本件訴訟を提起するきっかけは、@母校での講演 A書籍の執筆 B裁判官弾劾裁判所での証言 だけでなく、
@弁護士任官者が名古屋地裁豊橋支部に異動した途端に依願退官したこと
A同期の裁判官全員が高裁部総括以上になったのに津地裁部総括留任(4年目)
B2024年が地域手当見直しにもかかわらず、最高裁から意見を求められなかったこと だ。
2024年4月に提訴予告記者会見をしたところ、予想以上に広く報道され、国家公務員だけでなく地方公務員や地方公共団体の施設利用者まで反響があり、民間も含む賃金一般の地域格差まで及ぶことが分かった。今後、なぜ露骨な昇格昇給差別をしているのか、関係した裁判官に直接問いただしたい、と述べました。
原告の竹内浩史氏は2003年に裁判官に任官するまで、名古屋市民オンブズマンのメンバーとして多くの住民訴訟に携わってきた。
とりわけ、愛知県議会議員選挙と名古屋市会議員選挙の投票価値の不平等を理由とする選挙無効訴訟は、自らを原告として、憲法的価値が実現されていないことを、裁判所を通じて正そうとする強い意志のもとに訴訟を提起した。
「いつか、だれかがこれを正すことを期待して待つ」のではなく、「自らが制度を用いることで是正しよう」という市民オンブズマン活動の考え方を本訴訟は体現している。
他にも、上下水道工事の談合住民訴訟、名古屋市議会「部会」住民訴訟などで、1990年代後半に行政の透明化を一気に進める原動力となった。
本訴訟は、現職の裁判官が最高裁を訴えたことが注目されているが、ことの本質は、「この訴訟が提起されるまで、誰も声をあげようとしなかった」ことにこそ注目されることだ。
審理を担当する裁判官のみならず、全ての市民について共通の課題が提起されている。
竹内浩史さんが1987年司法修習終了後に名古屋南部法律事務所に入所したが、修習生を指導する担当裁判官から「竹内君のような優秀な人がなぜ名古屋南部法律事務所に入所したのか」とうらやましがられた。
竹内さんは、一般民事事件のほか、過労死労災認定訴訟、昇給差別事件で勝訴判決を獲得してきた。公害訴訟の弁護団にも参加した。
名古屋弁護士会の刑事弁護委員会に所属し、接見交通部会の部会長として活動し、弁護士会の中でも高く評価されたため、弁護士会から任官者に推薦されることにつながったと思う。
竹内さんは、中部弁護士連合会の弁護士任官適格者選考協議会に対し、「良心に従い、弁護士任官にふさわしい裁判官として裁判所に新風を吹き込み、司法への国民の信頼を確立したい」と回答している。
竹内さんは、大分地裁でブログをめぐり所長から査問を受け、大阪高裁では裁判長から「ブログを続けるのか」と言われるなど、最高裁はブログに対する締め付けを強めている。私は岡口裁判官の弾劾裁判での竹内さんの弁護側証人としての証言を聞いて、遅まきながら裁判官が言論・表現の自由を奪われ、ブログすら発信することが事実上困難な状態に置かれていることを知った。
最高裁による竹内さんへの極端な差別処遇は、日本裁判官ネットワークの中心メンバーとして活動していること、2006年3月から実名のブログにより外部への発信を続けていることと考える。
24/7/2(火)、「地域による報酬格差は違憲!裁判官の独立と良心を守る訴訟」を名古屋地裁に提訴したことをご報告いたします。(令和6年(行ウ)53号 名古屋地裁民事1部合ロC係 労働部合議 )
・提訴後会見(youtube)
元名古屋市民オンブズマンのメンバーだった、原告である竹内浩史裁判官は、名古屋から津に転勤したことで「地域手当」が減らされ、報酬が大幅に減額されました。憲法80条2項が、裁判官が良心に従い独立して裁判を行うことができるように裁判官の報酬の減額を禁止しているにもかかわらず、地域間格差が大きく実質的に裁判官の減給を可能にする「地域手当」が存在することは許されるのでしょうか。「地域手当」の違憲性を問い、裁判官の良心を守るための訴訟です。
うれしいことに、名古屋地裁前で行った提訴行動には、代理人弁護士、支援者など30名近くが集まり、各自治体の地域手当割合が書かれたプラカードをもって行進しました。
名古屋の記者会見場には11名の代理人弁護士以外に30人以上のメディア関係者が集まり、満員となりました。
別途東京の記者会見場ともオンラインでつなぎ、3名の代理人弁護士、6名のメディア関係者、さらに岡口基一元裁判官も参加されました。
NHK、中日新聞、各ウェブメディアなど、10を超えるメディアにニュースが掲載されました!
さらなる取材依頼も多く届いており、想像以上の注目を集めています。
この裁判は、転勤を命じられ、給与が大幅に減額されてしまった現職の裁判官が自ら原告となって国を訴える裁判です。
「地域手当」を理由とする報酬の減額は、裁判官の身分を保障する憲法80条2項に違反するのではないでしょうか。
「地域手当」は国家公務員だけの問題に限らず、地方公務員や、公務員以外の方の給与額の参考にもされるため、多くの国民の生活に直接かかわり、「官製地域経済格差」を生み出すと弁護団では考えています。
名古屋市民オンブズマン、全国市民オンブズマン連絡会議も本訴訟を支援すると共に、地域手当の問題点を追及していきます。
クラウドファンディング「地域による報酬格差は違憲!裁判官の独立と良心を守る訴訟」で、訴訟費用等100万円を目標に募集しています。
訴状等は以下に詳しく載っています。情報の拡散にご協力頂きますようよろしくお願いいたします。
https://www.call4.jp/info.php?type=items&id=I0000136
皆さま、引き続きのご支援をどうぞよろしくお願いします。
-------
名古屋市民オンブズマン 地域手当問題
http://www.ombnagoya.gr.jp/tokusyuu/takeuchi/index.htm
===ごく一部をご紹介 メディア掲載情報===
2024年07月02日 17時13分 弁護士ドットコムニュース
現役裁判官が「地域手当は違憲」と提訴 「こんな制度はやめたほうがいい」
https://www.bengo4.com/c_1017/n_17720/
2024年07月02日 18時03分 NHK三重
現役裁判官が提訴 地域手当に格差 給与の減額分など求める
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tsu/20240702/3070013205.html
2024年07月02日18時33分配信 時事通信
「転勤で地域手当減額は違憲」 津地裁裁判官が国提訴―名古屋地裁
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024070200963&g=soc
2024年07月02日 18時39分 共同通信
判事「転勤で減給、違憲」 津地裁の現職が異例の国提訴
https://www.47news.jp/11140788.html
2024年7月2日 18時39分 東京新聞(共同通信)
判事「転勤で減給、違憲」 津地裁の現職が異例の国提訴
https://www.tokyo-np.co.jp/article/337468
2024年7月2日 19:47 名古屋テレビ
「転勤で報酬減額は憲法違反」 津地裁の現職裁判官が減額分約240万円など求め国を提訴
https://www.nagoyatv.com/news/?id=025118
2024年7月2日 19時58分 朝日新聞 高橋俊成
地域手当の格差は「憲法違反」 津地裁の現職裁判官が国を提訴
https://www.asahi.com/articles/ASS723C2LS72OIPE001M.html
2024年07月02日 20時31分 NHK東海NEWS WEB
津地裁の裁判官 地域手当に格差 給与の減額分など求め提訴
https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20240702/3000036316.html
2024年7月2日 20時34分 (7月2日 20時34分更新) 中日新聞
東京なら20%、津市は6%… 公務員「地域手当」の差は憲法違反、現役裁判官が異例の提訴
https://www.chunichi.co.jp/article/921913
2024/7/2 21:00 産経新聞
「転勤で給与が減ったのは違憲」現職判事が国を提訴
https://www.sankei.com/article/20240702-TS7ABOVO55NANOKGRUA6VSQ7LE/
2024/07/02 21:51 読売新聞
津地裁の現職裁判官、国を提訴…大阪高裁と比べて3年間の報酬238万円減は違憲と主張
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240702-OYT1T50157/
2024年7月3日 6:16 中京テレビ
現役判事が国に対し「異例」の提訴 約240万円の損害賠償求める 名古屋地裁
https://news.ntv.co.jp/n/ctv/category/society/ct108738d4b0b74289a58694f572aee70e
2024年7月3日(水) 08:17 CBC
「地域手当が赴任地によって減るのは違憲」現職裁判官が国を提訴
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/cbc/1269988?display=1
2024年07月03日 16:55 弁護士JP編集部
サラリーマンの給与の“地域格差”は「官製」だった? 現役裁判官が“国”を訴える異例の訴訟を提起「すべての国民の未来のために戦う」
https://www.ben54.jp/news/1289
--------