河村市長は24/2/16に、「MHIとは別の『尺取虫』『小型リニアモーター』技術に期待していた。『尺取虫』(仮称)は京都の業者で、役所とも一緒に行った。車いすにつけて階段を上がっていくもの。
浅井市議は「2018/6/27に、正庁にいろんな企業が来て資料をもらった。(株)テムザックと早稲田大学が共同開発した『人を乗せたロボットの二足昇降に成功』とあった。これが尺取虫か?」と述べました。
今回、新昇降技術の公募前に、市長と名古屋城所長(当時)、また市長と特別秘書が業者に会いに行ったのが「不適切であった」のか、「あらぬ疑いを生じさせかねない」のかが問題となります。
18/5/21に「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」100名以上が名古屋市役所前で、木造天守閣にエレベーターをつけない方針を示した河村たかし名古屋市長に対して抗議しました。
そこで「木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針」を示し、新技術の想定候補一覧を示す中、河村市長が手書きで「他、国際コンペ」と記載し、「コンペの結果に一番期待をして進める」としました。
市長と特別秘書が特定業者を訪問した日時は不明ですが、同席はしないものの、西野所長(当時)が顔を合わせて挨拶をしたことは「不適切」「あらぬ疑いを生じさせかねない」のではないでしょうか。
名古屋市民オンブズマンは、かつて名古屋市・名古屋市長が「市議会」「市民」「文化庁」「天守閣部会」「石垣部会」「竹中工務店」それぞれに都合のよいことを言ってきたことを「6枚舌」と表現して批判しました。
2018年当時の河村市長・西野所長の「6枚舌」が、2023年6月3日のバリアフリー市民討論会での参加者からの差別発言、さらには現在の名古屋城総合事務所職員の苦悩につながったのではないでしょうか。
市議会は、24/3/1田中特別秘書への質疑を踏まえ、河村市長・西野輝一元所長・田中特別秘書を100条委員会に出頭させ、公開の場でどのような経緯があったのか証言を求めるべきだと考えます。
24/2/26(月) 河村市長 名古屋城市民説明会 年度内開催を指示せず 今後市当局と相談
河村たかし名古屋市長は24/2/26開催の定例記者会見で、名古屋城木造復元事業に関する市民説明会について、24/1/29会見で「差別発言検証中間報告が出たら、年度内に開催したい」としていたにもかかわらず、市当局に具体的な指示をせず、市当局も現時点では開催予定はないとしました。
河村市長は「今後市当局と相談したい」と述べました。
・24/2/26 河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
河村市長は「(1/29には)やることにやぶさかじゃないと言ったのでは」ととぼけましたが、「市長は年度内にやりたいと発言した」と記者から追及され、「(記者会見で)言ったやつは、普通は改めて指示しなくても、普通は(市当局が)言う」と責任逃れをしました。
記者は「今から年度内に会場を押さえて広報するのは難しいのでは」とすると、河村市長は「令和2年の文化庁基準を説明したい」と論点をずらしました。
市当局は「24/2/14に公表された『中間報告』では、『拙速で時間がない中でやったことが(参加者からの差別発言が起きた)一つの大きな原因といわれている」とし、観光文化交流局で議論して決めるとのこと。
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24/1/29定例記者会見では明確に「年度内に市民説明会をやらないといけないだろう」と述べています。
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記者:ちょっと名古屋城の話戻って恐縮なんですが1点だけ。
毎年この時期に、1月、12月ぐらいに行われていた市民説明会、名古屋城木造復元の市民説明会が今まで5回とか6回とかあったものが、去年1回になってしまったってことで僕も質問させてもらいましたが、今年度は今のところ予定されてないと思うんですね。
0回になってると思うんですけれども、その説明を市長の口から説明を聞きたいと思います。
河村市長:まあとりあえずまあ前回の市民討論会という名をうったったんかなあれ。
あれの、いや、あんたのいわっせるのは市民説明会だけど、こないだ問題になった討論会ですよ。
市民討論会のあの問題が、とりあえず解決というか、一応の報告はにゃあうちはやりにくいわねそりゃあ。なんか
それは私もやむを得ないかと思いますが、こんな本当に今日出るんだったら、それを受けていっぺんやってもいいですよね。また。
だけど、無作為抽出という方法は、本当に本当は一番いいと思うんですよ。
無作為抽出。大体いつも国会議員で長いこと国会議員民主党でやってきたけど、国交省なんかいろんなものを作るときにやるんです、八百長で実際表にでたところあるがね。
だから、今まで残念だけど、ものすごい回数やったでしょ名古屋城に関しては、説明会。
ぼくもようけ出てってますよこれ。
こうなると、皆さん自由に喋ってもらうのは当然やけどどうしてもある程度決まった人ということになりがちなんですよ、これ。
なもんで、だけど、やるのはやらないかんと思います。
とにかく今回のことについての報告に対して名古屋市がどうしよう、だからどうするとか、
どうだということについては、この会見でもいうことになると思いますけども、やっぱり市民説明会なんらかやるべきだと思うんです
記者:差別発言の問題も含めて、市民説明会として年度内に市長としてはやりたいと。
河村市長:それやらないかんでしょう。と思いますここまで丁寧にやっていたんだから。
市民説明会(討論会の間違い)については、私は私で、確かに不注意だったかわからんけど、
うん、僕は僕なりに、やっぱり本当の無作為抽出して、一般から来た人が自由に意見を言うというのについてはね、いかんことありますよ確かに。言いすぎてあるんだけど、
それはそれで私は言いたいこともありますから、これは、だからそういうことをし、喋らさしていただいて、
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にもかかわらず、河村市長はまずは発言自体をとぼけ、はっきり「発言した」と追及されたら市民討論会の開催準備を行っていなかった市観光文化交流局に責任をなすりつけます。しかもその後は論点をそらします。
典型的な「河村話法」です。
24/1/29会見から年度内24/3/31まで2ヶ月。通常の市民説明会準備でも極めて時間がありません。
今からなら事実上1ヶ月です。
24/2/14発表の『中間報告』と同時に公表された松雄副市長ヒアリングには、「(河村市長の)指示をもらって決定していくというプロセスを名古屋城についてはずっとやっていました。」と明記されています。
なぜ今回、河村市長お得意の「指示書」を出さなかったか不明です。
「指示書」は、「自分がやりたいこと」だけ出し、「自分に都合が悪いこと」は出さない、というのであれば、あまりにもご都合主義です。
しかも、市民説明会で名古屋市が説明しないといけないのは、河村市長が言いたい「令和2年の文化庁基準」ではなく、「どうして市民討論会で差別発言が起こったか。『中間報告』で指摘された事項の市民への説明と、『中間報告』でも明らかにならなかった『アンケートに“設置しない”項目を入れた理由』『参加者に“何らかの昇降技術の導入が決定していた”ことを説明しなかった理由』『当初7月開催予定を大急ぎで6月に前倒しした理由』『最後の市長挨拶“熱いトークもあってなかなかよかった”を謝罪するもいまだに撤回しない理由』」ならびに23/6/12時点の『木造天守整備基本計画』で示された木造名古屋城の姿ではないでしょうか。
年度内に市民説明会ができるかどうか不明ですが、本来は、年度内に1回すればよいという訳ではなく、「市民が木造名古屋城の姿と意義に納得するまで」「差別発言が市民から起こらなくなるまで」何十回、何百回もするのが筋ではないでしょうか。
そうすることで、「真の市民の宝」が出来ると考えますが、現状では「差別の象徴」の城を作ろうとしているとしか思えません。
・令和5(2023)年6月12日「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)
『木造天守整備基本計画』
・令和2年4月17日 文化庁 文化審議会文化財分科会
史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準の決定について
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今後の予定
・24/2/28(水) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
・24/3/1(金) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
・24/3/4(月)10時〜 13時〜 石垣・埋蔵文化財部会(名古屋能楽堂)
・24/3/4(月) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
・24/3/4(月) 10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
・24/3/11(月) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
・24/3/13(水) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
・24/3/15(金) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
(24/2/22申込必着)
・24/3/19(火) 13時〜 名古屋市議会経済水道委員会
・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
(24/2/29申込必着)
・24/3/26(火)10時〜 名古屋市障害者差別解消調整委員会・名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
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24/2/19(月) 河村市長 名古屋城バリアフリー討論会「熱いトーク」謝罪も、撤回せず
河村たかし名古屋市長は24/2/19定例記者会見で、23/6/3に開催された名古屋城バリアフリー市民討論会の締めの言葉で「熱いトークもあってなかなかよかった」と発言したことに対し、「結果的に(参加した)車いすの方の心を傷つけたかなあ、不適切だった、すみません」と謝罪するも、撤回は断固として拒否しました。
・24/2/19 河村たかし名古屋市長定例記者会見
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
・令和6年2月14日 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(中間報告)
記者会見冒頭で、24/2/14に出された中間報告を受け、「速やかに謝罪をしなかったこと等に関しては改めて当事者の方や心を痛められた方にお詫びを申し上げます。」と述べました。
しかしながら、「無作為抽出は名古屋市政始まって以来」とし、普通の市民のかたが参加して発言してくれたことは大変ありがたかった、としました。
記者から「『熱いトーク』発言は撤回しないのか」と聞かれ、「間違ったことを言った際に撤回する。無作為抽出の人が参加して発言してくれてありがたかったということで発言したのは間違いない」として撤回しませんでした。
記者は「中間報告では、市長が『熱いトーク』と発言したことで、差別的な発言があってもある種評価したと捉えかねられないとある」と述べたところ、市長は「車いす当事者はあまり言っていなかった。実際参加した方、報道等によって知った方から聞いたことは無い」と述べました。
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中間報告
第5.事案における問題点と検証
3 当日の運営の実施・責任体制
(3)差別発言に対する市長のコメント
ア 問題点
市が主催する討論会で差別発言があり、注意喚起を何らすることなく終了してしまったことは、市が差別発言を問題視していないと受け取られかねないものであり、さらには、閉会に当たって、市長が「熱いトークもあってよかった」と発言したことは、討論会で発生した差別発言を問題ないものと捉えていると考えられても仕方のないことであり、市長の認識と発言の真意について、検証した。
ウ 評価
無作為抽出での参加者決定方法や参加者が自由に発言することについて、市長が高く評価すること自体は市長の政治スタンスにも関わることであり、当検証委員会が判断すべきことではないが、いずれにせよ、差別は人権侵害であって、いかなる場合でも許されるものではなく、差別を表現する自由というものは認められない。仮に当日の発言全体が正確に聞き取れていなかったとしても、記者会見等で、差別は許されないという市としての立場を明確に強く表明すべきであったと考えられる。
市長の閉会あいさつを聞いている市民としては、市長が、差別発言を不適切と指摘していないことから、すべての発言を「よかった」と指していると認識した可能性もあるだけでなく、むしろ「熱い」という表現からは、過激で強い口調だった差別を含んだ発言を評価したとさえ捉えられかねないため、後日であっても、差別発言に対して積極的に問題提起すべきであった。
市長の立場として、市民の自由な発言を尊重することそのものは理解できるが、公職者として、差別には、より厳しい姿勢で対応に取り組んでいただきたい。
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障害者団体は、「熱いトーク」発言に対し、23/6/13に名古屋市役所前で行った抗議集会で「障害者差別が?前で起きたことを無視した。明らかにバカにしているとしか思えない」と強く非難しています。
(出席するはずだった河村市長はドタキャンしました)
・2023年6月13日 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
名古屋城バリアフリー市民討論会における重大な人権侵害の原因究明及び再発防止策検討のための第3者検証委員会設置の申し入れ
辻直哉事務局長が「こういう集会は5年前もやった。今度は仲間が差別にあうというとんでもないことが起きた。私はいろんな名古屋市・愛知県・国の会議にでているが、一人の人を差別用語で攻撃する会議は聞いたことがない。
市長をはじめ市役所職員は誰も止めようとしなかった。しかも市長は『熱いトークがあってよかった』と述べた。明らかにバカにしているとしか思えない。」と述べました。
その後、23/6/3の実際の会場の音声を流しました。
辻事務局長は「『死にたい』とまで追い込まれた。どこが『熱いトークがあってよかった』のか。市長がこの場に来るかもしれないので、思いをぶつけて仲間を救おう」と述べました。
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24/2/16に開催された名古屋市議会総務環境委員会で横井利明市議(自民)は「国際コンペは『バリアフリーの装置をできる限り最上階まで』が条件だったはず。
それがある日突然『1階まで』に変わった。
障害者団体と対話していた担当職員は信頼関係が崩れ、仕事が止まった。職員の苦悩、葛藤はそこに苦しんだんだと思う。」と述べています。
少なくとも「熱いトーク」発言を河村市長が撤回しない以上、障害者団体との信頼回復は不可能ではないでしょうか。
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なお、河村市長は無作為抽出をいたく評価しているようですが、名古屋市政で無作為抽出での市民意見のヒアリングをしたことがないだけであって、全国では「熟議民主主義」「討議民主主義」「ミニ・パブリックス」「プラーヌンクスツェレ」など何百回もの事例があります。
・日本ミニ・パブリックス研究フォーラム
・市民討議会推進ネットワーク
OECDで示された「ミニ・パブリックス」活用ガイドラインでは、11項目示されています。
@目的
Aアカウンタビリティ
B透明性
C参加の包括生
D代表制
E情報
Fグループ討論
G時間
H高潔さ
Iプライバシー
J評価
今回23/6/3に行われた「市民討論会」は、上記11全てにおいて問題があったのではないでしょうか。
「無作為抽出」すればよいというものではありませんし、
むしろ逆効果のこともありえます。
今回、名古屋市は適切な手法で「市民討論会」が行わなかったことで参加した障害者を『死にたい』とまで追いこみました。
河村市長は、いまだに「熱いトーク」発言を撤回していません。
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24/2/16(金) 自民市議「名古屋城バリアフリー市民討論会は、対立構造をあおった末の『官製差別』ではないか」
24/2/16に名古屋市議会総務環境委員会が開かれ、名古屋城バリアフリー市民討論会の「中間報告」に関して質疑が約2時間行われました。のちに河村市長を招いて約3時間質疑が行われました。
横井利明市議(自民)は「大天守地階は鉄骨等で支える案となっており、『史実に忠実』とはとても言えない。
なぜ河村市長はエレベータ―だけ問題視するのか。
『▲と市民』という形で常に対立構造に置くことで力を得ようとした人がいたのではないか。
今回はたまたま障害者であり、『官製差別』ではないか」と述べました。
河村市長は「『鉄骨のことがばれるとまずいからエレベータ―を問題視している』という推測は間違っている」と述べました。
また、市民討論会最後に述べた『熱いトークがあってよかった』は、複数の市議からの複数の追及でようやく不適切だと認めたものの、最後まで発言の撤回は行いませんでした。
・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会 説明資料
・令和6年2月14日 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(中間報告)
・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会
名古屋市民オンブズマンによるメモ
・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会前半
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会後半
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
ふじた和秀市議(自民)は「中間報告を出すに当たり、途中で『急げ』と名古屋城担当者からあったやに聞いているが」と質問し、
担当者は「事務局への直接的な働きかけはなかった」としたものの、鳥羽スポーツ市民局長は「普段の会話から『早くやって欲しい』と感じていた」と認めました。
ふじた市議は「10年ほど前、名古屋城天守復元に関し、『文化庁は木造以外認めない』と市議会本会議で当時の市民経済局長が偽りの答弁を行った。
今回『急げ』というのは何も改善していない。
やりたいことありきで、やるべきことをやっていない。
10年ほど前までさかのぼって深く掘り下げないと、根底的なことが解決しない」と述べました。
横井市議は「国際コンペは『バリアフリーの装置をできる限り最上階まで』が条件だったはず。
それがある日突然『1階まで』に変わった。
障害者団体と対話していた担当職員は信頼関係崩れ、仕事が止まった。職員の苦悩、葛藤はそこに苦しんだんだと思う。
人権問題もあるが、仕事の進め方でパワハラではないか」と述べました。
田口一登市議(共産)は「中間報告では、国際コンペを経て導入が決まっていた小型昇降技術について、アンケート項目で『どこまで設置するか』を削除したことが市民を誤認させたとあった。
市長の意向が関係していると推論せざるをえないとするが、事実関係があいまいだ」とし、ふじた市議が「市長を呼んで話を聞こう」としました。
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委員会に出席した河村市長は、聞かれたことに正面から答えず、はぐらかしばかりでした。
肝心の「アンケート項目に『設置しない』を入れた理由」は結局『覚えていない』と答えました。
河村市長は「MHIとは別の『シャクトリムシ』『小型リニアモーター』技術に期待していた。しかし国際コンペに応募がなかった。
(のちに『シャクトリムシ』はリタイアしたことを認める)」と述べました。
横井市議は「令和5年度2月補正予算で、MHI契約に債務負担行為として7800万円予算計上している。それは必要ないという理解でよいか」と述べました。
河村市長は、市議が質問している際、不規則発言を繰り返し、複数回委員長から注意されました。
また、2023年10月住民票コンビニ交付導入時、河村市長が「奥さんが区役所に取りに行けばいい」と発言した際のことを聞かれ、「何の通知もなく質問するのは人権侵害だ」と述べました。
横井利明市議(自民)は「大天守地階は鉄骨等で支える案となっており、『史実に忠実』とはとても言えない。
なぜ河村市長はエレベータ―だけ問題視するのか。
『▲と市民』という形で常に対立構造に置くことで力を得ようとした人がいたのではないか。
今回はたまたま障害者であり、『官製差別』ではないか」と述べました。
河村市長は「『鉄骨のことがばれるとまずいからエレベータ―を問題視している』という推測は間違っている」と述べました。
ふじた市議は「無作為抽出で市民の意見を聞きたかったのであれば、市長がその場にいなければよかったのでは」と質問しましたが、河村市長は「出て行かないのは想像できない。欠席してはいけない」と述べました。
近藤和博市議(公明)は「討論会参加申込書に『“障害者に配慮”考えに疑問を持ったから』とあった。細心の注意を払うべきだった。
また、どうしてシャクトリムシ等の技術ができてから討論会をしなかったのか。
『8月復元検討委員会に間に合わせないと行けない』という強い意志があらわれたのでは」と述べました。
河村市長は2023年6月本会議での田口市議への答弁を繰り返しました。
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市長退席後、ふじた市議は「市長の名古屋城木造復元への思いが強すぎ、職員らが過剰に『忖度』して討論会の時期を早め、アンケート項目に『設置しない』を加えた、という確信が固まった。
今回たまたま車いす利用者が参加し、差別発言が浴びせられたが、もし車いす利用者がいずにこの議論がなされたと思ったらぞっとする。『小型昇降技術をつける』という方針がひっくり返ったかも知れない。
とことん遡って市政運営、やり方が本当に正しいのかやらないと、人権問題は解決出来ないと思う」と述べました。
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3時間にも及ぶ市長質疑でもいまだに不明な点があります。
1)どうしてアンケート項目に「設置しない」を入れたのか
2)どうして6月に前倒しで市民討論会を行ったのか
「検証委員会」には木造復元事業が提案されたころからさかのぼって検証いただきたいです。
今回、河村市長の「不規則発言」が、たまにマイクを切り忘れた際にネット中継で聞こえてきました。
このような「不規則発言」は、現場ではずっと聞こえているのだろう、委員会だけでなく、普段の「市長レク」でもこのような状況なのだろうと推察されます。
また、横井市議は「令和5年度2月補正予算案で、MHI契約に債務負担行為として7800万円予算計上している。それは必要ないという理解でよいか」と述べています。
大天守地階は鉄骨等で支え、その下はマットスラブの基礎をつける計画です。
令和6年度当初予算案では、木材保管料約1億円も計上しています。
参考:令和5(2023)年6月12日「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)
『木造天守整備基本計画』
09_第8章_復元計画と活用
表-8.1.2 基礎構造検討例比較表
「差別の城」を作ろうとしている名古屋城木造復元事業。
そもそも障害者団体は、MHIの小型昇降技術については「車いす1台、介助者1名では小さすぎる。バリアフリー等に基づき、大型で最上階まで登れるエレベータ―を望む」としています。
2024/2/20から開催される名古屋市議会本会議。補正予算・当初予算の活発な審議を期待します。
また、河村市長が24/1/29定例記者で発言した「中間報告が出てから市民説明会を行う」をぜひ実行していただきたいです。
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今回市議会委員会を傍聴しようとしたところ、「パソコン持ち込みはキーボードを叩くため『音を発生する機器』に当たると解釈し禁止」されました。
委員会配布資料も、市議会公式ページからではダウンロードできません。
これだけ活発な質疑がなされてるので、もっと積極的にアピールしてはどうかと思います。
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今後の予定
・24/2/19(月)10時半〜 河村市長定例記者会見
・24/2/20(火)-3/22(金) 名古屋市議会
・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
(24/2/22申込必着)
・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
(24/2/29申込必着)
・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
24/2/14(水) 名古屋城バリアフリー市民討論会検証中間報告「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」
「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」は24/2/14に中間報告をまとめて河村たかし名古屋市長に手渡し、その後記者会見を行いました。
中間報告では「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」等と述べています。
市長ヒアリング発言記録、副市長ヒアリング発言記録もウェブに掲載されています。
・令和6年2月14日 中間報告
河村市長が強引に進めようとする名古屋城木造復元事業に関し、名古屋市は22/12/2に小型昇降技術(MHIエアロスペースプロダクション)を世界公募の末選んだにもかかわらず、23/4/9-5/8に、無作為抽出された名古屋市民5000人に対し「設置しない・1階まで・最上階(5階)まで」を問うアンケートを行いました。
23/6/3には、上記5000人のうち希望者のみ参加出来る形で名古屋城バリアフリーに関する市民討論会を開催し、36名が参加しました。
終盤、参加した車いす利用者の発言に対し、別の参加者から「平等とわがままを一緒にするな、どこまで図々しい、我慢せい」「■■(障害者を示す差別用語)」など発言があり、車いす利用者と言い合いになり、市職員は一旦は制止したものの、その後は言いっぱなしとなり、一部の参加者が差別発言者に対し拍手をしました。
河村市長は最後に「熱いトークもあってなかなかよかった」と発言し、他市職員は車いす利用者に声もかけず、差別発言に対する市としての説明や謝罪などの対応も行いませんでした。
市民討論会の様子は名古屋城公式YouTubeに配信されていましたが、「一部の市民の方から不適切な発言があった」と公開が一時停止されつづけています。
・市民討論会会議録
・差別発言部分【一部非公開】
23/8/18に名古屋市は学識経験者3名、副市長・局長計4名からなる「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」を設置し、討論会当日の差別事案に係る直接的な原因究明の検証を中間報告としてまとめました。
今後、遠因や背景などについて検証の必要が生じた場合は整理するとのこと。
「中間報告」は89ページもあります。
特に問題点指摘部分を要約しました。
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・「討論会」の目的が不明確だった
2022年12月に最優秀者を選定したにも関わらず、アンケートに、『昇降技術』を「設置しない」との選択肢を記載したことは疑問である。
職員ヒアリングによれば、「設置しない」という選択肢を設定したのは、『昇降技術』設置に反対の市民意見も多く届いていたので、反対も含めてフラットに聞く必要があると考えていた。
所管副市長・職員へのヒアリングによって、討論会直前の段階でも、所管副市長及び職員は、市長の考えは変わることはないだろうと考えており、1階までという市長の指示を受ける想定で方針決定の準備作業をあらかじめ進めていたことが確認された。
(参考資料12:名古屋城木造天守のバリアフリーの方針(令和5年5月30日実施の市長レク資料))※令和5年6月6日に名古屋市長名で発出予定。
可能性がない「設置しない」という選択肢をアンケート項目に置いたことで、『昇降技術』の設置が決まっていないのであれば、設置しないという判断を市長に求めるために議論が先鋭化することは十分に想像ができ、そのことが差別発言につながってしまった側面は否定できない。
実際には、文化庁への提出スケジュールを優先するため、技術的にどこまで設置できるのかわからないまま市民に意見を聞くことになった点も、市民を誤認させた一因と考える。
変更理由を明らかにすべく具体的な指示や議論などを確認したところ、記録がなく詳細がわからないとのことであったが、少なくとも、市長の『昇降技術』を「設置しない」という当時の意向が関係しているのではないかと推認せざるを得ない。
・「討論会」の名称が不適切だった
『昇降技術』の意見聴取のためだったが、「討論会」の名称で実施している。これによって、意見が異なる市民同士で討論を行うことが予定されているような意味合いが含まれ、参加した市民の意識に影響を与え、対立意見の応酬となる素地を作ってしまい、その結果として、差別発言が発せられる契機となってしまったのではないか。
・毎年実施してきた市民向け説明会とは異なる特殊性があった
無作為抽出によりアンケートを送付し、その中から参加者を決定する方法は、これまで市では実施していない運営方法であった。
職員は、討論会事業に対するスケジュールの厳しさや業務への負担感を非常に強く感じており、職員は事前準備において、さまざまな想定ができない状態に陥っていたものと考えられる。
・問題発生の想定が甘かった
対立する強い意見は想定していたものの、市民向け説明会での経験上、厳しい意見は市に対して行われるものと考えていたが、市民同士で言い合うことは、想定していなかった。
市長が参加することにより、市長の意向に賛成の人も反対の人も市長に自己の主張を積極的にアピールしようといった意識が働き、議論が先鋭化する結果、感情的な発言等が出てくる可能性は十分に想定できたと思われる。
・スケジュール設定に無理があった
令和5年3月上旬、名古屋城総合事務所は討論会の開催時期を7月下旬に設定したが、所管副市長の指示により、文化庁の復元検討委員会が例年開催される8月を目標に逆算して5月下旬に前倒すこととなった。(最終的に6月3日となった。)
名古屋城総合事務所からは、スケジュールが厳しいとの認識を局長や所管副市長に示していた。
・委託業者との連携体制が不十分だった
討論会の目的に関連して、『昇降技術』の設置自体が決定していることについては、打合せする中で委託業者も理解しているだろうとの認識があり、市から委託業者へ明確には伝えていなかった。
委託業者は、『昇降技術』の設置は決定しているという認識はなかった。
本事案のような過去からの意見対立があり人権上の配慮が必要な事案では、特に、主催者である市が責任を持って必要なリスク管理や対応の指示をすべきであった。
・人権侵害のリスクが想定不足だった
個人が特定されないようにといったプライバシーの配慮については市と委託業者で打合せ等されていたが、不測の事態は想定していなかった。
差別事象マニュアルに対する関係職員の認識が薄かった。
・運営・進行に関する認識と意識が共有不足だった
多くの参加者は『昇降技術』が公募によって選定され設置が決定しているものであることを認識していなかったと考えられる。
バリアフリーを不要と求める市民の意見に対して、市は、方針として『昇降技術』の設置は決定していると説明をしなかったことは、公平性の点で疑問がある。
そもそも、公募で選定された『昇降技術』については、エレベーターを希望する市民と焼失前の姿を希望する市民の対立する意見がある中で、史実に忠実な復元とバリアフリーの両立を市が求め障害者団体への意見聴取など時間をかけて検討し進めてきた結果であるが、その経緯等が市民に理解されていないまま議論が進められていたものと思われる。
・差別発言への対応
差別発言を含む意見に対する拍手について、市からのアナウンスも特になかったことから、参加者としては、意見の対立が意識され、差別発言も含めた意見全体として賛同が一定数あると感じ、会場が差別的な発言を容認するような雰囲気となってしまっていた可能性がある。
なお、無作為抽出で選ばれた市民に自由に発言いただくことについて市長が非常に重き価値を置いた発言を検討段階からしており、職員も委託業者も同様の認識でいた。そうした市長や職員が非常に重視する市民の自由な発言であったことから、制止や注意することに対して躊躇した面もあったのではないかと推察される。
・差別発言に対する市長のコメント
差別は人権侵害であって、いかなる場合でも許されるものではなく、差別を表現する自由というものは認められない。
職員においても、差別発言が聞こえていたのであれば、仮にその場で動けなかったとしても、会の終了までに何らかの手段で市長に進言すべきであったが、その意識がなかったものと思われる。
市長の閉会あいさつを聞いている市民としては、市長が、差別発言を不適切と指摘していないことから、すべての発言を「よかった」と指していると認識した可能性もあるだけでなく、むしろ「熱い」という表現からは、過激で強い口調だった差別を
含んだ発言を評価したとさえ捉えられかねないため、後日であっても、差別発言に対して積極的に問題提起すべきであった。
再発防止に向けて取り組むべき事項
1 職員研修の充実
(1)人権意識・人権感覚の育成
(2)障害及び障害者理解の一層の促進
2 障害者差別解消の推進に関する法律、条例の周知徹底
3 人権施策推進会議(局長級)・幹事会(課長級)の企画運営の見直し
4 差別事案発生防止のための体制づくり
5 差別事象マニュアルの抜本的見直し
6 市民・事業者の障害及び障害者理解の一層の促進
7 対話によるバリアフリーを推進するための仕組みの整備
8 その他
・今後の検証に向けて
障害当事者の参加を考慮しない無作為抽出の手法による市民意見をもとに方針決定する場合に注意すべき点はなかったか。
中間報告では、差別事象に直接的に関わる事項に限定して検証してきたが、最終報告では、過去の経緯も含めて、これらの疑問点に関して検証していく予定である。
名古屋城のバリアフリーに関する問題については、厳しいスケジュールのもと合理的配慮を確保するため、職員は検討・調整に奔走してきた中で市長や様々な立場の市民からの意見にも対応する必要があり、そのために苦悩や葛藤も少なからず抱えてきたと推測されるが、そうしたことが、討論会の準備・運営や差別発言への対応に影響を与えたのではないか。
こうした点を含め、本件事案についてさらに検証していきたい。
最終報告では、人権全般に関する包括的で実効性のある条例等の必要性についても考えていきたい。
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松雄副市長ヒアリングを以下要約しました。
名古屋城木造復元事業についてはオンブズマンがブログで意見を述べており、市民討論会についても無作為抽出で選ばれた市民の中の希望者だけで実施するのが適当なのか、というような意見を載せていました。それも若干念頭にあって、追加の希望者を入れる提案をしました。オンブズマンから直接言われたわけではありません。
肌感覚では、昇降装置の設置は、賛成、反対、2対8や3対7で設置しないという感覚でしたが、それが正しいのだろうかと思っていました。市民アンケートの結果、半数が5階までという結果になり、昇降技術の公募をした時の方向性で進めていけるのだとホッとしました。市長にも肌感覚だけで決めてはいけないという意味で、やった効果があったと思っています。
討論会以前に市としての方針は決まってはいません。私は、少なくとも昇降装置を設置しないというのはありえない、公募を行ったこともあり絶対に避けなければならないということで、1階までは設置しなければならないと考えていましたが、市長の考えを聞いたことはありませんし、この時の市長の考えを知る由はありません。その資料は、少なくとも1階まではという私どもの意見を市長に示したものであり、市長が決定したものではありません。方針を決定してくださいということであって、市長からの指示を明確にしていただかないと動けないことについては、いつも指示書をいただいているものです。市長の判断を受けて修正するもので、いざとなれば書き換えればよいものです。
指示をもらって決定していくというプロセスを名古屋城についてはずっとやっていました。こういうストーリーでいきましょうという案です。
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河村市長ヒアリングを以下要約しました。
市長指示書いうと、普通は市長が反対に部下に指示するやつを指示書というんだけど。指示書と。それ間違いじゃないかね。指示書と書いてある以上は、主語は河村さんになると思いますけどね。普通は。
当局が河村さんに指示するということはちょっとないと思いますので。指示書と書いてあるから。
だけどそういうふうに、その時に指示書が出たという記憶はないですが、まあその前の時点あたりで、1階、それとあと公募の条件に1階までは保証をするとか書いてあるもんで、まあ1階だわなあということは言っとったことは事実だと思いますね、1階だわねえと、僕が言っとったのは。だけど記者会見では1階か2階だとか。言いましたけど本質的部分、外見だけじゃないもんでお城の内部のね。
だから無作為抽出には最後までこだわって、だで僕は何で■■ちゃんが当たったのか、本当に大丈夫か言っとんですよこれ反対に。
一つ書類があるんで見られるといいんだけど、当時のあれは何、何部長だったかな、観光何とか部長だったかな、宮村いうのが、市長悪いけどこれからなかなか木造復元なんてそう簡単にはできんで、全責任を取ると。市長が。ということを文書に書いてくれ言うんですよ、いっぺん。これ。
そんなこと書かないかんのか、そのぐらいの気持ちにならんのか言ったら、いや書いてもらわんと前に動けんというので、公文書書きましたよ。ありますよ、ほんだで。俺が責任取ってやるわってそんなもの。
それと名古屋市会議員とも対立があってね、ずっとね。給料下げたもんだから。わしは怒っとるんですよこんな良い給料もらって。
ある日なんか、予算を決めるときに前日に電話がかかってきて、否決するという。いや、否決してもええけどそのかわりリコールなるよ。悪いけどこれは。そういうことを言ったらワーワー言っとったがとにかく給料のこと文句言うなと。それを約束してくれたら、名古屋城賛成する言ってました。自民党の市会議員が、長老が2人。そんなもんですから政治は、権力闘争で。本当にみっともねえいう話。
今言ったようなその2人の方は実はわかっとるはずなんですよ。それ聞いてる。 差別発言という。
第1番目の人は、ある記者が名刺のやりとりをしとって本人にインタビューしとるんです、これ実は。もう1人の方も資料があるんです。
なくしたとか言っとるけどそこへなんかお礼の手紙出したりしているので。会ってこいと早く。そこへ。そう言って、1人の方は、
僕はこれ又聞きですけど、NHKが言ってましたけど、会いに行って立派な方だったですよって「僕はちょっと気が短いもんで、申し訳なかった」と言っとるらしいんだわ。その人から■■ちゃんにお詫びしてもらうとそら違うよって、それ当たり前ですけど。
だからもう1人の人もわかっとるやろ言って、直接話をして、本人の気持ちを伝えてもらったらどうだ言っとるんだけど。やっとるんか
やっとらんのかどっちだしかし。返事はあれせんし。役人はこういうとこはけしからんですよ、本当に。民間なら絶対やりますよ。
会社つぶれちゃうから。という話ですわ。情けにゃあ。1人目の人はそう言っとったというのはNHKが言ってますわね。はい。
せっかくだで、今の差別意識の中で言ってくと。もう7年8年なるかな、このバリアフリーの話が出かけたときに、要するに、エレベーターはつけないという話を、名前はちょっとやめときますけど当局から話があって、これ複数いますから証人は出てくると思うけど。俺は福祉の団体にちゃんと相談したるかと言ったんですよ。
そしたらいやそれはいいですから、こうやって進めればそうなりますからって言うんで、馬鹿、ええか言って。と言った、
もう7年8年前ぐらいに。ちょっとどうしてもいや名前言いますけど、それまではちょっと内緒にしといてください。
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以下中間報告、河村市長、松雄副市長ヒアリングを読んだ感想です。
「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」とのことですが、そもそもどうして無理のあるスケジュールを組まないといけなかったのか、膨大な資料を読んでもわかりませんでした。
また、いわゆる「ノイジー・マイノリティ」である、小型昇降技術・エレベーター設置絶対反対の一部の声に、市が「屈した」ことへの問題意識はあまり見られませんでした。
小型昇降技術を設置する方針を市が決めたにもかかわらず、「小型昇降技術を設置しない」とアンケートに記載した理由もわかりませんでした。
アンケートの内容、実施に関して市民に秘密にした理由も不明です。
また、中間報告については、「討論会当日にどうして差別発言があったのか」と問うのであれば、「発言した市民」本人や参加した市民にヒアリングすべきだったのではないでしょうか。
河村市長も「2人の方は実はわかっとるはず」と述べています。
5000人市民アンケートの結果、「設置しない」が少数で焦ったことも、差別意見を含む過激化につながったのではないでしょうか。
・18歳以上の5000人無作為 1448人回答 29.0%
小型昇降技術設置しない:23.4%
1階まで小型昇降技術設置:16.9%
5階まで小型昇降技術設置:47.2%
今回、市長・副市長ヒアリングで、「名古屋城木造復元事業に関しては常に『市長指示書』をもらって決定してきた」と明らかになりました。
23/6/3バリアフリー市民討論会が開催される前、23/5/30に「23/6/6に市長名で『名古屋城木造天守のバリアフリーの方針』を出す」と内容も決まっていたことが明らかになりました。
これでは市民討論会は「アリバイ作り」です。
これまでどのような「市長指示書」が出されてきたのかは明らかとなっていません。
(参考資料12:名古屋城木造天守のバリアフリーの方針(令和5年5月30日実施の市長レク資料))
また、中間報告を作るに当たり、市職員にヒアリングをしていますが、それらを含め一部資料は非公開となっています。
障害者団体は、長年「小型昇降技術ではなく、憲法や条約、法律や条令に基づいた、大型で最上階まで登れるエレベーター」を求めてきました。
日弁連も22/10/24に名古屋市に対し、「あえて大型エレベーターを設置しないのは差別でかつ憲法・条約・法律等に違反し、最上階までの大型エレベーターを設置するよう」要望しています。
どうして人権侵害で差別である小型昇降技術をあえて採用したのか。
アンケートに、大型エレベーターの選択肢をどうして入れなかったのか。
非公開にしている情報を公開した上で、最終報告では、名古屋城木造復元事業がどのように進められてきたか、全体像を明らかにしてもらいたいです。
23/6/15に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、佐治独歩・名古屋市観光文化交流局長は「23/6/3に開催された名古屋城バリアフリー市民討論会をめぐる事件について、一連の検証が終わるまで名古屋城木造復元事業を進めない」と明言しました。
にもかかわらず、名古屋市はMHIエアロスペースプロダクションと「小型垂直昇降技術」開発のため、7811万1000円で23/10/31に契約していました。履行期間は2027/3/19(令和9年3月19日)です。
契約は佐治局長発言に反しないのか、検証が必要です。
中間報告書では「可能性がない『設置しない』選択肢が市民を誤認させた」ため、差別発言につながったとありました。
そうであれば、市は市職員への研修、市民への一般的な差別防止理解促進だけでなく、市民へ「木造天守に小型昇降技術は設置する。『設置しないこと』は可能性がない」と何百回も説明会等を行うことが、真の差別防止につながるのではないでしょうか。
河村市長は24/1/29定例会見で「差別発言検証中間報告が出た後、年度内に市民説明会を行いたい」と明確に述べています。
まずは中間報告に関する市民説明会ならびに質疑応答を複数回(最低でも各区1回)行うことが必要不可欠だと考えます。
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参考:2023年 05月 24日 市民オンブズマン事務局日誌
名古屋城木造復元バリアフリーアンケート 市長「無作為抽出は『フラットに聞くため』」
(無作為抽出された市民による政策形成プロセスに関する、OECDで示された「活用ガイドライン」に反していると名古屋市民オンブズマンは23/5/24段階で指摘しています)
2023年 05月 12日 市民オンブズマン事務局日誌
名古屋城木造復元バリアフリーアンケート文面 「市民討論会」開催後まで開示決定延長
(バリアフリーに関して、障害当事者を呼ばずに決めてしまうことはあってはいけない、と23/5/12段階で名古屋市民オンブズマンが指摘しています。)
・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
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今後の予定
・24/2/16(金)午後3時30分 市議会総務環境委員会 「中間報告」について
・24/2/20(火)-3/22(金) 名古屋市議会
・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
(24/2/22申込必着)
・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
(24/2/29申込必着)
・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
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24/2/11(日) 名古屋城 家康は石垣下手でも城づくり下手でもなかった
24/2/11に名古屋市立大学寄附講座開設記念 連続講座 第3回が開かれ、800人の会場が満席になりました。
1600人を超える応募があったとのこと。
講師の宮武正登・佐賀大学教授は「なぜか徳川家康は城づくりが下手と言われてきたが、石垣を見ると中央での技術進歩の方向性に順応した石垣普請をしてきた」、千田嘉博・名市大教授は「家康が作った馬出を見ると、超攻撃思想がわかる。」などと述べました。
配布資料は、アンケート以外ありませんでした。
写真撮影・録音・録画は禁止されました。
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
千田教授は「名古屋城調査研究センターが、名古屋城大天守西側の堀底を調査したところ、なごや御城惣指図にあった『幻の西小天守』の基礎石列が発掘された。
西小天守から対岸に橋を架ければ、御深井丸が天守専用出撃馬出となり、超攻撃型城郭となる。
しかし、家康は『徳川の平和』時代にふさわしい専守防衛天守にするため、西小天守をやめた。
名古屋城は家康の最晩年の集大成としての城であり、世界史的にも意義がある」と述べました。
司会者は「今回石垣、馬出と詳しい説明を受け、はじめて名古屋城を誇りに思えた」と述べました。
会場からは、特に小中高校生と思われる若い世代からの質問が相次ぎました。
伊藤恭彦・名市大なごや学研究センター長は「可能であれば来年度もこのような講座を行い、研究成果を市民に還元したい。
今回も抽選になった。今後はバンテリンドームを借りるしかない。
今回子どもたちの質問にたくさん答えていただいた。名古屋を好きになってもらい、郷土愛をはぐくむきっかけになれば」と述べました。
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河村たかし名古屋市長が強引に名古屋城木造復元を推し進めようとした結果、名古屋城に関する石垣など遺構の調査が不十分であると文化庁から指摘され、調査をしたところ様々な画期的成果があらわれています。
一方、2016〜2021年度に支出した木造復元事業に係る経費は73億円を超えています。
木造復元事業は建設費だけで505億円を見込んでいます。
名古屋市は23/3/14に、復元事業は「順調にいって2032年度」とはじめて述べましたが、23/6/3バリアフリー市民討論会での参加者の差別発言ならびに市の対応のまずさから、現在ストップしています。
名古屋城を知り、歴史に関心を持ってもらうためには、必ずしも木造復元は必要ではないのではないか。
むしろそのような経費をかけるくらいなら、ほかの方法の方がよいのではないか。
連続講座の大盛況をみるたび、そう思います。
木造復元に関し、冷静な議論が必要だと思います。
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・24/2/13(火)名古屋市令和6年度当初予算案公開
・24/2/14(水) バリアフリー市民討論会検証委員会 中間報告公表
・24/2/16(金)午後3時30分 市議会総務環境委員会 「中間報告」について
・24/2/20(火)-3/22(金) 名古屋市議会
・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
(24/2/22申込必着)
・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
(24/2/29申込必着)
・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
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24/1/16(月)名古屋城石垣部会委員「明治以降の石垣は地震に弱く警戒が必要」
24/1/16に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第58回)が開催されました。構成員の宮武正登・佐賀大学教授は「2024/1/1にあった能登大震災で、七尾城や金沢城の石垣が崩壊したが、明治以降の石垣だった。
熊本城も仙台城も地震で崩壊したのは明治以降の石垣。近現代石垣に疑問符がついている。
名古屋城ではいち早く色分けして別に把握する必要がある」と述べました。
・24/1/16 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第58回)
配付資料
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
今回、名古屋城調査研究センターから「平成29年度からはじめた石垣カルテ作成は、ほぼすべての石垣で作業が終わった
(令和6年度-7年度で、二之丸外堀、二之丸庭園付近、三之丸)。
令和6年度、各石垣に沿った保存方針を策定したい」と報告がありました。
宮武教授は「石垣カルテを作ってからが大変。保存方向や運用の形をどうするか。膨大なマンパワーが必要。
島原城、佐伯城では、行政ではなく『守る会、歴史愛好会』など市民参加型で見定めていこうという動きもある」としました。
その上で、「来週姫路で城郭石垣研究会がある。
そこでも報告されるが、2024/1/1にあった能登大震災で、七尾城や金沢城の石垣が崩壊したが、明治以降の石垣だった。
熊本城も仙台城も地震で崩壊したのは明治以降の石垣。近現代石垣に疑問符がついている。
名古屋城ではいち早く色分けして別に把握する必要があるのではないか。
導線、入場者がたびたび通過する石垣を考えないといけない。構造上の弱さがある」としました。
西形達明・関西大学名誉教授は「石垣カルテの結果に基づいてまずは石垣の安全対策が必要。
文化庁から、今年度中に診断マニュアル案が出てくると思う。
『近現代の石垣がなぜ壊れるのか?』は構造的に調べる必要がある。
石の控えが短い?経時的に強くなっていく?工学的に難しく面白い」と述べました。
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名古屋城天守台周辺石垣では、「濃尾地震時(1891年)に積み直した」
「近代以降に積み直した」とされる石垣面が多数あります。
石垣の総延長は約8.2km、5万uにも及ぶとされています。
24/1/1に発生した地震で、震度5強を観測した石川県金沢城は4ヶ所石垣が崩落したとのこと。
一部は人が通行可能な場所に落下したが、けが人はいなかったとのことでした(金沢城公園は当面の間閉園)。
名古屋城も早急に石垣の地震対策をすべきですし、危険度が高い石垣には近づけないようにすべきです。
なお、名古屋城木造復元に伴い、大天守台北対面石垣の上を重機が通る計画となっています。
木造復元工事に伴いどのような影響があるのか、しっかり調べる必要があります。
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今後の予定
・24/1/22(月)市財政局査定意見締切
・24/1/29(月)第5回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
(24/1/14申込必着)
・23/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・23/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・23/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・23/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
名古屋城所長「史実になく付加する3階-4階階段は実質的には常設」認める
23/12/25名古屋市議会経済水道委員会が開催され、上田剛・名古屋城総合事務所所長は「木造復元する名古屋城に、人命確保のため史実にない3階-4階の仮設階段を付けるが、実質的には常設となる」と認めました。
・令和5年12月25日 名古屋市観光文化交流局 経済水道委員会説明資料
名古屋城木造天守昇降技術開発業務委託契約について
・23/12/25 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
名古屋市は小型昇降技術開発のため、M H I エアロスペースプロダクションと23/10/30に7811万1000円で2027/3/19まで契約を結びました。
浅井正仁市議は(自民・中川区)は「河村市長は今回選定した小型昇降技術をいいふうに思っていなかったが」と質問し、名古屋城総合事務所小鹿主幹は「市長の決裁を受けて契約した」と述べました。
浅井市議は「市長もこの契約で最上階を目指すという考えでいいね」と質問し、小鹿主幹は「可能な限り上層階の導入を目指す。昇降技術開発における
検討状況を踏まえて、慎重に検討する」と述べました。
上田所長は「100%最上階が可能とは開発前段階では言えない。実装が可能な階層をしっかりと見極めたい。
市長のための開発ではなく、可能な限り多くの皆様に天守を楽しんで戴くために開発進めたい」と述べました。
浅井市議は「文化庁から『木造頑張れ』と言われたのか、市長が『木造頑張ります』といったので、『復元検討委員会の資料を見て頑張ってください』としかいいようがないのか。市長は誰から頑張れといわれたのか」と質問しましたが、佐治局長は「上層部の方とは聞いたが、具体的にだれかは市長に確認していない」と述べました。
浅井市議は「僕の資料では、文化庁は頑張れと一言も言っていない。印象操作だ。今回の人権問題も印象操作が一番の原因だと思っている。
名古屋城総合事務所としては、階段増設や昇降機設置しても『復元』という考えでよいか」と質問しました。
小鹿主幹は「付加的、仮設的に階段設置する場合は『復元』と考えている」と述べました。
浅井市議は「4階-5階は避難ハッチを付ける。3階-4階は階段を付ける計画。
復元、復元的整備によって、障害者を傷つける、人権を無視する。階段が付けられるならエレベーターを付けてもいいのではというのが文化庁の答え。なぜ文化庁の気持ちが分からないのか」と質問しました。
上田所長は「何よりも人命を最優先する。避難等に使用する階段は必須設備。実質的には常設になる。仮に人が入らないときに取れれば『仮設的』と我々は解釈している。『復元か人命か』は二律背反ではないと考える」としました。
浅井市議は「そうであれば階段は常設だ」と述べました。
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MHIとの契約上、開発契約は2027/3/19までです。逆に言えば、「2027/3/19にならないと、技術的に何階まで小型昇降技術がつけられるか確定しない」です。
その後市長が「何階まで小型昇降技術を付ける」と決め、ようやく文化庁に書類提出ができることになります。
その後約9年かかるとすると、計算上、木造復元は最短でも2036年度になるのではないでしょうか。
今回の名古屋市が提出した資料には「バリアフリーについては、再現される天守を広く観覧の用に供することは重要と考えているので、関係者が納得するような形で決着するように対応をお願いしたい」とありました。
障害者団体は「現在開発している小型昇降技術(車いす1名+介助者1名)では小さすぎる。誰でも大勢乗れる大きいエレベーターを最上階まで付けることを望むし、そうでなければ差別であり、憲法・条約・法律・条例等違反だ」としています。
日弁連も「大型エレベーターを最上階まで設置」するよう要望しています。
そうであれば、文化庁がいう「関係者が納得するような形で決着」ができないのではないでしょうか。
7811万1000円かけて開発する小型昇降技術。
仮になんらかの形で開発しても、障害者団体が納得することはありません。
誰のための名古屋城木造復元、誰のための小型昇降技術開発なのでしょうか。
名古屋城木造「小型垂直昇降技術」開発 7811万円で2027年3月までで契約
名古屋城木造復元に関し、名古屋市はMHIエアロスペースプロダクションと「小型垂直昇降技術」開発のため、7811万1000円で23/10/31に契約していたことが、名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。
履行期間は2027/3/19(令和9年3月19日)です。
上記契約に基づくと、2027/3/19にならないと「技術的に何階まで垂直昇降技術が付けられるか」確定しないことになります。
仕様書によれば以下の通りです。
その他気付いた点がありましたらご指摘下さい。
・少なくとも大天守の地階から1階の間に導入し、可能な限り上層階への導入を目指す
・高齢者、障害者等の意見を伺いながら開発を進めること
・成果品は各年度ごとに1部提出すること
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名古屋市は昇降新技術公募ホームページごと削除しています。
国立国会図書館のアーカイブで読めるのみです。
それによれば、開発費用(昇降技術開発契約)の上限額は8000万円。
その後あらためて導入費用(昇降技術導入契約)として2億円の上限を定めています。
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23/6/15名古屋市議会経済水道委員会で、荒川宏主幹は「文化庁から『昇降技術をどの階、どこに付けるか』を復元原案に書いてきなさいと指導を受けている」と述べています。
23/12/16に行われた「市政出前トーク」で、荒川主幹は「文化庁に書類を提出できないのは、バリアフリー計画が煮詰まっていないからだ。垂直昇降技術を何階までつけるか決めて文化庁に出す必要がある。
私がいうことではないが、河村市長は『昇降技術をつけたくない』。最終的には市長が判断する。」と述べました。
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23/3/14名古屋市議会経済水道委員会では、荒川主幹は「2023年度には文化庁の復元検討委員会で議論いただこうと考えている。概ね2年とか2年半かかると感じている。
その後現状変更許可で、その後木造天守の完成には6年半ぐらいかかると思う。
なので、2023年度からスタートしたとして約9年かかる。
ある程度順調にいくと2032年度。」と述べました。
しかしながら、本昇降技術開発業務委託契約書に基づくと、2027/3/19にならないと「技術的に何階まで垂直昇降技術が付けられるか」確定しないことになります。
・2027/3/19 技術的に何階まで垂直昇降技術が付けられるか確定する
・その後 市長が「何階まで垂直昇降技術を付ける」か判断する
・その後 名古屋市が文化庁復元検討委員会に書類提出
・2年とか2年半? 復元検討委員会で検討後、現状変更許可→着工
・6年半? 木造名古屋城完成
そうすると、順調にいっても完成するのは2036年度になる計算ではないでしょうか(間違っていたらご指摘下さい)。
現在2024年1月から数えると約12年後になります。
仮に、2027/3/19を待たずに市長が垂直昇降技術の階数を決めた場合、本契約書はなんだったのかということにもなりかねません。
また、「技術的には●階まで小型昇降技術が付けられること」が判明したとして、市長がそれより低い階数までしか小型昇降技術を付けないと決めた場合、何のための技術開発だったのかということになります。
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現在、「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に係る検証委員会」が開催されています。
上記検証委員会がいつ終わるか不明ですが、23/6/15名古屋市議会経済水道委員会で、佐治独歩・名古屋市観光文化交流局長は「23/6/3バリアフリー市民討論会の検証が終わるまでは名古屋城木造復元事業を進めない」と明言しました。
仮に検証委員会が終わったとしても、障害者団体は「今回公募で決まった小型昇降技術は人権侵害であり承服できない。
市民を分断し、差別を助長する名古屋城木造天守復元事業を即時中止すること」と述べています。
・2022年12月7日 愛知障害フォーラム(ADF) 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
名古屋城木造天守昇降技術および市長発言の撤回要求と抗議
・2023年6月13日 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
名古屋城バリアフリー市民討論会における重大な人権侵害の原因究明及び再発防止策検討のための第3者検証委員会設置の申し入れ
・チラシ
日弁連は22/10/24に名古屋市に対し、「あえて大型エレベーターを設置しないのは差別でかつ憲法・条約・法律等に違反し、最上階までの大型エレベーターを設置するよう」要望しています。
以下まとめました。
@木造復元+5階まで大型エレベーター+外部スロープ(障害者団体希望、日弁連要望)
A木造復元+5階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
B木造復元+4階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
C木造復元+3階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
D木造復元+2階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
E木造復元+1階まで小型昇降機+外部スロープ(松雄副市長案、今後の技術開発次第)
×木造復元+昇降機無し 人を入れる(市長案)
×木造復元+昇降機無し 人を入れない(文化庁が認めない)
F現天守を耐震改修+最上階まで大型エレベーター
順調にいっても2036年度?に完成?する名古屋城木造復元事業。
「差別の象徴」の城を作るために7811万1000円もの税金を支出するのか。
順調に技術開発が進んだとしても、まだまだ超えなければならない課題は限りなく高いです。
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なお今回の開示資料の中に、「市建築物総合耐震設計基準」がありました。
(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄骨造の市設建築物の設計に適用する)
大地震時の層間変形角の制限値がRC造、SRC造で1/200、S造で1/100でした。
木造復元名古屋城は、震度5強程度で1/60、震度6強程度で1/30を目標としています。
2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震を見るまでもなく、これまでの地震想定をはるかに超える地震が相次いでいます。
障害者を差別し、人命を危険にさらすようなまねをしてまで、木造復元を行う意義がどこにあるのでしょうか。
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今後の予定
・24/1/13(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・24/1/14(日)10時〜 積直しから読み解く名古屋城石垣の歴史(満員)
・24/1/16(火)10時〜 第58回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会 KKRホテル
・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
(24/1/14申込必着)
・23/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・23/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・23/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
・23/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館