ついに公開!名古屋市職員「WEBアクセスログ」は370日保存
●あなたの個人情報が“探られて”いる証拠が『不存在』
あなたの名前が、市役所のパソコンで“こっそり検索”されているかもしれない──
名古屋市で起きた驚くべき事件。それは、市職員が情報公開請求者の氏名をネットで検索し、職場まで突き止めようとしていたというものです。
情報公開制度は、市民の「知る権利」を支える土台。しかしその制度の根幹が、今まさに脅かされています。
氏名や所属を勝手に調べられれば、請求者は報復や不利益を恐れ、制度を使えなくなるかもしれません――。
名古屋市民オンブズマンは、ついにアクセスログ保存の仕組みを解明し、一端を入手することができました!
●情報公開請求での市の対応と矛盾
名古屋市前市政情報室長が、情報公開請求者の氏名を探っていた時期である「2023年4月1日〜2024年3月31日の職員がいつ・どのサイトを見たか記録されている“アクセスログ”(電磁的記録)」を名古屋市民オンブズマンが2025年5月19日に情報公開請求したところ、「不存在」と回答がきました。
前市政室長は2024年3月31日に異動になっています。
後任の人も、もしかしたら同様に情報公開請求者の氏名を探っていた可能性があるとして、2024年4月1日〜2025年3月31日の「アクセスログ」を情報公開請求しました。
担当課からは「情報公開請求には応じられないが、保存期間の設定画面や抽出したアクセスログを情報提供できる」と連絡がありました。
●アクセスログは370日保存
上記を踏まえ、市から情報提供してもらって情報公開請求は取り下げました。
以下が情報提供の抜粋です。
2 名古屋市情報セキュリティ管理基準の抜粋
8 技術的情報保護対策【市対策基準9関係】
(1) 情報システム及びネットワークの管理
ア ログの取得等
・市対策基準9(1)エ(ア)における「ログ」は、原則として1年以上保管することが望ましいが、情報システムが遵守すべき法令等によって保管期間が定められている場合もあるため、関係法令等を確認の上、決定する必要がある。
ログ取得ソフトウェアのシステム設定画面の写し
※ログを370 日(1年以上)保存する設定を行っております。
●「名古屋市民オンブズマン」WEBページ閲覧判明
また、今回の「WEBアクセスログ」で判明した検索キーワードを見る限り、特段の変わったことはありませんでした
(大学の先生の名前や、判例を検索しているのが多かった)。
なお、「名古屋市民オンブズマン」WEBページを閲覧していることも判明しました。役所の方はぜひWEBページ記載内容を参考にしてください。
●ログ保存の重要性とは
名古屋市は事件を受け、「再発防止に取り組む」としています。
しかしながら、本件は単なる「個人情報漏洩事件」ではありません。
情報公開請求の身元を調査すると、制度が壊死してしまいます。
少なくとも職場のPCから情報公開請求者の氏名を調査していないか、「WEBアクセスログ」を市民が定期的に情報公開請求していれば、「情報公開請求者を探ろう」とする気にはならないのではないでしょうか。
また、公的機関の「WEBアクセスログ」の情報公開請求は「身元調査」を未然に防ぐだけではありません。
2016年6月3日、福井県池田町議会事務局長のパソコンが業務と関係ないサイトを閲覧して乗っ取られ、遠隔操作によりデータが流出した事件がありました。
(福井県池田町には当時情報公開条例が不存在だったため情報公開請求できず詳細不明)
2025年6月18日に、名古屋大学は「人文学研究科教員がサポート詐欺に遭い、当該教員のパソコンが第三者による不正アクセスを受ける事案が発生した」旨発表しました。
現時点ではどのようなWEBサイトを閲覧していたか判明していませんが、職務と関係ないサイトを閲覧して乗っ取られたのであれば大問題です。
いうまでもありませんが、公的機関のパソコンでは、職務に関係のないサイトを見てはいけません。
定期的にアクセスログを情報公開請求することで、これらを未然に防ぐことができるのではないでしょうか。
●情報公開請求で制度を守る
市民オンブズマンは、誰でも使える「情報公開請求」という権利で行政をチェックしています。
誰でも行政チェックは可能なのです。
・名古屋市は電子申請でも情報公開請求できます
・このように書けば誰でも請求できます
例)〇年〇月日〜〇月〇日の○○のWEBアクセスログ
・職場PCのWEBログを、年に1回は市民が請求することが、最大の抑止力です
それが、“行政を変える第一歩”になるかもしれません
「情報公開請求なんて、『行政に弓引く』みたいで、、、」と躊躇していませんか?
名古屋市民オンブズマンは、市民の当然の権利である、情報公開請求を気軽にできるようにするための活動を続けています。
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●カンパのお願い(市民の力で継続的に監視を)
「制度を壊す行政を、見過ごさない。制度を守る市民の力を、絶やさない。」
このまま“行政の勝手な秘密主義”を放置しておけば、市民の知る権利はますます形骸化していきます。
名古屋市民オンブズマンの活動は、あなたの一歩で動き続けます。
皆様方のカンパが頼りです。以下リンクからカンパのご協力をお願いいたします。
なお、このままですと、来年以降も現在の事務局職員体制を維持することは困難となります
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2025年06月18日 名古屋大学
個人情報漏えいの可能性について
情報公開請求者を探った名古屋市前市政情報室長らのアクセスログは『不存在』
●あなたの個人情報が“探られて”いるかも
あなたの個人情報、知らぬ間に行政に“探られて”いるかもしれない――
名古屋市で起きた前代未聞の事件。それは、情報公開請求者の氏名を、市の職員がネットで検索し、職場まで特定しようとしたというものです。
情報公開制度は、市民の「知る権利」を支える土台。しかしその制度の根幹が、今まさに脅かされています。
氏名や所属を勝手に調べられれば、請求者は報復や不利益を恐れ、制度を使えなくなるかもしれません――。
しかもこの事件、証拠となるはずの「アクセスログ」は“存在しない”とされているのです。なぜなのか?本当に残っていなかったのか?
名古屋市民オンブズマンは、この問題にどう立ち向かったのか――
●役所には『アクセスログ』は本来あるはず
本件で、名古屋市前市政情報室長は「情報公開請求者の氏名をネットで調べて職場を探索した」とのこと。
実は、役所は各職員のPCから外部サイトを閲覧した履歴である『アクセスログ』を記録して一定期間保存しています。
名古屋市民オンブズマンは、かつて職務に関係ないサイト閲覧し残業代を請求して懲戒処分となった名市大職員の2022年のアクセスログを開示請求して「日時」「パス / URL」「タイトル」を入手しました。
また、2015年にも名古屋市立中学校の管理職のWEBアクセスログを開示請求して入手し、職務に全く関係がないサイトを閲覧していたことを確認しています。
●なのに、今回「不存在」
本件を受けて、名古屋市民オンブズマンは、「名古屋市スポーツ市民局市民生活部市政情報室長(当時)、消費生活課長(当時)の令和5年4月1日〜令和6年3月31日のWEBサイトアクセスログ(※職員PCでどのサイトをいつ見たかを記録したもの。電磁的記録)」を2025年5月19日に情報公開請求しました。
しかしながら、2025年5月23日に「対象期間のWEBサイトアクセスログが不存在であるため、非公開とします」と非公開決定が出ました。
名古屋市は「再発防止」と口にしながら、事実確認に不可欠な「アクセスログ」は存在しないと回答。
過去には同じようなアクセスログを開示していたのに、今回は“ない”と言う。これを偶然と受け取ってよいのでしょうか?
●名古屋市民オンブズマンの調査と対応
税金の無駄遣いを追及し、情報公開の徹底を求める名古屋市民オンブズマンは、本件に対し、個人情報保護審議会の傍聴をするとともに、「幹部会での市長発言メモ」「懲戒処分取扱方針」「苦情申立書」「審議会での局長・部長挨拶」を情報公開請求して入手してきました。
情報公開によって、当時の市幹部の説明内容や、懲戒処分の基準などが明らかになりました。
●再発防止にはログの保存が不可欠
名古屋市は事件を受け、「再発防止に取り組む」としています。
しかしながら、本件は単なる「個人情報漏洩事件」ではありません。
情報公開請求の身元を調査すると、制度が壊死してしまいます。
少なくとも職場のPCから情報公開請求者の氏名を調査していないか、市民がチェックできるように、『アクセスログ』を長期保存すべきです。
●情報公開は市民の権利
市民オンブズマンは、誰でも持っている権利を利用して、主権者として行政をチェックしています。
誰でも行政チェックは可能なのです。
あなたも思いついたら一度情報公開請求してみませんか?
それが、“行政を変える第一歩”になるかもしれません
「情報公開請求なんて、『行政に弓引く』みたいで、、、」と躊躇していませんか?
名古屋市民オンブズマンは、市民の当然の権利である、情報公開請求を気軽にできるようにするための活動を続けています。
参考
・令和7年5月23日 行政文書非公開決定通知書
・2023年 02月 06日 市民オンブズマン事務局日誌
職務に関係ないサイト閲覧で懲戒処分を受けた名市大職員の「WEBアクセスログ」開示
・令和7年4月17日 名古屋市
職員による違法行為について
・名古屋市 情報公開窓口
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●カンパのお願い:市民の手で情報公開を守るために
「制度を壊す行政を、見過ごさない。制度を守る市民の力を、絶やさない。」
このまま“行政の勝手な秘密主義”を放置しておけば、市民の知る権利はますます形骸化していきます。
名古屋市民オンブズマンの活動は、あなたの一歩で動き続けます。
皆様方のカンパが頼りです。以下リンクからカンパのご協力をお願いいたします。
なお、このままですと、来年以降も現在の事務局職員体制を維持することは困難となります
傍聴者を退席させた名古屋市個人情報保護審議会局長挨拶 「不祥事に謝罪」音声開示
「あなたの個人情報、知らぬ間に行政に“探られて”いるかもしれない――」
名古屋市前市政情報室長による前代未聞の情報漏洩事件。その謝罪の場すら市民から隠された。
「名古屋市の情報公開への姿勢」を象徴するやり取りに対し、税金の無駄遣いを追及し、情報公開の徹底を求める名古屋市民オンブズマンはどう対応したのでしょうか。
●抗議!局長謝罪は“非公開”
上記不祥事に対し、市個人情報保護審議会で話題になるのではないかと考え、名古屋市民オンブズマンは2025年4月28日に開催された同審議会を傍聴しようとしました。
しかしながら、「委員長の選出がある」という理由で退席を促され退席したところ、審議会開催されていた部屋から、スポーツ市民局長が出てくるところを目撃しました。
局長挨拶が傍聴できなかったとして猛烈に抗議したところ、市は当初は「挨拶は議題になかったので、慣例により傍聴させていない」と発言。
●情報公開条例違反?“審議会は原則公開”
名古屋市民オンブズマンは「市情報公開条例36条で『審議会は原則公開。非公開にするには審議会で非公開と決める必要がある』となっている」としたところ、市は「今後は運用を見直す必要があるのかなと思う」としました。
●音声開示で分かった“本当の謝罪”
その後名古屋市民オンブズマンは、局長挨拶部分の音声の情報公開請求をしたところ、全部開示されました。
実際の音声を文字起こしすると、以下のような謝罪がなされていました。
鳥羽義人スポーツ市民局長:まずですね、最初に申し上げなければいけないことがございまして、先日報道等で発表されましたが、スポーツ市民局の市政情報、当時室長、の立場にある職員がですね請求される方の個人情報等を、人物像等を探ろうとする意図で個人情報をですね、漏洩を含めまして、不祥事が起きたという、そういったことがございました。こういった個人情報の保護等を所管するスポーツ市民局でありながらこういった不祥事を起こしてしまったということを深く反省しておりますし、また
こういうことが2度と起こらないようなですね全市を挙げて、個人情報の保護に努めてまいりたいと思っておりますので、どうかご理解を賜りますようお願い申し上げます。
●情報公開審査会挨拶(傍聴不可)も開示
なお、2025年4月21日に開催された情報公開審査会での南出清志市民生活部長の挨拶部分(傍聴不可)も開示されました
南出清志市民生活部長:なお先日報道がありました通り、前市政情報室長らによる違法行為があったことにつきましては、大変遺憾と思うとともに、誠に申し訳ないと思っております。
本件については個人情報保護制度を所管し、情報を適切に管理する立場の市政情報課で発生した事案であり、この点について大変重く受け止めております。2度とこのような事件が起こらないよう、今一度個人情報の取り扱いの周知徹底を図るとともに、2度とこのようなことを起こさないように職員一同頑張って参りたいと考えております。
今後ともご指導ご鞭撻を賜り、本市の情報公開制度について様々な視点からお力添えをいただいますようお願い申し上げます。
●「音声を開示」すればよいのか
これは単なる“謝罪の録音”の話ではありません。
制度そのものが壊されています。市民が知るべき情報を、市が組織的に閉ざしていることこそが問題なのです。
情報公開請求し、局長・部長挨拶が開示されたのは一歩前進です。
しかしながら、情報公開請求者を探ろうとすること自体、情報公開制度を壊死させることにつながります。
わざわざ平日昼間に審議会傍聴する人はほぼいません。
名古屋市がホームページ上で公開している〈開催結果〉には審議の概要しか記載されていません。
傍聴が可能な審議会を広くネット中継したり、議事録を全てネット公開するなど、真の意味での情報公開が求められているのではないでしょうか。
●名古屋市民オンブズマンは引き続き追及します
情報公開制度の壊死につながる今回の問題を引き続き追及します。詳細が決まり次第お伝えいたします。
参考
・25/4/28 令和7年度第1回名古屋市個人情報保護審議会〈開催結果〉
・25/4/28 名古屋市個人情報保護審議会 スポーツ市民局長挨拶(文字起こし)
・25/4/21 第232回名古屋市情報公開審査会〈開催結果〉
・25/4/21 名古屋市情報公開審査会 市民生活部長挨拶(文字起こし)
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●カンパのお願い:市民の手で情報公開を守るために
「制度を壊す行政を、見過ごさない。制度を守る市民の力を、絶やさない。」
名古屋市民オンブズマンの活動は、あなたの一歩で動き続けます。
皆様方のカンパが頼りです。以下リンクからカンパのご協力をお願いいたします。
なお、このままですと、来年以降も現在の事務局職員体制を維持することは困難となります
25/5/19(月)名古屋市個人情報保護審議会小委員会 傍聴者はタブレットで資料閲覧
25/5/19(月)に開かれた名古屋市個人情報保護審議会小委員会を傍聴しに行きました。
先日25/4/28の個人情報保護審議会は傍聴者に説明もなく、冒頭のあいさつ部分の傍聴ができず猛抗議しました。
今回は冒頭の委員・職員あいさつから公開されただけでなく、なぜか配布資料は紙ではなくタブレットで閲覧できました。
資料を持ち帰れないと思ったら、「希望すればメールで資料を送ります」といわれ、実際に翌日メールで資料が届きました。
非公開議題は傍聴できませんでした。
・25/5/19(月)名古屋市個人情報保護審議会小委員会レジュメ
・名古屋市個人情報保護審議会事務局等 担当者一覧
・敬老パス 特定個人情報保護評価書(全項目評価書)
・保護評価書チェックシート(敬老パスの交付又は利用に関する事務)
・(情報連携基盤システム関係分)特定個人情報保護評価書(全項目評価書)(4.0.4版)
・(電子申請システム関係分)特定個人情報保護評価書(全項目評価書)(1.0.3版)
・事務連絡(特定個人情報保護評価書記載例の情報提供)_市区町村等
・別紙2_特定個人情報保護評価書(全項目評価書)記載例見え消し版
・名古屋市民オンブズマンによるメモ
25/3/31に、「名古屋市行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行条例の一部を改正する条例」が公布されました。
新たに独自利用することになった敬老パスに関し、特定個人情報保護評価書で評価する、というものです。
小委員会の結論としては「適正」としました。
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以下感想
過去、いろんな有識者の審議会等を傍聴しましたが、タブレットで資料を閲覧したのは初めてです。
事務局としても、何人傍聴に来るかわからないのに大量に資料(今回で122枚)を印刷しておくのは手間とコストがかかると思います。
傍聴者としても、紙よりデータの方がその後扱いやすいです。
ここまでできるのであれば、市のホームページですぐにデータをアップした方がよいとも思います。
名古屋市室長が情報公開請求者を違法に探ったのは「懲戒処分取扱方針」では懲戒処分に当たるのでは
あなたが市役所に情報公開請求を出した。すると、あなたの名前や所属が、こっそり職員に探られていた??。
こんなことが実際に名古屋市で起きました。
これは、行政があなたを監視する側に回った瞬間です。情報公開制度の根幹が揺らいでいます。
しかも、発覚しても職員は「懲戒処分」になりませんでした。
読売新聞の25/4/17のスクープで、名古屋市が情報公開請求者の身元を違法に探って「情報公開請求制度を壊死させる」行為を行っていたことが判明しました。
名古屋市は、市政情報室長について「個人情報の保護に関する法律第67条及び第69条第1項並びに地方公務員法第34条第1項に抵触」と認めています。
消費生活課長について「個人情報の保護に関する法律第64条及び第67条並びに地方公務員法第34条第1項に抵触」と認めています。
しかしながら「所属長厳重注意」(懲戒処分未満)にとどまっています。
これは単なる規則違反ではなく、市民の「知る権利」を委縮させる重大な人権侵害です。
そこで私たち名古屋市民オンブズマンは「懲戒処分の取扱方針」がどのようになっているのかを情報公開請求で調べました。
残念ながら「職員に対する措置(懲戒処分未満のもの)の量定の基準は「不存在」となりました。
※以下のリンクは、私たちが入手した「懲戒処分の取扱方針」の全文です。
今回開示された「懲戒処分の取扱方針」(令和5年12月1日施行のもの)では以下になっています。
つまり、名古屋市が自ら定めた処分方針に照らしても、今回のケースは明らかに処分対象になり得るはずなのです。
名古屋市は今回の件を自らは公にせず、2人の処分について「懲戒処分ではなかったことも含め、総合的に判断した」(25/4/18 毎日新聞)と説明していますが、市の懲戒処分取扱方針に照らしても、これは看過できる問題ではありません。
市政情報室長及び消費生活課長の行動が、下記に当たるのではないか、どうして懲戒処分にならないのか大変疑問です。
今回の行為が該当しうる処分基準は以下の通りです。
・「懲戒処分の取扱方針」(令和5年12月1日施行のもの)
(8)秘密漏えい
ア 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らした職員は、減給又は戒告とする。
イ 職務上知ることのできた秘密を故意に漏らし、公務の運営に重大な支障を生じさせた職員は、免職又は停職とする。この場合において、自己又は第三者の利益に供するために不当な目的で秘密を洩らした職員は、免職とする。
(10)個人情報の不正使用
職務上知ることのできた個人情報を自己又は第三者の利益に供するために不当な目的に使用した職員は、免職、停職又は減給とする。
(11)個人の秘密情報の目的外収集
その職権を濫用して、専らその職務の用以外の用に供する目的で個人の秘密に属する事項が記録された文書等を収集した職員は、減給又は戒告とする。
(12)コンピュータの職務目的外使用
職場のコンピュータを職務外の目的で使用し、公務の運営に支障を生じさせた職員は、停職、減給又は戒告とする。
本来は懲戒処分にあたるものを「所属長厳重注意」(懲戒処分未満)にとどめたというのは、広沢一郎市長以下、問題を矮小化させようとしているようにしか見えません。
この問題を風化させないために、市民一人ひとりの関心が不可欠です。
ぜひ名古屋市の対応を注視し、声を上げてください。
名古屋市議会は25/5/20-22に臨時会が行われますので、そこでどのような議論になるのか注目してみましょう。
情報公開制度を守るために、市や市議に意見を送ったり、オンブズマンの取り組みに注目してください。
名古屋市民オンブズマンは、引き続きこの問題を追及します。
25/4/28(月)名古屋市個人情報保護審議会 局長挨拶の存在を示さずに傍聴者を退席させる
名古屋市民オンブズマンメンバーが、25/4/28にあった名古屋市個人情報保護審議会を傍聴しようとしたところ、「議題の前に委員長選任があるので退出を」といわれました。
「審議会開催の案内に『非公開』と記載がない」とその場で抗議したものの、非公開と言われてしぶしぶ退出しました。
しかし、実は委員長選任の前に、局長挨拶や委員挨拶、事務局挨拶があったことが後で判明しました。(目の前を局長が退出していく様子を見ました)
「審議会は原則公開と決まっているはず」とその場で猛抗議したものの、「当審議会は個人情報が含まれる可能性があるため、議題で公開としたもの以外は非公開」と事務局から言われ、納得できないとしたものの議事が進みました。
公開の議題終了後、即市民情報センターに駆け込んで経緯を説明したところ、折り返し担当者から電話があり「委員長選任は個人情報が含まれる可能性があるため慣例として非公開と事務局が決めた。
局長挨拶も一連のものとして非公開と決めた」と繰り返すのみ。
情報公開条例で「審議会は原則公開」としているにも関わらず、自分たちで勝手にルールを決めています。
しかも、当該会議で「局長挨拶や委員長選任」は非公開を決定していません。
・名古屋市情報公開条例 (会議の公開)
第36条 実施機関に置く附属機関及びこれに類するものは、その会議(法令又は他の条例の規定により公開することができないとされている会議を除く。)を公開するものとする。ただし、次に掲げる場合であって、当該会議で非公開を決定したときは、この限りでない。
(1)非公開情報が含まれる事項について審議、審査、調査等を行う会議を開催する場合
(2)会議を公開することにより、当該会議の適正な運営に著しい支障が生ずると認められる場合
25/5/9に市政情報課から3回目の電話があり、「ご指摘を踏まえ、これまでの運用を一定見直す必要があるのかなと思う。
4月の互選はまず議題として扱うことが検討の余地がある。非公開に当たらなければ公開もありうる」と一歩前進しました。
とりあえず、以下を情報公開請求しました。
・25/4/21に開催された名古屋市情報公開審査会での市職員の挨拶の内容がわかるもの
・25/4/28に開催された名古屋市個人情報保護審議会での市職員の挨拶の内容がわかるもの
参考:25/4/28 名古屋市個人情報保護審議会 配布資料
名古屋市の情報公開に対する考え方がたるみきっています。
何らかのイベントを早急に企画します。
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名古屋市民オンブズマン 情報公開条例
名古屋市市政情報室長 情報公開請求者の身元を違法に探る
読売新聞は25/4/17に「名古屋市が情報公開請求者の身元を違法に探った」と記事を掲載しました。
名古屋市は同日記者会見を行い、違法行為を認めました。
・2025/04/17 05:00 読売新聞
公開請求者の人物像探る 名古屋・元室長 市「違法」と謝罪
・25/4/17 名古屋市スポーツ市民局総務課 市民生活部市政情報課
職員による違法行為について
各種記事や名古屋市の発表文によれば、情報公開請求をしていた人の名前を市政情報室長が検索し、消費生活課長に確認を求め、消費生活課長が「講演を依頼するふりをして」職場に確認し、身元を探ったとのこと。
当時の市政情報室長と消費生活課長は、個人情報保護法並びに地方公務員法に抵触するとして24/12/27に所属長注意を受けたとのこと。
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情報公開請求は、市民の権利です。(名古屋市情報公開条例1条)
だれが情報公開請求しても同じ結果がでる制度になっており、市は情報公開請求者の身元を検索する必要はありません。
それどころか、「身元を検索される」と市民が思えば、不安から情報公開請求しなくなり、情報公開請求制度が壊死することにつながりかねません。
名古屋市は「この事案以外で同様の行為はない」と説明しているようですが、到底信じられません。
名古屋市の情報公開制度への無理解が本件につながったと考えます。
名古屋市民オンブズマンとしてどう対応するか緊急に協議中です。
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・名古屋市民オンブズマン 情報公開条例ページ
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2025/04/17 06:49 読売新聞
情報公開請求者の人物像、名古屋市の元室長が探る…市が違法認め謝罪
毎日新聞 2025/4/17 11:06(最終更新 4/17 11:06)
情報公開担当の元室長 請求者の個人情報を違法収集 名古屋市が処分 - 毎日新聞
2025年04月17日 19時03分 NHK
名古屋 情報公開請求者を市の担当者が違法に調査 厳重注意
2025年4月17日(木) 18:34 CBC
名古屋市の幹部職員 「情報公開請求」した市民の個人情報を違法に集める 名前をネットで検索→職業など調べ…
2025年4月17日 19:11 中京テレビ
「情報公開請求への対応を円滑にするために必要だと思った」 “情報公開請求者”個人情報を違法に集めた市職員「厳重注意」 名古屋市
2025/04/17 21:09配信 東海テレビ
“講演依頼”を装い聞き出す…情報公開請求した男性の個人情報を市の幹部らが違法収集 市が2人を処分し男性に謝罪
2025/04/18 16:17 読売新聞
情報公開請求者の人物像を調査、名古屋市の所管部署が謝罪…個人情報の不祥事相次ぐ
2025年4月17日 20時52分 (4月17日 22時03分更新) 中日新聞
情報公開請求者の人物像、名古屋市の担当室長が調査 市が違反認め謝罪
横浜市の情報公開手数料改定に対する抗議声明
名古屋市民オンブズマンは、23/2/16に「横浜市の情報公開手数料改定に対する抗議声明」を発表し、横浜市長宛に郵送しました。
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横浜市の情報公開手数料改定に対する抗議声明
2023年2月16日
団 体 名 名古屋市民オンブズマン 代表 新海 聡
今般、「横浜市の保有する情報の公開に関する条例」の一部改正がなされ、電磁的記録の写しの交付に係る手数料の額が「従量制」とされた(2023年4月1日施行予定)。これは、従前は記録媒体の実費相当額のみであった費用に、「1ファイル210円」「1頁10円」の手数料を加算するとするものであり、これにより、交付を受ける市民の負担が著しく増大することとなる。また、複写の過程で頁ごとのスキャン等の作業を要しない場合にまで「1頁10円」の手数料を徴収するものであって当該事務に要する経費が勘案されるべき手数料の趣旨にも反するものである。
こんにちでは、行政文書につき、国は公文書を電子データで作成・取得し、これを正本として保存・管理することを原則としており、地方公共団体においても電子データ化が進んでいる。こうした行政情報のデジタル化は、行政内部の便宜の観点だけでなく、従来の、請求にもとづく情報公開から,誰もがいつでも政府の情報にアクセスすることができるオープンガバメントのためのインフラストラクチャーとして期待され、位置づけられている事は、世界の常識である。ところが、横浜市の条例改正は、情報のデジタル化による開示コストの飛躍的軽減や文書管理の簡素化に逆行するだけでなく、オープンガバメントの創設という、今後の行政と市民との関係の芽を摘む制度と言わざるを得ない。ここには、行政情報を知ることが、いまだに市民にとって特別な制度であり、そのための費用を支払った者だけが情報に知ることができる、という旧態依然とした発想がみてとれる。
私たち市民オンブズマンは、情報公開制度のヘヴィーユーザーとして、1990年代半ばから地方公共団体等の様々な情報を公開し、その不正・不当な行為の監視、是正の活動をおこなってきた。こうした活動によって、情報公開制度の重要性が地方公共団体にも理解され、緊張と信頼とで結ばれる市民と行政との新たな関係も、鳥取県など一部の自治体で生まれ始めている。しかし、横浜市の改正条例には、そうした市民との関係性に対する期待も展望もない。改正条例は、情報公開請求する市民を相変わらず敵視する20世紀的な時代遅れの発想に貫かれたものであり、2023年の段階で、全国的にも類を見ない悪条例と言わざるを得ない。
以上の点から横浜市に対し、上掲条例手数料規定の撤回を私たちは求める。
以上
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全国市民オンブズマン連絡会議 情報公開特集
豊田市情報公開審査会 情報公開手数料導入諮問時、質問した委員の氏名を議事録に記載せず
22/10/3に開催された豊田市情報公開・個人情報保護審査会で、情報公開請求時の手数料導入について諮問されましたが、その際の質疑応答の議事録を情報公開請求したところ、質問した委員の指名が Q:としか書かれておらず、どの委員が発言したか分からないことが判明しました。
22/10/3に開催された豊田市情報公開・個人情報保護審査会の議事録
●議事録
22/10/3に開催された豊田市情報公開・個人情報保護審査会の配付資料(「『情報公開制度における手数料の導入について』に関するパブリックコメントの結果」を除く)
説明資料
●R4第8回審査会次第
●R4第8回審査会進行要領
当該審議会は「非公開」で開催されました。
この議事録は「全部公開」なので、審査請求しても取消訴訟をしても、発言した委員の氏名は分かりません。
議事録には「審議の経過 意見なし。 結論 実施機関の案を適当なものと認める。」とありました。
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参考:豊田市情報公開・個人情報保護審査会委員名簿
鋤柄司 弁護士
鈴木秀和 名城大学理工学部情報工学科准教授
鈴木裕利 中部大学工学部情報工学科教授
松村 享 名古屋学院大学法学部法学科教授
宮崎 亮 弁護士
渡部美由紀名古屋大学大学院法学研究科教授
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豊田市は、22/11/9に「情報公開制度における手数料の導入について」の意見募集結果の公表をし、反対 38件どちらでもよい 1件 でした。
22/12/2(金)に豊田市議会が開会されます。
・令和4年12月定例会 豊田市議会
提出議案一覧 議案の要旨・予算関係議案の要旨
豊田市情報公開条例の一部を改正する条例が上程され、コピー実費以外に、請求1件当たり200円の請求手数料と、100枚を超える枚数1枚につき10円の開示手数料を新たに設定する方針です。
豊田市がパブリックコメントを行った際、名古屋市民オンブズマンは22/9/30に上記に対し反対の意見を提出しました。
市議会の議論に注目したいです。
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なお、同市議会に、豊田市個人情報保護法施行条例も上程されます。
上記に関し、同審査会に諮問した資料も情報公開請求しました。
市長が22/10/25に豊田市情報公開・個人情報保護審査会に諮問した「個人情報保護条例」に関する諮問書類一式
@諮問書
A諮問事項
B制度改正の概要(国の説明資料).pdf
C個人情報の保護に関する法律(令和5年4月1日)
D【制定案】豊田市個人情報保護法施行条例(新規制定)
E【新旧】豊田市情報公開・個人情報保護審査会条例の一部改正条例
22/10/31に開催された豊田市情報公開・個人情報保護審査会で配布された資料(審査請求に係る資料を除く)
説明資料
R4第9回審査会次第
R4第9回審査会進行要領
豊田市情報公開請求手数料新設案 パブコメに反対9割強
豊田市が、情報公開請求手数料新設する案をパブコメにかけたところ、反対意見が9割強だったことが、名古屋市民オンブズマンの情報公開請求で判明しました。
・パブコメ回答まとめ
どちらでもよい 1件
反対 10件
・令和4年9月20日 豊田市長 太田稔彦
諮問 情報公開制度の運営に関する事項について
・22/10/3に開催された豊田市情報公開・個人情報保護
審査会に提出された「『情報公開制度における手数料の導入について』に関するパブリックコメントの結果」
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豊田市は、22/9/1-30までパブリックコメントを募集しました。
・22/8/26 豊田市報道発表資料 「情報公開制度における手数料の導入について」に関するパブリックコメントを実施します
今回開示された内容には詳細な意見が記載されており、「情報公開制度は受益者負担にはなじまない」「知る権利の後退」「請求手数料を設定することで、現状0.05%の利用者をさらに抑制することに」などが述べられております。
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一方、今回開示された資料の中に、なぜか「第5回Eモニターアンケート 情報公開制度における手数料の導入に関する意見募集」結果が掲載されていました。
(1)情報公開制度によって市の保有する公文書の開示請求ができることをご存じですか
・知っていて、公文書の開示請求をしたことがある 2%
・知っているが、公文書の開示請求をしたことはない 42%
・知らなかった 56%
(2)公文書の開示請求において、実費に加えて、手数料を導入することについてどう思いますか?
・手数料の導入をすべきである 30%
・手数料の導入はやむを得ない 54%
・手数料の導入はすべきではない 11%
・その他 5%
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上記Eモニターアンケートは、「公文書の開示請求を実際にしたことがない98%の人が、手数料について回答している」という重大な欠陥があります。
自由欄にも「実際にどのような公文書を開示しているのかわからなかったので、漠然とした質問で回答しにくかったです。具体例を記して欲しかったです」というものもあり、豊田市のアンケートの仕方自体に問題があると考えます。
豊田市情報公開条例第1条には、「地方自治の本旨にのっとり、市民の知る権利を尊重し、公文書の開示を請求する権利を保障するとともに、公文書の開示等に関し必要な事項を定めることにより、市の諸活動を市民に説明する責務を全うし、もって市民の理解と批判の下に公正で透明な市政を実現し、市民の市政への参加の促進に資することを目的とする。」と書かれています。
そうであれば、0.05%しか情報公開請求していない現状を少しでも改善させるような仕組みを導入すべきではないでしょうか。
豊田市は、パブコメの回答をまだ市ホームページで公表していないだけでなく、22/10/3に開催された審査会自体を非公開にし、22/10/31開催予定の審査会も非公開を続ける方針です。
まずは、「パブコメに反対9割強」という事実を広く豊田市民に知らせるべきだと思います。