとすること自体、私どもにとっても、日本国にとっても先例のないこと。
私どもも文化庁も協議を重ねて、間違いの無いように進めたい。」


19/9/26 名古屋城文化庁訪問時復命書情報公開訴訟 裁判所「市の主張は紋切り型」

名古屋城木造化をめぐり、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等の情報を非公開にしたのはおかしいとして、名古屋市民オンブズマンが公開を求めた情報公開訴訟の第3回弁論が19/9/26に名古屋地裁1102号法廷で行われました。

非公開文書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-1-1.pdf
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf   
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-3-1.pdf
 
名古屋市は、非公開にしたどの部分を公開するとどのような弊害がおこるのか、一覧表にしました。

弊害の具体的内容
・本箇所には「文化庁職員と名古屋市職員が意見交換を行った内容」について記載されており、非公開の場であることを前提とした率直な意見交換が実施されているにもかかわらず、そのような情報が公開されると、4号 Aの弊害が生じる。
・本箇所には「文化庁職員と名古屋市職員が意見交換を行った内容」について記載されており、名古屋市による意思決定は、非公開の場であることを前提とした率直な意見交換を基に適切になされるものであるにもかかわらず、そのような情報が公開されると、4号 Bの弊害が生じる。
・本箇所には「文化庁職員と名古屋市職員が意見交換を行った内容」について記載されているところ、それらは天守閣整備事業に関する中間的な検討・意見公開の内容であり、当該部分については未確定な情報であるため、そのような情報が公開されると、4 号 Cの弊害が生じる。

名古屋市情報公開条例第7条第1項第4号該当性

4号A:当該情報について公開されることが前提となると、当該議論・検討の意見交換に加わる者が、いわれなき非難を避けようとしたり、各々の立場等に拘束されたりすることで、多様かつ自由な意見が現れなくなり、円滑な議論・検討が損なわれるおそれがある

4号B:名古屋市による意思決定においては、文化庁との率直な意見の交換が必要であるところ、当該情報が公開された場合、中間的な議論・検討の段階において、外部からの干渉、圧力等を受けることにより、適切な意思決定ができなくなるおそれがある。

4号C:当該情報が公開されると、現時点では未確定の段階の情報が、市民の間で認知されることで、意思決定されていない未確定な情報が、確定したものとして誤解されるおそれがある。

原告の名古屋市民オンブズマンの代理人の新海聡弁護士は「『関連法規チェックリスト』など、非公開にする必要が無いものまで非公開になっている。
また、市長がすでにしゃべっていることもあるのではないか。裁判によらず、名古屋市は公開してはどうか」としました。

裁判長は「名古屋市は4号該当性について説明しているが、あまりにも紋切り型ではないか?意思形成過程について、当てはめが薄い。土地開発公社の情報なら、『買い占めが起こる』など情報を落とし込んでほしい。事業内容や、折衝の目的、途中経過など、開示したら何が起こるかあてはめてほしい。裁判所は名古屋城に関して報道の限り把握しているが、詳しくは知らない。どういう経緯でどうなっているのか説明して欲しい。市民からの反発や、紛争経緯の経緯など。」としました。

新海弁護士は「かつて、万博をやめたらいくらかかるかについて情報公開訴訟をした。BIE(国際博覧会協会)との話しについてBIEに調査嘱託を行い、経済産業省職員の尋問も行った。その中で『BIEから、内容を表に出さないように言われた』とされた。
また、官官接待の飲食店名非開示をめぐる訴訟では『マスコミが押しかける、女中を買収して情報をとる、盗聴の可能性』など愛知県が主張してきた。確率的可能性ではダメだ。愛知県は100ページくらい書面を提出してきた。
国の秘密保護法の法令協議でも、課長補佐会議の議事録などが開示されてきた。」としました。

裁判所も「私が個人的に考えていることではなく、条例の4号、法律の5号について、各種裁判例をみて、判決のイメージを考えている」としました。

今後、原告は1.2.3号について反論し、4号について被告が追加で主張する予定です。

次回19/11/28(木)13:20- 名古屋地裁1102号法廷で弁論を行います。


19/7/30 名古屋市長他が名古屋城の件で文化庁を訪問した際の文化庁発言 非公開

19/7/30に名古屋市長他が名古屋城の件で文化庁を訪問した際の復命書、支出命令書、配付資料を情報公開請求したところ、文化庁職員が発言した部分が全面非公開でした。
名古屋市は一体何を隠したいのでしょうか。

■請求書記載の「19/7/30 名古屋城の件で文化庁を訪問した際の復命書、支出命令書」のうち復命書
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190918-1.pdf

■19/7/30 名古屋城の件で文化庁を訪問した際の復命書として
@復命書(令和元年7月30日午前分・観光文化交流局長以下3名)
A復命書(令和元年7月30日分・総務課庶務係長1名)

■名古屋城総合事務所職員が午後に名古屋城の件で文化庁を訪問した際の配付資料として
B特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第32回)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190918-2.pdf

行政文書の一部を公開しない理由:名古屋市情報公開条例第7条第1項第4号に該当するため、非公開とする。
非公開箇所には、名古屋城天守閣木造復元事業に関する文化庁職員と本市職員の中間的な議論・検討、未成熟な意見に係る情報が記載されている。
当該情報について公開されることが前提となると、当該議論・検討の意見交換に加わるものが、いわれなき非難を避けようとしたり、
各々の立場等に拘束されたりすることで、多様かつ自由な意見が現れなくなり、円滑な議論・検討が損なわれるおそれがある。
したがって、当該情報は、市及び国の相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、市及び国の率直な意見の交換が不当に損なわれるおそれがあるため。
また、名古屋市による意思決定においては、文化庁との率直な意見の交換が必要であるところ、当該情報が公開された場合、中間的な議論・検討の段階において、外部からの干渉、圧力等を受けることにより、適切な意思決定ができなくなるおそれがある。
したがって、当該情報は、市及び国の相互間における審議・検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがあるため非公開とする。

名古屋城木造化 竣工期限2022年12月延期検討の際の竹中工務店との協議資料 不存在

名古屋市民オンブズマンは、名古屋市に対して「名古屋城天守閣木造復元事業の件で、名古屋市と竹中工務店が「2022年12月の竣工を目指すこと」について議論・協議をした際の内容がわかるもの(2018年4月以降)」「同配付資料」を情報公開請求しましたが、「内容がわかるもの」は19/8/29市長コメント1枚のみ、配付資料は「不存在」でした。
・市長コメント
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190913-2.pdf

・名古屋城天守閣木造復元事業の件で、名古屋市と竹中工務店が「2022年12月の竣工を目指すこと」について議論・協議をした際の配付資料(2018年4月以降)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190913-1.pdf
公開しない理由:現天守閣解体に係る現状変更許可が取得できていないことにより、工事の着手に遅れが生じる可能性があったことから、2022年12月竣工が現実的に厳しいことの確認を名古屋市と竹中工務店の間で行ったものであるため、請求のあった行政文書は不存在であり、非公開とします。
----------
上記では、名古屋市と竹中工務店が2022年12月の竣工に関して、何が話し合われたか全くわかりません。
名古屋市は市民に全く情報を隠したまま、それでも強引に事業を進めようとしています。


19/10/21(月)18時〜 市民が開催する「名古屋城天守復元60周年祭」

19/10/21(月)18時〜  名古屋城天守の有形文化財登録を求める会が 市民が開催する「名古屋城天守復元60周年祭」 を行います。
http://bit.do/Ncastle
https://www.facebook.com/events/1280751502104609/
赤羽一郎氏(前名古屋市文化財調査委員会委員長・元愛知淑徳大学講師)もスピーチ予定です。
名古屋市民オンブズマンの内田隆も、情報公開訴訟の現状や最新の情報公開請求結果を報告する予定です。

-----------
10/21(月)18時〜  市民が開催する「名古屋城天守復元60周年祭」

本年、令和元年(西暦2019年)は、現在の名古屋城天守が昭和34年(西暦1959年)に再建されてから、60周年となります。人間で言えば「還暦」に当たります。
平成30年5月に、耐震性への危惧として現天守を閉鎖してから、すでに一年五ヶ月が経とうとしております。
名古屋市は2022年竣工予定の木造天守のために、「現天守の先行解体」を文化庁に申請いたしましたが、有識者会議「石垣部会」の反対に遭い、また文化庁から求められた条件を満足させられなかったことから、許可は得られませんでした。(詳しい事情については、情報開示されておらず不明です。市民に事情の説明は有りません)
こうした状況の中で、現名古屋城天守は還暦を迎えるのですが、名古屋市としては市議の指摘を受けて、一応名古屋城秋祭りで「天守閣再建60周年記念」と銘打つようです。しかし、名古屋の街を60年の永きにわたって見守り続けている名古屋のシンボル、名古屋城天守に対して、市民が何らかの行事を執り行い、その歴史に対して敬意を表するべきであると考えます。そこで・・・!

「名古屋城天守復元60周年祭」
 日時 : 10月21日(月曜日) 午後6時より
 場所 : KKR ホテル名古屋 4階 菊の間
    (名古屋市中区三の丸1丁目5-1 電話:052-201-3326)
  会費 : 無料(カンパは大歓迎です)
 参加資格:名古屋城天守の60周年を祝いたい心
 ゲスト:赤羽一郎氏(前名古屋市文化財調査委員会委員長・元愛知淑徳大学講師)

内容は、名古屋城天守の歴史や、現在の木造化事業についてのお話や、ご参加いただいた方々のフリースピーチになる予定ですが、何よりきれいに名古屋城天守が見られる部屋から、その威容に触れ、60年の感謝を捧げたいと思います。お気軽にご参加ください。
http://bit.do/Ncastle
https://www.facebook.com/events/1280751502104609/

19/10/3 名古屋市「名古屋城天守閣木造化は2027年を目指すとは言っていない」

19/10/3に名古屋市議会経済水道委員会が開催されました。
名古屋市は「名古屋城天守閣木造化について、新たな竣工時期として2027年を目指すとは言っていない」と明言しました。 

・19/10/3 名古屋市議会経済水道委員会
 名古屋市観光文化交流局 決算説明資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191003.pdf

・19/10/3 名古屋市議会経済水道委員会  名古屋城部分 
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191003-1.pdf
 
浅井正仁市議は「前回の委員会で、市は弁護士の見解を述べ、支持者から2027年に変わったと言われたがどうなっているのか。」と聞きました。
松雄局長は「前回の委員会で、名古屋城天守閣木造化について、新たな竣工時期として2027年を目指すとは言っていない。基本協定の有効性が保持出来る期間として概ね5年程度ではないかと弁護士から言われたと言った。
実際の工期については、石垣部会と協議を行うことが必要だし、文化庁、竹中工務店とも一致をさせ、次の竣工時期をどうするか決めたい」としました。

中川貴元市議(自民)は、竹中工務店との話し合いはどうなっているのか聞きました。
松雄局長は「竹中工務店は、11か月くらい遅れている中でさらに追加調査をやらなくてはいけないとなると、2022年12月は出来ないということなので、市長コメントになった。石垣部会との調整、調査、どう石垣の保全策をつくるかを協議して、それを踏まえて竹中と技術的に本当に出来るか調整を図り、スケジュールを検討する順番だと思う。」としました。

中川市議は「石垣の調査を2年で進めると言っていたが」と質問し、松雄局長は「これまで2年くらい調査してきた。これからも2年くらいかかるのではないかとして答弁した。現実には掘ってもいないしやってもいないため、石垣部会と詰めていきたい」としました。

浅井市議は、「文化庁から、現状変更を必要とする理由について『耐震対策のみなのか、木造天守復元のためなのかが整理なされていない』と質問されている。現時点ではどうなのか」と質問しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190925.pdf
村木副所長は「現天守閣の耐震補強と木造復元を比較したところ、木造復元の方が優位性が高いと、文化庁に丁寧に説明していく」としました。

また、浅井市議は「文化庁から宿題と出された5項目は増えることはあるのか」と聞き、村木副所長は「例示として5項目いただいた。まずはしっかりこなすことが必要。石垣部会等有識者と協議をしながら、必要な調査があれば対応していくことになる」としました。

浅井市議は「荒製材状態で保管されている材木はずっと持つのか。」と質問し、荒井主幹は「適切な環境で保管することによって、強度や品質が保たれると思っている。」としました。

浅井市議は「実施設計は、今年度終わるのか」と質問し、荒井主幹は「復元の現状変更許可申請作成、地盤調査についても、現状変更許可の状況によってはできるできないとなってくる。一旦繰り越した予算が執行できないとなると、一旦不要という取扱いになると思うが、適切に処理していきたい」としました。

また、浅井市議は「石垣部会は『はね出し架構は石垣の復元として史実に不忠実』としている。実施設計にも入っているし、竹中の技術提案方式。どうするのか」と質問し、荒井主幹は「本質的価値を有する石垣は表面だけじゃなくて中身も含めて石垣だというところに、そういった構造体を入れることに対しては簡単にいいよという話しではない。我々としては調査をし、区別をしっかりして検討する必要があると思っている」としました。
浅井市議は「はね出しが絶対ダメだったら、実施設計最初からやり直さないといけない。さっさと調査をしっかりやっていただきたい」としました。

浅井市議は「石垣保全計画は、天守台石垣を対象とするのか名古屋城全体を対象にしているのか」と質問し、村木副所長は「天守台と周辺の石垣を対象として保存方針を検討している。一方、全体の石垣の中で天守台石垣を位置づける必要があると指摘を有識者から受けている。現在数年計画で全体の石垣カルテを作成している。天守台石垣を中心ではあるが、全体の保全方針についても同時並行で進めていきたい」としました。

浅井市議は、505億円以外に支援業務に4000万円ずつくらいあるが、2022年には505億円以外にいくら使うのか聞いても、はっきり答えませんでした。
佐治所長は、「平成28年度公報なごやでは総経費で979億円(505億円を含む)」としました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083234.html

また、浅井市議は「名古屋城木造復元をする際の市債発行には国とどう調整したのか」としたところ、伊藤総務課長は「市債申請時に収支計画を含めて説明を行った」としました。
浅井市議は「竣工期限の延期を表明後、国にあらためて説明が必要だと思うが」としたところ、伊藤課長は「総務省の方にも国の方にも出向いて、経緯を含め説明をした。今後も説明・情報提供をしたい」としました。
浅井市議は「2022年からの入場料収入の目処がたっていないことは、特別会計の意義に反しており、地方自治法違反であるようにも聞こえるが」としたところ、伊藤課長は「違法とは認識していない」としました。

江上博之市議(共産)は、「石垣部会では、はね出し架構の議論はほとんど無かった。復元という話しになると、大きな問題になると理解しているが」としたところ、荒井主幹は「大変大事な問題だと認識している」としました。

江上市議は「石垣調査をやらなければ、実施設計できないと思うが」としたところ、荒井主幹は認めました。

江上市議は「今後50年間340-350万人ずっと入るという試算は机上の計算だ。観覧料でやっていくことを見直す必要がある。民間委託や指定管理者制度を導入することを言っていたか」とし、服部主幹は「平成29年度実施した調査で、2071年までの総収支をみると45億円ほどのプラスと出た。誘客イベントもしくは民間活力の導入が必要という調査結果が出ている」としました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/downloads/29chousakekka.pdf

-------
2022年12月竣工時期を見直し、目処が立っていないことで、これまで指摘してきた問題が一気に噴出しました。
市の答弁も、はっきりとしたことをいいません。いったいどうなるのでしょうか。まったくわかりません。

---------
今後の予定 
・19/10/9(水)14時〜 名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論 (名古屋地裁1102号法廷)
・19/10/21(月)18時〜 市民が開催する「名古屋城天守復元60周年祭」(KKRホテル)http://bit.do/Ncastle
・19/10/24(木)10時〜 第3回特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(名古屋市役所東庁舎5階)
 http://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2019/kankobunkakoryu/0000121671.html
・19/11/28(木)13時20分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)  
・19/12/5(木)15時〜 名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論 (名古屋地裁1102号法廷)

19/10/1 浅井市議「名古屋城木造化 505億円を2022年から入場料で返済するフレームは崩れた」

19/10/1に名古屋市議会経済水道委員会が開催されました。
 
・19/10/1 名古屋市議会経済水道委員会  名古屋城部分 
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/191001.pdf

浅井正仁市議(自民)は、現在購入した木材の現状を質問したところ、荒井主幹は「昨年度末現在で725本支払い済み。製材を済ませて木材倉庫に保管してある。」としました。

また、実施設計についても浅井市議は質問したところ、荒井主幹は「8億6000万円の予算の内、決算としては5億9400万円。構造解析、現状変更許可申請書類の作成、建築基準法3条適用に伴う書類作成、地盤調査、石垣調査、有害物質調査について2億6400万円繰り越ししている」としました。

浅井市議は、「天守閣特別会計に国、県からの補助金が計上されていないのはなぜか」と聞いたところ、伊藤税務課長は「国・県に財源措置要望を行っているが、市税を投入しない特別会計に対して、現状の補助制度ではなじまないと返答があった」としました。

浅井市議は「2022年からの入場料でまかないフレームが崩れた。どうなっているか資料を要求する」としました。

江上博之市議(共産)は「契約上、木材は何本購入するのか」と質問したところ、荒井主幹は「契約上は2323本。竹中工務店の協力会社が超茶津しているので、どの本数が調達終わっているかは詳細は我々もつかめていない」と答えました。

江上市議は消防法について聞いたところ、荒井主幹は「消防と継続して協議をしている」としました。

中川貴元市議(自民)は「報道で、新技術の国際コンペの時期を見直すことがわかったとあった。平成30年度の1400万円は無駄になるのか」と聞いたところ、佐治所長は「19/8/29に市長が竣工時期の延期を公表し、全体スキームの見直しを踏まえて慎重に検討すると議論していた。9/14障害者団体でのシンポで発言したことが報道につながったと考える。引き続き公募に向けて準備している。」としました。

中川市議の「採用した技術が陳腐化することなどを懸念と表現があるが」と聞いたところ、佐治所長は「技術の進歩化は考えていない」としました。

19/9/25 名古屋市「名古屋城天守閣木造化 5年延ばすのがMAXと弁護士が言った」

19/9/25に名古屋市議会経済水道委員会が開催されました。

・19/9/25 名古屋市観光文化交流局
 経済水道委員会説明資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190925.pdf
 
・19/9/25 名古屋市議会経済水道委員会 午前 名古屋城部分 
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190925-1.pdf

・19/9/25 名古屋市議会経済水道委員会 午後 名古屋城部分 
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190925-2.pdf

名古屋市観光文化交流局は、文化庁から現天守閣解体の現状変更許可申請に対する指摘事項の詳細を述べました。
ア)内堀の地下意向の把握、御深井丸側内堀石垣の現況及び安定性を確認するための追加発掘調査
イ)御深井丸の地下遺構把握のための発掘調査
ウ)大天守台北面石垣の孕み出しについての調査・検討
エ)天守台石垣背面等の空隙についての調査

中川貴元市議(自民)は、「文化庁から再調査を求められている4項目、どの程度日数がかかるのか」と質問したところ、松雄局長は「技術提案交渉方式は2022年12月という期限がある。どれくらい延ばすことができれば、技術提案交渉方式の範囲内で収まるのかは難しい問題。弁護士からは『10年は長すぎる。MAXでも5年のなかというスケジュール感を持っている」としました。

その後、文化庁から再調査を求められている4項目について名古屋市は詳細について説明しました。
ア)は許可いただけたものと理解している。
イ)ウ)エ)は石垣部会に諮ってから現状変更許可申請したいと考えている。

浅井正仁市議(自民)は、「石垣部会の先生から散々言われていたことが書かれている。今まで無視していたと言っても過言ではない。市長が木造復元一体化というのがマスコミに出されたから、文化庁に今回呼ばれたのではないか」としました。
佐治所長は「解体申請についてはいくつか課題があるので、必要な調査を聞き出しながら石垣部会の合意をえながらこなしていくことが必要。その上で天守復元についてもしかるべきタイミングで合意を得ながら石垣保存方針策定することが大事だと考える」としました。

渡辺義郎市議(自民)は、石垣部会とこれまでいいことなかったのに急にうまくなるか、どのように修復される気かと聞きました。
松雄局長は「私の不穏当な発言もあり、希望通りにいくということはまいらんだろうと考える。私も含めて謝罪をさせて頂き、関係を一から構築する以外にないと考える。市長トップに関係を修復したい」としました。

田辺雄一市議(公明)は、「国にここまで言わせてしまった名古屋市の行政はほぼ信頼がゼロになった。名古屋市民の信頼もゼロになった。ほっとして前にむかっとる場合じゃない。全ての責任は市長にある。また、弁護士の意見の表明があったが、最初の段階で、『順番が逆なので出来ません』と言った業者がいた。袋小路だ。」としました。

うかい春美議員(民主)は「いつ市民に説明をするのか」という問いに対し、佐治所長は「年内に市民説明会を実施したい」としました。

19/9/20 河村市長「文化庁の責任ある方から、解体と天守復元を同時にやられてはどうかと言われた」

19/9/20に名古屋市議会経済水道委員会が開催され、河村たかし名古屋市長の3枚舌に対して市議が直接質問しました。

・19/9/20 名古屋市観光文化交流局 経済水道委員会説明資料 
 名古屋市総合計画2023における観光文化交流局関連施策・事業について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190920.pdf
 
19/9/20 名古屋市議会経済水道委員会 名古屋城部分 午前分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190920-1.pdf
19/9/20 名古屋市議会経済水道委員会 名古屋城部分 午前分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190920-2.pdf

余語さやか市議(減税)は、「505億円の基本協定の額を超えないように努力してもらうのはもちろんだが、仮に変更がある場合は、市長から直接説明をしてもらいたい」としました。
田辺雄一市議(公明)は、「余語市議は、505億を超えても仕方が無い、その場合は市民にちゃんと説明を、とおっしゃったが、とても容認できない。市はどう考えているのか」としました。
佐治名古屋城総合事務所所長は「505億円は議会と市民と約束した。今後竹中と協議していく」としました。

田辺市議は「解体先行と復元について、本会議場では市長はきちんと答弁しなかったが、翌日の新聞を見たら一体で進めていくとあった。市長はなんと言ったのか。市と当局の考えが一緒なのか」としました。佐治所長は「基本的には一致している」としました。

田辺市議は「文化庁は石垣の価値を重視ししていると聞いている。市の方針は、解体、天守復元、その後石垣を触るのに変わりは無いか」という質問に対し、蜂矢主幹は「大きな流れは変わらない。公募の過程で『これではできない』とした企業もあるので、この流れは変えられないと考えている。石垣等遺構調査をしっかり進め、石垣等への影響が軽微だと証明できれば、天守閣の復元を先に行うことも可能と考える」としました。

浅井正仁市議(自民)は、「石垣ファーストとはどういう意味か」と質問し、村木副所長は「まず石垣調査を行って、応急的な処置等を行った上で、木造復元を行い、本格的な修理はその後に行う。上記は私どもの考えで、今後石垣部会等と相談する。今後のスケジュールは決まっていない」としました。

中川貴元市議(自民)は、解体先行はしないのかと質問し、佐治所長は「解体だけ先行は考えていない。様々な手法があると考えているが文化庁と調整できていない。今後調整する。7月30日に文化庁に出張したが、申請の内容について不足している部分があると聞かされた。私どもが受けていた感触と大分違うと感じた」としました。

渡辺義郎市議(自民)は、「10月の文化審議会で申請が不許可になると耳にしている。市長に直接聞いてみたい」とし、午後に市長を呼んで話しを聞きました。

河村たかし名古屋市長は「文化庁の責任ある方から、解体と天守の復元を同時にやられてはどうですかと話があった。解体申請は取り下げない。石垣部会と話しをまとめることを全力を挙げて取り組もうとしている。」と述べました。

しかし、村木副所長は「文化庁の方からという趣旨では、変更申請をして下さいと私は聞いたことがない」と明言しました。
佐治所長は「文化庁から、解体の現状変更許可に加えて復元する現状変更許可を追加して一体化する方法もあるから、名古屋市で考えて下さいという見解はいただいた」としました。

浅井市議は「文化庁は考えてと言っただけで了とはしていない。市長は数十秒で意見がコロコロ変わる。
10月の審議会で許可がもらえるのか」と質問し、市長は「不許可にはなりません。これは責任とりますよ。責任者から2回電話でちゃんと聞いている。そのかわり石垣部会と話しをまとめてください、そうしたら審議会にあげますとはっきりといわれた」としました。
しかし「わざわざやっぱり変更でいいですよといわれることはそれだけの考えがあると思いますので、今のここの場においてはそれ以上のことは申し訳ないけど文化庁さんとの関係上ちょっと言えんですわ、わしも」としました。

田辺市議は「姑息なことをやったことを何も反省していない。日程も示せない。」としました。

渡辺市議は「助け船を出している。市長が決意を表明されたので、その姿勢でよくわかりように進めてもらいたい」としました。

ここでいったん市長は退席しました。

江上博之市議(共産)は、天守台石垣の北側のハラミについて、もし調査の結果修復の必要があるといわれたら、基本協定書は白紙に戻すしかないのでは」と質問したところ、蜂矢主幹は「いますぐ修復する必要があるか確定していないので答弁しかねます」としました。
佐治所長は「仮の場合は弁護士と相談して市の方針を決定したい」としました。

江上市議は埋蔵文化財部会について質問したところ、村木副所長は「石垣部会から、別々に設けるのはどうかと思う、石垣部会を拡充するのが妥当ではないかと意見を頂いた。文化庁からも新しく別に埋蔵文化財部会を設けることは十分よく検討するようにとご助言をいただいた。設置の可否を含めて検討する」としました。

江上市議は木材について質問をし、荒井主幹は「続けて調達を行っている。ただ基礎構造については、石垣等の取り合いということもあり、その部分については無駄な支出ということを考えられる部分については購入を見合わせている」としました。

うかい春美市議(民主)は、文化庁に行った際の記録はないのか質問し、佐治所長は「公務の場合は職員が随行し、質疑のメモ的なものは作成している。電話しているところはわかりかねる」としました。うかい市議は「電話でも録音をするか、記録をとって共有してほしい」としました。

----------
河村市長は、いつものように「文化庁の責任のある人から○○と言われた」と一方的にいうだけで、誰から言われたのかも言わないし、証拠もありません。市の職員も聞いていないし、文化庁の職員も聞いていない可能性もあります。詳しく聞いても「文化庁との関係上言えない」とするのみ。

市の職員が文化庁に出張したメモを情報公開請求しても黒塗りだらけです。

こんな調子で進めてきたから、現在基本設計8億4693万6000円と実施設計5億9400万円、木材の製材21億9600万円、合計36億3693万6000円支出したにもかかわらず、木造復元の目処は全く立っていないのです。
---------
今後の予定
・19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)  
・19/10/9(水)14時〜 名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論 (名古屋地裁1102号法廷)
・19/10/21(月)18時〜 市民が開催する「名古屋城天守復元60周年祭」(KKRホテル)http://bit.do/Ncastle
・19/10/24(木)10時〜 第3回特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(名古屋市役所東庁舎5階)
 http://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2019/kankobunkakoryu/0000121671.html
・19/11/28(木)13時20分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)  
・19/12/5(木)15時〜 名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論 (名古屋地裁1102号法廷)


19/9/18 名古屋城木造化 市局長「文化庁は解体と復元は一体として申請が望ましいと考えている」

19/9/18に開催された名古屋市議会本会議で、名古屋城天守復元事業に関して松雄名古屋市観光文化交流局長は「文化庁も将来的な木造復元の方針があるならば、本来解体と復元は一体として申請されることが望ましいと考えているとのことでございます」と述べました。

・19/9/18 名古屋市議会本会議 名古屋城部分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190918.pdf

しかしながら、「元解体の現状変更申請を取り下げるのではなく、その内容についてご理解をいただいた上で引き続いて速やかに木造復元のご審議をいただき、許可が得られるよう、その手続きや方法、時期につきまして文化庁と調整を図ってまいりたいと考えております。」としました。

また、新たに埋蔵文化財部会を設置することを検討することについては、文化庁から理解されていないことが判明したため、埋蔵文化財部会設置の可否も含め、城内の埋蔵文化財を審議する体制につきまして改めて検討してまいりたいとしました。

また、浅井正仁市議(自民・中川区)は「6月議会の時、観光文化交流局長から『観光文化交流局と石垣部会の意見が相違があれば石垣部会の委員はやめていただく』と発言があった」としました、
さらに、9月議会中、観光文化交流局長が『ある大物国会議員で頼んであるからうまくいく。名前は市長に聞いてくれ』と言われた」としました。

さらに、浅井市議は「竹中工務店に支払う505億円のほかに、設計監理等支援業務委託が毎年約4000万円払っている」ことを明らかにしました。

---------
混迷する名古屋城天守復元事業。
名古屋市は文化庁とも石垣部会とも市議会とも市民ともうまくコミュニケーションが取れていません。
竹中工務店ともコミュニケーションが取れているかわかりません。

2022年12月の竣工目標を断念しても、復元はおろか解体の目処すら立っていません。
2019/9/20にも予定されている文化審議会でどのような判断がなされるのか。
情報を全て公開して、どのようにすれば最小限度の損で済むのか、一刻も早く知恵を絞る時期です。

19/9/14 名古屋城木造天守閣昇降に関する新技術公募 開始時期は「言えない」

19/9/14に特定非営利活動法人共同連が主催した「今こそ『共働』へ!社会的協同組合への道を」の第1研修会「名古屋城エレベーター問題の今とこれから」で、森本章夫・名古屋城総合事務所木造天守閣昇降技術開発等担当主幹は名古屋城木造天守閣昇降に関する新技術公募の開始時期について「当初は2019年度の早い段階でと聞いていたが、19/8/29市長の竣工延期に関するコメントが発表され、全体のスケジュールが見えてこない。竹中工務店、学識経験者ときちんと検討していく。拙速にスタートを切るのではなく、全体のスケジュールを鑑みて決めていく必要があるので、現在待機状態。今日のところは具体的には言えない」としました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190914.pdf
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190914-1.pdf
・名古屋市民オンブズマンとのやり取り文字起こし
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190914-2.pdf

19/9/9 河村市長 名古屋城木材保管庫予算「議会になるべく早くだす」というのみ

19/9/9 河村たかし名古屋市長は定例記者会見で、名古屋城木造復元に関する木材保管庫予算について「議会になるべく早くだす」というのみにとどめました。

19/9/9 河村たかし名古屋市長 定例記者会見 名古屋城部分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190909.pdf

河村市長は木造復元を「名古屋市民の夢」と強調。
これまでの名古屋市と文化庁とのやり取りを文化庁との関係があるがオープンにしたいと述べました。

予算が通っているものは粛々とやるとも述べました。

出来るならば市長が石垣部会と話しをしてまとめたいと述べました。

--------
市長発言をまとめると以下になります。

・現天守解体について文化庁文化審議会の見通しが立っていないことはない
・石垣部会と話し合えば解体の見通しが付く
・木材保管庫予算は議会に早めに出すが、いつとは言えない
・しかし木材購入は予算が通っているので粛々と執行する

毎回毎回、市長の一方的な話しだけです。
これをずっと繰り返してきたから、2022年12月木造復元竣工を0断念せざるをえなかったという反省の色が全く見えません。

・全文化庁と名古屋市とのやりとりを公開すること
・現天守解体の現状変更許可申請を公開すること
・木材保管庫予算が通らなければどうなるのか。
 現在購入した木材を保管庫がなければいくら保管費用にかかるのか。今後購入する木材は保管庫がなければいくら保管費用にかかるのかを明らかにすること

文化庁と名古屋市とのやり取りについて、名古屋市は公文書では「文化庁から公開するなといわれた」とは1回も述べていません。
公開して都合が悪いのは名古屋市だけなのではないでしょうか。
 
基本設計・実施設計、木材購入など既成事実を積み重ね、木造復元ありきの雰囲気を作ろうとしても、
文化庁との決められた手順を踏まなければ一ミリも前に進みません。
ツケはすべて名古屋市民が負うことになります。


19/9/3  名古屋市 令和元年度9月補正予算に名古屋城関係計上せず

名古屋市は19/9/3に令和元年度9月補正予算を公表しました。
http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000120304.html

しかしながら、河村たかし名古屋市長が19/8/29に「名古屋城天守閣木造化について2022年末復元を断念する」とした名古屋城関係については計上がありませんでした。

-------
名古屋市は令和元年度6月補正予算では木材保管庫予算について提案しましたが、市議会の猛烈な反対にあって予算を取り下げました。
6月補正で提案する予定だった現天守閣解体予算約20億円は提案されず、9月補正でも提案されませんでした。

名古屋城木造復元については、現天守閣解体すら目処が立っていません。復元の目処は全く立っていません。
関係予算も市議会に提案できず、このままずるずると完成期限を決めないつもりなのでしょうか。
しかしながら、木材製材契約94億5540万円はそのままで、現在も名古屋市は木材を購入し続ける計画とのこと。
木材保管には1年間に約1億円かかるとのことです。

市議会は、補正予算計上されていないため、名古屋城木造天守復元事業について審議しないのでしょうか。
事業そのものが頓挫しそうな名古屋城に関し、すべての情報を公開した上で、どのようにすれば最善なのかを市民も交えて議論することを望みます。

---------
今後の予定

・19/9/10(火)-10/10(木)名古屋市議会9月定例会
・19/9/11(水)18時半〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
・19/9/14(土)9時半- 第36回共同連全国大会 in愛知
  第1研修会 名古屋城 EV 問題の今とこれから(ウィルあいち)
  https://kyodoren.org/wp-content/uploads/2019/07/rezami_taikaiannnai_go-1.pdf
・19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)  
・19/10/9(水)14時〜 名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論 (名古屋地裁1102号法廷)

19/9/2  大村知事 名古屋城 木造化2022年断念に「事実関係を明らかに」

大村秀章愛知県知事は19/9/2定例記者会見で、河村たかし名古屋市長が名古屋城天守閣木造化の竣工を2022年12月断念したことに対し「事実関係を明らかにしてほしい」と述べました。

19/9/2 大村秀章愛知県知事 定例記者会見 名古屋城部分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/190902.pdf

大村知事は「500億円を超える巨額の事業がどうしてこうなったのか。しっかり検証して情報公開していただきたい。
名古屋市会でも解明する作業をやっていただきたい。
どうして国、文化庁の許可が下りる目途もないのに100憶円の木材を調達して買ってしまったのか。保管費用がかかる。
今年2月に文化庁から『現天守閣に価値がある。評価して総括して欲しい。学者の意見を付して』と指摘事項がある。石垣部会の皆さんが全員反対している。障害者団体も反対している。
今後500億円より安くなることはない。第三者委員会みたいなものを作られてはどうか」と述べました。

19/8/29  河村市長 名古屋城木造化 2022年末復元を断念と発表

19/8/29河村たかし名古屋市長は、名古屋城天守閣木造化について
2022年末復元を断念すると発表したと報道されました。
新たな施工時期は明言しませんでした。

定例記者会見のようにはネット配信していないようです。

配付された市長コメントによれば、「解体工事に着手できていない現状において、2022年12月の竣工を目指すことは、竹中工務店からも現実的に厳しいとの見解も伺いました」とありました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190829.pdf

---------
今後完成時期を再考するようですが、現在木造天守閣復元の見通しが立っていません。
解体先行も見通しが立っていません。

そもそも竹中工務店に「工期が現実的に厳しい」と言われたのはいつなのか。
文化庁からはなんと言われているのか。
文化庁になんと回答したのか。全く情報を公開していません。

すでに木材の製材予算94億5540万円のうち21億9600万円支出済で、購入した木材保管のためにいくら保管費用がかかるのか。
(以前竹中工務店は、1年1億円と答えました)
いつまで保管するつもりなのか。

全ての情報を公開した上で、そもそも天守閣を木造にできるのか、費用と時間をさらにかけたうえで木造にすべきなのか、
現在の天守閣を耐震改修することときちんと比較して今後どうすべきか考えるべきです。

現在基本設計8億4693万6000円と実施設計5億9400万円、木材の製材21億9600万円支出済で、合計36億3693万6000円支出していますが、これで損切りするのか、木造復元の見通しも付かず今後もずるずると費用を支出するつもりなのか。

河村市長は記者に一方的に話すだけでなく、市民の前で情報を公開して説明し、市民の意見を公開の場で直接聞くべきです。
今後、19/9/10から市議会で9月定例会が始まり、補正予算が提案される予定ですが、何が提案されるか不明です。
議会でも熱心な議論を期待します。

19/8/28 名古屋城天守閣部会 「非常階段取り外し」は見直さず

19/8/28に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第20回)が開催されました。

・特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第20回) 配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190828.pdf
 
当初の竹中工務店提案では、天守閣中央部にガラス張りの避難コア・非常階段を提案していました。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180518-7.pdf
 
しかし18/6/28の名古屋市議会経済水道委員会で、市は「天守閣部会で『史実に忠実ではないのではないか』という意見をいただいたので、中央にガラス張り避難コア・避難階段は取りやめをしている」と答弁しました。
https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagoya/SpTop.html

今回の天守閣部会で防災設備設置計画が示されましたが、避難階段は引き続き提案にありませんでした。

現在、日本建築センターの指導を仰いでいると報告がありました。ただ、現在評定は得られていません。
さらに、消防法について、名古屋市消防局と協議を開始したと報告がありました。

名古屋市は「木造化の見通しが担保されなければ、文化庁に木造化の申請受け付けられないのは分かっているが、文化庁の許可が先で、建築基準法の除外は後」としました。

------
現在石垣をどう保全・修復するかが課題となっていますが、防災計画についても大問題です。
建築基準法で定められている2方向避難をやらず、各種許可がおりるのかまったく不明です。

木造名古屋城の目処は全く立っていません。


19/8/22 名古屋城木造化 特別秘書文化庁訪問時復命書に内容記載なし

19/7/30に河村市長や特別秘書、秘書課職員、名古屋市観光文化交流局職員、東京事務所長が文化庁を訪問しましたが、その際の復命書を情報公開請求したところ、市長特別秘書の田中克和氏分のみ19/8/20に開示されました。
しかし、復命書に内容は記載がありませんでした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190820.pdf


これでは何をしに文化庁に行ったのかわかりません。

また、秘書課、観光文化交流局職員の復命書については、
19/9/19まで延長となりました。

---------
今後の予定

・19/8/26(月)10時半- 河村たかし名古屋市長定例記者会見
・19/8/28(水)10時- 第20回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議天守閣部会(KKRホテル名古屋)
・19/9/10(火)-10/10(木)名古屋市議会9月定例会
・19/9/11(水)18時半〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
・19/9/14(土)9時半- 第36回共同連全国大会 in愛知
  第1研修会 名古屋城 EV 問題の今とこれから(ウィルあいち)
  https://kyodoren.org/wp-content/uploads/2019/07/rezami_taikaiannnai_go-1.pdf
・19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)  
・19/10/9(水)14時〜 名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論 (名古屋地裁1102号法廷)

19/8/22 名古屋城木造化基本設計住民訴訟 裁判長「『スケジュール感』の根拠は何か?」

19/8/22に、「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」メンバーが原告の、名古屋城木造天守復元事業の基本設計費用返還、実施設計契約の取消し・無効確認、本件事業の停止を求める住民訴訟の第3回口頭弁論が名古屋地裁1102号法廷(民事9部)で行われました。
原告・支援者で傍聴席の多くが埋まりました。

本件は、名古屋市の住民が弁護士を立てずに行っている住民訴訟です。
名古屋市が竹中工務店と契約した「基本設計」契約に基づく『成果物』はまだ未完成であり、支払った代金8億4693万6000円を市に返還するよう原告は求めています。
また、基本設計が完成していない以上、その後の実施設計契約を取り消し、さらには本件事業の停止・取消しも求めています。

特に、原告は名古屋市が示した「業務要求水準書」に記載されている事項を、「基本設計」成果物には満たしていないのではないかと指摘しています。
・平成27年12月 名古屋市
 名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)
 による公募型プロポーザル業務要求水準書(甲1)
 
https://drive.google.com/drive/folders/1LwckVnxPknFAyI4OgHRSvUgN_kJzbIMs

今回、被告の名古屋市からは、準備書面(1)と証拠説明書(2)、乙17号証が提出されました。
http://urx.space/qJZW

裁判長は被告名古屋市代理人に対し、「準備書面(1)の3ページ目、『当該文言を含めた要求水準書(甲第1号証)がスケジュール感を示したものに過ぎない』とあるが、その根拠は何か」と聞きました。
被告名古屋市代理人は次回までに補充説明を行う予定です。

また、裁判長は「甲6号証の第23条にある、建築基本設計の中身について、内容が黒塗りなので、実際に含まれているのか判断しかねる。」としました。
http://urx.space/RhHf
被告名古屋市代理人は、「表題だけ提出するとか、概要まで出すのか、書証で立証を考える」としました。

さらに、裁判長は「19/6/24に作成した『事務連絡』の別紙の3項について、『・建築確認の要否 ・アルカリ化について ・文化庁について』今回の準備書面(1)には記載が無い」と指摘したため、次回までに被告名古屋市代理人が反論する予定です。

原告は次回までに特に反論しません。

次回は19/10/9(水)14時〜 名古屋地裁1102号法廷です。
ぜひ傍聴下さい。

------
・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
 
---------
今後の予定

・19/8/26(月)10時半- 河村たかし名古屋市長定例記者会見
・19/9/10(火)-10/10(木)名古屋市議会9月定例会
・19/9/11(水)18時半〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
・19/9/14(土)9時半- 第36回共同連全国大会 in愛知
  第1研修会 名古屋城 EV 問題の今とこれから(ウィルあいち)
  https://kyodoren.org/wp-content/uploads/2019/07/rezami_taikaiannnai_go-1.pdf
・19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)  
・19/10/9(水)14時〜 名古屋城木造化基本設計住民訴訟弁論 (名古屋地裁1102号法廷)


19/8/19 河村市長 名古屋城解体 「文化庁は審議している」とするのみ

19/8/19河村たかし名古屋市長定例記者会見で、記者から名古屋城天守閣の解体にかかる現状変更許可申請の審議状況を問われ、「現在審議中。できる限り速やかに結論をだしますというのがお返事」とのみ述べました。

19/8/19 河村たかし名古屋市長 定例記者会見 名古屋城部分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190819.pdf

------
19/7/22河村たかし定例記者会見では、19/7/19文化審議会の答申が出なかったことを聞かれましたが、文化審議会の開催を臨時でもお願いしたいと述べましたが、結局どうなったか述べませんでした。
http://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000118996.html

文化審議会文化財分科会は、毎月第3金曜日に開催され、8月はお盆で休みとのこと。
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/bunkazai/
今年8月に文化審議会文化財分科会が開催されたかどうかも不明です。

文化庁と名古屋市とのやり取りの内容はほとんど非公開です。

次回文化審議会文化財分科会は、例年通りなら19/9/20(金)ごろ開催される予定です。
その後どのように名古屋市が主張するのか注目したいです。


19/7/30 河村市長の文化庁への「名古屋城跡にかかる要望事項」入手

河村たかし名古屋市長は19/7/30に文化庁を訪問して、文化庁次長に40分間、現在の名古屋城天守の解体許可を早期に出してもらうように要望したと報道されました。

名古屋市民オンブズマンは現在復命書を情報公開請求していますが、それに先立ち、市がマスコミに配った「特別史跡名古屋城跡にかかる要望事項」を情報提供してもらいました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190730.pdf

あいかわらず、河村市長の一方的な要望しか書いていません。

気になったのは、「名古屋城天守閣木造復元の意義を国としても改めて認識いただき」と記載してあったことです。
「現在は国は復元の意義を認識していない」と読めます。

また、「文化庁の体制の強化と予算の大幅な拡充を図り、財源確保を実現すること」と、自分の都合のよい要望ばかり繰り返しています。

石垣部会の千田嘉博教授は「文化庁は『来年度は何をする、次は何をする』と、予算を向こう50年間くらい予定している。
文化庁も計画が立てられる。あまり強い役所ではないので、心づもりで予算編成する。文化庁が指導・了解した保存活用計画に書かれているものはできる、書かれていないことはできない。許可されない。首長の思いつきではできない」としています。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190720.pdf

文化庁が定めた「保存活用計画を作った上で、発掘調査をした後復元を行う」というルールを河村市長はいまだに理解していません。

これらルールは文化庁も名古屋市職員も理解していますが、どのようなやり取りがあったのかは全く内容がわかりません。

・19/5/29 文化庁「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf
・19/6/19 名古屋市「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答」 
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190723.pdf

名古屋市は、19/7/30の文化庁とのやり取りを即公開すべきです。
やり取りを公開しなければ1ミリも進みません。


19/8/6 大村知事「名古屋城現天守解体許可出る見込みない」発言の根拠開示

名古屋城天守閣木造復元に先立ち、現天守閣の解体に関する現状変更許可申請を名古屋市が文化庁に提出している件で、大村知事は「現天守閣の解体の許可がでる見込みもない」と発言を繰り返しています。

発言の根拠について、愛知県教育委員会に情報公開請求したところ、以下書類が開示されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190806.pdf

書類としては、文化庁から19/2/26に示された「現状変更許可申請提出にあたっての留意事項」(県教育委員会はインターネット上で入手)、文化庁が名古屋市に19/5/29に交付した「名古屋城の現状変更許可申請に係る名古屋市への確認事項」(県教育委員会担当者が19/6/26名古屋市議会経済水道委員会を傍聴した際に入手した配付資料)です。
「名古屋市への確認事項」は、元から黒塗りされているので、愛知県教育委員会としては全面開示とのこと。
 
担当者に聞いたところ、「文化財保護法188条では、政令市は都道府県教育委員会を経由せずに直接文化庁に書類を提出する。
名古屋城の件は、名古屋市の書類は愛知県教育委員会は保有していない」としました。
文化財保護法 第百八十八条(書類等の経由)
この法律の規定により文化財に関し文部科学大臣又は文化庁長官に提出すべき届書その他の書類及び物件の提出は、都道府県の教育委員会(当該文化財が指定都市の区域内に存する場合にあつては、当該指定都市の教育委員会。以下この条において同じ。)を経由すべきものとする。
2 都道府県の教育委員会は、前項に規定する書類及び物件を受理したときは、意見を具してこれを文部科学大臣又は文化庁長官に送付しなければならない。
3 この法律の規定により文化財に関し文部科学大臣又は文化庁長官が発する命令、勧告、指示その他の処分の告知は、都道府県の教育委員会を経由すべきものとする。ただし、特に緊急な場合は、この限りでない。
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC1000000214&openerCode=1#853
愛知県教育委員会担当者に「黒塗りの『確認事項』を知事は見たのか」と聞いたところ、「特に知事に報告していない」としました。

愛知県教育委員会担当者から「文化庁に上記資料を情報公開請求したのか」と質問がありましたが「今回の資料はまだ情報公開請求していないが、基本的に全面非公開。黒塗りすらでない」と回答しました。

なお、「19/7/2知事定例記者会見で発言した、『19/7/1知事と石井啓一国土交通大臣と菅官房長官が話した内容』がわかるもの」は「不存在」でした。
県政策企画局政策調整課の担当者は「19/7/1には公務がなく、県として発言を承知していない」としました。

----------
今回の情報公開で、愛知県も「名古屋城の現状変更許可申請に係る名古屋市への確認事項」の中身を知らないことがわかりました。
どこまで名古屋市は秘密主義なのでしょうか。


19/8/5 名古屋城石垣部会「『天守台石垣の保存方針』に穴蔵石垣記載は認めない」

19/8/5に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会(第32回)が開催されました。
名古屋市が文化庁へ提出した現状変更許可申請書も、文化庁からの確認事項も、名古屋市の回答も石垣部会に提示されないまま審議を求められた石垣部会は反発しました。
また、名古屋市は新たに埋蔵文化財部会を設立する方針を出し、石垣部会は「余計混乱する」と批判しました。
さらに、名古屋市はいきなり「天守台石垣の保存方針」具体化の手順に穴蔵石垣調査を記載し、「天守台外部石垣の保存と穴蔵石垣調査はどのように関係するのか」として、穴蔵石垣記載を認めないとしました。

・配付資料
 
http://nagoya.ombudsman.jp/castle/190805.pdf
・名古屋市民オンブズマンによるメモ(午前)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/190805-1.pdf
・名古屋市民オンブズマンによるメモ(午後)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/190805-2.pdf
 
挨拶をした服部英雄・名古屋城調査研究センター所長は「名古屋市を助けて欲しい。許されるのなら私は人柱になりたい」とするものの、過去の石垣部会の議論を踏まえない発言を繰り返し、さらに「議事録を読まないと理解できないのは問題ではないか」「石垣部会は危険を煽りすぎている」「『絶対安全』とは言えない」などと発言し、石垣部会が反発しました。

名古屋市は、名古屋市が文化庁へ提出した現天守閣解体のための現状変更許可申請書も、それに対する文化庁からの確認事項も、名古屋市の回答も石垣部会に提示しませんでした。
しかも、石垣部会が求めた、天守解体の構台・仮設桟橋の足場が置かれる計画の御深井丸の発掘調査について、どこにトレンチを入れるのかのおおよその範囲を示すだけ(資料2)で、具体的なトレンチを入れる場所を示さず、すでに現状変更許可申請を文化庁に出したとしました。

石垣部会構成員の千田嘉博・奈良大学教授は「石垣部会は名古屋市と敵対しているわけではない。どういうことが文化庁から投げられていて、どうすればよいのか部会に示されないと力の発揮しようがない。文化庁とのやり取りを秘匿される、どう現状変更申請したか委員に知らされないのは他にしらない」としました。

石垣部会構成員の宮武正登・佐賀大学教授は「トレンチ案について、石垣部会に示さずに現状変更許可申請をした。仮に現状変更許可がおりたら、石垣部会で名古屋市と文化庁で決めたことをひっくり返せるのか。次のもめ事を招きかねないので、文化庁に説明しないとおかしいのではないか」としました。
名古屋市は「現在文化庁に現状変更許可申請をしており、審議中なので」という理由で非公開にしたとするのみ。
服部所長は「文化庁から理由を聞いているが、それは言えない。ここは公開の場だから。みなさんも文化庁の秘密主義は知っているでしょう」としました。
オブザーバーの洲嵜和宏・愛知県教育委員会生涯学習課文化財保護室室長補佐は「基本的には委員会でもんで頂いてから提出する」としました。

また、名古屋市は御深井丸の地下遺構や内堀底について、別途埋蔵文化財部会を立ち上げてそこで検討したいと発表しました。
千田教授は「石垣の取り合いのところについて、さらに埋蔵文化財部会と石垣部会との調整が複雑になるので、『埋蔵文化財・石垣部会』を合わせてやらないとだめだ」としました。

さらに、名古屋市は「『天守台石垣の保存方針』具体化の手順」を示しました。
名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センターの村木副所長は「天守台石垣の保存方針は、全てが天守閣整備のためではない。天守閣復元と切り離して考える」としながら、「現天守解体許可が出た場合、天守台石垣の保存方針を具体化し策定する」「この目的は天守のために穴蔵を復元するためです」としました。
 
宮武教授は、「天守台外部石垣がはらんで危ない、ということと、穴蔵石垣調査とはどのように関係があるのか。天守閣復元ありきではないのか」としました。
石垣部会の赤羽一郎副座長は「穴蔵石垣について、石垣部会では全く論議していない。石垣部会が了解したと理解されるのは心外」としました。 
 
松雄俊憲・観光文化交流局長は「名古屋市は木造復元をやりたい。穴蔵調査を最終的にやりたい。ご理解頂けないか」としましたが、千田教授は「穴蔵調査は木造天守閣が耐えられるか調査するために必要。でも文化庁に別のうその理由で発掘調査を申請するのは認められない。名古屋市の方針はわかるが、文化庁の現状変更許可を取ってから、大いに議論をする。村木副所長の説明が典型的だが、『この目的は天守のために穴蔵を復元するためです』と言ってはいけないことを言っちゃった。天守台の保存方針だけを立ててもだめで、内堀底とか対岸とかもどう保存するかといった一体とした保全方針を立てないとだめ」としました。

----------
石垣部会と名古屋市のコミュニケーション不足は相変わらずです。
名古屋市は石垣部会の了承もせずに文化庁に現状変更申請し、情報も石垣部会にも公開しません。
文化庁も了承している石垣部会の了解を得ず、どうして現状変更許可申請が通ると思うのでしょうか。
既に2022年12月末までの木造天守復元の工期の遅れが決定的になっていますが、次回9月の文化審議会の結論を見ないと名古屋市は方針転換しないつもりなのでしょうか。

19/8/4 愛知県新体育館 名城公園北園移転に反対・疑問の声多数

名古屋市は19/8/4に「タウンミーティング 〜名城公園北園と新たな公園施設について〜」を行いましたが、参加者からは「どのように機能確保をするのか、名古屋市としての意見をはっきりさせてから行うべきだ」「名城プールを廃止するのは反対」「緑を残せ」という声が多数でました。

・名古屋市総務局総合調整部総合調整室調整担当
 タウンミーティング(名城公園北園と新たな公園施設について)を開催します
 
http://www.city.nagoya.jp/somu/page/0000119159.html

・当日配布資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/asia/190804.pdf

・名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/asia/190804-1.pdf
 
事前の案内文を読んでも、配付された資料を読んでも趣旨が判然としませんでしたが、市の説明を聞いて以下理解しました。

・愛知県体育館の老朽化が問題となっていた。
・2017年に、愛知県と名古屋市が相談して、新体育館を愛知県が名城公園北園でつくることに合意した
・2019/6/11に愛知県は愛知県新体育館基本計画(概要)を公表した
 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kokyokenchiku/shintaiikukan-kihonkeikaku.html
 令和元年6月11日 臨時知事記者会見
 https://www.youtube.com/watch?v=UCW_toloSA0&
・新体育館の候補地には野球場、ランニングコース、名城プール、子どもの広場、サイクリングコース、四季の園、樹木があり影響があるため、名古屋市としてタウンミーティングをする
・ただし、愛知県新体育館については、名古屋市として責任を持って説明できない
・方針としては、名城プールは廃止。他はできる限り機能を確保したい
・2026年アジア競技大会で利用できるよう、2025年4月新体育館供用開始予定。

会場からは多数の疑問・反対意見が出ました。
・野球場は土日稼働率90%を超えているが、代わるものを作るつもりか
・ランニングコースを存続させるのか 1.3キロはちょうどよい
・地下鉄名城公園の出口は2つしかないが、さばけるか
・「これはこう考えている」と市の意見を出してもらえれば意見が深まる
・緑を破壊するのでは?
・体育館の設置はスポーツを破壊するのでは?
・タウンミーティングをつい最近知った。こんなものなのか。経過もわかるように説明して。
・貴重な緑を切っていいか
・冷水プールを無くすと、遠くなる 子ども切り捨てか?
・新体育館が建った後の敷地の管理、周囲の管理は?
・防災拠点としてどうするつもりか
・ランニングコースはウォーキングを楽しんでいる人もいる
・スポーツ会館はどうなるのか

名古屋市は「できる限り機能を確保したい」とするだけで、明確なことは発言しませんでした。
また、愛知県の担当者は同席せず、新体育館の詳細は不明でした。
配付資料にはごく簡単にしか記載がありませんでした。

このようなことで進めていくのでしょうか。
愛知県はタウンミーティングをしないのでしょうか。

・名古屋市民オンブズマン アジア大会ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/asia/index.htm

---------
なお、愛知県現体育館跡地利用についてはまったく説明がなかったのですが、会場から質問したところ、以下回答がありました。

・190804名城公園タウンミーティング 愛知県現体育館跡地部分
(名古屋市民オンブズマンによるメモ)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/asia/190804-1.pdf
 現体育館はどうなるのか。土地の所有は誰か。現状変更は必要か。所管はどこか
 →現体育館は撤去する予定。
  名古屋城の特別史跡内にあるので、文化庁と調整が必要。
  現体育館の敷地は市が管理している。いったん緑政土木局が所管すると思う。
  今後敷地は特別史跡名古屋城保存活用計画で整備する予定。
  具体的には今後検討。
  (現建物は県が所有し、土地は市が国から借りて管理している)

・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
 http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 


名古屋城木造復元 実施設計業務委託に5億9400万円支出済が判明

名古屋城天守閣木造化事業に関し、実施設計業務委託として竹中工務店に対してすでに5億9400万円支出済であることが判明しました。

・19/7/31 情報提供文書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190731.pdf

今回、既に名古屋市が竹中工務店に支出した木材の製材代、実施設計委託料がわかるものを情報公開請求したところ、上記文書を情報提供して頂きました。

実施設計については15億6182万1480円(税込み)ですが、各年度分割して払うことになっています。

・決定書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510.pdf
・名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(平成31年度分)として
 名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(H30.4.9)
 名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(変更契約 H31.2.26)
 名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(変更契約 H31.3.19)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510-1.pdf
・(情報提供)名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託 変更概要書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510-2.pdf 

今回情報提供頂いた支出命令書でも、契約通り
5億9400万円支出済であることが判明しています。

また、木材の製材94億5540万円については21億9600万円支出済でした。

基本設計8億4693万6000円と実施設計と木材の製材をあわせると現時点で36億3693万6000円支出していました。
契約としては、合計118億6415万7480円になります。

名古屋城現天守解体の現状変更許可の見通しはたっておらず、ましてや木造復元のめどはまったくたっておりません。
名古屋市は本当にどうするつもりなのでしょうか。



19/7/30 河村市長は文化庁に何を話しに行ったのか?

各種報道によれば、河村たかし名古屋市長は19/7/30に文化庁を訪問して、文化庁次長に40分間、現在の名古屋城天守の解体許可を早期に出してもらうように要望したとのことです。
19/6/21の文化庁文化審議会で現天守解体が議題にならず、2022年12月末までの木造天守復元の工期の遅れが決定的になってから初めての文化庁訪問です。

しかし、市長が話したのは定例記者会見ではないので、録画が市のホームページに載っておらず、詳細がわかりません。
報道されている内容も、「河村市長が『文化庁はこう言った』」とするだけで、本当に文化庁が言ったのか、他になにか話したことがあったのかわかりません。

市職員が出張する際は「復命書」を作成します。
当然今回の文化庁出張も「復命書」を作成し、そこに名古屋市と文化庁とのやりとりが記載されます。

過去の「復命書」を情報公開請求したところ、内容はほぼ非公開でした。
現在名古屋市民オンブズマンが情報公開訴訟中です。

上記やりとりの中身は全く市民にも議会にも有識者会議にも示されていません。
19/6/26市議会で、渡辺義郎市議(自民)は「これは個人情報ではない。黒塗りの中には、『文化庁から2022年12月はダメだ』と言われたとはっきり書いてあると聞いた。だから出せないのではないか」としました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-2.pdf

名古屋市民オンブズマンは、上記「復命書」ができ次第情報公開請求する予定です。

仮に『文化庁から2022年12月はダメだ』といわれていたにも関わらず、それを隠して木材を購入したり市民や議会をに説明していたのであれば、名古屋市政史上最大の問題です。
名古屋城が「市民の城」になるかどうかは、復命書を公開するかどうかで決まります。


----------------
今後の予定
19/8/5(月)10時〜 第32回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣部会 (KKRホテル名古屋 4階 福寿の間)
 http://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2019/kankobunkakoryu/0000119545.html
19/8/10(土)15時〜 名古屋都市研究会第1回「名古屋人はなぜお城の話ばかりするのか」(サンサロ*サロン)
 https://nagonya.exblog.jp/28485187/
19/8/12(月)13時半〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
19/8/22(木)14時〜 〜 名古屋城基本設計住民訴訟(名古屋地裁1102号法廷)
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)
--------

19/7/23 名古屋城木造復元 文化庁からの質問への回答 中身ほぼ非公開

名古屋市は名古屋城天守閣木造復元のため、まず現天守閣解体の許可申請をしましたが、19/6/21に開催された文化庁文化審議会で議題になりませんでした。
それに先立ち、名古屋が文化庁からの質問に対して19/6/19に行った回答を名古屋市民オンブズマンが情報公開請求したところ、中身はほぼ非公開でした。
・19/6/19 名古屋市
 名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190723.pdf


文化庁は、19/2/26に「現状変更許可申請提出にあたっての留意事項」5項目を名古屋市に示しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190226-1.pdf

それをうけ、名古屋市は19/4/18に「特別史跡名古屋城跡の現状変更(天守閣解体)の許可申請」を文化庁に提出しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-1.pdf
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-2.pdf 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-3.pdf

その後、19/5/29に文化庁から名古屋市に「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項」が示されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf

それに対し、19/6/19に名古屋市から文化庁に「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項に対する回答」が提出されました。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190723.pdf

しかし、19/6/21の文化庁文化審議会で議題にならず、19/7/19文化審議会でも答申は出ませんでした。

上記やりとりの中身は全く市民にも議会にも有識者会議にも示されていません。
19/6/26市議会で、渡辺義郎市議は「これは個人情報ではない。黒塗りの中には、『文化庁から2022年12月はダメだ』と言われたとはっきり書いてあると聞いた。だから出せないのではないか」としました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-2.pdf

文化庁からの指摘事項と回答を非公開にしながら、木材約94億円を購入し、設計費を含めると100億円以上の契約をしています。
大村知事が「文化庁の許可は当面でない。100億円以上が全損になるおそれがある」としています。

河村たかし名古屋市長ならびに市役所担当者の責任は極めて重いです。
いったいどうするつもりなのでしょうか。

-------
なお、以下工程表は公開されました。

『令和元年度6月補正予算要求「名古屋城天守閣木造復元の木材保管庫設置工事」にあたって、財政当局に要求するに際して作成した名古屋城復元の工程表』及び『令和元年度6月補正予算要求「名古屋城天守閣木造復元の木材保管庫設置工事」にあたって、令和元年6月議会で議論するに際して作成した名古屋城復元の工程表』として
・名古屋城天守閣整備事業先行工事(木材保管庫設置)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190723-1.pdf
 

19/7/22 大村知事「名古屋城木造復元 許可が下りるかは筋道とか手順をクリアしているかが問われている」

大村秀章愛知県知事は19/7/22定例記者会見で、名古屋城木造復元について「河村たかし名古屋市長は『文化庁から(木造復元・現天守閣解体の)許可が出ないなんて、誰から聞いたか明らかにすべき』としているが、許可が下りるかは、筋道とか手順をクリアしているかが問われている」としました。

19/7/22 大村秀章愛知県知事定例記者会見 名古屋城部分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190722-1.pdf

大村知事は名古屋城天守閣木造復元事業について、文化庁から復元はおろか現天守閣の解体の許可がでる見込みもないにもかかわらず、名古屋市は木材と基本設計等で100億円以上の契約を竹中工務店としてしまい、どうするつもりかと繰り返し発言しています。

・19/6/24 大村知事定例記者会見
 質疑応答 (1)名古屋城の木造天守閣について
  http://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2

・19/7/2 大村知事定例記者会見
 質疑応答 (2)名古屋城の木造天守閣について
 http://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/07.02.html#3
 
・19/7/16 大村秀章愛知県知事定例記者会見 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190716.pdf 
 
それに対し、河村市長は「知事の方が市長より上と思っているのではないか。知事は国王じゃない。知事は愛知城を作ろうとしているのではないか」と発言しています。

・19/7/8 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190708.pdf

19/7/16大村知事の会見後、河村市長は「木造復元・現天守閣解体の許可が文化庁から出ないなんて誰から聞いたか明らかにすべきだ」と言ったと報道されています。

大村知事は19/7/22会見で、「今年の2月に文化庁から『これを調査するように』と書類が名古屋市に来ている。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190226-1.pdf
しかし名古屋市は文化庁の指示をしていない。
名古屋市はちゃんと手順を踏んで手続き踏んでやって作業やって許可を取ればいいじゃないか。(作業をしていないから文化庁に)議論もしてもらえてない。」としました。

大村知事は「(河村市長の)『いや私は許可出ると思ってたんだ』なんてそんなもの通用するわけがない。ぜひ結果を出していただきたい。」としました。

なお、先日障害者団体から提出された愛知県障害者差別解消推進条例に基づいての斡旋の要請について、大村知事は「担当課が現状把握という下調べをやり、その上で関係者と協議調整をしていきたい」としました。

なお、19/7/22に河村たかし名古屋市長の定例記者会見があり、19/7/19文化審議会の答申が出なかったことを聞かれましたが、文化審議会の開催を臨時でもお願いしたいとした上で、従来の主張を繰り返すのみでした。
・19/7/22 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190722.pdf

---------
大村知事の「手順を踏め」というのは、石垣部会の千田嘉博・奈良大学教授の「文化庁が求める手順を踏まないと1ミリも木造復元は進まない」と同様の主張のように思えます。
https://ombuds.exblog.jp/27697638/

2019年2月に文化庁から名古屋市に示された「現状変更許可申請
提出に当たっての留意事項」に対して、名古屋市が19/4/18に
文化庁に提出した書類(特別史跡名古屋城跡の現状変更
(天守閣解体)の許可申請)は内容がほぼ真っ黒でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-1.pdf
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-2.pdf 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-3.pdf

その後、文化庁から19/5/29に示された「名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項」も内容は全て真っ黒でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf

上記に対し、19/6/19に名古屋市が文化庁にどのような回答をしたのか情報公開請求しましたが、19/8/2まで延長になりました。

名古屋市民オンブズマンがはじめに問題提起した、名古屋市と文化庁とのやり取りの非公開について、追及は文字通り本丸に近づいています。

本来の手順を踏まずに強引に物事を推し進め、市民にも議会にも有識者会議にも情報を非公開にし、木材・設計費用合計100億円超が完全に無駄になるかもしれない名古屋城木造復元事業。
情報公開の「転ばぬ先の杖」効能を活かさず、もともとわかっていた問題にブレーキをかけることなく突っ込んでいった名古屋市政の代償は計り知れません。

19/7/20 名古屋城石垣部会千田教授「文化庁が求める手順を踏まないと1ミリも木造復元進まない」

19/7/20に開催された「第88回名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名を復活する有志の会」主催の学習会で、名古屋城石垣部会の千田嘉博・奈良大学教授が「名古屋城の石垣とバリアフリーについて、課題と展望」と題して講演しました。

主催者側から、写真と録音は遠慮するよう言われました。
簡単にメモだけ取りました。
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190720.pdf
 
以下千田教授講演を要約しました。

----------
報道では、「名古屋城天守閣木造化が計画通りに進まないのは石垣部会が悪い」かのようにされている。
しかし、石垣部会は木造天守に反対では決してない。
名古屋城ほど資料が豊富で厳密に復元可能な天守はない。しかし、いろんな条件ををクリアしないといけない。

史跡の国宝と言える「特別史跡」では、専門家を交えて文化庁が指導・了承して策定された「保存活用計画」をあらかじめ策定する、というのが文化庁が定めたルールだ。
短期・中期・長期的に計画を策定し、保存活用計画に書かれているものは復元でき、書かれていないものはできない。

松代城はそれほど大きな建物ではない堀・櫓を復元したが、手順に従って文化庁が許可し復元が終わるまで10年はかかった。それが標準であり、短くするのは困難。

名古屋城は何が進まないかといえば、名古屋市が手順を踏んでいないから。
「保存活用計画」を書き直さずに天守木造建設を市が決定し、文化庁の許諾なしに復元設計を開始した。
その後、名古屋市は保存活用計画の天守部分だけを書き直し、「機能を強化する」から木造復元を加えたが、文化庁が大激怒し書き直しを命じられた。

文化庁は「現天守は2億円寄付を得て再建し、文化財としての価値がある」と述べている。ということは、文化庁は現天守を文化財指定する意思を持つと言うこと。単なる鉄筋の建物ではない。
また、名古屋市は「耐震強度が不足している」と文化庁に伝えたが、論外である。全歴史的建造物はそもそも耐震基準に不適合なので、名古屋市の理屈だと全ての建物を
解体しないといけない。いかに活用・補強するかというのが文化庁の考え方。
文化庁が納得する理屈を出さないと、権限が文化庁に有る限り現天守を解体することも困難。

報道でも書いておらず、理解もしていないかもしれないが、石垣部会と天守閣部会の位置づけが決定的に違う。
・石垣部会 専門家の審議組織として法規に基づいて設置されており、文化庁調査官が出席して審議に助言・指導を与えている。文化庁にもその都度報告している。
・天守閣部会 文化庁の許可を得ず、独自に設けた部会。文化庁が関与せず、木造復元の設計図を作った。今日に至るまで文化庁は一切関知していない。文化庁調査官は1回も出席していない。
文化庁の文化審議会には、1回に300〜500件の現状変更申請が来る。
適切かどうかは、史跡の管理団体が文化庁の指示のもとに設置した「専門委員会」の審議にゆだねられる。
石垣部会は「専門委員会」である。文化庁の指導・助言を踏まえて学術的な見地から判断するので、原則的に文化庁と同じ結論が出る。
「専門委員会」を論破すれば、文化庁は「現状変更」を認めると思うのは間違いであり、石垣部会は許認可権を持ってない。

金沢城は現在どんどん復元しているが、石川県金沢城研究所を18年前に20人の学芸員で設立し、その調査結果が見えてきている。最低でも10年かかる。
名古屋城は調査研究センターを今年発足した。
調査・研究資料が決定的に足りない。本来10年前に調査研究センターを発足すべきだった。

名古屋城の現在の調査レベルにも疑問がある。
天守台石垣の根石調査をしたところ、天然の地山を削ってしまった。ストッパーを無くすことになり、これは絶対にやってはいけないこと。100年200年たつときわめて深刻な影響がでる可能性がある。

名古屋市は本丸御殿と小天守の間にスロープを作ったが、スロープ設置について文化庁に書類を提出していなかった。スロープのコンクリート基礎は、江戸時代の史跡を完全にぶちこわしており、塩ビ管を入れていた。しかもスロープがあるために追加の石垣発掘調査が出来なかった。

奈良では史跡整備面は遺構面を十分保護して行った。
名古屋城本丸御殿は遺構面を削ったため、文化庁の信頼度ゼロ。本当に本丸御殿の遺構面守られているのか?追加調査しないといけない。

現在の名古屋城石垣の状況は極めて悪く、直さなければ崩れる。しかし名古屋市は「石垣は健全」と言った。
人間レベルで嘘をついてはいけないが、組織でウソをつくのはもっとだめ。

石垣保全・修復を最優先にしないと、天守をいじるのはあり得ない。名古屋市の学芸員も知っている。
天守台石垣だけでなく、他の石垣も状況は悪く、もし崩れれば人命に関わる。

熊本城石垣は500面崩壊し、修復している。私も関わっている。
熊本城と名古屋城はともに特別史跡なので、熊本城でやっていることを名古屋城でも行うべきだ。
熊本では、本物の石を直して使うと、熊本の委員会で決めた。剥離部分を樹脂で接着する。角石はドリルで穴を開け、ステンレスの棒でくっつける。全部でおよそ10年かかる。外からは修理したかは全くわからない。
名古屋城でもこのようにすることはマストだ。

名古屋城は基本の石垣カルテは「調査中」、根石調査も「調査中」。
石垣評価は「安定している」を後に訂正した。石垣保全と安定性の確保の方法は未検討。
石垣は10年はかかる。これをせずに木造天守にはいけない。

竹中工務店が出してきた基礎構造案は、文化庁から秒殺された。
本物の石垣を解体・遺構を破壊してコンクリートの「跳ね出し架構」を設置することは、史跡整備の原則から大きく逸脱し、文化庁の許可が得られる可能性は皆無。

ここまでくるのに軌道修正することは出来たはず。
名古屋市は、現天守解体のため設置する構台の下の石垣は1個も調査していない。今後、文化財としての石垣調査予定日は0日。
法に則って、ルールにしたがわないと、100年たっても無理だ。

バリアフリーについて、熊本城は徹底的な議論をし、エレベーター、長大なスロープを作ることですべていけるようにした。
金沢城もスロープ・エレベーターを付け、車椅子も入れる。首里城もスロープで、玉座まで全く支障がない。
「全ての人に史跡が開かれている」のがそ私たちの時代が求める史跡整備だ。軍事要塞ではない。「健常者だけ」はあり得ない。

「史実に忠実でないと文化庁に復元が認められない」、という人がいれば嘘をついている。
文化庁は「文化財の活用のためのバリアフリー化事例集」を策定した。

海外の城でもエレベーターがついている。
名古屋城の現天守のエレベーターは非常に早い段階でバリアフリーになっており、名古屋の叡智を示している。
大阪城も天守に行くまで全てバリアフリー。エレベーターも、元々石垣が空いていたところに付けた。

名古屋城も、本丸御殿と小天守のあいだに殿様が通る「引きはし」があり、そこにスロープをつければよいのではないか。

ドイツの城では、エレバーターだけでなく、視覚障害者が触って理解できる模型がある。
日本の立体模型は健常者向けであり、触ることは考えておらず、文化庁は反省している。

名古屋城に改めることは多い。
本丸御殿の横は、草刈りいらなくするため玉砂利を敷いたが健常者も歩きにくく、車椅子も入れない。現在はゴムマットを敷いた。
また、年の半分は出店がでており、石垣、空堀など遺構がみえない。
こういうところから改善すべきではないか。

---------------
会場からは熱心な質疑応答がでました。

どうすれば木造天守が復元出来るか、という質問に対し、千田教授は「文化庁調査官に入ってもらって、整備検討計画を直し、『現天守閣は文化財に相当する』を覆すような作文ができれば8割は山を越える。しかしそれができるか私にはわからない。」としました。

また、千田教授は「私は石垣部会のメンバーだが、天守閣部会の資料は非開示。文化庁とどういう指導があったかは非開示。石垣部会に開示されたのは、石垣部分の接続部分だけ。名古屋城総合事務所は、分科会ごとに分断政策を採っている。こんなことは過去の事例では聞いたことが無い。
また、『静謐な環境』が必要だとして、名古屋市と文化庁とのやりとりをオンブズマンが情報公開請求してものり弁で出している」としました。

会場からは「どうして天守閣部会と石垣部会が合同部会をしないのか」と質問がありましたが、千田教授は「個人として合同で行ったことは1回あり、全く支障はない。
しかし、天守閣部会は文化庁の無許可委員会であり、合同部会にすると、文化庁調査官が出席できなくなってしまう。
天守閣部会を文化庁の許可委員会として再起動するしかないのではないか。また、全体整備検討会議も機能していない」としました。

さらに千田教授は「名古屋城調査研究センターには予算も人事権もなく、指揮監督が出来ない。
本来は行政と調査研究センターは利害が対立するが、名古屋城は総合事務所の一部にセンターがなっている。
木造天守閣復元をすると、現天守が持っていた歴史展示機能や収蔵機能が失われるが、今後どうするかの議論はやっていない。
愛知県体育館が動くので、今後どうするか議論が必要だ」としました。

また「河村市長とは、数年前に名古屋城をめぐるシンポでお会いしただけ(2014/9/6 名古屋城天守閣フォーラム)。その後は、石垣部会の開始の際、市長が挨拶をしたくらい」としました。

千田教授は「許認可権は一方的に文化庁が持っている。やることはきわめて明快だ。『文化庁がおっしゃっている』ことを一つ一つやってもらいたい」としました。

-------
・名古屋城天守閣を木造復元し、旧町名を復活する有志の会
 http://www.fukkatu-nagoya.com/
 https://www.facebook.com/groups/334351686611768/


19/7/4 名古屋市「名古屋城木造復元事業には国からは国庫補助等を入れるのは厳しいという意見を頂いている」

19/7/4に名古屋市議会大都市制度・広域連携促進特別委員会で、名古屋市観光文化交流局総務課長は「名古屋城の木造復元の事業に関しましては、特別会計を組んで、いわゆる市税を投入しない財政スキームの中でやっていくため、原則として国の方からは国庫補助等は入れるのは厳しいという意見をいただいている」としました。

・19/7/4 名古屋市議会 大都市制度・広域連携促進特別委員会 配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190704.pdf
・19/7/4 名古屋市議会 大都市制度・広域連携促進特別委員会 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190704-1.pdf
 
今回、令和2年度国の施策及び予算に関する重点事項の提案について審議されました。

浅井正仁(自民・中川区)市議は、「(国への予算要望に)天守閣の木造復元が令和4年度(2022年度)までと書いてあるが、これでよいのか」と聞きました。

観光文化交流局総務課長は「市長としては、諦めないとの強い思いがあるためそう記載した」としました。

浅井市議は「この要望を出して国はお金を付けるのか」と聞いたところ、総務課長は「名古屋城天守閣の木造復元の事業に関しましては、名古屋市は特別会計を組んで、いわゆる市税を投入しない財政スキームの中でやっていくため、原則として国の方からは国庫補助等は入れるのは厳しいという意見をいただいている。
しかし、天守閣周辺整備については特に国土交通省に対して支援をお願いしていきたい」としました。

浅井市議は「どうして搦手馬出石垣修復には文化庁から補助金をもらい、天守閣石垣修復にはいただかないのか」としましたが、総務課長は上記を繰り返しました。

浅井市議は「搦手石垣の修復は平成16年から修復をしているが、積み直しの完成はいつか」としたところ、総務課長は具体的には示せない、としました。
浅井市議は「都合のいいやつだけは工期を決めて、都合の悪いのは工期を決めない。もういい加減、真実を話しましょうよ。ちゃんと向き合いましょうよ」としました。


19/7/16 名古屋城木造化をめぐり、大村愛知県知事「河村さんこそ裸の王様にふさわしい」

19/7/16大村秀章愛知県知事の定例記者会見で、名古屋市が強引に推し進める名古屋城木造天守復元事業について、「(河村市長は)私に対して、何か上下関係だとか、上から目線だとか、国王だとか言われているので、そこまで言われれば、私は、河村さんには敬意を込めてですね、『河村さんこそね裸の王様にふさわしい』というふうに申し上げたい」と述べました。

・19/7/16 大村秀章愛知県知事定例記者会見 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190716.pdf

名古屋城天守閣木造復元事業について、文化庁から復元はおろか現天守閣の解体の許可がでる見込みもないにもかかわらず、名古屋市は木材と基本設計等で100億円以上の契約を竹中工務店としてしまいました。

大村知事は、そのことについて、「どうしてこうなったか、事実関係を明らかにしてもらいたい」と記者会見で述べてきました。

・19/6/24 大村知事定例記者会見
 質疑応答 (1)名古屋城の木造天守閣について
  http://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2

・19/7/2 大村知事定例記者会見
 質疑応答 (2)名古屋城の木造天守閣について
 http://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/07.02.html#3
 
それに対し、河村市長は、大村知事の人格攻撃をしました。

・19/7/8 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190708.pdf

19/7/16大村知事会見では、「河村市長はいつものように話しをすり替えている。市長の行為について指摘している。
市長は『文化庁を許可を信じている』など、言葉尻を捕まえないようにぼやかして言っている。事実について答えるべき。
文化庁から指摘質問事項が名古屋市に来ているが、名古屋市議会には示していない。私は、たまたま手に入っているので申し上げた。
確実に100億円近いかそれを超える損害が出る、その蓋然性が高まっている。それを私はわかっているので、見て見ぬふりはできないという思いで申し上げてる。なので事実関係を明らかにしてほしい。
名古屋市の職員さんに申し上げたいけど、関係する人もそろそろ本当のこと言ってほしい。そうでないとその職員の皆さんも同じように責任を問われますよ。そりゃそうですよね。もし仮に事実と違うことを、彼らも言っていたということであれば、そりゃ責任問われることになりますよ。
突然『100億円穴が空いた、わははは』ではすまない。関係者には被害が損害が最少になるよう、最善の努力を尽くしてほしい。」としました。

また、大村知事はバリアフリーに関し、「障害者団体が『差別だ』と言っているのだから、話しをはぐらかしていくというのはいかがなものか。河村率いる減税というのはバリアフリーに反するのかと言われても仕方がないじゃないでしょうか」としました。

-------
名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋城への確認事項への回答について、名古屋市がまとめた資料はありますが、実際にどのような文書が来たのかは、内容は全部非公開です。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf

大村知事、河村市長の発言は全文文字起こしされていますので、ぜひ全部読んだ上で、どちらの言い分が正当かご判断下さい。
また、上記文化庁からの書類、さらに文化庁とのやり取り、文化庁にどのような回答をしたのかを一刻も早く公開すべきです。損害は1日1日増えていきます。


19/7/14 サマーセミナーで講座「戦後復興のシンボル 名古屋城」開催

19/7/14に、南山大学で第31回愛知サマーセミナーが開催され、講座「戦後復興のシンボル 名古屋城」に市民・高校生が参加しました。

・配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190714.pdf

まず、現天守の価値、ならびに名古屋城木造復元事業のデタラメさがわかるビデオを見ました。

・コンクリート天守閣を守ろう
 https://www.youtube.com/watch?v=0tB-peth9kY
・復興のシンボルそのかけがえのない価値
 https://www.youtube.com/watch?v=SYYp0k9zEu8&t=55s
・復興のシンボル未来への遺産
 https://www.youtube.com/watch?v=-WR0RC0ekio
・名古屋城整備への思い
 https://www.youtube.com/watch?v=G13jK-B-btg

その後、西浦芳郎氏が現天守の価値について説明しました。
「多くの人は江戸時代の天守ばかり見ているが、明治維新以後の名古屋城は陸軍管轄下にあったことなど、近代にも目を向ける必要がある。
 その後太平洋戦争で焼失し、平和のシンボルとして市民から多くの寄附を集めて二度と燃えないように復元したことも名古屋城の歴史だ。
 また、名古屋の人は名古屋の街の歴史を知らなさすぎる。名古屋城と城下町が作られた経緯、その後400年の名古屋の歴史を学ぶきっかけに、現天守がなり得る。
 にもかかわらず、河村たかし名古屋市長は、市民に情報を出さずに強引に天守閣木造化を推し進め、文化庁から解体許可が出なかった。」としました。
 

なお、19/7/13に行われた、名古屋城PRイベント実行委員会主催の三浦正幸氏講演会では、司会者から「三浦先生は天守閣部会の委員なので、最新の木造復元に関する情報もうかがえるかもしれません」と言われていたにもかかわらず、一言も木造復元の現状には触れませんでした。

------
名古屋城天守を「戦後復興市民のシンボル」に
https://www.facebook.com/1740949266229351/


19/7/11 名古屋城木造復元 名古屋市は天守閣部会で「工程の見直しを含め協議したい」と述べるのみ

19/7/11に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第19回)が開催されました。

・特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第19回) 配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190711.pdf

・特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第19回)
 名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190711-1.pdf
 

今回は、19/6/21文化庁文化審議会で、現名古屋城天守閣の解体申請の現状変更許可が議題とならなかったことが判明してから最初の天守閣部会でした。
傍聴席には名古屋市議が多数来ていました。

最初に、19/4/1に発足した名古屋城調査研究センターの所長の服部英雄氏の挨拶の後、事務局からこれまでの経緯の説明がありました。
名古屋市は「工期の見直しを含め、竹中、文化庁、天守閣部会・石垣部会など地元の有識者と協議を進めて参りたい」と述べるにとどめました。

天守閣部会の構成員は、上記説明直後は特に意見を出しませんでした。

しかし、議事が終了にさしかかったころ、古阪秀三・立命館大学客員教授(建築生産)は、「この天守閣部会や名古屋市、竹中工務店が意思を決めれば進むのか。文化庁の許可を得ないといけないのではないのか。
また、技術的なことは今とは異なる。石垣も、構造的に危ない。現在は、東南海・南海トラフ地震が30年以内に起こる確率が80%にも及ぶ。今の時代にどう変えていくのか」と問いかけました。

名古屋城総合事務所の蜂矢主幹は「まずは天守閣部会・石垣部会でご議論いただき、どこかで両部会総合して、名古屋市の案として文化庁に提出し、文化庁でご審議頂きたい」としました。

川地正数・川地建築設計室主宰(建築生産)は、「1.普通で行くと9月に審議会が開催されるが、市としてどういう見通しを立てているか。
 2.市長のコメントに『今後工程についても見直しを含め関係者と検討する』とあるが、蜂矢さんのお話をお話を聴く限り、石垣部会との合意は難しいのではないか。そうしたときに次の進展についてどう新たな道筋をつけていくか考えているか。
 3.ある首長が「今の状況が未来永劫解決しない。解体の許可は下りない」と言い切っている。根拠があるから言っているはず。根拠がなければ問題だ。市は文化庁からの情報をお隠しになられていないと思うがどうか」としました。
 
佐治名古屋城所長は「1点目 工期を含めた状況について、『2022年竣工はきわめて困難』と答弁した。文化庁は今の段階では結論が出ていないので、私どもは文化庁を待ちたい。重く受け止め、木造復元をするため、最善の方法を模索したい。
 2点目 石垣部会について、次回開催を模索している。毎回用意させて頂いた議題について、資料作成が遅いこともあり十分に議論ができなかった。入り口部分で終わり、実質的な議論ができなかったので改善したい。
 3点目 首長の発言については、どういう根拠かわからない。文化庁の情報は速やかに天守閣部会の皆さまに公表する。今の段階で継続審議以降の情報を持ち合わせていない」としました。
  
古阪客員教授は、「名古屋城の復元が市議会で否決された。できるだけ早くするわりには、文化庁、石垣部会のスピードが遅い。市民の人は名古屋城にあがれない。きっちりと進めるべくやって頂きたい。私たちも詰めた議論には来ている。すでに2回も中止された。本来あるべき姿ではない。協力して、早く名古屋城にあがれる日を望む」としました。
   
小野徹郎・名古屋工業大学名誉教授(建築学)は、「石垣部会との合意を、といっても、私どもには石垣部会の検討は『不十分』とだけ入ってくる。なにをどうしたらいいか。具体的なゴールを確認すべきではないか。具体的なゴールなく『不十分』ということだけではいけない。120パーセントはあり得ない。私の専門は耐震性だが、120パーセントはできない。現在の技術の中でどこまで確認したらいいか、市としてはっきりさせて頂きたい。この事業を進めていけるようにしてほしい」としました。

西形達明・関西大学名誉教授(地盤工学)は、「今回、文化庁に申請を出されて、文化庁から質問があり回答を出された。そういうやりとりや内容を天守閣部会で皆さんが検討して頂いていいのではないか。その内容について石垣部会はどういう見解、反応されているかとしました。
 
名古屋城総合事務所名古屋城調査研究センターの村木副所長は「文化庁からいただいた確認事項については、『現状変更申請について、石垣部会、全体整備検討会議の意見を付けたが、市と齟齬があったので名古屋市はどう考えているか』との確認事項をいただいた。部会の意見を聞いて答えた訳ではなく、名古屋市の見解を答えた。部会の先生の意見は聞かなかった。今後認識の一致をはからないといけない。一致をえるために進めているところ」するのみでした。

佐治所長は「分析の体制が十分でないという石垣部会の指摘は真摯に受け止めて調査する。この間数多くの調査をした。石垣部会に説明したが、正確に理解していただいているわけではない。具体的な助言と提案については、一定の期限を示してやる」としました。
 
座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「新しい所長が努力しているが、認識の違いが一番問題だ。調査は手段にしかすぎない。石垣部会と市は認識を一致させるというが、『認識の違い』というのはどういうものか」としました。
 
村木副所長は「認識の違いというのは
・石垣の現状把握、どこまで調査すべきか。
・把握した上で、どういう風に修復保全進めるのか。
・天守閣の整備の順番
石垣のどんな調査が必要かは合意したい。修理は何をするのが優先か、合意が必要だと考える」としました。
 
瀬口名誉教授は「とっても時間がかかる作業ですね」としました。

三浦正幸・広島大学名誉教授(日本建築史、文化財学)は「天守閣の台座の石垣は重要。石垣部会から言ってきた案を天守閣部会で意見が言える体制を作って欲しい」としました。
 
佐治所長は「それをふまえて考える」としました。

最後に、瀬口名誉教授は「(オブザーバーの愛知県教育委員会生涯学習課文化財保護室室長補佐の)洲崎さん意見はありますか?県の意見も重要だ」としましたが、特にないとしました。
 
終了後、特に記者会見は行わず、記者が個別に話を聞いていました。

----------
19/6/21文化庁文化審議会で、現名古屋城天守閣の解体申請の現状変更許可が議題とならなかったことが判明したのち、最初に名古屋城総合事務所、竹中工務店、天守閣部会が集まったのに、実質的な工程の見直しの議論はありませんでした。

名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋城への確認事項への回答について、名古屋市がまとめた資料はありますが、実際にどのような文書が来たのかは、内容は全部非公開です。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf


名古屋市が文化庁にどのような回答をしたのか情報公開請求しましたが、19/8/2まで延長になりました。

天守閣部会は、愛知県知事がどのような発言をしたのか、詳細を知らないのではないでしょうか。
・令和元年6月24日(月)大村知事記者会見
 http://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2
・19/7/5 知事と障害者団体との面談
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190705-1.pdf 
石垣部会のオブザーバーである、洲嵜和宏・愛知県教育委員会生涯学習課文化財保護室室長補佐に「『今の状況が未来永劫解決しない。解体の許可は下りない』と知事が発言した根拠はなにか?」ともっと強く聞いてもよかったと思います。そうすれば、市民に根拠が広く知れ渡ります。

名古屋市は、天守閣部会にも文化庁からの資料を公開していないのではないかと疑います。
名古屋市は、都合よく要約するのではなく、文化庁と名古屋市のやりとりそのままの情報を石垣部会・天守閣部会・市議会・竹中工務店・名古屋市民に公開し、工期の見直しという以前に、このまま木造天守閣復元事業を進めるべきなのか、そもそも復元事業がはたして可能なのかを徹底的に議論してほしいです。

-------

19/7/8 河村市長 名古屋城木造化に関し、大村知事に対して見当違いの反論

19/7/8河村たかし名古屋市長定例記者会見で、大村秀章愛知県知事から名古屋城木造化に関して批判された件について、見当違いの反論をしました。

・19/7/8 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190708.pdf
 
大村知事は以下述べています。 
 
・令和元年6月24日(月)大村知事記者会見
 http://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2
 ・文化審議会に当面かかる予定はないと聞いた
 ・当初から木造化は難しい、無理と聞いている
 ・石垣の調査、計画ができていない。
 ・名古屋市も本当のことを言ったらどうか
 ・文化庁から許可が下りていない段階で調達した木材94億円と設計費等々で100億円以上が全損になるおそれ
 ・市議会には例えば百条委員会をやるなどして事実解明をしっかりやっていただきたい
 ・取材されたマスコミの皆さんは知ってたんじゃないですか 
 ・市長「できなかったら切腹」発言は典型的なパワハラ
 ・事実関係の解明をしっかりやっていただきたい
 ・関係者が希望すれば、愛知県が障害者団体も含めて調整することはやぶさかではない
 ・責任問題は出てくると思うが、事実関係を明らかにしないとたどり着かない 
 ・公約に上げたからと言ってもできないものはできない、ただそれだけのこと 
 ・名古屋市は「大丈夫だ大丈夫だ」と言ってこられたので、今さらよういわんかもしれないから、第三者的な立場の人が実際どうなんだといって調査するということからスタートじゃないか
 ・個人的には、調査が必要なんだから、調査をやっている間だけでも応急手当の耐震とか避難をやった上で、やはりもう一回展示を再開してもらいたい、入場を再開してもらいたいと思う
  
(19/7/2愛知県知事記者会見は、県ホームページにアップされてから掲載します)

・19/7/5 知事と障害者団体との面談
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190705-1.pdf
 ・救済申し立てはしっかり受け止めさせていただいて、関係部局においてしっかり精査をし適切に対応していきたい
 ・皆さんあんまり心配されなくてもいいんじゃないかという気がしますけどね。現状ではもう文化庁も全く全く動かないということなんです。名古屋市さんもその本当のこと言われないもんでですね、不思議でしょうがないんですが。私は会見で『もうそろそろ本当のことを言ったらどうなんだ』と。
 ・石垣に関する文化庁からの指摘に名古屋市がきちんとした返事をしていないため、協議にもならない。目処がたっていないため審議会と日程調整していない。一方100億円の木材調達をしちゃったので、どうするつもりか。事実関係を解明して欲しい
 
上記に対し、河村市長は19/7/8に以下述べました。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190708.pdf
 ・文化庁は延ばすつもりはないとはっきり言っている。
 ・知事は愛知城なんか作るつもりじゃないか
 ・政令指定都市制度があるから名古屋を尊敬してもらいたい
 ・知事は国王じゃない
 ・エレベーターを付けることはバリアフリーとは真逆
 ・名古屋城木造化は名古屋市民の夢
 ・市長を解任せにゃいかん
 ・目処が立たなくなったということではない
 ・大村知事とは名古屋城の件で話ししていない
 ・県が文化庁との間に入ることはない
   
名古屋市と文化庁とのやり取りの記録は、肝心の部分が非公開です。
・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
 18/6/13-19/6/19 文化庁との交渉記録
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626.pdf

19/6/26に、渡辺義郎市議は「これは個人情報ではない。黒塗りの中には、『文化庁から2022年12月はダメだ』と言われたとはっきり書いてあると聞いた。だから出せないのではないか」としました。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-2.pdf

河村市長は、「文化庁はこういった」としか言っていません。
実際に職員が文化庁とやり取りをした文書を公開しないと「丁寧な説明」になりません。
名古屋市民オンブズマンは、18/6/13-18/12/10分のやり取りについて情報公開訴訟をしています。
(次回弁論 19/9/26(木)10時15分〜 名古屋地裁1102号法廷)
https://ombuds.exblog.jp/27644249/

河村市長は根拠もなく好き放題なことをいうのをいい加減やめてはどうでしょうか。
「2022年12月に目処が立たなくなったということではない」「100億円全損ではない」というのであれば、資料をすべて公開して、市民に説明する必要があります。


19/7/5 障害者団体 大村知事に名古屋城木造化の件で助言・あっせん等申立

19/7/5に「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は大村秀章愛知県知事に対し、「名古屋城木造復元事業に対し、愛知県障害者差別解消推進条例に基づく知事による助言・あっせん等の救済申し立て」書を愛知県知事公舎で手渡ししました。

・19/7/5 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
 名古屋城木造復元事業に対し、愛知県障害者差別解消推進条例に基づく知事による助言・あっせん等の救済申し立て
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190705.pdf

・19/7/2 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
 G20大阪サミット6月28日夕食会における大阪城発言に対する抗議ならびに公開質問状
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190702.pdf
 
・19/7/5 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する
 実行委員会が大村知事に名古屋城木造化の件で助言、あっせん等の救済申し立てを手渡しした際の文字起こし
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190705-1.pdf

・19/7/5 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する
 実行委員会が大村知事に名古屋城木造化の件で助言、あっせん等の救済申し立てを手渡しした後の記者会見文字起こし
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190705-2.pdf

今回、同実行委員会から取材の依頼が名古屋市民オンブズマンに来て、知事への申し立てが取材できました。
(愛知県広報広聴課にも連絡済)

昨年度、愛知県障害者差別解消推進条例が改正され、これまで助言あっせん等の対象でなかった行政機関等、国、独法、市町村も対象になりました。
今回、同委員会は改正条例に基づき救済申し立てを行いました。
・愛知県障害者差別解消推進条例
 https://www.pref.aichi.jp/soshiki/shogai/sabetsu-jourei.html
 https://www3.e-reikinet.jp/cgi-bin/aichi-ken/D1W_resdata.exe?PROCID=-1928150546&CALLTYPE=1&RESNO=34&UKEY=1562485397991

知事は19/6/28 G20大阪サミット夕食会における安倍首相の「大阪城天守閣にエレベーターを付けたのは大きなミス」発言は不適切で取り消された方がよいと、19/7/2定例記者会見で述べています。
今回もそのように述べるとともに「救済申し立てはしっかり受け止めさせていただいて、関係部局においてしっかり精査をし適切に対応していきたい」と述べました。

知事と実行委員メンバー4名は申立書を手渡した後懇談しました。
その中で、知事は「皆さんあんまり心配されなくてもいいんじゃないかという気がしますけどね。現状ではもう文化庁も全く全く動かないということなんです。名古屋市さんもその本当のこと言われないもんでですね、不思議でしょうがないんですが。私は会見で『もうそろそろ本当のことを言ったらどうなんだ』と。」と述べました。

知事は、「石垣に関する文化庁からの指摘に名古屋市がきちんとした返事をしていないため、協議にもならない。目処がたっていないため審議会と日程調整していない。一方100億円の木材調達をしちゃったので、どうするつもりか。事実関係を解明して欲しい」と述べました。

「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」辻直哉事務局長は「全ての人にとって利用できるものを望んでいるにもかかわらず、これまで様々な誹謗中傷を受けてきた。G20サミット夕食会の安倍首相の発言で障害者差別を助長することになった。河村たかし名古屋市長は擁護する発言を行っている。名古屋市の(エレベーターを設置しないという)方針を撤回して欲しい」と述べました。

--------
今後の予定

19/7/8(月)10時〜 愛知県知事定例記者会見
      10時半〜 名古屋市長定例記者会見
      18時半〜「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/7/11(木)10時〜 天守閣部会(名古屋能楽堂)
19/7/13(土)14時〜 三浦正幸氏講演会(鯱城ホール)(19/6/28申込必着)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190713.pdf
19/7/14(日)9時半〜 名古屋城のエレベーターは住民投票で! 講師 渡邉浩司(南山大学)
      11時10分〜 戦後復興のシンボル 名古屋城 講師 西浦芳郎(南山大学)
      13時10分〜 戦後復興のシンボル 名古屋城 講師 西浦芳郎(南山大学)
 http://www.samasemi.net/pdf/2019samasemi.pdf
19/7/20(土)18時〜 「名古屋城の石垣とバリアフリーについて、課題と展望」千田嘉博教授(札幌かに本家栄中央店)
 http://www.fukkatu-nagoya.com/
19/8/12(月)13時半〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/8/22(木)14時〜 〜 名古屋城基本設計住民訴訟(名古屋地裁1102号法廷)
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)

----------
・名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
 https://www.facebook.com/nagoya.jitsugensurukai/

--------
令和元年7月2日(火)午前 菅官房長官記者会見
https://www.kantei.go.jp/jp/tyoukanpress/201907/2_a.html

北海道新聞:北海道新聞の金子と申します。
 安倍首相がG20大阪サミットの夕食会で大阪城にエレベーターをつけたのは大きなミスと発言したことについて、一部野党などから障害者や高齢者のためにバリアフリー化は当然などとの批判が上がってます。首相発言のこの真意どのようなものだったと考えておりますでしょうか。
またこの批判があがっていうことについてどのように受け止められますでしょうか。

菅官房長官:まずですね。挨拶をぜひ読んでいただければ、まったく問題ない発言だとおわかりだと思います。
総理は明治維新の混乱で、大阪城の大半は焼失しましたが、天守閣は今から90年前16世紀のものが忠実に復元されました。
こういうふうに挨拶を述べています。
その観点からの発言であり、大阪城の歴史的価値と復元の経緯を触れたものであり、批判されるような問題じゃないと思いますよ。

------
熊谷俊人(千葉市長)twitter 15:08 - 2019年7月2日
https://twitter.com/kumagai_chiba/status/1145937256735076354

--------

19/7/4 名古屋市教育委員会 文化庁に提出した名古屋城解体「副申」 内容ほぼ非公開

名古屋市が19/4/18に名古屋城現天守閣の先行解体許可申請を文化庁に提出した際、名古屋市教育委員会が同日「副申」を文化庁長官に提出していた件で、名古屋市民オンブズマンが副申を情報公開請求したところ、内容はほとんど非公開でした。

・19/4/18 名古屋市教育委員会 教育長 鈴木誠二
 特別史跡名古屋城跡の現状変更(天守閣解体)について(副申)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190703.pdf

・19/6/19 名古屋市会本会議個人質疑 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190619.pdf
浅井正仁君:次に文化庁の審議会では通常、諮問されれば、答申されるという仕組みの中、今回は異例となる追加の確認事項を名古屋市に出しましたが、今回の名古屋城から出された現状変更許可申請は、文化財保護を担当する教育委員会が名古屋城に対して資料要求ややりとりを重ね、十分な議論を尽くした上で、文化財保護の視点からも問題がない。言い換えれば、文化庁から解体許可をいただける内容だと判断したんですよね。
申請書には、教育委員会としての意見を副申書として作成していると思います。
そこで観光文化交流局とともに教育委員会も所管する広沢副市長にお伺いいたします。
今回の解体の現状変更許可申請に際して、教育委員会はどのような立場で関わったのでしょうか。
最終的に教育長が副申書を書くに値する内容だと確信したわけですからそれだけの関与したんですよね。お答えください。

広沢副市長:現天守閣解体にかかわる現状変更許可申請に際する教育委員会の関わりについてお尋ねをいただきました。
教育委員会は、名古屋城総合事務所と共に複数回にわたる文化庁との協議を行ってまいりました。
その中で、名古屋市の考え方や、計画内容について文化庁からの指導助言を聞き取り、その内容を参考としながら、名古屋市の文化財保護行政を所管する立場から現天守閣解体工事が特別史跡に及ぼす影響を極力軽微なものとするなどの調整を行ってまいりました。こうした調整を経て現天守閣解体に際しての名古屋市としての考え方や計画内容が取りまとまり、文化庁において申請が受理され文化審議会に諮っていただける見込みとなったことから、教育委員会としての意見を付して名古屋市長名の申請を文化庁長官あて進達いたしました。
以上でございます。
文化財を守る立場の名古屋市教育委員会が、観光を推進する名古屋市観光文化交流局とともに、石垣保全をなおざりにして現天守解体に邁進しています。
文化庁に提出した、市教育委員会としての意見は市民に公開しません。

これが名古屋市・名古屋市教育委員会のやり方です。


19/7/3 名古屋城木造天守復元基本設計住民訴訟 第2回弁論で論点が明確に

19/7/3に、「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」メンバーが原告の、名古屋城木造天守復元事業の基本設計費用返還、実施設計契約の取消し・無効確認、本件事業の停止を求める住民訴訟の第2回口頭弁論が名古屋地裁1102号法廷(民事9部)で行われました。
原告・支援者で傍聴席の多くが埋まりました。

本件は、名古屋市の住民が弁護士を立てずに行っている住民訴訟です。名古屋市が竹中工務店と契約した「基本設計」契約に基づく『成果物』はまだ未完成であり、支払った代金8億4693万6000円を市に返還するよう原告は求めています。
また、基本設計が完成していない以上、その後の実施設計契約を取り消し、さらには本件事業の停止・取消しも求めています。

第1回弁論の際に、裁判所は原告の訴えを整理し、確認事項を書面化しました。
第2回では原告側は上記書面に回答をし、さらに裁判所からの疑問点・質問に答えました。弁論は1時間続きました。
その結果、論点が明確になりました。

原告の主張(1)建築基準法適用除外が受けられていない。
 建築基準法第3条の適用除外を受けるには「建築審査会」の同意が必要だが、得られていない。違法建築である。
 
原告の主張(2)成果物を復元検討委員会に提出していない
 ・名古屋城天守閣整備事業基本設計その他業務委託 契約書
  
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-2.pdf
 ・質問に対する回答書(第4回)(甲第2号証6ページ)
  https://drive.google.com/drive/folders/1ZTWBrYqvSgKbUAaKGzKgBb-It1j9kqxw
 ・平成27年12月 名古屋市
  名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)
  による公募型プロポーザル業務要求水準書(甲1)
  https://drive.google.com/drive/folders/1LwckVnxPknFAyI4OgHRSvUgN_kJzbIMs
 
原告の主張(3)基本計画ができていない以上、基本計画書もできていない基本設計書もできていない。
 ・19/5/31一部変更開示決定 
  「平成30年7月 名古屋城天守閣整備事業 基本計画書
  (概要編・資料編・図面編) 文化庁 復元検討委員会資料」ととタイトルが打たれた、実際は文化庁に提出しなかった資料
  http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf
 ・18/3/28 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議天守閣部会(第9回)議事録 13ページ目
  http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180523-6.pdf
 ・18/3/28 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議天守閣部会(第9回)配付資料
  http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180328.pdf
   
原告の主張(4) 基本設計その他業務委託仕様書に作成を要求されている「基本計画書」が納品一覧に掲載されていない。
 ・名古屋城天守閣整備事業基本設計その他業務委託仕様書(甲6号証)
  https://drive.google.com/drive/folders/1y4aVUDq-mUUfSlS9ikWLqfXrU6jhyAbm

原告は「基本計画は黒塗りだらけ500ページの資料なので見れていない」と説明したところ、名古屋市の代理人は「(基本計画のどこに不備があるのか)原告が特定しないと主張できない」としました。

今後名古屋市は原告の主張に反論する予定です。
次回弁論は19/8/22(木)14時〜 名古屋地裁1102号法廷です。どなたでも傍聴できます。

------
・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
 

安倍首相「大阪城エレベーターはミス」スピーチに全世界から批判

19/6/28安倍晋三首相がG20の夕食会のスピーチで「大阪城にエレベーターをつけたのは大きなミス」と発言した件で全世界から批判されています。

・2019年6月28日 NHK
 G20 夕食会での安倍首相あいさつ 全文
 
http://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/19410.html

1931年に全額市民からの寄附で鉄筋コンクリートで復元された大阪城は、当初からエレベーターが設置されております。
1997年に改修した際、最上階までエレベーターが延長されました。バリアフリー化で、誰もが気軽に最上階まで登ることができます。
大阪城は2018年度に来場者数が2,550,058人と全国1位でした。

安倍首相の発言の真意は不明ですが、全世界が注目するG20で大阪城エレベーター設置を「大きなミス」と発言したことで、日本のバリアフリーの後進性が全世界に発信されました。
来年2020年にオリンピック・パラリンピックを控えている国の総理の言葉とは思えない、という感想が相次ぎました。

------
現在解体の見通しすら立っていない名古屋城木造復元事業ですが、名古屋市の現時点の復元計画では、木造天守にエレベーターを設置しない方針を決めています。

現在耐震性に問題があるとして閉鎖されている名古屋城現天守は天守閣1階までは外付けエレベーターが、天守閣内部は5階まで23人乗りエレベーターが2基ついています。6階7階は階段だけです。
障害者差別解消法等の趣旨に基づき、誰でも天守閣最上階まで注目されずに登れることを期待します。

--------
2019年6月28日 NHK
G20 夕食会での安倍首相あいさつ 全文
http://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/19410.html
 
2019年6月30日 13時38分 NHK
立民 枝野代表 安倍首相の「大阪城のEVミス」発言を批判
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190630/k10011976011000.html

2019/06/29 18:21 貫洞 欣寛 BuzzFeed News Editor, Japan
「大阪城にエレベーターつけたのはミス」安倍首相のスピーチに
「バリアフリーの視点は?」と批判相次ぐ
https://www.buzzfeed.com/jp/yoshihirokando/nierebetatuketanohamisunosupitinibariahurinohatogu

2019年06月30日 15時27分 JST HUFFPOST 安藤健二
大阪城のエレベーター設置は「大きなミス」 安倍首相のG20での発言に批判殺到
https://www.huffingtonpost.jp/entry/osaka_jp_5d1851d6e4b03d61163cc1f3

2019年07月01日 17時16分 JST HUFFPOST
大阪城天守閣が「忠実に復元された」って安倍首相が言ってたけどホント?
https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_5d19a9f2e4b07f6ca57faf94

2019年6月30日 東京新聞
大阪城にエレベーター設置 首相「大きなミス」 G20あいさつ
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201906/CK2019063002000121.html

2019年6月29日19時40分 朝日新聞
大阪城エレベーター「大きなミス」 安倍首相発言が波紋
https://www.asahi.com/articles/ASM6Y5HP1M6YUTIL00X.html

2019/6/29 15:28 JCASTニュース
安倍首相、大阪城にエレベーター設置は「大きなミス」 G20発言に
「バリアフリーに逆行」と批判相次ぐ
https://www.j-cast.com/2019/06/29361369.html?p=all

毎日新聞2019年7月1日
安倍首相 大阪城エレベーター設置「ミス」 笑えぬ冗談
https://mainichi.jp/articles/20190701/ddn/041/010/039000c

2019年07月01日 15時00分 日刊ゲンダイDIGITAL
安倍首相「大阪城エレベーター不要論」で参院選自民党に大打撃
https://news.nifty.com/article/domestic/government/12136-325429/

2019年6月30日0時28分TBS
エレベータは「大きなミス」に批判の声
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3713001.htm?from_newsr

2019年07月01日 19時37分 毎日新聞
河村市長「気持ちはようわかる」首相エレベーター“失言”に同情
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12159-0701m040272/

2019/6/30 18:32 (JST) 一般社団法人共同通信社
枝野氏「バリアフリー当たり前」首相のG20夕食会発言を批判
https://this.kiji.is/517996473030771809?c=39546741839462401

2019年7月1日7時10分 日刊スポーツ 
これが安倍政権6年の外交成果か/政界地獄耳
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/201907010000085.html

2019年07月01日 12時56分 JST 朝日新聞
名古屋城はエレベーターを巡って対立 障害者団体「首相発言は問題だ」
https://www.huffingtonpost.jp/entry/nagoyazyou-elevator-syougaisya_jp_5d197a13e4b07f6ca57f8e5d

2019.6.30 01:14産経WEST
夕食会の安倍首相挨拶に批判「障害者への配慮ない」 大阪城エレベーター巡り
https://www.sankei.com/west/news/190630/wst1906300003-n1.html

毎日新聞2019年6月29日 20時54分(最終更新 7月1日 12時19分)
首相G20発言「笑えない」と批判 大阪城「エレベーター設置はミス」
https://mainichi.jp/articles/20190629/k00/00m/030/222000c

19/7/1(月) 17:44配信 CBC
「エレベーター設置はミス」安倍首相の発言が名古屋城復元問題に飛び火
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190701-00012427-cbcv-soci

2019年07月01日 20:03 東海テレビ
大阪城EV設置「大きなミス」首相発言… 河村名古屋市長が理解示す「文化伝統を大事にという趣旨」
http://www.tokai-tv.com/tokainews/article.php?i=89203&date=20190701

Jun 30, 2019 thejapantimes
Abe criticized for calling elevator installation at Osaka Castle
a 'big mistake' during G20 dinner
https://www.japantimes.co.jp/news/2019/06/30/national/abe-criticized-calling-elevator-installation-osaka-castle-big-mistake-g20-dinner/

June 30, 2019 (Mainichi Japan)
Japan PM Shinzo Abe slammed for calling lift installation
at Osaka Castle a ‘mistake’
https://mainichi.jp/english/articles/20190630/p2g/00m/0na/013000c

2019.7.1 06:24 am JST Japantoday
Abe criticized for calling elevator installation at Osaka Castle 'mistake'
https://japantoday.com/category/politics/abe-rapped-for-calling-elevator-installation-at-osaka-castle-mistake

June 30, 2019 at 17:05 JST THE ASAHI SHIMBUN
Abe in hot water for joke making light of barrier-free access
http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201906300036.html

2019年06月30日 20:06 新民??
媒体?点G20大阪峰会之最 他被称?最“?”配偶
https://news.sina.com.cn/w/2019-06-30/doc-ihytcitk8751037.shtml

2019年06月27日 07:57 中国??网《??日?》
大阪全力以赴迎接G20峰会?幕
http://www.ce.cn/xwzx/gnsz/szyw/201906/27/t20190627_32456674.shtml

shixiannews.com 2019年7月1日 ?尚
称大阪城天守?装?梯是犯大?,安倍引?日本残疾人士不?
https://shixiannews.com/archives/158387

2019年6月30日 明報網站
稱大阪城天守閣裝升降機是大錯 安倍晉三挨轟
https://news.mingpao.com/ins/國際/article/20190630/s00005/1561871754333/

Δημοσιε?θηκε στι? 29-06-2019 - 12:52μμ
G20: Δ?σμευση απ? 19 για την εφαρμογ? τη? συμφων?α? του Παρισιο? ? Εκτ?? οι ΗΠΑ
https://www.altsantiri.gr/kosmos/g20-desmeysi-apo-19-gia-tin-efarmogi-tis-symfonias-toy-parisioy-ektos-oi-ipa/


19/6/30(日) 8:01配信 CBCテレビ論説室長・北辻利寿
「令和の築城」どうなる?名古屋城天守閣木造復元の行方
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190630-00010000-cbc-soci&p=1


19/6/26(水)名古屋市 名古屋城天守閣木造化木材保管庫予算取り下げを表明

19/6/26に名古屋市議会経済水道委員会が開催され、19/6/21に文化庁文化審議会から現名古屋城天守閣先行解体の現状変更許可がでなかったにもかかわらず、木材保管庫予算を市が議会に提出していることについて議論がなされました。

・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626.pdf
・天守台石垣の保存方針
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-1.pdf
・19/6/26 市長コメント
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-5.pdf


・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会午前分
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-2.pdf
・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会午後前半分
 (半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-3.pdf
・19/6/26 名古屋市議会経済水道委員会午後後半分
 (半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190626-4.pdf

名古屋城現天守閣の先行解体許可も文化庁からおりず、ましてや木造復元許可がおりる見通しもない中、名古屋市は既に木材について竹中工務店と94億5540万円契約を済ませています。
2019年3月末現在、すでに名古屋市は竹中工務店に約22億円支払い済です。
・契約書 名古屋城天守閣整備事業先行工事(木材の製材) 
 94億5540万円
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180612-2.pdf

浅井正仁(自民・中川区)市議から、今回文化庁から選考解体の現状変更許可が出なかった責任は竹中工務店か名古屋市かどちらにあると聞かれ、名古屋市は「許可申請については名古屋市の責任だが、書類作成は双方で協議して作成するため、双方の責任」としました。

浅井市議は、竹中工務店と2022年12月に間に合うか話をしたかと問い、名古屋市は「今後打合せをしたい」と述べるにとどまりました。

浅井市議は「これまで各会派は要望や附帯決議を付けてきたが、全て無視して木材を買ってしまった。今年も17億円で木材を買うのか」と問い、名古屋市は「早急に明確なスケジュールを詰めたい」と述べるにとどまりました。

浅井市議は、名古屋市と文化庁とのやり取りが黒塗りばかりではないか、文化庁の誰に確認したのかと問いましたが、名古屋市は「情報公開制度にのっとって資料を提出した。文化審議会の審議に影響を及ぼすおそれがあると市が判断した」とするだけでした。

渡辺義郎(自民・北区)市議は「これは個人情報ではない。黒塗りの中には、『文化庁から2022年12月はダメだ』と言われたとはっきり書いてあるから出せないのではないか」としましたが、名古屋市は「情報公開条例に基づき、今は出せない」としたため、暫時休憩して公開を求めましたが、暫時休憩後も名古屋市は公開しませんでした。

うかい春美(民主・中村区)市議は、「石垣部会から指摘を受けている調査をきっちりすると何年かかるのか」と問いましたが、名古屋市は「掘ってみないとわからない」としました。

田辺雄一(公明・千種区)市議は「木材保管庫を作らなければ年間1億円かかるというが、仮に木材保管庫予算が否決された際、もっと安くする方法を考えるべきでは」としました。

浅井市議は、「文化財を守る立場の教育委員会文化財保護室長が、開発側の観光文化交流局と兼任して、教育委員会として石垣部会の意見に反して先行解体にOKをだした。オブザーバーとしてきてもらっている愛知県教育委員会とは意見交換もしていない。文化庁には教育委員会の学芸員も1回しか連れていかずに協議している」としました。

中川貴元(自民・東区)市議は「原点に返って、解体と復元の現状変更許可申請を同時に出すべきだ。市長が勇気ある決断ができないか」としました。

渡辺市議も「今後10年も20年も名城公園の広場が使えなくなるのは地元として困る。暫時休憩して、一度検討して欲しい」としたところ、松雄局長は「局長として、議会の議論を市長に伝え、予算取り下げができないか進言したい」としました。

その後議会が再開され、市長は以下コメントを出し、木材保管庫予算の取り下げ手続きに入りました。

名古屋城の現天守の解体に係る現状変更許可につきまして、去る6月21日の文化審議会の答申は得られておりませんが、第三専門調査会での継続審議となっております。
文化庁からはできるだけ速やかに結論を得たい旨の発言をいただき、臨時の第三専門調査会の開催についても日程調整を行っていただいていると伺っております。
また、本定例会における委員会での議論も重く受けとめ、今後竹中工務店、文化庁、地元の有識者と協議を進め、改めて再度ご提案してまいりたいと考えておりますので、いったん延期させていただく趣旨で議案を取り下げさせていただきたいと存じます。

これをもって、本議会での木材保管庫予算の議論は行わなくなりました。
---------
なお、19/5/17文化審議会文化財分科会の配付資料を文化庁に情報公開請求しましたが、全面不開示でした。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190621-1.pdf

--------
--------
19/6/26建設通信新聞によれば、名古屋市は文化庁の9月定例会の議題になる可能性があるとしています。

河村市長はいまだに2022年12月完成を諦め切れていないようです。

河村市長以外は全員2022年12月完成は無理だと理解しています。
文化庁とのやり取りを全て公開し、2022年12月完成が無理だとした上で、今後どうすることが最善なのか、早急に議論しないと、損失だけが膨らんでしまいます。

--------
今後の予定

19/6/28(金)10時半〜 経済水道委員会付議議案審査(意思決定(2局一括))
19/7/1(月)13時〜 本会議(市長提出案件 委員長報告後、議決)
19/7/3(水)11時〜 名古屋城基本設計住民訴訟(名古屋地裁1102号法廷)
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
19/7/8(月)18時半〜「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/7/13(土)14時〜 三浦正幸氏講演会(鯱城ホール)(19/6/28申込必着)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190713.pdf
19/7/20(土)18時〜 「名古屋城の石垣とバリアフリーについて、課題と展望」千田嘉博教授(札幌かに本家栄中央店)
 http://www.fukkatu-nagoya.com/
19/8/12(月)13時半〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)


19/6/24(月)自民党市議「現名古屋城天守閣 先行解体の現状変更許可を取り下げてはどうか」

19/6/24に名古屋市議会経済水道委員会が開催され、19/6/21に文化庁文化審議会から現名古屋城天守閣先行解体の現状変更許可がでなかったことについて、かつて無いほど活発な質疑がなされました。
しかし、この期に及んでも河村市長は「2022年12月竣工はあきらめていない」とコメントを発表しました。

・19/6/24 経済水道委員会配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190624-1.pdf
・木造復元天守閣の竣工期限に関する市長コメント
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190624-2.pdf

・19/6/24 名古屋市議会経済水道委員会  午前分
 (半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190624-3.pdf
・19/6/24 名古屋市議会経済水道委員会  午後前半分
 (半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190624-4.pdf
・19/6/24 名古屋市議会経済水道委員会  午後後半分
 (半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190624-5.pdf


浅井正仁(自民・中川区)市議は、「これまでは2022年12月までに木造天守閣を作る予定だった。それが延びるならそれまでに木材を調達する必要があるのか」と聞いたところ、市は「貴重な木材2323本を使う予定。竹中工務店とは昨年度末ですでに725本調達する契約を結び金も支払った。すべて貴重な木材。来年6月に保管期限が切れるので、それ以降保管場所を確保する必要がある」と答えました。

浅井市議は「竹中工務店は『復元の現状変更許可がでる見通しがなければ、工期変更の協議はできない』と言っていたが」と聞いたところ、市は「予定通りにいかないことが判明したので、竹中工務店には報告した。そういう状況であれば協議に応じる」としました。
浅井市議は「仮定の話が事実になった。石垣保全方針を示して欲しい。竹中工務店と工期について協議して示して欲しい」としました。

浅井市議は「工期が延びれば、名城公園にずっと保管庫を置いておくのか。そもそも工期の話しをするのが間違い。石垣保全方針を出せと文化庁は言っている。まだわからないのか」としました。

中川貴元(自民・東区)市議は「自民党の内部では、文化財を守る、なおかつ観光の拠点を作るとしてきた。これまでの議論にまったく失礼。地元の新聞の社説に『解体先行は乱暴』と書いてある。スケジュールについて市議会で質問してきたが、竹中工務店とは話しをして来なかった。」としました。

渡辺義郎(自民・北区)市議は「市が木材保管庫の予算は取り下げるべきだ。というのは『議員が反対したから』と市長が毎回言ってきたからだ。じっくり練り直してほしい」としました。
 
うかい春美(民主・中村区)市議は「『10年20年30年天守閣がない状態になるかも』と市民に知らせたか?」と質問しましたが、市は「ホームページでも説明していない。今後年明けに市民説明会で説明したい」としました。

江上博之(共産・中川区)市議は「文石協が解体先行を提案したというのは訂正して欲しい」としました。

浅井市議は「木材に関し、これまでの自民党の要望をすべて無視したことになるのか。これまでの各党の要望すべて出せ。名古屋市と文化庁とのやり取りがこれまで一切出てこなかった。文化庁に確認してすべて市議会に出せ。黒塗りは絶対に認めない。隠してもなにもならない」としました。
「マスコミに言えて本会議で言えないというのは、本会議をなめているのか?何が悪かったと思っているのか?石垣部会は『承服しかねる』とコメントしたが、それを文化庁にそのまま提出している。石垣部会には文化庁はオブザーバーとしているが、天守閣部会には文化庁はいない。今となっては、解体先行の現状変更許可を取り下げた方がよいのでは?まずは石垣調査最優先。これが一番早いやり方ではないか。」としました。

中川市議は「名古屋市は竹中と何を話すのか?市長は2022年12月に完成の望みを捨てていないようだ。断念なのか、2022年12月を目指すのか2つに1つ。解体の許可すら出ていない。復元許可が出る見込みはあるのか?」としました。

田辺雄一(公明・千種区)市議は「市民にこれまで『市長がこう言っている』と説明してきた。今回は劇的な変化なので市民に説明が必要だ。2022年12月は無理だとコメントしたという事でよいのか。休憩時間を使って、『2022年12月は無理になりました』ということなのかを書面で確認して欲しい。また、市民の代表である議会に対する謝罪があってもよい。結局『2022年に完成させるさせる詐欺』になっていた。」としました。

昼休憩後、市長は「2022年12月は諦めていない」と書面でコメントを発表しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190624-2.pdf


田辺市議は「基本協定書13条第6項を読むと、名古屋市と竹中工務店はこれからチキンレースを始めて、どっちが先に音を上げるかというようなことになってくるように読めて読み取れちゃう。2022年が遵守できなくなったら、市長も局長も議会に対してお詫びするべき」としました。

渡辺市議は「こんなコメントでは論議するつもりはない。議会は納得していないため、再度出してくれと市長に言ってほしい」として、暫時休憩になりました。

休憩後、「市長は『現時点ではこれ以上申し上げることはありません』と述べた」としました。
渡辺市議は「平成25年8月24日に市長は指示書を出し『石垣の修復を後回しにして、木造天守閣を先に行え、全責任は私がとる。』と明言された。覚えているか」としました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf
佐治所長は「手元にないが存在と内容は把握している」としました。

江上市議は「市長は2022年12月にできなかったら私を含め切腹すると明言された。切腹する覚悟とはえらい違い。竹中に責任をつけるような発言ばかり。」としました。

続いて江上市議は「木材は総額203億円くらい。昨年までで94億5540万円契約をした。現在木材はどれくらい購入したのか。」と聞いたところ、名古屋市は「昨年度末の段階で約22億円支払った。仮に木材の調達を止めると名古屋市側から竹中に指示すると、それ以降再度集めるのに支障になるため考えていない。」としました。

江上市議は「6月議会に解体のための補正予算を出さないということは、これまで市が言ってきたスケジュールができなくなることではないか」としたら、松雄局長も「市長にスケジュールが非常に厳しいと伝えた」としました。

江上市議は「基本協定書18条では、『発注者に責めを帰すべき事由で中止になった場合、相手方に損害賠償できる』とある。現時点でもできないとはっきりしないと損害賠償が起きるし、延びれば延びるほど損害賠償額が増えていくのではないか」としました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf
市は「22条で市と竹中で協議を行って同意が取れれば協定内容が変更可能と考えている」としました。
江上市議は「期限の2022年を延ばすことができるのか。弁護士に確認して欲しい」としました。

中川市議は「名城公園敷地に、10年も15年もなるかもしれない保管庫を起き続けることが妥当か」と聞き、市は「行政としてよくないことだと認識しているが、追加の保管料が発生するおそれがあり、税金の負担を軽減したい」としました。
また、市は「725本購入し、その他1600本は検査中。10年20年たっても木材は反ることも変色することもない」としました。

中川市議は「代わりになる木が本当にない木だけを残して、他は売却すれば、保管庫はいらない。文化庁から許可が出た段階で保管庫を作ればよい」としました。
また「解体先行ではなく、復元と解体両方だしてはどうか」としました。

浅井市議は、「本日、大村愛知県知事が『これ以上混乱した状況はよくない。名古屋市が希望すれば第三者である知事として文化庁、障害者団体、専門学者等関係者との調整を調整を図ること。その解決について努力する用意がある』と述べた。それについて市長と局長のコメントがほしい」と要求しました。

---------------
19/6/22講演で、石垣部会の赤羽一郎氏は「名古屋市は見えない暗礁ではなく、目の前に見えている問題にぶつかっていった」と表現しました。
これら問題は何年も前から様々な人が指摘してきた事ばかりです。

市政を大混乱に陥れた張本人である河村市長の政治的責任は当然のことながら、購入した木材の扱いをどうするのか、そもそもこのまま天守閣を木造復元すべきなのか。全ての情報を公開した上で市民の合意を得て、今後の方針を決めるべきだと思います。
----------

19/6/22(土)シンポ「名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」に50人

「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が主催した「〜名古屋城バリアフリーの行方〜 名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」に50人の参加がありました。

・19/6/22 配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190622-2.pdf

昨日19/6/21に、名古屋市は「6/21に開催された文化審議会で議題とならず、解体工事の着手にさらなる遅れが生じるため、工期の見直しを含め、竹中工務店、文化庁、地元の有識者と協議を進める」旨発表しました。
・19/6/21市長コメント
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190621.pdf

石垣部会の赤羽一郎氏を講師にお招きして、現状の解説と名古屋城の価値ならびに現在の木造天守閣復元計画の問題点、今後の見通しを話していただきました。
・19/6/22 「名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」
 赤羽一郎氏発言部分(半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190622-3.pdf


名古屋城の解体の是非を審議する文化庁にある有識者会議である、文化審議会文化財分科会第三専門調査会は、毎年5月と10月に開かれるため、次の文化審議会でかかるとすると10月になる。
しかし、200ページにも及ぶ解体許可申請書を全部読み直して短時間で判断するのはおよそ不可能なので、かなり時間がかかると見なければいけないだろう。

現在の木造復元計画の問題点は3点あると私は考えている。
昨日文化庁が継続審議と言ってきたのは、同じ3つであり、それに名古屋市はまともに回答してきていない。
1点目は今の石垣を絶対に損なわないこと。
2点目はバリアフリーの問題。
3点目は現在の天守閣をどう位置づけるかということ。現天守閣は登録有形文化財の要件に該当する。
これらはずっと問題点が明らかになっていたが、解決してこなかった。

木造復元が暗礁に乗り上げたが、さらに解体先行という奇策を河村市長が取ったことで漂流する事態、さらに問題が複雑になった。
解体工事も石垣を損なうおそれがあり、その旨石垣部会が意見書を提出したら、名古屋市はそのまま文化庁に提出した。

こんな状態にもかかわらず設計委託料や木材購入などは文化庁の許可を得ないまま執行されており、市民から住民監査請求も出された。
市議会はチェック機能を果たしていない。
木造復元はちょっと立ち止まって、どうするか検証し合うことが必要だと考える。市民が一致して新しい名古屋城の将来像を築く時間が必要だ。
現天守も50億円かければ耐震改修・長寿命化が図れるとのこと。エレベーターも最上階まで新設可能。
みんなで考えやっていくことが求められると思う。

次にパネルディスカッションを行いました。

名古屋市民オンブズマンの内田隆は、これまで多くの情報公開請求をしてきた事を踏まえて発言しました。
・名古屋市民オンブズマン 内田隆発言部分
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190622-4.pdf

名古屋城天守閣復元事業は建設費だけで505億円もする巨大公共事業。
しかし、本件は「技術提案・交渉方式」という特殊な契約をしており、仕様が当初とは異なることがあり、どのようなものができるのかすらわからない。
さらに、情報がほとんど公開されていない。有識者会議の議事録・配付資料も市の公式ホームページに公開されていないのは今どき異例。
市長が「全責任は私が取る」という指示書も情報公開請求ではじめて判明した。
文化庁と名古屋市のやり取りは市民に非公開だが、竹中工務店にも非公開にしていたことには驚いた。
現在の計画はバリアフリー法等に引っかかるだけでなく、建築基準法、消防法、防災の観点から、はたして法律をクリアできるのかすら判明していない。
これらが判明して初めて税金の無駄遣いかどうか議論できるが、コンサルが試算した結果、あまり人がこなければ今後50年間で64億円の赤字になる。
 
情報公開を進めるには予算を付ける必要が無い。市長が「公開する」というだけでよい。
しかし、市長直筆のメモが非公開になったので、審査請求をしたところ、「すべて記者会見で話したことだから」として全て公開してきた。
その後、文化庁とのやり取りも情報公開訴訟をしたら、593ページ中562ページが黒塗りだったのに、151ページが黒塗りに減った。
しかし「言われなき避難を避けようとしたり、立場に拘束されることで円滑な議論が損なわれるおそれ」「外部からの干渉・圧力等を受けることにより適切な意思決定ができなくなるおそれ」「未確定な情報が確定されたものとして誤解されるおそれ」があるとしていまだに黒塗りがなされている。

情報公開は「転ばぬ先の杖」として重要。
今回、名古屋市は情報を非公開にして、2022年までの木造復元を断念するという大失敗をした。すでに50億円くらい税金が使われている。
今後は情報公開をした上で、市民みんなで議論すべき。


(その他のパネリストのまとめは後日書きます)

19/6/19(水) 自民党名古屋市議「名古屋城天守閣木造復元 一度立ち止まるべき時期が来た」

19/6/19名古屋市会本会議個人質疑において、自由民主党の浅井正仁市議は名古屋城天守閣木造復元許可がでるかどうかわからない現段階で現天守解体先行をすると、城が建てられないリスクがあるとして、2022年12月完成に固執する河村たかし名古屋市長に対して「一度立ち止まるべき時期が来たと思う」と述べました。

・19/6/19 名古屋市会本会議個人質疑 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190619.pdf
 
また、河村市長は文化庁と名古屋市は、現天守を解体したら必ず復元出来る約束の下でやっているのではないかと聞かれ、「そんな約束はない」と明言しました。

さらに、現在文化審議会(文化財分科会)から解体のための現状変更許可に関する石垣等遺構への影響に関して名古屋市の見解を尋ねられていることについて、どうして石垣部会の意見を一切聞かないのかと尋ねたところ、松雄観光文化交流局長は「名古屋市の見解を尋ねられているため、有識者にお諮りするものではなく、名古屋市の見解をお示しする」としました。
また、文化審議会からの確認事項に関し、名古屋市は本日6/19に回答を提出したいとしました。

・名古屋城跡の現状変更申請に係る名古屋市への確認事項
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf
 
------
共産党の江上博之市議の市議会本会議発言によれば、解体申請に対する文化審議会の回答は6/21(金)にも出るのではないかと言われているとのこと。

今回の木材保管庫予算といい、19/5/28石垣部会に提案した名古屋城石垣発掘調査調査予定位置図といい、文化審議会が名古屋市に示した「確認事項」といい、新観光文化交流局長が「文化庁から解体許可が出る自信がある」と明言しなかったことといい、名古屋市も文化庁も、5月中には現状変更許可答申が出ず、善後策を練っているのではないかと思えます。

・特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第31回)配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190528.pdf
 
あと数日後には文化審議会の何らかの回答が出る可能性があります。
それを受け、市議会がどう対応するのか、市民に何ができるのか。
しっかりと注目していきたいです。

-------
今後の予定

19/6/21(金)? 文化審議会が何らかの結論を出す?出さない?
19/6/22(土)13時〜 シンポ「名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」(名古屋市北区役所)
19/6/24(月)10時半〜 経済水道委員会付議議案審査(質疑(観光文化交流局関係))
19/6/26(水)10時半〜 経済水道委員会付議議案審査(総括質疑(観光文化交流局関係))
19/6/28(金)10時半〜 経済水道委員会付議議案審査(意思決定(2局一括))
19/7/1(月)13時〜 本会議(市長提出案件 委員長報告後、議決)
19/7/3(水)11時〜 名古屋城基本設計住民訴訟(名古屋地裁1102号法廷)
19/7/8(月)18時半〜「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/8/12(月)13時半〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/9/26(木)10時15分〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)
----------

19/6/17(月) 河村市長 名古屋城木造復元 文化庁への回答は調整中と発言

19/6/17河村たかし名古屋市長定例記者会見で、現天守解体のための現状変更許可申請について、文化庁から石垣等遺構への影響に関する問い合わせがあった件で、回答を求められていたが「事務レベルで調整している」と述べ、回答はまだであることをほのめかしました。

・19/6/17 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城部分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617.pdf

-------
同じ6/17、文化庁からの指示に関する文書が開示されました。

・名古屋城の天守閣解体に関する現状変更許可申請についての市長読み文(6月3日)
 想定質問4(名古屋城天守閣解体に関する現状変更許可申請について)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-1.pdf

・復命書(令和元年5月29日分)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190617-2.pdf
 
開示された文書では、中身がまったくわかりません。

今週中とも言われる文化審議会(文化財分科会)からなにを指示されたのか市民に全く知らせようともしません。
これが名古屋市のやり方です。
 
-------
今後の予定
6/19(水)午前10時〜 
  個人質疑:浅井正仁議員(自民)[30分]
        名古屋城天守閣特別会計補正予算及び公債特別会計補正予算について
       江上博之議員(共産)[19分]
        名古屋城天守閣特別会計補正予算について

----------

19/6/13(木) 名古屋城木造化 文化庁とのやりとり情報公開訴訟 593ページ中いまだ151ページ黒塗り

名古屋城木造化をめぐり、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等の情報を非公開にしたのはおかしいとして、名古屋市民オンブズマンが公開を求めた情報公開訴訟の第2回弁論が19/6/13に名古屋地裁1102号法廷で行われました。

名古屋市は当初は全593ページのほとんどを黒塗りにしてきましたが、名古屋市は19/5/31に決定を取消し、新たに一部開示決定をしました。

本件変更決定1 5ページ中3ページ黒塗り
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-1.pdf
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-1-1.pdf
本件決定2 1 500ページ中117ページ黒塗り
      2 55ページ中11ページ黒塗り
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2.pdf
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf    
本件決定3 33ページ中20ページ黒塗り     
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-3.pdf    
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-3-1.pdf

今後、名古屋市民オンブズマン側は、いまだに黒塗りになっている151ページのうち、公開を求めない部分(行政職給料表の号級 など)を特定して裁判所と名古屋市に上申します。
その後、名古屋市側は、上記を除いた部分についてどのページに何が書いてあり、どのような理由で非公開なのか、一覧表にまとめます。
それを受け、名古屋市民オンブズマン側が訴えの変更を行います。

次回弁論は19/9/26(木)10時15分〜 名古屋地裁1102号法廷です。ぜひ傍聴をお願いいたします。

19/6/12(水) 中日新聞が社説で「名古屋城の復元『まず解体』は乱暴だ」と主張

19/6/12の中日新聞が社説で「名古屋城の復元『まず解体』は乱暴だ」と主張しました。

2019年6月12日 中日新聞
名古屋城の復元 「まず解体」は乱暴だ
https://www.chunichi.co.jp/article/column/editorial/CK2019061202000120.html

名古屋城天守閣木造復元をめぐる現状がまとまっており、河村市長の「復元許可が出ていなくても解体に着手する」という乱暴なやり方を批判しています。

地元中日新聞がこのような社説を書いたことで、名古屋市民だけでなく、市議、文化庁にも影響があると思います。

今月中旬とも言われる文化庁文化審議会での答申の行方、ならびに市議会の議論を注視します。

---------
今後の予定

19/6/13(木)15時〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)
19/6/14(金)-7/2(火) 名古屋市議会6月定例会 
19/6/中旬  文化財分科会で解体許可の答申が出るか判明
19/6/22(土)13時〜 シンポ「名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」(名古屋市北区役所)
19/7/3(水)11時〜 名古屋城基本設計住民訴訟(名古屋地裁1102号法廷)
19/7/8(月)18時半〜「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/8/12(月)13時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)


19/6/7(金)名古屋城木造化 約3.2億円木材保管庫予算提案 解体予算約20億円は提案せず

名古屋市は19/6/7に6月補正予算案を令和元年6月定例会に提出すると発表しました。
http://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-16-2-0-0-0-0-0.html
その中で、天守閣木造復元の木材保管庫設置工事として400万円(債務負担行為 3億1300万円)を提案しました。
説明としては、「柱、梁、土台に使用する主架構木材等を保管・加工するための施設を特別史跡外に設置」とあります。

一方、6月議会に提出予定であった、解体工事予算約20億円は今回は見送りました。

・19/3/11 名古屋市議会経済水道委員会 配付資料と文字起こし
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190311.pdf
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190311-1.pdf
 荒井主幹:資料の12ページになります工程案について説明をさせていただきます。
  解体工事、これにつきましては、予算をですね6月市会の補正予算を上程をさせていただきたいというふうに考えておりまして、それ以降、外部のエレベーター、これ今エレベーターと書いてありますが、エレベーターにつきましては11月から、天守閣の解体としましては、2月から、外部の足場を設置しまして、3月から解体工事を進めていきたいというふうに考えております。以上でございます。

------
木造天守閣の復元の目処が立っていないにもかかわらず、木材製材契約をすでに94億5540万円結んでいます。(うち21億9600万円はH30年度)竹中工務店は、木材の保管費用だけでも年間約1億円と試算しています。

それを今回名古屋市が独自に約3.2億円かけて保管庫を作るからそれ以上追加費用はかからない、ということなのでしょうか。特別史跡外だから文化庁の現状変更許可はいらない、ということなのでしょうか。

この約3.2億円は、名古屋市と竹中工務店が基本協定を結んでいる505億円に含むのでしょうか。
また、木材保管のランニングコストはどの程度なのでしょうか。

解体工事予算約20億円を議会に提出せず、今後のスケジュールはどうするのでしょうか。

また、6月議会に解体準備(9億6100万円)の契約議案がでるのでしょうか。

わからないことだらけです。

6月中旬にも現名古屋城天守解体準備許可が文化庁文化審議会で答申がでるかが判明します。

名古屋市は情報をほとんど公開していないのでわかりませんが、文化審議会の答申がでるかどうか、名古屋市はわかっているのではないでしょうか。
それをもとに今回の予算提案をしたのではないでしょうか。

仮に「2022年12月までに505億円を上限とする」という竹中工務店との基本協定を見直す場合、市民にも議会にも情報を公開した上できちんと議論することが必要だと考えます。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf

特に「どうして遅れたのか」「今後完成する見込みはあるのか」「責任はどう取るのか」をはっきりさせないと、再度同様のことを繰り返してしまいます。

市民に情報を公開しないことで、完成する見込みのない事業にだらだらと税金を投入してしつづけてしまいます。

市議会での議論を注目していきたいです。

19/6/6(木)名古屋城解体申請 文化庁への提出現状変更許可書 ほぼ内容非公開

名古屋市は19/4/19に現天守閣の解体申請を文化庁に提出し、受理されました。
名古屋市民オンブズマンが上記現状変更許可書を情報公開請求したところ、19/6/5に決定が出ましたが、内容はほぼ真っ黒でした。

・行政一部公開決定通知書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605.pdf
・開示文書1
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-1.pdf
・開示文書2
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-2.pdf 
・情報提供
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190605-3.pdf

--------
これでは全然わかりません。
市民に情報を示さずに、建設費だけで505億円の事業を進めようとしているのが名古屋市のやり方です。


19/6/22(土)13時〜 シンポ「名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」に参加を(名古屋市北区役所)

「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は19/6/22(土)13時より名古屋市北区役所2階講堂でシンポジウム「〜名古屋城バリアフリーの行方〜 名古屋城木造天守復元事業 ここが問題!」を開催します。
講師は赤羽一郎氏(前名古屋市文化財調査委員会委員長・元愛知淑徳大学講師)で、「漂流する名古屋城木造天守計画」と題して講演されます。
名古屋市民オンブズマン事務局の内田隆もパネルディスカッションに参加します。

・チラシ
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190622.pdf

・名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
 https://www.facebook.com/nagoya.jitsugensurukai/

---
〜名古屋城バリアフリーの行方〜名古屋城木造天守復元事業ここが問題!

名古屋城木造天守復元事業では、障害者の移動に関わるエレベーター未設置問題以外にも、事業の進め方や石垣の保全方法など、様々な問題が指摘されています。今ある問題とはどんなものなのか、たくさんの市民の方に知っていただき、どのような取り組みが必要かを共に考える機会とします。

日 程 2019年 6月22日 (土) 13:00〜16:00
会 場 名古屋市 北区役所 2階 講堂
   (地下鉄:名城線「黒川」下車 徒歩5分)
講演 「漂流する名古屋城木造天守計画」
講 師 赤羽一郎(前名古屋市文化財調査委員会委員長・元愛知淑徳大学講師)
パネルディスカッション 「名古屋城バリアフリーの行方」
 斎藤縣三氏 (実現する会共同代表・わっぱの会理事長)
 近藤佑次氏 (実現する会共同代表・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局次長)櫻井義也氏 (愛知さくら法律事務所弁護士)
 内田隆氏 (名古屋市民オンブズマン事務局)
 赤羽一郎氏 (前名古屋市文化財調査委員会委員長・元愛知淑徳大学講師)
コーディネーター
 辻直哉氏 (実現する会事務局長・愛知障害フォーラム事務局長)
誰でも参加できます
手話通訳・要約筆記・ヒアリングループ
定員:先着150名
資料代:500円
参加申込なしの当日参加可能!
人数把握の為参加申込にご協力いただければ幸いです
参加申込・お問い合わせ:名古屋城木造天守にエレベーター設置を
 実現する実行委員会
TEL 052-851-5240
FAX 052-851-5241
メール jitsugensurukai@gmail.com
住所 〒466-0037 名古屋市昭和区恵方町2-15 AJU車いすセンター内
https://www.facebook.com/nagoya.jitsugensurukai/

----------

19/6/3(月)名古屋城木造化 文化庁から現天守解体の石垣への影響について問合せありと名古屋市

19/6/3河村たかし名古屋市長定例記者会見で、現天守解体のための現状変更許可申請について、文化庁から石垣等遺構への影響に関する問い合わせがあり、回答を求められていると発表しました。

19/6/3 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城部分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190603.pdf

19/5/27に文化庁から教育委員会事務局生涯学習部文化財保護室あてに連絡があり、19/5/29に名古屋市職員が文化庁に出向いて伝えられたとのこと。
「内容を公表することにより今後の文化審議会による公正な審議を妨げることになるため、お話することは差し控えさしていただきます」としています。

----------
名古屋市がいつ回答をするのか、いつ文化庁文化審議会が答申を出す・出さないが判明するのかなど、まったくわかりません。

名古屋市は以前より情報を出すようになったような気がしますが、「都合のよい情報」だけを流し(公報)、「都合の悪い情報」(真の情報公開)はいまだに市民に公開していません。

名古屋市民オンブズマンは、19/5/27文化庁からの連絡と、19/5/29名古屋市職員の復命書を情報公開請求しました。

建設費だけで505億円もの巨大プロジェクトを、市民に情報を公開することなく進めてきたつけまもなく明らかになります。

19/5/31(金)名古屋城木造復元 名古屋市文化庁訪問時復命書等 一部変更決定も肝心の部分非公開

名古屋城木造復元に関し、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等の公開を求める情報公開訴訟を名古屋市民オンブズマンが提訴していますが、名古屋市は19/5/31に決定を見直し、非公開部分を特定し、非公開の理由をそれぞれ明らかにした上で、多くの部分を開示してきました。

河村たかし市長が文化庁を訪問したときの面談記録も、河村市長の発言部分の多くが公開されました。
しかしながら、名古屋市がまだ公表していない部分については非公開ですし、文化庁の発言については、「項目」のみ開示されるだけです。
唯一「地元の専門委員会には十分に説明して理解してもらうこと。」という中身が公開されるのみでした。



↑左側 当初決定 右側 今回決定

また、「平成30年7月 名古屋城天守閣整備事業 基本計画書(概要編・資料編・図面編) 文化庁 復元検討委員会資料」とタイトルが打たれた、実際は文化庁に提出しなかった資料のほとんどが公開されました(400メガ)。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf

・(参考)当初決定での上記文書開示内容
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180912-1.pdf

しかしながら、「5.概算工事費・工程計画」については、本件文書作成時に既に終了している平成29年度すら非公開にしてきました。
平成30年度も非公開です。

開示された部分から、何とか読み取れることもあると思います。
参考にして下さい。

19/6/13(木)15時〜、名古屋地裁で行われる情報公開訴訟で今後の訴訟方針を決めていく予定です。

-----------
・19/5/31 名古屋市長 河村たかし
 行政文書一部公開決定の取消しについて(通知)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531.pdf
 
・19/5/31 行政一部公開決定通知書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-1.pdf
 平成30年6月13日に名古屋城の件で文化庁を訪問した際の復命書、支出命令書
(1)復命書
(2)支出命令書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-1-1.pdf

・19/5/31 行政一部公開決定通知書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2.pdf
 ■2018年7月20日-25日に、名古屋市職員が文化庁を訪れた際の持参資料として
  (1)名古屋城天守閣整備事業 基本計画書(概要編・資料編・図面編)  
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-1.pdf
  (2)平成29年12月 復元検討委員会での報告に対する意見(平成30年3月提出)
  (3)平成29年12月 復元検討委員会での報告に対する意見への追加回答
  (4)平成30年3月 復元検討委員会での報告に対する意見への回答
  (5)2018年7月20日-25日に、名古屋市職員が名古屋城関連で文化庁を訪れた際の持参資料
  (1.復元概要・復元整備基本構想)
 ■2018年7月20日-25日に、名古屋市職員が文化庁を訪れた際の復命書、支出金調書として、
  (6)復命書(名古屋城総合事務所長以下5名分)
  (7)復命書(ナゴヤ魅力向上担当部長分)
☆ (8)支出命令書(平成30年7月20日分)
 ■2018年7月20日-25日に、名古屋市職員が文化庁を訪れた際の会談の内容、指摘事項がわかるものとして
  (9)2018年7月20日 文化庁打合せメモ
 ■2018年7月26日に、名古屋市職員が文化庁を訪れた際の復命書、支出金調書として
  (10)復命書(名古屋城総合事務所長分)
  ☆(11)支出命令書
 ■2018年7月26日に、名古屋市職員が文化庁を訪れた際の会談の内容、指摘事項がわかるものとして
  (12)市長国家提案【文化庁】<平成30年7月26日(木)>面会記録
  (13)市長国家提案【文化庁】<平成30年7月26日(木)>メモ
  http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-2-2.pdf 
 
・19/5/31 行政一部公開決定通知書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-3.pdf
 ■2018年7月27日?12月10日に、名古屋城天守閣整備事業の件で名古屋市職員が文化庁を訪れた際の
 1 持参資料として
(1)市長文化庁訪問<平成30年8月3日(金)>ぶら下がりメモ
(2)持参資料(石垣保存の基本的な考え方と天守台
(3)新聞一式
 2 復命書、支出命令書として
  (4)復命書(平成30年8月3日(金)分)
  (5)復命書(平成30年9月10日(月)分)
(6)復命書(平成30年9月25日(火)分)
(7)支出命令書(平成30年8月3日(金)分)
(8)支出命令書(平成30年9月10日(月)分)
(9)支出命令書(平成30年9月25日(火)分)
3 会議の内容、指摘事項がわかるものとして
(10)市長文化庁訪問<平成30年8月3日(金)>面談記録
(11)市長文化庁訪問<平成30年8月3日(金)>ぶら下がりメモ
(12)文化庁打ち合わせメモ(平成30年9月10日(月)分)
(13)市長文化庁訪問<平成30年9月25日(火)>面談記録
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190531-3-1.pdf

----------
※情報公開請求・各種訴訟・ニュースレター発行等活動するにもお金が必要です。
 今回追加開示を受けるのにコピー代が13,210円かかりました。
 仮に勝訴しても、名古屋市民オンブズマンには1円も入ってきません。
 名古屋市民オンブズマンは会費とカンパのみで運営していますので、ぜひともカンパのご協力をお願いいたします。
  《郵便振替口座》
    口座番号 00870−9−105687
    加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
   http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm


19/5/28(火)名古屋城石垣部会「仮設構台下トレンチ調査は初めて聞いた。現状変更許可は出し直すのですね」

19/5/28に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第31回)が開催されました。

・特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第31回)配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190528.pdf

・19/5/28 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会(第31回)
 名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190528-1.pdf
 
名古屋城総合事務所長、名古屋城調査研究センター所長をはじめ、多くの人が2019年4月に着任しましたが、今年度はじめての石垣部会でした。

名古屋市は、現在名古屋城木造天守復元を目指していますが、復元の前に現天守閣解体準備の現状変更許可申請を19/4/19に文化庁に提出しました。

文化庁からは、現状変更許可申請にあたり、5つの留意事項が示されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190226-1.pdf
うち3つについて、「石垣部会の意見を付すこと」となっています。
前回19/3/25の石垣部会では、「文化財の現状変更をする際に当然行うべき調査・検討ならびに保全方法が十分行われておらず、検討もされていないことが明らかになったので、石垣部会としては認められない」とする意見をまとめました。
・特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf
 
石垣部会の指摘の一つである、「仮設構台設置予定場所の埋蔵文化財調査による地下以降の正確な把握、石垣の現状把握が行われていない」に対し、名古屋市は試掘調査として4u程度のトレンチを23箇所計画する予定であり、文化庁にその旨伝えたと本日初めて発表しました。
しかも、まだ具体的でないものも含んでいるので図面を公表するのは控えているとしました。

石垣部会の宮武正登・佐賀大学教授は「仮設構台下のトレンチ調査については、石垣部会としては初めて聞いた。このトレンチ調査の結果仮設構台が『危ない』となったら、地下埋没遺構が守られないことになる。だれがそれをチェックするのか」と名古屋市を問い詰めました。
名古屋城総合事務所の村木主幹は「名古屋城内で部会が所管しないところは親委員会(特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議)で議論する。
何らかの有識者にはかる必要がある。親委員会で議論するという方法もある。」としました。

宮武教授は「現在文化庁に提出している現天守閣解体準備の現状変更許可をもう一度出し直すのですね。試掘調査で『保全できない』と結果が出たら、設計上変えて頂きたい」とし、村木主幹は「試掘の結果で判断する」としました。

また、名古屋市は天守閣地下部分にある穴蔵石垣調査を行う予定としました。
宮武教授は「穴蔵石垣調査の目的を明確に説明して欲しい」とし、村木主幹は「穴蔵石垣は昭和に積み替えられ、オリジナルの姿はとどめていないと認識していている。本来の姿に戻したいので、現況を把握したい」としました。

宮武教授は「木造復元案と穴蔵復元案は一致しているのか、矛盾はないのか、工法についてもどうか」としましたが、村木主幹は「矛盾はないと認識している」としました。

宮武教授は「昔の穴蔵の上に木造天守を載せる、というのは、天守閣部会にも諮るのか」とし、村木主幹は「諮る」としました。
宮武教授は「穴蔵部分のトレンチについては、文化庁に対してオーソライズしているのか」としましたが、「まだ。今回図面は控えた」としました。
宮武教授は「文化庁がダメという可能性もある。『石垣部会が承認した』と言われては困る。条件が整っていないのではないか」としました。
村木主幹は「今回、今年度の調査予定について示したのであって、計画の内容をご審議していただくために出したものではない」としました。

--------------
文化庁からは、「石垣部会の意見を付すこと」と言われているにもかかわらず、仮設構台下のトレンチ調査について石垣部会に意見を聞いていなかったことが判明しました。

また、現在の竹中工務店の復元案では、木造天守閣を支えるために、穴蔵部分に「はね出し架構」というコンクリート製基礎構造を作る予定です。
穴蔵石垣の復元をする場合、「はね出し架構」の存在は矛盾するのではないでしょうか。


竹中工務店は「はね出し架構」ではない基礎構造について、いまだに具体的な提案をしていません。

平成31年1月23日(水)「名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会」
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000112/112541/2018setsumeikai_symposium_houkokusho.pdf

これまでの矛盾点がますます明らかになってきています。
2019年6月中旬に、文化庁文化審議会が現天守閣解体準備の現状変更許可について答申を出すかどうかが判明します。
名古屋市はいずれにせよ、名古屋城の「本質的価値」を持つ石垣について石垣部会の有識者ときちんと話し合って今後の方針を立ててもらいたいです。

-------
なお、19/5/31(金)午前11時から、現在名古屋市民オンブズマンが情報公開訴訟を行っている、「名古屋市が文化庁訪問時の復命書等」が一部開示される予定です。
開示されたらまたご報告いたします。


19/5/27(月)現名古屋城天守解体準備許可 文化庁「静謐な環境で議論する必要 文化審議会の日程明らかにしていない」

19/5/27に行われた河村たかし名古屋市長定例記者会見で、現名古屋城天守解体準備許可について、「19/5/21参議院の文教科学委員会で松沢成文議員の質問に対し『文化審議会において静謐な環境で議論する必要がありますので、具体的な審議日程等につきましては明らかにしていない』と答弁した」としました。

・19/5/27 河村たかし名古屋市長定例記者会見
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190527.pdf

・令和元年 5 月 21 日参議院文教科学委員会議事録
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190521.pdf
---------
今後、6月中旬に開かれる文化財分科会で解体許可の答申がなされるかが判明します。
-------
現在、名古屋市が文化庁に対して、現天守解体準備の現状変更許可申請をしていますが、なにをどのように申請しているのか、また何が問題視されているのか、理解している人はどの程度いるでしょうか。
報道を丹念に読むか、ネット上の情報を調べている人以外はなかなか難しいと思います。

名古屋市は、市民に対してきちんと説明していません。
2019年1月に行った市民向け説明会では、「解体先行」については一言も触れていませんでした。
説明会終了後の2019/2/1に、河村市長がいきなり「現天守解体先行」をぶち上げましたが、それ以降市民への報告はありませんし、市のホームページにも記載がありません。
市民向け説明会の報告書は19/5/13にネットに掲載されました。

・2019年5月13日 名古屋市
 平成30年度開催 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会・シンポジウム
 「名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会・シンポジウム」報告書
 アンケートのご質問に対する回答
 http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000112541.html
 
・名古屋市 名古屋城 知る 天守閣木造復元
 https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_blog/
 
-------
「特別史跡」名古屋城跡にある建物に釘一本打つにも文化庁の「現状変更許可」が必要です。

当初、名古屋市は名古屋城木造復元と現天守解体の現状変更許可を同時に行おうとしましたが、木造復元が有識者会議である石垣部会が懸念(現在の石垣調査がまだ十分行われていない、木造復元より現石垣の修復の方が先、地下の穴蔵石垣調査方法が決まっていない、地下ボーリングや木造復元のための「はね出し架構」は遺跡を破壊する可能性 など)を表明しました。

名古屋市は竹中工務店と2022年12月までに木造天守閣復元を行うという基本協定を結んでおりますが、このままでは日程が間に合わないため、名古屋市は現天守解体準備の現状変更許可のみ先行して行うことにしました。

現天守解体準備は、内堀に足場を組み、さらに北外堀に仮設橋を架け、トラックで天守解体の資材を運搬できるようにするものです。
しかしながら、内堀の底の調査は十分ではなく、さらに北外堀の下の石垣も調査を行っていないにもかかわらず、名古屋市は「石垣等への影響は軽微」と結論づけました。
石垣部会は「文化庁への名古屋城解体申請計画は前提を欠いており、石垣部会としては認められない」 としました。
・19/3/29 特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf


にもかかわらず、名古屋市は文化庁に解体準備の現状変更許可申請を2019/4/19に提出したのです。

今後、2019年6月中旬の文化審議会において、文化庁長官への「答申」がでるかどうかが判明します。
「答申」がでなければ、2022年12月の完成は絶望的です。

19/5/28(火)13時半〜 名古屋能楽堂で石垣部会が開催されます。
http://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2019/kankobunkakoryu/0000117361.html
どのような話しがでるか楽しみです。

----------

19/5/20(月)現名古屋城天守解体許可 文化庁は「文化財分科会で審議されたか一切答えられない」と河村市長

19/5/20に行われた、河村たかし名古屋市長定例記者会見で、現名古屋城天守解体許可について、「19/5/17に開催された文化財分科会の内容、文化審議会に諮問されたかどうかも一切文化庁から言えないと回答があった」としました。

19/5/20 河村たかし名古屋市長定例記者会見
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190520.pdf
-----
名古屋市は、名古屋城天守木造化にさきがけ、まず現天守の解体準備のみの現状変更許可申請を2019年4月に文化庁に提出しました。

通常は、文化審議会に諮問された後、文化財分科会や各専門調査会での審議を経て文化庁に答申されます。
・文化庁 文化審議会について
 http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/about/

今後、6月中旬に開かれる文化財分科会で解体許可の答申がなされるかが判明します。
文化財分科会で解体許可答申がなされなければ、2022年12月末までの木造完成は絶望的になりますが、河村市長は「これは議会でも同じような質問がありましたので、お答えしましたけど。お願いしておる時にだめだったらどうするんだというような失礼な文化庁に失礼なことは申し上げられん、ということでございます。」と述べるのみです。

-------
状況は不明ですが、石垣部会の千田嘉博・奈良大学教授は19/3/29にtwitterで以下述べました。
文化庁調査官が「引き続き石垣への影響の検討必要」としたのは、名古屋城現天守解体工事の前提になる、石垣の基礎調査や工事施工範囲の埋蔵文化財の発掘をしておらず、名古屋市は文化財としての評価と保全対策ができていないと、厳しく指摘されたのと同じことです。https://twitter.com/yoshi_nara/status/1111621338383319041

こうした問題を名古屋城石垣部会も指摘していましたが、文化庁からまったく同じ指摘を受けたことで、名古屋市の現天守解体計画が、文化庁から許可を得られる可能性は、限りなくなくなったと思われます。https://twitter.com/yoshi_nara/status/1111623415532675073

専門家による検討組織である名古屋城石垣部会の決議を無視して、文化庁調査官の指摘も無視して、このまま名古屋市が4月に文化庁への天守解体工事の申請を強行すれば、名古屋市と名古屋城総合事務所に対する文化庁の信頼感は、著しく損なわれる恐れがあります。https://twitter.com/yoshi_nara/status/1111624809203544064
---------
今後の予定

19/5/30 14時〜 令和元年度第1回名古屋市建築審査会
19/6/10(月)18時半〜「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)
19/6/13(木)15時〜 名古屋城文化庁訪問時面談記録情報公開訴訟弁論(名古屋地裁1102号法廷)
19/6/14(金)-7/2(火) 名古屋市議会6月定例会 
19/6/中旬  文化財分科会で解体許可が下りるか判明
19/6/22(土)13時〜 
19/7/3(水)11時〜 名古屋城基本設計住民訴訟(名古屋地裁1102号法廷)
19/7/8(月)18時半〜「名古屋城の有形文化財登録を求める会」定例学習会(北生涯学習センター)


19/5/17(金)19/4/25河村市長文化庁訪問時の市長発言骨子・資料 入手

名古屋城天守木造復元に関して、19/4/2に5河村市長が文化庁を訪問した時の市長発言骨子・資料を名古屋城総合事務所から情報提供してもらいました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190425-2.pdf


---------
相変わらず、名古屋市は一方的な事を言っています。
文化庁から示された留意事項に対し、「調査官から細部にわたってご指導いただき、先週4/19に現天守閣の解体にかかる現状変更許可申請書を提出させていただいた」とはありますが、石垣部会から以下3点を指摘されたことについてはまったく触れていません。
 1.天守解体のための機材を搬入するための仮設構台の下にある石垣の調査がまだ行われていない
 2.内堀底面・御深井丸内側石垣調査がまだ行われていない
 3.調査専門職員の人数不足
・特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf

また、「史跡等における歴史的建造物の復元に関する基準」の「ウ」をきちんと検討していないのではないか、「大阪城における平成の大改修」を参照していないのではないか。
http://www1.city.matsue.shimane.jp/bunka/bunkazai/matsuejyou/sisekimatsuejyohozonkatsuyou.data/siryou5.pdf
(8)史跡等における歴史的建造物の復元に関する基準
(平成27年3月30日史跡等における歴史的建造物の復元の取扱いに関する専門委員会)
2基準歴史的建造物の復元が適当であるか否かは、具体的な復元の計画・ 設計の内容が次の各項目に合致するか否かにより、総合的に判断することとする。
(1) 基本的事項
ア.当該史跡等の本質的価値の理解にとって支障となるものではないこと。
イ.当該史跡等の本質的価値を理解する上で不可欠の遺跡を損傷するものではないこと。
ウ.復元以外の整備手法との比較考量の結果、国民の当該史跡等の理解・活用にとって適切かつ積極的意味をもつと考えられること。

さらに、耐震性が低いことは2010年に判明していました。
http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000105/105368/8shou.pdf

文化庁も当然これら問題を知っているにもかかわらず、あえて名古屋市が触れないことで、どのくらい文化庁の不信感が増大しているのか。
これまでの文化庁とのやり取りに記載されているはずですが、内容は肝心の所が市民には非公開です。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190320.pdf

19/4/25復命書については情報公開請求中です。

19/5/16(木)名古屋城木造天守基本設計住民訴訟 第1回弁論で市は却下・棄却を求める

19/5/16に、「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」メンバーが原告の、名古屋城木造天守復元事業の基本設計費用返還、実施設計契約の取消し・無効確認、本件事業の停止を求める住民訴訟の第1回口頭弁論が名古屋地裁1102号法廷(民事9部)で行われました。
原告・支援者で傍聴席はほぼ満員でした。

・原告 訴状等
 
https://drive.google.com/drive/folders/1T_5khzBPQ4R5IBgVOMSY-VVb8viwdHkz
・被告名古屋市 答弁書
 https://drive.google.com/file/d/1yP59x0ube-Q6jk5lqAtK9DMYBDAC4Jpp/view
・被告名古屋市 乙号証等
 https://drive.google.com/drive/folders/1rrzu6PbzIolu6WPxmtH2s9I-laqXF1aJ

本件は、名古屋市の住民が弁護士を立てずに行っている住民訴訟です。
名古屋市が竹中工務店と契約した「基本設計」契約に基づく『成果物』はまだ未完成であり、支払った代金8億4693万6000円を市に返還するよう原告は求めています。
また、基本設計が完成していない以上、その後の実施設計契約を取り消し、さらには本件事業の停止・取消しも求めています。

被告名古屋市側は、原告側の主張の却下・棄却を求めました。

裁判長は、原告の訴えの趣旨はこれでよいか、また被告の主張をかみ砕いて説明しました。
上記は後日紙にまとめて原告・被告に送るといっていました。

1)金銭請求について
 被告答弁書によれば、市職員9名は財務会計上の行為を行う職員ではない。
 対象を絞る方針にするか検討を。

2)実施設計契約について
 実施設計契約の取消しは、地方自治法242条1項4号に当たらないのではないか。
 243条の2の2に請求の趣旨を変更するか検討を。
 
3)本件事業の停止・取消しについて
 具体的に何を求めているのか?契約を差し止めるのか?
 また、上記2は3に含まれるのか?含まれるのであれば上記2を取り下げ、3のみにするか検討を。
 さらに「事業」は特定しなくてよいのか。
 
また、裁判長は、「訴状を拝見すると、『契約約款に記載されているとおりに基本設計ができていない』、という主張しか聞こえて来なかった。住民訴訟は『法律の何条に違反する』という主張が必要なので、事業が何らかの形で違法なら、何法何条違反なのか次回までに主張して欲しい」といいました。

次回は19/7/3(水)11時〜 名古屋地裁1102号法廷です。
どなたでも傍聴可能です。
------
・名古屋城天守の有形文化財登録を求める会 
 https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
 

19/5/10(金)名古屋城木造化 実施設計変更契約で、エレベーター設計取りやめが判明

名古屋城天守閣復元事業に関し、実施設計業務委託契約書と
変更契約書が19/5/9に開示されました。

・決定書
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510.pdf
・名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(平成31年度分)として
 名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(H30.4.9)
 名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(変更契約 H31.2.26)
 名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託契約書(変更契約 H31.3.19)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510-1.pdf
・(情報提供)名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託 変更概要書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510-2.pdf 
 
上記から、実施設計でエレベーター設計を取りやめたことがわかりました。


---------
当初の竹中工務店の提案では、小型エレベーターを設置するとありました。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_blog/uploads/takenaka.pdf

しかし、河村たかし名古屋市長は18/5/30に「今後復元する名古屋城木造天守閣にエレベーターを設置しない」と正式に表明しました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180530.pdf

しかしながら、新築の建造物がバリアフリー対応ではないのはおかしいとして、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は19/2/25に約14000筆の署名を名古屋市に提出しました。
https://www.facebook.com/nagoya.jitsugensurukai/

上記団体は「障害者権利条約」「障害者差別解消法」「愛知県障害者差別解消推進条例」等に反していると主張しています。
エレベーターがない実施設計で、文化庁、消防庁、名古屋市建築審査会、名古屋市消防局、日本建築センターの各種許可が下りるのかどうか不明です。

なお、現時点では、木造復元の目処が立っていないのは名古屋市も認めています。

2019年5月中に文化審議会が開催され、現天守解体準備のための現状変更許可について審議されます。

上記議論の行方とともに、復元について今後どうなるのかまったく不明です。

------
なお、以下も開示されました。

・「名古屋城天守閣の実物大階段模型及び展示施設の建設」随意契約とした理由がわかる文書
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190510-3.pdf
 

19/5/9(木)18/11/15名古屋城木造化 バリアフリー非公開説明会 議事録ほぼ非公開

18/11/15特別史跡名古屋城跡バリアフリー説明会(第2回)が非公開で開催されました。
その議事録ができたので情報提供したいとして、郵送されてきました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/181115-1.pdf



配付資料は2018年11月に情報提供されました。
・配付資料
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/181115.pdf
 
-----
18/7/24に開催された特別史跡名古屋城跡バリアフリー説明会(第1回)は、公開で開催され、さらに議事録も全文名古屋城総合事務所のホームページで公開されています。
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/tenshu_blog/uploads/sanko3_gijiroku.pdf

どうしてこのような違いがあるのか不明です。

-----------
なお、18/12/28に開催された特別史跡名古屋城跡バリアフリー検討会議(第2回)の議事録も情報提供されました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/181228-3.pdf

参考になれば幸いです。


19/5/7(火)河村市長「名古屋城 現天守は外からみても立派」

19/5/7に河村たかし名古屋市長は定例記者会見を行いました。

・19/5/7 河村たかし名古屋市長定例記者会見
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190507.pdf

記者から、「トリップアドバイザー ベストデスティネーション(観光地)」で6位に名古屋市が入った要因について聞かれました。
https://www.tripadvisor.jp/TravelersChoice-Destinations-cTop-g294232

河村市長は「本丸御殿ではなく、名古屋城の木造天守復元が大きい」と答えました。
記者は「天守自体は立ち入り禁止になっているが」と問うたところ「外から見ても立派ですからね、ほんとに」と答えました。

---------
上記のやり取りについて、河村市長の趣旨がさっぱりわかりません。
・トリップアドバイザーの順位が上がったのは、まだ目処が立っていない木造復元のため?
・現名古屋城天守閣は外から見ると立派
 名古屋市はそれを解体する準備の現状変更許可申請を2019/4に文化庁に行った。
・仮に文化庁から解体現状変更許可がでたら、天守閣の外観がなくなる
・天守閣木造復元の目処はまったく立っておらず、天守閣がない名古屋城がずっと続く可能性
・万が一木造天守復元されても、外観は今と同じ

河村市長しか理解できない理屈で、名古屋市は名古屋城天守閣復元事業に邁進しています。
2019年5月文化審議会でどのような審議がされるのか不明ですが、文化行政に禍根を残さないよう願います。

19/4/25(木)名古屋城天守閣部会員「これは木造天守閣を復元するプロジェクト。石垣研究プロジェクトではない」

19/4/25に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第18回)が開催されました。

・19/4/25特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 天守閣部会(第18回)配付資料
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190425.pdf
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190425-1.pdf

はじめに、名古屋市は「19/4/19に現天守閣解体のための現状変更許可申請を文化庁に提出した」とのみ報告しました。

つぎに、上記申請にあたり、文化庁から5つの留意事項が示されており、そのうち天守台石垣保存方針について説明がありました。
上記申請は石垣部会に示し、文化庁に提出した資料のうち抜粋が配付資料として配付されました。

座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「2017年度、18年度に堀底の発掘調査をしているが、どうして近接している場所を行うのか」としました。

名古屋城総合事務所は「石垣部会から、堀底の堆積状況がずいぶん攪乱されており、孕みに影響があるのではという指摘があった。
これまでは根石調査が多かった。今回は中央部分を行う予定」としました。

三浦正幸・広島大学名誉教授は「トレンチの入れ方が通常ではない。発掘の無駄だ。遺構の破壊にも繋がる。案は石垣部会に示したのか」とし、名古屋城総合事務所は「石垣部会には資料は出したが意見をもらっていない」としました。

古阪秀三・立命館大学客員教授は「結局石垣調査は、名古屋市がするのか石垣部会か、外部に委託するのか。2年間やっているが進まない。
技術的な内容はあきらかにならない。これだと決着がつかない。専門家をいれてやるべきだと思う。
そもそも、これは天守閣を復元するプロジェクトであって、石垣の研究するプロジェクトではない。どこまででとめるのか。本当の専門家がいない状況でやろうとしている。
濃尾地震の影響もわかっていないし、熊本地震があり、東南海・南海地震も想定されている。
現在は愚の骨頂。天守閣部会の技術の皆さんが調査に行かれればいい。
昔の伝統的なことだけでなく、技術的なことを検討しないと決着がつかない。だれが意志決定するのか。
我々も2年間進歩していない。天守閣も内容は進んでいるが、物的には進んでいない市の覚悟を聞かせてほしい」としました。
新任の佐治・名古屋城総合事務所所長は「この4月に調査研究センターができ、熊本から服部所長を迎えた。意見を伺って進めたい」としました。

また、瀬口座長は「石垣の北面は不安定と言っているが、孕み出しは不安定ではないと記載されている。矛盾しているのではないか。
文化庁に持って行ったら、『名古屋市は何を考えているのか』となる」としました。
名古屋城総合事務所は「来場者への影響で分類しているが、それがすべてではない。それと変状度とで分析している」としました。

その後、照明器具や外壁、水抜きなどについて議論しました。
照明がないと暗いので、長押内に照明を入れたり、行灯型照明を置くことが検討されました。
川地正数・川地建築設計室主宰は「非常時の避難誘導のため、誘導灯も考えないといけない」としました。
竹中工務店は「防災計画の関係で、日本建築センターからは『階段の1段の寸法がイレギュラーなので、安全性を増すような照明が必要』という意見を頂いている」としました。

古阪客員教授は「石垣の問題でかなり完成が遅れる。照明は復元にはならない。照明について、市民参加があっていいのではないか」としました。

佐治所長は「階段について原寸大モックアップを作って実証実験を行う予定。照明シミュレーションをしていきたいし、市民に見てもらいたい」としました。

---------
結局、天守閣部会と石垣部会との認識のずれは、文化庁へ現天守解体申請をした段階になっても埋まりませんでした。
果たして、天守閣部会は文化庁が示した5つの留意事項、石垣部会の意見をきちんと読んだのでしょうか。

・19/2/26 名古屋市が発表した文化庁
 「現天守閣解体にかかる現状変更許可申請に関する留意事項について」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190226-1.pdf
・特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf

名古屋市が認めているように、石垣部会は「天守閣解体するにあたって機材が上に載る予定である堀底・外堀・御深井丸等の調査をせよ」と言っているにもかかわらず、石垣部会の議題として、具体的調査場所の議論がまだなされていません。
そうであるにもかかわらず、名古屋市は文化庁に解体許可申請書を提出してしまいました。
これだけみても、通常の文化財行政とはかけ離れていることがわかります。
天守閣部会が上記について誰も指摘しないのは非常に不思議です。

また、天守閣復元にあたり現天守解体する際、特別史跡の本質的価値を持つ石垣について「影響を与えない工法であり、その保存が確実に図られること」「石垣等保全の具体的方針」「石垣等詳細調査の具体的な手順・方法等(石垣調査計画)」を示すよう、文化庁は名古屋市に求めています。
「これは木造天守閣を復元するプロジェクト。石垣研究プロジェクトではない」という古阪客員教授の認識は誤っています。
石垣を十分研究し、石垣に影響を与えない工法だと有識者に認識されてはじめて木造天守閣復元がはじまるのです。
それを2022年12月までと期限をきっているから、奇妙なことになるのです。

また、照明のみ「市民参加を」というのはあまりにも都合がよすぎます。
そもそも、これまでの天守閣部会・石垣部会の配付資料・議事録は市の公式ホームページには一切掲載されていません。
傍聴も先着10名のみ。録音・録画は傍聴者はおろか、報道陣にさえ許可されていません。
これで「市民の関心を呼ぼう」というのは間違っています。
文化庁と名古屋市のやり取りも、一切非公開です。名古屋市の都合のよい言い分のみ公開しています。

-------
19/4/25、河村市長は文化庁を訪問し、天守閣先行解体を要請したとのこと。
解体申請書類をすでに提出しているのに、どうして市長が直接文化庁に行かないといけないのか。

19/4/22に松雄俊憲・観光文化交流局長は「事務的にはやり切ったというふうに思っておりますけれども、それでやっぱり許可がでるというふうに思っておりませんで、市長には私共からお願いして、今週の25日の9時半に文化庁に出向いていただく予定にしております。」としました。
名古屋市観光文化交流局としては、「解体の許可がでるとは思っていない」のです。
・19/4/22 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城関係分
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190422.pdf

5月中に文化庁文化審議会が開かれます。
名古屋城の運命、河村市長の運命は2019年5月中に決まります。


19/4/22(月)名古屋市局長「石垣部会のご提案はやりきれていない」認める

19/4/22に河村たかし名古屋市長定例記者会見が行われました。

19/4/22 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城関係分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190422.pdf

19/4/1から着任した松雄俊憲・観光文化交流局長が、局長としてはじめて名古屋城木造化について定例記者会見で発言しました。

その中で、19/4/19に文化庁に現天守閣解体の申請を出したと報告が有りました。

・平成31年4月19日 名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所
 現天守閣解体にかかる現状変更許可申請書の提出について
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190419.pdf

松雄局長は「石垣部会のご提案について、確かにやり切れていないといった部分がございますけども、文化庁がですね申請にあたって5つの留意事項といったことを私どもに指示をいただきましたけれども、そのことにたいしましては事務方としてやりきったというふうに思っております」としました。

・19/2/26 名古屋市が発表した文化庁
 「現天守閣解体にかかる現状変更許可申請に関する留意事項について」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190226-1.pdf
 
その上で、「事務的にはやり切ったというふうに思っておりますけれども、それでやっぱり許可がでるというふうに思っておりませんで、市長には私共からお願いして、今週の25日の9時半に文化庁に出向いていただく予定にしております。」としました。

--------
石垣部会は、解体工事計画を承服していません。
記者発表資料でも認めています。

それは、石垣解体のための作業をする場所の下にある石垣の調査が終わっていない、職員も不足しているということです。
河村市長が本日記者会見で言った「天守台石垣の修復」のことではありません。
・特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf

河村市長が「文化庁の指示に従って丁寧に行ってきた」というのは「自称」であって、これまでどのような文化庁の指示がなされてきたのか、すべて非公開になっています。
対応したのかも不明です。

19/2/26に解体に当たって上記5項目が示されましたが、それすら石垣部会の同意を得られていません。

名古屋市は、文化庁に「これだけの分厚い資料を出した」というものの、それらは少なくとも現時点では閲覧に供されていません。



松雄局長は「なお、マスコミの皆さんにおきましては、村田次長とのやり取りが詳細にご報告が多分できないと思います。向こうの先方の意見もありますので、ただ私どもがどういう主張をしてくるのかしてきたのかといったことについて、いわば天守閣の意義ですね。木造復元の意義についてまあ何らかの形でペーパーにまとめて皆様方にもお伝えをして、基本的にいけるのかなとおもいます。」というのみ。

名古屋市民オンブズマンは19/4/23に文化庁に対する申請書を情報公開請求しました。

河村市長は「寄附が3億3000万円集まっている。辞めて済む問題ではない」としていますが、平成30年度までにすでに名古屋市は竹中工務店と46億677万6000円契約しています。
・基本設計    8億4693万6000円(支払い済み)
・実施設計   15億6384万円
・木材製材契約 94億5540万円(うち21億9600万円はH30年度)
※木材の保管費用だけでも年間約1億円。

行政は、1市長の「思い」だけで決まるものではありません。
情報公開をせず、通常の文化行政の手法をとってこなかった、名古屋城の運命、河村市長の運命は2019年5月中に決まります。


19/4/22(月)名古屋城木造化 文化庁とのやりとり情報公開訴訟 名古屋市は5月中に一部公開へ

名古屋城木造化をめぐり、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等の情報を非公開にしたのはおかしいとして、名古屋市民オンブズマンが公開を求めた情報公開訴訟の第1回弁論が19/4/22に名古屋地裁1102号法廷で行われました。


名古屋市は、文化庁訪問後に市長が記者会見を行い、その際の「市長ぶら下がりメモ」は公開するにも関わらず、実際に職員が書いた復命書の中身は「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれがある」としてほぼ公開していません。
また、「黒塗り部分を非公開にする」としており、意思表示が完結しておらず、無効の可能性すらあると名古屋市民オンブズマンは主張しています。
https://ombuds.exblog.jp/27454928/


名古屋市の代理人は、今回の公開を求める処分3件のいずれについても、非公開情報の一部を公開すべく、取り消した上で、2019年5月中を目処として、改めて行政文書一部公開決定を行う予定だとしました。

次回弁論は19/6/13(木)午後3時、名古屋地裁1102号法廷です。
どなたでも傍聴可能です。

---------
名古屋市は、19/4/19に現天守閣の解体申請を文化庁に提出し、受理されたとのこと。

文化庁からこれまでどのような指摘がなされていたのか、まったくわかりません。
本当に解体申請が提出できる状況だったのか?

今後5月中旬にも開かれる文化審議会が、解体を許可するかどうか判断するとのこと。

課題が山積みでまったく解決していない名古屋城天守閣木造復元事業。
形だけ復元事業が進んでいるように見せかけてきた、河村市政の罪はあまりにも重いです。

------
今後の予定

今週中 河村市長ら文化庁訪問
19/4/25(木)4:29-   「金シャチの憂鬱 〜天守だけが城じゃない〜」(メ〜テレ)
19/4/25(木)10時-13時 天守閣部会(名古屋能楽堂)
19/5/7(火)18時半-20時半 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」月例勉強会(北生涯学習センター)
5月中旬        文化庁文化審議会が現天守解体の現状変更許可申請に対して何らかの判断
19/5/16(木) 14時〜  名古屋城木造化住民訴訟第1回弁論(名古屋地裁1102号法廷)
19/6/13(木) 15時〜  名古屋城文化庁とのやりとり情報公開訴訟第2回弁論(名古屋地裁1102号法廷)
19/6/14-7/2      名古屋市議会6月定例会
19/6/22(土)     

----------
※情報公開請求・各種訴訟・ニュースレター発行等活動するにもお金が必要です。
 情報公開訴訟をするのに印紙代が29,000円、切手代が6,740円かかっています。
 仮に勝訴しても、名古屋市民オンブズマンには1円も入ってきません。
 名古屋市民オンブズマンは会費とカンパのみで運営していますので、
 ぜひともカンパのご協力をお願いいたします。
  《郵便振替口座》
    口座番号 00870−9−105687
    加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
   http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm


19/4/8(月)河村市長「名古屋城木造化が出来なかった場合、『一人で責任を取る』とは指示書に書いていない」

19/4/8に河村たかし名古屋市長定例記者会見が行われ、2022年12月までに名古屋城天守閣木造化がほぼ絶望的になっている事に関し、河村市長はまたもや責任逃れを行いました。

19/4/8 河村たかし名古屋市長定例記者会見 名古屋城関係分
(名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190408.pdf

河村市長は、15/8/24に名古屋市市民経済局長に「指示書」を出し、「本件の全責任は私が取る」と書きました。
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

しかしながら、2019年5月の文化審議会で現天守解体が認められなかった場合は「あり得ない。これだけ丁寧にやってきているのに。(辞任は)前提かどうかはしらんけど。」とするのみ。

記者から、上記「指示書」と、19/4/1記者会見の「関係者全員切腹」は矛盾するのではないかと聞かれても「矛盾しない。一人で責任を取るとは指示書に書いていない」としました。
その上で、「指示書の効力はまだある」と認めました。
・19/4/1 河村たかし名古屋市長定例記者会見
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190401.pdf

また、石垣部会が「現天守閣解体の際の名古屋市が提案している工法は、石垣保全の観点から認められない」としたことについては、「こういう方法もある、こういう方法もある。といっているだけだ」としました。

市長は「文化庁のいうとおりにやってきた。丁寧が上にも丁寧に」を繰り返しました。

---------------
市政記者クラブは、市長記者会見時に、どうして上記指示書、「石垣部会のまとめ」を全記者ならび市長に配付したうえで会見に臨まないのかまったく理解できません。

・19/3/29「特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf

石垣部会が指摘しているのは、「1.天守解体のための機材を搬入するための仮設構台の下にある石垣の調査がまだ行われていない
2.内堀底面・御深井丸内側石垣調査がまだ行われていない
3.調査専門職員の人数不足」です。
河村市長は上記にまったく答えていません。

市長に記憶から都合のよいところだけを取り出して回答させるのではなく、書面を見せながら回答させないと、結局ごまかしになってしまいます。

また、市長が「文化庁の言うとおりに丁寧に」云々言っていますが、市長がただそう言っているだけで、文化庁が何を言ったのか、名古屋市がどう言ったのかはいまだに非公開です。
これでは本当に「丁寧に」やっているのかがわかりません。
・19/2/21 市民オンブズマン 事務局日誌
 名古屋城をめぐり、名古屋市が文化庁訪問時の復命書等 情報公開訴訟提訴
 https://ombuds.exblog.jp/27454928/

なお、市長は「石垣部会さんも技術提案・交渉方式をとるというのは当然わかっとったんですから」としていますが、石垣部会には木造天守閣復元についてずっと議題にされておらず、具体的な木造天守閣復元の工法についてはいまだに議題にあげられていません。

・19/3/25 名古屋城石垣部会終了後の名古屋市会見
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190325-7.pdf
 宮武正登・佐賀大学教授:誤解のないように跳ねだし云々の木造天守に絡む基礎構造についてはいまだ石垣部会ではいまだ議題にはあがっておりませんから。(資料としてしめされていますが)こんなのが今検討しているようですと、参考としてはあがっていますけれども。
 これが是か非かというような議論は今だ議題に上がっていないことをお間違えないように。

-----------
なお、19/4/1市長会見で市長が発言した「名古屋市としては非常に丁寧に法律に従って文化庁、国交省と協議しながらその工法を左右することにも実は審査会みたいなものがあるんですよ。それは東京におられる、これ国交省から紹介してもらったけど設計士、建築を、名前はあれですけど、やりながら弁護士さんをやられとる人が中心になってこの方式でやっていいかどうか名古屋城をね。やっていいかどうか。そういう会がありました。そこでOKになっております。正式に。」の詳細を名古屋城総合事務所に問い合わせたところ、「H27.11.29 名古屋城天守閣整備事業に係る技術提案・交渉方式(設計・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会」のことだとのこと。
・15/11/29 名古屋城天守閣整備事業にかかる技術提案・交渉方式(設計交渉・施工タイプ)による公募型プロポーザル実施に伴う意見聴取会(第1回)
 http://nagoya.ombudsman.jp/castle/151129-1.pdf

「設計士をやりながら弁護士をされている方」は名古屋城総合事務所は確認出来なかったとしました。
ただ、大森文彦・東洋大学教授/弁護士が、一級建築士の資格を持っていたことを名古屋市民オンブズマン側で把握しました。

名古屋城総合事務所からは上記のように丁寧に回答頂きました。市長の思いつき、でたらめな指示に対し、市職員の担当者はなんとか対応策を考えてこれまでやってきたにもかかわらず、市長から具体的な追加指示もなくただ「死ぬ気で頑張れ」と言われているのが現状です。

市職員はこんなことで実際に死なないよう心より願います。

----------

19/4/1(月)河村市長「名古屋城木造復元が2022年12月までにできなければ関係者全員切腹」

河村たかし名古屋市長は19/4/1の定例記者会見で、名古屋城天守閣木造復元について「(2022年12月の期限に)間に合わなければ、関係者全員切腹」を明言しました。

・平成31年4月1日 名古屋市長河村たかし 定例記者会見
 

・19/4/1 河村たかし名古屋市長定例記者会見
 (名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし)
 
http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190401.pdf

19/3/25に開催された特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣部会で、名古屋城現天守の解体に伴う石垣への影響について意見を聞かれた石垣部会は「文化財の現状変更をする際に当然行うべき調査・検討ならびに保全方法が十分行われておらず、検討もされていないことが明らかになったので、石垣部会としては認められない」としました。

上記については、19/3/29の特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議で「特別史跡名古屋城跡全体整備検討委員会石垣部会のまとめ(試案)」として読み上げられ、委員に配布されました。
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/190329-0.pdf

しかしながら、河村市長は上記文書をきちんと読んでいないようです。
新聞に書かれたコメントを元に「石垣部会は誤解がある」と言うのみ。

河村市長は木造復元が2022年12月までにできなければ「みんなまあ切腹と。私一人ではそのかわり私一人ではしません。関係者全員切腹です。これができなかったら。」としました。
しかし、記者から「職をかけるということか」と聞かれても、市長は「そういうことはあんまりね、選挙で市長なんか、あまり簡単にいうもんじゃないですよ。これができんかったらやめるとかね、そういうこと言うもんでないもんで、ちょっと違う表現をしたと」「そんな誰かが辞めて済むというような話じゃないでしょ。これ。ものを作るんですから普通のなんか財務省がインチキの報告を書いたとかああいうのは誰かが責任を取りゃいいんで。これ違いますので」と逃げをうちました。

河村市長は、2022年12月までに出来ない時の問題点を以下述べています。
・1年以上も天守閣を入場禁止にしている。普通は収入は減る
・木材 1年待つと保管料に1億円かかる すでに6-7割は切った。
・寄付金をすでに3億2000万円集めている

河村市長は「私も70歳ですけど嘘を言ったことありません。」と述べました。

19/4/2朝日新聞によれば、「ある市幹部は『切腹の練習をしておくので、まずは市長が見本を示してほしい』と皮肉を交えて反発した」とあります。

-----
河村市長は、石垣修復より先に木造天守閣復元を先に行うよう、当時の市民経済局長に15/8/24に「指示書」を出しています。
・15/8/24 河村市長 指示書
 「石垣修復を後回しにして、木造天守閣復元を先に行え。全責任は私が取る」
 http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf
 
にもかかわらず、「関係者全員切腹」を言い渡しています。

「技術提案・交渉方式」には、「目的物の品質・性能と価格等のバランスの判断が困難であるとか、そういう的確な施工業者の設計に対する、あるいはそういった部分の的確な判断だとか指示を行う能力が必要になる」というデメリットがあると、名古屋市が認めています。
(平成28年3月17日経済水道委員会 下山浩司名古屋城総合事務所長)

河村市長は「技術提案・交渉方式の時からやりかけたの僕しかいないんですよ。私が間違ったということになるじゃないですか。」と述べましたが、その通りです。
そもそも、石垣修復を後回しにして木造復元を技術提案・交渉方式でやると決めたこと自体が誤りだったのです。

2019年5月には文化庁が現天守閣解体の現状変更許可を出すかどうかが判明します。
切腹を実際にするかどうかの前に、すでに名古屋市が竹中工務店と契約した46億677万6000円をどうするのかを市長が決める必要があります。
・基本設計    8億4693万6000円(支払い済み)
・実施設計   15億6384万円
・木材製材契約 94億5540万円(うち21億9600万円はH30年度)
※木材の保管費用だけでも年間約1億円。

市職員に対する暴言、自身の責任は取らない、計画の根本が誤っていた市長に対し、市民はなにができるのか。
一つは19/4/7投開票の名古屋市議選でしょう。
その後、市議・市民による本格的な追及が始まります。

----
なお、市長が発言した「名古屋市としては非常に丁寧に法律に従って文化庁、国交省と協議しながらその工法を左右することにも実は審査会みたいなものがあるんですよ。それは東京におられる、これ国交省から紹介してもらったけど設計士、建築を、名前はあれですけど、やりながら弁護士さんをやられとる人が中心になってこの方式でやっていいかどうか名古屋城をね。やっていいかどうか。そういう会がありました。そこでOKになっております。正式に。」についての詳細を、名古屋城総合事務所に確認しています。

----------

-------
トップへ戻る