公共事業再評価特集



  • 25/7/31(木) 見逃された“巨額の税金”??名古屋市の評価会議、今年も名古屋城木造復元事業スルー
  • 24/10/22(火)名古屋市は今年も名古屋城木造復元事業を公共事業の見直し対象にせず
  • 23/11/7 名古屋城木造復元 公共事業の見直し対象にしなくていいの?
  • 23/10/17 名古屋市 公共事業再評価は国土交通省所管交付金・事業のみ対象
    25/7/31(木) 見逃された“巨額の税金”??名古屋市の評価会議、今年も名古屋城木造復元事業スルー

    名古屋市は2025年7月31日に公共事業の妥当性を外部からチェックする「公共事業評価監視委員懇談会」を開催しました。しかし、その対象はたった6件。
    しかも、市民の関心が高い「名古屋城木造復元事業」(建設費総額500億円規模)は、今年も“議題にすらなりませんでした”。

    評価対象は、国土交通省の補助金がつく事業に限られており、名古屋市独自の重要事業は蚊帳の外。税金の使い道を本気で評価する仕組みとは言えない実態が浮かび上がっています。


    今回の傍聴で見えた3つの課題
    @ 評価対象が極端に狭い(巨額事業が対象外)
    A 全体像・累積額がわからない不透明な評価方式
    B 現地視察廃止で現場感覚や市民の声が欠落

    ・25/7/31 令和7年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配布資料 
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/250731.pdf
     名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/data/250731-1.pdf

    ・名古屋市公共事業評価監視委員懇談会
     https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/53-10-4-0-0-0-0-0-0-0.html
     
    @ 評価対象が極端に狭い(巨額事業が対象外)
    今回は、合計6件が対象となりました。
    ・都市再生整備計画関連事業 1件
     @金城ふ頭地区(第2期)都市構造再編集中支援事業
    ・社会資本整備総合交付金事業 5件
     A市街地の整備・再生による居住環境の向上と防災性の確保
     B大規模地震に対する都市の防災性向上
     C安全・安心で魅力的な総合運動公園を目指す瑞穂公園整備計画
     D名古屋市における魅力ある都市公園づくり
     E名古屋市における安全で安心な都市公園づくり(防災・安全)

    上記6事業に関し、各所管課が指標を選定し、目標値を定めてそれぞれ達成したかどうかを外部有識者が判断します。
    しかしながら、どうしてその指標を定めたか、ほかの指標案はなんだったのかはわかりませんでした。
    (例:「緊急車両達成不能筆数の減少を図る R2年度63筆→R6年度28筆)
    有識者から指摘があり、次回までに示すとのこと。

    なお、愛知県の公共事業評価は、県主体の全ての公共事業が対象です。
    https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kensetsu-kikaku/hyoka-toppage.html
    2023年度、2024年度の記事を参考にしてください。
    ・名古屋市民オンブズマン 公共事業再評価ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/hyoka/

    A 全体像・累積額がわからない不透明な評価方式
    有識者からはいろいろ指摘がありましたが、そもそもの枠組みが、国土交通省から当該年度に補助金を受けて行った事業の評価なので、これまで行ってきた事業全体を評価する、という仕組みにはなっていません。
    これまで全体でいくら税金が投入されてきたか、今回の対象がいくらか、資料フォーマットが統一されておらず、ぱっと分かりませんでした。

    対象一覧表と過去事業費(わかる範囲)を書きだしました。
    6件の評価対象事業には、対象期間の総額で307億7100万円が投じられています。
    詳細は末尾に書きだしました。

    B 現地視察廃止で現場感覚や市民の声が欠落
    また、今回から有識者による現地視察を取りやめました。
    委員の発言にもありましたが、現場に行ったことがあれば、イメージもわかり、評価も可能です。
    行ったことがなく、単に所管課が書面を出しても、きちんと評価できるとは思えません。

    本来であれば、公共事業のことは現地市民が一番わかっているので、現地市民に直接ヒアリングするとか、現地で公共事業評価監視委員懇談会を開いて、誰でも傍聴可能にする、意見を言える場所を作るなどが必要ではないでしょうか。
      
    ◆「幻の7件目」である「名古屋駅周辺地下公共空間整備事業」は来年対象
    なお、「幻の7件目」である「名古屋駅周辺地下公共空間整備事業」は、評価指標一覧には入っていたものの「事務局のミス」だとして会議終了後、傍聴者から資料が回収されました。
    (「〇目標を定量化する指標について」は、後日「正しいもの」を情報提供されました。)
    名古屋市民オンブズマンが「上記事業が対象から外された経緯が分かるもの」を情報公開請求したところ、「来年度対象になるものを、事務局がミスをして入れてしまった」と述べました。
    市民が傍聴していなければ、この事実は“なかったこと”にされていたでしょう。
    また、「公共事業評価監視委員懇談会」の議論自体、市民が知ることはできなかったと思います。

    ◆市民の声を反映させよう
    名古屋市が作成した資料の最終ページに、担当者の氏名と連絡先が記載されています。また、有識者の氏名も公表されています。
    地元の事業について記載がある場合、担当者に質問したり、地元議員に問い合わせてみてはどうでしょうか。
    次回第2回懇談会は2025年9月17日(水)14時から、名古屋市西庁舎12階で開催されます。
    どなたでも傍聴可能です。

    ■2025年末で市民の“最後の砦”が消えるかもしれません
    名古屋市民オンブズマンの活動はすべて、市民の皆さんのカンパで支えられています。
    これまでにも、情報公開請求によって秘密裡に行われた会議の実態を明らかにし、議論の可視化に貢献してきました。
    しかしながら財政難のため、このままでは2025年末で市民の“最後の砦”が消えるかもしれません

    あなたにできること:
    ・記事をSNSでシェアする
    ・気になる事業の担当課に問い合わせる
    ・カンパで監視活動を支える
     http://www.ombnagoya.gr.jp/kannpa.htm

    -------------
    令和7年度 名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 対象事業

    @金城ふ頭地区(第2期)都市構造再編集中支援事業
     昭和40年 事業開始開始
     対象:令和3−6年度 10億4700万円(うち国費率45%)
     
    A市街地の整備・再生による居住環境の向上と防災性の確保
     対象:令和2-6年度 20億2200万円
     ・大曽根北地区区画整理事業
      昭和59-令和12年度 221億9500万円
      対象:1億8800万円
     ・葵土地区画整理事業 
      昭和62-令和15年度 89億円
      対象:2億2700万円
     ・大高駅前土地区画整理事業
      平成4-令和10年度 90億円
      対象:1億9000万円+6000万円
     ・鳴海駅前市街地再開発事業
      平成10-令和9年度 263億円
      対象:1900万円+3億5500万円
     ・上志段味地区
      平成5-令和11年度 496億円
      対象:8900万円+2億1900万円
     ・中志段味地区
      平成7−令和30年度 607億8000万円
      対象:4億1400万円
     ・茶屋新田地区
      平成19-令和8年度 387億6000万円      
      対象:1億4000万円+1億2100万円
      
    B大規模地震に対する都市の防災性向上
     対象:令和2-6年度 5000万円
     
    C安全・安心で魅力的な総合運動公園を目指す瑞穂公園整備計画
     対象:令和2-6年度 35億円
     
    D名古屋市における魅力ある都市公園づくり
     対象:令和2-6年度 78億2800万円
     ・都市公園等事業(荒池緑地) 11億5500万円
     ・都市公園等事業(鶴舞公園) 5億2000万円
     ・都市公園等事業(中村公園) 3億500万円
     ・都市公園等事業(城山公園) 4億1900万円
     ・都市公園等事業(名城公園) 10億2100万円
     ・都市公園等事業(明徳公園) 2億200万円  
     ・都市公園等事業(庄内緑地) 5億400万円
     ・都市公園等事業(新海池公園) 3400万円
     ・都市公園等事業(猪高緑地) 9億2200万円 
     ・都市公園等事業(天白公園) 4900万円
     ・都市公園等事業(道徳公園) 2億8400万円
     ・都市公園等事業(若宮大通公園) 2億7500万円
     ・都市公園等事業(東山公園) 5億6700万円
     ・官民連携型賑わい拠点創出事業(鶴舞公園) 1億9700万円
     ・名古屋市都市公園ストック再編事業(横井山緑地等20箇所) 13億7300万円
     ・天白公園の外周歩道整備 100万円
     
    E名古屋市における安全で安心な都市公園づくり(防災・安全)
     対象:令和2-6年度 163億2400万円
     ・都市公園等事業(米野公園) 6400万円
     ・都市公園等事業(船頭場公園) 5億9300万円
     ・都市公園等事業(相生山緑地) 91億5200万円
     ・都市公園等事業(富田公園) 1億1600万円
     ・都市公園等事業(大森公園) 1億6200万円
     ・都市公園等事業(松蔭公園) 8億400万円
     ・都市公園等事業(城山公園) 200万円
     ・都市公園等事業(新海池公園) 4900万円
     ・名古屋市都市公園安全・安心対策事業(安全・安心対策) 3億3200万円
     ・名古屋市都市公園安全・安心対策事業(長寿命化対策) 13億2000万円
     ・名古屋市都市公園安全・安心対策事業 7億4900万円
     ・都市公園等事業(船頭場公園 5か年防公) 2億4800万円
     ・都市公園等事業(富田公園 5か年防公) 5600万円
     ・名古屋市都市公園安全・安心対策事業(5か年老朽) 4億3400万円
     ・都市防災総合推進事業(昭和橋公園) 21億9100万円
     ・昭和橋公園整備(公園施設整備) 5000万円
     ・米野公園の外周歩道整備 200万円
    -------
    ・名古屋市民オンブズマン 公共事業再評価ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/hyoka/

    ・名古屋市民オンブズマン 名古屋城問題ページ
     http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/goten/index.htm  
     
    ・名古屋市民オンブズマンブログ 名古屋城問題
     https://ombuds.exblog.jp/i33/


    24/10/22(火) 名古屋市は今年も名古屋城木造復元事業を公共事業の見直し対象にせず

    24/10/22に名古屋市は令和6年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開催しましたが、対象が「国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業」と、「国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業」のみとなっているため、事業採択から5年以上未着工となっている名古屋城木造復元事業については今年も対象となりませんでした。


    愛知県と比較しての問題点の指摘は去年記事に書きました。

    2023年 10月 31日 市民オンブズマン事務局日誌
    名古屋市 公共事業再評価は国土交通省所管交付金・事業のみ対象
    https://ombuds.exblog.jp/29735136/

    2023年 11月 07日 市民オンブズマン事務局日誌
    名古屋城木造復元 公共事業の見直し対象にしなくていいの?
    https://ombuds.exblog.jp/29744855/

    名古屋城木造復元事業は、河村たかし前名古屋市長らは「役所が文化財を復元する」とみているようですが、復元された建物はすぐには文化財にならないため、客観的に見れば、「事業が進まない公共事業をどうするか」問題ではないでしょうか。

    名古屋市でも対象とした事業については、有識者がきちんと審議しています。愛知県のように、事業が進まない公共事業を定期的に見直す仕組みを名古屋市で取り入れてもらいたいです。

    -------
    今年あらたに発生した問題点は、「会場から退出する際に、配布した会議資料を返却すること」と、傍聴者に事前に案内を配布し、それを開始前に説明しなかったことです。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241022-1.pdf

    退出時に説明され、資料を返却させられました。
    傍聴者は私1人でした。記者もいませんでした。

    その後、去年は資料を返却させられなかったことを思いだし、名古屋市情報公開窓口に、上記扱いは名古屋市情報公開条例、「附属機関等の会議の公開に関する事務取扱要綱」に基づいているか確認しました。

    ・名古屋市情報公開条例 第36条 (会議の公開) 
    実施機関に置く附属機関及びこれに類するものは、その会議(法令又は他の条例の規定により公開することができないとされている会議を除く。)を公開するものとする。ただし、次に掲げる場合であって、当該会議で非公開を決定したときは、この限りでない。
    (1)非公開情報が含まれる事項について審議、審査、調査等を行う会議を開催する場合
    (2)会議を公開することにより、当該会議の適正な運営に著しい支障が生ずると認められる場合
     https://www.city.nagoya.jp/sportsshimin/page/0000001423.html
     
    ・附属機関等の会議の公開に関する事務取扱要綱
     5条1項
      会議資料は、条例36条の趣旨を踏まえ、各附属機関等が決定する方法により傍聴者に対して提供する。
     2項 前項に規定する会議資料の提供の方法は会議の冒頭において傍聴者に説明するものとする。
     
    その後、会議担当者から「開始前に説明しなかったのは悪かった。また、会議資料について、附属機関の会議内で決定しなかったのも事実。
    情報公開条例の趣旨を踏まえ、第1回目の資料は今から提供したい。
    第2回目以降は、注意事項から(6)を削除したい。希望があれば傍聴者は資料を持ち帰ることが出来るようにしたい」と述べました。

    名古屋市情報公開担当者は「他の附属機関も調べたが、『すべて必ず提供』『回収』『一部回収』があることがわかった」とのこと。

    第1回資料を入手したのでネットに掲載します。
    ・24/10/22 令和6年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241022-2.pdf

    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241022-4.pdf
     
    24/11/5に第2回会議がありましたが、傍聴者注意事項から(6)が消えており、傍聴者は資料を持ち帰ることが出来ました。
    参考になれば幸いです。

    ・24/11/5 令和6年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 注意事項
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241105-0.pdf
     
    ・24/11/5 令和6年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241105.pdf

    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/241105-1.pdf

    -------
    24/11/6 中日新聞デジタル編集部
    【ノーカット】名古屋市長選2024 主要な立候補予定者3人が討論 中日新聞社主催
    https://www.youtube.com/watch?v=J58Rm6pd9Lw&t=1166s

    23/11/7  名古屋城木造復元 公共事業の見直し対象にしなくていいの?

    23/11/7に名古屋市は令和5年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開催しましたが、対象が国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみとなっているため、事業採択から5年以上未着工となっている名古屋城木造復元事業については対象となりませんでした。


    ・23/11/7 令和5年度第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231107.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231107-1.pdf
     
    第1回懇談会と同じく、国国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみでした。
    https://ombuds.exblog.jp/29735136/

    評価自体は大変興味深いものでした。
    以下名古屋市の説明の抜粋
    ・東山公園 費用便益比は50年間で比較
     入場者数は5年で比較
    ・名鉄連続立体交差事業(桜駅〜本星崎駅間)
     事業期間を20年→15年+20年にすれば割引率を踏まえ効果がある
    ・中川運河上流地区浸水対策
     現時点で中止した場合も便益が上回る
     
    名古屋市の説明に対し、懇談会委員が厳しい指摘をしていました。

    --------
    名古屋城木造復元事業は、2015年9月議会で、整備検討調査費3500万円が可決されました。
    それから8年。いまだに着工はおろか、文化庁に現状変更許可申請すら提出できていません。

    当初は2020年7月完成予定でしたが、遅れに遅れ、2023年3月に名古屋市は「順調にいって2032年度」と発言するものの、23/6/3市民討論会での市民による障害者差別発言で停滞しています。
    収支見込みも「着工メドが立ってから作成する」とするのみ。

    本来であれば、国や愛知県で行っているように、進捗がない事業は定期的に第三者を交えて見直すべきですが、名古屋市はそうなっていません。


    23/10/17  名古屋市 公共事業再評価は国土交通省所管交付金・事業のみ対象

    23/10/17に名古屋市は令和5年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開催しましたが、対象が国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみとなっているため、事業採択から5年以上未着工となっている名古屋城木造復元事業については対象となりませんでした。


    ・23/10/17 令和5年度第1回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会 配付資料
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231017.pdf
    ・名古屋市民オンブズマンによるメモ
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/231017-1.pdf

    国土交通省は、事業採択後一定期間が経過した時点で未着工の事業に関し、再評価対象事業とし、事業評価監視委員会を設置しています。
    https://www.mlit.go.jp/tec/hyouka/public/09_public_01c.html

    同様に、各地方自治体でも、国庫補助金事業について、政策再評価法に基づき公共事業再評価を行い、地方自治体が補助事業を中断した場合、国は補助金等の返還を求めることがありません。
    https://www.mlit.go.jp/notice/noticedata/sgml/082/79000469/79000469.html

    また、自治体によっては全ての公共事業に関して事前評価・再評価・事後評価しているところもあります。
    愛知県は県が主体となって実施するすべての公共事業を対象に、事業評価(事前評価・再評価・事後評価)をしています。
    ・愛知県の公共事業評価
     https://www.pref.aichi.jp/kensetsu-kikaku/hyoka/hyoka_toppage.html

    開催に先立ち、以前の「名古屋市公共事業評価監視委員会」の設置要綱ならびに現在の「名古屋市公共事業評価監視委員懇談会」開催要綱、さらに変更の経緯を担当の緑政土木局企画経理課に問い合わせて入手しました。
    名古屋市「懇談会」対象は、国土交通省からの社会資本整備総合交付金の事業と、国土交通省により評価の実施が義務づけられている上記以外の事業評価のみでした。

    ・名古屋市公共事業評価監視委員会設置要綱(1998年12月1日〜)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/kanshiiinkai.pdf
    ・名古屋市公共事業評価監視委員懇談会開催要綱(2014年4月1日〜)
     http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/kanshikondan.pdf
    ・名古屋市公共事業評価監視委員懇談会
     https://www.city.nagoya.jp/shisei/category/53-10-4-0-0-0-0-0-0-0.html

    平成10年12月に名古屋市公共事業評価監視委員会が設置されましたが、当時名古屋市全体で附属機関及び附属機関に類する機関等について、活動実態を踏まえ、附属機関と位置づけるもの、懇談会と位置づけるものに整理が進められており、公共事業評価監視委員会については懇談会と整理し、平成26年から名古屋市公共事業評価監視委員懇談会を開始したとのこと。

    ・名古屋市審議会の設置及び運営に関する指針
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/shingishishin.pdf

    23/10/17「懇談会」での録音・録画は禁止されました。
    傍聴者は名古屋市民オンブズマン事務局員1名のみ。
    23/10/17開催の「懇談会」対象は3件。社会資本整備総合交付金事業は「東山公園の魅力向上」のみ。
    国土交通省所管公共事業は、「名古屋鉄道名古屋本線連続立体交差事業(桜駅〜本星崎駅間)」「中川運河上流地区における浸水対策」のみでした。

    名鉄連続立体交差事業については、3回目の事業評価となっています。
    事業期間は未定(着工準備中)ですが、そのことを委員が認識していないような発言までありました。
    傍聴者は名古屋市民オンブズマン事務局員1名のみと、市民・報道機関の注目度が極めて低かったです。
    事前に対象事業を広く知らせる等の方法が必要ではないでしょうか。

    --------
    なお、2004年に全国市民オンブズマン連絡会議が調査したところ、2003年度に名古屋市公共事業評価監視委員会が再評価の対象にした事業は31件7806億100万円でしたが、中止(休止)が決定された事業は0件でした。

    ・2004年全国市民オンブズマン函館大会 資料 弁護士大川隆司
     公共事業再評価制度の実効性を検証する
     −全体会議及び公共事業分科会への報告
     https://www.ombudsman.jp/taikai/04saihyouka.pdf

    --------
    名古屋城木造復元事業の事業採択がいつなのかははっきりしませんが、17/5/9に竹中工務店と「基本協定」「基本設計契約書」を結んで早6年半。
    いまだに着工のメドはたっていません。
    23/3/14名古屋市議会経済水道委員会で天守閣整備担当主幹は「順調にいって2032年度」と発言しました。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230314-1.pdf
    また、23/6/3市民討論会での障害者への差別発言問題の検証委員会が開催されており、佐治独歩・名古屋市観光文化交流局長は「一連の検証が終わるまで名古屋城木造復元事業を進めない」と明言しています。
    http://www.nagoya.ombudsman.jp/castle/230615-5.pdf

    先述した愛知県の事業評価制度によれば、事業採択から5年未着工で再評価の対象となり、愛知県事業評価監視委員会の意見を聴き、対応方針を決定します。
    https://www.pref.aichi.jp/kensetsu-kikaku/hyoka/hyoka_toppage.html

    差別発言問題の検証がどうなるかわかりませんが、バリアフリー対策、2方向避難、耐震、耐火問題、緊急時避難問題、さらには人数制限ならびに収益性の問題など、課題は山積みです。

    名古屋城木造復元事業は「国・県から補助金をもらわない」方針を示しているため、現在の名古屋市の事業評価制度には乗ってきません。
    名古屋市は、せめて愛知県並に「すべての公共事業」を外部有識者からなる再評価委員会で評価し直すべきではないでしょうか。
    それには名古屋市公共事業評価監視委員懇談会の位置づけを見直す必要があります。
    「すべての公共事業」は難しくとも、少なくとも名古屋城木造復元事業を外部有識者からなる再評価委員会で評価し直すべきだと考えます。

    ------
    なお、第2回名古屋市公共事業評価監視委員懇談会は令和5年11月7日(火)午後1時30分から名古屋市役所西庁舎12階 西12A会議室で開催されます。傍聴可。
    https://www.city.nagoya.jp/templates/kaigioshirase_2023/ryokuseidoboku/0000168668.html


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