名古屋城 本丸御殿+木造天守閣問題特集


2023年8月-2024年3月
  • 24/3/22(金) 名古屋城跡全体整備検討会議委員「有識者が何回言ってもなぜ名古屋市は変わらないか」
  • 24/3/19(火) 名古屋市議会2委員会は附帯決議を付けていずれも名古屋城・特別秘書関連予算案可決
  • 24/3/18(月)名古屋市「河村市長から、名古屋城市民説明会で賛成派も集めるよう指示」認める 市は拒否
  • 24/3/15(金)田中市長特別秘書「2019年名古屋城木造復元市民説明会でサクラ要請」認める
  • 24/3/13(水)名古屋城総合事務所「名古屋城バリアフリー市民アンケート項目変更は市長の意向が働いた」認める
  • 24/3/8(土) 自民市議「木造名古屋城 約129億円契約済だが1mmも動いていない。505億円でできなければ市長が全責任を取るのか?」
  • 市経済水道委員会 名古屋城新昇降技術等令和5年度2月補正を可決
  • 名古屋城 耐震改修と木造復元を比較してみました
  • 24/3/1(金) 公明市議「MHI提案破棄、補正予算議案取り下げて、理想の名古屋城昇降装置ができてから基本計画書を出されては」
  • 24/2/28(水) 名古屋城昇降技術案「尺取虫」24/3/1(金)午前10時半- 市議会委員会で特別秘書質疑
  • 24/2/26(月) 河村市長 名古屋城市民説明会 年度内開催を指示せず 今後市当局と相談
  • 24/2/19(月) 河村市長 名古屋城バリアフリー討論会「熱いトーク」謝罪も、撤回せず
  • 24/2/16(金) 自民市議「名古屋城バリアフリー市民討論会は、対立構造をあおった末の『官製差別』ではないか」
  • 24/2/14(水) 名古屋城バリアフリー市民討論会検証中間報告「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」
  • 24/2/13(火) 名古屋市令和6年度当初予算案 名古屋城木造復元 昇降技術開発等約4億円計上 
  • 24/2/11(日) 名古屋城 家康は石垣下手でも城づくり下手でもなかった 
  • 24/2/3(土) 濱田准教授「名古屋城石垣の約7割は築城当時が残っている」
  • 24/1/29(月) 名古屋城木造復元 河村市長「差別発言検証中間報告が出た後、年度内に市民説明会を行いたい」
  • 【独自】名古屋城木造復元基本協定書 完成期限を2026年3月末に延期
  • 24/1/16(月)名古屋城石垣部会委員「明治以降の石垣は地震に弱く警戒が必要」
  • 23/12/25(月) 名古屋城所長「史実になく付加する3階-4階階段は実質的には常設」認める
  • 【独自】名古屋市 2023年度名古屋城木造復元市民説明会は開催しない方針
  • 名古屋市令和6年度予算要求財政局査定 名古屋城木造復元約4億円「市長査定で対応を検討」
  • 名古屋城木造「小型垂直昇降技術」開発 7811万円で2027年3月までで契約
  • 名古屋城天守木造復元 竹中工務店との基本協定等『暫定的に』2025年3月末まで延長
  • 23/12/22(金)名古屋城有識者「天守台北対面石垣保存で鉄筋挿入はやむを得ないが、もし天守台石垣で同様のことをするなら反対する」
  • 名古屋市令和6年度当初予算要求に名古屋城木造復元関係計上せず
  • 23/12/16(土) 市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」に約30人
  • 23/11/27(月) 自民市議「文化庁は『木造名古屋城に新たに3-4階常設階段を付けると復元的整備となる』と文書で示した」
  • 23/12/16(土) 市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」に参加を
  • 23/11/17(金) 名古屋市障害者施策推進協議会委員「市障害者基本計画素案の『名古屋城バリアフリー市民討論会』に関する書き方は生ぬるい」
  • 23/11/13(月) 中日新聞記者による「名古屋城木造復元」取材の裏側
  • 23/11/13(月) 河村市長 記者クラブに「村瀬市議離党時文書 記者クラブから市議に流出したのはよくないことであると」
  • 名古屋城バリアフリー市民討論会 「差別する自由」はあるのか
  • 23/11/7(火) 名古屋城木造復元 公共事業の見直し対象にしなくていいの?
  • 23/11/6(月) 名古屋城石垣部会開催 安全確保のため、石垣積み直しに最低限度の現代工法を検討
  • 23/10/17(火) 名古屋市 公共事業再評価は国土交通省所管交付金・事業のみ対象
  • 23/10/26(木) 減税日本元団長「名古屋城バリアフリー対策は党内で議論なかった」離党届提出
  • 23/10/2(月) 名古屋城バリアフリー新技術 自民市議「このまま契約せず、MHIがやめたと言うことを恐れる」
  • 23/9/27-10/31 名古屋城木造復元 千田教授「『史実に忠実』と『バリアフリー』の両立は国際標準」
  • 23/9/19(火) 名古屋市局長 市議会で「名古屋城現天守を観覧できる方法がないか検討する」明言
  • 23/9/9(土)名古屋城木造復元 石垣部会委員「『バリアフリーVS木造天守』では膠着状態が続く」
  • 23/9/4(月)河村市長が自民団長に「減税日本団長は『名古屋城最上階までエレベーターを検討する』と言っていない」と公開質問状
  • 23/8/30(水)「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」差別発言検証委員会 検証の方法・内容非公開
  • 23/8/28(月)名古屋城バリアフリー市民討論会差別発言検証 河村市長「(差別発言被害者は)集会だけの出来事に絞って欲しいと言っている」
  • 23/9/9(土)名古屋城バリアフリーシンポ 名古屋市は急遽登壇キャンセル
  • 23/8/23(水)名古屋市障害者施策推進協議会会長が名古屋城バリアフリー市民討論会に対し意見書提出
  • 23/8/22(火)名古屋市障害者差別解消支援会議委員「名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会に障害当事者は1人のみ」
  • 23/8/21(月)全国の障害がある議員が河村市長に名古屋城バリアフリー申入れ(非公開)
  • 23/8/20(日)名市大理事長「千田特任教授は松雄副市長がご尽力しお招きした」
  • 名古屋城バリアフリー市民討論会質問用紙 市は「筆跡で個人が特定可能」と内容非公開
  • 23/8/1(火)名古屋市人権施策有識者「名古屋市でも人権条例を作った方がよい」
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    24/3/22(金)名古屋城跡全体整備検討会議委員「有識者が何回言ってもなぜ名古屋市は変わらないか」

    24/3/22(金)特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第59回)が開催されました。
    天守台及び周辺石垣の保存対策について議題となり、三浦正幸・広島大学名誉教授は「前回(23/12/22)の全体会議でも、割れた石材を補修する際は、『エポキシ系樹脂は耐用年数が短いから使わない方がよい』と指摘したのに、今回も提案されている。
    文化財は100年もたないとだめなので、エポキシ系樹脂を使うのは間違っている」と述べました。
    座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「会議で何回言ってもなぜ名古屋市は変わらないか」と述べ、有識者で議決を取り、「『エポキシ系樹脂は今後使わないようにして』が有識者の意見だ」と述べました。
    結局名古屋城総合事務所は有識者会議に再度資料を出し直し、その後に文化庁に対して現状変更申請を行うことになりました。


    24/3/22 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第59回)配付資料
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240322.pdf

    24/3/22 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第59回)
    名古屋市民オンブズマンによるメモ
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240322-1.pdf

    参考:特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議
     第58回会議(令和5(2023)年12月22日)
     配布資料、議事録
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2023/04/20230404_4218.html
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    今回も、なぜかU65石垣(大天守台北対面石垣)の保存対策について議論になりました。
    理由は「特に変形が見られ、現在名古屋城観覧者の導線になっているにもかかわらず現状が悪い」ためとのこと。
    名古屋城は今回も、U65石垣にこだわる理由を説明しませんでした。

    そんなに状況が悪いのであれば、観覧者を通行止めにすればよいだけです。もしくは、いったん通行止めにして、石垣を全部解体し、積み直せばよいです
    何年、何十年かかるか、費用がどれくらいかかるか分かりませんが、そのような選択肢は全く示されませんでした。

    想像ですが、ここでも名古屋城木造復元事業と関係があると思います。
    今回議論になった天守台北対面石垣(U65)は、木造復元の工事をする際、重機が上を通る計画となっています。
    (参考:令和5(2023)年6月12日 特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画
     08_第7章_現天守閣の解体・木造復元時における仮設計画
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/2023/06/14/uploads/b3d07d330198d0563629b0b4b4df8980.pdf
    名古屋市は、木造復元を進めるため、どうしてもU65の保存対策をしなければ、文化庁が許可を出しません。
    名古屋城総合事務所や委員は全員知っているが、あえて会議ではいわなかったのではないでしょうか。

    天守台北対面石垣の抜本的改修をせずに、小手先の補修で済ませようとするのは、どう考えても「木造復元事業を早く進めたいから」としか思えません。

    エポキシ系樹脂は有機樹脂で、耐用年限が短く、紫外線20年で劣化するとのこと。
    しかもいったん石材につけたエポキシ樹脂は取れないため、『最もよろしくない』(三浦名誉教授)とのこと。
    名古屋城総合事務所は、木造復元事業を急ぐあまり、真の文化財保護にならないことを行うのを何度繰り返せばよいのでしょうか。
    人権無視や市民意見無視も同じ原因ではないかと思います。

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    今後の予定

    ・24/3/26(火)10時〜 名古屋市障害者差別解消調整委員会・名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172381.html
    ・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/

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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/
     
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    2024年3月23日 10:01 名古屋テレビ
    名古屋城天守木造復元の市民説明会で“賛成派のサクラ”動員疑惑 市長特別秘書が市議に依頼か
    https://www.nagoyatv.com/news/?id=023495

    24/3/19(火)名古屋市議会2委員会は附帯決議を付けていずれも名古屋城・特別秘書関連予算案可決

    24/3/19(火)に名古屋市議会経済水道委員会・総務環境委員会が開催され、いずれも附帯決議を付けて名古屋城・特別秘書関連予算案が可決されました。

    ・24/3/19(火)名古屋市議会経済水道委員会附帯決議
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240319-1.pdf
    ・24/3/19(火)名古屋市議会総務環境委員会附帯決議
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240319-2.pdf

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    名古屋市議会経済水道委員会附帯決議では、「名古屋城天守閣木造復元事業については、過去の市民説明会において、市長から職員に対し、賛成の意見を持った参加者を動員するよう発言があった旨の答弁があった」と明確に述べています。

    名古屋市議会総務環境委員会では、田中特別秘書が、2019年名古屋城市民説明会時に、減税市議を通じて「桜」を依頼していたことが判明しました。

    にもかかわらず、予算案を可決するのは理解できません。

    また、これまでも名古屋市議会は名古屋城木造復元事業をめぐり多数の「附帯決議」をあげてきましたが、ことごとく無視されてきました。
    再度「附帯決議」をあげることにどの程度の意味があるのでしょうか。

    ・15/9/30 附帯決議
     名古屋城天守閣の?造復元に係る概算経費が約270億円から400億円と莫?であり、厳しい財政状況の中、市??活に?きな影響を与える懸念があることから、関係局との協議を踏まえ、国・県?出?、寄附?、地?債、市税等の割合を含めた財源フレームを明確にし、優秀提案選定後の?期・?程・概算事業費等が明らかになった段階で速やかに、市?アンケートを実施しあわせて議会へ報告すること。
     http://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000073822.html
     
    ・16/3/17 名古屋市議会経済水道委員会 附帯決議
     優秀提案の選定結果、財源フレーム(案)及びこれらの内容を正確に踏まえたアンケート項目などが明確になった段階で、その内容について速やかに議会へ報告・協議した上で執行すること。
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/160317-2.pdf
     
    ・17/3/22 名古屋市会経済水道委員会 附帯決議
     1 名古屋城天守閣木造復元事業を進めるにあたっては、入場者数と収支見込みに対して民間調査会社から長期の予測は不可能であるとの指摘があることから、独立採算による収支相償の財源フレームを堅持するために、入場者数目標の達成に向けてあらゆる努力をすること。
     1 財源フレームの基本的な考え方については、市民の機運醸成を図り寄付金などの募集をするほか、事業の意義について国や県の理解を得て補助金を確保するとともに、市民税5%減税の検証による見直しも含め財源を確保すること。
     1 総事業費505億円については、工期設定の適切な見直しを行うなど大幅な圧縮に努めるとともに、文化庁や優先交渉権者との協議調整状況ならびに仕様や工程および契約内容等について適宜議会への報告を行い、議会に諮りながら進め、あわせて市民の理解を得ながら市民とともに事業を進めること
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170322-4.pdf
     
    ・2020年4月3日衆議院国土交通委員会、5月 12日参議院
     国土交通委員会において、「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議」障害者権利条約に則り、歴史的建造物のバリアフリー化を進めるため、歴史的建造物を再現する場合等におけるバリアフリー整備の在り方について、高齢者、障害者等の参画の下検討が行われるよう、必要な措置を講ずること。
     
    ・21/3/18名古屋市議会経済水道委員会 附帯決議
     「名古屋城天守閣木造復元に係る予算については、文化庁の文化審議会において正式に『木造復元』の許可がされた後に執行すること」
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/210318.pdf

    ・22/3/18名古屋市議会経済水道委員会 附帯決議
     「木造天守閣の昇降に関する技術の国際コンペについては、障害者団体、高齢者団体、福祉関係学識者及び関係機関と十分に検討を行い、理解を得た上で実施すること。」
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/220318.pdf

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    名古屋市民オンブズマンが22/2/7に発表した「愛知県内市町村政治倫理条例調査」では、名古屋市は政治倫理条例を持っていません。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/220207.pdf
    24/3/19現在も同様です。

    24/1/1現在、議員及び市長を対象にしている政令市は、4市(熊本市、千葉市、堺市、福岡市)、議員のみ対象は1市(京都市)です。
    (一般財団法人 地方自治研究機構 調べ)
    http://www.rilg.or.jp/htdocs/img/reiki/064_political_ethics.htm

    例えば熊本市は、議員・市長が遵守すべき「政治倫理基準」を定め、有権者の総数の200分の1以上の者の連署をもって調査請求ができます。
    https://www.city.kumamoto.jp/hpKiji/pub/detail.aspx?c_id=5&id=25553&class_set_id=2&class_id=251
    (4) 市の職員の公正な職務執行を妨げ、又は市の職員の権限若しくは地位による影響力を不正に行使するよう働きかけをしないこと。
    (5) 市民全体の奉仕者として行動すること。また、市民全体の代表者として、法令を遵守しその品位と名誉を損なう行為を慎むとともに、その職務に関し不正の疑惑をもたれるおそれのある行為をしないこと。

    今回発覚した、「市長が市民討論会で賛成派を動員するよう市職員に働きかけた」「特別秘書が市議に、市民討論会に賛成派を動員するよう要請した」は、いずれも「政治倫理基準」に抵触するのではないでしょうか。

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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/
     
    ・名古屋市民オンブズマン 政治倫理審査会
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/yatomi/index.htm
     
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    毎日新聞 2024/3/19 06:45(最終更新 3/19 06:45)
    河村市長の特別秘書、名古屋城復元で賛成派市民の動員依頼か
    https://mainichi.jp/articles/20240319/k00/00m/010/002000c

    24/3/18(月)名古屋市「河村市長から、名古屋城市民説明会で賛成派も集めるよう指示」認める 市は拒否

    24/3/18(月)名古屋市議会経済水道委員会において、名古屋城総合事務所は「過去の担当職員に対し確認をしたところ、河村市長から『名古屋城市民説明会で賛成派も集めるよう指示』があった」ことを認めました。
    名古屋市としては拒否したとのこと。


    ・24/3/18(月)名古屋市議会 総務環境委員会説明資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240318.pdf

    ・24/3/18 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)

     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし

     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240318keisui.pdf


    ※総務環境委員会の文字起こしは当面お待ち下さい。

    24/3/15(金)名古屋市議会総務環境委員会で、「田中市長特別秘書が中川あつし市議(減税)に、2019年12月3日中川文化小劇場で開催した名古屋城木造復元市民説明会でサクラを入れるよう指示した」ことが判明しました。
    https://ombuds.exblog.jp/29983920/

    それを受け、24/3/18(月)経済水道委員会、その後の総務環境委員会で議論が紛糾しました。

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    24/3/18(月)午前中に行われた経済水道委員会で、浅井正仁市議(自民)は「こんなやらせみたいなことをやっていたら市長の言っているよりどころも消える。
    24/3/15総務環境委員会で、田中特別秘書が2019年市民向け説明会で桜を要請したことがわかった。
    田中特別秘書がきたら『またヤラセだ』と市民は思う。
    2023年バリアフリー市民討論会も、ひょっとしたらと思う。何も信用できん。」と述べました。

    さわだ晃一市議(公明)は「2019/12/3中川文化小劇場で行われた『名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会』報告書を読んだ。
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html
    特別秘書が減税所属市議に「サクラ」3名出席を要請した、司会に伝えたことが判明しているが、当日発言した人のうち明らかに2名が木造復元に賛成している。うち1名は木造復元賛成グループを名乗っている。
    また、23/1/21鯱城ホールで行われた「令和4年度開催 名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会・名古屋城シンポジウム」報告書も読んだ。
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000158537.html
    会場から『メンテナンス費用いくら』発言内容があった。23/6/3市民討論会差別発言者と同一人物ではないか? 23/1/21に苗字は名乗ってる」と発言がありました。
    市は「市民説明会の際は個人情報等の収集は行っていないが、同一人物の可能性は残る」としました。
    さわだ市議は「少なくとも苗字は同じだったんだね」と述べました。

    続いて議員間討論に入り、田山宏之市議(減税)は19/12/3名古屋城木造復元市民向け説明会で市長特別秘書が減税所属市議に「サクラ」出席を要請した問題について「市民の不信感を招いたのは遺憾。私はない。聞いたことは無い。会派として一切情報共有していない」と述べました。

    さわだ市議は「河村市長は一貫して『宝だ』と述べているが、文化財的価値を強調するなら、教育委員会に所管を移したらどうか」と提案しました。
    上田剛・名古屋城総合事務所長は「市民の方に名古屋城の持つ本質的価値を総合的に理解をしていただくために木造復元を行う。木造天守が文化財になるべく事業を進めているということではない」と明言しました。
    さわだ市議は「今の市長が陣頭指揮を取る以上、この木造復元は絶対にうまくいかない。かえって全てのスケジュールがずれている。そこが歩み寄らない限り、これは理解を得ることは到底不可能だ。市長がこの名古屋城に携わられない中で、進めていっていただきたい」と述べました。

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    続いて、午後に総務環境委員会に議論の場所が移りました。

    横井利明市議(自民)が「特別秘書が不適切な行為をした際に、条例上だれもチェックが効かない」ことに対して北角市議(減税)に議員間討論が行われました。

    名古屋市長特別秘書について、設置条例上「不適切な行為に対してチェック出来ない」不備があり、減税日本すら「公務と政務の区分が不明確」と述べました。

    24/3/18(月)名古屋市議会総務環境委員会では市長特別秘書に関する質疑は終結せず、3/19(火)午後1時からの意思決定の前に総括質疑を行うことにして18:36に終了しました。

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    ・24/3/19(火)13時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/19(火)13時〜 名古屋市議会総務環境委員会
    https://nagoya.gijiroku.com/index.asp


    24/3/15(金)田中市長特別秘書「2019年名古屋城木造復元市民説明会でサクラ要請」認める

    24/3/15(金)名古屋市議会総務環境委員会で、「田中市長特別秘書が中川あつし市議(減税)に、2019年12月3日中川文化小劇場で開催した名古屋城木造復元
    市民説明会でサクラを入れるよう指示した」ことが判明しました。
    自民市議が、田中特別秘書と中川市議とのメールのやり取りを入手しており、「桜の方の顔写真と名前を送付した」などとありました。

    河村たかし名古屋市長は、「賛成派を動員し、当日意見を述べるよう田中特別秘書に指示をしていない。田中特別秘書の行為は行き過ぎた行為だったと考える。厳重に注意をした。今回の件以外で同様のことはなかったことを確認した」と書面でコメントを発表しました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240315-2.pdf

    同時刻に開催されていた市経済水道委員会は「事実整理ができないと審議入れず」と、審議せず終了しました。

    ※一部速報として、24/3/15名古屋市議会総務環境委員会での一部議員の発言について、事実確認が不十分のまま一部誤ってツイートしてしまいました。削除するとともにお詫び申し上げます。

    ・24/3/15 名古屋市議会経済水道委員会 説明資料
     観光文化交流局分
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240315.pdf

    ・24/3/15 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240315-1.pdf

    ・24/3/15 名古屋市議会総務環境委員会 説明資料(追加)
     1 市長の認識について
     2 公務の考え方について
     3 名古屋城天守閣木造復元市民向け説明会等における観光文化交流局の対応について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240315-2.pdf
     
    ※24/3/15 名古屋市議会総務環境委員会(名古屋城部分)
     文字起こしはもうしばらくお待ち下さい。

    ※24/3/15名古屋市議会総務環境委員会文字起こし(前半)は、都合によりできていません。数日お待ち下さい。

    参考:2019/12/3中川文化小劇場で行われた「名古屋城天守閣木造復元 市民向け説明会」報告書
    https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000122500.html

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    今後の予定
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/18(月)10時〜 名古屋市議会経済水道委員会(上下水道局関係の後)
    ・24/3/18(月)10時〜 名古屋市議会総務環境委員会(スポーツ市民局関係の後)
    ・24/3/18(月)10時半〜 市長定例記者会見(突然中止)
    ・24/3/19(火)13時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/19(火)13時〜 名古屋市議会総務環境委員会
    ・24/3/21(木)13時半〜 第3回名古屋市障害者施策推進協議会(市公館)
     (24/3/8申込必着)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172654.html
    ・24/3/22(金)13時〜 第59回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(名古屋国際センター 別棟ホール)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kankobunkakoryu/0000171425.html
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/3/26(火)10時〜 名古屋市障害者差別解消調整委員会・名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172381.html
     
    -------
    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/
     

    24/3/13(水)名古屋城総合事務所「名古屋城バリアフリー市民アンケート項目変更は市長の意向が働いた」認める

    24/3/13(水)名古屋市議会経済水道委員会で、2023年4月に行った名古屋城バリアフリー市民アンケートの項目で「昇降装置を設置をしない」という選択肢が加わったというのは「市長の意向が働いた」と名古屋城総合事務所が認めました。


    24/3/13 名古屋市議会経済水道委員会 説明資料
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240313.pdf

    24/3/13 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
    名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240313-1.pdf

    さわだ晃一市議(公明)は「(2023年3月30日市長レクの)前日の3月29日に副市長レクを行い、その段階では『設置しない』という項目はなかったが、3月30日の(市長)レクを経て、4月6日のアンケートの最終の市長レクで確定をした」と述べました。

    ・24/2/14 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会
     「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(中間報告)
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html

    上田剛名古屋城総合事務所長は「レクの後で担当の秘書を通じて。そういう上層からの指示を仰ぐというようなこともあったかというふうに考えて。
    一般的に言う忖度ということも含めて、そういった意向が影響したことはあったというふうに考えています」と述べました。

    さわだ市議は「住民投票条例みたいな、住民の皆さんに直接意見を聞くっていうことは、一見正しいように見える。直接民主制ですからね。
    しかし判断する上においては、これセットなんですけど、説明責任が伴なう。住民投票条例ってあまり広がらなかった。
    正確な情報をきちんと持った人が、ジャッジするっていうことは、やっぱり一方ですごく重要。
    一方で、あの複雑な、多岐にわたる専門性の高いことを何でもかんでも市民に聞けばいいというのは、極めて浅はかな判断と言われても仕方がない面があるなということを、今回特に感じた」と述べました。

    さわだ市議は「結果的に今回は健常者と障害者というような分断が昇降装置をつけるつけないのところで一気に表面化をしてきたっていうことがあって、確証バイアスっていう言葉があって、大体人って都合のいいことしか耳に入ってこなくて、自分の立場に都合の良い情報を入れ続けることで、その自分の思いとか思想ね、強めていくっていう、そういう心理学的な話だと思うんですけどあるそうなんです。
    これまでの市長の言動を見るにつけ、昇降装置つまりエレベーターに設置の反対の人は市長の言葉を聞いて、自分たちは正しいという。思いを強くするし、それを言えば言うほど、やっぱりそうじゃないと考えている方はご自身の考えを強くしていくということが、
    やはり水面下で私は起きていたんじゃないかと。つまり都合の悪いことを聞かないっていう。
    都合のいいことだけどんどんどんどん聞いていくので、当然そうなるべきだって、双方が思っている。
    その衝突の場がここであったんじゃないかというふうに私は思ってます。」と述べました。

    浅井正仁市議(自民)は、佐治局長に対し「中間報告を受けて、市民討論会を実施して良かったと考えているのか。」と問うたところ、佐治局長は「今回の討論会は失敗だったというふうに考えてる」と述べました。

    浅井市議は「市民討論会は本当にこれ無作為でいいんだろうか。名古屋市約230万人のうち、障害者は約135000人。割合でいくと障害者の人は1人か、下手したらゼロだったかも知れない。それぐらいの確率だ。それが、広く市民の意見になるんだろうか。」と述べました。

    -----------
    (24/3/18記載
     24/3/15に発覚した、「2019年名古屋城木造復元事業市民説明会で、田中特別秘書が減税市議に『サクラ』出席要請問題」をめぐって、連日名古屋城関係の市議会委員会(経済水道委員会、総務環境委員会)が行われています。
     委員会傍聴と文字起こし作業がたまっており、ブログが更新できていません。
     市議会委員会録画は数日後にしかアップされず、文字起こしすらできません。文字起こしができ、まとめを作成次第順次アップしたいと思います。
     市議もマスコミも、市議会の議論の様子をあまり発信しないため、
     当ブログ・ホームページが事実上唯一の情報発信場所となっております。
     委員会資料や速報はX(旧twitter)に載せています。 https://twitter.com/ombudsman_jp
     なにとぞご容赦いただきますようよろしくお願いいたします。
     【募集】文字起こしのためiOS13以上のiPhone・iPad機体(中古)の寄付を募集しています。
      カンパも募集しています。文字起こしボランティアも募集しています。)
      office@ombudsman.jp
      http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm
      http://www.jkcc.gr.jp/profile/01_09.html
      https://readyfor.jp/projects/ombuds2024
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    24/3/8(金)自民市議「木造名古屋城 約129億円契約済だが1mmも動いていない。505億円でできなければ市長が全責任を取るのか?」

    24/3/8名古屋市議会本会議で、浅井正仁市議(自民:中川区)が「名古屋城木造復元事業は約129億円契約して、すでに約67億円支出済だが1mmも動いていない。資材や物価高騰しており、当初の上限505億円でできなければ市長が全責任を取るのか?505億円を超えたら市長が払うことでよいのか?」と質問しましたが、河村市長は当初契約書を読み上げたのみでした。


    24/3/8 名古屋市議会本会議(名古屋城部分)
    名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240308.pdf

    浅井市議は「24/2/14に、名古屋城バリアフリー市民討論会差別発言の中間報告書が出されたが、河村市長は23/6/23本会議での議事録を読み上げたのみ。市長の考えは。
    ・24/2/14『中間報告』
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html
    また市長は24/2/16市総務環境委員会で、いきなり『尺取虫、リニアという新技術がある』と発言したが、副市長は知っていたのか。
    さらに、竹中工務店とは505億円を上限とする約束をしたが、いくら分契約し、いくら払ったのか」と質問しました。

    河村市長は通り一遍のことを読み上げました。
    松雄副市長は「尺取虫はしらない。MHIが公募で選定されたので最高と考えており、着実に開発する所存」と答えました。
    佐治観光文化交流局長は「令和6年2月末現在、契約は約129億円、支払い済みは約67億円」と述べました。

    浅井市議は「市民討論会は開催してよかったと思っているのか」と質問したところ、河村市長は「参加して意見を言って頂き感謝している。一部市民から差別発言があり、会のはじめに注意喚起できなかったことに反省している」としました。

    浅井市議は「尺取虫について熱く語っていたが、すでに4年前に終わっていた。リニアも令和4年12月に断られた。
    今後、補正予算に基づき昇降技術開発をすすめるのか、取り下げるのか」と質問したところ、河村市長は「議案取下は考えていない。より多くの方に最上階を楽しんで頂きたい、新たな技術のチャレンジも必要」と述べました。
    浅井市議は「夢や幻、妄想を言うのは自由だが、職員や議会を巻き込んで、税金を使うことのないようにしてもらいたい。」と述べました。

    また、浅井市議は、「定例記者会見で、市長は『市民説明会をする』と述べたが、具体的にどのような指示がなされたか、観光文化交流局としてどう考えているか」質問しました。
    ・令和6年1月29日 市長定例記者会見
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000171395.html
     (記者)じゃあ、差別発言の問題も含めて、市民説明会として年度内に市長としてはやりたいと。
     (市長)そりゃ、やらないかんでしょう、それは。
     (記者)やらなきゃいけないということですね。
     (市長)はい。そう思いますね。ここまで丁寧にやってきたんだから。本当に。
    佐治観光文化交流局長は「市長から直接の指示は受けていない。記者会見で市長が述べたのは承知している。
    最終報告を踏まえ、観光文化交流局としての総括や、再発防止策を示した上で、当事者へまず謝罪し、受け入れて頂くなど信頼の回復に取り組むことを最優先と考えている。その結果を示した上で市民向け説明会の開催につなげたい」としました。
    浅井市議は「定例記者会見は思いつきで発言する場ではない」としました。

    浅井市議は、「中間報告では、『文化庁への資料提出を焦ったことが結果として討論会の準備不足に繋がり、不適切発言を招いた』としている。
    次回8月、12月に文化庁復元検討委員会がある。よもや中間報告だけで文化庁に資料を持っていくことはないだろうが」と質問し、松雄副市長は「整備基本計画の取りまとめや文化庁への提出時期について言及できる段階ではなく、以前もお答えした通り、検証委員会の結果を踏まえた上でないと、前には進めない」と述べました。

    浅井市議は「障害者の理解はどこへ行った。文化庁から『バリアフリーについては、再現される天守を広く観覧のように供することが重要だと考える。関係者が納得するような形で決着するように対応をお願いする』と言われた。副市長はここが抜けている。」と述べました。
    松雄副市長は「前提として、障害者の皆さんが納得をしないと前に進めない。お会いできるならば一刻も早くお会いして、謝罪をしたい。二度とこういうことが起こらないようにと申し上げ伝えたいと思っているが、なかなか現実的には叶わない」と述べました。
    佐治観光文化交流局長は「まだ会って頂ける段階ではないと思っている。最終報告が出た段階で、きちんと局の総括をして、再発防止策なんかも整えた上で、初めて相手方の方にコンタクトがとれるのかなと考えている」との得ました。
    浅井市議は「この間の総務環境委員会の話を聞いて、障害者の方は何と思ったのか。よくよく考えてほしい」と述べました。

    最後に浅井市議は「市長はかつて『全責任を負う』という指示書を書いた。本会議だったか委員会でも、僕の質問に市長は『全責任を負う』と
    言った
    ・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf
    ・名古屋市 令和 3年  経済水道委員会 11月09日
     https://ssp.kaigiroku.net/tenant/nagoya/SpMinuteSearch.html
     ◆浅井[正]委員 市長、指示書で私が全責任を負うと書いていますが、今の状態では、市長個人で想像を絶する多額の損害賠償を負うことになるかもしれませんよね。どんなに高額でも市長が損害を全額個人で負担するなら、それも考え方のこれ一つかもしれない。
     ◎河村市長 いや、もう必ずこれは実現しますから。私が言ったとおり責任取りますから。
     ◆浅井[正]委員 そうすると、議会も含めたプロジェクトも、私たちは指摘することしかできないと。ということで、責任は全て市長が持つと、損害賠償からみんな、そういう見解でいいですね。
     ◎河村市長 はい、結構でございます。
    局長が、竹中工務店との505億円のうちすでに129億円契約したと言った。税金を使わないで入場料収入で補う。本当に大丈夫なのか。
    国際会議場は令和4年予算ベースで259億円だったが、今の補正予算では450億円(1.7倍)で公募している。さらに資材は高騰するかも知れない。昇降機技術開発に3年、復元検討委員会で早くて3年。石垣調査、解体まで考えると最低でも10年かかる。木材保管料だけで10億円。それで139億円。さらに人件費もかかる。
    まだ1ミリも動いていない。505億円でできるとは到底思えない。当初の上限505億円でできなければ市長が全責任を取るのか?505億円を超えたら市長が払うことでよいのか?」と質問しました。

    河村市長は当初契約書を読み上げたのみで「契約以外は言えない。契約違反になる。」と述べました。
    ・名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書(平成29年5月9日)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf
    ・名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(令和3年11月18日)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/211214.pdf
    ・22/12/28(令和4年12月28日)
     名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(その2)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-1.pdf
    ・23/12/28(令和5年12月28日)
     名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(その3)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240123.pdf
     
    浅井市議は「今回は『全責任を取る』と言わないんだね。カネがからむからか。
    順調にいっていたら2020年に完成したはず。2022年になって、2028年、誰が言ったか分からない。
    遅れは竹中工務店のせいではない。名古屋市が遅れたから。竹中が遅延を理由に『もうできない』と言ったらどうするのか。
    横井利明団長から『議会はチェックすることが一番の課題』と教えられた。
    市長の幻想だとか幻に付き合わされるのはもううんざりだ。名古屋城はもう完全に暗礁に乗り上げた。姑息なことをせず、松雄副市長と観光文化交流局長が言ったことを着実に守って進めていって頂きたい」と述べました。

    -----
    令和5年度名古屋市一般会計補正予算は全会一致で可決されました。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-20-6-0-0-0-0-0.html

    第1表 繰越明許費 
     石垣保存対策支援業務委託 400万  円
     石垣保存対策       3721万7000円
     木造天守閣昇降技術の開発 534万6000円
    第2表 債務負担行為補正
     天守閣木造復元の実施設計令和6年度から暫定的に令和7年度まで 5億2991万7000円
     天守閣木造復元の木工事令和6年度から暫定的に令和7年度まで  55億5315万9000円

    ---------
    浅井市議が述べたとおり、今後仮に順調に進んだとしても、木造工事開始まで10年はかかります。
    ・MHIエアロスペースプロダクションとの開発契約の履行期間2027/3/19(令和9年3月19日)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    ・復元検討委員会 約3年(2030年ごろ?)
    ・天守台石垣調査・解体 約4年(2034年頃?)
    ・木造復元工事完成 約2年半?(2036年頃?)

    2017/5/9の「基本協定」から丸7年が経ちました。1mmも工事は進んでいません(各種検討は進みました)。
    第三者委員会は「中間報告」後、「最終報告書」を取りまとめる予定ですが、障害者団体への理解が得られるか不明です。
    障害者団体への理解がなければ、文化庁は復元計画を認めません。

    現時点で、名古屋城木造復元事業に使用した税金は約67億円です。
    1)このままずるずる計画を続け、仮に完成したとしても当初の505億円をはるかに超え、入城料収入でまかないきれなくなり赤字を半永久的に垂れ流し税金で補填する
     (もしくは木造名古屋城を将来解体し、赤字垂れ流しをやめる)
    2)途中で竹中工務店が契約解除して、木造復元事業終了
    3)障害者団体への理解が得られず、名古屋市が契約解除して木造復元事業終了
    4)消防計画、避難計画等で条件をクリア出来ず、木造復元事業終了
    5)事業を中止し「約67億円税金を支出した全責任を市長が取る」ことを選択した上で、19/6/24に大村秀章愛知県知事が述べたように「当初から木造化は難しい、無理と聞いている。100億円以上が全損になるおそれがある。市議会は例えば百条委員会をやるなどして事実解明をしっかりやる」
     https://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2

    名古屋市と竹中工務店が2017/5/9に結んだ「名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書」第6条3で「前2項に係る予算が成立しない場合又は前項に係る議決が得られない場合は、本事業を中止し、契約の締結をしないことがある。また、その場合、当該予算に係る業務については発注者、優先交渉権者の間に何ら権利、義務が発生せず、発注者は予算の成立について何ら責を負わない」とあります。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf
    市民や議会は冷静に判断すべきだと考えます。


    -----
    今後の予定
    ・24/3/11(月)10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/13(水)10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/15(金)10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/18(月)10時半〜 市長定例記者会見
    ・24/3/19(火)13時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/21(木)13時半〜 第3回名古屋市障害者施策推進協議会(市公館)
     (24/3/8申込必着)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172654.html
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/3/26(火)10時〜 名古屋市障害者差別解消調整委員会・名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172381.html
     
    -------
    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm 
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/
     
    --------
    2024年3月1日 中日新聞 水野誠志朗の尾張時代の信長をめぐる
    いつになってもできない木造天守。名古屋城木造復元事業の10年を振り返る(第一回)
    https://plus.chunichi.co.jp/blog/mizuno/article/233/11412/

    24/3/2(土) 9:17配信 PRESIDENT Online香原 斗志
    「復元されたお城=価値がない」は間違い…城巡りをする人に伝えたい「鉄筋コンクリ造の名城」ランキング
    https://news.yahoo.co.jp/articles/7b838c306ef09ad44b6dcb5b9a013daa6d3aaadf?page=1

    市経済水道委員会 名古屋城新昇降技術等令和5年度2月補正を可決

    24/3/4に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋城木造天守閣昇降技術の開発534万6000円の繰越明許費を含む令和5年度2月補正を可決しました。
    自民:原案賛成
    民主:原案賛成
    公明:以下の要望付して賛成(名古屋城なし)
    減税:原案賛成
    陽向:原案賛成
    維新:以下の要望を付して賛成(名古屋城なし)

    原案通り可決 委員長報告は正副委員長一任

    ------
    令和5年度2月補正予算
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-20-6-0-0-0-0-0.html

    第1表 繰越明許費 
     石垣保存対策支援業務委託 400万  円
     石垣保存対策       3721万7000円
     木造天守閣昇降技術の開発 534万6000円
    第2表 債務負担行為補正
     天守閣木造復元の実施設計令和6年度から暫定的に令和7年度まで 5億2991万7000円
     天守閣木造復元の木工事令和6年度から暫定的に令和7年度まで  55億5315万9000円

    -------
    市長を呼んでの24/2/16市議会総務環境委員会、熱く質疑がなされた24/2/28、24/3/1市議会経済水道委員会は何だったのかと思います。
     
    ・2024年 02月 16日 市民オンブズマン事務局日誌
     自民市議「名古屋城バリアフリー市民討論会は、対立構造をあおった末の『官製差別』ではないか」
     https://ombuds.exblog.jp/29886065/

    ・2024年 02月 28日 市民オンブズマン事務局日誌
     名古屋城昇降技術案「尺取虫」24/3/1(金)午前10時半- 市議会委員会で特別秘書質疑
     https://ombuds.exblog.jp/29921173/

    ・2024年 03月 01日 市民オンブズマン事務局日誌
     公明市議「MHI提案破棄、補正予算議案取り下げて、理想の名古屋城昇降装置ができてから基本計画書を出されては」
     https://ombuds.exblog.jp/29923588/

    今後も本会議・委員会で名古屋城に関する質疑が行われます。
    期待せずに見守りましょう。

    -----
    なお、24/3/4に河村たかし名古屋市長定例記者会見がありましたが、年度内に行うと自らが発言した名古屋城市民説明会については一言も触れませんでした。

    24/3/4午前に開催された、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会と建造物部会の合同会議は予定通り行われましたが、午後開催予定の石垣・埋蔵文化財部会は急遽中止となりました。
    年度内には石垣・埋蔵文化財部会は開かないとのこと。

    ・24/3/4 石垣部会+建造物部会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240304.pdf
    ・24/3/4 石垣部会+建造物部会
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240304-1.pdf
     
    合同部会ができるのなら、もっと以前からいろんな部会で合同部会を公開で開催しておけば、ここまで木造復元でもめることは無かったのではないか、と思います。

    --------
    今後の予定
    ・24/3/5(火)午後 市議会代表質問(午後)
     豊田かおる議員(減税) [63分]
     5.名古屋城の来場者増加に向けたさらなる取組について
    ・24/3/8(金)午後 個人質問(午後)
     浅井正仁議員(自民) [23分]
     2.名古屋城天守閣木造復元について
    ・24/3/11(月) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/13(水) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/15(金) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/18(月)10時半〜 市長定例記者会見
    ・24/3/19(火) 13時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/21(木)13時半〜 第3回名古屋市障害者施策推進協議会(市公館)
     (24/3/8申込必着)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172654.html
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/3/26(火)10時〜 名古屋市障害者差別解消調整委員会・名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172381.html
     
    -------
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    名古屋城 耐震改修と木造復元を比較してみました

    税金のムダ遣いを市民の立場から追及する市民団体「名古屋市民オンブズマン」は、名古屋城木造復元事業について有識者会議・市議会傍聴や情報公開請求を行い、どのような問題点があるか調べて各種提言しています。

    今回、名古屋城耐震改修と木造復元を比較するチラシを作成してみました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240303.pdf

    今後の名古屋城を考える上でぜひ参考にしていただきたいです。


    以下根拠資料です。
    参考になれば幸いです。
    ------
    【基礎的な根拠資料】
    ・平成28年2月28日 名古屋市
     名古屋市構造体劣化調査(鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造)
     https://ombuds.exblog.jp/29105934/
     
    ・令和5(2023)年6月12日「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)
     『木造天守整備基本計画』
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
     
    【費用】
    ・平成28年5月「名古屋城天守閣の整備2万人アンケート」調査票
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/page/0000083689.html

    ・平成28年6月広報なごや折込資料「名古屋城天守閣の整備」
     http://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000083/83234/1-4men.PDF
     
    【バリアフリー】
    ・「名古屋城木造天守の昇降技術に関する公募」
     国立国会図書館のアーカイブ
     https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12549184/www.castle-challenge.city.nagoya.jp/challenge/
    ・MHIエアロスペースプロダクションとの開発契約の履行期間2027/3/19(令和9年3月19日)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
     
    -----
    ☆カンパのお願い☆

    情報公開請求した文書を受け取るのに費用がかかります。交通費にも費用がかかります。
    名古屋市民オンブズマンは、会費とカンパのみで運営しております。ぜひともご協力をお願いいたします。
    《郵便振替口座》口座番号 00870−9−105687
     加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
    《ゆうちょ銀行》当座:〇八九店 105687
     加入者名 名古屋市民オンブズマンタイアップグループ
    http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm

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    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/

    24/3/1(金) 公明市議「MHI提案破棄、補正予算議案取り下げて、理想の名古屋城昇降装置ができてから基本計画書を出されては」

    24/3/1に名古屋市議会経済水道委員会が開かれ、名古屋城木造復元事業の昇降技術公募に関し、田中克和特別秘書が出席しました。
    24/2/16に名古屋市議会総務環境委員会で河村たかし名古屋市長が発言した「新昇降技術は『尺取虫』『リニア』に期待していた、リニアは継続している」は、どちらとも正式に断られていたことが判明しました。

    さわだ晃一市議(公明)は「市長がそう思うなら、MHIの提案も破棄して、補正予算議案も取り下げ、新しいリニアや尺取虫の技術ができてから、名古屋城専用昇降装置として認証機関の認証を経て安全性を確認してから、基本計画書に盛り込んで、基本計画書を出されてはどうかと、市長に伝えて欲しい」と述べました。
    ・24/3/1 名古屋市議会経済水道委員会
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240301.pdf
    ・24/3/1 名古屋市議会経済水道委員会
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240301-1.pdf

    浅井正仁市議(自民)の質問に対し、田中特別秘書は、「2018年6月27日にあったバリアフリー技術説明会の資料には、『尺取虫』は入っていない。
    階段を使ってどう上手に車いすが登るかというもの。
    そのころ私が見たものはイメージ図が数枚に渡って書かれていたが、動画とか一歩踏み込んだとはなかったと認識している。
    当該業者からは『随意契約を希望している。国際コンペなら情報漏えいのリスクがあり受けない』と言われた。同年10-11月には業者とのやり取りがなくなった。
    国際コンペをやるので、こちらから声をかけるのは差し控えていた。
    リニアの会社については、私は直接やり取りはやっていない」と述べました。

    河村市長が発言したもう一つの「リニア」技術について、小鹿昇降技術担当主幹は「国際コンペの結果、MHIを2022年12月5日に最優秀提案として選んだが、その後の2022年12月23日、河村市長から指示があり、リニアの業者と名古屋城総合事務所職員が面会し、その後2023年8月23日にも市職員が面会した。
    2022年12月26日に、リニアの業者から名古屋城総合事務所職員に『現時点では導入は難しいと伝えたい』と連絡があり、2022年12月27日に『市長にその旨伝えた』と連絡があった。」と述べました。

    田中特別秘書は「市長がどういう思いで言ったか図りかねるが、2社の技術の実現性は、想定すらできない段階だと認識してる」と述べました。

    浅井市議は「国際コンペでモックアップを作っており、国際コンペ等を踏まえると、4億も使う。
    なにこそこそ会っているのか。市職員は普通止めなきゃいけない。
    『とりあえず』とか市長言ってたけど、市長は『とりあえず』4億使うのか!
    よっぽどMHIがいやなのか。
    尺取虫もダメ、リニアもダメ。
    現在補正予算が出されているが、総務環境委員会の市長とのやりとりを聞いたら否決だと思った」と述べました。

    佐治独歩・観光文化交流局庁は「2つの新技術は、局としては承知していない。田中特別秘書の話しを聞いても、MHIの開発スピードを上回ることはないし、公募もなかった。
    局としては、公募に応募して選定された最優秀提案のMHIが最高の技術と認識しており、進めたい」と述べました。

    浅井市議は「河村市長は議論を混乱させないで欲しい。断られているのに、委員会で堂々と発言した。実際は雲をつかむような話しだ。
    障害者の方は尺取虫について『こんなのに乗れん、見世物じゃない』と述べていた」としました。

    さわだ市議は「市長が、『尺取虫やリニアがいい』と思うなら、MHIの提案も破棄して、議案も取り下げ、新しいリニアや尺取虫の技術ができてから、名古屋城専用昇降装置として認証機関の認証を経て安全性を確認してから、基本計画書に盛り込んで、基本計画書を出されてはどうか。理想の姿ができるまで待つ。
    多くの人が勘違いしているのだが、障害者のために昇降技術を付けるのではない。
    入場料を取って、債権の償還を行うのだから、どなたが来られても最低限のバリアフリーを保障しないといけない。
    かみ合わない議論は市長の思いが強すぎるためだ」と述べました。

    今後24/3/4(月)午前10時30分から、経済水道委員会で補正予算を含む意思決定を行います。

    -----
    24/2/16に名古屋市議会総務環境委員会が開かれ、河村市長を呼んで話を聞く目的は何だったのか。

    『中間報告』で不明だった「アンケートに突然昇降技術を『設置しない』項目が入った理由」「突然『1階まで』に市が変わった理由」「当初7月予定の討論会を6月3日に前倒しした理由」を聞くはずでした。
    また、「名古屋城バリアフリー市民討論会は、対立構造をあおった末の『官製差別』ではないか」という疑問もありました。

    しかし、河村市長は突如国際コンペに応募しなかった「尺取虫」「リニア」といいはじめ、議論がそちらに集中しました。
    しかも「尺取虫」はリタイアしたとのこと。

    今回24/3/1経済水道委員会では、市長がまだ継続していると発言した「リニア」すら断られていたことが判明しました。

    結局、当初の目的だった、『中間報告』で不明だった「アンケートに突然昇降技術を『設置しない』項目が入った理由」「突然『1階まで』に市が変わった理由」「当初7月予定の討論会を6月3日に前倒しした理由」は何一つわかりませんでした。

    浅井市議は、「現在補正予算が出されているが、総務環境委員会の市長とのやりとりを聞いたら否決だと思った」と発言しましたが、局長答弁で「MHIしかない(から補正予算を通す)」と思ったように聞こえました。

    結局河村市長の論点ずらしにまんまとひっかかって、何一つ『中間報告』で分からなかった点は分かりませんでした。

    河村市長は24/2/16に以下述べています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-3.pdf
    河村市長:車いす自体の技術革新でやれるようになるということそれは本当にやってますよ、裏取ってもらってもいいです、そういう考えがいろいろあったんです。だからあそこに模型まで作ったんですよ。
    1億近い金使ってすごいですけどあれ。そういうとこで実験をいろいろしててくださいと、リニアにしろ尺取虫みたいな車いす自体が上がっていくとか、そういう期待が僕にはあったとそういうことです。言ったかどうかちょっと繰り返しますけど、それちょっと本当記憶は確かじゃない

    19/6/24大村愛知県知事は「文化審議会に当面かかる予定はないと聞いた。当初から木造化は難しい、無理と聞いている。石垣の調査、計画ができていない。
    名古屋市も本当のことを言ったらどうか。文化庁から許可が下りていない段階で調達した木材94億円と設計費等々で100億円以上が全損になるおそれがある。市議会には例えば百条委員会をやるなどして事実解明をしっかりやっていただきたい。」と述べています。
    https://www.pref.aichi.jp/koho/kaiken/2019/06.24.html#2

    第三者委員会がどこまでできるか不明ですが、名古屋市議会は百条委員会などできることはまだまだあるはずです。

    少なくとも、「市長」「副市長」「観光文化交流局」の思いが1つになっていない現状は異常事態です。
    さわだ市議の提案通り、「MHI提案破棄、議案取り下げて、理想の名古屋城昇降装置ができてから基本計画書を出されては」というのが出発点ではないでしょうか。
    その後、「どうしてこうなってしまったか」を百条委員会で明らかにし、市民に何百回でも説明会を開かないと、名古屋城問題は前に進めないと思います。

    -----
    ・(株)リニアリティー
     http://linearity.co.jp/jp/

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    24/2/28(水) 名古屋城昇降技術案「尺取虫」24/3/1(金)午前10時半- 市議会委員会で特別秘書質疑

    24/2/28に名古屋市議会経済水道委員会が開催され、24/2/16名古屋市議会総務環境委員会で河村たかし名古屋市長が発言した「新昇降技術『尺取虫』(仮称)」について、2018年(平成30年)5月2日に、当該開発業者と、市長と当時の西野輝一・名古屋城総合事務所長が会っていたことが判明しました。
    また、同時期に市長と田中克和特別秘書も業者と会っていて、名古屋城関係者はその場に同席はしないが顔を拝見するタイミングで挨拶だけしていたことが判明しました。

    24/3/1(金)午前10時半- 市議会経済水道委員会で田中特別秘書を呼んで質疑をすることが決まりました。
    ぜひ傍聴下さい(ネット中継あり)。
    https://nagoya.gijiroku.com/index.asp


    ・24/2/28名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240228.pdf

    ・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会前半
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-2.pdf
    ・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会(後半)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-3.pdf

    河村市長は24/2/16に、「MHIとは別の『尺取虫』『小型リニアモーター』技術に期待していた。『尺取虫』(仮称)は京都の業者で、役所とも一緒に行った。車いすにつけて階段を上がっていくもの。
    しかし国際コンペに応募がなかった。
    (のちに『尺取虫』はリタイアしたことを認める)」と述べました。

    横井利明市議(自民)は24/2/16に「(2022年12月に国際コンペを経て決定した小型昇降装置の)MHIのこの契約は、もう既に債務負担行為で認めてるんですね。
    今回2月補正予算でMHIの開発費予算として、7800万、予算計上されてるんです。
    そうすると、リニアモーターと、尺取虫が3年から5年で視野に入ると、いうことであれば、
    今回の補正予算の扱いはこれ、どうなるんですかね。」と述べています。

    24/2/28、浅井正仁市議(自民)は「河村市長の24/2/16発言は非常に残念。1年前と何も変わっていない。
    職員の心の葛藤などは市長には通じなかったのかな。」と述べました。

    佐治独歩・観光文化交流局長は「垂直昇降設備を可能な限り上層階に導入できるよう開発を進めていく、という方針に変わりは無い。
    令和8年度(2026年度)までに評定期間の評定を取得し、開発を終える予定」と述べました。

    浅井市議は「2018/6/27に、正庁にいろんな企業が来て資料をもらった。(株)テムザックと早稲田大学が共同開発した『人を乗せたロボットの二足昇降に成功』とあった。これが尺取虫か?」と述べました。

    参考:2018/7/24 特別史跡名古屋城跡バリアフリー説明会 資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180724.pdf
    ・株式会社テムザック 本店・中央研究所 京都市上京区
     https://www.tmsuk.co.jp/

    名古屋城総合事務所担当主幹は「確認したが、これが『尺取虫』に当たるかどうかは、結論としてはわからない。
    同じ時期の2018年(平成30年)5月2日に、市長と当時の西野輝一・名古屋城所長が企業と話す機会があったと記録があった。
    尺取虫のようなものの話があったかは確認が取れない。
    同時期に市長と田中克和特別秘書も業者と会っていて、名古屋城関係者はその場に同席はしないが顔を拝見するタイミングで挨拶だけしていた」と述べました。

    浅井市議は田中特別秘書の経済水道委員会に出席の供給を行い、正副委員長は24/3/1(金)午前10時半- 田中特別秘書に委員会出席を求めることにしました。

    -----
    田中特別秘書の任期は2018年6月1日からです。

    「名古屋城木造天守の昇降技術に関する公募」応募期間は2022年4月下旬〜2022年8月12日でした。
    ・国立国会図書館のアーカイブ
     https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12549184/www.castle-challenge.city.nagoya.jp/challenge/

    MHIエアロスペースプロダクションとの開発契約の履行期間は2027/3/19(令和9年3月19日)です。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf

    ------
    以前、北角嘉幸・特別秘書(当時)が、木造復元応募前にゼネコンを2回訪問していたことが問題になりました。

    2016年 06月 24日 市民オンブズマン事務局日誌
    「名古屋市特別秘書が名古屋城木造化の件で応募前にゼネコンを2回訪問」市が認める
    https://ombuds.exblog.jp/23246388/
    平成28年6月24日(金)経済水道委員会
    ◆丹羽委員 この話を聞いて、昔、トワイライトの選定のときに百条委員会が開かれて、僕も委員として参加したことを思い出したんですけど、あのときは市長が、どこか手を挙げてくれぬかとか、入札期間に会ったということで、最終うやむやになっちゃったのかな、解散か何かでね。
     これって適切か、不適切か、どうですか。この間に業者に会うというのは私も、申しわけないですけど、いろんなサラリーマンやっているときに、役所というか、道路公団だとか建設省だとか、入札のときに会えない、もう入札公告したら会えないよと。技術的な話なら向こうから連絡がありますということで、訪問すら差し控えてほしいということを言われたことがあるんですが、名古屋市は違うんですかね。
     
    ◎豊田観光文化交流局総務課長 ただいま所長から答弁いたしましたように、公募への参加のお話に伺ったという話を聞き及んでおりますので、この範囲で直ちに不適切であったとは言い切れないというふうに思っておりますが、公募期間中に特定の事業者等を訪問したという事実自体は、委員御指摘のとおり、あらぬ疑いを生じさせかねないことから、慎重さを欠いた行為であるというふうに認識しているところであります。

    今回、新昇降技術の公募前に、市長と名古屋城所長(当時)、また市長と特別秘書が業者に会いに行ったのが「不適切であった」のか、「あらぬ疑いを生じさせかねない」のかが問題となります。

    2010/5/12には「トワイライトスクール事業者選定問題調査特別委員会」が秘密会で開催されました。
    https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1014211/www.city.nagoya.jp/shikai/nittei/nagoya00027269.html

    2010年 05月 12日 市民オンブズマン事務局日誌
    トワイライト選定学区部会員 氏名は校長のみ公開+100条委員会秘密会
    https://ombuds.exblog.jp/11099531/
    名古屋市トワイライトスクール事業の選考過程に関し、
    1)そもそも「既存の身内」が選考委員はおかしい
    2)名古屋市のアドバイザーが利害関係者であるにもかかわらず市長と選考委員に”働きかけ”を行い、市長も”働きかけ”を行ったのはおかしい
    という疑惑がマスコミで報道されていますし、利害関係者がない市民も疑問を持っている人が大勢います。

    -------
    2018/5/8中日新聞夕刊に名古屋市は木造名古屋城天守にエレベーターを設置しない方針を固めた」と記事が出ました。

    18/5/21に「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」100名以上が名古屋市役所前で、木造天守閣にエレベーターをつけない方針を示した河村たかし名古屋市長に対して抗議しました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180521.pdf

    18/5/30に河村たかし名古屋市長は「今後復元する名古屋城木造天守閣にエレベーターを設置しない」と正式に表明しました。
    そこで「木造天守閣の昇降に関する付加設備の方針」を示し、新技術の想定候補一覧を示す中、河村市長が手書きで「他、国際コンペ」と記載し、「コンペの結果に一番期待をして進める」としました。
    ・18/5/30配付資料 河村市長の手書きの「他、国際コンペ」
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/180530.pdf

    そんな状況の中、2018/5/2に河村市長・西野所長(当時)が特定業者を訪問していたことは「不適切」「あらぬ疑いを生じさせかねない」のではないでしょうか。

    市長と特別秘書が特定業者を訪問した日時は不明ですが、同席はしないものの、西野所長(当時)が顔を合わせて挨拶をしたことは「不適切」「あらぬ疑いを生じさせかねない」のではないでしょうか。

    名古屋市民オンブズマンは、かつて名古屋市・名古屋市長が「市議会」「市民」「文化庁」「天守閣部会」「石垣部会」「竹中工務店」それぞれに都合のよいことを言ってきたことを「6枚舌」と表現して批判しました。
    2018年当時の河村市長・西野所長の「6枚舌」が、2023年6月3日のバリアフリー市民討論会での参加者からの差別発言、さらには現在の名古屋城総合事務所職員の苦悩につながったのではないでしょうか。

    市議会は、24/3/1田中特別秘書への質疑を踏まえ、河村市長・西野輝一元所長・田中特別秘書を100条委員会に出頭させ、公開の場でどのような経緯があったのか証言を求めるべきだと考えます。
    それが行われない限り、市議会として、少なくとも令和5年度2月補正予算でMHIの木造天守閣昇降技術の開発予算534万6000円を認めるべきではありません。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-20-6-0-0-0-0-0.html

    ------
    ・株式会社国際デザインセンター
     代表取締役社長  西野 輝一
     https://www.idcn.jp/company

    --------
    今後の予定
    ・24/3/1(金) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/4(月)10時〜 13時〜 石垣・埋蔵文化財部会(名古屋能楽堂)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kankobunkakoryu/0000172289.html
    ・24/3/4(月) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/4(月) 10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
    ・24/3/11(月) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/13(水) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/15(金) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/19(火) 13時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/3/26(火)10時〜 名古屋市障害者差別解消調整委員会・名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172381.html
     
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    24/2/26(月) 河村市長 名古屋城市民説明会 年度内開催を指示せず 今後市当局と相談

    河村たかし名古屋市長は24/2/26開催の定例記者会見で、名古屋城木造復元事業に関する市民説明会について、24/1/29会見で「差別発言検証中間報告が出たら、年度内に開催したい」としていたにもかかわらず、市当局に具体的な指示をせず、市当局も現時点では開催予定はないとしました。
    河村市長は「今後市当局と相談したい」と述べました。

    ・24/2/26 河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240226.pdf

    河村市長は「(1/29には)やることにやぶさかじゃないと言ったのでは」ととぼけましたが、「市長は年度内にやりたいと発言した」と記者から追及され、「(記者会見で)言ったやつは、普通は改めて指示しなくても、普通は(市当局が)言う」と責任逃れをしました。

    記者は「今から年度内に会場を押さえて広報するのは難しいのでは」とすると、河村市長は「令和2年の文化庁基準を説明したい」と論点をずらしました。

    市当局は「24/2/14に公表された『中間報告』では、『拙速で時間がない中でやったことが(参加者からの差別発言が起きた)一つの大きな原因といわれている」とし、観光文化交流局で議論して決めるとのこと。

    ----------
    24/1/29定例記者会見では明確に「年度内に市民説明会をやらないといけないだろう」と述べています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240129-1.pdf
    -----
    記者:ちょっと名古屋城の話戻って恐縮なんですが1点だけ。
    毎年この時期に、1月、12月ぐらいに行われていた市民説明会、名古屋城木造復元の市民説明会が今まで5回とか6回とかあったものが、去年1回になってしまったってことで僕も質問させてもらいましたが、今年度は今のところ予定されてないと思うんですね。
    0回になってると思うんですけれども、その説明を市長の口から説明を聞きたいと思います。
    河村市長:まあとりあえずまあ前回の市民討論会という名をうったったんかなあれ。
    あれの、いや、あんたのいわっせるのは市民説明会だけど、こないだ問題になった討論会ですよ。
    市民討論会のあの問題が、とりあえず解決というか、一応の報告はにゃあうちはやりにくいわねそりゃあ。なんか
    それは私もやむを得ないかと思いますが、こんな本当に今日出るんだったら、それを受けていっぺんやってもいいですよね。また。
    だけど、無作為抽出という方法は、本当に本当は一番いいと思うんですよ。
    無作為抽出。大体いつも国会議員で長いこと国会議員民主党でやってきたけど、国交省なんかいろんなものを作るときにやるんです、八百長で実際表にでたところあるがね。
    だから、今まで残念だけど、ものすごい回数やったでしょ名古屋城に関しては、説明会。
    ぼくもようけ出てってますよこれ。
    こうなると、皆さん自由に喋ってもらうのは当然やけどどうしてもある程度決まった人ということになりがちなんですよ、これ。
    なもんで、だけど、やるのはやらないかんと思います。
    とにかく今回のことについての報告に対して名古屋市がどうしよう、だからどうするとか、
    どうだということについては、この会見でもいうことになると思いますけども、やっぱり市民説明会なんらかやるべきだと思うんです
    記者:差別発言の問題も含めて、市民説明会として年度内に市長としてはやりたいと。
    河村市長:それやらないかんでしょう。と思いますここまで丁寧にやっていたんだから。
    市民説明会(討論会の間違い)については、私は私で、確かに不注意だったかわからんけど、
    うん、僕は僕なりに、やっぱり本当の無作為抽出して、一般から来た人が自由に意見を言うというのについてはね、いかんことありますよ確かに。言いすぎてあるんだけど、
    それはそれで私は言いたいこともありますから、これは、だからそういうことをし、喋らさしていただいて、
    --------
    にもかかわらず、河村市長はまずは発言自体をとぼけ、はっきり「発言した」と追及されたら市民討論会の開催準備を行っていなかった市観光文化交流局に責任をなすりつけます。しかもその後は論点をそらします。
    典型的な「河村話法」です。

    24/1/29会見から年度内24/3/31まで2ヶ月。通常の市民説明会準備でも極めて時間がありません。
    今からなら事実上1ヶ月です。

    24/2/14発表の『中間報告』と同時に公表された松雄副市長ヒアリングには、「(河村市長の)指示をもらって決定していくというプロセスを名古屋城についてはずっとやっていました。」と明記されています。
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html

    なぜ今回、河村市長お得意の「指示書」を出さなかったか不明です。
    「指示書」は、「自分がやりたいこと」だけ出し、「自分に都合が悪いこと」は出さない、というのであれば、あまりにもご都合主義です。

    しかも、市民説明会で名古屋市が説明しないといけないのは、河村市長が言いたい「令和2年の文化庁基準」ではなく、「どうして市民討論会で差別発言が起こったか。『中間報告』で指摘された事項の市民への説明と、『中間報告』でも明らかにならなかった『アンケートに“設置しない”項目を入れた理由』『参加者に“何らかの昇降技術の導入が決定していた”ことを説明しなかった理由』『当初7月開催予定を大急ぎで6月に前倒しした理由』『最後の市長挨拶“熱いトークもあってなかなかよかった”を謝罪するもいまだに撤回しない理由』」ならびに23/6/12時点の『木造天守整備基本計画』で示された木造名古屋城の姿ではないでしょうか。

    年度内に市民説明会ができるかどうか不明ですが、本来は、年度内に1回すればよいという訳ではなく、「市民が木造名古屋城の姿と意義に納得するまで」「差別発言が市民から起こらなくなるまで」何十回、何百回もするのが筋ではないでしょうか。
    そうすることで、「真の市民の宝」が出来ると考えますが、現状では「差別の象徴」の城を作ろうとしているとしか思えません。

    ・令和5(2023)年6月12日「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)
     『木造天守整備基本計画』
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/

    ・令和2年4月17日 文化庁 文化審議会文化財分科会
     史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準の決定について
     https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/92199502.html
     
    --------
    今後の予定
    ・24/2/28(水) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/1(金) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/4(月)10時〜 13時〜 石垣・埋蔵文化財部会(名古屋能楽堂)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kankobunkakoryu/0000172289.html
    ・24/3/4(月) 10時半〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/4(月) 10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
    ・24/3/11(月) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/13(水) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/15(金) 10時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/19(火) 13時〜 名古屋市議会経済水道委員会
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/3/26(火)10時〜 名古屋市障害者差別解消調整委員会・名古屋市障害者差別解消支援会議(市公館)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kenkofukushi/0000172381.html
     
    -------

    24/2/19(月) 河村市長 名古屋城バリアフリー討論会「熱いトーク」謝罪も、撤回せず

    河村たかし名古屋市長は24/2/19定例記者会見で、23/6/3に開催された名古屋城バリアフリー市民討論会の締めの言葉で「熱いトークもあってなかなかよかった」と発言したことに対し、「結果的に(参加した)車いすの方の心を傷つけたかなあ、不適切だった、すみません」と謝罪するも、撤回は断固として拒否しました。
    ・24/2/19 河村たかし名古屋市長定例記者会見
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240219-1.pdf
     
    ・令和6年2月14日 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(中間報告)
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html

    記者会見冒頭で、24/2/14に出された中間報告を受け、「速やかに謝罪をしなかったこと等に関しては改めて当事者の方や心を痛められた方にお詫びを申し上げます。」と述べました。

    しかしながら、「無作為抽出は名古屋市政始まって以来」とし、普通の市民のかたが参加して発言してくれたことは大変ありがたかった、としました。

    記者から「『熱いトーク』発言は撤回しないのか」と聞かれ、「間違ったことを言った際に撤回する。無作為抽出の人が参加して発言してくれてありがたかったということで発言したのは間違いない」として撤回しませんでした。

    記者は「中間報告では、市長が『熱いトーク』と発言したことで、差別的な発言があってもある種評価したと捉えかねられないとある」と述べたところ、市長は「車いす当事者はあまり言っていなかった。実際参加した方、報道等によって知った方から聞いたことは無い」と述べました。
    ----
    中間報告
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html
    第5.事案における問題点と検証
    3 当日の運営の実施・責任体制
    (3)差別発言に対する市長のコメント
    ア 問題点
    市が主催する討論会で差別発言があり、注意喚起を何らすることなく終了してしまったことは、市が差別発言を問題視していないと受け取られかねないものであり、さらには、閉会に当たって、市長が「熱いトークもあってよかった」と発言したことは、討論会で発生した差別発言を問題ないものと捉えていると考えられても仕方のないことであり、市長の認識と発言の真意について、検証した。
    ウ 評価
    無作為抽出での参加者決定方法や参加者が自由に発言することについて、市長が高く評価すること自体は市長の政治スタンスにも関わることであり、当検証委員会が判断すべきことではないが、いずれにせよ、差別は人権侵害であって、いかなる場合でも許されるものではなく、差別を表現する自由というものは認められない。仮に当日の発言全体が正確に聞き取れていなかったとしても、記者会見等で、差別は許されないという市としての立場を明確に強く表明すべきであったと考えられる。
    市長の閉会あいさつを聞いている市民としては、市長が、差別発言を不適切と指摘していないことから、すべての発言を「よかった」と指していると認識した可能性もあるだけでなく、むしろ「熱い」という表現からは、過激で強い口調だった差別を含んだ発言を評価したとさえ捉えられかねないため、後日であっても、差別発言に対して積極的に問題提起すべきであった。
    市長の立場として、市民の自由な発言を尊重することそのものは理解できるが、公職者として、差別には、より厳しい姿勢で対応に取り組んでいただきたい。
    -------
    障害者団体は、「熱いトーク」発言に対し、23/6/13に名古屋市役所前で行った抗議集会で「障害者差別が?前で起きたことを無視した。明らかにバカにしているとしか思えない」と強く非難しています。
    (出席するはずだった河村市長はドタキャンしました)

    ・2023年6月13日 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     名古屋城バリアフリー市民討論会における重大な人権侵害の原因究明及び再発防止策検討のための第3者検証委員会設置の申し入れ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
    辻直哉事務局長が「こういう集会は5年前もやった。今度は仲間が差別にあうというとんでもないことが起きた。私はいろんな名古屋市・愛知県・国の会議にでているが、一人の人を差別用語で攻撃する会議は聞いたことがない。
    市長をはじめ市役所職員は誰も止めようとしなかった。しかも市長は『熱いトークがあってよかった』と述べた。明らかにバカにしているとしか思えない。」と述べました。
    その後、23/6/3の実際の会場の音声を流しました。
    辻事務局長は「『死にたい』とまで追い込まれた。どこが『熱いトークがあってよかった』のか。市長がこの場に来るかもしれないので、思いをぶつけて仲間を救おう」と述べました。
    https://ombuds.exblog.jp/29598340/

    ------
    24/2/16に開催された名古屋市議会総務環境委員会で横井利明市議(自民)は「国際コンペは『バリアフリーの装置をできる限り最上階まで』が条件だったはず。
    それがある日突然『1階まで』に変わった。
    障害者団体と対話していた担当職員は信頼関係が崩れ、仕事が止まった。職員の苦悩、葛藤はそこに苦しんだんだと思う。」と述べています。
    https://ombuds.exblog.jp/29886065/

    少なくとも「熱いトーク」発言を河村市長が撤回しない以上、障害者団体との信頼回復は不可能ではないでしょうか。

    ------
    なお、河村市長は無作為抽出をいたく評価しているようですが、名古屋市政で無作為抽出での市民意見のヒアリングをしたことがないだけであって、全国では「熟議民主主義」「討議民主主義」「ミニ・パブリックス」「プラーヌンクスツェレ」など何百回もの事例があります。

    ・日本ミニ・パブリックス研究フォーラム
     https://jrfminipublics.wixsite.com/mysite
    ・市民討議会推進ネットワーク
     http://www.cdpn.jp/
     
    OECDで示された「ミニ・パブリックス」活用ガイドラインでは、11項目示されています。
    @目的
    Aアカウンタビリティ
    B透明性
    C参加の包括生
    D代表制
    E情報
    Fグループ討論
    G時間
    H高潔さ
    Iプライバシー
    J評価
    https://848b8f03-2e71-42e6-9502-a8a8a7b84d0e.filesusr.com/ugd/b677db_9843b49cf93241c1aa3f20796f751fb0.pdf

    今回23/6/3に行われた「市民討論会」は、上記11全てにおいて問題があったのではないでしょうか。
    「無作為抽出」すればよいというものではありませんし、
    むしろ逆効果のこともありえます。
    今回、名古屋市は適切な手法で「市民討論会」が行わなかったことで参加した障害者を『死にたい』とまで追いこみました。
    河村市長は、いまだに「熱いトーク」発言を撤回していません。

    -------

    24/2/16(金) 自民市議「名古屋城バリアフリー市民討論会は、対立構造をあおった末の『官製差別』ではないか」

    24/2/16に名古屋市議会総務環境委員会が開かれ、名古屋城バリアフリー市民討論会の「中間報告」に関して質疑が約2時間行われました。のちに河村市長を招いて約3時間質疑が行われました。

    横井利明市議(自民)は「大天守地階は鉄骨等で支える案となっており、『史実に忠実』とはとても言えない。
    なぜ河村市長はエレベータ―だけ問題視するのか。
    『▲と市民』という形で常に対立構造に置くことで力を得ようとした人がいたのではないか。
    今回はたまたま障害者であり、『官製差別』ではないか」と述べました。

    河村市長は「『鉄骨のことがばれるとまずいからエレベータ―を問題視している』という推測は間違っている」と述べました。
    また、市民討論会最後に述べた『熱いトークがあってよかった』は、複数の市議からの複数の追及でようやく不適切だと認めたものの、最後まで発言の撤回は行いませんでした。


    ・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会 説明資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216.pdf
     
    ・令和6年2月14日 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証について(中間報告)
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html
     
    ・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-1.pdf

    ・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会前半
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-2.pdf

    ・24/2/16 名古屋市議会総務環境委員会後半
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-3.pdf

    ふじた和秀市議(自民)は「中間報告を出すに当たり、途中で『急げ』と名古屋城担当者からあったやに聞いているが」と質問し、
    担当者は「事務局への直接的な働きかけはなかった」としたものの、鳥羽スポーツ市民局長は「普段の会話から『早くやって欲しい』と感じていた」と認めました。
    ふじた市議は「10年ほど前、名古屋城天守復元に関し、『文化庁は木造以外認めない』と市議会本会議で当時の市民経済局長が偽りの答弁を行った。
    今回『急げ』というのは何も改善していない。
    やりたいことありきで、やるべきことをやっていない。
    10年ほど前までさかのぼって深く掘り下げないと、根底的なことが解決しない」と述べました。

    横井市議は「国際コンペは『バリアフリーの装置をできる限り最上階まで』が条件だったはず。
    それがある日突然『1階まで』に変わった。
    障害者団体と対話していた担当職員は信頼関係崩れ、仕事が止まった。職員の苦悩、葛藤はそこに苦しんだんだと思う。
    人権問題もあるが、仕事の進め方でパワハラではないか」と述べました。

    田口一登市議(共産)は「中間報告では、国際コンペを経て導入が決まっていた小型昇降技術について、アンケート項目で『どこまで設置するか』を削除したことが市民を誤認させたとあった。
    市長の意向が関係していると推論せざるをえないとするが、事実関係があいまいだ」とし、ふじた市議が「市長を呼んで話を聞こう」としました。

    -------
    委員会に出席した河村市長は、聞かれたことに正面から答えず、はぐらかしばかりでした。
    肝心の「アンケート項目に『設置しない』を入れた理由」は結局『覚えていない』と答えました。

    河村市長は「MHIとは別の『シャクトリムシ』『小型リニアモーター』技術に期待していた。しかし国際コンペに応募がなかった。
    (のちに『シャクトリムシ』はリタイアしたことを認める)」と述べました。

    横井市議は「令和5年度2月補正予算で、MHI契約に債務負担行為として7800万円予算計上している。それは必要ないという理解でよいか」と述べました。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-20-6-0-0-0-0-0.html

    河村市長は、市議が質問している際、不規則発言を繰り返し、複数回委員長から注意されました。
    また、2023年10月住民票コンビニ交付導入時、河村市長が「奥さんが区役所に取りに行けばいい」と発言した際のことを聞かれ、「何の通知もなく質問するのは人権侵害だ」と述べました。

    横井利明市議(自民)は「大天守地階は鉄骨等で支える案となっており、『史実に忠実』とはとても言えない。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/uploads/92fbe410abef7d7aa02ccb663ef3be7b.pdf
    なぜ河村市長はエレベータ―だけ問題視するのか。
    『▲と市民』という形で常に対立構造に置くことで力を得ようとした人がいたのではないか。
    今回はたまたま障害者であり、『官製差別』ではないか」と述べました。

    河村市長は「『鉄骨のことがばれるとまずいからエレベータ―を問題視している』という推測は間違っている」と述べました。

    ふじた市議は「無作為抽出で市民の意見を聞きたかったのであれば、市長がその場にいなければよかったのでは」と質問しましたが、河村市長は「出て行かないのは想像できない。欠席してはいけない」と述べました。

    近藤和博市議(公明)は「討論会参加申込書に『“障害者に配慮”考えに疑問を持ったから』とあった。細心の注意を払うべきだった。
    また、どうしてシャクトリムシ等の技術ができてから討論会をしなかったのか。
    『8月復元検討委員会に間に合わせないと行けない』という強い意志があらわれたのでは」と述べました。
    河村市長は2023年6月本会議での田口市議への答弁を繰り返しました。

    -------
    市長退席後、ふじた市議は「市長の名古屋城木造復元への思いが強すぎ、職員らが過剰に『忖度』して討論会の時期を早め、アンケート項目に『設置しない』を加えた、という確信が固まった。
    今回たまたま車いす利用者が参加し、差別発言が浴びせられたが、もし車いす利用者がいずにこの議論がなされたと思ったらぞっとする。『小型昇降技術をつける』という方針がひっくり返ったかも知れない。
    とことん遡って市政運営、やり方が本当に正しいのかやらないと、人権問題は解決出来ないと思う」と述べました。

    ----------
    3時間にも及ぶ市長質疑でもいまだに不明な点があります。
    1)どうしてアンケート項目に「設置しない」を入れたのか
    2)どうして6月に前倒しで市民討論会を行ったのか
    「検証委員会」には木造復元事業が提案されたころからさかのぼって検証いただきたいです。

    今回、河村市長の「不規則発言」が、たまにマイクを切り忘れた際にネット中継で聞こえてきました。
    このような「不規則発言」は、現場ではずっと聞こえているのだろう、委員会だけでなく、普段の「市長レク」でもこのような状況なのだろうと推察されます。

    また、横井市議は「令和5年度2月補正予算案で、MHI契約に債務負担行為として7800万円予算計上している。それは必要ないという理解でよいか」と述べています。
    大天守地階は鉄骨等で支え、その下はマットスラブの基礎をつける計画です。
    令和6年度当初予算案では、木材保管料約1億円も計上しています。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-21-1-0-0-0-0-0.html

    参考:令和5(2023)年6月12日「特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)
     『木造天守整備基本計画』
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
     09_第8章_復元計画と活用
     表-8.1.2 基礎構造検討例比較表
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/uploads/92fbe410abef7d7aa02ccb663ef3be7b.pdf



    「差別の城」を作ろうとしている名古屋城木造復元事業。
    そもそも障害者団体は、MHIの小型昇降技術については「車いす1台、介助者1名では小さすぎる。バリアフリー等に基づき、大型で最上階まで登れるエレベータ―を望む」としています。
    2024/2/20から開催される名古屋市議会本会議。補正予算・当初予算の活発な審議を期待します。

    また、河村市長が24/1/29定例記者で発言した「中間報告が出てから市民説明会を行う」をぜひ実行していただきたいです。
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000171395.html
    ---------
    今回市議会委員会を傍聴しようとしたところ、「パソコン持ち込みはキーボードを叩くため『音を発生する機器』に当たると解釈し禁止」されました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240216-0.pdf
    委員会配布資料も、市議会公式ページからではダウンロードできません。
    これだけ活発な質疑がなされてるので、もっと積極的にアピールしてはどうかと思います。

    --------
    今後の予定

    ・24/2/19(月)10時半〜 河村市長定例記者会見
     https://www.city.nagoya.jp/mayor/category/316-0-0-0-0-0-0-0-0-0.html
    ・24/2/20(火)-3/22(金) 名古屋市議会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
     

    24/2/14(水) 名古屋城バリアフリー市民討論会検証中間報告「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」

    「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」は24/2/14に中間報告をまとめて河村たかし名古屋市長に手渡し、その後記者会見を行いました。
    中間報告では「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」等と述べています。
    市長ヒアリング発言記録、副市長ヒアリング発言記録もウェブに掲載されています。
    ・令和6年2月14日 中間報告
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000172001.html

    河村市長が強引に進めようとする名古屋城木造復元事業に関し、名古屋市は22/12/2に小型昇降技術(MHIエアロスペースプロダクション)を世界公募の末選んだにもかかわらず、23/4/9-5/8に、無作為抽出された名古屋市民5000人に対し「設置しない・1階まで・最上階(5階)まで」を問うアンケートを行いました。
    23/6/3には、上記5000人のうち希望者のみ参加出来る形で名古屋城バリアフリーに関する市民討論会を開催し、36名が参加しました。
    終盤、参加した車いす利用者の発言に対し、別の参加者から「平等とわがままを一緒にするな、どこまで図々しい、我慢せい」「■■(障害者を示す差別用語)」など発言があり、車いす利用者と言い合いになり、市職員は一旦は制止したものの、その後は言いっぱなしとなり、一部の参加者が差別発言者に対し拍手をしました。
    河村市長は最後に「熱いトークもあってなかなかよかった」と発言し、他市職員は車いす利用者に声もかけず、差別発言に対する市としての説明や謝罪などの対応も行いませんでした。

    市民討論会の様子は名古屋城公式YouTubeに配信されていましたが、「一部の市民の方から不適切な発言があった」と公開が一時停止されつづけています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/other/2023/05/20230526_4230.html
    ・市民討論会会議録
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/cmsfiles/contents/0000172/172001/01_siryou04.pdf
    ・差別発言部分【一部非公開】
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/cmsfiles/contents/0000172/172001/01_siryou05.pdf

    23/8/18に名古屋市は学識経験者3名、副市長・局長計4名からなる「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」を設置し、討論会当日の差別事案に係る直接的な原因究明の検証を中間報告としてまとめました。
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000167005.html
    今後、遠因や背景などについて検証の必要が生じた場合は整理するとのこと。

    「中間報告」は89ページもあります。
    特に問題点指摘部分を要約しました。
    -------
    ・「討論会」の目的が不明確だった
     2022年12月に最優秀者を選定したにも関わらず、アンケートに、『昇降技術』を「設置しない」との選択肢を記載したことは疑問である。
     職員ヒアリングによれば、「設置しない」という選択肢を設定したのは、『昇降技術』設置に反対の市民意見も多く届いていたので、反対も含めてフラットに聞く必要があると考えていた。
     所管副市長・職員へのヒアリングによって、討論会直前の段階でも、所管副市長及び職員は、市長の考えは変わることはないだろうと考えており、1階までという市長の指示を受ける想定で方針決定の準備作業をあらかじめ進めていたことが確認された。
     (参考資料12:名古屋城木造天守のバリアフリーの方針(令和5年5月30日実施の市長レク資料))※令和5年6月6日に名古屋市長名で発出予定。
     可能性がない「設置しない」という選択肢をアンケート項目に置いたことで、『昇降技術』の設置が決まっていないのであれば、設置しないという判断を市長に求めるために議論が先鋭化することは十分に想像ができ、そのことが差別発言につながってしまった側面は否定できない。
     実際には、文化庁への提出スケジュールを優先するため、技術的にどこまで設置できるのかわからないまま市民に意見を聞くことになった点も、市民を誤認させた一因と考える。
     変更理由を明らかにすべく具体的な指示や議論などを確認したところ、記録がなく詳細がわからないとのことであったが、少なくとも、市長の『昇降技術』を「設置しない」という当時の意向が関係しているのではないかと推認せざるを得ない。

    ・「討論会」の名称が不適切だった
     『昇降技術』の意見聴取のためだったが、「討論会」の名称で実施している。これによって、意見が異なる市民同士で討論を行うことが予定されているような意味合いが含まれ、参加した市民の意識に影響を与え、対立意見の応酬となる素地を作ってしまい、その結果として、差別発言が発せられる契機となってしまったのではないか。

    ・毎年実施してきた市民向け説明会とは異なる特殊性があった
     無作為抽出によりアンケートを送付し、その中から参加者を決定する方法は、これまで市では実施していない運営方法であった。
     職員は、討論会事業に対するスケジュールの厳しさや業務への負担感を非常に強く感じており、職員は事前準備において、さまざまな想定ができない状態に陥っていたものと考えられる。

    ・問題発生の想定が甘かった
     対立する強い意見は想定していたものの、市民向け説明会での経験上、厳しい意見は市に対して行われるものと考えていたが、市民同士で言い合うことは、想定していなかった。
     市長が参加することにより、市長の意向に賛成の人も反対の人も市長に自己の主張を積極的にアピールしようといった意識が働き、議論が先鋭化する結果、感情的な発言等が出てくる可能性は十分に想定できたと思われる。

    ・スケジュール設定に無理があった
     令和5年3月上旬、名古屋城総合事務所は討論会の開催時期を7月下旬に設定したが、所管副市長の指示により、文化庁の復元検討委員会が例年開催される8月を目標に逆算して5月下旬に前倒すこととなった。(最終的に6月3日となった。)
     名古屋城総合事務所からは、スケジュールが厳しいとの認識を局長や所管副市長に示していた。

    ・委託業者との連携体制が不十分だった
     討論会の目的に関連して、『昇降技術』の設置自体が決定していることについては、打合せする中で委託業者も理解しているだろうとの認識があり、市から委託業者へ明確には伝えていなかった。
     委託業者は、『昇降技術』の設置は決定しているという認識はなかった。
     本事案のような過去からの意見対立があり人権上の配慮が必要な事案では、特に、主催者である市が責任を持って必要なリスク管理や対応の指示をすべきであった。

    ・人権侵害のリスクが想定不足だった
     個人が特定されないようにといったプライバシーの配慮については市と委託業者で打合せ等されていたが、不測の事態は想定していなかった。
     差別事象マニュアルに対する関係職員の認識が薄かった。

    ・運営・進行に関する認識と意識が共有不足だった
     多くの参加者は『昇降技術』が公募によって選定され設置が決定しているものであることを認識していなかったと考えられる。
     バリアフリーを不要と求める市民の意見に対して、市は、方針として『昇降技術』の設置は決定していると説明をしなかったことは、公平性の点で疑問がある。
     そもそも、公募で選定された『昇降技術』については、エレベーターを希望する市民と焼失前の姿を希望する市民の対立する意見がある中で、史実に忠実な復元とバリアフリーの両立を市が求め障害者団体への意見聴取など時間をかけて検討し進めてきた結果であるが、その経緯等が市民に理解されていないまま議論が進められていたものと思われる。 

    ・差別発言への対応
     差別発言を含む意見に対する拍手について、市からのアナウンスも特になかったことから、参加者としては、意見の対立が意識され、差別発言も含めた意見全体として賛同が一定数あると感じ、会場が差別的な発言を容認するような雰囲気となってしまっていた可能性がある。
     なお、無作為抽出で選ばれた市民に自由に発言いただくことについて市長が非常に重き価値を置いた発言を検討段階からしており、職員も委託業者も同様の認識でいた。そうした市長や職員が非常に重視する市民の自由な発言であったことから、制止や注意することに対して躊躇した面もあったのではないかと推察される。
     
    ・差別発言に対する市長のコメント
     差別は人権侵害であって、いかなる場合でも許されるものではなく、差別を表現する自由というものは認められない。
     職員においても、差別発言が聞こえていたのであれば、仮にその場で動けなかったとしても、会の終了までに何らかの手段で市長に進言すべきであったが、その意識がなかったものと思われる。
     市長の閉会あいさつを聞いている市民としては、市長が、差別発言を不適切と指摘していないことから、すべての発言を「よかった」と指していると認識した可能性もあるだけでなく、むしろ「熱い」という表現からは、過激で強い口調だった差別を
     含んだ発言を評価したとさえ捉えられかねないため、後日であっても、差別発言に対して積極的に問題提起すべきであった。

    再発防止に向けて取り組むべき事項
    1 職員研修の充実
    (1)人権意識・人権感覚の育成
    (2)障害及び障害者理解の一層の促進
    2 障害者差別解消の推進に関する法律、条例の周知徹底
    3 人権施策推進会議(局長級)・幹事会(課長級)の企画運営の見直し
    4 差別事案発生防止のための体制づくり
    5 差別事象マニュアルの抜本的見直し
    6 市民・事業者の障害及び障害者理解の一層の促進
    7 対話によるバリアフリーを推進するための仕組みの整備
    8 その他

    ・今後の検証に向けて
     障害当事者の参加を考慮しない無作為抽出の手法による市民意見をもとに方針決定する場合に注意すべき点はなかったか。
     中間報告では、差別事象に直接的に関わる事項に限定して検証してきたが、最終報告では、過去の経緯も含めて、これらの疑問点に関して検証していく予定である。
     名古屋城のバリアフリーに関する問題については、厳しいスケジュールのもと合理的配慮を確保するため、職員は検討・調整に奔走してきた中で市長や様々な立場の市民からの意見にも対応する必要があり、そのために苦悩や葛藤も少なからず抱えてきたと推測されるが、そうしたことが、討論会の準備・運営や差別発言への対応に影響を与えたのではないか。
     こうした点を含め、本件事案についてさらに検証していきたい。
     最終報告では、人権全般に関する包括的で実効性のある条例等の必要性についても考えていきたい。

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    松雄副市長ヒアリングを以下要約しました。
    名古屋城木造復元事業についてはオンブズマンがブログで意見を述べており、市民討論会についても無作為抽出で選ばれた市民の中の希望者だけで実施するのが適当なのか、というような意見を載せていました。それも若干念頭にあって、追加の希望者を入れる提案をしました。オンブズマンから直接言われたわけではありません。
    肌感覚では、昇降装置の設置は、賛成、反対、2対8や3対7で設置しないという感覚でしたが、それが正しいのだろうかと思っていました。市民アンケートの結果、半数が5階までという結果になり、昇降技術の公募をした時の方向性で進めていけるのだとホッとしました。市長にも肌感覚だけで決めてはいけないという意味で、やった効果があったと思っています。
    討論会以前に市としての方針は決まってはいません。私は、少なくとも昇降装置を設置しないというのはありえない、公募を行ったこともあり絶対に避けなければならないということで、1階までは設置しなければならないと考えていましたが、市長の考えを聞いたことはありませんし、この時の市長の考えを知る由はありません。その資料は、少なくとも1階まではという私どもの意見を市長に示したものであり、市長が決定したものではありません。方針を決定してくださいということであって、市長からの指示を明確にしていただかないと動けないことについては、いつも指示書をいただいているものです。市長の判断を受けて修正するもので、いざとなれば書き換えればよいものです。
    指示をもらって決定していくというプロセスを名古屋城についてはずっとやっていました。こういうストーリーでいきましょうという案です。

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    河村市長ヒアリングを以下要約しました。
    市長指示書いうと、普通は市長が反対に部下に指示するやつを指示書というんだけど。指示書と。それ間違いじゃないかね。指示書と書いてある以上は、主語は河村さんになると思いますけどね。普通は。
    当局が河村さんに指示するということはちょっとないと思いますので。指示書と書いてあるから。
    だけどそういうふうに、その時に指示書が出たという記憶はないですが、まあその前の時点あたりで、1階、それとあと公募の条件に1階までは保証をするとか書いてあるもんで、まあ1階だわなあということは言っとったことは事実だと思いますね、1階だわねえと、僕が言っとったのは。だけど記者会見では1階か2階だとか。言いましたけど本質的部分、外見だけじゃないもんでお城の内部のね。
    だから無作為抽出には最後までこだわって、だで僕は何で■■ちゃんが当たったのか、本当に大丈夫か言っとんですよこれ反対に。
    一つ書類があるんで見られるといいんだけど、当時のあれは何、何部長だったかな、観光何とか部長だったかな、宮村いうのが、市長悪いけどこれからなかなか木造復元なんてそう簡単にはできんで、全責任を取ると。市長が。ということを文書に書いてくれ言うんですよ、いっぺん。これ。
    そんなこと書かないかんのか、そのぐらいの気持ちにならんのか言ったら、いや書いてもらわんと前に動けんというので、公文書書きましたよ。ありますよ、ほんだで。俺が責任取ってやるわってそんなもの。
    それと名古屋市会議員とも対立があってね、ずっとね。給料下げたもんだから。わしは怒っとるんですよこんな良い給料もらって。
    ある日なんか、予算を決めるときに前日に電話がかかってきて、否決するという。いや、否決してもええけどそのかわりリコールなるよ。悪いけどこれは。そういうことを言ったらワーワー言っとったがとにかく給料のこと文句言うなと。それを約束してくれたら、名古屋城賛成する言ってました。自民党の市会議員が、長老が2人。そんなもんですから政治は、権力闘争で。本当にみっともねえいう話。
    今言ったようなその2人の方は実はわかっとるはずなんですよ。それ聞いてる。 差別発言という。
    第1番目の人は、ある記者が名刺のやりとりをしとって本人にインタビューしとるんです、これ実は。もう1人の方も資料があるんです。
    なくしたとか言っとるけどそこへなんかお礼の手紙出したりしているので。会ってこいと早く。そこへ。そう言って、1人の方は、
    僕はこれ又聞きですけど、NHKが言ってましたけど、会いに行って立派な方だったですよって「僕はちょっと気が短いもんで、申し訳なかった」と言っとるらしいんだわ。その人から■■ちゃんにお詫びしてもらうとそら違うよって、それ当たり前ですけど。
    だからもう1人の人もわかっとるやろ言って、直接話をして、本人の気持ちを伝えてもらったらどうだ言っとるんだけど。やっとるんか
    やっとらんのかどっちだしかし。返事はあれせんし。役人はこういうとこはけしからんですよ、本当に。民間なら絶対やりますよ。
    会社つぶれちゃうから。という話ですわ。情けにゃあ。1人目の人はそう言っとったというのはNHKが言ってますわね。はい。
    せっかくだで、今の差別意識の中で言ってくと。もう7年8年なるかな、このバリアフリーの話が出かけたときに、要するに、エレベーターはつけないという話を、名前はちょっとやめときますけど当局から話があって、これ複数いますから証人は出てくると思うけど。俺は福祉の団体にちゃんと相談したるかと言ったんですよ。
    そしたらいやそれはいいですから、こうやって進めればそうなりますからって言うんで、馬鹿、ええか言って。と言った、
    もう7年8年前ぐらいに。ちょっとどうしてもいや名前言いますけど、それまではちょっと内緒にしといてください。

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    以下中間報告、河村市長、松雄副市長ヒアリングを読んだ感想です。

    「文化庁申請に合わせた無理あるスケジュールで、市職員は差別への配慮を欠いた」とのことですが、そもそもどうして無理のあるスケジュールを組まないといけなかったのか、膨大な資料を読んでもわかりませんでした。

    また、いわゆる「ノイジー・マイノリティ」である、小型昇降技術・エレベーター設置絶対反対の一部の声に、市が「屈した」ことへの問題意識はあまり見られませんでした。

    小型昇降技術を設置する方針を市が決めたにもかかわらず、「小型昇降技術を設置しない」とアンケートに記載した理由もわかりませんでした。

    アンケートの内容、実施に関して市民に秘密にした理由も不明です。

    また、中間報告については、「討論会当日にどうして差別発言があったのか」と問うのであれば、「発言した市民」本人や参加した市民にヒアリングすべきだったのではないでしょうか。
    河村市長も「2人の方は実はわかっとるはず」と述べています。
    5000人市民アンケートの結果、「設置しない」が少数で焦ったことも、差別意見を含む過激化につながったのではないでしょうか。
    ・18歳以上の5000人無作為 1448人回答 29.0%
     小型昇降技術設置しない:23.4%
     1階まで小型昇降技術設置:16.9%
     5階まで小型昇降技術設置:47.2%
     
    今回、市長・副市長ヒアリングで、「名古屋城木造復元事業に関しては常に『市長指示書』をもらって決定してきた」と明らかになりました。
    23/6/3バリアフリー市民討論会が開催される前、23/5/30に「23/6/6に市長名で『名古屋城木造天守のバリアフリーの方針』を出す」と内容も決まっていたことが明らかになりました。
    これでは市民討論会は「アリバイ作り」です。
    これまでどのような「市長指示書」が出されてきたのかは明らかとなっていません。
    (参考資料12:名古屋城木造天守のバリアフリーの方針(令和5年5月30日実施の市長レク資料))
     
    また、中間報告を作るに当たり、市職員にヒアリングをしていますが、それらを含め一部資料は非公開となっています。

    障害者団体は、長年「小型昇降技術ではなく、憲法や条約、法律や条令に基づいた、大型で最上階まで登れるエレベーター」を求めてきました。

    日弁連も22/10/24に名古屋市に対し、「あえて大型エレベーターを設置しないのは差別でかつ憲法・条約・法律等に違反し、最上階までの大型エレベーターを設置するよう」要望しています。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html

    どうして人権侵害で差別である小型昇降技術をあえて採用したのか。
    アンケートに、大型エレベーターの選択肢をどうして入れなかったのか。
    非公開にしている情報を公開した上で、最終報告では、名古屋城木造復元事業がどのように進められてきたか、全体像を明らかにしてもらいたいです。

    23/6/15に開催された名古屋市議会経済水道委員会で、佐治独歩・名古屋市観光文化交流局長は「23/6/3に開催された名古屋城バリアフリー市民討論会をめぐる事件について、一連の検証が終わるまで名古屋城木造復元事業を進めない」と明言しました。
    https://ombuds.exblog.jp/29599991/

    にもかかわらず、名古屋市はMHIエアロスペースプロダクションと「小型垂直昇降技術」開発のため、7811万1000円で23/10/31に契約していました。履行期間は2027/3/19(令和9年3月19日)です。
    https://ombuds.exblog.jp/29813367/
    契約は佐治局長発言に反しないのか、検証が必要です。

    中間報告書では「可能性がない『設置しない』選択肢が市民を誤認させた」ため、差別発言につながったとありました。
    そうであれば、市は市職員への研修、市民への一般的な差別防止理解促進だけでなく、市民へ「木造天守に小型昇降技術は設置する。『設置しないこと』は可能性がない」と何百回も説明会等を行うことが、真の差別防止につながるのではないでしょうか。

    河村市長は24/1/29定例会見で「差別発言検証中間報告が出た後、年度内に市民説明会を行いたい」と明確に述べています。
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000171395.html
    https://ombuds.exblog.jp/29834678/
    まずは中間報告に関する市民説明会ならびに質疑応答を複数回(最低でも各区1回)行うことが必要不可欠だと考えます。

    -------
    参考:2023年 05月 24日 市民オンブズマン事務局日誌
    名古屋城木造復元バリアフリーアンケート 市長「無作為抽出は『フラットに聞くため』」
    https://ombuds.exblog.jp/29581406/
    (無作為抽出された市民による政策形成プロセスに関する、OECDで示された「活用ガイドライン」に反していると名古屋市民オンブズマンは23/5/24段階で指摘しています)

    2023年 05月 12日 市民オンブズマン事務局日誌
    名古屋城木造復元バリアフリーアンケート文面 「市民討論会」開催後まで開示決定延長
    https://ombuds.exblog.jp/29571524/
    (バリアフリーに関して、障害当事者を呼ばずに決めてしまうことはあってはいけない、と23/5/12段階で名古屋市民オンブズマンが指摘しています。)

    ・2015/8/24 河村たかし市長「全責任は私が取る」指示書
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shijisho.pdf

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    今後の予定

    ・24/2/16(金)午後3時30分 市議会総務環境委員会 「中間報告」について
     https://www.city.nagoya.jp/shikai/category/324-3-0-0-0-0-0-0-0-0.html
    ・24/2/20(火)-3/22(金) 名古屋市議会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
     
    -------

    24/2/13(火) 名古屋市令和6年度当初予算案 名古屋城木造復元 昇降技術開発等約4億円計上

    名古屋市は24/2/13に「令和6年度当初予算案」を公表しました。
    名古屋城木造復元に関しては、4億664万8000円を計上しました。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-21-1-1-2-0-0-0.html
    ・実施設計 800万円
    ・設計監理等支援業務委託  400万円
    ・木材製材 9998万5千円
    ・石垣保存対策 2億8110万円
    ・木造天守閣昇降技術開発 1356万3000円
    合計4億664万8千円

    24/1/11に発表した「財政局査定内容の公開」では、「市長査定で対応を検討」とされていました。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000170935.html

    -----
    24/2/14(水)午前9時半に名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会が『中間報告』を市長に提出後、市政記者クラブで会見を行う予定です。
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000167005.html

    「小型昇降技術はそもそも認めない」とする障害者団体。
    「小型昇降技術で、技術的に何階まで可能か、2027年3月19日まで技術開発する」とする名古屋市とMHI。
    中間報告発表とともに、名古屋城木造復元をめぐって一気に動く可能性があります。

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    24/2/11(日) 名古屋城 家康は石垣下手でも城づくり下手でもなかった

    24/2/11に名古屋市立大学寄附講座開設記念 連続講座 第3回が開かれ、800人の会場が満席になりました。
    1600人を超える応募があったとのこと。
    講師の宮武正登・佐賀大学教授は「なぜか徳川家康は城づくりが下手と言われてきたが、石垣を見ると中央での技術進歩の方向性に順応した石垣普請をしてきた」、千田嘉博・名市大教授は「家康が作った馬出を見ると、超攻撃思想がわかる。」などと述べました。
    https://www.nagoya-cu.ac.jp/affiliate/facilities/nagoyagaku/
    配布資料は、アンケート以外ありませんでした。
    写真撮影・録音・録画は禁止されました。

    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240211-1.pdf

    千田教授は「名古屋城調査研究センターが、名古屋城大天守西側の堀底を調査したところ、なごや御城惣指図にあった『幻の西小天守』の基礎石列が発掘された。
    西小天守から対岸に橋を架ければ、御深井丸が天守専用出撃馬出となり、超攻撃型城郭となる。
    しかし、家康は『徳川の平和』時代にふさわしい専守防衛天守にするため、西小天守をやめた。
    名古屋城は家康の最晩年の集大成としての城であり、世界史的にも意義がある」と述べました。

    司会者は「今回石垣、馬出と詳しい説明を受け、はじめて名古屋城を誇りに思えた」と述べました。

    会場からは、特に小中高校生と思われる若い世代からの質問が相次ぎました。

    伊藤恭彦・名市大なごや学研究センター長は「可能であれば来年度もこのような講座を行い、研究成果を市民に還元したい。
    今回も抽選になった。今後はバンテリンドームを借りるしかない。
    今回子どもたちの質問にたくさん答えていただいた。名古屋を好きになってもらい、郷土愛をはぐくむきっかけになれば」と述べました。

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    河村たかし名古屋市長が強引に名古屋城木造復元を推し進めようとした結果、名古屋城に関する石垣など遺構の調査が不十分であると文化庁から指摘され、調査をしたところ様々な画期的成果があらわれています。

    一方、2016〜2021年度に支出した木造復元事業に係る経費は73億円を超えています。
    木造復元事業は建設費だけで505億円を見込んでいます。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230121-1.pdf

    名古屋市は23/3/14に、復元事業は「順調にいって2032年度」とはじめて述べましたが、23/6/3バリアフリー市民討論会での参加者の差別発言ならびに市の対応のまずさから、現在ストップしています。

    名古屋城を知り、歴史に関心を持ってもらうためには、必ずしも木造復元は必要ではないのではないか。
    むしろそのような経費をかけるくらいなら、ほかの方法の方がよいのではないか。
    連続講座の大盛況をみるたび、そう思います。
    木造復元に関し、冷静な議論が必要だと思います。

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    ・24/2/13(火)名古屋市令和6年度当初予算案公開
     https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-21-1-1-2-0-0-0.html
    ・24/2/14(水) バリアフリー市民討論会検証委員会 中間報告公表
    ・24/2/16(金)午後3時30分 市議会総務環境委員会 「中間報告」について
     https://www.city.nagoya.jp/shikai/category/324-3-0-0-0-0-0-0-0-0.html
    ・24/2/20(火)-3/22(金) 名古屋市議会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
     
    -------

    24/2/3(土)濱田准教授「名古屋城石垣の約7割は築城当時が残っている」

    24/2/3に名古屋城調査研究センターはシンポジウム「名古屋城石垣をつくる・なおす -最新の調査成果から分かる石垣のなりたち-」を行いました。
    濱田晋一・名古屋工業大学大学院准教授は、名古屋城の石垣の編年を、石材の技術と修理記録によって1期から13期にわけた上で「名古屋城石垣は、慶長築城当時が約7割残っている」ことを明らかにしました。
    資料は「未発表内容を含むため、資料の転載はご遠慮下さい」とされました。
    24/2/15注記】:未発表内容や条件付きで借りた資料を除いたものを情報提供いただきました。
    ネット掲載も了承済 nagoya.ombudsman.jp/castle/240203-

    写真・録画・録音も禁止されました。
    2024年3月上旬から期間限定で、編集した動画をYoutubeで公開予定とのこと。
    https://www.youtube.com/channel/UCUeMWl_vFNmoyYNGewC0bLQ
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2023/11/20231130_4297.html

    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240203-1.pdf

    定員100名のところ400名を超える応募がありました。

    濱田准教授は「名古屋城の全石垣について、石材加工、石積み技術(平部・隅角部)、隅角部と平部の関係、石材種、矢穴の形状を調査した。
    築城当時、20大名が分担して石垣を築いたが、それぞれ技術の差があった。他の大名は先端技術を吸収して自国に使った。
    その後、各時代の修理は、その時代に特徴的な方法で行われた」と述べました。

    濱田准教授の基調講演に続き、名古屋城調査研究センターの二橋慶太郎学芸員の、石垣調査成果(石垣カルテ、発掘調査)と石垣積みなおし現場の最新状況の報告がありました。

    続いて、服部英雄センター長の発表(石垣の石はどこから運んだか。名古屋城内をどう運んだか)がありました。

    二橋学芸員は「石垣カルテでも積み直しは把握していたが、今回の濱田准教授の発表ほど詳しいものではない。
    石垣カルテは作っておしまいではない。
    作って得られた劣化状況をもとに今後どうするか方針を定めないといけない」と述べました。


    24/1/29(月)名古屋城木造復元 河村市長「差別発言検証中間報告が出た後、年度内に市民説明会を行いたい」

    24/1/29に行われた河村たかし名古屋市長定例記者会見で、名古屋城木造復元事業に関し、記者から「今年度は、例年12-1月にある市民説明会が予定されていないが」と問われ、「現在、23/6/3市民討論会の差別発言検証中間報告書を年度内を目標にまとめていると聞いている。
    報告がないうちはやりにくい。それが出た後、年度内になんらかの市民説明会を行いたい」と述べました。
    ・24/1/29 河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240129-1.pdf
    ・24/1/29 第5回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」に
     おける差別事案に係る検証委員会 配付資料(マスコミ向け)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240129.pdf
     
    河村市長は「今日、検証委員会があることは知らなかった。検証委員会はこないだの市民討論会のことだけであって、名古屋城の天守を木造化をとエレベーターの関係をどうするかいうことは、あの話はないと思います」と述べました。

    さらに、現在凍結されている計画策定については、「報告書は別途それを見さしていただいて、そこであの丁寧に考える」と述べました。

    -------
    市長記者会見終了後、名古屋市スポーツ市民局人権施策推進室 人権企画担当に問い合わせたところ、
    「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における 差別事案に係る検証委員会』の資料は今日明日中にネットに載せる。
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000167005.html
     資料2 検証結果(中間報告書)(案)【非公開】 に基づき議論した。
     前回も 資料2 検証結果(中間報告書)骨子【非公開】 に基づき議論した。
     年度内に中間報告書を取りまとめたい。
     その後、最終報告書をとりまとめることになる」と述べました。
     
    -------
    今後の予定
    ・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
     (24/1/14申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2023/11/20231130_4297.html
    ・24/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/2/11(日)13時〜 名市大寄附講座「郷土が誇る三英傑「家康」の城に迫る!」 名古屋市教育センター
     (24/1/31申込必着)
     https://www.nagoya-cu.ac.jp/affiliate/facilities/nagoyagaku/
    ・24/2/20(金)-3/22(金) 名古屋市議会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/3/16(土)17(日)名古屋城石垣の積み直し現場体験!〜石垣修復工事市民説明会〜
     (24/2/22申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/event/2024/01/20240125_4320.html
    ・24/3/24(日)13時〜 「水堀からみる城郭〜守りの水の真価を探る〜」(名古屋能楽堂)
     (24/2/29申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2024/01/20240125_4316.html
    ・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
     
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    【独自】名古屋城木造復元基本協定書 完成期限を『暫定的に』2026年3月末に延期

    名古屋城天守木造復元に関し、2023/12/28に名古屋市が竹中工務店と結んだ「名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(その3)」で、完成期限を『暫定的に』2026年3月31日としていたことが名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。

    ・23/12/28(令和5年12月28日)
     名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(その3)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240123.pdf
    -----
    当初の基本協定書では、木造天守の完成期限は2022年12月末まででしたが、完成期限を延長するのは3回目です。

    ・名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書(平成29年5月9日)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf
    ・名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(令和3年11月18日)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/211214.pdf
    ・22/12/28(令和4年12月28日)
     名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(その2)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-1.pdf

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    23/3/14名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋城総合事務所の荒川宏主幹は名古屋城木造復元について「順調にいって2032年度」と初言及しました。
    https://ombuds.exblog.jp/29522170/
    上記期限については、23/3/20河村たかし名古屋市長定例記者会見で「わしも副市長も知りませんでした」と述べています。
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000162185.html

    23/6/3に名古屋市が開催したバリアフリー市民討論会での差別発言とその後の市の対応のまずさで、名古屋城木造復元事業は事実上ストップしています。

    ------
    名古屋城木造復元事業はいったいどうなっているのでしょうか。
    覚書(令和3年11月18日)、覚書(令和4年12月28日)に基づき行った、名古屋市と竹中工務店との「必要に応じて見直しの協議」の内容を情報公開請求しましたが、「作成又は取得していない」ため不存在となりました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240123.pdf

    名古屋市は、これまで毎年行っていた名古屋城木造復元市民説明会を、令和5年度については「今年度は進捗がなかったから」という理由で行いません。

    市民にどうなっているか説明する気も無ければ、竹中工務店との交渉内容も記録していない名古屋市。
    「障害者差別の象徴」というだけではありません。

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    今後の予定
    ・24/1/29(月)10時半〜 河村たかし名古屋市長定例記者会見
     https://www.youtube.com/user/nagoyakoho758
    ・24/1/29(月)第5回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000171193.html
    ・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
     (24/1/14申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2023/11/20231130_4297.html
    ・24/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/2/11(日)13時〜 名市大寄附講座「郷土が誇る三英傑「家康」の城に迫る!」 名古屋市教育センター
     (24/1/31申込必着)
     https://www.nagoya-cu.ac.jp/affiliate/facilities/nagoyagaku/
    ・24/2/20(金)-3/22(金) 名古屋市議会
    ・24/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
     
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    24/1/16(月)名古屋城石垣部会委員「明治以降の石垣は地震に弱く警戒が必要」

    24/1/16に特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第58回)が開催されました。構成員の宮武正登・佐賀大学教授は「2024/1/1にあった能登大震災で、七尾城や金沢城の石垣が崩壊したが、明治以降の石垣だった。
    熊本城も仙台城も地震で崩壊したのは明治以降の石垣。近現代石垣に疑問符がついている。
    名古屋城ではいち早く色分けして別に把握する必要がある」と述べました。
    ・24/1/16 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議 石垣・埋蔵文化財部会(第58回)
     配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240116.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240116-1.pdf

    今回、名古屋城調査研究センターから「平成29年度からはじめた石垣カルテ作成は、ほぼすべての石垣で作業が終わった
    (令和6年度-7年度で、二之丸外堀、二之丸庭園付近、三之丸)。
    令和6年度、各石垣に沿った保存方針を策定したい」と報告がありました。

    宮武教授は「石垣カルテを作ってからが大変。保存方向や運用の形をどうするか。膨大なマンパワーが必要。
    島原城、佐伯城では、行政ではなく『守る会、歴史愛好会』など市民参加型で見定めていこうという動きもある」としました。

    その上で、「来週姫路で城郭石垣研究会がある。
    https://www.city.himeji.lg.jp/jyokakuken/0000025856.html
    そこでも報告されるが、2024/1/1にあった能登大震災で、七尾城や金沢城の石垣が崩壊したが、明治以降の石垣だった。
    熊本城も仙台城も地震で崩壊したのは明治以降の石垣。近現代石垣に疑問符がついている。
    名古屋城ではいち早く色分けして別に把握する必要があるのではないか。
    導線、入場者がたびたび通過する石垣を考えないといけない。構造上の弱さがある」としました。

    西形達明・関西大学名誉教授は「石垣カルテの結果に基づいてまずは石垣の安全対策が必要。
    文化庁から、今年度中に診断マニュアル案が出てくると思う。
    『近現代の石垣がなぜ壊れるのか?』は構造的に調べる必要がある。
    石の控えが短い?経時的に強くなっていく?工学的に難しく面白い」と述べました。

    -------
    名古屋城天守台周辺石垣では、「濃尾地震時(1891年)に積み直した」
    「近代以降に積み直した」とされる石垣面が多数あります。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/uploads/6dc341c5dc9e70db94a6d5ac4e9d9b72.pdf

    石垣の総延長は約8.2km、5万uにも及ぶとされています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/center/uploads/6aa93633239b0dd26ea53b6a47e4a6af.pdf

    24/1/1に発生した地震で、震度5強を観測した石川県金沢城は4ヶ所石垣が崩落したとのこと。
    一部は人が通行可能な場所に落下したが、けが人はいなかったとのことでした(金沢城公園は当面の間閉園)。
    https://www.siro-niwa.com/_wp/news/
    https://www.kanazawa-kankoukyoukai.or.jp/information/detail_329.html

    名古屋城も早急に石垣の地震対策をすべきですし、危険度が高い石垣には近づけないようにすべきです。
    なお、名古屋城木造復元に伴い、大天守台北対面石垣の上を重機が通る計画となっています。
    木造復元工事に伴いどのような影響があるのか、しっかり調べる必要があります。

    --------
    今後の予定
    ・24/1/22(月)市財政局査定意見締切
     https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000170935.html
    ・24/1/29(月)第5回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/sportsshimin/0000171193.html
    ・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
     (24/1/14申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2023/11/20231130_4297.html
    ・23/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
     

    名古屋城所長「史実になく付加する3階-4階階段は実質的には常設」認める

    23/12/25名古屋市議会経済水道委員会が開催され、上田剛・名古屋城総合事務所所長は「木造復元する名古屋城に、人命確保のため史実にない3階-4階の仮設階段を付けるが、実質的には常設となる」と認めました。


    ・令和5年12月25日 名古屋市観光文化交流局 経済水道委員会説明資料
     名古屋城木造天守昇降技術開発業務委託契約について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231225.pdf

    ・23/12/25 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231225-1.pdf
     
    名古屋市は小型昇降技術開発のため、M H I エアロスペースプロダクションと23/10/30に7811万1000円で2027/3/19まで契約を結びました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf

    浅井正仁市議は(自民・中川区)は「河村市長は今回選定した小型昇降技術をいいふうに思っていなかったが」と質問し、名古屋城総合事務所小鹿主幹は「市長の決裁を受けて契約した」と述べました。

    浅井市議は「市長もこの契約で最上階を目指すという考えでいいね」と質問し、小鹿主幹は「可能な限り上層階の導入を目指す。昇降技術開発における
    検討状況を踏まえて、慎重に検討する」と述べました。
    上田所長は「100%最上階が可能とは開発前段階では言えない。実装が可能な階層をしっかりと見極めたい。
    市長のための開発ではなく、可能な限り多くの皆様に天守を楽しんで戴くために開発進めたい」と述べました。

    浅井市議は「文化庁から『木造頑張れ』と言われたのか、市長が『木造頑張ります』といったので、『復元検討委員会の資料を見て頑張ってください』としかいいようがないのか。市長は誰から頑張れといわれたのか」と質問しましたが、佐治局長は「上層部の方とは聞いたが、具体的にだれかは市長に確認していない」と述べました。

    浅井市議は「僕の資料では、文化庁は頑張れと一言も言っていない。印象操作だ。今回の人権問題も印象操作が一番の原因だと思っている。
    名古屋城総合事務所としては、階段増設や昇降機設置しても『復元』という考えでよいか」と質問しました。
    小鹿主幹は「付加的、仮設的に階段設置する場合は『復元』と考えている」と述べました。

    浅井市議は「4階-5階は避難ハッチを付ける。3階-4階は階段を付ける計画。
    復元、復元的整備によって、障害者を傷つける、人権を無視する。階段が付けられるならエレベーターを付けてもいいのではというのが文化庁の答え。なぜ文化庁の気持ちが分からないのか」と質問しました。

    上田所長は「何よりも人命を最優先する。避難等に使用する階段は必須設備。実質的には常設になる。仮に人が入らないときに取れれば『仮設的』と我々は解釈している。『復元か人命か』は二律背反ではないと考える」としました。

    浅井市議は「そうであれば階段は常設だ」と述べました。

    ---------
    MHIとの契約上、開発契約は2027/3/19までです。逆に言えば、「2027/3/19にならないと、技術的に何階まで小型昇降技術がつけられるか確定しない」です。

    その後市長が「何階まで小型昇降技術を付ける」と決め、ようやく文化庁に書類提出ができることになります。
    その後約9年かかるとすると、計算上、木造復元は最短でも2036年度になるのではないでしょうか。

    今回の名古屋市が提出した資料には「バリアフリーについては、再現される天守を広く観覧の用に供することは重要と考えているので、関係者が納得するような形で決着するように対応をお願いしたい」とありました。

    障害者団体は「現在開発している小型昇降技術(車いす1名+介助者1名)では小さすぎる。誰でも大勢乗れる大きいエレベーターを最上階まで付けることを望むし、そうでなければ差別であり、憲法・条約・法律・条例等違反だ」としています。
    日弁連も「大型エレベーターを最上階まで設置」するよう要望しています。
    そうであれば、文化庁がいう「関係者が納得するような形で決着」ができないのではないでしょうか。

    7811万1000円かけて開発する小型昇降技術。
    仮になんらかの形で開発しても、障害者団体が納得することはありません。
    誰のための名古屋城木造復元、誰のための小型昇降技術開発なのでしょうか。


    【独自】名古屋市 2023年度名古屋城木造復元市民説明会は開催しない方針

    名古屋市民オンブズマンは、24/1/11に名古屋城総合事務所が「2023年度名古屋城木造復元市民説明会は開催しない方針」であることを確認しました。

    名古屋城木造復元事業を強引に進める名古屋市は、2015年度から毎年会場から質問ができる市民説明会を行ってきました。
    しかし近年は説明会が激減していました。
    2015年12月-2016年1月→16ヶ所
    2016年5月→5ヶ所
    2018年1月→6ヵ所
    2019年1月→6ヵ所
    2019年11〜12月→8ヵ所
    2021年1月→3ヵ所
    2022年1月→3ヵ所
    2023年1月→1ヶ所

    名古屋城総合事務所担当者は「2023年度は、木造復元に関してあまり進捗がなかったから、市民説明会を開催しない」と説明しました。
    しかしながら、建設費だけで505億円もの事業に関して、「どうして進捗がなかったのか」説明する義務があります。

    また、23/6/3に行われたバリアフリー市民討論会での差別発言の検討委員会の実施状況も市民に報告義務があります。
    名古屋城総合事務所は以下ホームページに記載していますが、具体的に市民からの意見を聞くことはしないことを宣言しました。。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/other/2023/06/20230613_4247.html
     何が足りなかったのか、何をしていかなければならないのか、人権や障害者差別解消について議論・検討を重ねており、再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。
     
    そもそも、毎年市民説明会のための予算が付いていたはずです。

    木造復元事業のために購入した材木の保管料年間約1億円は毎年税金で支出しています。
    https://ombuds.exblog.jp/29815264/

    国際公募して選んだ小型昇降技術については、障害者団体は「大型のエレベーターをつけなければ『差別の城』を作ることになり、かつ違法」と主張しています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613-1.pdf

    そもそも、いまだに「江戸時代そのままの天守が建つ」と勘違いしている市民が山のようにいます。
    23/6/12開催の特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)資料にもあるように、有識者との6年の議論の結果、名古屋市は「天守の基礎はケーソン、建物荷重は鉄骨で受け止め、補強金物等の工事と耐震ダンパーを設置。各階にはコンセントが多数あって、天守全域にLAN配線を完備」する方針を定めています。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2023/04/20230404_4218.html
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/uploads/6dc341c5dc9e70db94a6d5ac4e9d9b72.pdf
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/
    (23/6/25 千田嘉博教授Twitterより)
    https://twitter.com/yoshi_nara/status/1672878543280431106

    しかも、小天守東側に巨大なスロープを設置する予定です。
    これらを市民にきちんと説明する義務があります。

    ・23/12/16(土)市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」
     名古屋城総合事務所 配布資料
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-2.pdf
     名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(説明と質疑応答)
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-4.pdf
     
    ------
    河村たかし名古屋市長は、23/1/23に行った定例記者会見で、23/1/21名古屋市が行った名古屋城木造復元市民向け説明会が今年度は1回のみだったことに対し、「わざわざ少なくした認識はない」と述べました。
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000160435.html

    河村たかし名古屋市長定例記者会見は、24/1/4に行った後は24/1/29まで行わない予定です。
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/category/316-0-0-0-0-0-0-0-0-0.html

    2013年河村市長マニフェストには、以下記載があります。
    ・河村たかし 名古屋市長選マニフェスト(簡略版)
     河村たかし 第2期名古屋市政
     新新新第2期マニフェスト(簡略版)
     3.市民への情報公開
     (2)市長定例記者会見の充実(月2回を週1回に、生中継の実施)
     https://x.gd/q40Kj


    名古屋市令和6年度予算要求財政局査定 名古屋城木造復元約4億円「市長査定で対応を検討」

    名古屋市は24/1/10に「令和6年度予算要求に対する財政局査定内容の公開」を行うとともに、予算要求(追加及び変更分)の内容についてのご意見募集を24/1/10(水)-24/1/22(月)まで行うと発表しました。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000170935.html


    各局からの要求に対する財政局案の考え方は以下の通りです。
    @所管局の要求(見積り)通り
    A事業内容、積算内容を精査のうえ計上
    B経常経費の範囲内で対応を検討
    C現段階では未計上
    D市長査定で対応を検討

    それによれば、観光文化交流局関係予算では、名古屋城天守閣の整備(天守閣の整備に係る設計監理等支援業務委託、実施設計、木工事及び石垣保存対策等)4億600万円の要求を追加して行いましたが、「市長査定で対応を検討」(D)としました。

    これでは内訳が分からないため、名古屋城総合事務所に24/1/12に電話で確認しました。
    ・設計監理等支援業務委託  400万円
    ・石垣保存対策支援業務委託 200万円
    ・事務費等 1254万8千円
    ・実施設計 800万円
    ・木材製材 9998万5千円
    ・石垣保存対策 2億7910万円
    合計4億563万3千円

    ------------
    名古屋城天守閣木造復元事業については、竹中工務店との2022年12月末までに完成させるという基本協定期限が切れ、「暫定的に」実施設計、木材製材等の期限が延長されています。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-1.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-2.pdf
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-3.pdf

    いまだにいつ完成するのかは不明です。
    どうして完成する目処も立っていない中、木材を先に買ってしまい、保管料として年間約1億円も支出し続けるのか全く理解できません。
    しかも後述の通り、順調にいっても着工まで約5年半かかるとしたら、さらに約5.5億円も税金が投入されることになります。

    また、名古屋城木造天守閣昇降技術開発について、履行期間は2027/3/19であることが契約書の情報公開請求で判明しました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    履行期間後、文化庁復元検討委員会で検討(2年-2年半)、工事(6年半)だとすると、順調にいっても完成するのは今から約12年後の2036年度ではないか、と名古屋市民オンブズマンは試算しました。

    障害者団体は「今回公募で決まった小型昇降技術は人権侵害であり承服できない。
    市民を分断し、差別を助長する名古屋城木造天守復元事業を即時中止すること」と述べています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613-1.pdf

    日弁連も22/10/24に名古屋市に対し、「あえて大型エレベーターを設置しないのは差別でかつ憲法・条約・法律等に違反し、最上階までの大型エレベーターを設置するよう」要望しています。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html

    このような「差別の城」に税金を投入し続けてよいのか、令和6年能登半島地震からの復興や、将来起こるとされている南海トラフ地震への備えが優先するのではないか、市民の良識が問われています。

    ぜひ24/1/22(月)まで、予算財政局案に意見を言いましょう。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000170935.html

    --------
    ・22/9/22 全国市民オンブズマン連絡会議
     「予算編成過程・住民参加状況調査結果」
    ・概要 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-2.pdf
    ・詳細 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-1.pdf

    ------
    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001216.html
    ・予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例施行細則
     https://www1.g-reiki.net/city.nagoya/reiki_honbun/i502RG00001217.html
     
    -------

    名古屋城木造「小型垂直昇降技術」開発 7811万円で2027年3月までで契約

    名古屋城木造復元に関し、名古屋市はMHIエアロスペースプロダクションと「小型垂直昇降技術」開発のため、7811万1000円で23/10/31に契約していたことが、名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。
    履行期間は2027/3/19(令和9年3月19日)です。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    上記契約に基づくと、2027/3/19にならないと「技術的に何階まで垂直昇降技術が付けられるか」確定しないことになります。

    仕様書によれば以下の通りです。
    その他気付いた点がありましたらご指摘下さい。
    ・少なくとも大天守の地階から1階の間に導入し、可能な限り上層階への導入を目指す
    ・高齢者、障害者等の意見を伺いながら開発を進めること
    ・成果品は各年度ごとに1部提出すること

    -----
    名古屋市は昇降新技術公募ホームページごと削除しています。
    http://www.castle-challenge.city.nagoya.jp/challenge/
    国立国会図書館のアーカイブで読めるのみです。
    https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/12549184/www.castle-challenge.city.nagoya.jp/challenge/

    それによれば、開発費用(昇降技術開発契約)の上限額は8000万円。
    その後あらためて導入費用(昇降技術導入契約)として2億円の上限を定めています。

    --------
    23/6/15名古屋市議会経済水道委員会で、荒川宏主幹は「文化庁から『昇降技術をどの階、どこに付けるか』を復元原案に書いてきなさいと指導を受けている」と述べています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230615-5.pdf
    23/12/16に行われた「市政出前トーク」で、荒川主幹は「文化庁に書類を提出できないのは、バリアフリー計画が煮詰まっていないからだ。垂直昇降技術を何階までつけるか決めて文化庁に出す必要がある。
    私がいうことではないが、河村市長は『昇降技術をつけたくない』。最終的には市長が判断する。」と述べました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-4.pdf

    -------
    23/3/14名古屋市議会経済水道委員会では、荒川主幹は「2023年度には文化庁の復元検討委員会で議論いただこうと考えている。概ね2年とか2年半かかると感じている。
    その後現状変更許可で、その後木造天守の完成には6年半ぐらいかかると思う。
    なので、2023年度からスタートしたとして約9年かかる。
    ある程度順調にいくと2032年度。」と述べました。
    http://nagoya.ombudsman.jp/castle/230314-1.pdf

    しかしながら、本昇降技術開発業務委託契約書に基づくと、2027/3/19にならないと「技術的に何階まで垂直昇降技術が付けられるか」確定しないことになります。

    ・2027/3/19 技術的に何階まで垂直昇降技術が付けられるか確定する
    ・その後 市長が「何階まで垂直昇降技術を付ける」か判断する
    ・その後 名古屋市が文化庁復元検討委員会に書類提出
    ・2年とか2年半? 復元検討委員会で検討後、現状変更許可→着工
    ・6年半? 木造名古屋城完成

    そうすると、順調にいっても完成するのは2036年度になる計算ではないでしょうか(間違っていたらご指摘下さい)。
    現在2024年1月から数えると約12年後になります。

    仮に、2027/3/19を待たずに市長が垂直昇降技術の階数を決めた場合、本契約書はなんだったのかということにもなりかねません。
    また、「技術的には●階まで小型昇降技術が付けられること」が判明したとして、市長がそれより低い階数までしか小型昇降技術を付けないと決めた場合、何のための技術開発だったのかということになります。

    --------
    現在、「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に係る検証委員会」が開催されています。
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000167005.html

    上記検証委員会がいつ終わるか不明ですが、23/6/15名古屋市議会経済水道委員会で、佐治独歩・名古屋市観光文化交流局長は「23/6/3バリアフリー市民討論会の検証が終わるまでは名古屋城木造復元事業を進めない」と明言しました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230615-5.pdf

    仮に検証委員会が終わったとしても、障害者団体は「今回公募で決まった小型昇降技術は人権侵害であり承服できない。
    市民を分断し、差別を助長する名古屋城木造天守復元事業を即時中止すること」と述べています。
    ・2022年12月7日  愛知障害フォーラム(ADF) 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     名古屋城木造天守昇降技術および市長発言の撤回要求と抗議 
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/221207.pdf
    ・2023年6月13日 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     名古屋城バリアフリー市民討論会における重大な人権侵害の原因究明及び再発防止策検討のための第3者検証委員会設置の申し入れ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613.pdf
    ・チラシ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230613-1.pdf

    日弁連は22/10/24に名古屋市に対し、「あえて大型エレベーターを設置しないのは差別でかつ憲法・条約・法律等に違反し、最上階までの大型エレベーターを設置するよう」要望しています。
    https://www.nichibenren.or.jp/document/complaint/year/2022/221024.html

    以下まとめました。
    @木造復元+5階まで大型エレベーター+外部スロープ(障害者団体希望、日弁連要望)
    A木造復元+5階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
    B木造復元+4階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
    C木造復元+3階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
    D木造復元+2階まで小型昇降機+外部スロープ(今後の技術開発次第)
    E木造復元+1階まで小型昇降機+外部スロープ(松雄副市長案、今後の技術開発次第)
    ×木造復元+昇降機無し 人を入れる(市長案)
    ×木造復元+昇降機無し 人を入れない(文化庁が認めない)
    F現天守を耐震改修+最上階まで大型エレベーター

    順調にいっても2036年度?に完成?する名古屋城木造復元事業。
    「差別の象徴」の城を作るために7811万1000円もの税金を支出するのか。
    順調に技術開発が進んだとしても、まだまだ超えなければならない課題は限りなく高いです。

    -------
    なお今回の開示資料の中に、「市建築物総合耐震設計基準」がありました。
    (鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造及び鉄骨造の市設建築物の設計に適用する)
    大地震時の層間変形角の制限値がRC造、SRC造で1/200、S造で1/100でした。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-4.pdf
    木造復元名古屋城は、震度5強程度で1/60、震度6強程度で1/30を目標としています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-2.pdf
    2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震を見るまでもなく、これまでの地震想定をはるかに超える地震が相次いでいます。
    障害者を差別し、人命を危険にさらすようなまねをしてまで、木造復元を行う意義がどこにあるのでしょうか。

    --------
    今後の予定
    ・24/1/13(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/1/14(日)10時〜 積直しから読み解く名古屋城石垣の歴史(満員)
     https://dai-nagoya.univnet.jp/subjects/detail/679
    ・24/1/16(火)10時〜 第58回特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会 KKRホテル
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kankobunkakoryu/0000170880.html
    ・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
     (24/1/14申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2023/11/20231130_4297.html
    ・23/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/

    名古屋城天守木造復元 竹中工務店との基本協定等『暫定的に』2025年3月末まで延長

    名古屋城天守木造復元に関し、名古屋市が竹中工務店と結んだ「基本協定書」で、完成期限を『暫定的に』2025年3月末までとした基本協定書に係る覚書が22/12/28に結ばれていたことが名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。
    また、実施設計、木材の製材に関しても『暫定的に』2025年3月末までと変更契約をしていました。

    ・22/12/28(令和4年12月28日)
     名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(その2)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-1.pdf

    ・名古屋城天守閣整備事業実施設計業務委託
     @変更概要書(令和4年3月26日〜令和5年12月22日)
     A変更契約書(令和5年3月7日)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-2.pdf

    ・名古屋城天守閣整備事業先行工事(木材の製材)
     変更契約書(令和5年3月7日仮契約、令和5年7月4日
     市議会の議決による本契約)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/240105-3.pdf

    -------
    当初の基本協定書では、天守閣の完成期限は2022年12月末まででしたが、『暫定的に』完成期限を延長するのは2回目です。

    名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書(平成29年5月9日)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/170509-1.pdf

    名古屋城天守閣整備事業に関する基本協定書に係る覚書(令和3年11月18日)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/211214.pdf

    23/3/14名古屋市議会経済水道委員会で、名古屋城総合事務所の荒川宏主幹は名古屋城木造復元について「順調にいって2032年度」と初言及しました。
    https://ombuds.exblog.jp/29522170/
    上記期限については、23/3/20河村たかし名古屋市長定例記者会見で「わしも副市長も知りませんでした」と述べています。
    https://www.city.nagoya.jp/mayor/page/0000162185.html

    23/6/3に名古屋市が開催したバリアフリー市民討論会での差別発言とその後の市の対応のまずさで、名古屋城木造復元事業は事実上ストップしています。

    ------
    名古屋城木造復元事業はいったいどうなっているのでしょうか。
    覚書(令和3年11月18日)の2にある「必要に応じて見直しの協議」とはどのようなものだったのでしょうか。
    そもそも『暫定的に延長』は法的に有効なのでしょうか。
    引き続き情報公開請求等で明らかにしていきたいと思います。


    名古屋城有識者「天守台北対面石垣保存で鉄筋挿入はやむを得ないが、もし天守台石垣で同様のことをするなら反対する」

    23/12/22 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第58回)が開催され、天守台北対面石垣の保存対策が話し合われ、構成員の三浦正幸・広島大学名誉教授は「この石垣は近代以降補修が入っている。また観覧者の導線になっている。『保存のために鉄筋挿入する』のはふさわしくない提案だが、やむを得ず認めてもいい。
    しかし、もし天守台石垣でこのようなことをするなら断固反対する」と述べました。
    その他擬石処理の問題も紛糾し、結局2024年3月に予定されている次回会議に資料を出し直し、その後に現状変更申請を行うことになりました。

    ・23/12/22 特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第58回) 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231222.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231222-1.pdf
     
    名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所は、天守台石垣だけでなく、周辺石垣について「石垣カルテ」を作り、どの石垣を優先的に保存・修復すべきか検討しています。
    その中でも特に変形が見られる、天守台北対面石垣(U65)については、現在名古屋城観覧者の導線になっているにもかかわらず現状が悪いとされたため、石垣・埋蔵文化財部会で議論を行った上で、親会議である名古屋城跡全体整備検討会議で承諾の上、文化庁に現状変更申請をする予定でした。

    具体的には、@間詰石の締め直し、補充等A袋に詰めた小石等による対策、B鉄筋挿入による対策が提案されました。
    また、破損石材の修理については、@剥離等に対する補修(樹脂系またはセメント系の補修剤を充填、表面には擬石処理)、A分離部、欠落部の回復(樹脂系の補修剤、ピン固定、表面には擬石処理)が提案されました。

    麓和善・名古屋工業大学名誉教授は「一部樹脂系の補修材を使うとあるが、間詰石が挿入できないところに無理に樹脂系補修材を差し込む必要があるのか?
    また『表面に擬石処理』はやめたほうがいい。40年前にやったが経年変化で色、かえって見苦しくなる。U65は観覧者からほとんど見えない」と述べました。

    座長の瀬口哲夫・名古屋市立大学名誉教授は「擬石処理について削除するのか」と市を問いただしましたが、上田剛・名古屋城総合事務所所長は「事前に石垣部会委員にご相談した面もある」と煮え切らない態度をとりました。

    三浦名誉教授は「樹脂系の補修剤の耐用年数は数十年。石垣は数百年持つ。拙速は厳に慎まないといけない。
    また、鉄筋は数十年で破損するだろうし、錆びた汁はどうなるのか。思いつきや最近発表されたものに飛びつくと取り返しがつかないことが起きる。
    ただ、U65については、すぐ直上に観覧者の導線がある。文化財の保存より、身体生命確保の方がはるかに優先する。
    ・近代以降補修が入っている
    ・導線
    を勘案すると、ふさわしくない提案だが、やむを得ず認めてもいい。
    しかしもし天守台石垣でこのようなことをするなら断固反対する」と述べました。

    結局名古屋城総合事務所は10分間休憩を取り、その後結局2024年3月に予定されている次回会議に資料を出し直し、その後に現状変更申請を行うことになりました。

    ---------
    会議終了後、傍聴していた人は「今回の議論は直接天守閣木造復元と関係ないのか」と私に聞いてきました。
    私は「今回議論になった天守台北対面石垣(U65)は、木造復元の工事をする際、重機が上を通る計画となっている。
    (参考:令和5(2023)年6月12日 特別史跡名古屋城跡木造天守整備基本計画
     08_第7章_現天守閣の解体・木造復元時における仮設計画
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/tenshu_information/2023/06/14/uploads/b3d07d330198d0563629b0b4b4df8980.pdf
    観覧者の導線はその通りだが、危なければ観覧者を通行止めにすればよいだけ。
    名古屋市は、木造復元を進めるため、どうしてもU65の保存対策しなければ、文化庁が許可を出さない。
    名古屋城総合事務所や委員は全員知っているが、あえて会議ではいわなかった」と述べました。

    また、別の人は「23/11/6に開催された石垣部会では、鉄筋挿入や樹脂系の補修剤について、石工も交えて議論していた。
    https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/save/plan_expert/2023/04/20230404_4218.html
    どうしてそういう部会を超えた意思疎通ができないのか疑問だ」と述べていました。

    ----------
    今後の予定
    ・23/1/13(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
     (24/1/14申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2023/11/20231130_4297.html
    ・23/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/


    名古屋市令和6年度当初予算要求に名古屋城木造復元関係計上せず

    名古屋市は23/11/17に「予算編成の透明性の確保と市民意見の予算への反映に関する条例」に基づき「令和6年度予算要求内容の公開」を行いました。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000168912.html
    23/11/17(金)から23/12/18(月)まで意見募集中です。

    令和6年度当初予算要求にも名古屋城木造復元関係予算は計上していません。
    令和2.3.4年度も意見募集時には計上していませんでしたが、当初予算が公表された際にいきなり名古屋城木材保管費1億円などが計上されていました。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/68-6-2-0-0-0-0-0-0-0.html

    令和5年度は当初予算要求時には計上しませんでしたが、23/1/10「財政局査定」時に計上してきました(意見は10日間だけ募集)。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000159790.html

    制度の裏を突いて、市民の意見をまともに聞かない名古屋市。
    例年12月-1月に市民説明会がありますが、市民への予算計上を公表しない以上、市民からの意見も出ることはなく、回答もしなくてよいことになります。

    竹中工務店との2022年12月基本協定期限が切れ、「暫定的に」実施設計、木材製材等が2024年3月31日まで延長されています。
    バリアフリーに関しては2023年6月3日に市主催で行われたバリアフリー市民討論会での会場からの差別発言、さらに市職員の対応の不手際で、今後の見通しが立っていません。
    (公募で選ばれた「垂直昇降技術」は小型で車いす1台+介助者1名しか乗れず、仮に最上階まで付けたとしても、障害者団体は「バリアフリー法等違反」として反対すると明言しています)

    天守閣完成期限のメドもなく、完成するかどうか極めて怪しい名古屋城天守閣木造復元事業。
    市民の意見を聞かずに強引に予算計上するのか、それとも。
    残念ながら、名古屋市には公共事業を再評価する仕組みがなく、「市長の考えが変わるか、市長が替わるか」しかありません。
    どうなろうが名古屋市の傷は極めて大きいです。
    -------------
    22/9/24 名古屋市民オンブズマン 内田隆 発表動画 
     予算編成過程公開実情報告(名古屋市)
     https://youtu.be/nIPHwFJgxKY

    ・22/9/24 名古屋市民オンブズマン発表資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/nagoya-yosan2022-1.pdf
    ・22/9/24 名古屋市民オンブズマン発表パワーポイント
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/nagoya-yosan2022.pdf
     
    -----
    ・22/9/22 全国市民オンブズマン連絡会議
     「予算編成過程・住民参加状況調査結果」
    ・概要 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-2.pdf
    ・詳細 http://www.ombudsman.jp/taikai/2022yosan-1.pdf


    23/12/16(土)市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」に約30人

    市民団体「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」が23/12/16に名古屋市市政資料館で名古屋城総合事務所職員を招いて行った、名古屋城木造復元に関する「市政出前トーク」に約30人が参加しました。

    ・「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」配布資料
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-1.pdf
    ・名古屋城総合事務所 配布資料
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-2.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-3.pdf
    ・名古屋市民による文字起こし(説明と質疑応答)
     http://nagoya.ombudsman.jp/castle/231216-4.pdf
    ・配布資料 23/7/25 名古屋市民オンブズマン
     「23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会はなぜ開催されたか」
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230725-2.pdf

    「市政出前トーク」は、市政の取り組みやまちづくりについて市の職員が来て話をしてくれる制度です。
    https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/59-2-0-0-0-0-0-0-0-0.html
    テーマの1つとして「名古屋城天守閣の整備」があり、「求める会」が招きました。
    はじめに、今回の会は陳情会や要望会ではない、と主催者が説明しました。

    名古屋城総合事務所からは、荒川宏主幹と清水直樹主査が参加し、荒川主幹が説明・質疑応答に答えました。
    当初説明40分、質疑応答40分で以前からお願いしていましたが、荒川主幹は「昨日詳細を聞いた」として説明30分くらい、質疑30分くらいとなりました。
    (結果的には、説明50分、質疑40分行いました。)

    2023年3月14日の名古屋市議会経済水道委員会では荒川主幹は「木造復元事業は、順調に進んでも最短で2032年度に完成する」と答弁し、河村たかし名古屋市長は「俺は聞いていない」と述べました。

    大変わかりやすい説明と、質疑応答でした。
    以下まとめました。
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    荒川主幹は「現天守を残し、木造復元に反対する団体で話すのは緊張する」としたものの、「名古屋で生まれ育ったので気持ちはわかる。
    私は50を過ぎているが、名古屋市役所に入った時、私の師匠の師匠が現天守閣を建てた。
    (注:現天守閣の設計は名古屋市建築局、施工は間組)。
    立派な建物なので取り壊すのは残念。
    ただ私は行政マンなので、やるからにはしっかりやりたい」と述べました。

    荒川主幹は、「なぜ木造復元するのか」を説明したのち、これまでの経緯を振り返る中で、「2019年4月に現天守の解体申請をしたが、当時は2022年12月完成目標のままだった。 事業計画や進め方に関し、『市長の強い思い』が先走りすぎた。石垣等遺構の保存、調査の意識が欠けていたのは事実だと思う。
    事業が長引いているのも、石垣等遺構の緻密な調査、発掘調査など、事前の調査が必要だったため。当初の計画が無茶があったのかなあ」と認めました。

    「2019年4月現天守解体申請に対し、文化庁が『石垣等遺構に与える影響調査が足りない』『解体する意義は何か』と問うたので、名古屋市は2021年5月、2022年5月に回答した。
    文化庁は2022年6月に『進捗した』としたため、名古屋市は2023年3月と6月に『整備基本計画』をおおむね取りまとめた。
    しかし、2023年6月に市が主催したバリアフリー市民討論会で、参加者からの差別発言があり、さらに市の対応もまずかったため、現在市の対応の検証委員会が行われている。
    その結果を踏まえてバリアフリーの方針を決めたい」としました。

    「木造天守を支える『基礎構造』について、遺構が保存できるかわからないため、現天守地下の発掘調査を行った。
    また、穴蔵石垣も調査したが、いずれも限られた範囲を調査しただけだったので、現天守解体後に調査して対策したい」と述べました。

    また、バリアフリーに関しては以下述べました。
    「市長はよく『本物を復元する』というが、私は焼失したものが本物だと思う。
    復元するのは模造品でレプリカだが、『目的を達成する』ために作る。第三者機関の評定等を取得し、消防法、建築基準法と同様の安全性を確保したい。
    地震時の計画については、基礎構造が固まらないと第三者機関の評定が取得できない。
    バリアフリーについては『当時のまま復元してほしい』『雰囲気を壊してほしくない』という意見がある一方、『足が悪い、体力的に最上階まで登れない』『障害者を排除しないで』という意見も寄せられている。
    どちらの意見もある意味正しい。
    ある有識者は『21世紀に軍事施設を復元しようとしているわけではない。文化財を復元し、広く体感してもらいたい』と述べている。
    柱や梁の間が狭く、普通のエレベーターを木造建築物に付けると課題があるため、新技術を公募したところ市は小型垂直昇降機(車いす1台、介助者1名)を選んだ。現在、技術的に何階まで上に上がれるか検討している」

    最後に、「今後、木造復元は文化庁の許可が必要となる。その前に、文化庁の復元検討委員会で議論されて許可が出る見込みだが、まだしばらく手続きが必要だ」と締めました。

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    質疑の中で、「名古屋城の本質的価値」とは何かと問われた荒川主幹は「技術やどういった歴史背景があるのか、直感的に分かりやすい形で見て感じていただきたい。より深い理解促進を図るツールだ。
    河村市長が『将来国宝に』と言っているが、100年たてばどんな建物でも国宝になる可能性はある。
    国宝にするために復元するためではない。どういったものだったのか体感していただくため。『復元すれば即文化財』ではない」と述べました。

    会場から、「市長が言っているから、一般市民は『江戸時代の城そのもの』が建つと思っている」と言われた
    荒川主幹は「市長の方を持つわけではないが、政治家だからキャッチ―な言葉を使いがちだ。
    その市民は誤解をされていると思う。じくじたる思い。
    ただ、市長はそうでないことは分かっているようだ。市長は『防災設備はやる』と言っている。しかし発信力があるから『本物、本物』と聞こえる。」としました。

    また、荒川主幹は「建築基準法の適用除外を受けるとはいっても、なにをやってもいいわけではない。
    社会的建物でもあるため、防災、耐震など、世間で求められるものをやらないといけない。それは第三者機関の評定で担保する。
    その後、建築審査会で同意を得て、特定行政庁(名古屋市)が『やむを得ない』としたら建築できる。」と述べました。

    さらに荒川主幹は、「文化庁に書類を提出できないのは、バリアフリー計画が煮詰まっていないからだ。垂直昇降技術を何階までつけるか決めて文化庁に出す必要がある。
    私がいうことではないが、河村市長は『昇降技術をつけたくない』。最終的には市長が判断する。」と述べました。

    会場から「現天守の耐震強度がないから、木造にするとした。現天守を耐震改修するのか、木造で進めるのか原点に戻るべきではないか」という意見に対し、荒川主幹は、「『耐震性がないから木造』ではない。それなら現天守を耐震補強すればよい。
    名古屋城がどういったものだったか理解するには木造復元の方が有益だと整理した。」としました。

    また、会場から「現天守を壊していいかどうかは市民に問われていない」とした声に、荒川主幹は「『現天守が価値がない』ことは絶対ない」と断言しました。

    会場から「大阪万博は当初計画からとんでもなく事業費が増えている。建設費505億円を借金で賄う予定だが、入場者数や事業予算を見直してちゃんとしたものを出さないと、とんでもない赤字をださないか?」という心配の声に対し、荒川主幹は「505億円は当初の竹中工務店の限度額予算。契約は何個かに分割している。竹中は『505億円でなんとか頑張っていきましょう』と述べている。
    入場料収入でまかなう計画だが、まだ設計が終わっていなく、工事費も積みあがっていない。入場料計算もやり直していない。」と述べるにとどまりました。
    ・平成28年6月広報なごや折込資料「名古屋城天守閣の整備」
     収支計画 入場料収入979億円
     https://www.city.nagoya.jp/kankobunkakoryu/cmsfiles/contents/0000083/83234/1-4men.PDF

    最後に「市民の皆さんからいろんな意見が出ると、計画が煮詰まる。議論することが大事だ。貴重な意見ありがとう」と述べ、主催者の森晃さんは「敵陣に乗り込んだ勇気に拍手を」と述べました。   

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    その後、市職員2名は退席したのち、参加者で意見交換会がなされました。

    森さんは「『史実に忠実』と『バリアフリー』は両立できない。外エレベーターをつけなければ2方向避難ができない。木造復元をやめ、現在の耐震改修するしかない。『河村市長の説明を信じるな』」としました。

    会場から「バリアフリーについては、文化庁は『障害者団体の同意が得られればいい』と述べている。河村市長は『できれば昇降技術はないほうがいい』と述べている。障害者団体は、『それはおかしい』として、これまでの『最上階までの大型エレベーターを求める』という主張をひっこめることはない。結局河村市長が市長である限り、基本計画はまとまらない」と述べました。

    名古屋市民オンブズマンの内田隆は「ここ(市政資料館)は煉瓦・鉄筋コンクリート造で、建築から101年。今では重要文化財となっている。
    ・名古屋市市政資料館
     https://www.city.nagoya.jp/somu/cmsfiles/contents/0000010/10347/leaflet_202301.pdf
    名古屋城現天守は、2011年に市が耐震診断概要書を作り、13.5億円で耐震改修、1.6億円で最上階までエレベーターができるとしていた。
    しかしなぜか河村市長が木造をいいだして、2023年の今年矛盾が噴出した。
    事実上事業が止まっているが、名古屋市は公共事業を見直す制度がない。
    愛知県や国土交通省は5年事業がストップすれば第三者委員会が見直す制度がある。
    河村市長が意見を変えるか、市長を変えるしかないのではないか」と述べました。
    (参考:2023年 10月 31日 市民オンブズマン事務局日誌
         名古屋市 公共事業再評価は国土交通省所管交付金・事業のみ対象
         https://ombuds.exblog.jp/29735136/
        2023年 11月 07日 市民オンブズマン事務局日誌
         名古屋城木造復元 公共事業の見直し対象にしなくていいの?
         https://ombuds.exblog.jp/29744855/ )

    最後に、「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」は毎月月例会を行っていると宣伝がありました。
    https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/

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    意見交換会終了後、参加者が「歴史好きな人と話していると、『江戸時代そのものの城を復元してもらいたい。エレベーターやスロープがつくのなら、木造で作らなくていい』という声が多い。
    また、資材や人件費高騰の現在、事業費も見直していなく、さらに入場者予測も見直していないなんてありえない。
    これらがもっと市民の間の認識になればすぐ変わる」と意見を述べていたのが印象的でした。
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    今後の予定
    ・23/12/18(月)10時半〜 河村たかし定例市長会見
    ・23/12/18(月)まで 令和6年度当初予算予算編成過程の意見募集
     https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000168912.html
    ・23/12/22(金)14時〜 全体整備検討会議 能楽堂
     https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/kankobunkakoryu/0000170037.html
    ・23/1/13(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・24/2/3(土)13時〜 シンポ「名古屋城石垣をつくる・なおす」KKRホテル
     (24/1/14申込必着)
     https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/topics/2023/11/20231130_4297.html
    ・23/2/10(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/3/16(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/4/27(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/
    ・23/5/25(土)14時 「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」月例会 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle/


    23/11/27(月) 自民市議「文化庁は『木造名古屋城に新たに3-4階常設階段を付けると復元的整備となる』と文書で示した」

    23/11/27名古屋市議会本会議で、自民党市議団の浅井正仁市議が「文化庁は『木造名古屋城に新たに3-4階常設階段を付けると復元的整備となる』と文書で示した」と述べました。
    ・23/11/27 名古屋市議会本会議(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし
     (河村市長のヤジを除く)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231127.pdf

    浅井市議は、松雄副市長に「『復元』か『復元的整備』か」質問しました。
    松雄副市長は「文化庁の基準で言うところの『復元』と考えている」と述べました。
    ・令和2年4月17日 文化審議会文化財分科会決定
     史跡等における歴史的建造物の復元等に関する基準
     https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/pdf/92199502_01.pdf

    浅井市議は、「文化庁の担当課長は、『目に見えない基礎部分については、現代的な構造等を用いて修理することもあるので基礎構造をSRCにしても復元となる』と言っている。
    しかし、史実になかった、3階から4階に増設する階段が常設なら『復元』ではなく、『復元的整備』であると文書で回答をもらった。
    建築基準法・消防法で設置が義務付けられた階段なので、なかったら誰も登れない天守閣を造ることになる。
    以下文化庁の見解そのまま読み上げる。
    -----
    様々な方々がより快適に文化財に親しむことができる環境作りを目指して、バリアフリー化の充実に努めるべきだというのが、文化庁の基本的な考え方、まず一つ目。
    そして二つ目、名古屋市において、3階から4階までの間に築城当時は存在しなかった階段を常設する等の計画がされているとしたら、これは規模、材料、内部外部の意匠、構造等の一部を変更して再現することとなるため復元ではなく復元的整備となる。
    三つ目、内部の意匠、構造等の一部を変更して、最上階までエレベーターなどの昇降機を設置すれば復元的整備となるが、文化庁としてこうした再現手法を否定するものではない。また、文化庁として、名古屋城木造天守閣の再現に当たり、復元を前提とするような意見を述べたことはない。
    四つ目、再現する木造天守閣について、文化庁として適切な評価されると、文化財に指定されるという見解を名古屋市に伝えたことはなく、復元、復元的整備に関わらず再現されたことをもって、直ちに文化財に指定されるものではない。
    ----
    松雄局長は「上記文化庁の見解は知らなかった」と述べました。

    浅井市議は「以前、河村市長は市議会委員会で『復元的整備だったらつくらぬほうがええ』と言った。今の木造復元天守閣の木造復元やめるんですか」と質問しました。

    ◯名古屋市議会経済水道委員会
    ◯令和3年3月18日(木曜日)
    ◎河村市長 あんまり人に流されて言うもんじゃないけど、今、局長もそういう饒舌やっておりますんで、そう答えてくださいと言っとりましたんで、本当にこういうものが復元的整備だということで、ランクダウンという言葉を使うと文化庁怒ると思いますけど、そんなようなことだったらやらぬほうがええということだと思います。

    河村市長は「階段が常設か常設でないか調査してないかというのは、私が文化庁に連絡して確認する。
    文化庁の上の方の人から、『200年で国宝にする、復元ということで自信を持って進めてください』と言われている」と述べました。

    浅井市議は「徳川家康は戦乱の世から平和なようにしたいと軍縮を決断して実行した城として名古屋城を建てた。
    昭和の時代、焼失した名古屋城の再建に当たって、二度と戦争のない平和のようにしたいという願いが込められた城として再建した。
    魂が入らないとダメ。
    国宝は市長が決めるものじゃない。100年後の後世の名古屋市民や、日本国民が、その当時の人たちの気持ちがよくわかったと言って、後世の人たちが決める」と述べました。

    -------
    まとめ
    ・許認可権を持つ文化庁は「3-4階増設の常設階段」「エレベーター等昇降機」を付ければ「復元的整備」と文書で示した。
    ・文化庁は「様々な方々がより快適に文化財に親しむことができる環境作りを目指して、バリアフリー化の充実に努めるべき」と文書で示した。
    ・文化庁は、これまで「復元」を前提とする意見を述べたことはないと文書で示した
    ・文化庁として、復元、復元的整備に関わらず再現されたことをもって、文化財に指定されるという見解を伝えたことはない
    ・河村市長はかつて「復元的整備であればつくらぬほうがええ」と市議会で述べた
    ・河村市長はいまだに氏名不詳の「文化庁の上の人」の「200年後に国宝にする。復元で自信を持って進めて」という発言を唯一の根拠としている。

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    今後の予定
    ・23/12/16(土)13時40分〜 市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」 市政資料館
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle

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    23/12/16(土)市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」に参加を

    「名古屋城天守の有形文化財登録を求める会」は、23/12/16(土)午後1時40分より、名古屋市政資料館第3集会室にて名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所を招き、「市政出前トーク 名古屋城天守閣の整備」を行います(参加費無料)。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231216.pdf
    どなたでも参加出来ます。ぜひご参加下さい。

    -------------
    23/12/16(土)午後1時40分〜
    名古屋市観光文化交流局名古屋城総合事務所による名古屋城天守閣の整備“市政出前トーク”を聞いてみませんか?

    日時:2023年12月16日(土)午後1時40分より
    場所:名古屋市政資料館 第3集会室
     名古屋市東区白壁1-3 
     名古屋市営地下鉄名城線「名古屋城」下車・東へ徒歩8分
     https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/52-7-4-0-0-0-0-0-0-0.html
    参加費無料 名古屋市外の方もご参加頂けます。
    主催:名古屋城天守の有形文化財登録を求める会
     https://peraichi.com/landing_pages/view/protect-nagoya-castle
    ・エレベーターは設置されますか?
    ・地震や火災に対して安全ですか?天守台石垣は大丈夫ですか?
    ・天守閣入場解禁はいつですか?
    ・今も生きている言葉:「二度と燃えないお城」が市民の思い。


    23/11/17(金)名古屋市障害者施策推進協議会委員「市障害者基本計画素案の『名古屋城バリアフリー市民討論会』に関する書き方は生ぬるい」

    23/11/17に第2回名古屋市障害者施策推進協議会が開催され、名古屋市障害者基本計画(第5次)、第7期名古屋市障害福祉計画、第3期名古屋市障害児福祉計画の素案が示されました。
    委員の斎藤縣三・わっぱの会理事長は「23/6/3に開催された名古屋城バリアフリーに関する市民討論会に関し、この程度の書き方では生ぬるい」と発言しました。


    ・23/11/17第2回名古屋市障害者施策推進協議会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-1.pdf
    ・別紙1 名古屋市読書バリアフリー推進計画(仮称)の骨子
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-2.pdf
    ・別紙2 名古屋市読書バリアフリー推進計画(第1次)
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-3.pdf
    ・「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例の一部改正(案)」について
     「障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領」の一部改正(案)について
     名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に係る検証委員会について
     愛知・名古屋2026アジアパラ競技大会開催都市契約等について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-4.pdf
    ・名古屋市障害者基本計画(第5次)
     第7期名古屋市障害福祉計画、
     第3期名古屋市障害児福祉計画 素案
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-5.pdf
    ・障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領(改正案)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-6.pdf 
    ・令和6年度障害福祉関係予算要求内容について
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-7.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-8.pdf 
     
    マスコミは誰も傍聴しませんでした。

    23/6/3市民討論会に関しては、前回の議論を受け、「素案」の3ページ、33ページに書かれています。合計13行です。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-5.pdf


    入谷忠宏・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局長は「23/6/3市民討論会に関し、もっと書いた方がよいという議論もあった。『障害があるから差別を受けた』とも取れる。『市民として差別を受けた』。また、文言ではなく、名古屋市が社会に対してどうアピールするかが大切だ」と述べました。

    斎藤氏は「市民討論会の記載の仕方が納得いかない。『検証委員会が立ち上がって、結果を見ながら市として考えることになっている』となぜ書かないのか。『再発防止に向けて取り組んでいく必要がある』としか書いていない。
     市障害者基本計画にバリアフリーの推進を以前からうたっているが、5年前の改正の際、『名古屋城木造天守にはエレベーターつけない』と市長が発言し、私は『障害者基本計画で取り上げてほしい』と発言したが、市は『それは載せることはできない。市長の決裁が下りない』と言われた。
     結果、5年間でこういった問題が起きた。恥ずべき市民討論会だ。
     バリアフリー、差別認識が市で共有されなかった。この程度の書き方では生ぬるい。検証委員会できたことを書くべきだ。
     『今後は公共建築物に関し、障害者の意見を聞く制度を作る方針』と報道があった。名古屋城に関し、『エレベータ―つけない』と市長発言後、障害者団体と話し合いがもたれた。しかし市長は聞く耳を持たない。理解しようともしない。
     『聞く』システムを作れば再発防止できるという問題ではない。市職員は研修をしている。観光文化交流局でも研修受けている人も受けていない人もいたが、受けていても問題が起きる。差別解消とバリアフリーについて、書き方をしっかりしてほしい」と述べました。
     
    座長の瀧誠・愛知淑徳大学教授は「各委員の意見を踏まえ、文言を修正可能か市は考えて欲しい」と述べました。

    市は、計画に関し、今後市議会財政福祉委員会で説明後、2023年12月−2024年1月にかけてパブリックコメントを実施する予定です。 

    次に、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領(改正案)」が示されましたが、特に意見は出ませんでした。
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-6.pdf 

    次に、「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に係る検証委員会について」報告がありました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231117-4.pdf

    入谷氏は「検証委員会は何がどうなっているかさっぱりわからない。ゴールがなかなか見えてこない。質の向上にたどり着けない」と述べました。
    名古屋市は「公開できることは公開しているが、検証そのものは非公開。まとまり次第公開する。一生懸命検証している」と述べるのみ。
    https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000167005.html
    入谷氏は「もっと早く進めないといけない。言われた側は傷ついている」と述べました。

    濱田智恵実・名古屋手をつなぐ育成会副理事長は「検証委員会を傍聴したが、すぐに退席させられた。なにしに来たのか。
    本件に関し、今後、『差別解消委員会』で意見を求められるのか」と質問しました。
    名古屋市障害企画課は「検証委員会が検証して評価したものを元に、検証委員会としての提言が発表される。それを受けて、市としてさらに検討して進める。市内部でどうするかの議論するに当たって、差別解消委員会でご議論いただく予定」と述べました。

    -------
    なお、2023年11月17日に「令和6年度予算要求内容の公開及びご意見募集について」が市ホームページに載りました。
    https://www.city.nagoya.jp/zaisei/page/0000168912.html
    別記事で記載します。

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    今後の予定
    ・23/11/20(月)14時〜 第3回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
    ・23/11/25(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/12/16(土)13時40分〜 市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」 市政資料館


    23/11/13(月)中日新聞記者による「名古屋城木造復元」取材の裏側

    23/11/13に、栄中日文化センターで中日新聞記者による講座「取材の裏側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元」が開催され、会場には33名が参加しました。
    その他ネットでも参加がありました。

    録音・録画・写真撮影は禁止されました。

    ・23/11/13 中日新聞 取材の裏側
     どうする?どうなる?名古屋城木造復元
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     
    講師の鈴木龍司・中日新聞社会部記者は名古屋市政担当。
    『町内会長日記』も連載中です。

    鈴木記者は「23/6/3市主催のバリアフリー市民討論会で障害者が差別的発言を浴びる悲しい出来事があった。
    よく『いつ木造名古屋城ができるの?』と聞かれるが、僕自身わからないし、誰も答えられない。
    木造賛成・反対、エレベーター必要・不要どちらが正しいのではなく、自分の意見を持つためには判断材料が必要だ」とし、これまでの経緯や問題点を説明しました。
    会場からの質問時間はありませんでした。

    以下講演の内容を要約しました。
    ------------
    2015年に市議会が補正予算で木造復元調査予算3500万円を認めてから8年。
    当初は2020年7月東京オリンピックに間に合わせるつもりだったが、その後2022年12月完成予定になり、現在は着工も完成時期も未定である。
    復元に必要な文化庁の許可も出ていないどころか、名古屋市は文化庁に復元申請もしていない。

    現コンクリート天守閣は耐震性能が極めて低いため、2018年から一切中には入れない。
    現天守には外付けエレベータ―1基11人乗り、内部エレベータ―2基23人乗りがついており、「博物館」「観光施設」の位置づけで「誰でも登れるお城」となっている。
    木造復元後は、河村市長は「『史実に忠実』は人類の使命」などと述べ、観光施設ではなく、国宝を目指す文化財と
    している。
    いまだに「史実に忠実」か「誰でも登れる城」かまとまっておらず、名古屋の市民が決めていかないといけない。

    2017年に名古屋市は「エレベーター無し」の方針を出したが、障害者団体らが猛烈に批判し、有識者会議でも「100%史実に忠実でなくてもいい」という意見が出た。
    結局、市は2018年に「2022年末までに新技術を探します」としたが、当時の完成目標は2022年末。ごまかしてすり抜けた感じがする。
    市長は選挙で当選し「これが民意」と述べているが、僕は信任投票にはならないと思う。
    結局2022年4月-8月に「少なくとも1階まで登れる」「さらなる上層階への移動は『可能な限り』という条件で新技術を公募した。
    MHIエアロスペースプロダクションの、小型垂直昇降機(通常4人、車いす+介助者2人)が採用された。

    障害者団体や日弁連は「これでは全く足りない」と抗議。また、MHIは「今後3年くらいかけて開発する」という。
    どういうものになるかわからない。
    MHIはできるだけ上を目指したいとのこと。
    一方、市がMHIを採用すると発表した同じ日、河村市長は「1-2階までで合理的配慮と十分に言えるのではないか」と述べた。
    なぜこのタイミングで発表したのか真意不明。
    河村市長は、「史実に忠実」にこだわり続けており、ユニバーサルデザインから乖離している。

    どうして木造復元事業は遅れているのか。
    2009年市長初当選時からの念願だった。
    しかしリーマンショックや議会対立があり、2年間延期して2022年完成を目指した。
    特に石垣について、文化庁は「歴史的価値が高い」としているが、石垣の保全について議論が足りなかった。
    市議会としての木造化決定は2017年3月で、市議会は木造化は認めた状態だ。
    河村市長は焦っているのでややこしくなる。
    今後、文化庁に復元申請書類提出後、文化庁復元検討委員会が一般的に2-2年半かかる。
    その後現天守を解体しての石垣調査に約6年半かかるとされ、足すと最低でも2032年になると、2023年3月の議会答弁で答えた。
    しかし河村市長は「違う、もっと早くできる」と述べている。

    バリアフリーに関し、市は「市長が政治決断で決める」としたが、市民の意見を聞くために名古屋市民から無作為に選んだ5000人にアンケートを2023年4月に行った。
    その中で、希望者に「23/6/3に討論会があるから来ないか」と誘った。
    参加した車いす70代男性は「障害者が排除されているとしか思えない」と口調は冷静に述べた。彼は、「史実に忠実」には反対していない。みんなが同じ階に登れるようにしてほしい、「両方望む」と述べた。
    それに対し、男性Aは「どこまで図々しいのか。お前が我慢せえよ」と車いす男性に向かって述べた。
    「障がい者はお城の復元自体に反対」というイメージがついているのではないか。
    その後男性Bは身体的障害ハンデを揶揄する差別表現を用い、「誰がメンテナンスするの?その税金はもったいない」と車いす男性に向かって述べた。
    意見が違う人を黙らせる「市民討論会」は、すごく寂しいというか、分断させるものだ。
    その後、障害者、市民から猛抗議があった。
    この討論会に至る経緯がああいう発言を生んだのではないかと思う。
    結局、「結論は決められない」として先送りになった。

    市5000人アンケートは小型昇降機設置階数を問うた。
     5階 47.2%半分近く  
     1階 16.9% 折衷案 河村市長の腹案
     設置しない 23.4%
    市の担当者は「予想外の結果。『設置しない』が多いのでは?と思っていた」とのこと。どうするのか?
    また、バリアフリー化していいかという質問は、
      必要 35.0%   
      史実に忠実 14.9%
    何階まで?と聞かれても、「どっちも」という人が多い。
    こういう進め方が本質的な議論に進まない。
    検証委員会は、杉野副市長が「1年近くかかるだろう」とし、復元事業はいったんストップしている。

    そもそも「結論ありき」の討論会だったのではないか。
    決断、その後の文化庁書類提出予定までほとんど日にちがなかった。
    また、小型昇降設備「いる」「いらない」分断の構図になり、さらなる分断を招いている。
    さらに「見えない新技術」であり、何も示せない。
    具体的な、「修学旅行に名古屋城に来て、小型昇降機1台で行列ができ、車いすの人がお土産を買う時間が無い」などストーリーの議論が足りないのではないか。
    知識が深まらない段階で木造復元を進めると「こんな城になったのか」となる。
    市民が盛り上げて作った昭和の城と比べると、機運としてはどうか。

    空襲で焼けた名古屋城は、戦後復興の象徴、平和の象徴として、二度と燃えたり、壊れないようにと、目標の2倍の2億円(事業費の3分の1)の市民の寄附を集めて再建された。
    木造復元に反対ではないが、この思いはすごく大事にすべきではないか。
    寄付した人は、「ニセモノ」と言われると気分が悪い。
    令和に木造復元することにどんな意味があるのか?
    バリアフリーに限らず本質的な議論が欠けてきたのではないか。

    古いアンケートだが、木造復元は「急がず」5割だった。立ち止まっても大丈夫ではないか。
    1000年の事業。この10年20年はおおらかに構えてはどうか。

    その他、2017年に竹中工務店が最大505億円の建設費、50年間の入場料収入でまかなうとしたが、本当に試算どうりになるか。
    河村市長は「市民から100億円寄付を集めたい」としているが、昨年度までで7.7億円集まった。
    物価高、人件費高騰、資材不足で建設費が膨らむ可能性。
    木材保管費は年間1億円かかり、遅れれば遅れるほど金がかかる。
    天守閣の下の天守台石垣は、現天守を解体しないとわからない。石垣修繕に時間がかかるのではないか。

    まとめると、「誰のため」「何のため」の木造復元か、差別発言の検証が済むまでストップしている今あらためて議論し「市民の知恵を結集した城」にすべき。
    今のままでは「分断の城」「差別の城」になってしまう。
    意味のある「停滞」にできるか、前向きにつなげられないか。
    ただ単に賛成反対、エレベーターありなしではないではない議論を求めたい。

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    今後の予定
    ・23/11/17(金)13時30分〜 第2回名古屋市障害者施策推進協議会 市公館
    ・23/11/20(月)14時〜 第3回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(非公開)
    ・23/11/25(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/12/16(土)13時40分〜 市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」 市政資料館

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    23/11/13(月)河村市長 記者クラブに「村瀬市議離党時文書 記者クラブから市議に流出したのはよくないことであると」

    23/11/13に行われた、河村たかし名古屋市長定例記者会見(第2部)で、23/10/26村瀬きよみ名古屋市議が市政記者クラブ宛に配布した減税日本に対する「離党届」が、記者クラブ受付印が押されたまま横井利明市議がブログに載せた件について、記者クラブに「記者クラブから市議に流出したのはよくないことであると」と述べ、中日新聞記者は「各社よくないことと、クラブとして認識している」と述べました。


    ・THE PAGE 名古屋・河村市長が定例会見(2023年11月13日)
     44:09-46:33
    ・23/11/13 河村たかし名古屋市長定例記者会見(一部)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし(一部)

    本件について、記者クラブ総会を開き調査したものの、どの社が流出させたか不明とのこと。

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    本件については、村瀬市議本人の意向がまったく不明なのでなんともわかりません。
    一般論として、名古屋市民オンブズマンは何十回と記者クラブで記者会見を行っておりますが、記者クラブ配付資料は記者クラブのみに配布しているつもりは全くありません。どこに資料を転送されても問題はありません。(むしろ全てホームページで公開しています)

    本件は、村瀬市議が記者クラブに無断流出されたと怒っているのであればともかく、なぜか河村市長が怒っているのが大変不思議です。

    ネット上に本件文書が数多く転載されており、その中で、「様々な場面で、民主主義を標榜する河村たかし氏が、自分の政治、政策の同志の集まりである減税日本の内部において、ことごとく民主主義を怠り、独断で物事を進めていた」「これまでも名古屋城天守閣木造復元に係るバリアフリー対策をはじめ、政治集団の根幹に関わる政策さえ、党内で議論されたことはありませんでした」と記載がありました。
    また、村瀬市議は「減税日本内部のガバナンスや人間関係も影響」し、療養中であることも明らかにされました。

    これはまた、自らの都合の悪いことを棚に上げ、相手のごく小さなミスを執ように責め立てる「河村話法」ではないでしょうか。

    河村市長は、記者クラブへの攻撃の前に、以下説明すべきです。
    ・減税日本内部での、名古屋城天守閣木造復元に係るバリアフリーの議論の経緯と結果
    ・減税日本としての、バリアフリー対策の現状
    ・村瀬市議が療養中であることに対する、自らの責任

    記者クラブも市議も、いい加減「河村話法」を認識し、毅然とした態度を示すべきではないでしょうか。


    名古屋城バリアフリー市民討論会 「差別する自由」はあるのか

    全国障害者問題研究会「みんなのねがい」2023年12月号に、愛障協(愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会)の上田孝氏による、「ニュースナビ 『差別する自由』はあるのか 名古屋市民の人権意識が問われる『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』が掲載されました。


    23/6/3に名古屋市が主催した「市民討論会」の会議録を、市は差別範囲とされる部分を黒塗りで開示しました。

    当該記事中、名古屋市民オンブズマンによる文字起こしが引用されています。

    上田氏は「『市民討論会』での差別発言とその容認は、名古屋市政における『差別・偏見』を無くすとりくみの不十分さを表しています。『差別・偏見』を見逃さず、根を絶やすとりくみが引き続き求められています。」とまとめています。


    23/11/7(火)名古屋城木造復元 公共事業の見直し対象にしなくていいの?

    23/11/7に名古屋市は令和5年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開催しましたが、対象が国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみとなっているため、事業採択から5年以上未着工となっている名古屋城木造復元事業については対象となりませんでした。


    ・23/11/7 令和5年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     
    第1回懇談会と同じく、国国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみでした。

    評価自体は大変興味深いものでした。
    以下名古屋市の説明の抜粋
    ・東山公園 費用便益比は50年間で比較
     入場者数は5年で比較
    ・名鉄連続立体交差事業(桜駅〜本星崎駅間)
     事業期間を20年→15年+20年にすれば割引率を踏まえ効果がある
    ・中川運河上流地区浸水対策
     現時点で中止した場合も便益が上回る
     
    名古屋市の説明に対し、懇談会委員が厳しい指摘をしていました。

    --------
    名古屋城木造復元事業は、2015年9月議会で、整備検討調査費3500万円が可決されました。
    それから8年。いまだに着工はおろか、文化庁に現状変更許可申請すら提出できていません。

    当初は2020年7月完成予定でしたが、遅れに遅れ、2023年3月に名古屋市は「順調にいって2032年度」と発言するものの、23/6/3市民討論会での市民による障害者差別発言で停滞しています。
    収支見込みも「着工メドが立ってから作成する」とするのみ。

    本来であれば、国や愛知県で行っているように、進捗がない事業は定期的に第三者を交えて見直すべきですが、名古屋市はそうなっていません。


    23/11/6(月)名古屋城石垣部会開催 安全確保のため、石垣積み直しに最低限度の現代工法を検討

    23/11/6(月)に、特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会(第57回)が開催されました。
    ・配付資料
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ(途中まで)
      

    写真・録音・録画は今回も禁止されました。

    残念ながら、用事があり傍聴は途中までしかできませんでした。

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    冒頭に挨拶した上田剛・名古屋城総合事務所所長は、通り一辺倒の挨拶のみで、特に木造復元について触れませんでした。

    現在、本丸搦手馬出周辺石垣を全解体後、積み直し作業に取りかかっています。
    ただ、解体した江戸時代の石垣を、そのまま積み直した場合、地震時に崩落する可能性が高く、観光客の生命・身体に重大な影響を与えるおそれがあります。
    有識者の助言を踏まえ、名古屋市は「ジオテキスタイル」と呼ばれる現代工法を取り入れ、石垣内部に組み込んで、地震時に崩落することのないようにしようとしています。
    ただ、石垣は文化財なので最低限度にしたいとして、どの程度ジオテキスタイルをいれれば大丈夫かを、真剣に議論していました。

    ------
    その後、天守台及び周辺石垣の保存対策について真剣な議論がなされたようです。
    面的な変状が顕著に見られる範囲において鉄筋挿入による対策を行うこと、破損石材の修理について、樹脂系やセメント系の補修材の注入等により固定することが提案されました。

    ---------------
    いくら石垣が江戸時代に作られた文化財といっても、そのまま修復したのでは観光客の生命・身体を守ることができません。
    最低限度はどの程度なのか、専門家が議論しています。

    現在、名古屋城木造復元事業について、あたかも「江戸時代そのまま」復元可能なような言説がいまだに広まっているようです。
    23/6/12開催の特別史跡名古屋城跡全体整備検討会議(第56回)資料にもあるように、有識者との6年の議論の結果、名古屋市は「天守の基礎はケーソン、建物荷重は鉄骨で受け止め、補強金物等の工事と耐震ダンパーを設置。各階にはコンセントが多数あって、天守全域にLAN配線を完備」する方針を定めています。
    (23/6/25 千田嘉博教授Twitterより)

    名古屋城木造復元事業は停滞していますが、少なくとも「観覧者の生命・身体を最優先にする」「名古屋市の現在の計画をまず直視する」「各種法令を守る」ことが必要です。


    23/10/17(火) 名古屋市 公共事業再評価は国土交通省所管交付金・事業のみ対象

    23/10/17に名古屋市は令和5年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開催しましたが、対象が国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみとなっているため、事業採択から5年以上未着工となっている名古屋城木造復元事業については対象となりませんでした。


    ・23/10/17 令和5年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ

    国土交通省は、事業採択後一定期間が経過した時点で未着工の事業に関し、再評価対象事業とし、事業評価監視委員会を設置しています。

    同様に、各地方自治体でも、国庫補助金事業について、政策再評価法に基づき公共事業再評価を行い、地方自治体が補助事業を中断した場合、国は補助金等の返還を求めることがありません。

    また、自治体によっては全ての公共事業に関して事前評価・再評価・事後評価しているところもあります。
    愛知県は県が主体となって実施するすべての公共事業を対象に、事業評価(事前評価・再評価・事後評価)をしています。
    ・愛知県の公共事業評価

    開催に先立ち、以前の「名古屋市公共事業評価監視委員会」の設置要綱ならびに現在の「名古屋市公共事業評価監視委員懇談会」開催要綱、さらに変更の経緯を担当の緑政土木局企画経理課に問い合わせて入手しました。
    名古屋市「懇談会」対象は、国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみでした。

    ・名古屋市公共事業評価監視委員会設置要綱(1998年12月1日〜)
    ・名古屋市公共事業評価監視委員懇談会開催要綱(2014年4月1日〜)
    ・名古屋市公共事業評価監視委員懇談会

    平成10年12月に名古屋市公共事業評価監視委員会が設置されましたが、当時名古屋市全体で附属機関及び附属機関に類する機関等について、活動実態を踏まえ、附属機関と位置づけるもの、懇談会と位置づけるものに整理が進められており、公共事業評価監視委員会については懇談会と整理し、平成26年から名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開始したとのこと。

    ・名古屋市審議会の設置及び運営に関する指針

    23/10/17「懇談会」での録音・録画は禁止されました。
    傍聴者は名古屋市民オンブズマン事務局員1名のみ。
    23/10/17開催の「懇談会」対象は3件。社会資本整備総合交付金事業は「東山公園の魅力向上」のみ。
    国土交通省所管公共事業は、「名古屋鉄道名古屋本線連続立体交差事業(桜駅〜本星崎駅間)」「中川運河上流地区における浸水対策」のみでした。

    名鉄連続立体交差事業については、3回目の事業評価となっています。
    事業期間は未定(着工準備中)ですが、そのことを委員が認識していないような発言までありました。
    傍聴者は名古屋市民オンブズマン事務局員1名のみと、市民・報道機関の注目度が極めて低かったです。
    事前に対象事業を広く知らせる等の方法が必要ではないでしょうか。

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    なお、2004年に全国市民オンブズマン連絡会議が調査したところ、2003年度に名古屋市公共事業評価監視委員会が再評価の対象にした事業は31件7806億100万円でしたが、中止(休止)が決定された事業は0件でした。

    ・2004年全国市民オンブズマン函館大会 資料 弁護士大川隆司
     公共事業再評価制度の実効性を検証する
     −全体会議及び公共事業分科会への報告

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    名古屋城木造復元事業の事業採択がいつなのかははっきりしませんが、17/5/9に竹中工務店と「基本協定」「基本設計契約書」を結んで早6年半。
    いまだに着工のメドはたっていません。
    23/3/14名古屋市議会経済水道委員会で天守閣整備担当主幹は「順調にいって2032年度」と発言しました。
    また、23/6/3市民討論会での障害者への差別発言問題の検証委員会が開催されており、佐治独歩・名古屋市観光文化交流局長は「一連の検証が終わるまで名古屋城木造復元事業を進めない」と明言しています。

    先述した愛知県の事業評価制度によれば、事業採択から5年未着工で再評価の対象となり、愛知県事業評価監視委員会の意見を聴き、対応方針を決定します。

    差別発言問題の検証がどうなるかわかりませんが、バリアフリー対策、2方向避難、耐震、耐火問題、緊急時避難問題、さらには人数制限ならびに収益性の問題など、課題は山積みです。

    名古屋城木造復元事業は「国・県から補助金をもらわない」方針を示しているため、現在の名古屋市の事業評価制度には乗ってきません。
    名古屋市は、せめて愛知県並に「すべての公共事業」を外部有識者からなる再評価委員会で評価し直すべきではないでしょうか。
    それには名古屋市公共事業評価監視委員懇談会の位置づけを見直す必要があります。
    「すべての公共事業」は難しくとも、少なくとも名古屋城木造復元事業を外部有識者からなる再評価委員会で評価し直すべきだと考えます。

    ------
    なお、第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会は令和5年11月7日(火)午後1時30分から名古屋市役所西庁舎12階 西12A会議室で開催されます。傍聴可。

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    今後の予定
    ・23/11/6(月)10時〜 石垣・埋蔵文化財部会(能楽堂)
    ・23/11/13(月)15時半〜 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元
    ・23/11/25(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/12/16(土)13時40分〜 市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」 市政資料館


    23/10/26 減税日本元団長「名古屋城バリアフリー対策は党内で議論なかった」離党届提出

    減税日本ナゴヤの元団長である村瀬きよみ名古屋市議は、23/10/26づけで河村たかし名古屋市長に「離党届」を提出しました。
    同日市政記者クラブ宛に「離党届の提出について」という書面を出しました(当ブログには載せていません)。


    その中で、「様々な場面で、民主主義を標榜する河村たかし氏が、自分の政治、政策の同志の集まりである減税日本の内部において、ことごとく民主主義を怠り、独断で物事を進めていた」「これまでも名古屋城天守閣木造復元に係るバリアフリー対策をはじめ、政治集団の根幹に関わる政策さえ、党内で議論されたことはありませんでした」と記載がありました。
    また、村瀬市議は「減税日本内部のガバナンスや人間関係も影響」し、療養中であることも明らかにされました。

    横井利明市議(自由民主党名古屋市会議員団団長)は23/10/26付けブログ「崩壊の始まり」で、「幹事社受」というはんこが押された上記書面をアップしました(その後削除)。

    23/10/30河村たかし名古屋市長定例記者会見の2部で、河村市長は「記者クラブのはんこがおされた書類が出てもええことなのか」と問い、その後記者クラブ各社総会が開催された模様です。
    それと関係があるか分かりませんが、同日横井市議のブログからは上記書面が削除されました。

    村瀬市議の離党に関し、河村市長は「残念なことで泣けてきますわね。離党届は受け取るつもりはありません。」と回答しました。
    ・23/10/31 河村たかし名古屋市長定例記者会見(2部)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし

    --------
    村瀬市議は、23/8/21に「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」と市議団各会派が行った懇談会に出席しています。

    その際、横井市議はブログで「減税日本ナゴヤの村瀬団長は『最上階までのエレベーター設置を検討する』と明言。」と記載(その後削除)。

    23/9/4河村たかし減税日本代表と村瀬きよみ減税日本ナゴヤ団長名で、横井団長あてに「事実に反する虚偽の報道をしたという自覚はあるのか」等の公開質問状を出しています。

    -----------
    名古屋市民オンブズマンは、23/9/5に、以下まとめ記事を書きました。
    ・23/9/5 市民オンブズマン事務局日誌
     河村市長が自民団長に「減税日本団長は『名古屋城最上階までエレベーターを検討する』と言っていない」と公開質問状
     仮に村瀬団長がその旨発言していたにもかかわらず、その後撤回したことについての横井市議への攻撃であれば、権力による言論弾圧ではないでしょうか。
    これは1市長と1市議団団長との話ではありませんし、「また河村市長がやっている」でも済みません。
    その場にいた関係者は、ぜひ事実関係を明らかにしていただきたいです。
    23/9/13(水)19時19分頃、名古屋市民オンブズマン事務局の電話に減税日本ナゴヤ・村瀬きよみ団長を名乗る女性から「私は発言をしていないのに、御社のブログに発言をしたかのような記事が載っているので、消してもらいたい」と電話がありました。
    当方は会議中だったので明日電話をかけるよう述べました。その後村瀬市議から連絡はありません。

    --------
    まず、村瀬市議は記者クラブに提出した書面を、誰でも読める状態にすべきではないでしょうか。

    「言った言わない」に関しては、発言した当事者だけでなく、他の参加者や報道機関にも確認すべきだと思います。

    もっと問題なのは、結局減税日本ナゴヤは名古屋城木造天守のバリアフリー対策についてどう考えているのか、書面で一切明らかにしていないことです。(どこかに記載があれば教えて下さい)
    減税日本ナゴヤが23/10/24に市に提出した「令和6年度 予算編成に対する要望」でも、バリアフリー対策について記載はありません。

    河村市長も、現時点でバリアフリー対策についてどう考えているのか、書面では明らかにしていません。

    減税日本ナゴヤに所属する市議は、会派としてどのようにバリアフリーについて考えているのか早急に明らかにすべきです。

    最後になりましたが、村瀬市議の体調の早急な回復を心より祈念いたします。

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    参考
    ・2023年8月29日(火)熊本市議会議員 村上ひろし 
     「河村たかし名古屋市長」
    4会派の代表が全員、私たちの要望に理解を示し、名古屋城木造再建については、 地元の障害者団体との話し合いを行うことに賛同。
    議会の意見が一致すると言う喜びの結果となった。
    同席された名古屋市会の会派は以下の通り。
    「自民党」、「民主党」、「公明党」、「減税日本ナゴヤ」
    ・2023年 09月 09日 市民オンブズマン事務局日誌
    名古屋城木造復元 石垣部会委員「『バリアフリーVS木造天守』では膠着状態が続く」
    その後、斎藤氏による、わっぱの会からの要望書の説明をしました。
    どちらが正しいのか、斎藤氏が議員ネットに確認したところ、『減税日本団長は、間違いなく“5階まで小型昇降機を検討する”と発言した』とのこと。

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    今後の予定
    ・23/11/6(月)10時〜 石垣・埋蔵文化財部会(能楽堂)
    ・23/11/13(月)15時半〜 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元
    ・23/11/25(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/12/16(土)13時40分〜 市政出前トーク「名古屋城天守閣の整備」 市政資料館


    23/10/2 名古屋城バリアフリー新技術 自民市議「このまま契約せず、MHIがやめたと言うことを恐れる」

    23/10/2に開催した名古屋市議会経済水道委員会で、浅井正仁市議(自民)は「名古屋城木造復元のバリアフリー新技術で最優秀提案を受けた株式会社MHIエアロスペースプロダクションとこのまま契約を先送りにしておくと、『もうやめた』というかも知れない。
    河村市長が『技術者がいなくなった。エレベーター・昇降機無しだ』と言って一番喜ぶと思う。それを一番恐れる」と述べました。
    ・23/10/2 名古屋市議会経済水道委員会(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし

    現在、名古屋城に3つの隅櫓が現存(江戸時代に建築・すべて重要文化財)しますが、耐震改修をしたのは西南隅櫓のみで、西北隅櫓と東南隅櫓は特に何もしていません。

    浅井市議は、「現大小天守は耐震補強していないから閉鎖した。どうして耐震改修していない2隅櫓を開放したのか」と質問しました。
    名古屋城総合事務所は「最上階の3階には係員を含めて9人しか入れなくし、期間を限定した特別公開とした」と述べました。

    浅井市議は「では、現大小天守も人数制限は考えなかったのか」と質問し、名古屋城総合事務所は「隅櫓は、本質的価値をできる限り見ていただきたい。
    天守閣はIsのような詳細な調査結果で、耐震性がないという判断が示されたので閉館した」と述べました。

    浅井市議は「重要文化財は直下型が来たら終わり。現大小天守を閉めてから、隅櫓の耐震を検討したのか」と質問し、名古屋城総合事務所は「耐震の状態もさることながら、経年劣化がひどくなっている。今後重要文化財の保存活用計画の策定を進めていく。」と述べました。
    浅井市議は「まだなにもやっていないということ。家康が建てた、名古屋城で一番価値があるのではないのか。それを何もせずに大小天守を木造木造というのはいかがなものか」と述べました。

    また、次に名古屋城バリアフリー新技術について、浅井市議は「総務環境委員会説明資料で、2022年12月に最優秀提案を市長に伝えたら、『市長はMHIの提案を認めないとあった。
    MHIの提案自体なくなる。決裁は取れたのか」と質問し、名古屋城総合事務所は「市長の決裁を取れている。令和5年度中に契約するものと考えていた。
    令和4年度は予算の見積もり、取得、協定、協議を進めていた。現在は協議が整ってきた」と述べました。

    浅井市議は「このままMHIとの契約を先送りにしておくと、『もうやめた』というかも知れない。河村市長が『技術者がいなくなった。エレベーター・昇降機無しだ』と言って一番喜ぶと思う。それを一番恐れる」と述べました。
    佐治観光文化交流局長は「技術的な側面から何階まで設置できるのか、技術開発をした上でしっかり市民の皆様の意見をお聞きして、市の方針を決定することが重要であるというふうに考えている。
    実際のところ何階まで設置できるかは、垂直昇降装置自体の単体で決まるものではなく、建物との取り合いの関係で複数の要素が関係するものというふうに考えている。
    そうしたことから、垂直昇降設備としては技術開発を進めていく中で、公募要項で求めているように、可能な限り上層階を目指していきたいと考えている。そういった方向で契約を結びたいというふうに考えている」と述べました。

    浅井市議は「竹中とのすりあわせが一番の課題になると思う。最上階を目指すのが、名古屋城総合事務所に課せられた課題だと思っている」と述べました。

    ---------
    2016/4/28名古屋市議会経済水道委員会で、「名古屋大と広島大が発表した活断層地図に、名古屋城の真西に活断層が走っている」と指摘がありました。

    ・名古屋市防災会議地震災害対策部会 平成29年1月24日
     名古屋市付近に推定されている 断層に関する報告書
     ○名古屋市街地の地形と活断層(「杉戸信彦・後藤秀昭,2012,名古屋市街地を縦断する活断層の変動地形学的検討,日本活断層学会 2012 年度秋季学術大会,O-1.」より抜粋)
     
    それ以来、7年間も隅櫓の耐震補強を何もしていなかったことになります。 

    結局、やり取りを聞いてもMHIと契約を令和5年度中に結ぶのか結ばないのか分かりません。

    そもそも、名古屋城総合事務所が答弁すると、MHIや竹中工務店の現状がよく分かりません。
    実際どうなっているのか、MHIや竹中工務店を議会に呼んで発言してもらうことが必要ではないでしょうか。

    また、河村市長は、「公募で選定された最優秀技術に、市長の決裁を出した」にもかかわらず、「最優秀提案は認めない」と発言するなど、矛盾する行動を取っています。
    (河村市長が「聞いていない」と言い出すのは今回に限りません)
    それが名古屋城をめぐる混乱を引き起こしているとしか思えません。

    そもそも、小型昇降機について、日弁連は「あえてエレベーターを設置しないということは差別されない権利・利益を侵害している」としています。

    差別発言の検証も終わらないまま、MHIと技術開発することがよいのか、そもそも小型昇降機でよいのか。
    名古屋市は市民への説明を尽くしていません。

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    今後の予定
    ・23/9/27-10/31 記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」(動画)
    ・23/10/4(水)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
    ・23/10/6(金)13時半- 第2回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会
    ・23/10/28(土)14時- 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/11/13(月)15時半〜 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元
    ・23/11/25(土)14時- 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/12/16(土)14時- 「市政出前トーク」名古屋城天守閣の整備 市政資料館


    23/9/27-10/31 名古屋城木造復元 千田教授「『史実に忠実』と『バリアフリー』の両立は国際標準」

    朝日新聞は23/9/27-23/10/31まで記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」をオンラインで公開しています(要登録)。
    出演した千田嘉博・名古屋市立大学高等教育院教授は「『史実に忠実』と『バリアフリー』の両立は国際標準」と述べました。

    有料配信なので概要にとどめますが、以下3つについて説明がなされ、大変よく分かりました。
    1.名古屋城の歴史と天守復元計画の概要
    2.バリアフリーと差別発言問題について
    3.文化財の保存と活用に向けた考え方

    千田教授は「23/6/3市民討論会という公の場での差別発言は絶対に許されない。
    しかし、『江戸時代そのままに建てるのがよい』という思いが差別発言の元になっていると思う。
    実は『史実に忠実な復元』は、江戸時代そのままに建てることを意味してない。
    詳細な図面があるとはいえ、江戸時代そのまま建てると、耐震基準も防火基準も満たさず、誰も中には入れなくなり、現状の天守も外観は忠実に復元されているため、そもそも木造で建てる必要は全くない。
    『史実に忠実な復元』とは、現在の法規にフィットする様々な改変を含めて再現していくことの総体を意味する。
    バリアフリーだけがよくないという説明をするのは適切とは言えない」と述べました。

    さらに、千田教授は、イギリスのウェールズにある世界遺産のカーナーヴォン城で、キングスゲートという塔をエレベーターを中に設置した事例を紹介しました。

    視聴者からの「名古屋市がバリアフリー方針を決定する前に市民討論会を行うべきだった。今となっては昇降技術賛成反対双方を納得させることは不可能だと思う。」という意見に対して、千田教授は「史跡整備とバリアフリー化は近未来当たり前になると思う。名古屋城の本質的な価値を誰もが体感するようにしたい、そのためにはこういうことが必要という議論からもう一度考え直せば、対立のままにはならないのではないか」と述べました。

    最後に、千田教授は「世界中のバリアフリー事例を調べると、ベッドごと入れるような昇降装置を史跡につけられているかというと、空間が確保できないということと、史実とのバランスを取ると難しい。
    バリアフリーは不断にバージョンアップしていくことが大切」と述べました。

    ------------------
    千田教授のこのような説明は、市が主催して、市民全員に周知すべきことだったと思います。
    いまだに「江戸時代そのままの建物が建つ」と信じている市民が多いですし、「江戸時代本物復元」と繰り返し吹聴してきた河村たかし名古屋市長の責任はあまりにも大きいです。

    また、唯一23/6/3市民討論会翌日に差別発言を大きく取り上げた寺沢記者の解説は大変わかりやすかったです。これも市が市民全員に周知すべきだと思います。

    なお、日弁連は「あえてエレベーターを設置しないということは差別されない権利・利益を侵害している」としています。
    ・23/9/9 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業 〜名古屋城バリアフリーの行方〜」配付資料

    23/6/13に同実行委員会が名古屋市役所前で行った、「差別は許さない!名古屋市役所前緊急抗議集会」で、ストレッチャータイプの車いすの女性は「友達と一緒に名古屋城に登って楽しみたい。国際的に考えても、誰も排除しないのが大切」と発言しています。

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    今後の予定
    ・23/9/27-10/31 記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」(動画)
    ・23/9/29(金)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/10/2(月)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
    ・23/10/4(水)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
    ・23/10/6(金)13時半- 第2回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会
    ・23/11/13(月)15時半〜 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元

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    23/9/19(火)名古屋市局長 市議会で「名古屋城現天守を観覧できる方法がないか検討する」明言

    23/9/19名古屋市議会本会議議案外質問で、佐治観光文化交流局長は名古屋城現天守について、「再び現天守閣に客が入るには大変難しい課題がある。現天守閣の有効活用の観点から、耐震基準を満たしていない天守閣を客の安全確保に配慮しながら観覧できる方法はないか、慎重に検討したい」と述べました。
    ・23/9/19 名古屋市議会本会議議案外質問(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし


    浅井正仁市議(自民)は、「現天守が一般公開中止して5年以上経った。しかしいまだに解体すら始まっていない。
    一定の安全対策をすれば一般公開は可能ではないか。
    また、8月に復元検討委員会を開催できるよう文化庁に計画を提出するように指示をしたのは誰か。
    一体何階まで、昇降機を設置する計画を文化庁に提出するつもりだったか」と質問しました。

    松雄副市長は「8月復元検討委員会目標として文化庁提出するよう指示したのは私。昇降技術は少なくとも最低要求水準である1階までとし、市民アンケート、討論会で説明し、その市民意見の聴取の結果により、設置階につきましては、最終的に市長にご判断をいただいた後文化庁に提出する予定だった。」と述べました。

    佐治局長は「再び現天守閣に客が入るには大変難しい課題がある。現天守閣の有効活用の観点から、耐震基準を満たしていない天守閣を客の安全確保に配慮しながら観覧できる方法はないか、慎重に検討したい」と述べました。

    浅井市議は「現天守公開検討に前向きな答弁はビックリした。また、現存する西南隅櫓と東南隅櫓、西北隅櫓のうち、1つは耐震補強したが、残り2つは耐震補強していないのに去年まで期間限定で公開されていた。
    ところで、松雄副市長、障害者差別解消法で正当な理由になるには障害のある人に理由を丁寧に説明し理解を得るよう努めることが前提となっているが、いつ説明をしたか、いつ理解を得られたか」と質問しました。

    松雄副市長は「障害者の理解を得ながら進めてこられたのではないかと私は認識している」と述べました。

    浅井市議は、「新技術の昇降機の具体的な物がない。民間事業者と契約して具体的な昇降機の検討をし、人権問題が整理でき、具体案ができた段階であらためて市民意見を聞いて市の方針を決める。その後文化庁と協議して復元検討委員会で議論を始める、でいいか」と質問しました。

    佐治局長は「観光文化交流局としては、技術開発に着手し、技術的側面から何階まで設置できるか具体案を明らかにした上で、市民の意見を聞き、市の方針を決定した後、整備基本計画に反映する手順が望ましいと考えている」と述べました。

    浅井市議は「討論会後に市長が判断し、市民に説明を行い理解を得るなら、1週間で理解を得ることになる。いつだったのか詳細な日程を示して」と述べました。

    松雄副市長は「市民討論会以降、バリアフリーの方針を出せる状況ではなくなった」と述べました。

    浅井市議は「5階なんて夢枕だった。1階しか出せない。文化庁は『市民の理解を得たんですよね』と多分言う。理解を得ていない。また取下げ。
    最後に市長に聞く。なぜ2つの隅櫓は耐震改修しないで放置しているのか。また、正当な理由による合理的配慮をしているという理解か」と述べました。

    河村市長は「本丸表二の門の修復を先行して進めている。隅櫓への耐震対策の実施までには至っていない。
    正当事由について、文化庁は適切に再現された歴史的建造物に適切な評価を与えることが適当と述べている。
    私は、適切な評価とは正に文化財であり、名古屋城天守閣については100年後200年後に再び国宝に指定されると確信している。
    高い蓋然性を持つことを実現する行為が正当な理由にあたる」等と述べました。

    議長から「議運で決定された発言時間を経過した」と指摘があっても河村市長が発言したため、議長が発言を打ち切りました。

    ---------------
    現天守については、耐震基準を満たしていないという問題もありますが、現天守地下の穴蔵石垣の調査結果、極めて不安定であることが判明しました。
    石垣部会委員によれば、現状では到底穴蔵階に人は入れられないとのこと。

    なお、現天守で耐震基準をIs値0.75以上にし、エレベーターを最上階まで設置するには約15億1000万円かかると名古屋市が試算しています。
    主に7階だけ補強する「暫定的耐震補強」だと、1億7172万円の試算を出しています。

    穴蔵石垣の積み直しにいくらかかるのか試算はまだ出ていませんが、大天守東側に、外付けエレベーターがあり、そこから直接1階に入ることができるので、穴蔵石垣を積み直していても大天守の中に入ることはできるのではないでしょうか。

    --------
    なお、今回の答弁では、差別発言の検証前にMHIと契約を結んで技術開発を行うかどうか、はっきりしませんでした。

    -------
    多くの人は23/6/3差別発言で忘れているようですが、5000人アンケートの結果では、1階まで新昇降技術は16.9%と一番少なかったです。
    ・18歳以上の5000人無作為 1448人回答 29.0%
     エレベーターいらない:23.4%
     1階まで:16.9%
     5階まで:47.2%
    名古屋市が1階まで昇降新技術と決めても、市民が納得していません。どうするつもりだったのでしょうか。
    市民にこれまでの経緯をしっかり説明した上で、市民が納得する方法を出してもらいたいです。

    ---------
    今後の予定
    ・23/9/27(水)19時- 記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」
    ・23/9/29(金)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/10/2(月)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
    ・23/10/4(水)10時- 名古屋市議会経済水道委員会
    ・23/10/6(金)13時半- 第2回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会
    ・23/11/13(月)15時半〜 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元


    23/9/9(土)名古屋城木造復元 石垣部会委員「『バリアフリーVS木造天守』では膠着状態が続く」

    23/9/9(土)に、名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会は「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業 〜名古屋城バリアフリーの行方〜」を開催して、会場とネット合わせて55名の参加がありました。
    講師である、名古屋城跡全体整備検討会議石垣・埋蔵文化財部会委員の赤羽一郎氏は「2023年6月3日市民討論会の検証委員会が開かれているが、会議の結論がどうであろうと、河村市長の意見は変わらないだろう。『バリアフリーvs木造』という構図だと膠着状況は続く、どう打開するかいつも考えている。木造天守は非常に『非情』な建物。なぜ今復元しないといけないのか納得いかない」と述べました。

    ・当日配付資料
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ

    共同代表の斎藤縣三氏は「今回、6月3日の差別発言があり、状況がめまぐるしく変化し、開催時期が延びた。
    これまで名古屋城総合事務所の担当主幹は毎年参加してくれ、お互いの意見を出し合って学び合った。
    初代、2代とシンポに来たが、この4月に3代目に変わり、今回 最初は出ると言っていたが『出席をしない』と言った。河村市長も面談拒否だ」と述べました。

    赤羽氏は以下述べました。
    ------
    名古屋城跡全体整備検討会議とは、名古屋城全体の将来計画をたてるところ。
    2012年段階では、現天守閣は耐震診断に基づいて耐震改修すると提案した。
    しかし、2013年に河村たかし市長が木造復元調査費計上するといいだし、多くの委員が同調した。
    2017年に木造予算を可決し、竹中工務店と契約を結んだが、2022年には『2028年に再度延長』となった。
    しかし、いまだ着工のめどすら立っていない。
    この実行委員会が主催した4年前2019年6月に話した課題が全くクリアされていないためだ。
     @石垣の保存管理計画が不十分 
     Aバリアフリー 不十分
     B現天守の歴史的意義の検証が不十分
    4年前とほとんど変わっていない。
    バリアフリーは進んでいないどころか討論会で暴言が出て、市当局の対応もお粗末だった。
    名古屋城を作った徳川家康は「堂々たる外観があれば、中は空き家同然でもいいのではないか」と考えていた。
    史実に忠実な名古屋城は質素なもので、復元してどういう意味があるのか。
    また、西南、東南、西北隅櫓は現存しており、西北隅櫓は天守に相当するほどの大きさがある。
    木造天守を復元しなくても、隅櫓、門で楽しめるのではないか。
    天守には、現存天守、木造復元天守、外観復元天守、復興天守、模擬天守があるが、名古屋城を木造天守をしても
    ビジョンが浮かんでこない。中身は市が具体的に提示していない。
    バリアフリーは天守だけではなく城郭全体、アクセスを含めて対象と考えるべき。

    ---------
    続いて、櫻井義也弁護士による、日弁連人権救済申立の説明がありました。

    2019年1月 申し立てし、2022年10月に日弁連から要望書がでた。3年半以上かかっている。
    問題の所在は2つ
     ・エレベーターを設置しないという方針の人権侵害
     ・公募と方針の関係
    「あえてエレベーターを設置しないのは、差別されない権利・利益を侵害している」とした。
    日弁連は「公共施設であることには変わりはない。歴史的建造物を再建する意義は、市民に認識され、個人の知的好奇心、知を共有して文化財を残すべき思いを市民が一つにできる。
    天守閣から城下の景色を望むのは、単に入れるだけではなく、一番上から見ることに醍醐味がある」とした。
    また、「現存の名古屋城は利益を享受できている」のに公共施設の建て替え事業で奪うことになるのは不当な差別的取り扱いだ」とした。
    また、バリアフリー新法では一定以上の大きさのエレベーターが必要で、市は適用除外認定を想定しているが、差別解消法等の差別禁止違反の問題がなくなるわけではない。適用除外となっても、バリアフリー新法の要請を免れるものではない。文字通り史実に忠実な建築はそもそも不可能だとしている。あえて障害のある人の昇降を著しく困難にするエレベーターのない天守閣の再現が必要とは到底考えられない。『原型の再現がやむを得ない』とはいえない」と述べた。

    ------
    その後、斎藤氏による、わっぱの会からの要望書の説明をしました。
    なお、23/8/21に「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」が市議会議長と団長と意見交換をした際、自民党団長が減税日本団長に『5階まで検討するのは賛成か?』と質問し、減税日本団長が賛成と発言した件で、河村市長は自民党に『そんな発言はしていない、謝罪せよ』と抗議文を出しました。
    どちらが正しいのか、斎藤氏が議員ネットに確認したところ、『減税日本団長は、間違いなく“5階まで小型昇降機を検討する”と発言した』とのこと。

    続いて名古屋市民オンブズマンの内田隆氏が、市民討論会後に市議会の追及で判明したことを述べました。
    「名古屋城総合事務所は2022年11月にMHIを最優秀候補に選ぶも、市長は認めなかった。
    市長は『3階まで』『1,2階までが合理的配慮と言える』など、日によって発言が変化した。
    名古屋城総合事務所は『1階までは確保。より上層階を目指す』で変わっていない。
    間に入った松尾副市長は『当初は設置せず後から設置、もしくは1階まで設置』と述べ、市長と副市長と総合事務所の意見が食い違う異例の事態が発生していた。
    市はとりあえず市民の意見を聞くことにし、5000人アンケートと6月3日の市民討論会を開いた。
    しかし、その後のスケジュールが全て決まっており、6月20日には市長が文化庁に 基本計画書を持参することになっていた。
    『市民の意見を聞く』という形をとるためのアリバイづくりだった。
    現在、差別発言検証委員会が第三者を含めて行われている。
    そもそも人権問題について市民の意見を聞くこと自体誤っている。
    当日の発言だけでなく、どうして討論会を開いたのか、日弁連の勧告なども踏まえて検証してもらいたい。」

    赤羽氏は「2023年6月3日市民討論会の検証委員会が開かれているが、会議の結論がどうであろうと、河村市長の意見は変わらないだろう。
    『バリアフリーvs木造』という構図だと膠着状況は続く、どう打開するかいつも考えている。
    私は現天守をたたき壊して木造天守にする計画自体に反対していることを申し上げたい。
    木造天守は非常に『非情』な建物。なぜ今復元しないと行けないのか納得いかない。
    この実行委員会は、本当に木造天守を希望しているのか、逆に聞きたい」と述べました。

    斎藤氏は「会ができた当初は、議会も認め、予算もつき、突き進んでいくというので、『当然バリアフリーを実現すべき』だとしてきた。
    あれから5年たち、木造復元の見通しがない。河村市長の姿勢が続けばたたないと思う。
    当初の耐震改修やるという方針ではこんなことにはならなかった
    2018年に現天守を閉め、観光収入が大きく減少し、損害を与え続けている。
    木造復元を諦めて、耐震改修にしてはどうかと個人としては思っている」と述べました。

    車いす利用者である小川直人・共同代表は「木造天守について、いい悪いは思っていない。障害者が排除されると、市民の思いを一つに出来ない。エレベーターつけるのは絶対必要」と述べました。

    会場からは「現行天守は文化財として価値がある」「赤羽氏は千田嘉博氏と一緒に河村市長に申し入れをしてほしい」「修繕費を考えると、木造天守が『負の遺産になる』可能性がある」という意見が出ました。

    櫻井弁護士は「23/8/21障害者ネットワーク申入書の中に、『木造復元で車いすが入れない場合、世界中が落胆する』とある。
    今は差別思想が蔓延しているが、世界や、未来から見てどう思われるか。
    『恥の建造物を建てることに』なるのではないか。
    『名古屋の人は恥ずかしい建物作っちゃったんだ』といわれないようにしたい」と述べました。
    司会者からは「精神的な負の遺産」という言葉も出ました。

    他に、会場から「差別の城を作ることになるのでは。河村市長の独裁的なやり方に、市議会も戦いあぐねている。差別発言で、市長の企みが頓挫していることがはっきりした。河村市長を辞めさせよう」「MRJが撤退して社長がクビになったのと同じ」という意見が出ました。

    櫻井弁護士は「市民の意見を聞かないのはそうだが、選挙で何度も当選している事実、6月3日 拍手が巻き起こったという現実も受け止めないといけない。
    現在名古屋市は差別解消条例改正の議論をしている。今後皆さんに意見を求める予定」としました。

    斎藤氏は「5年前 名古屋市は障害者基本計画改定で、バリアフリーうたい続けるも、名古屋城には『市長の決裁が降りない』と触れなかった。
    現在再改定では触れないわけにはいかない。職員が窒息状態で口をつむんでいる。名古屋市としてよくない状態だ。
    討論会で差別発言がでるのは名古屋しかありえない。『恥の名古屋』が広がってる。
    実行委員会のありかたを皆で議論したい」と述べました。
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    今後の予定
    ・23/9/27(水)19時- 記者サロン「歴史はだれのものか 名古屋城差別発言問題から考える」
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
    ・23/11/13(月)15時半〜 取材のウラ側 どうする?どうなる?名古屋城木造復元

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    23/9/4(月)河村市長が自民団長に「減税日本団長は『名古屋城最上階までエレベーターを検討する』と言っていない」と公開質問状

    23/9/4に河村たかし名古屋市長は、23/8/21名古屋城木造復元のエレベーター設置に関する市議会議長・各会派団長と「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」との会談の件で、自由民主党名古屋市会議員団横井利明団長にあてた公開質問状を提出したと、記者会見したとのこと。

    公開質問状によれば、横井市議はブログで「減税日本ナゴヤの村瀬団長は『最上階までのエレベーター設置を検討する』と明言。代表と団長で意見の食い違いを見せた」と書いたにもかかわらず、上記発言はなかった。記事もいつの間にか削除されていたとし、謝罪の意思があるかを聞いています。

    ・2023年08月21日 横井利明オフィシャルブログ(名古屋市会議員)
     障害のある議員の全国ネットワークが申し入れ 名古屋城天守閣
     
    23/9/5中日新聞によれば、横井市議は「本人に『5階までの検討で良いんだね?』と確認したら『はい』とはっきりと言われた。本人から依頼があったので、記事は削除した」とのこと。

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    典型的な「河村話法」です。
    上記ブログ記事を理由も記載せずに一部削除したのは、横井市議の不手際かもしれません。
    しかしながら、自分のことを棚に上げて、一方的に相手の不手際を全力で攻撃するのはいつものパターンです。
    争点を意図的にずらしているとしか思えません。

    23/8/21懇談会には、市議会議長・各会派団長も、「同ネットワーク」関係者も、マスコミも多数いました。
    それらにまず事実関係を確認するのが先ではないでしょうか。

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    参考
    ・23/8/21 障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク
     代表 熊本市議会議員 村上ひろし
     誰ひとり取り残さない、世界に誇れる、名古屋城天守閣整備のために連帯を込めた声援書

    ・2023年8月29日(火)熊本市議会議員 村上ひろし 
     「河村たかし名古屋市長」
    4会派の代表が全員、私たちの要望に理解を示し、名古屋城木造再建については、 地元の障害者団体との話し合いを行うことに賛同。
    議会の意見が一致すると言う喜びの結果となった。
    同席された名古屋市会の会派は以下の通り。
    「自民党」、「民主党」、「公明党」、「減税日本ナゴヤ」
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    仮に村瀬団長がその旨発言していたにもかかわらず、その後撤回したことについての横井市議への攻撃であれば、権力による言論弾圧ではないでしょうか。

    これは1市長と1市議団団長との話ではありませんし、「また河村市長がやっている」でも済みません。

    その場にいた関係者は、ぜひ事実関係を明らかにしていただきたいです。
    「明日は我が身」です。
    その上で、「減税日本ナゴヤ」は現在名古屋城木造復元のバリアフリー化について、どう思っているかを文書で公表することが、公党としての責任ある対応だと思います。

    なお、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が河村市長に22/12/7に出した抗議文について、いまだに回答はありません。
    23/6/13申入れ書にも回答はありません。

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    今後の予定
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」ソーネホール+zoom
     https://forms.gle/XNDhmFAcTm9zP9iZ7
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館


    23/8/30(水)「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」差別発言検証委員会 検証の方法・内容非公開

    23/8/30(水)に名古屋市は「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」を開催しましたが、議題(2)検証について は全て非公開で、何をどう検証するのかも全く分かりませんでした。
    ・23/8/30(水)「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会 配付資料

    杉野みどり副市長のあいさつの後、検証委員長の指名があり、視覚障害者の田中伸明弁護士が検証委員長に選ばれました。

    検証委員会設置要綱では、役割として以下記載がありました。
    (1)差別発言等が討論会で発生するに至った原因に関すること。
    (2)差別発言等への職員の対応に関すること。
    (3)前各号に関する再発防止に関すること。
    (4)その他検証委員会の目的を達成するため必要と認めること。

    事案の概要等が説明された後、議題(2)検証について に入る前に、傍聴者とマスコミは部屋から出されました。

    --------
    これでは、何をどう検証するのかも全く分かりません。

    論点は以下です。

    【対象】何を検証するのか
    1)23/6/3差別発言に限って、差別発言が行われた背景、また職員が制止できなかった背景を探る
    2)そもそも6/3市民討論会がなぜ開かれたのか、またこれまでの木造復元事業の進め方に問題はなかったか探る

    【手法】
    1)差別発言者にヒアリング?
    2)各種障害者団体にヒアリング?
    3)市職員にヒアリング?
    4)討論会司会等にヒアリング?
    5)市長、副市長にヒアリング?

    名古屋市障害者施策推進協議会会長の瀧誠氏は23/8/23に提出した「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会に対する意見書」の中で、「一定の方針が出たところで、市民アンケート、討論会という運びは、流れを後戻りさせていると感じる委員が大多数」「市民に占める割合が少数である障害者の意見が反映されるものではない」「ヒートアップすることがここからも想定されます」「横断的準備がどのようになされたか検証を求めます」「障害者差別解消推進法、バリアフリー法等の基本的視点に欠けるとともに、当事者の方々との関係性を損ねる状況になっていると考えざるをえない事象が多々あったと協議会での委員発言に多数ありました」と述べています。

    愛知県障害者(児)の生活と権利を守る連絡協議会は23/6/15の申入書の中で、「バリアフリーを議論する場で個人の意見ではなく障害者への『ヘイトスピーチ』を行い、少なくない参加者が侮辱に同調した」と述べています。

    単に23/6/3差別発言者と被害を受けた人の関係だけに留まらず、市民討論会が行われるに至った背景、またこれまでの木造復元事業の進め方にまで対象を広げることを望みます。

    全名古屋市職員は「明日は我が身」です。
    名古屋城木造復元の進め方に関して、徹底的に検証する最後の機会になる可能性があります。
    そうしないと再発防止はおろか、「市民の信頼回復」にはつなげられません。

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    今後の予定
    ・23/9/4(月)13時〜 名古屋市議会経済水道委員会 本丸搦手馬出周辺石垣について
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」ソーネホール+zoom
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館


    23/8/28(月)名古屋城バリアフリー市民討論会差別発言検証 河村市長「(差別発言被害者は)集会だけの出来事に絞って欲しいと言っている」

    23/8/28(月)に開催された河村たかし名古屋市長定例記者会見で、河村市長は23/8/30から始まる23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会について、「(差別発言被害者は)集会だけの出来事に絞って欲しいと言っている」と述べました。

    ・23/8/28(月)河村たかし名古屋市長定例記者会見(名古屋城部分)
     名古屋市民オンブズマンによる、半自動文字起こしアプリによる文字起こし

    河村市長は「(私からは)これをしろこれをするなということは一切言っていない」と明言。
    「本人は『早くやって欲しい、そっとして欲しい。あの集会での出来事に絞ってやって欲しい』とはっきり伺っているので、そういう方向で早く進んで欲しい」と述べました。

    また、河村市長は最後に「(名古屋城木造復元は)いわゆる新築建造物ではないんですこれは、熊本城のことと一緒に書く人がおりますけど、
    熊本城は昭和35年に出来た鉄骨鉄筋コンクリートですから、名古屋城の今の建物は34年1年違うだけです。
    僕が市長になる前だったらいつでもエレベーター一番上までつけたと、要望があったらつけたと思います。」などと意味不明の発言をしています。

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    23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会での車いすの障がい当事者に対する差別発言は、参加した差別発言者と障害当事者だけの問題に留まっていません。

    差別発言はネットで中継されていただけでなく、何回も音声がテレビで放映されており、視聴した多くの方に衝撃を今も与え続けています。

    本人が河村市長に何を言ったのか、確かなところは分かりませんが(河村話法)、すくなくとも「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」は、23/6/13申入れ書の中で、「23/3/20には、名古屋城昇降機は『上からの指?』で 1階以上に設置しないと決まっていた」ことを問題視しており、事実であれば、市?討論会は結論ありきのアリバイ作りだとし、「障害者をはじめ、市?や議会さえもあざむく重?な問題」と捉えています。

    検証委員会の委員になった、小林直三・名古屋市立大学教授は23/8/1に「一般論的には表現媒体行為での差別表現は、それ自体問題で人を傷つけるが、表現によって周りの雰囲気や社会を変えてしまう点で問題だ。」と述べています。

    名古屋城が「差別の象徴」となるのか、真に人権優先のまちづくりを進めるきっかけになるのか。
    「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会がなにをどこまで対象にするかで変わってきます。

    なお、「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が23/9/9(土)に企画した名古屋城シンポに、名古屋市が登壇キャンセルした件は特に質問がありませんでした。

    「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が22/12/7に出した抗議文について、いまだに回答はありません。
    23/6/13申入れ書にも回答はありません。
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    今後の予定
    ・23/8/30(水)10時〜 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会 市公館
    ・23/9/4(月)13時〜 名古屋市議会経済水道委員会 本丸搦手馬出周辺石垣について
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」ソーネホール+zoom
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館

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    23/9/9(土)名古屋城バリアフリーシンポ 名古屋市は急遽登壇キャンセル

    「名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会」が23/9/9(土)に企画した名古屋城バリアフリーをめぐるシンポに、名古屋市が急遽登壇をキャンセルしたことが判明しました。

    ・23/9/9(土)差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業
     〜名古屋城バリアフリーの行方〜

    同実行委員会事務局長の辻直哉氏は「名古屋城総合事務所の登壇が急遽キャンセルの連絡がありました。
    理由は、これまで説明してきたので、これ以上話すことはないとのこと。
    立場が違えど、対話を重ねることが重要と、お互いの共通認識だったはずだったんですけど、残念です」と述べています。

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    23/8/21に「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」と河村たかし名古屋市長が非公開で面談した際、河村市長は「体の不自由な方との話合いはしたい」「けんかにならないよう、文書で論点を整理した上で地元団体と話したい」と述べたとのこと。
    せっかくの機会を障害者団体が設定したにもかかわらず、名古屋市は蹴ってきました。

    22/12/7に地元障害者団体からの書面に名古屋市はいまだに返事していませんし、河村市長は面談もしていません。

    20/1/25に同実行委員会が主催したシンポには、森本章夫・名古屋城総合事務所主幹(当時)が出席し、「2019年6月22日に当団体のシンポに名古屋市が呼ばれなかったが、テーブルに着かせていただき対話がしたいと足繁く通い、本日お招きいただいたと理解している。」と述べています。

    それから3年半がたちましたが、名古屋市の態度は硬化しています。
    過去の名古屋市の障害者団体への取り組みを全否定するような態度です。
    2018年5月に名古屋市が発表した『付加設備の方針』には「障害者団体等当事者の意見を丁寧に聞く」とあります。
    せっかくの機会をみすみす潰した名古屋市に、名古屋城木造復元の道筋は見えません。

    以下シンポ案内
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    23/9/9(土)13時20分〜 差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業
     〜名古屋城バリアフリーの行方〜

    23/9/9(土)13時20分〜16時10分
    会場 Zoom+ソーネホール
     名古屋市北区山田2丁目11-62 大曽根住宅1棟1F
    Zoom参加 申込フォーム
    ※会場参加50名(先着順)
    情報保障:手話通訳、要約筆記、ヒアリングループ
    プログラム
     開会挨拶・趣旨説明 共同代表 斎藤縣三
     講演「なにが本当なの?!名古屋城木造天守計画」
      赤羽一郎氏(前名古屋市文化財調査委員会委員長
       ・元愛知淑徳大学講師)
     パネルディスカッション「名古屋城バリアフリーの行方」
      齋藤縣三氏(実現する会共同代表・わっぱの会理事長)
      櫻井義也氏(愛知さくら法律事務所弁護士)
      赤羽一郎氏(前名古屋市文化財調査委員会委員長・元愛知淑徳大学講師
     進行:辻直哉氏(実現する会事務局長・愛知障害フォーラム事務局長)
    参加費無料
    お問合わせ先:名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     (担当:佐々木、水野) TEL:052-851-5240 FAX:052-851-5241
     MAIL aju_kurumaisu@aju-cil.com

    6月3日名古屋市主催の名古屋城バリアフリー市民討論会が開催されました。
    その中で、私たちの仲間である車いす使用の男性が発言したところ、他の参加者から、障害者への差別用語を発し、「お前が我慢せい」など、バリアフリーとは、関係ない発言をあびせました。

    しかも、名古屋市担当職員をはじめ、河村市長もいたにもかかわらず、誰も発言を止めることはありませんでした。討論会閉会のあいさつで、河村市長は、「熱いトークがあって、たいへんよかった」等、障害者差別が目前で起きたことを無視しました。

    この名古屋城木造天守復元事業では、障害者の移動に関わるエレベーター未設置問題以外にも、事業の進め方や石垣の保全方法など、様々な問題が指摘されています。今ある問題とはどんなものなのか、たくさんの市民の方に知っていただき、どのような取り組みが必要かを共に考える機会とします。

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    名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会

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    23/8/23(水)名古屋市障害者施策推進協議会会長が名古屋城バリアフリー市民討論会に対し意見書提出

    名古屋市障害者施策推進協議会の瀧誠会長(愛知淑徳大福祉貢献学部長)は、23/8/23に「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会に対する意見書」を河村たかし名古屋市長あてに提出しました。
    報道によれば杉野みどり副市長が受け取ったとのこと。

    報道で報じられたため、担当の健康福祉局障害福祉部障害企画課企画係に問い合わせたところ、当初「会長が文書を作成し、市に意見書を提出した。意見書は情報公開請求して頂きたい」と言われましたが、「会長が報道各社に配付した資料を入手したい」と述べたところ、受け付けた文書を情報提供頂きました。

    意見書では「障害のある方に対して複数の参加者より差別発言がなされるとともにそれを支持する反応があっても、職員がその場で発言を制止するなどの必要な対応をとることなく進行し、さらに市長による討論の展開を肯定するあいさつにより最後まで障害者差別を正すことなどの対応がされることなく閉会することとなったこと委員一同大変なショックと、怒りを感じております」と冒頭で述べました。

    その後、意見として以下述べられています。

    1.検証委員会において以下の事柄を検証いただきたい
     1)市民討論会開催の適切性
     2)会の企画及びその準備態勢
     3)その後の差別発言の存在とそれに対する市長・職員の対応
    2.検証委員会の検証を受けるとともに名古屋市として再発防止方針を明確にしていただきたい
    3.再建する名古屋城天守のバリアフリーの推進は市の責務であるという視点に立って取り組んでいただきたい
     
    意見書の中に「すべての委員が今回の事態は偶発的に起きたのではなく、起こるべくして起きたのではないかと感じています」「討論会当日の市長の発言、直後の市長会見での『差別的発言』『表現の自由』に関する市長の見解には、『名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例』施行者として適格性を欠くとの意見が委員の中から多数出ました。表現の自由はあっても差別発言は許されるべきではありません」「バリアフリー対策を推進するか否かを市民に問うものではなく、積極的なバリアフリー対策を示し、市民に発信していくことが市の役割と考えます」と述べられています。

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    ・23/6/3 名古屋城バリアフリーに関する市民討論会 会議録は差別発言部分非公開
    ・名古屋市民オンブズマンによる文字起こし(差別発言削除版)

    -------
    23/8/30(水)に開催される第1回「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会(検証部分非公開) で、どのような発言がなされるか注目したいです。


    23/8/22(火)名古屋市障害者差別解消支援会議委員「名古屋城バリアフリー市民討論会検証委員会に障害当事者は1人のみ」

    23/8/22(火)に開催された第2回名古屋市障害者差別解消支援会議で、委員の入谷忠宏・愛知県重度障害者団体連絡協議会事務局長は、「23/8/30に『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会における差別事案に係る検証委員会』が開催されるが、構成は学識経験者が3名、行政が4名で、うち障害当事者は田中伸明弁護士1人しかいない。障害当事者が過半数で話し合わないと不公平ではないか」と述べました。


    ・配付資料
    ・障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領(改正案)
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ

    傍聴者は、録音・録画・写真撮影は禁止されました。

    名古屋市は法律改正に伴い、2024年4月までに「名古屋市障害のある人もない人も共に生きるための障害者差別解消推進条例」の改正を計画していましたが、23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会の差別発言を受け、いったん法律改正に伴う部分のみ改正し、その後、『検証委員会』の議論と、『障害者差別解消支援会議』の議論を踏まえて2024年度以降に再改正する方針を示しました。
    また、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する名古屋市職員対応要領」はすぐにでも改正する方針を示しました。

    濱田智恵実・名古屋手をつなぐ育成会副理事長は、「名古屋市の職員は、差別発言を止めなければならないのは重々わかっていた。それでもどうしても止められなかった。一般の会社でも、社長の言動をとめられない。市長の思いをくんでいえなかったのだろう」と述べました。

    田嶌仁美・障害福祉部長は「差別解消担当者が出席したのに止められなかったのは申し訳ない。当該会議が開かれることも知らなかった。聞いたら席があいているから傍聴できた。職員対応要領はすぐに改正したい」と述べました。

    入谷氏は「今回6/3の発言があって『差別』が明るみになった。
    エレベーター設置に関し、昨年11月日弁連から勧告されたが、それ以前からずっと差別が続いていた。
    7名の検証委員会委員の構成の中で障害のある人は田中さんだけ。
    6対1だ。障害当事者が構成過半数で話し合わないと、不公平ではないか。
    何を検討するのか。進行を進めるときに、流れでちゃんと筋書きができていたとならないか心配だ。
    健常者目線ではなく、障害当事者目線が必要だ」と述べました。

    担当者は「意見は伝える」と述べましたが、入谷氏は「意見を会議で言うだけではなく、取り入れてほしい」と述べました。

    田中弁護士は「まだ中身は聞いていない。全てはこれからだ。障害当事者は1人で、背負う責務は大きい。
    こういった問題がなぜ起きたのか。原因究明と再発防止は大きな検討課題だ。
    それにとどまらず、契機としてより差別解消の大きなステップになるよう報告ができたら」と述べました。

    牛田正美・愛知県難病団体連合会事務局長は「名古屋市障害者施策推進協議会 会長の瀧誠・愛知淑徳大学教授名で、市民討論会に関する意見書が上がっていると思うが」と述べましたが、「まだ意見書が出たわけではない」と述べました。

    笹川純子・名身連聴覚言語障害者情報文化センター所長は「『差別発言を幹部の職員が止めなかった』ことを差別発言と同様に扱うのか。
     事例として載せるべきではないか。名古屋市職員として永久に念頭においてほしい。」と述べ、担当者は「止められなかったのが不当な差別的取扱いになるとするか検討したい」と述べました。
     
    また、名古屋市は元々「差別事象への対応について(対応マニュアル)」を作っていたが、今後書き換えるとしました。

    ・名古屋市職員用「差別事象への対応について(対応マニュアル)<名古屋市>」

    伊藤葉子・中京大学現代社会学部教授は「さいたま市、堺市、愛知県は、監督者の責務を明記し、職務を怠った場合懲戒処分になるとしている。
    名古屋市は課長級以上の記載が無い。ぜひ記載してほしい」と述べました。


    23/8/21(月)全国の障害がある議員が河村市長に名古屋城バリアフリー申入れ(非公開)

    名古屋城天守閣木造復元のバリアフリーのあり方に対し、全国の障害のある議員で構成する「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」が河村たかし名古屋市長と非公開で面談しました。


    その後、市議団各会派と懇談会を行ったとのこと。
    「誰ひとり取り残さない、世界に誇れる、名古屋城天守閣整備のために連帯を込めた声援書」の中で、「河村たかし名古屋市長が行ってきたユニバーサルとは対照的な行動の結果が、6月3日の差別発言を招いたと言っても過言ではありません。」と述べています。
    また、「市長独自のバリアフリーを貫き、一部の人が行けない排他的な建造物を作ってしまったら、世界を代表する差別の象徴となってしまいかねません」と記載があります。

    詳細は、横井市議ブログをお読み下さい。

    ・2023年08月21日 横井利明オフィシャルブログ(名古屋市会議員)
     障害のある議員の全国ネットワークが申し入れ 名古屋城天守閣

    報道では、河村市長は「体の不自由な方との話合いはしたい」「けんかにならないよう、文書で論点を整理した上で地元団体と話したい」、エレベーター設置については「煙突みたいなもので、史実に忠実とは言えなくなる」と述べたとのこと。
    ------
    エレベーター・新昇降技術について、名古屋市は23/6/3以降市民に直接説明をしていません。
    市が2022年12月に新昇降技術の最優秀技術を決定して以降、市民が市に質問出来る場は23/1/21の1回のみでした。

    また、エレベーター・新昇降技術を使うのは、身体の不自由な方だけではありません。
    高齢者・ベビーカー利用者もそうですし、そもそも身体が健康でも18階建てビル相当の高さまで、全て階段で登りたい人がどれくらいいるでしょうか。

    河村市長は「けんかにならないよう、文書で論点を整理した上で地元団体と話したい」とはいうものの、22/12/7に地元障害者団体からの書面にいまだに返事していませんし、
    河村市長は面談もしていません。

    ・2022年12月7日 名古屋市長 河村たかし様
     愛知障害フォーラム(ADF) 名古屋城木造天守にエレベーター設置を実現する実行委員会
     名古屋城木造天守昇降技術および市長発言の撤回要求と抗議 

    あまりにもいい加減な河村市長の態度が、今回の事態を招いたのではないかと思います。

    今後、23/8/30(水)からはじまる「『名古屋城バリアフリーに関する市民討論会』における差別事案に係る検証委員会」でどこまで検証されるのか注目したいです。
    ------
    なお、23/6/3 名古屋城バリアフリーに関する市民討論会 会議録は差別発言部分非公開となりました。
    ・被害に遭われた方が精神的苦痛を受けるおそれ
    ・差別解消推進法の理念に反し、明らかに公にできない

    ----
    熊本市議会議員 村上ひろし

    -------

    23/8/20(日)名市大理事長「千田特任教授は松雄副市長がご尽力しお招きした」

    名古屋市立大学は23/8/20に名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)開設記念「お城」連続講座「第1回 信長の城 −勝幡城から安土城へ−」を行い、会場468人が満員となりました。
    撮影・録音・録画は禁止されました。


    ・名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)開設記念 連続講座(取材のお願い)
    ・名古屋市立大学 なごや学研究センター
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     
    なごや学研究センターは、2023年4月に設立されました。
    名市大は、千田嘉博氏を2023年9月より名古屋市立大学特任教授(近世名古屋学)として招きます。

    郡健二郎・名市大理事長は、開会のあいさつの中で、「今回の講座の定員は468人だが、今回2000名(4.4倍)の応募があった。なぜ名市大が千田先生をお招きしたのか。
    松雄俊憲・名古屋市副市長がご尽力し名古屋市とコラボすることになった。
    名市大は日経地域貢献度ランキングで全国1位。
    国連SDGs取り組みランキング(医療と福祉部門)世界で7位、日本で1位。
    にもかかわらず名前が全国にとどろいていない。
    即戦力が欲しいという思いから千田先生をお招きした。」と述べました。

    千田特任教授の基調講演の後、パネルディスカッションに移りました。
    集まった城好きによる高度な質問に順次回答しましたが、原史彦・名古屋城調査研究センター主査が「名古屋城南にある金シャチ横丁・義直ゾーンの南に、『名古屋城博物館』を作る予定」と述べたところ、会場から「へー」という声が多数上がり、知名度が低いと述べていたことが印象的でした。
    なお、千田特任教授は博物館ゾーン整備基本構想検討懇談会の構成員です。

    今後、年度内にあと2回連続講座を開催するとのこと。
    -------
    今回、共催として名古屋市、名古屋市教育委員会の名前がありました。
    23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会の後、市民が参加出来る名古屋城に関するはじめてのイベントでしたが、差別発言の経緯はおろか、現状の木造復元事業の進捗状況についても一言も触れられませんでした。
    -----
    名古屋城調査研究センターは20名規模になっています。
    名古屋市立大学寄附講座(近世名古屋学)も開設されました。
    今回の講座にも2000人もの応募がありました。

    名古屋市は23/3/14に「木造復元は順調にいって2032年度」とのべています(市は「23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会での差別発言の検証が終わるまで、バリアフリーについて進めない」としているので、もっと延びます)。

    名古屋の歴史を名古屋市民をはじめ全国・全世界の人が知り、学ぶのは、いろんな方法があるはずです。
    木造復元という「ハコモノ」はあと10年はできない前提で考えないといけないのではないかと思います。

    千田特任教授が名市大に着任後、名古屋城木造復元事業はどうなるのか。
    今後も注目していきたいです。
    ---------
    今後の予定
    ・23/8/21(月)10時30分〜 河村市長会見
      「障害者の自立と政治参加をすすめるネットワーク」申入れ(予定)
      13時30分〜 第3回名古屋市障害者施策推進協議会専門部会 名古屋市公館
    ・23/8/22(火)13時30分〜 第2回名古屋市障害者差別解消支援会議 名古屋市公館
    ・23/8/30(水)10時〜 「名古屋城バリアフリーに関する市民討論会」における差別事案に係る検証委員会 名古屋市公館
    ・23/9/9(土)13時20分〜 シンポ「差別は許さない!名古屋城木造天守復元事業」(予定)
    ・23/9/30(土)14時〜 「名古屋城の有形文化財登録を求める会」の月例勉強会 市政資料館
     
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    名古屋城バリアフリー市民討論会質問用紙 市は「筆跡で個人が特定可能」と内容非公開

    名古屋市民オンブズマンは、23/6/3に市が主催した名古屋城バリアフリー市民討論会で回収した質問・意見用紙と感想記入用紙を情報公開請求したところ、「自由記載欄は、筆跡を見る機会のある者等が特定の個人を識別しうる可能性がある」「自筆アンケート用紙を公開することは参加者の了解を得ていない」「障害者基本法や理念の趣旨に反する内容が含まれており、明らかに公にすることができないと認められる」として非公開となりました。

    ・決定書
    ・質問・意見用紙
    ・感想記入用紙
     
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    質問・意見用紙の自由記載欄は、司会者が当日読み上げています。あえて黒塗りにする必然性はありません。
    「自筆アンケート用紙を公開することは参加者の了解を得ていない」とありますが、事前に了解を得ればよかっただけです。
    そもそも、参加した36人が誰かは全く分かりません。「筆跡云々」はあまりにもばかばかしいです。

    なお、非開示事由に「障害者基本法や理念の趣旨に反する内容が含まれており、明らかに公にすることができないと認められる」とありました。
    どうして当初から「公にできない」意見の持ち主が会場にいるとわかっていたにもかかわらず、当日差別発言を許可してしまったのか、全く理解できません。

    なお、アンケートの結果は以下の通りです。
    名古屋市の説明と異なり、「エレベーターを設置しない」がアンケートの回答より多くいました。
    全体を通して「よかった」が26人もいたのがよく分かりません。
    【開催前】設置しない      12
         1階まで小型昇降技術  8
         5階まで小型昇降技術  15
    【開催後】設置しない      14
         1階まで小型昇降技術  5
         5階まで小型昇降技術  15
    【全体を通して】よかった    26
            よくなかった   4
            どちらでもない  4
    参考:5000人アンケート結果
     設置しない:23.4%
     1階まで小型昇降技術:16.9%
     5階まで小型昇降技術:47.2%
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    市民討論会の契約について情報公開請求したところ、お金はまだ支払われておらず、今後2023年9月末までにアンケートのとりまとめをするとのこと。

    ※「文化庁は『復元したとしてもそれはあくまでレプリカだ』という文書を出している」に対して、文化庁に抗議した中身が分かるものは不存在でした。
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    23/8/1(火)名古屋市人権施策有識者「名古屋市でも人権条例を作った方がよい」

    23/8/1に開催された「令和5年度第1回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会」で、小林直三・名古屋市立大学大学院人間文化研究科教授は「名古屋市でも人権条例的なものを作った方がいい」と述べました。

    ・23/8/1 令和5年度第1回名古屋市人権施策の推進にかかる有識者懇談会
     配付資料(資料2-2以外)
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     
    傍聴は許可されましたが、写真・ビデオ撮影・録音は禁止されました。
    また、資料2-2 アンケート案については「未確定な部分がある」ため、公表を控えるよう要請がありました。
    (資料の持ち帰りは許可されました)

    23/6/3名古屋城バリアフリー市民討論会で参加者の一部から、参加した車いすの障がい当事者に対して差別用語を含む差別発言があってからはじめての本有識者懇談会でした。

    5年に1度行っている「人権についての市民意識調査」には、障害者の人権に関して、名古屋城差別発言を受けてアンケート項目を追加する提案がありました。

    また、23/6/3市民討論会の概要が説明されました。
    名古屋市の担当者は「車いすの障害当事者に対して、市としては直接の謝罪ができていないが、先日市長が会見し、市長は障害当事者に会って謝罪されたようだ」と述べました。

    小林教授は「23/6/3市民討論会については、第三者委員会での検証を待ちたい。
    一般論的には表現媒体行為での差別表現は、それ自体問題で人を傷つけるが、表現によって周りの雰囲気や社会を変えてしまう点で問題だ。
    障害のある方だけでなく、部落、性的マイノリティなども根っこは共通している。
    普段は表に出ていないが、ある時牙をむく瞬間がある。牙を押さえるのは人権施策として重要だ。
    人権条例的なものを作った方がいい。名古屋市としてきっちり取り組んでいくという姿勢とメッセージを発信するのは意味がある」と述べました。

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    一般社団法人 地方自治研究機構の調査によれば、令和5年3月31日時点で19都道府県で人権全般を対象とする人権尊重に関する条例を制定していました。
    市区町村では484市区町村で人権の尊重・擁護等に関する条例又は部落差別の撤廃・解消等に関する条例を制定していました。

    特に川崎市では、全国で初めて、外国にルーツを持つ人たちへのヘイトスピーチに刑事罰を科す「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」を2019年12月に制定しました。

    名古屋市が人権問題にどう取り組むか、真価が問われます。

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    なお、配付資料やアンケートを見ましたが、「人権とは何か」が明確にはなっていないような気がしました。
    日本では「人権=思いやり」という意識を持つ人がいまだに多いのではないでしょうか。

    国際人権の基準専門家である藤田早苗氏(英エセックス大学人権センターフェロー)の著書『武器としての国際人権』には、以下記載があります。
    人権の実現は「思いやり」では不十分。
    「生まれてきた人間すべてに対して、その人が能力を発揮できるように、政府はそれを助ける義務がある。その助けを要求する権利が人権。人権は誰にでもある。」(国連人権高等弁務官事務所)
    https://www.youtube.com/watch?v=TXJNVM-nHqo

    その視点に立つと、今後の施策やアンケートの内容について、改善すべき点が多数見つかると思います。

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    ・日本の表現の自由を伝える会
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